JP2971293B2 - 溶血性連鎖球菌の産生する生理活性物質及びその製造法 - Google Patents
溶血性連鎖球菌の産生する生理活性物質及びその製造法Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は溶血性連鎖球菌(以下
「溶連菌」と称す)の培養上澄から得られ、リンパ球増
殖、感染防御、抗腫瘍活性を有する新規タンパク質に関
する。
「溶連菌」と称す)の培養上澄から得られ、リンパ球増
殖、感染防御、抗腫瘍活性を有する新規タンパク質に関
する。
【0002】
【従来の技術】溶連菌の生菌が抗腫瘍活性を有すること
は古くから知られているが、溶連菌が病原菌であること
から、これを即座に治療に供することは出来ず、過去に
おいて治療に供すべく種々の検討がなされてきた。例え
ば溶連菌の弱毒株の生菌を比較的高濃度のペニシリンG
の存在下で一定条件で処理し凍結乾燥したものがピシバ
ニールの商標名で抗腫瘍剤として知られている。
は古くから知られているが、溶連菌が病原菌であること
から、これを即座に治療に供することは出来ず、過去に
おいて治療に供すべく種々の検討がなされてきた。例え
ば溶連菌の弱毒株の生菌を比較的高濃度のペニシリンG
の存在下で一定条件で処理し凍結乾燥したものがピシバ
ニールの商標名で抗腫瘍剤として知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら菌体その
ものを原料とした場合、菌体そのものの維持管理および
処理方法の均一化等を極めて慎重に行う必要があるなど
安定供給する上で問題点を有していた。
ものを原料とした場合、菌体そのものの維持管理および
処理方法の均一化等を極めて慎重に行う必要があるなど
安定供給する上で問題点を有していた。
【0004】これらの事情を鑑み、本発明は物理化学的
および生理学的に均一なタンパク質として得ることが出
来るようにしたものである。
および生理学的に均一なタンパク質として得ることが出
来るようにしたものである。
【0005】本発明者らは溶連菌の培養上澄中の有効成
分を検索した結果、リンパ球の増殖、感染防御および抗
腫瘍活性を有する新規タンパク質を見出した。本発明は
この新規知見に基づき完成したものである。
分を検索した結果、リンパ球の増殖、感染防御および抗
腫瘍活性を有する新規タンパク質を見出した。本発明は
この新規知見に基づき完成したものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は溶連菌の培養上
澄から得られ、リンパ球増殖刺激活性、感染防御活性、
抗腫瘍活性を有する新規タンパク質に関する。
澄から得られ、リンパ球増殖刺激活性、感染防御活性、
抗腫瘍活性を有する新規タンパク質に関する。
【0007】本発明において溶連菌としては、例えばSt
reptococcus pyogenes Su株(ATCC21060), Streptococ
cus pyogenes Sv株(ATCC 21059), Streptococcus pyo
genes T-12(ATCC 12353)および Streptococcus pyoge
nes C203(ATCC 12384)等が挙げられるが、特にこれら
に限定されるものではない。
reptococcus pyogenes Su株(ATCC21060), Streptococ
cus pyogenes Sv株(ATCC 21059), Streptococcus pyo
genes T-12(ATCC 12353)および Streptococcus pyoge
nes C203(ATCC 12384)等が挙げられるが、特にこれら
に限定されるものではない。
【0008】溶連菌の培養上澄より目的とする生物学的
活性成分を得る製法は、例えば、溶連菌の培養上澄を硫
酸アンモニュウム沈澱法により濃縮、透析する。次にイ
オン交換クロマトグラフィーおよびゲル濾過、凍結乾燥
等によって分子量2万−3万の生理活性物質を精製する
ことにより得られる。
活性成分を得る製法は、例えば、溶連菌の培養上澄を硫
酸アンモニュウム沈澱法により濃縮、透析する。次にイ
オン交換クロマトグラフィーおよびゲル濾過、凍結乾燥
等によって分子量2万−3万の生理活性物質を精製する
ことにより得られる。
【0009】
【作用】このようにして得られた生理活性物質は健康正
常人の末梢血およびマウス脾臓細胞よりFicoll-isopaqu
e法を用いて採取した末梢血単核細胞の増殖を促進し
た。マウスにヘルペスウイルスを感染させる2日前より
投与すると全ての動物は感染死を免れた。マウスに細菌
感染(リステリア菌、溶連菌)させる前に本物質を投与
しておくと感染死を免れた。さらに、マウスに腫瘍を移
植する前に本物質を投与しておくと有意に延命および転
移抑制効果を示した。以上のような有効作用を有してい
る。
常人の末梢血およびマウス脾臓細胞よりFicoll-isopaqu
e法を用いて採取した末梢血単核細胞の増殖を促進し
た。マウスにヘルペスウイルスを感染させる2日前より
投与すると全ての動物は感染死を免れた。マウスに細菌
感染(リステリア菌、溶連菌)させる前に本物質を投与
しておくと感染死を免れた。さらに、マウスに腫瘍を移
植する前に本物質を投与しておくと有意に延命および転
移抑制効果を示した。以上のような有効作用を有してい
る。
【0010】以下本発明について詳細に説明する。
【0011】本発明に使用される溶連菌としては溶連菌
に属する菌ならどれでも良い。例えば、溶連菌T−12
株を液体培地(ミンチビーフ10g、トリプトン20
g、ブドウ糖2g、重炭酸ナトリウム2g、塩化ナトリ
ウム2g、無水リン酸二ナトリウム0.4gを蒸留水1
リットルに溶かしpHを7.8に調整し、115℃で1
0分間高圧滅菌する)に植え、37℃で24時間以内、
振盪あるいは撹拌培養する。本培養液より遠心分離器等
で生理活性物質を含む上澄を得る。
に属する菌ならどれでも良い。例えば、溶連菌T−12
株を液体培地(ミンチビーフ10g、トリプトン20
g、ブドウ糖2g、重炭酸ナトリウム2g、塩化ナトリ
ウム2g、無水リン酸二ナトリウム0.4gを蒸留水1
リットルに溶かしpHを7.8に調整し、115℃で1
0分間高圧滅菌する)に植え、37℃で24時間以内、
振盪あるいは撹拌培養する。本培養液より遠心分離器等
で生理活性物質を含む上澄を得る。
【0012】次いでこの上澄液から通常用いられている
精製手段により分子量2万−3万の精製生理活性物質を
得る事ができる。例えば、塩析、イオン交換カラムクロ
マト、ゲル濾過、凍結乾燥などにより精製を行い、純化
された生理活性物質を得ることができる。
精製手段により分子量2万−3万の精製生理活性物質を
得る事ができる。例えば、塩析、イオン交換カラムクロ
マト、ゲル濾過、凍結乾燥などにより精製を行い、純化
された生理活性物質を得ることができる。
【0013】本発明の生理活性物質の物理化学的性質お
よび生物学的性質は次のとおりである。
よび生物学的性質は次のとおりである。
【0014】(I)分子量 (i)分子量約2.3万−2.7万(SDS−ポリアク
リルアミドゲル電気泳動法)、(ii)分子量約2.0
万−3.0万(ゲル濾過法)
リルアミドゲル電気泳動法)、(ii)分子量約2.0
万−3.0万(ゲル濾過法)
【0015】(II)アミノ酸分析(表1)
【0016】
【表1】
【0017】(III)等電点 等電点8.0−10.0エレクトロフォーカッシング
(ファルマシア社)による。
(ファルマシア社)による。
【0018】(IV)酸およびアルカリに対する安定性 塩酸(pH4.0)および水酸化ナトリウム(pH9.
0)に10分の処理で安定。
0)に10分の処理で安定。
【0019】(V)熱安定性 100℃ 5分間で安定、−20℃から−80℃で6カ
月間安定。
月間安定。
【0020】(VI)各種分解酵素活性に対する安定性 トリプシン、フォスフォリパーゼA2およびC、プロテ
イナーゼK、ニューラミニデース、ガラクトオキシデー
ス処理で安定。
イナーゼK、ニューラミニデース、ガラクトオキシデー
ス処理で安定。
【0021】(VII)従来から知られている菌体由来
物質との相違点 ストレプトコッカルエクソトキシンA(Streptococcal
pyrogenic exotoxin A)によるリンパ球増殖はインター
ロイキン2(IL−2)の産生を伴う反応であるが、本
物質の反応にはIL−2の関与はない。さらに抗ストレ
プトコッカルエクソトキシンA血清(ウサギ)と反応を
示さないことから、これら毒素とは異なっている。
物質との相違点 ストレプトコッカルエクソトキシンA(Streptococcal
pyrogenic exotoxin A)によるリンパ球増殖はインター
ロイキン2(IL−2)の産生を伴う反応であるが、本
物質の反応にはIL−2の関与はない。さらに抗ストレ
プトコッカルエクソトキシンA血清(ウサギ)と反応を
示さないことから、これら毒素とは異なっている。
【0022】(VIII)生物学的特徴 作用1:人およびマウスのリンパ球増殖作用 作用2:細菌およびウイルスの感染防御作用 作用3:抗腫瘍作用
【0023】以下に本発明による生理活性物質の製造法
および生理活性作用に関して更に実施例をもって示す
が、本発明が以下の実施例にのみ限定されるものではな
い。
および生理活性作用に関して更に実施例をもって示す
が、本発明が以下の実施例にのみ限定されるものではな
い。
【0024】
【実施例1】 生理活性物質の製造法 以下の操作は4℃で行い、遠心分離は8000Xg、3
0分の条件で行った。Streptococcus pyogenes T-I2の
培養上澄14lに60%飽和になるように硫安を加え、
1時間静置し、沈澱画分を遠心分離で回収した後、20
mM酢酸緩衝液(pH5.0)に透析した。同緩衝液で
平衡化したCMセルロース52(ワットマン社製)をカ
ラム(30×50cm)につめ、透析内液を添加し、
0.1M酢酸緩衝液を流し溶出される画分を捨て、さら
に0.5M酢酸緩衝液で溶出した活性画分を回収し、蒸
留水に透析後、凍結乾燥した。次に20mMトリス−塩
酸緩衝液(pH7.4)で平衡化したセファクリルS−
200(2.0×100cm)(ファルマシア社製)の
カラムに添加し、同緩衝液で溶出して分子量約2万−3
万の分画を集め濃縮した。さらにこれをセファデックス
G−50(1.2×100cm)(ファルマシア社製)
のカラムに添加し、同緩衝液で溶出した。最初に溶出す
る画分を捨て、ほぼ分子量2万−3万の活性画分を回収
し、凍結乾燥した。続いて同一カラムで再び分画して精
製品とした(図1参照)。この精製行程でリンパ球増殖
活性物質の比活性は約600倍に精製され、SDS−ポ
リアクリルアミド電気泳動分析で単一のバンドとして得
られた。
0分の条件で行った。Streptococcus pyogenes T-I2の
培養上澄14lに60%飽和になるように硫安を加え、
1時間静置し、沈澱画分を遠心分離で回収した後、20
mM酢酸緩衝液(pH5.0)に透析した。同緩衝液で
平衡化したCMセルロース52(ワットマン社製)をカ
ラム(30×50cm)につめ、透析内液を添加し、
0.1M酢酸緩衝液を流し溶出される画分を捨て、さら
に0.5M酢酸緩衝液で溶出した活性画分を回収し、蒸
留水に透析後、凍結乾燥した。次に20mMトリス−塩
酸緩衝液(pH7.4)で平衡化したセファクリルS−
200(2.0×100cm)(ファルマシア社製)の
カラムに添加し、同緩衝液で溶出して分子量約2万−3
万の分画を集め濃縮した。さらにこれをセファデックス
G−50(1.2×100cm)(ファルマシア社製)
のカラムに添加し、同緩衝液で溶出した。最初に溶出す
る画分を捨て、ほぼ分子量2万−3万の活性画分を回収
し、凍結乾燥した。続いて同一カラムで再び分画して精
製品とした(図1参照)。この精製行程でリンパ球増殖
活性物質の比活性は約600倍に精製され、SDS−ポ
リアクリルアミド電気泳動分析で単一のバンドとして得
られた。
【0025】
【実施例2】 リンパ球増殖効果 健康正常人末梢血あるいはマウス(C3H/HeN、B
ALB/c)の脾臓よりフィコールアイソパック(ファ
ルマシア社製)を用いて単核細胞を採取し、本活性物質
のリンパ球増殖作用を[3H]サイミジンの取り込み量
で測定した。リンパ球の培養液はL−グルタミン添加R
PMI1640培地を用い、自己血清を56℃で30分
非動化し、10%の割合で培地に添加した。本活性物質
を0.01−10μg/mlに単核細胞に加え培養する
と5日から8日まで細胞の強い増殖が起こった。しか
も、ヒトのインターロイキン2に依存しない特異反応で
あった。この事実は、これまで報告されているT細胞増
殖因子であるフィトヘマグルチニン(PHA)やコンカ
ナバリンAと異なった新規活性物質であることが明らか
となった。本発明による精製品のセファデックスG−5
0における溶出曲線と生理活性を図1に示した。図1の
縦軸は吸光度A230nm、A280nmおよびリンパ
球増殖率(本物質添加による[3H]サイミジンの取り
込みの最大値を100とし非添加を1として算出)を示
し、横軸は溶出量を示す。
ALB/c)の脾臓よりフィコールアイソパック(ファ
ルマシア社製)を用いて単核細胞を採取し、本活性物質
のリンパ球増殖作用を[3H]サイミジンの取り込み量
で測定した。リンパ球の培養液はL−グルタミン添加R
PMI1640培地を用い、自己血清を56℃で30分
非動化し、10%の割合で培地に添加した。本活性物質
を0.01−10μg/mlに単核細胞に加え培養する
と5日から8日まで細胞の強い増殖が起こった。しか
も、ヒトのインターロイキン2に依存しない特異反応で
あった。この事実は、これまで報告されているT細胞増
殖因子であるフィトヘマグルチニン(PHA)やコンカ
ナバリンAと異なった新規活性物質であることが明らか
となった。本発明による精製品のセファデックスG−5
0における溶出曲線と生理活性を図1に示した。図1の
縦軸は吸光度A230nm、A280nmおよびリンパ
球増殖率(本物質添加による[3H]サイミジンの取り
込みの最大値を100とし非添加を1として算出)を示
し、横軸は溶出量を示す。
【0026】
【実施例3】 細胞感染における本物質の効果 マウス(C3H/HeN)、雄4週齡を用い、溶連菌
(Streptococcus pyogenes C203)を3×10個、腹腔
内に感染させる4日から1日前に本物質100μgを1
日1回腹腔内に投与し、7日後の生死で判定した。本物
質を投与しない対象群では全て死亡したのに対し、4日
から1日の間に本物質を投与したマウスでは全て生存し
た。本物質の投与により顕著な感染防御効果を示した。
また、マウス(C3H/HeN)、雄4週齡を用い、リ
ステリア菌(Listeriamonocytogeneses EGD)を3.4
×105個を静脈内に感染させる4日から1日前に本物
質100μgを1日1回腹腔内に投与し、感染14日後
の生死で判定した。本物質を投与しない対象群は全て死
亡したのに対し、4日間前投与したマウスでは7匹中5
匹が生存した。つまり生存率71.4%と高い感染防御
効果があった。
(Streptococcus pyogenes C203)を3×10個、腹腔
内に感染させる4日から1日前に本物質100μgを1
日1回腹腔内に投与し、7日後の生死で判定した。本物
質を投与しない対象群では全て死亡したのに対し、4日
から1日の間に本物質を投与したマウスでは全て生存し
た。本物質の投与により顕著な感染防御効果を示した。
また、マウス(C3H/HeN)、雄4週齡を用い、リ
ステリア菌(Listeriamonocytogeneses EGD)を3.4
×105個を静脈内に感染させる4日から1日前に本物
質100μgを1日1回腹腔内に投与し、感染14日後
の生死で判定した。本物質を投与しない対象群は全て死
亡したのに対し、4日間前投与したマウスでは7匹中5
匹が生存した。つまり生存率71.4%と高い感染防御
効果があった。
【0027】
【実施例4】 ウイルス感染における本物質の効果 マウス(C3H/HeN)、雄6週齡を用い、ヘルペス
ウイルス(HSV-1,Miyama株)を10PFUを腹腔内に感
染させる3日前、2日前、1日前のいずれか1回、ある
いは3日間1回、本物質100μgを腹腔内に投与し、
ウイルス感染20日後の生存率で判定した。本物質を投
与しない対象群では全て死亡したのに対し、3日間本物
質を投与したマウスでは全て生存した。本物質の投与に
より顕著な感染防御効果を示した。
ウイルス(HSV-1,Miyama株)を10PFUを腹腔内に感
染させる3日前、2日前、1日前のいずれか1回、ある
いは3日間1回、本物質100μgを腹腔内に投与し、
ウイルス感染20日後の生存率で判定した。本物質を投
与しない対象群では全て死亡したのに対し、3日間本物
質を投与したマウスでは全て生存した。本物質の投与に
より顕著な感染防御効果を示した。
【0028】
【実施例5】 抗腫瘍効果 マウス(BALB/c)、雄6週齡を用い、腫瘍細胞は
肝転移型のRL♂1を2×106細胞を静脈内に移植す
る前1日1回、3日間、本物質100μgを腹腔内に投
与し、腫瘍移植14日後における肝臓の腫瘍結節数で転
移を判定した。本物質を投与しない対象群の結節数は1
40個であったのに比べ、本物質投与群は30個と転移
が抑制されていた。
肝転移型のRL♂1を2×106細胞を静脈内に移植す
る前1日1回、3日間、本物質100μgを腹腔内に投
与し、腫瘍移植14日後における肝臓の腫瘍結節数で転
移を判定した。本物質を投与しない対象群の結節数は1
40個であったのに比べ、本物質投与群は30個と転移
が抑制されていた。
【0029】
【発明の効果】本発明により、リンパ球増殖、細菌およ
びウイルス感染防御、腫瘍転移抑制等の作用の解明に有
用な純化された生理活性物質及びその製造法が提供され
た。
びウイルス感染防御、腫瘍転移抑制等の作用の解明に有
用な純化された生理活性物質及びその製造法が提供され
た。
【図1】本発明による精製品のセファデックスG−50
における溶出曲線と生理活性を示すグラフである。
における溶出曲線と生理活性を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C12P 21/00 A61K 35/74 G // A61K 35/74 37/02 (C12P 21/00 C12R 1:46) (72)発明者 岡本 成史 宮城県仙台市青葉区八幡2丁目7−40− 201 (72)発明者 恩田 時男 東京都調布市上石原2丁目29−6 (56)参考文献 特開 昭51−44617(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07K 14/315 A61K 31/00 A61K 38/00 C12P 21/00 - 21/06 A61K 35/74 BIOSIS(DIALOG) WPI(DIALOG)
Claims (5)
- 【請求項1】 溶血性連鎖球菌がStreptococcus pyogen
es Su, Streptococcus pyogenes Sv, Streptococcus py
ogenes T-12, Streptococcus pyogenes C-203株の中か
ら選ばれる1種であり、この溶血性連鎖球菌の培養上澄
より得られる分子量が2万−3万のタンパク質を精製し
て得たリンパ球増殖、感染防御、抗腫瘍活性を有する生
理活性物質。 - 【請求項2】 リンパ球増殖刺激活性を有する請求項1
記載の生理活性物質。 - 【請求項3】 感染防御活性を有する請求項1記載の生
理活性物質。 - 【請求項4】 抗腫瘍活性を有する請求項1記載の生理
活性物質。 - 【請求項5】 Streptococcus pyogenes Su, Streptoco
ccus pyogenes Sv,Streptococcus pyogenes T-12, Stre
ptococcus pyogenes C-203株の中から選ばれる1種の溶
血性連鎖球菌の培養上澄より得られるタンパク質の分子
量2万−3万の画分を集めて濃縮し、イオン交換クロマ
トグラフィー、ゲル濾過、凍結乾燥等により精製してリ
ンパ球増殖、感染防御、抗腫瘍活性を有する生理活性物
質を得ることを特徴とする溶血性連鎖球菌の産生する生
理活性物質の製造法。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5140893A JP2971293B2 (ja) | 1993-06-11 | 1993-06-11 | 溶血性連鎖球菌の産生する生理活性物質及びその製造法 |
US08/198,345 US5559211A (en) | 1993-06-11 | 1994-02-18 | Biologically active product produced by streptococcus pyogenes and method of purification |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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