JP2970673B1 - 局部洗浄方法と局部洗浄装置 - Google Patents

局部洗浄方法と局部洗浄装置

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JP2970673B1 JP32212598A JP32212598A JP2970673B1 JP 2970673 B1 JP2970673 B1 JP 2970673B1 JP 32212598 A JP32212598 A JP 32212598A JP 32212598 A JP32212598 A JP 32212598A JP 2970673 B1 JP2970673 B1 JP 2970673B1
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Abstract

【要約】 【課題】 洗浄水への空気混入による節水の実効性を高
めると共に、高い洗浄力を発揮する。 【解決手段】 気泡ポンプ80は、空気室82を隔てて
気泡分散体83を有する。気泡分散体83は、洗浄水管
路84を流れる洗浄水に接する面(管路壁面全周)に、
多数の独立開孔を備える。よって、空気室82に圧送さ
れた空気は、気泡分散体83の各独立開孔から管路内に
送られ、それぞれの開孔で微細気泡となって洗浄水に混
入する。洗浄水には、この微細気泡が独立して混入・混
合し、各気泡は、形成当初から独立気泡の状態を保ち、
小径の略球形形状であることから剛性が高く変形しにく
い。よって、洗浄水は、空気混入率が1.3という高い
場合でも、空気が気泡状態で安定して分散混合した気泡
流となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、人体局部に洗浄水
を噴出口から噴出して当該局部を洗浄する局部洗浄方法
とその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年では、人体局部の洗浄を行なうに当
たり、単なる洗浄水ではなく、空気を混入させた洗浄水
が用いられつつある。例えば、特開昭56−70338
号では、洗浄水の噴出ノズルと当該ノズルに洗浄水を供
給する配管系と、この配管流路を流れる洗浄水に気泡を
混入させる気泡混入装置とを備え、気泡を含む洗浄水を
噴出する技術が提案されている。こうすることで、噴出
洗浄水の洗浄力を高めたり、ソフトな洗浄感を与えてい
る。
【0003】また、特開平10−18390号や特開平
10−18391号では、空気混入に空気ポンプ等を用
い、このポンプから送られた空気を管路に連結した分岐
管から当該管路内に導き入れ、洗浄水に大量の空気を混
入させる技術が提案されている。こうすることで、洗浄
水のみで噴出させた場合に比べ、噴出洗浄水の流速の増
大化をもたらしてその運動量を増大させ、少量の洗浄水
で心地よい体感と高い洗浄力を得るようにしている。ま
た、洗浄水を少量とすることで、節水をも可能としてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、洗浄水への
空気混入により洗浄水の運動量を増大させ上記の利点を
得るには、混入空気の持つ運動量を確実に洗浄水に伝達
する必要がある。しかしながら、上記のように分岐管か
ら管路内に単純に空気を混入させただけの従来の手法で
は、以下に説明するように洗浄水への空気の運動量の伝
達が充分ではなく、種々の問題があった。
【0005】分岐管からの空気は、分岐管末端の開口に
て管路内に膨らんだ状態で洗浄水の流れから受ける剪断
力により断ち切られて気泡となり、洗浄水に混入する。
このような空気混入の手法でもってして混入空気量を増
やして洗浄水に大量に空気を混入させると、この気泡は
空気量増大により大きくなった状態で断ち切られること
になり、気泡塊が生成しやすくなる。そして、このよう
な気泡塊は容易に合一する。よって、分岐管下流の洗浄
水管路では、洗浄水に空気が混合した洗浄水流であると
いっても、その流動様相は、気相がある程度連続した状
態のスラグ流や環状流となる。
【0006】上記の空気混入の手法を採って混入空気量
をより増大させた場合には、空気流に水滴が混在した流
動様相に近づき、以下に記すように噴霧流となりやす
い。つまり、混入空気量の増大に伴い気泡密度が高まる
ため、気泡の合一の機会が増えて気泡合一の発生頻度が
高まる。よって、気泡径は大きくなり気相の連続化が進
んで連続気相となる。この状態では、洗浄水と空気との
接触面積も小さく抵抗も低いので、空気から洗浄水への
運動量伝達が進まない。このため、洗浄水は低速で管路
壁面に沿って流れ、空気は高速で管路の中央部を流れ
る。このようにして洗浄水と空気が管路を流れると、空
気が高速で流れるときに発生する気液界面の振動と乱流
による剪断力で管路壁面側の洗浄水が破砕され、気泡流
とは逆相の噴霧流となる。
【0007】この噴霧流を始め上記のスラグ流や環状流
の流動様相(以下、この流動様相を非所望の流動様相と
総称する)では気相が連続しているので、上記したよう
に洗浄水と空気の接触面積は低下する。しかも、洗浄水
と空気との接触抵抗が低いことから、空気混入による洗
浄水の速度の向上効果は低く、洗浄水の速度即ち運動量
を増加させる効果は低下する。このため、スラグ流等の
非所望の流動様相では、空気混入により洗浄水を少量と
できるものの、少量が故に洗浄水自身の運動量が低いと
共に空気からの運動量の伝達程度も低いことから洗浄力
の低下をきたす。従って、上記の空気混入手法では、混
入空気量の増大を図ってもスラグ流等の非所望の流動様
相を呈してしまうので、洗浄力確保の観点から混入空気
量に制限を受け、その分だけ洗浄水の少量化が阻害され
る。このような事情から、節水の実効性が必ずしも充分
とはいえなかった。
【0008】この場合、上記したような気泡流と噴霧流
とが転相する境界における空気混入率η、即ち、洗浄水
流量Qwと空気流量Qaの比の値Qa/Qwは、局部へ
の噴出口近傍で空気を混入させることを想定すると、ほ
ぼ1.3であることが判明した。つまり、上記した空気
混入手法では、この空気混入率ηを1.3より高めて
も、噴霧流で洗浄水を噴出できるに過ぎないばかりか、
洗浄水速度が上昇せずこれに伴う節水率も飽和する。よ
って、上記の従来の空気混入手法では、空気混入率ηの
臨界点はほぼ1.3であるといえる。
【0009】ところで、上記の非所望の流動様相を呈し
た上で洗浄力を確保するには、高い運動量をもって、即
ち高い水勢で洗浄水を供給する必要があると共に、この
ような洗浄水に空気混入を図る必要がある。よって、洗
浄水供給を水道水圧力のみで行なうことはできず、洗浄
水供給に消費電力が大きい高能力の圧送ポンプを必要と
する。しかも、空気混入にも消費電力が大きい高能力の
圧送ポンプを必要とする。このため、節水化が困難とな
ると共に、洗浄水供給と空気混入に余分なエネルギを必
要とする。また、このようなポンプは大型であることか
ら、当該ポンプを内蔵する都合上、局部洗浄装置の小型
化も阻害される。
【0010】また、噴霧流の非所望の流動様相では、連
続気相に小さな水滴が数多く含まれるため、噴出後に大
気との干渉により容易に拡散する。そして、この拡散の
過程で速度が低下する。このため、洗浄水の運動量増加
効果が薄れ節水効果も低下する。よって、洗浄力確保の
ため、噴出口を洗浄対象たる人体局部に従来以上に近づ
けなければならないといった不利益がある。また、拡散
噴霧により、局部周辺、具体的には臀部まで不用意に濡
らしてしまい、不快感を与えることもあった。更には、
細かい水滴が局部に達するので水量感に乏しく、好適な
洗浄感が得られない場合もあった。
【0011】本発明は、上記問題点を解決するためにな
され、洗浄水への空気混入による節水の実効性を高める
と共に、高い洗浄力を発揮することを目的とする。ま
た、好適な洗浄感を付与することを目的とする。更に
は、洗浄水供給や空気混入に伴うエネルギ効率を高めて
節電を図ることをも目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】か
かる課題の少なくとも一部を解決するため、本発明は以
下の構成を採った。即ち、本発明の第1の局部洗浄方法
は、人体局部に洗浄水を噴出口から噴出して当該局部を
洗浄する局部洗浄方法であって、前記洗浄水の管路中
に、前記洗浄水の体積に対して1.3〜4倍の範囲の
積の空気塊を微細化し、前記洗浄水と微細化した空気と
を略同一速度で移動させることを特徴とする。
【0013】また、本発明の第2の局部洗浄方法は、人
体局部に洗浄水を噴出口から噴出して当該局部を洗浄す
る局部洗浄方法であって、前記噴出口に至る管路を流れ
る洗浄水に空気を混入し、該空気混入を経た洗浄水の流
れを洗浄水に空気が分散混合した気泡流とし、該気泡流
における洗浄水流量Qwと空気流量Qaの比の値Qa/
Qwを1.3〜4.0の範囲とすることを特徴とする。
【0014】また、本発明の局部洗浄装置は、人体局部
に洗浄水を噴出口から噴出して当該局部を洗浄する局部
洗浄装置であって、前記噴出口に至る管路に設けられた
空気混入部から該管路の洗浄水に空気を混入し、前記空
気混入部からの空気混入を経た洗浄水の流れを洗浄水に
空気が分散混合した気泡流とする空気混入手段と、前記
気泡流における洗浄水流量Qwと空気流量Qaの比の値
Qa/Qwが1.3〜4.0の範囲となるように、前記
気泡流における洗浄水と空気の混合比を調整する混合比
調整手段と、を備えることを特徴とする。
【0015】この場合、上記のような空気分散を通して
水と空気とが完全に独立した状態を得るために空気塊を
微細化するのであるが、その微細化の程度は、気泡径が
100〜1000μmであることが好ましい。即ち、気
泡径を100μm以下とするまでに気泡を微細化するに
は相当のエネルギーが必要となるためである。また、気
泡径が1000μm以上となると隣り合う気泡同士の結
合が発生し易くなり、体積比で1.3倍以上の大量の空
気を含む気泡流としては不安定となるからである。
【0016】上記構成を有する本発明の局部洗浄方法並
びに局部洗浄装置では、空気混入を経た洗浄水の流れを
洗浄水に空気が分散混合し、空気と洗浄水とが同一速度
で流れる気泡流とするので、混入空気は、互いに分断さ
れた状態で洗浄水に存在する。よって、混入空気の持つ
運動量を分散混合したそれぞれの空気で洗浄水に確実に
伝達できるので、洗浄水の流速を増大させその運動量を
も増大させる。しかも、空気混入率η(=Qa/Qw)
を従来ではその上限であった値1.3以上として、従来
以上の洗浄水の少量化を図ることができる。更には、上
記の気泡流として混入空気を分断状態にするので、従来
の上限値1.3以上という高い空気混入率ηであって
も、気泡の合一の機会を低減させ、気泡径の拡大並びに
気相の連続相化を起こさない。よって、噴霧流等の非所
望の流動様相を招くことがない。従って、高い空気混入
率ηでの空気混入により、節水の実効性を確実に高める
ことができる。また、気相の連続のない上記の気泡流と
して上記のように運動量が増大した洗浄水で局部洗浄を
行なえるので、噴霧流等の非所望の流動様相での局部洗
浄とは異なり、高い洗浄力を確実に発揮できると共に、
好適な洗浄感を付与できる。更に、混入空気の運動量を
確実に洗浄水に伝達できることから、エネルギ損失を抑
制でき、洗浄水自体を高い運動量で供給する必要がな
い。よって、洗浄水供給に消費電力が大きい高能力のポ
ンプ機器を必要としないばかりか、空気混入にも高能力
のポンプ機器を必要としない。この結果、節電効果を高
めることができる。
【0017】上記の構成を有する本発明の局部洗浄装置
は、以下の態様を採ることもできる。即ち、前記混合比
調整手段を、前記空気混入手段を制御して空気の混入量
を制御し、前記空気流量Qaを調整する第1調整手段
と、前記空気混入部を通過する洗浄水の通過量を制御
し、前記洗浄水流量Qwを調整する第2調整手段の前記
第1、第2調整手段の少なくとも一方を有するものとす
ることができる。
【0018】こうすれば、空気流量Qaと洗浄水流量Q
wのいずれか若しくは両者の調整を通して、空気混入率
ηを確実に1.3〜4.0の範囲とできる。この場合、
空気混入部を通過する洗浄水の通過量は、この空気混入
部、延いては管路に供給される洗浄水供給量に依存する
といえるので、この洗浄水供給量を制御することもでき
る。また、空気混入部に至るまでの管路において管路の
開度を調整し、管路内で洗浄水通過量を制御することも
できる。
【0019】また、前記混合比調整手段を、前記空気混
入部を通過する洗浄水の通過状況に基づいて前記空気混
入手段を制御して空気の混入量を制御し、前記空気流量
Qaを調整する手段を有するものとすることができる。
【0020】こうすれば、何らかの原因、例えば水道管
等の洗浄水供給源側の圧力低下等により洗浄水の通過状
況、具体的にはその供給量が変動しても、空気混入率η
を確実に1.3〜4.0の範囲とできる。この場合、空
気混入部での洗浄水の通過状況は、実際の供給圧力や供
給量で把握できることから、洗浄水圧力や供給量の検出
値に基づいて空気混入量を制御することができる。ま
た、この通過状況は、空気混入部に至るまでの管路にお
ける管路開度の調整状況でも把握できることから、この
管路開度の調整値に基づいて空気混入量を制御すること
ができる。後者の場合には、洗浄水圧力や供給量の検出
デバイスが不要である点で、構成が簡略となり好まし
い。
【0021】また、前記空気混入部を、微細な気泡を洗
浄水に混入する微細気泡混入手段を有するものとするこ
とができる。
【0022】こうすれば、空気は微細な気泡となって洗
浄水に混入し、混入した各気泡は、微細であることから
独立気泡の状態を保つので、周囲の気泡との合一機会を
より低減できる。よって、空気の分散混合をより確実な
ものとして上記の気泡流を得ることができ、スラグ流等
の非所望の流動様相としないので、高い節水効果を容易
に得ることができる。
【0023】この場合、前記微細気泡供給手段を、平均
直径が約100μm〜1000μmの微細な気泡を洗浄
水に混入するものとすることができる。こうすれば、気
泡は、その規定された粒径によって高い剛性を有するこ
とになり、気泡形状の変形を起きにくくできる。よっ
て、気泡の合一機会の低減に加え、気泡合一自体をも起
きにくくできるので、空気が安定して分散混合した気泡
流とできる。また、洗浄水中で気泡の不要な運動を起こ
さないので、空気の運動量を洗浄水に伝達する際のエネ
ルギ損失も少なくなる。よって、上記したように、節水
の実効性と節電効果とをより高めることができる。
【0024】また、前記微細気泡供給手段を、洗浄水に
接する面に多数分割された独立開孔を有するものとする
ことができる。こうすれば、空気は、それぞれの独立開
孔を経て洗浄水に個々の気泡として別々に混入し、各気
泡は、形成当初から独立気泡の状態を保つ。この各気泡
は、独立開孔にある程度依存した小さな径の略球形形状
となるので、剛性が高く変形もしにくい。よって、気泡
の合一機会の低減に加え、気泡合一自体をも起きにくく
できるので、空気が安定して分散混合した気泡流とでき
る。しかも、各気泡は、それぞれの独立開孔から個別に
形成されて独立気泡の状態で洗浄水に混入するので、高
い分散効率で気泡が洗浄水に当初から混合する。そし
て、このように混合した気泡は、洗浄水の流れの乱れに
より拡散し、洗浄水においてより均一に分散する。よっ
て、上記のように気泡合一が起きにくいことと相俟っ
て、気泡(混入空気)の運動量はより効率よく洗浄水に
伝達される。この結果、上記したように、節水の実効性
と節電効果とをより高めることができる。
【0025】また、前記微細気泡供給手段の独立開孔
を、その開孔配置が規則的なものとすることができる。
こうすれば、単位面積当たりの開孔数を増やすことがで
きと共に、気泡間の距離を均一に保つことができる。よ
って、気泡生成時に連続気泡となりにくくスラグ流等の
非所望の流動様相を起こしにくいので、混入空気の運動
量を確実に洗浄水に伝達できる。また、開孔密度を増や
すことにより小型化も可能であり、この微細気泡供給手
段を有する空気混入部が装着される管路の大径化を要し
ない。
【0026】更に、前記空気混入部を、前記管路の一部
を構成するものとすることができる。こうすれば、空気
混入部において、洗浄水の流れを乱したり流れのよどみ
を発生させない。ところで、気泡が混入した洗浄水にそ
の流れの乱れやよどみが発生すると、気泡同士の接触機
会が増加したり滞留時間が増えるので、気泡合一が発生
しやすく気泡の大径化を起こしやすい。しかし、上記し
たように洗浄水の流れの乱れやよどみを発生させないの
で、気泡を好適に分散混合でき、これを通して、節水の
実効性と節電効果とをより高めることができる。
【0027】この場合、前記空気混入部を、多孔質材料
で形成されたものとしたり、前記管路の洗浄水に接する
領域に亘って略網目状構造を有するものとすることがで
きる。こうすれば、上記の各微細気泡混入手段を容易に
管路に設けることができる。また、網目状構造は、繊維
等を重ね合せたり織り込むことで容易に形成可能であ
り、繊維等の太さ、間隔や配向を制御することで、網目
の開孔形状や開孔面積並びに開孔間距離などを容易に調
整できる。よって、これらの調整を経て、気泡をより確
実に分散混合できる。
【0028】また、前記空気混入部を、前記噴出口の近
傍に設けるようにすることができる。こうすれば、空気
が分散混合した気泡流の洗浄水は、速やかに噴出口から
噴出する。よって、管路を流れる最中での気泡合一を起
きにくくでき、安定した洗浄水の噴出を得ることができ
る。また、気泡流の状態で洗浄水が流れる経路長が短く
なるので、洗浄水通過に際しての管路抵抗は低くなる。
よって、洗浄水供給に必要な水圧や混入空気圧を減少さ
せることができ、節水効果と使用感に優れた人体洗浄を
効率よく低水圧で実現できる。
【0029】また、前記空気混入手段を、前記空気混入
部の下流側の管路に、前記洗浄水の流れに含まれる気泡
塊を破砕し、前記洗浄水の流れを破砕気泡が洗浄水に分
散混合した気泡流に変遷する気泡破砕手段を有するもの
とすることができる。こうすれば、空気混入を経た洗浄
水の流れが連続気相を含むスラグ流等の非所望の流動様
相であっても、この洗浄水の流れに含まれる気泡塊を破
砕して気泡流に変遷できる。よって、この気泡流に変遷
後の洗浄水流で局部洗浄を行なうことができるので、上
記と同様、節水の実効性と節電効果とを高めつつ、高い
洗浄力を確実に発揮して好適な洗浄感を付与できる。
【0030】この気泡破砕手段による気泡塊の破砕は、
その破砕した結果の気泡径が100〜1000μmであ
ることが好ましい。即ち、気泡径を100μm以下とす
るまでに気泡を破砕するには相当のエネルギーが必要と
なり、かつ、その気泡破砕手段が洗浄水に対して大きな
流路抵抗となるからである。また、気泡径が1000μ
m以上となると隣り合う気泡同士の結合が発生し易くな
り、体積比で1.3倍以上の大量の空気を含む気泡流と
しては不安定となるからである。
【0031】この場合、前記気泡破砕手段を、前記噴出
口の近傍に設けるようにすることができる。こうすれ
ば、気泡流に変遷済みの洗浄水は速やかに噴出口から噴
出するので、上記したように、節水効果と使用感に優れ
た人体洗浄を効率よく低水圧で実現できる。
【0032】また、異なる人体局部に洗浄水を噴出する
ための複数の噴出口と、それぞれの噴出口に至る複数の
噴出口側管路とを有し、前記空気混入手段からの前記気
泡流の流入先を、複数の前記噴出口側管路の一つに切り
替える切替手段を有するものとすることができる。
【0033】こうすれば、複数の人体局部を気泡流の状
態の洗浄水でそれぞれ洗浄することができる。そして、
各人体局部の洗浄に際して、上記と同様、節水の実効性
と節電効果とを高めつつ、高い洗浄力を確実に発揮して
好適な洗浄感を付与できる。この場合、噴出口とこれに
対応する噴出口側管路とを有するノズルを人体局部ごと
に複数本有するものとすることは勿論、複数の噴出口と
対応する複数の噴出口側管路を単一のノズルに有するも
のとすることもできる。
【0034】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を実施
例に基づき説明する。図1は、実施例の局部洗浄装置1
0の概略構成を表わしたブロック図、図2は、この局部
洗浄装置10の制御系を電子制御装置24を中心に表わ
したブロック図である。図示するように、この局部洗浄
装置10は、洗浄水を一旦貯留して予め温水化し、この
温水化した洗浄水を人体局部に噴出するいわゆる貯湯式
のものである。
【0035】局部洗浄装置10は、洗浄水タンクとして
機能する熱交換器12を備え、圧力調整機能を有する電
磁止水弁14を経由して、図示しない水道管から洗浄水
の供給を受ける。熱交換器12は、図示するように貯湯
式であることから、洗浄水の温度変化や温調むらを低減
できる利点がある。そして、この熱交換器12は、貯留
した洗浄水を適温に温水化するためのヒーター16と、
貯留洗浄水の水位を検知するための満水水位センサ18
および下限水位センサ20と、洗浄水温度を検出する温
度センサ22とを有する。このヒーター16は、電子制
御装置24からの制御信号を受けてオン/オフし、各セ
ンサは、電子制御装置24に検出信号を出力する。電子
制御装置24は、CPU、ROM、RAM等を有する論
理演算回路として構成され、局部洗浄装置10における
種々の制御を実行する。その一例として、電子制御装置
24は、温度センサ22の検出した洗浄水温度に基づい
てヒーター16をオン/オフ制御し、貯留洗浄水を適温
に維持する。また、電子制御装置24は、満水水位セン
サ18および下限水位センサ20からの水位信号の入力
状態に応じてヒーター16や電磁止水弁14を制御し、
空炊き防止や水位維持を図る。
【0036】局部洗浄装置10は、熱交換器12からノ
ズル装置26に至るまでの洗浄水供給系に、熱交換器1
2の側から、バキュームブレーカ28と流量調整弁30
とを有する。バキュームブレーカ28は、管路を大気開
放することで、ノズル装置26の側からの洗浄水の逆流
を防止する。流量調整弁30は、電子制御装置24から
の制御信号に基づいてノズル水路26aの管路開放と開
度調整(流量調整)を行ない、その下流のノズル装置2
6に洗浄水を流し込む。つまり、ノズル装置26への洗
浄水の供給・停止は、最上流の電磁止水弁14により実
行され、この流量調整弁30により供給洗浄水の流量が
調整される。
【0037】また、局部洗浄装置10は、ノズル装置2
6から噴出される洗浄水を気泡混入の洗浄水とするた
め、空気供給系として空気ポンプ32と流量調整弁34
とを有する。空気ポンプ32は、電子制御装置24から
の制御信号に基づいて駆動し、流量調整弁34に空気を
圧送する。この空気ポンプ32としては、約50000
〜10000Pa(約0.5〜1.0kgfcm2 )程
度の圧送能力で定常運転できるものであれば良く、ロー
リングポンプ、ベーンポンプ、ロータリーポンプ、リニ
アポンプ等の種々のタイプのものを採用できる。流量調
整弁34は、電子制御装置24からの制御信号に基づい
てノズルエアー流路34aの管路開放と開度調整(流量
調整)を行ない、その下流のノズル装置26に空気ポン
プ32からの空気を送り込む。本実施例では、ノズル装
置26に送り込む空気量(流量)の調整は、流量調整弁
34の開度調整と空気ポンプ32の回転制御とを併用し
て行なうようにした。この流量調整弁34と流量調整弁
30は、ステッピングモータを駆動源として有し、回転
位置を電源オフ後にも保持するいわゆる自己保持型の弁
構成を有する。そして、この両流量調整弁は、上記した
それぞれの管路の管路開放並びに流量調整を電子制御装
置24からの制御信号に基づいて実施する。なお、両流
量調整弁並びに空気ポンプ32の駆動の様子については
後述する。
【0038】局部洗浄装置10は、ノズル装置26を進
退駆動させるため、ノズル駆動モータ33を有する。ノ
ズル駆動モータ33は、図示しないプーリ、ベルト等を
有する駆動伝達機構を介してノズル装置26と係合され
ている。このノズル駆動モータ33は、電子制御装置2
4からの制御信号により正逆回転駆動して、ノズル装置
26を図示しない本体ケーシング内の待機位置からお尻
洗浄位置或いはその前方のビデ洗浄位置に進出させた
り、両洗浄位置から待機位置に退避させる。
【0039】この他、局部洗浄装置10は、使用者に操
作されその使用意図を電気信号に変換して電子制御装置
24に出力する操作部72並びにリモートコントローラ
35と、図示しない便座に使用者が着座したことを検出
する着座センサ36と、主電源の操作部である電源投入
部38と、洗浄後の人体局部を乾燥させる図示しない乾
燥装置等(図2参照)を有する。操作部72とリモート
コントローラ35は、局部洗浄に付随する種々の指令を
使用者のボタン操作に伴い電子制御装置24に出力すべ
く、各種の操作ボタンを備える。この場合、操作部72
は本体ケーシングに設置され、電子制御装置24と有線
にてデータを送受信する。リモートコントローラ35
は、赤外線等の光信号を介して電子制御装置24とデー
タを送受信する。
【0040】本実施例では、本体ケーシング側の操作部
72で総ての操作ができるよう、この操作部72に、以
下のボタンを設けた。即ち、局部の洗浄を開始するため
のお尻洗浄ボタン72aやビデ洗浄ボタン72b、停止
ボタン72c、温風の吹き出しを開始するための乾燥ボ
タン72d、水勢に強弱の変化をつけて洗浄水を噴出し
つつ局部洗浄を行なうマッサージボタン72e、ノズル
装置26を前後動させながら洗浄水を噴出して局部洗浄
を行なうムーブボタン72f等の動作指令ボタンと、水
勢の強弱を設定する水勢設定ボタン72g、洗浄水の温
度を調節する吐水温設定ボタン72h、ノズル装置26
の位置を前後方向へ移動するノズル位置調節ボタン72
i、便座温度を調節する便座温度設定ボタン72j、空
気と洗浄水との割合を設定する混合比設定ボタン72
l、気泡量のレベルを設定する気泡量設定ボタン72m
等の動作設定ボタンと、温水洗浄便座全体の運転状態を
設定する運転入/切ボタン72n等を設けている。な
お、この操作部72は、上記した局部洗浄以外の機能に
関して、脱臭状態を設定する図示しない脱臭ボタンと、
室内暖房のオン,オフを設定する図示しない室内暖房ボ
タンと、便座ヒータや室内暖房ヒータへの通電時期を設
定する図示しないタイマ予約ボタンとをも備えている。
【0041】その一方、リモートコントローラ35は、
上記のボタンのうちその使用頻度が高いボタン、即ちお
尻洗浄ボタン72a、ビデ洗浄ボタン72b、停止ボタ
ン72c、乾燥ボタン72d、マッサージボタン72
e、ムーブボタン72fの動作指令ボタンと、水勢設定
ボタン72g、ノズル位置調節ボタン72i、混合比設
定ボタン72l、気泡量設定ボタン72mの動作設定ボ
タンを備えている(図示省略)。また、操作部72とこ
のリモートコントローラ35は、出力装置として、これ
らの各種操作ボタンによる操作の結果をランプや液晶に
よって表示する表示部73を、上記各ボタンと共に備え
る。なお、リモートコントローラ35と電子制御装置2
4は、光信号の送受信部(図示省略)を有する。
【0042】ここで、上記のリモートコントローラ35
が操作されて局部洗浄装置10が動作する様子を、ノズ
ル装置26の構成並びに空気混入の様子の説明に先立
ち、お尻洗浄を例として簡単に説明する。なお、操作部
72のボタンが操作された場合も同様である。
【0043】リモートコントローラ35のお尻洗浄ボタ
ン72aが操作されると、リモートコントローラ35
は、お尻洗浄開始信号を光信号送受信部から電子制御装
置24に送信する。電子制御装置24は、この信号を受
けて、種々の制御対象機器に制御信号を送る。つまり、
電磁止水弁14には管路を開く旨の制御信号を、空気ポ
ンプ32には空気圧送並びに圧送空気量(ポンプ回転
数)を行なう旨の制御信号を、流量調整弁30と流量調
整弁34とには管路開放並びに流量調整量(管路開放
量)に関する制御信号を、ノズル駆動モータ33にはノ
ズル装置26をお尻洗浄位置まで進出させる旨の制御信
号をそれぞれ送信する。電磁止水弁14等の上記の各制
御対象機器は対応する制御信号に基づいて駆動する。よ
って、ノズル装置26は、待機位置からお尻洗浄位置ま
で進出する。洗浄水供給系では、熱交換器12に洗浄水
が流れ込み、その分の熱交換器内洗浄水(温水洗浄水)
が、この熱交換器12からバキュームブレーカ28と流
量調整弁30を経てノズル装置26に流れ込む。また、
空気供給系では、空気ポンプ32の圧送した空気が流量
調整弁34を経てノズル装置26に流れ込む。そして、
後述するように洗浄水に空気が気泡状で分散混合した気
泡流の洗浄水(図7参照)がノズル装置26から噴出さ
れ、この洗浄水によりお尻洗浄が行なわれる。これら各
機器の駆動の様子については、後述のタイミングチャー
トにて詳述する。なお、空気ポンプ32を圧送空気量が
可変するよう構成並びに制御し、流量調整弁34を管路
の開閉を行なう開閉弁とすることもできる。また、空気
ポンプ32を定常運転とし、流量調整弁34にて空気量
調整を行なうようにすることもできる。
【0044】このようにしてお尻洗浄を行なう際、電子
制御装置24は、リモートコントローラ35の上記動作
設定ボタンにて設定済みの洗浄水水勢の強弱等のお尻洗
浄機能に関する現在の設定状態を検出する。そして、電
子制御装置24は、洗浄水水勢に関する設定情報を流量
調整量(管路開放量)として流量調整弁30に送信し、
当該情報を受け取った流量調整弁30は、設定水勢とな
るように管路開度を調節する。この場合、本実施例で
は、後述するように空気混入を行なっていることから、
この空気混入率ηを考慮した管路開度とされる。また、
電子制御装置24は、設定水勢、即ち流量調整弁30に
よる流量調整に基づいた空気の流量調整量(管路開放
量)の制御信号を空気ポンプ32および流量調整弁34
に送信するので、空気ポンプ32と流量調整弁34は、
後述の空気混入率ηとなるよう、圧送空気量を調整す
る。なお、上記したように空気ポンプ32の可変制御を
通して空気混入率ηを調整する場合は、設定水勢に基づ
いた空気の流量調整量(混入空気量)の制御信号を空気
ポンプ32に送信し、当該ポンプを駆動制御する。ま
た、空気ポンプ32を定常運転とし流量調整弁34によ
る空気量調整を通して空気混入率ηを調整する場合は、
設定水勢に基づいた空気の流量調整量(混入空気量)の
制御信号を流量調整弁34に送信し、当該調整弁を駆動
制御する。
【0045】そして、リモートコントローラ35の停止
ボタン72cが操作されると、リモートコントローラ3
5は、停止信号を電子制御装置24に送信するので、電
子制御装置24は、上記各機器を元の状態に復帰させお
尻洗浄を終了する。これにより、洗浄水並びに空気の供
給は停止してノズル装置26は待機位置に退避し、局部
洗浄装置10は、次回以降の局部洗浄に備える。
【0046】次に、この実施例(第1実施例)の局部洗
浄装置10が有するノズル装置26について説明する。
図3は、ノズル装置26の概略構成を示す概略断面図、
図4は、ノズル装置26の移動の様子を説明するための
説明図である。
【0047】図示するように、ノズル装置26は、内部
に洗浄水流路を有するノズル本体40と、その先端に着
脱可能なノズルヘッド42と、ノズル本体基部側に位置
して気泡混合並びに洗浄水切替を行なうための気泡混合
・切替機構部44とを有する。ノズル本体40は、その
軸線方向に沿って2系統の洗浄水流路を有し、小径の側
の流路をお尻洗浄のためのお尻流路43とし、大径の側
の流路をビデ洗浄のためのビデ流路45としている。こ
の場合、お尻流路43は、その径が約1.9mmとさ
れ、ビデ流路45は約2.5mmとされている。また、
この両流路は、長短とされているが、この流路を通過す
る洗浄水速度を考慮するとほぼ同一流路長と仮定でき、
本実施例では約95mmである。ノズルヘッド42は、
シールリング46を介してノズル本体40先端に水密に
取り付けられ、お尻流路43と同径でこれに連続したお
尻噴出流路47とその先端のお尻噴出口49と、ビデ流
路45と同径でこれに連続したビデ噴出流路51とその
先端のビデ噴出口53とを有する。なお、ビデ噴出口5
3は、大小二つの噴出口からなり、ビデ噴出流路51を
通過した洗浄水を両噴出口から同時に噴出する。
【0048】気泡混合・切替機構部44は、ノズル本体
40に水密に固定されるケーシング55を備える。この
ケーシング55は、その底部のモータ連結体56でノズ
ル駆動モータ33の動力を受け、ノズル本体40を上記
した待機位置、お尻洗浄位置およびビデ洗浄位置に進退
させる。ケーシング55の内部には、その周壁に沿って
図中上下に摺動する空気室形成体58が水密に組み込ま
れている。空気室形成体58は、その内部に空気混入体
60を備える。この空気混入体60は、ノズル本体40
の側の支持体61とその反対側の支持体62とで、空気
室形成体58の内壁から隙間を隔てて保持されている。
また、空気室形成体58は、図示する上端側に空気室切
替部63を備え、その下端側のケーシングとの間の間隙
に、スプリング64を備える。そして、支持体62は、
上記の流量調整弁30と接続され、その内部の洗浄水導
入路65から、空気混入体60中央を貫通する貫通孔6
6に洗浄水を導き入れる。その一方、空気室切替部63
は、上記の流量調整弁34と接続され、その内部に形成
された空気導入路67から、空気室形成体58と空気混
入体60との間の間隙に空気を導き入れる。このように
洗浄水並びに空気が導かれる空気混入体60は、独立し
た開孔を形成する多孔質であることから、上記のように
導かれた空気を貫通孔66に通過させ、この貫通孔66
において、洗浄水に空気を気泡状に混入させる。そし
て、気泡混入済みの洗浄水は、支持体61中央の貫通孔
68を経て、上記のお尻流路43又はビデ流路45のい
ずれかに流れ込み、お尻洗浄或いはビデ洗浄に供せられ
る。なお、気泡混入の様子並びに空気混入体60の製造
手法については、後述する。
【0049】次に、上記の気泡混入済み洗浄水の供給先
の切替の様子を、ノズル装置26の移動の様子と関連付
けて説明する。図4に示すように、気泡混合・切替機構
部44は、空気室切替部63を下方に押し下げるための
遮蔽ブロック69を有する。この遮蔽ブロック69は、
ノズル装置26が上記した待機位置およびお尻洗浄位置
に位置する場合には、図の左方側に示すように、空気室
切替部63と干渉しない位置に設置されている。よっ
て、お尻洗浄ボタン72aが操作されてノズル装置26
がお尻洗浄位置を採る場合には、空気室形成体58は、
スプリング64の付勢力を受けて上方の初期位置(図の
左方側)にある。この状態では、支持体61の貫通孔6
8とケーシング55のお尻側貫通孔70とが対向するの
で、気泡混入済み洗浄水は、ノズル本体40におけるお
尻流路43を通過し、お尻噴出口49から噴出される。
【0050】その一方、ビデ洗浄ボタン72bが操作さ
れてノズル装置26がお尻洗浄位置より前方のビデ洗浄
位置まで前進すると、空気室切替部63は、このノズル
前進の間に遮蔽ブロック69と接触し、図の右方側に示
すように、遮蔽ブロック69により下方に押し下げられ
る。よって、ノズル装置26がビデ洗浄位置を採る場合
には、空気室形成体58は、スプリング64の付勢力に
抗して上記の初期位置から流路切替位置(図の右方側)
に移動する。この状態では、支持体61の貫通孔68と
ケーシング55のビデ側貫通孔71とが対向するので、
気泡混入済み洗浄水は、ノズル本体40におけるビデ流
路45を通過し、ビデ噴出口53から噴出される。な
お、ノズル装置26がビデ洗浄位置から待機位置に復帰
すると、空気室形成体58はスプリング64の付勢力を
受けて初期位置に復帰し、次回のお尻洗浄・ビデ洗浄に
備える。
【0051】次に、気泡混合・切替機構部44での洗浄
水への空気混合の様子について説明する。この気泡混合
・切替機構部44は、気泡ポンプとして機能することか
ら、当該ポンプの概念を模式的に表わした図5の模式図
として示すことができる。この図5に示すように、この
気泡ポンプ80は、気泡混合・切替機構部44における
空気室形成体58に相当する空気混入混合筐体81と、
その内部に空気室82を隔てて支持された気泡分散体8
3を有する。この気泡分散体83が、気泡混合・切替機
構部44における空気混入体60である。この場合、洗
浄水管路84の管路径や気泡分散体83の中央貫通孔径
等は、気泡混合・切替機構部44における支持体62の
洗浄水導入路65の管路径、空気混入体60の貫通孔6
6の径等と同じであり、約1.5〜3.0mmである。
【0052】気泡分散体83は、洗浄水管路84に連続
した管路を形成し、当該管路を流れる洗浄水に接する
面、即ち管路壁面全周に、多数の独立開孔を備える。よ
って、空気導入管85から空気室82に圧送された空気
は、気泡分散体83の上記の各独立開孔から管路内に送
られ、各開孔箇所にて膨らむ。この場合、空気室82
は、圧送された空気の圧力変動や圧力分布を吸収する緩
衝領域として機能するので、空気は、著しい速度差を生
じることなく気泡分散体83を通過する。そして、上記
した空気の膨らみは、それぞれの開孔で洗浄水の流れか
ら受ける剪断力により断ち切られて気泡となり、それぞ
れ個別に洗浄水に混入する。
【0053】本実施例では、気泡分散体83(空気混入
体60)における上記の独立開孔を後述する形成材料の
選定並びに工程設定を経て形成し、各独立開孔からの形
成気泡の径が約100〜1000μmとなるようにし
た。よって、洗浄水には、このような微細な径の気泡が
独立して混入・混合する。しかも、各気泡は、形成当初
から独立気泡の状態を保ち、独立開孔にある程度依存し
た小さな径の略球形形状となるので、剛性が高く変形も
しにくい。このため、混入した気泡の合一機会は低減す
ると共に、気泡合一自体をも起きにくくできるので、気
泡分散体83により、洗浄水の流れを、空気が気泡状態
で安定して分散混合した気泡流とできる。この際、各気
泡は、上記したようにそれぞれの独立開孔から個別に形
成されて独立気泡の状態で洗浄水に混入するので、高い
分散効率で気泡が洗浄水に当初から混合する。つまり、
気泡分散体83において空気の混入、微細化、分散混合
が同時に行われることになる。
【0054】この気泡分散体83は、洗浄水管路84に
連続した管路を形成しているので、洗浄水の流れに乱れ
やよどみを発生させることがなく、この乱れやよどみに
よる気泡合一の機会を低減できる。また、洗浄水管路8
4における洗浄水流れ方向に沿って独立開孔を多数有す
るので、この洗浄水流れ方向における多数箇所から気泡
混入を図り気泡発生密度を低くできる。よって、大量の
空気をこの気泡分散体83から混入させても、気泡生成
時の気泡合一が発生しにくく微細な独立気泡を生成でき
る。
【0055】このように、上記の気泡ポンプ80として
模式的に表わされた気泡混合・切替機構部44は、上記
したように洗浄水に気泡を確実に分散混合させ気泡合一
を起きにくくしている。よって、気泡混合・切替機構部
44より下流の洗浄水の流れは、図6に示すような気泡
流の洗浄水流(図6(a))となり、洗浄水に混入した
気相が連続相として存在するスラグ流(図6(b))や
環状流(図6(c))或いは噴霧流(図6(d))の非
所望の流動様相となることはない。従って、本実施例で
は、圧送空気の有する運動量(エネルギ)を、確実に、
効率よく、迅速に洗浄水に伝達することができる。ま
た、微細な気泡は剛性が高く変形しにくく、不要な運動
をしないのでエネルギ損失は少ない。上記の気泡ポンプ
80から噴出される洗浄水の流れの様子を写真撮影した
ところ、図7の写真の読取画像に示すように、この噴出
洗浄水流は、噴出口から広がることなく真っ直ぐに噴出
することが判明した。また、この噴出洗浄水流は、上記
のように気泡が分散混合した気泡流であることから、乳
白色であった。そして、本実施例では、このようにして
得られた気泡流の状態で、洗浄水をノズル本体40にお
けるお尻流路43或いはビデ流路45に送り込み、既述
したお尻洗浄或いはビデ洗浄に供せられる。なお、エネ
ルギ効率については後述する。
【0056】本実施例では、リモートコントローラ35
の停止ボタン72cが操作され局部洗浄を停止する際に
は、上記したノズル装置26の退避制御等の他、以下の
空気混入制御を行なう。即ち、停止ボタン72cが操作
されると、空気供給系に関しては、洗浄水停止後にも空
気ポンプ32を所定時間連続して駆動し、空気混入体6
0に継続して空気を送り込む。これにより、空気混入体
60における貫通孔66の表面からは、洗浄水がない状
態で、引き続き空気が吹き出される。よって、空気混入
体60の独立開孔内部には、水の浸透圧等により洗浄水
が進入することがないようにできる。延いては、流量調
整弁34や空気ポンプ32に洗浄水が達することがない
ようにできるので、これら機器の水による損傷を回避で
きる。また、空気混入体60の独立開孔表面およびその
周辺に付着した水滴やゴミなどを除去することが可能で
あり望ましい。
【0057】ここで、上記の空気混入体60、即ち図5
の気泡ポンプの気泡分散体83により分散混合される気
泡について説明する。気泡分散体83により生成された
直後の気泡径を測定し、この気泡径と気泡ポンプ80に
流れ込む洗浄水流速との関係を調べた。気泡径の測定
は、洗浄水流をマクロレンズを装着した高速度ビデオカ
メラで撮影し、その画像を拡大して寸法測定し、その後
に平均化したものを気泡径とした。その結果を図8に示
す。なお、図8における縦軸は、生成気泡径の対数軸で
ある。
【0058】この図8に示すように、気泡生成直後の気
泡径は、流れ込む洗浄水流速に依存して変化し、洗浄水
流速が大きければ気泡径は小さくなり、洗浄水流速が小
さければ気泡径は大きくなる関係があることが判った。
これは次のように説明できる。つまり、洗浄水流速が増
大するほど気泡断ち切りに関与する剪断力は大きくなる
ので、洗浄水流速が増大するほど気泡は速やかに生成さ
れる。このことから、気泡生成時の洗浄水流速を変化さ
せることにより、生成気泡径の制御は可能である。この
場合、空気混入体60(気泡分散体83)に流れ込む洗
浄水の流量が略一定であれば、空気混入体60(気泡分
散体83)における洗浄水通過断面積を変えることで洗
浄水流速を変化させて、気泡径を制御できる。また、本
実施例のように空気混入体60(気泡分散体83)にお
ける洗浄水通過断面積が不変であれば、洗浄水流量を制
御して気泡径を制御できる。また、剪断力の効果が同一
であれば、生成気泡径は空気混入体60(気泡分散体8
3)の洗浄水に接した面の開孔面積に概略比例するの
で、これを利用して気泡径を制御してもよい。なお、本
実施例では、洗浄水流速を約2〜4m/sとして、生成
気泡径が約100〜約1000μmの範囲内に確実に入
るようにした。
【0059】また、空気混入体60(気泡分散体83)
にて得られた上記の気泡流について、管路内滞留時間と
気泡合一による気泡成長の関係を調べた。気泡径は、気
泡ポンプ80の噴出口から異なる距離だけ離れた2点の
測定個所にて、上記の測定手法で測定し、管路内滞留時
間は、この噴出口から2点の測定個所までのそれぞれの
距離と洗浄水流速とから算出した。その結果を図9に示
す。なお、図9における縦軸は、成長した気泡径Dを生
成時の気泡径Dbで除算した気泡径成長比を表わした対
数軸である。
【0060】この図9に示すように、約12msに亘っ
て気泡流が管路を滞留してもほぼ2.5倍程度しか気泡
は成長せず、約17msの管路滞留であっても約4倍程
度しか気泡は成長しなかった。
【0061】また、洗浄水管路84が種々の管路径とさ
れた気泡ポンプ80を用意し、この気泡ポンプ80の噴
出口に管路長が約95mmの洗浄水通過管を連結し、管
路径と当該通過管の洗浄水滞留時間の関係を調べた。そ
の結果を図10に示す。なお、気泡ポンプ80には0.
7リットル/分の水量で洗浄水を流し込み、気泡分散体
83には空気導入管85を経て1.4リットル/分の空
気量で空気を圧送・混入した。この場合の空気混入率η
(空気混入量/洗浄水量)は、200%である。
【0062】管路長約95mmのお尻流路43(管路径
1.9mm)とビデ流路45(管路径2.5mm)にお
ける洗浄水(気泡流)の滞留時間は、この図10から、
それぞれ約3ms、約6msである。従って、上記両流
路を有するノズル装置26に図9の結果を当てはめる
と、お尻流路43の場合にあっては、空気混入体60で
生成した約100〜1000μmの径の気泡を約1.4
倍の約140〜1400μmにしか成長させない。ま
た、ビデ流路45にあっても、約1.8倍の約180〜
1800μmにしか成長させない。このため、お尻噴出
口49およびビデ噴出口53からは、気泡が依然として
微細な状態で確実に分散混合したままの気泡流で洗浄水
を噴出して、このような洗浄水で局部洗浄を行なうこと
ができる。しかも、上記のようにお尻流路43とビデ流
路45を管路径が異なるものとしたので、以下の利点が
ある。
【0063】本実施例では、気泡混合・切替機構部44
での気泡混入をお尻洗浄とビデ洗浄で共通とした。よっ
て、気泡混合・切替機構部44での空気混入時の洗浄水
通過速度や管路断面積(空気混入体60の貫通孔断面
積)は同一であり、生成される気泡径は同一となる。ま
た、設定水勢が同一であればこの両局部洗浄時の洗浄水
供給量(水量)は同じとなり、上記したようにほぼ同一
管路長のお尻流路43かビデ流路45を気泡流の洗浄水
が通過する。この場合、お尻流路43は管路径が小さく
ビデ流路45は大きいことから、気泡流の洗浄水がお尻
流路43を通過する場合とビデ流路45を通過する場合
とでは、洗浄水通過速度が異なり、上記のように洗浄水
(気泡流)の滞留時間も異なる。つまり、図9からも判
るように、お尻流路43では、洗浄水滞留時間が短く気
泡径も小さい。その一方、ビデ流路45では、洗浄水滞
留時間が長く気泡径はお尻流路43の場合よりも大き
い。このため、お尻流路43を経てお尻噴出口49から
噴出される洗浄水は気泡径の小さい気泡流となるので、
ハードな洗浄感を与えることができる。また、ビデ流路
45を経てビデ噴出口53から噴出される洗浄水は気泡
径の大きい気泡流となるので、ソフトな洗浄感を与える
ことができる。この結果、使用感に優れたお尻洗浄とビ
デ洗浄を図ることができる。
【0064】また、図9から、滞留時間が増すとともに
気泡合一の機会が増して気泡は成長するので、滞留時間
を制御することにより気泡径の制御が可能であるといえ
る。そして、流量を変更すれば上記したように気泡生成
時の気泡径を制御できることから、流量変更で成長後の
気泡径も制御できる。この場合、流量を小さくすれば、
生成気泡径が大きくなり上記の両噴出口からは比較的大
きな径の気泡が分散混入した気泡流となる。よって、ソ
フトな感触の洗浄感を与えることができる。一方、流量
を大きくすれば、生成気泡径が小さくなり上記の両噴出
口からは比較的小さな径の気泡が分散混入した気泡流と
なる。よって、この場合には、ハードな感触の洗浄感を
与えることができる。つまり、このように流量制御を通
して変化に富んだ洗浄感を得ることができる。
【0065】次に、上記の気泡混合・切替機構部44で
得られる効果について、その模式的な構成を有する図5
の気泡ポンプ80を用いて説明する。まず、空気混入に
よる洗浄水の運動量増加効果について説明する。洗浄水
の運動量は、気泡ポンプ80の噴出口から洗浄水を噴出
させた場合、この噴出洗浄水がもたらす荷重で把握でき
る。よって、気泡ポンプ80の噴出口に対向して荷重側
定器を配置し、この噴出洗浄水の荷重を、種々の空気混
入率ηの気泡流の洗浄水について測定した。その結果を
図11に示す。なお、この図11における縦軸は、空気
未混入の洗浄水(空気混入率η=0)を気泡ポンプ80
から噴出した場合に得られる荷重で除算した荷重比であ
る。また、図において本実施例とされているものは、気
泡混合・切替機構部44と寸法等の点で同等の気泡ポン
プ80を意味する。従来技術とされているものは、周壁
に単一の空気混入孔を空けただけの管体を気泡分散体8
3に替わって組み込んだ気泡ポンプを意味し、分岐管か
ら管路内に単純に空気を混入させただけの従来の手法で
ある。また、図中の理論値と示した直線は、以下のよう
にして導いたものである。
【0066】管路を通過する流体の運動量Euは、管路
面積をS、流体密度をρ、流体速度をVとすると、次の
式(1)と表わすことができる。
【0067】Eu=ρ・S・V2 …(1)
【0068】空気の密度ρaは水の密度ρwに比べて無
視できるほど小さいので、洗浄水に空気を混入した混合
洗浄水の密度は、空気混入率η(空気流量/洗浄水流
量)と洗浄水の密度ρwから、ρw/(1+η)とな
る。また、この混合洗浄水の速度は、空気混入率ηと洗
浄水の速度Vから、V・(1+η)となる。よって、空
気混入率ηの混合洗浄水の運動量Euは、次の式(2)
と表わすことができる。
【0069】 Eu=(ρw/(1+η))・S・V2 ・(1+η)2 =ρw・S・V2 ・(1+η) …(2)
【0070】そして、この式(2)の運動量を空気未混
入の洗浄水(空気混入率η=0)の運動量(ρw・S・
2 )で除算した運動量比(1+η)は、上記の荷重比
に相当し、この運動量比が理論値として図に示されてい
る。この理論値における混合洗浄水は、洗浄水に空気が
理想的に分散混合した気泡流の洗浄水に他ならず、連続
気相が存在するようなスラグ流等の非所望の流動様相の
洗浄水ではない。よって、上記の荷重比がこの理論値に
近似すればするほど、その洗浄水は空気が理想的に分散
混合した気泡流であるといえる。
【0071】図11から、従来技術での荷重比は、1よ
りも低い空気混入率ηの時点から上記の理論値と相違
し、空気混入率ηが約1.3となると、約1.5程度の
荷重比しか得られない。よって、従来技術では、空気混
入率ηを洗浄水流量に対して1以上に高めても、洗浄水
に空気が理想的に分散混合した気泡流を得ることはでき
ず、スラグ流等の非所望の流動様相となるに過ぎない。
このため、洗浄水への空気混入を通して節水化を図ろう
としても、この非所望の流動様相であるが故に、上記し
たように洗浄力が低下するので、空気混入を受ける洗浄
水自体の流量増を必要とする。なお、この従来技術で
は、空気混入率ηを約1.3以上としても荷重比に増大
変化が見られないのは、従来技術の手法で空気混入率η
を高めても、既述したようにこの空気混入率ηでは噴霧
流に相転してしまい、それ以上の運動量増大を得ること
ができないからだと考えられる。
【0072】これに対し、本実施例では、空気混入率η
がほぼ4に近くなるまで、上記の理論値と合致し、最高
で約4.5という高い荷重比を得ることができた。よっ
て、本実施例によれば、従来技術にあっては噴霧流に相
転してしまう1.3以上という高い空気混入率ηとして
も、洗浄水に空気が理想的に分散混合した気泡流を確実
に得ることができる。よって、この気泡流の洗浄水とす
ることを通して、洗浄水の運動量を空気混入により確実
に増大できる。このため、少量の洗浄水で高い洗浄力を
発揮でき、節水の実効性を高めることができる。これ
は、上記した独立開孔を有する空気混入体60(気泡分
散体83)により、上記したように、空気の微細気泡で
の混入並びに分散混合を行なうからである。
【0073】また、上記の理論値と合致するので、特に
約3までの空気混入率ηの範囲ではきわめて良く合致す
るので、空気の運動量をロスなく洗浄水に伝達できる。
よって、空気混入を行なう際に投入したエネルギ(空気
圧送エネルギ等)を低減できる。これは、微細気泡での
混入並びに分散混合を同時に行なうことによると考えら
れる。
【0074】本実施例でも、空気混入率ηが4に近くな
ると荷重比の増大程度が小さくなっている。これは、独
立開孔を介して微細気泡での混入並びに分散混合を行な
ったとしても、気泡合一の機会が空気混入率ηの増大に
より増えて気泡合一がある程度起きるからだと考えられ
る。よって、独立開孔を介した微細気泡の混入並びに分
散混合であっても、空気混入率ηが4を越えると噴霧流
への相転が起き得るので、本実施例での空気混入率ηは
4以下とすることが好ましい。
【0075】次に、上記の気泡混合・切替機構部44で
空気混入を行なう際のエネルギ効率について、図5の気
泡ポンプを用いて説明する。なお、図5において、Pは
流体の圧力を、Vはその速度を、Qはその流量を、ρは
その密度を表わしている。そして、これら記号に付した
添え字wは水についてのものであることを、添え字aは
空気のものであることを状態を、添え字tは気泡流のも
のであることを表わしている。ただし、Paにあって
は、気泡分散体通過時の空気圧力損失は除外し、空気の
密度ρaは水の密度ρwに比べて無視できるほど小さい
ので、空気自体の運動エネルギは無視することとする。
【0076】図5に示す気泡ポンプ80において、洗浄
水のエネルギは、図11を用いて説明したように気泡混
入により増加する。流れ込む洗浄水のエネルギをEwと
し、流れ出る洗浄水、即ち気泡流の洗浄水のエネルギを
Etとすると、気泡混入によるエネルギ増幅効果はEt
/Ewで表わされる。また、圧送空気のエネルギをEa
とすると、この気泡ポンプ80におけるエネルギ効率
は、出力エネルギーをすべての入力エネルギーで除算し
たEt/(Ew+Ea)で表わされ、ポンプとしての総
合効率である。このエネルギ増幅効果Et/Ew並びに
総合効率Et/(Ew+Ea)と空気混入率η(Qa/
Qw)との関係を図12に示す。この場合、上記各エネ
ルギは以下の数式で表わすことができる。
【0077】 流れ込む洗浄水のエネルギEw=PwQw+(ρw/2)QwVw2 … 流れ出る洗浄水(気泡流)のエネルギEt=PtQt+(ρt/2)QtVt2 … 圧送空気のエネルギEa=PaQa …
【0078】この図12から、本実施例で上記した気泡
流の洗浄水(図6(a)、図7参照)とし、その際の空
気混入率ηを1.3から4.0にすれば、エネルギ増幅
効果Et/Ew並びに総合効率Et/(Ew+Ea)の
点から好ましい。
【0079】つまり、既述したように、気泡ポンプたる
気泡混合・切替機構部44にて、空気の混入時に微細な
単独気泡を独立に生成し洗浄水中に大量に分散、混合さ
せると、空気の運動量を洗浄水に伝達し、洗浄水の運動
量を確実に増大させることができる。そして、気泡生
成、分散、混合を同時に行なうと、気泡混入後直ちに気
泡速度は洗浄水速度と略同一となる。よって、非常に効
率よく空気の圧力運動量を洗浄水に伝達することができ
る気泡ポンプとして機能する、また、気泡径が小さいと
剛性が高いので洗浄水中で不要な変形や振動を起こさな
いので、気泡が洗浄水中にあることによるエネルギー損
失も少ない。なお、空気混入率ηが概略4を超えると、
気泡流から環状流もしくは噴霧流に遷移するため、気泡
ポンプとしての機能は低下するので、運転条件は空気混
入率ηを4以下とした方が望ましい。
【0080】次に、局部洗浄装置10による洗浄動作に
ついて、図13のタイミングチャートに従って説明す
る。いま、使用者が便座に着座すると、着座センサ36
がオンし(時刻t1)、その旨の信号が電子制御装置2
4に入力される。電子制御装置24は、まず、ノズル装
置26内に残っている洗浄水を除去する残水除去前処理
を実行する。残水除去前処理は、空気ポンプ32を所定
時間T1だけその最高回転数で駆動すると共に、流量調
整弁34をこの時間T1だけ全開制御することにより行
なわれる。この場合、流量調整弁30は全開制御される
が電磁止水弁14は全閉状態のままであるので、ノズル
装置26に洗浄水が供給されることはない。これによ
り、ノズル装置26には、その内部のお尻流路43に空
気だけが送られる。そして、時間T1経過後の流量調整
弁34の閉弁により、流量調整弁34では、ステッピン
グモータの原点復帰がなされ、それ以降の開度調整が好
適となる。なお、上記の時刻t1で流量調整弁30を全
開とするのは、その後のお尻洗浄ボタン72a等の操作
に備えてノズル水路26aを開放しておくためである。
【0081】図14は、ノズル装置26へのノズル水路
26aに残っている水が除去される様子を説明する説明
図である。上記したように、空気ポンプ32の駆動並び
に流量調整弁34の管路全開を経て、ノズル装置26内
の流路(お尻流路43)に空気が吹き込まれると、図1
4に示すように、この空気流通によりお尻流路43内の
気圧が低くなる。よって、お尻流路43とその上流側で
繋がったノズル水路26aには、その内部の洗浄水を吸
引するサイホン作用が働く。このため、ノズル装置26
の頂部より低い位置にあるノズル水路26aの洗浄水
は、このサイホン作用を受けてノズル水路26aの下流
側へ吸引され、お尻噴出口49を通じて排出される。こ
の場合、ノズル装置26は待機位置にあることから、上
記の残水が人体局部に向けて噴出されることはない。こ
の残水除去前処理により、後述するノズル前洗浄の時間
を短くしたり省略したりする場合に、冷水が人体局部に
向けて噴出されてしまうことを防止できる。なお、流量
調整弁30の上流では、バキュームブレーカ28により
管路の大気開放がなされているので、上記の残水除去前
処理により、熱交換器12内の水がノズル装置26に吸
引されることはない。また、この残水除去前処理は、便
座に使用者は着座しているがノズル装置26は本体ケー
シング内の待機位置に位置するときのものである。よっ
て、この際にお尻噴出口49から空気が吹き出されて
も、使用者にこの空気が当たることはなく、使用者に違
和感や不快感を与えない。
【0082】続いて、使用者が操作部72或いはリモー
トコントローラ35のお尻洗浄ボタン72aをオンする
と、ノズル前洗浄処理が、このオン信号(時刻t2)を
受けて実行される。即ち、空気供給系にあっては、図示
するように、空気ポンプ32をこの時刻t2から所定時
間T2だけその最高回転数で駆動すると共に、流量調整
弁34をこの時間T2だけ全開制御する。その一方、洗
浄水供給系にあっては、時間Tb経過した時刻t3にて
電磁止水弁14を開弁を開始し、この電磁止水弁14を
所定のノズル洗浄時間T3だけ開弁状態とする。この場
合、流量調整弁30は、時刻t2にて全開とされ、ノズ
ル洗浄時間T3の間も全開状態のままである。これによ
り、ノズル装置26には、その内部のお尻流路43に、
熱交換器12からの洗浄水と空気ポンプ32からの空気
が送られる。そして、空気ポンプ32からの空気が空気
混入体60(図3参照)にて洗浄水に混入されるので、
洗浄水は、既述したように気泡流の流動様相を呈し、こ
の状態でお尻噴出口49から噴出される。このようにお
尻噴出口49から噴出した気泡流の洗浄水は、ノズル本
体40先端に対向する図示しないチャンバにより跳ね返
り、お尻噴出口49並びにビデ噴出口53周辺を洗浄す
る。こうして、両噴出口周辺を局部洗浄に先立って洗浄
するノズル前洗浄が行なわれる。
【0083】このとき、ノズル洗浄時間T3は、便座に
着座してからお尻洗浄ボタン72aを押すまでの洗浄待
機時間Tp1によって決められる。即ち、この洗浄待機
時間Tp1は、着座センサ36から着座した旨の信号を
受けてからお尻洗浄ボタン72aが押されるまでの用便
をしていた時間であり、この洗浄待機時間Tp1が長い
ほどお尻噴出口49の周辺が汚れる可能性が高い。従っ
て、洗浄待機時間Tp1が長い場合には、ノズル洗浄時
間T3を長くすることで、お尻噴出口49の周辺を充分
に洗浄することができる。一方、洗浄待機時間Tp1が
短い場合には、ノズル洗浄時間T2,T3が短くなり、
短時間のノズル前洗浄の後に、人体局部の洗浄が速やか
に開始され使い勝手がよい。
【0084】なお、ノズル前洗浄の際には、ノズル洗浄
時間T2,T3を変更するほか、空気混入率ηの変更を
合わせて行なうか、または空気混入率ηの変更を単独で
行なうようにすることもできる。具体的には、空気ポン
プ32の回転制御や流量調整弁34の開弁制御を併用し
て噴出洗浄水の洗浄力を調整し、適切な洗浄力でノズル
前洗浄を行なうようにしてもよい。このようなノズル前
洗浄処理において、空気ポンプ32を駆動して空気を混
入した気泡流により行なうので、少ない洗浄水水量であ
っても、強い水勢によりお尻噴出口49の周辺を好適に
洗浄することができる。よって、優れたノズル洗浄効果
を得ることができる。しかも、洗浄水に混入される気泡
は、100〜1000μmの微少なものであり、この混
入によって超音波振動を生じて、一層、洗浄効果を高め
ることができる。
【0085】上記したノズル前洗浄に引き続いては、局
部洗浄に推移する。即ち、まず、ノズル洗浄時間T3が
経過した時刻t4のときに電磁止水弁14並びに流量調
整弁30を閉弁制御する。また、この時刻t4から時間
Tcだけ経過した後に、即ち、上記両弁の閉弁に時間T
cだけ遅れて、空気ポンプ32を停止制御すると共に、
流量調整弁34を閉弁制御する。これにより、ノズル前
洗浄の際の洗浄水供給と空気供給が共に停止し、当該洗
浄が終了する。本実施例では、お尻洗浄ボタン72aが
オンされてから約5秒以内にこのノズル前洗浄が完了す
るよう、上記の時間T2,T3を制限している。なお、
上記の流量調整弁30の閉弁により、流量調整弁30で
は、ステッピングモータの原点復帰がなされ、それ以降
の開度調整が好適となる。
【0086】本実施例では、電磁止水弁14の開弁前と
閉弁後の時間Tb、Tcにおいて、空気ポンプ32を駆
動状態に置く。これにより、空気ポンプ32下流のノズ
ルエアー流路34aを空気圧送状態として、当該流路を
洗浄水流路(ノズル水路26a並びにお尻流路43)よ
り高圧に維持する。よって、ノズルエアー流路34aへ
の洗浄水流入(逆流)を防止でき、空気ポンプ32の故
障の原因を招かない。また、ノズルエアー流路34aに
洗浄水が入り込むと、空気混入体60が洗浄水に濡らさ
れ、細菌を増殖させる要因になるが、このようなことも
回避できる。更に、上記した洗浄水流入(逆流)防止に
より、ノズルエアー流路34aに逆止弁などを別途設け
る必要がなく、構成も簡単にできる。この場合、ノズル
エアー流路34aをノズル装置26の最頂部よりも高く
なるよう上方にループさせて配管することも、洗浄水流
入防止の上から好ましい。
【0087】上記したノズル前洗浄の終了、より詳しく
は電磁止水弁14の閉弁に続いては、その時刻t4から
ノズル駆動モータ33を駆動制御する。この際、ノズル
駆動モータ33には、ノズル装置26を待機位置からお
尻洗浄位置に進出させるための制御信号が出力される。
これにより、ノズル装置26は、待機位置から定速で進
出しお尻洗浄位置に到達する。なお、ビデ洗浄ボタン7
2bがオンされた場合は、ビデ洗浄位置に進出させるた
めの制御信号がノズル駆動モータ33に出力され、ノズ
ル装置26はビデ洗浄位置に進出する。
【0088】このノズル装置26の進出動作時には、ノ
ズル装置26が本体ケーシング内にある進出初期の時点
(時間Tc)を除き、空気ポンプ32を停止させてい
る。また、電磁止水弁14も全閉状態としている。よっ
て、本体ケーシング外でのノズル装置26の進出最中に
あっては、お尻噴出口49から空気や洗浄水が噴出され
てしまう現象、いわゆる尻なで現象は起きない。このた
め、使用者に不快感を与えることがない。なお、ノズル
装置26の進出動作時に空気ポンプ32を停止させる制
御を実行する態様のほかに、使用者に空気の噴出を感じ
ない程度に、空気ポンプ32の出力を低減する制御を採
ったり、噴出される空気を人体局部に向かわない方向へ
逃がしたりする構成をとってもよい。
【0089】こうしてノズル装置26がお尻洗浄位置に
到達した時刻t5からは、以下のようにして局部洗浄を
実行する。なお、この時刻t5は、待機位置からお尻洗
浄位置までの距離をノズル装置26の進出速度で除算し
た時間だけ時刻t4から経過した時刻である。
【0090】まず、洗浄水供給系では、電磁止水弁14
を開弁制御すると共に、流量調整弁34を設定水量に対
応した管路開度となるまで階段状に開弁制御する。空気
供給系では、空気ポンプ32を設定空気量に対応した回
転数で駆動制御すると共に、流量調整弁34を設定空気
量に対応した管路開度となるまで階段状に開弁制御す
る。これにより、お尻洗浄位置にあるノズル装置26に
は、そのお尻流路43に、時刻t5から洗浄水と空気が
共に送られる。よって、洗浄水は、空気混入体60(図
3参照)にて空気混入が図られた気泡流の流動様相でお
尻噴出口49から噴出され、人体局部(お尻)を洗浄す
る。ビデ洗浄ボタン72bがオンされた場合は、ビデ洗
浄位置にあるノズル装置26のビデ噴出口53から噴出
された気泡流の洗浄水により、ビデ洗浄が実施される。
【0091】本実施例では、この局部洗浄の開始初期の
間(時間Td)にあっては、洗浄水流量と空気流量を共
に階段状に増加させ、その後は、洗浄水流量と空気流量
を共にその設定流量に維持する。よって、局部洗浄開始
当初から、空気流量Qaと洗浄水流量Qwとの比である
空気混入率ηが一定の気泡流で洗浄水を噴出できる。し
かも、この空気混入率η並びに洗浄水水勢は上記の設定
ボタンにより設定可能であることから、使用者の好みに
応じた空気混入率η並びに洗浄水水勢で、好適に局部洗
浄を行なうことができる。なお、空気混入率ηの設定並
びにこの空気混入率ηに応じた空気流量Qaと洗浄水流
量Qwの算出の様子については、後述する。また、この
局部洗浄を開始する場合にも、上記したノズル前洗浄と
同様に、電磁止水弁14の開弁制御を空気ポンプ32の
駆動時刻(t5)から僅かに遅延させるようにすること
もできる。こうすれば、局部洗浄時にあっても、その開
始当初にはノズルエアー流路34a側を高圧とでき、当
該流路に洗浄水が入り込むことを防止できる。
【0092】そして、使用者が停止ボタン72cを押す
とそのオン信号(時刻t6)を受けて、止水処理が行な
われる。即ち、止水処理では、まず、この時刻t6にお
いて、電磁止水弁14および流量調整弁30を閉弁制御
して、洗浄水の供給を停止する。そして、空気ポンプ3
2と流量調整弁34を、時刻t6から時間Tcだけ遅延
して停止制御・閉弁制御を行ない、空気の供給を停止す
る。この場合も、電磁止水弁14の閉弁に遅れて空気ポ
ンプ32を停止させているので、ノズルエアー流路34
a側が高圧に維持され、当該流路への洗浄水流入を防止
できる。その後、空気ポンプ32の停止並びに流量調整
弁34の全閉を待って、ノズル駆動モータ33に駆動信
号(逆転信号)を出力することにより、ノズル装置26
を洗浄位置から待機位置に後退させる。このノズルの退
避移動時にも、進出時と同様に空気ポンプ32は停止し
電磁止水弁14も全閉とされているので、ノズル装置2
6は、この退避移動の間に、お尻噴出口49などから空
気や洗浄水を噴出しない。よって、ノズル退避時にあっ
ても尻なでは起きず、使用者に不快感を与えることがな
い。
【0093】続いて、ノズル装置26の待機位置への復
帰を待って、ノズル後洗浄処理が実行される。ノズル後
洗浄処理は、ノズル前洗浄処理とほぼ同様な処理であ
り、待機位置へのノズル装置26の復帰後に、所定時間
T2だけ空気ポンプ32を駆動すると共に流量調整弁3
4を全開制御する。そして、時間Tbだけおくれて電磁
止水弁14と流量調整弁30を所定時間T4に亘って全
開制御する。その後は、電磁止水弁14を全閉制御し、
時間Tcだけおくれて空気ポンプ32の停止制御と流量
調整弁34の全閉制御を行なう。これにより、ノズル装
置26のお尻噴出口49の周辺部が局部洗浄実施後にも
洗浄される。このとき、ノズル後洗浄を行なう時間T4
は、お尻洗浄ボタン72aがオンされてから、停止ボタ
ン72cが押されるまでの時間Tp2により定める。こ
の時間Tp2は、洗浄動作開始から洗浄動作終了までの
時間であり、この時間Tp2が長いほど使用者が局部洗
浄の念入りな洗浄を所望しているので、その分だけ長く
局部洗浄が実行されお尻噴出口49の周辺が汚れている
可能性が高い。従って、洗浄の時間Tp2が長い場合に
は、ノズル後洗浄の時間T2,T4を長くして、お尻噴
出口49の周辺を充分に洗浄する。なお、このノズル後
洗浄の際にあっても、時間T2,T4を変更するほか、
ノズル前洗浄と同様に、空気混入率ηの変更制御を合わ
せて行なったり、空気混入率ηを単独で変更制御したり
して、適切な洗浄力でノズル後洗浄を行なってもよい。
【0094】続いて、使用者が便座から離れると(時刻
t7)、着座センサ36から離座信号が出力され、残水
除去後処理が実行される。この残水除去後処理は、残水
除去前処理と同様に、所定時間T5に亘る空気ポンプ3
2の駆動制御と流量調整弁34の全開制御により行なわ
れる。即ち、ノズル後洗浄実施後に電磁止水弁14を閉
じて止水している状態にて、空気ポンプ32から空気を
ノズル装置26に空気を送り込み、ノズル装置26の流
路内の残水をお尻噴出口49から排出する。これによ
り、ノズル装置26内に洗浄水が残らず、つまり空気混
入体60を洗浄水で濡らした状態としないので、雑菌の
繁殖を防止する。この残水除去後処理は、使用者は既に
便座から離れノズル装置26は待機位置に既に復帰した
後のものなので、お尻噴出口49から空気が吹き出され
ても使用者に違和感や不快感を与えない。
【0095】使用者は、停止ボタン72cを操作して局
部洗浄を一旦終了した後に、再度の局部洗浄を所望する
ことがある。このような場合に備え、使用者が着座して
いる間はノズル水路26aを開放しておくことが望まし
い。よって、流量調整弁30は、ノズル後洗浄実施後に
も全開のままとされ、使用者が便座から離れた時点で全
閉制御される。これにより、再度の局部洗浄を所望して
お尻洗浄ボタン72aが再度操作されても、電磁止水弁
14は全閉で流量調整弁30は全開であるので、既述し
たノズル前洗浄を速やかに実行でき、その後の局部洗浄
に移行できる。
【0096】次に、局部洗浄装置10による局部洗浄の
際に、使用者の好みに合わせて、空気混入率ηを変更す
る洗浄動作について説明する。電子制御装置24は、洗
浄動作の前または本洗浄動作中に、所定時間毎の割込処
理にて、気泡量設定ボタン72mおよび水勢設定ボタン
72gにて設定された設定値を読み込み、これらの設定
値に基づいて、流量調整弁30の開度および、空気ポン
プ32の出力(回転数)と流量調整弁34の開度をそれ
ぞれ制御して、洗浄水流量Qwおよび空気流量Qaを定
める。これにより、広範囲に空気混入率ηを設定するこ
とができる。
【0097】図15は水勢設定ボタン72gにより設定
された水量設定値Qwsと洗浄水流量Qwとの関係を示
すグラフであり、図16は気泡量設定ボタン72mによ
り設定された気泡量設定値Qasと空気流量Qaとの関
係を示すグラフである。図15において、水勢設定ボタ
ン72gにより設定された水量設定値Qwsに基づいて
洗浄水流量Qwが設定される。また、図16において、
気泡量設定ボタン72mにより設定された気泡量設定値
Qasに基づいて、水量設定値Qws毎に空気流量Qa
が設定される。即ち、水勢設定ボタン72gおよび気泡
量設定ボタン72mのそれぞれの設定値であるレベル1
〜5の5段階に対応した洗浄水流量Qwおよび空気流量
Qaが図15および図16のマップにより定められてい
る。
【0098】いま、使用者が、水量設定値Qwsおよび
気泡量設定値Qasを水勢設定ボタン72gと気泡量設
定ボタン72mとによってそれぞれレベル3に設定した
とする。すると、図15に基づいて、洗浄水流量Qw
は、400ccにセットされる。一方、空気流量Qa
は、図16における水量設定値Qws=3の直線と気泡
量設定値Qasのレベル3とから、750ccにセット
される。これにより、空気混入率ηが約1.9(=75
0/400)とされる。そして、この洗浄水流量Qwに
基づいて流量調整弁30の開度、および空気流量Qaに
基づいて空気ポンプ32および流量調整弁34の開度が
制御され、空気流量Qaおよび洗浄水流量Qwの比で定
義される空気混入率ηが任意に設定される。
【0099】この場合、水量設定値Qwsと気泡量設定
値Qasの設定を介して設定される空気混入率ηは、既
述したように1.3〜4.0の範囲の値となるよう、水
量設定値Qwsと気泡量設定値Qasの設定下限値が定
められている。つまり、設定可能な水量設定値Qwsの
各値に対して空気混入率ηが1.3となる下限の空気流
量Qaがそれぞれ予め定められており、その下限値が気
泡量設定値Qasの設定下限とされている。そして、使
用者により空気混入率ηが1.3を下回るような水量設
定・気泡量設定がなされた場合には、空気混入率ηが
1.3となるように空気流量Qaを高く決定したり洗浄
水流量Qwを低く決定する。例を挙げて説明すると、水
量設定値Qwsをレベル3とし気泡量設定値Qasをレ
ベル1と設定した場合は、上記した手法により、洗浄水
流量Qwは400ccとされ、空気流量Qaは図16に
示す点Xで規定され約400ccとなる。ところが、こ
の時の空気混入率ηは1(<1.3)であるので、空気
流量Qaは、水量設定値Qws=3の直線に沿って上昇
した点X0で規定される流量(520cc)とされる。
上限についても同様であり、本実施例では、空気混入率
ηが4以下となるようにされている。
【0100】このように水勢設定ボタン72gにより水
量設定値Qwsおよび気泡量設定ボタン72mにより気
泡量設定値Qasをそれぞれ調節して空気混入率ηを変
更することにより、洗浄強度Wfを調節することができ
る。例えば、使用者が同じ水量設定値Qwsであって
も、気泡量設定ボタン72mにより気泡量設定値Qas
の値を上げることにより、空気流量Qaを増大させて洗
浄強度Wfを増大させることができる。即ち、上述した
ように、気泡流の流動態様での洗浄水(以下、これを気
泡水という)の洗浄力は、洗浄水のエネルギーに、つま
り洗浄水流量Qwとその速度に依存する。空気が混入さ
れると、その空気混入率ηによって、洗浄水のエネルギ
ーが異なる。ある洗浄水流量Qwの洗浄水に対して、空
気を多く混入すると、流路面積が一定であるから、洗浄
水の速度が増大して、洗浄水(気泡水)のエネルギーが
増大する。よって、同じ水量であっても、空気流量Qa
を増大することにより水勢を増大させることができる。
一方、空気流量Qaを減少することにより、洗浄強度W
fが弱くなり、柔らかな洗浄感を得ることができる。こ
のように、使用者が水勢設定ボタン72gや気泡量設定
ボタン72mを調節することにより、好みに合わせた空
気混入率η並びに洗浄強度Wfの気泡水により局部を洗
浄することができる。
【0101】図17および図18は他の実施の形態を示
し、図17は混合比設定ボタン72lにより設定される
空気混入率ηを示すグラフ、図18は水勢設定ボタン7
2gにより設定される水量設定値Qwsと気泡水の噴出
量Qawとの関係を示すグラフである。ここで、気泡水
の噴出量Qawは、空気流量Qaと洗浄水流量Qwとの
合計を表わしている。この実施の形態において、混合比
設定ボタン72lにより混入率設定値λsをレベル1〜
5のいずれかに設定すると、空気混入率ηが設定され
る。この場合、レベル1の設定時に空気混入率ηが1.
3となり、レベル5の設定時に空気混入率ηが4となる
ようにされており、空気混入率ηが1.3〜4となる範
囲で混入率設定値λsを設定可能である。そして、水勢
設定ボタン72gの洗浄水の水量設定値Qwsに基づい
て、混入率設定値λsのレベル毎に、気泡水の噴出量Q
aw、さらに空気流量Qaが求められる。これらの値に
基づいて、流量調整弁30の開度および、空気ポンプ3
2の駆動力と流量調整弁34の開度がそれぞれ制御さ
れ、好みに合わせた空気混入率ηにて気泡水が噴出され
る。
【0102】ある空気混入率ηの気泡水を噴出する上で
必要となる空気流量Qaと洗浄水流量Qwは、上記の図
15〜図18を用いて説明したように、水量設定値Qw
sと気泡量設定値Qasとから、或いは混入率設定値λ
sと水量設定値Qwsとから定まる。そして、いずれの
場合でも水量設定値Qwsを必要とする。よって、本実
施例では、水量設定値Qwsについては水勢設定ボタン
72gによる設定値を常時使用し、気泡量設定値Qas
と混入率設定値λsについては次のようにした。この気
泡量設定値Qasと混入率設定値λsのいずれかを、気
泡量設定ボタン72m或いは混合比設定ボタン72lの
操作に応じて適宜選択することにした。つまり、気泡量
設定ボタン72mが操作されれば、気泡量設定値Qas
を採択し、この気泡量設定値Qasと水量設定値Qws
とから空気流量Qaと洗浄水流量Qwを決定する。一
方、混合比設定ボタン72lが操作されれば、気泡量設
定値Qasに替わり混入率設定値λsを採択するように
した。なお、気泡量設定ボタン72mと混合比設定ボタ
ン72lのいずれかを省略し、水量設定値Qws・気泡
量設定値Qasと混入率設定値λs・水量設定値Qws
のいずれかから空気流量Qaと洗浄水流量Qwを決定す
るように構成することもできる。
【0103】次に、上記のように使用者が定めた空気混
入率ηでの気泡水噴出を継続するために電子制御装置2
4が実施する空気混入率調整について説明する。図19
は、この空気混入率調整ルーチンを示すフローチャート
であり、当該フローチャートは、使用者が便座に着座し
ている間において所定時間ごとに割込実行される。この
空気混入率調整制御が開始されると、まず、空気流量Q
aと洗浄水流量Qwの設定に関与する上記の設定ボタン
(水勢設定ボタン72g・気泡量設定ボタン72m・混
合比設定ボタン72l)の操作状況をスキャンする(ス
テップS100)。次いで、そのスキャン結果と図15
〜図18に示すグラフに基づいて上記のようにして空気
流量Qaと洗浄水流量Qwとを演算し、その演算結果を
RAMの所定アドレスに更新記憶する(ステップS11
0)。こうして記憶された空気流量Qaと洗浄水流量Q
wは、後述の空気補正流量ΔQaと共に流量調整弁30
等の制御に用いられる。
【0104】即ち、電子制御装置24は、使用者が便座
に着座している間において図示しない局部洗浄ルーチン
を繰り返し実行する。この局部制御ルーチンは、洗浄水
や空気の供給制御に加え、ノズル装置26の進退駆動制
御等を行なう。よって、この局部制御ルーチンにより、
図13で示したタイミングチャートのように局部洗浄が
行なわれる。電子制御装置24は、この局部洗浄ルーチ
ンにおいて、上記の空気流量Qa、洗浄水流量Qw、空
気補正流量ΔQaを読み込む。そして、お尻洗浄ボタン
72aが操作されると、電子制御装置24は、これら読
み込み済み流量に基づいて、流量調整弁30の開度およ
び、空気ポンプ32の駆動力と流量調整弁34の開度を
それぞれ制御する。これにより、(空気流量Qa+空気
補正流量ΔQa)/洗浄水流量Qwで定まる空気混入率
ηでの気泡水噴出が実施される。なお、この空気補正流
量ΔQaは、図19の空気混入率調整ルーチンの最初の
実行時において初期値「0」とされている。
【0105】ステップS110に続いては、給水源の給
水圧Pwを検出するよう管路に設けられた水圧センサ7
5(図2省略)から給水圧Pwを読み込む(ステップS
120)。この給水圧Pwは、熱交換器12に供給され
る給水圧である。一般に、この給水圧Pwは、所定圧P
waで一定であるが、不用意に低下することもあり、そ
のような事態に至ると局部洗浄装置10に供給される洗
浄水供給量(洗浄水流量Qw)、より詳しくは空気混入
体60を通過する洗浄水供給量(洗浄水流量Qw)も低
減する。よって、空気流量Qaがそのままで洗浄水流量
Qwが減少することから、空気混入率ηは大きくなり、
洗浄水供給量の低減程度が大きいと、使用者が定めた空
気混入率ηから大きく逸脱してしまう。このような事態
を回避すべく、以下のようにして空気流量Qaを補正す
る。なお、給水圧Pwの低下の要因としては次のような
ものがある。家庭における種々の水栓、例えば浴室水栓
での使用量が急増したために、局部洗浄装置10への給
水圧が低下することがある。また、給水用の水圧ポンプ
モータを用いているような場合には、水圧ポンプモータ
の経年変化によりポンプ出力の変動などを生じることが
ある。こうなると、給水圧Pwの低下を来たすことがあ
る。
【0106】ステップS120でのセンサ入力に続いて
は、入力した給水圧Pwと所定圧Pwaとを比較し、圧
力変動程度が許容範囲内であるか否かを判定する(ステ
ップS130)。この許容範囲は、例えば、約70cc
の洗浄水供給量低減を来たすような給水圧変動幅として
規定されている。このステップS130で否定判定した
場合は、圧力変動程度が許容範囲内であるために洗浄水
供給量の変動も小さいことになる。よって、ステップS
130での否定判定に続いては、空気混入率ηの調整は
必要ないとして、空気補正流量ΔQaに値「0」をセッ
トし(ステップS140)、一旦本ルーチンを終了す
る。その一方、ステップS130で肯定判定した場合
は、圧力変動程度が許容範囲外であるために洗浄水供給
量が大きく変動しているので、上記したように空気混入
率ηがその設定値から不用意に変わってしまう。よっ
て、ステップS130での肯定判定に続いては、洗浄水
供給量(洗浄水流量Qw)が変動しても空気混入率ηが
設定値から変化しないよう、洗浄水供給量(洗浄水流量
Qw)の変動程度に応じて空気流量Qaの空気補正流量
ΔQaを演算してその演算結果をRAMの所定アドレス
に更新記憶し(ステップS150)、一旦本ルーチンを
終了する。この空気補正流量ΔQaは、空気流量Qaと
洗浄水流量Qwともに上記の局部洗浄ルーチンにおいて
流量調整弁30等の制御に用いられる。
【0107】以上説明したように、本実施例では、空気
の混入時に微細な単独気泡を生成し洗浄水中に分散、混
合させるので、大量の気泡を安定して洗浄水と混合させ
ることができる。よって、既述したようにスラグ流、環
状流や噴霧流の非所望の流動様相となることがなく、少
ない投入エネルギーで確実に洗浄水の運動量を増大させ
ることができ、節水効果は高い。なお、気泡生成後の滞
留時間により気泡径は異なるが、このように確実に空気
の持つ運動量を洗浄水に伝えて気泡の速度と洗浄水の速
度が略同一となった後は、空気はほとんどエネルギーを
持たないために気泡径等の空気の挙動は節水率に影響を
与えない。
【0108】また、本実施例では、洗浄水と空気との間
の剪断力、即ち洗浄水速度と、空気混入体60での開孔
面積、気泡生成後の滞留時間を制御することにより気泡
径の制御が可能である。このように気泡径を制御するこ
とにより、洗浄力の制御も可能である。被洗浄部におい
ては気泡を含む洗浄水は、密度が小さく運動エネルギー
の小さな気泡と、密度が大きく運動エネルギーの大きな
気泡間の水とが、短周期で交互に被洗浄部に衝突する。
この結果、被洗浄部に圧力変動、即ち振動が発生する。
この振動の周波数は単位時間当たりに衝突する気泡数を
変えることにより制御できるため、特に洗浄力の高い超
音波振動をも発生可能である。超音波振動は波長が短い
ため、例えば人体表面のしわや凹凸の中に入り込んだ汚
れにまで到達し洗浄することが可能なので、洗浄力は格
段に高い。
【0109】また、洗浄力に与える振動周端数の影響
は、振動周波数が高いほど波長が短いので、細かい凹凸
の中まで洗浄できるものの振動の減衰が速く洗浄面積は
小さくなり、振動周波数が低いほど波長が長いので、局
所的な洗浄力は低下するが振動の減衰が遅く洗浄面積は
広くなる。このように振動周端数を変えることにより洗
浄力の制御が可能であるが、同一の空気量のもとで気泡
径を制御すると単位時間当たりの気泡数が異なり、被洗
浄部において衝突する際に発生する振動の周波数を変え
ることができる。即ち、上記したように気泡径を制御す
ることで洗浄力の及ぶ範囲や強さを制御することが可能
である。気泡径が大きいときには振動周波数が小さいの
で、広い範囲をまんべんなく洗浄することができ、気泡
径が小さいときには振動周端数が大きいので、局所的な
強い汚れを落とすことが可能である。また振動周端数が
高いと減衰が速いので、人体表面で振動が減衰し、皮膚
の表面での刺激を強く感じ、振動周端数が低いと皮膚表
面での刺激を弱めることができる。また振動周端数を低
くした場合には、振動振動数が5ヘルツから30ヘルツ
程度の領域においてはこの周波数が人体の皮膚表面近傍
における共振モードと概略一致するためにマッサージ効
果が高く、より少ない洗浄水量で高い水量感を感じるこ
とができるので非常に好適である。
【0110】更に、本実施例では、水勢設定ボタン72
gや混合比設定ボタン72l、気泡量設定ボタン72m
等のボタン操作を経て、噴出洗浄水の空気混入率ηを約
1.3〜4の範囲で使用者の好みに応じて設定できるよ
うにした。よって、使用者の好みに合わせた洗浄感・洗
浄強度で局部洗浄を行なうことができ、使用感に優れた
局部洗浄を図ることができる。
【0111】しかも、何らかの原因で洗浄水流量Qwが
不用意な変動に変動しても、この変動に応じて空気流量
Qaを空気補正流量ΔQaで補正する。よって、一旦設
定した空気混入率ηを好適に維持できるので、洗浄感や
洗浄強度をも維持でき、空気混入率ηの不用意な変化に
起因する不快感を与えることがない。なお、洗浄水流量
Qwの変動を圧力センサの検出結果である給水圧Pw変
動として捕らえたが、流量センサにより洗浄水流量Qw
変動を直接検出し、その結果に応じて空気補正流量ΔQ
aを演算するようにしてもよい。また、空気流量Qaの
変動を直接的に或いは間接的に検出し、その結果に応じ
て洗浄水流量Qwの補正量を求め、空気混入率ηをその
設定値に維持するように構成することもできる。
【0112】次に、上記したように微細気泡の分散混合
を行なう多孔質の空気混入体60について説明する。上
記の実施例では、この空気混入体60は、超高分子量ポ
リエチレンの略球形粒子を加熱成型して、形成されてい
る。即ち、この略球形粒子を空気混入体60を形成する
ための型に充填して加熱成型すると、この形成された空
気混入体60の表面は、図20に示すように、粒子によ
り互いの空隙が分割された独立開孔となっており、独立
気泡を生成するのに好適である。また、略均一な粒子を
充填することで、開孔は略格子状に規則的な配置とな
り、生成時に気泡同士が合一することが少ない。なお超
高分子量ポリエチレンは一般的にメルトインデックス
(MI)が低くかつ溶融時の性状がゴムに近いため溶融
状態でも流れにくく、粒子と粒子が形状を変えずに接点
のみが接着される構造となる。ここで用いている超高分
子量ポリエチレンのMIは0.2から1.0であり通常
の射出成形用の樹脂材料に比較して1/10程度である
ことから、加熱温度を十分制御して樹脂の融点をわずか
に上回る温度で溶融させることにより球形粒子同士がほ
ぼ点接触に近い形で成形される。このように接触点のみ
が融合する構造となることから、表面形状は原材料粒子
の形状、粒度分布および充填率でほぼ決定されるので、
製造上も非常に表面性状を制御しやすい物性を有してい
る。さらに化学的に安定であることから塩素、酸塩基、
有機溶媒等を含有する洗浄液体に適しており、吸水性が
ほとんど無いことから水への適用にも適している。
【0113】また、空気混入体60は、アクリル樹脂の
略球形粒子から形成することもできる。図21は、アク
リル樹脂の略球形粒子を加熱して形成した空気混入体6
0の表面状態を示し、その表面は、若干流動性が高いも
のの粒子間が結合し網目構造に近い構造を有する独立開
孔となっており、これも好適である。略均一な粒子を充
填することで、開孔は略格子状に規則的な配置となり、
生成時に気泡同士が合一することが少ない。なおアクリ
ル樹脂は表面張力が低く水との親和性も高い。また、粒
度分布が均一であると気孔径も均一となりやすく気孔形
状も制御しやすいので、加熱成形前に粒度分布をそろえ
るため篩にかけることも望ましい。
【0114】これらのように空気混入体60の製造に加
熱溶融性材料を加熱成形したものを用いると、粒子同士
が融合することにより水圧や空気圧に対しても強度的に
も優れたものを提供できる。粒子の平均粒径は50μm
〜300μmのものを用いているが、材料の粒子径を制
御すると気孔を制御できるので発生気泡の気泡径は材料
の平均粒径により定まる。平均粒径が50μmから30
0μmのものを用いると、100μmから1000μm
の気泡径を得る気孔が形成される。気泡径を大きくした
ければ、材料の粒子径を大きくすればよいし、気泡径を
小さくしたければ材料の粒子径を小さくすればよい。
【0115】また、ナイロン等の繊維材料を略格子状に
編んだ構造であっても、図20や図21と同様に気孔間
が互いに分割された独立開孔となり、使用する繊維径や
間隔を略均一とすれば略格子状の規則的な開孔配置を得
ることができる。更に、繊維径および間隔が任意に設定
できるために、気孔間距離、気孔径や開孔率等表面形状
の制御には好適である。なお、繊維材料を使用した場合
は、通常それ自身に十分な強度が無いために支持体に設
置することにより安定した動作を確保でき、繊維表面が
流れによりわずかに振動するため気泡生成や局所的な空
気混入量が変化し水中のゴミやスケール等の付着を抑止
する効果もある。また、繊維材料等は十分な厚みがない
ために洗浄水の圧力変動が空気室に伝達されやすく空気
混入時に不安定な挙動を示し振動を起こすことがあるの
で、振動を避ける場合は何枚かを重ねるようにすると好
適であり、振動を積極的に洗浄マッサージ効果に利用す
る場合は厚みをあまり持たせない方が好適である。
【0116】空気混入体60に用いる材料としてはこれ
以外にも、ブロンズ、ステンレンス等の金属やガラス等
を用いてもよいし、製造方法としては、これら加熱溶融
性粉体を用いる以外にも転相ガラスを用いて連続気孔を
構成させたものやセラミック材料等を用いてもよい。
【0117】図22は、上記の加熱溶融性粉体を加熱成
形して得られる空気混入体60の一例を示している。ま
た、図23は、ナイロンメッシュにより空気混入体60
を構成した場合の一例を示している。この空気混入体6
0では、独立開孔を有するナイロン製のメッシュ90が
支持体91に加熱溶着されて構成されており、十分な強
度を有するとともに、メッシュ90の開孔形状は使用す
る繊維の太さや間隔により任意に調整可能である。
【0118】次に、第2実施例について説明する。この
実施例では、空気混入をお尻噴出口49やビデ噴出口5
3の近傍で行なう点に特徴がある。図24は、この第2
実施例のノズル装置の平面図、図25は、そのA−A’
線断面図である。図示するように、このノズル装置は、
お尻洗浄用に第1お尻噴出口150と第2お尻噴出口1
51と、ビデ洗浄用に第1ビデ噴出口106と第2ビデ
噴出口107とを有する。第1お尻噴出口150と第2
お尻噴出口151は、ノズル装置において独立したお尻
流路とそれぞれ接続されている。第1お尻噴出口150
は、約2.5mmとされているのでソフト感のある洗浄
をもたらし、第2お尻噴出口151は、これより小さい
約1.9mmとされ、ハード感のある洗浄をもたらす。
よって、第2お尻噴出口151によれば、いわゆる浣腸
効果により排便を促すことができる。
【0119】このノズル装置では、空気混入体60を噴
出口基部に有する。即ち、図25にビデ噴出口を例に採
り示すように、洗浄水導入管路112に洗浄水を供給し
空気導入管路111に空気を供給する。洗浄水導入管路
112は分岐され、一方の洗浄水は第2ビデ噴出口10
7からそのまま噴出される。また、第1ビデ噴出口10
6の側では、空気導入管路111からの空気が空気混入
体60により気泡状態で分散混合されて気泡流の洗浄水
とされ、この洗浄水が噴出される。この際の空気混入の
様子は既述したとおりである。よって、第1ビデ噴出口
106からは、洗浄水への空気の分散混合により確実に
運動量が増えた状態で、洗浄水が噴出される。
【0120】空気混入体60は、第1実施例と同様に、
洗浄水に接する面に多数の規則的な独立開孔を有する樹
脂加熱焼結体であり、空気の混入、微細化、分散、混合
を同時に行なう。ここで、空気は噴出中に混入され洗浄
水のせん断力により微細化され噴出中に均一に分散し混
合される。この過程で剛体に近く変形しにくい微細な気
泡は確実に洗浄水に運動量を伝達することで洗浄水の高
速化を実現し、より少ない空気量で大幅な節水化が可能
となる。また空気を動力源としてエネルギー増幅装置と
しても機能するので、低水圧地域においても十分な洗浄
水量が確保できるし使用感の低下も少ない等の効果があ
り低水圧対応も可能であると共に、水圧力源に水道圧力
ではなく水ポンプを使用した場合には水ポンプの小型化
も可能である。生成する気泡径は洗浄水の速度によりそ
の大きさが異なり、洗浄水量が少ないかあるいは流路断
面積が大きく速度が小さいときは気泡に作用するせん断
力も小さいので気泡径が大きくなり、洗浄水量が多いか
あるいは流路断面積が小さく速度が大きいときは気泡に
作用するせん断力も大きいので気泡径は小さくなる。気
泡径が大きいときにはソフトな使用感を与え、気泡径が
小さいときには対照的にハードな使用感を与えるため
に、実際の使用に則しても好適である。例えばソフトな
使用感が好まれるビデ洗浄等においては洗浄水速度を低
く、よりハードな洗浄が好まれるおしり洗浄等において
は洗浄水速度を高く設定することで気泡径の制御が可能
であり、使用感の制御も可能である。また洗浄水に含ま
れる気泡は洗浄水中で互いに接触し合一しながら流れ気
泡生成から時間が経過するほど大径化するので、小さな
気泡径を含む洗浄水を吐出させる場合は洗浄水管路を短
くするか管路径を小さくするなどして滞留時間を小さく
して迅速に開孔から吐出させることが望ましいし、小さ
な気泡径を含む洗浄水を吐出させる場合は洗浄水管路を
長くするか管路径を大きくするなどして滞留時間を大き
くすることが望ましい。
【0121】なお、この第2実施例では、ノズル装置
に、第1お尻噴出口150と第2お尻噴出口151とに
洗浄水と空気の管路を別系統で有し、第1ビデ噴出口1
06と第2ビデ噴出口107とに共通して洗浄水と空気
の管路を有する。よって、洗浄水系の流量調整弁30並
びに空気系の流量調整弁34は、第1お尻噴出口15
0、第2お尻噴出口151および第2ビデ噴出口107
のそれぞれの管路に洗浄水又は空気の供給先を切替を有
する3方向切替機能と、流量調整機能とを有する。
【0122】次に、第3実施例について説明する。この
実施例では、洗浄水に空気を混入した後に気泡塊を粉砕
して、上記の実施例と同様な気泡流の洗浄水を得る点に
特徴がある。図26は、この第3実施例における空気混
入部を説明する説明図、図27と図28は、この空気混
入部における空気混入箇所の拡大図、図29ないし図3
3は、空気混入部の下流管路に設けられ気泡塊を粉砕し
て気泡流の洗浄水とする狭窄部を説明する説明図であ
る。
【0123】図26に示す第3実施例の空気混入部16
0は、ノズル装置における洗浄水流入部に設けられ、洗
浄水管路161の外壁に空気導入口162を有する。よ
って、空気導入口162から供給された空気は、従来の
手法と同様に、この導入口開孔163から洗浄水に混入
される。この導入口開孔163は、流れに乱れを与えず
気泡へせん断力が伝達しやすいように流れ方向に沿った
開孔とされている。この際、空気は、供給される洗浄水
の体積に対して1.3〜4.0の範囲の体積で導入口開
孔163から混入され、単なる開孔からの混入であるこ
とから、気泡塊の状態で洗浄水に混合する。
【0124】導入口開孔163は、図27と図28に示
すように、単純な開孔でも良く分割された開孔でもよ
い。この場合、図28のように分割開孔であれば、図2
7の開孔に比較してより小さな径を有する気泡を生成す
ることができ好ましい。なお、導入口開孔163付近の
通路断面積を縮小させると、洗浄水通過速度が増大し洗
浄水の静圧が減少するので、少ない投入エネルギーでよ
り多くの空気を混入させることができ、この静圧を大気
圧以下となるように定めれば自然吸気による空気混入も
可能である。
【0125】図29ないし図32に示す狭窄部170
は、空気混入部160の洗浄水管路161の一部に管路
面積を減ずる狭窄箇所171を有する。そして、この狭
窄箇所171で、管路を通過する洗浄水の流れを乱すと
共にこの洗浄水に剪断力を及ぼし、洗浄水に混入してい
る気泡塊を粉砕する。これにより、狭窄部170は、そ
れより下流に流れる洗浄水を、空気が微細の気泡状態で
分散混合しこの空気と洗浄水とが同一速度で流れる上記
実施例と同様の気泡流とする。
【0126】この場合、図29の狭窄部170は、図3
0のものと比較して狭窄箇所の開孔面積が小さくなって
いる。よって、図29の狭窄部170では、洗浄水通過
速度が増大することにより剪断力による気泡破砕効果が
大きく、より小さな気泡径を含んだ気泡流の洗浄水が得
られる。
【0127】図31と図32の狭窄部170は、狭窄箇
所171を管路面積を分割するよう複数有する。図31
の狭窄部170と図32の狭窄部170とは、その開孔
面積の和が略同一となっているので、洗浄水通過速度は
ほぼ等しい。しかし、図32の狭窄部170は、図30
のものと比較して開孔ひとつあたりの開孔面積が小さく
なっている。よって、図32の狭窄部170では、壁面
による剪断の影響が大きく、より小さな気泡径を含んだ
洗浄水が得られる。なお、狭窄部形状は円形としている
が、多角形であってもよいし、図33に示すような、円
筒体を組み合わせた構成を採ることもできる。
【0128】この図33に示す狭窄部170は、外側管
路体172の内部中央に内側管路体173を配置し、外
側管路体172の閉塞端部と内側管路体173の開孔端
部との間を狭窄箇所171とする。つまり、この狭窄部
170では、内側管路体173内を図中の黒塗り矢印部
のように通過してき洗浄水、この場合は気泡塊が混入し
た洗浄水は、狭窄箇所171に衝突してその向きを変
え、外側管路体172と内側管路体173との管路に沿
った間隙を通過する。この狭窄箇所171での衝突によ
り、洗浄水の気泡塊は粉砕され、この図33に示す狭窄
部170にあっても、それより下流に流れる洗浄水を、
空気が微細の気泡状態で分散混合しこの空気と洗浄水と
が同一速度で流れる上記実施例と同様の気泡流とする。
【0129】外側管路体172と内側管路体173は、
狭窄箇所171の間隔が変化するよう相対移動可能とさ
れている。よって、狭窄箇所171における通路面積を
変更することで気泡塊の粉砕程度を調整でき、気泡流に
おける気泡径を調整できる。よって、上記したようにソ
フト感のある洗浄やハード感のある洗浄を使い分けるこ
とができる。なお、外側管路体172と内側管路体17
3は、いずれか一方が移動可能であればよく、アクチュ
エータにて管路体の移動を図ることも、手動で移動する
ようにしてもよい。また、洗浄水管路内における水圧に
より移動するように構成することもできる。そして、両
管路体の位置保持のために、ばね等の弾性体でいずれか
の管路体を付勢するように構成することもできる。
【0130】また、図26に示す空気混入部160を、
図34、図35に示す空気混入部160とすることもで
きる。図34に示す空気混入部160は、管路の周方向
に複数の導入口開孔163を有する。図35に示す空気
混入部160は、スリット状の導入口開孔163を有す
る。これらは、大量の空気混入に都合がよい。また、図
35に示すような細長い連続したスリットの場合や周方
向に分割してアスペクト比(縦横比)が大きいものは、
水空気間の剪断力に影響を与える空気吐出口の開孔面積
は長さLにより定められ、周方向長さはあまり影響を受
けない。
【0131】空気混入率ηを高めると刺激感が強く、ま
た本来洗浄水量の少ない洗浄モードにおいては節水率を
高める効果は少ないので、洗浄水量が少なくまた刺激を
弱めた方が望ましい洗浄モードにおいては空気混入率η
を低く設定した方が好ましい。以下に空気混入率ηにつ
いて考察する。
【0132】図36は空気混入率ηと洗浄水量の設定の
一例を示す。空気混入率ηを1.0以下とすると刺激感
を弱めることができるので、ここではもっとも弱い水勢
において空気混入率ηを1.0以下としている。また、
この水勢位置においてはもともと洗浄水量が少量である
ので、空気混入率ηを低下させても節水効果や省エネ効
果には悪影響を与えない。また、他の水勢位置において
は空気混入率ηを2.0の一定としているが、これは空
気混入の安定性を高めるとともに節水率を高めることが
できる設定である。洗浄水量の多い水勢設定位置におい
ては、このように空気混入率ηを高めることにより、高
い節水効果と省エネ効果を期待できるとともに、水勢が
強い時に刺激をも高めることが可能なので洗浄の快適性
や排便促進作用をも向上させることができる。
【0133】局部洗浄装置にあっては、使用中に水圧変
動や電源電圧変動が起きたりする。また、ストレイナー
や管路中にごみやスケールが経時的に付着堆積すること
がある。このような事態に至ると、洗浄水量が低下する
ことがある。そして、このように洗浄水量が低下する
と、空気混入量が一定であっても空気混入率ηが増大
し、あるいは混合後の管路抵抗が洗浄水量の減少により
低下するために空気混入量自体も増大することがある。
よって、当初の設計値と比較して大幅に空気混入率ηが
増大する可能性があり、気泡流の安定性を損なう可能性
がある。このような事態があらかじめ予測される場合に
は、この変動幅をも考慮した設計を行なわなければなら
ないが、いたずらに安定性だけを求めて空気混入率ηを
低下させておくと、節水効果も低下するので好ましくな
い。節水および省エネ効果を十分に高め、かつこのよう
な変動幅をも考慮した設計を行なうためには安定性が高
く節水率も高くなるように空気混入率ηを設定すること
が好ましい。図36に示したように節水率曲線は、空気
混入率ηの増大につれて傾きが緩やかになり、空気混入
率ηが高いほど安定性が低下することから、節水率およ
び安定性を同時に満たす設計値としては必要以上に空気
混入率ηを高めないことが肝要である。そこでこれらを
同時に満たす設計値としては、空気混入率ηが1.6か
ら2.3程度であることが望ましい。特に洗浄水量が多
いときには洗浄水速度が大きく流れの乱れが強まるの
で、気泡同士の合一機会が増大し気泡が合一することに
より安定性を損ないやすい。このように気泡流の安定性
は洗浄水量が高まるほど低下するので、特に洗浄水量が
大きい領域においては空気混入率ηを1.6から2.3
程度に設定することが望ましい。
【0134】気泡流における気泡混入率の理論限界は、
結晶構造の最密充填格子の考え方から容易に求めること
ができる。気泡が同一径で剛体であると仮定した場合
の、最大気泡混入率はおよそ2.85程度である。理論
的にはこの値を超えると、気泡同士が互いに接触するの
で気泡合一が発生しやすくなる。気泡流の安定性のみを
考慮した場合の気泡混入率の上限値は2.85程度とな
る。
【0135】ところが気泡は現実には剛体ではなく、接
触した場合にあってもある程度変形を起こすので直ちに
気泡合一し気泡流からスラグ流、環状流や噴霧流に転相
することはない。また、気泡径についても現実にはある
程度の分布があり、大気泡の空隙に小気泡が挟みこまれ
るような構造となっているので、気泡流を維持した状態
での最大気泡混入率は現実的には4.0程度まで可能で
ある。
【0136】図37は空気混入率ηを変えた場合の節水
率をあらわす。ここでは洗浄水に空気を混入し、洗浄水
の速度が上昇することで洗浄水の運動量が上昇し節水が
行われる効果を示したものである。ここでは運動量同一
の条件で、洗浄水量および空気混入率ηを変化させ節水
率として表わしている。節水率とは空気混入率ηが0の
ときの洗浄水量に対して、空気混入を行ない空気混入率
ηが0のときと同じ運動量を発生させるために必要な洗
浄水量との比をとったものである。
【0137】次に、第4実施例について説明する。図3
8は、第4実施例の局部洗浄装置10Aの概略構成を表
わしたブロック図である。この局部洗浄装置10Aは、
第1実施例の局部洗浄装置10とほぼ同様の構成を備
え、ノズル装置26に2系統で洗浄水並びに空気を供給
する点で第1実施例と相違する。そして、このうちの1
系統の洗浄水供給系と空気供給系は、第1実施例と同様
に局部洗浄のための洗浄水供給と空気混入を行なうもの
とされ、他の1系統の洗浄水供給系と空気供給系はお尻
噴出口49周辺の洗浄(ノズル洗浄)のためのものとさ
れている。つまり、第1実施例では、お尻噴出口49か
らの噴出水(気泡水)でノズル洗浄と局部洗浄を行なっ
ているが、第4実施例では、お尻噴出口49からの噴出
水(気泡水)は局部洗浄のためのものとされ、ノズル洗
浄は他の噴出機構で行なわれている。
【0138】図38に示すように、局部洗浄装置10A
は、ノズル装置26先端のお尻噴出口49周辺に向けて
洗浄水を噴出するノズル洗浄部200を有する。そし
て、このノズル洗浄部200に洗浄水並びに空気を送り
込むため、流量調整弁30からのノズル水路26bと流
量調整弁34からのノズルエアー流路34bとを有す
る。この局部洗浄装置10Aにおける流量調整弁30並
びに流量調整弁34は、流路切換と各流路での流量調整
が可能ないわゆる3方切換弁として構成されている。
【0139】図39は、ノズル洗浄部200の概略構成
を示す概略断面図である。図示するように、ノズル洗浄
部200は、洗浄部本体202を備え、この洗浄部本体
202に、ノズル水路26bと接続された本体内流路2
03を有する。この本体内流路203の先端は、待機位
置にあるノズル装置26のお尻噴出口49周辺を指向す
る噴出口204とされており、その下流には、気泡ポン
プ部210が組み込まれている。この気泡ポンプ部21
0は、本体内流路203を通過する洗浄水中に微細な気
泡を分散・混入させるためのものであり、図5に示した
気泡ポンプ80と同様の構成を有する。即ち、気泡ポン
プ部210は、本体内流路203の流路の一部をなす多
孔質の気泡分散体211を空気室212で取り囲んで有
し、この空気室212にノズルエアー流路34bを経て
空気の供給を受ける。これにより、噴出口204からお
尻噴出口49周辺に向けては、既述したように微細空気
が分散・混入した気泡流状の洗浄水(気泡水)が噴出さ
れる。このため、お尻噴出口49周辺は、既述したよう
に高い洗浄力をもった気泡水で洗浄される。そして、こ
の際の洗浄水は空気混入により少量で済む。よって、少
ない洗浄水で効率よくノズル洗浄でき好ましい。なお、
ノズル洗浄部200は待機位置にあるノズル装置26に
ついて上記のノズル洗浄を行なうことができればよく、
ノズル装置26と一体でも別体に設置してもよい。
【0140】このノズル洗浄部200によるノズル洗浄
は、図13に示した局部洗浄オン時のノズル前洗浄と局
部洗浄オフ後のノズル後洗浄として実行される。つま
り、使用者が着座すると、既述した残水除去前処理に続
いて、流量調整弁30はその流路をノズル洗浄部200
側のノズル水路26bに切り換え制御される。その後、
お尻洗浄ボタン72aがオンされると、流量調整弁34
は、その流路をノズル洗浄部200側のノズルエアー流
路34bに切り換え制御され、電磁止水弁14は、流量
調整弁34に遅延して開弁制御される。これにより、ノ
ズル洗浄部200によって図13に示したノズル前洗浄
が行なわれる。ノズル後洗浄もほぼ同様である。この場
合、ノズル洗浄部200によるノズル洗浄時の空気混入
率ηは、1.3〜4までの範囲のある値、例えば2.5
に固定されている。
【0141】次に、第5実施例について説明する。図4
0は、第5実施例の局部洗浄装置10Bの概略構成を表
わしたブロック図である。この局部洗浄装置10Bは、
貯湯式の熱交換器12に替わり、瞬間式の熱交換器12
Bを備える。図示するように、熱交換器12Bは、瞬間
式のヒータを備え、通過する洗浄水を瞬間加熱しその下
流に送り出す。これにより、給水源から供給される洗浄
水は、熱交換器12Bにて加熱して所定温度に昇温され
た後に、ノズル装置26に供給される。この際、熱交換
器12Bでは、給水される洗浄水の温度がその入水温度
Twから吐水温度設定値Tawsに向かうように、電子
制御装置24によりヒータへの通電量がフィードバック
制御される。
【0142】電子制御装置24は、熱交換器12Bへの
洗浄水の入水温度Twに応じて、最大水量Qwmaxお
よび最小空気混入率ηminを設定する。図41は、こ
の洗浄水の入水温度Twと、流量調整弁30からノズル
装置26に供給される洗浄水の最大水量Qwmaxおよ
び最小空気混入率ηminとの関係を示すグラフであ
る。この図41に示すように、最大水量Qwmaxは、
入水温度Twによって規定され、入水温度Twの洗浄水
を、熱交換器12Bにより吐水温度設定値Tawsまで
加熱することができる洗浄水の流量で定まる。したがっ
て、最大水量Qwmaxは、入水温度Twが低いほど、
少ない流量となる。一方、最小空気混入率ηminは、
入水温度Twが低いときに大きく、入水温度Twが高い
ときに小さい値となるようにされている。よって、入水
温度Twが低いときには、最小空気混入率ηminから
最大空気混入率η(=4)までの範囲が狭くなり、使用
者により設定可能な空気混入率ηの幅が狭くなる。入水
温度Twが高いときには設定可能な空気混入率ηの幅が
広くなり、使用者の設定幅は広い。
【0143】即ち、入水温度Twが高いときには、1.
3から4までの広い範囲の空気混入率ηを設定できる
が、入水温度Twが低いときには、空気混入率ηが図示
する最小空気混入率ηmin以上の大きい範囲しか設定
できない。このように空気混入率ηの設定幅は狭くなる
ものの、次のような利点がある。寒冷地における冬季で
は、洗浄水の入水温度Twが低く、その洗浄水の流量が
熱交換器12Bによる最大沸かし上げ能力を上回るよう
な場合がある。このような場合でも、上記狭小の空気混
入率範囲の空気混入率ηとすることで、適切な洗浄強度
Wfおよび吐水温度設定値Tawsを確保して気泡水に
よる局部洗浄を実施できる。この結果、給水源からの洗
浄水の入水温度Twが低くても、洗浄強度Wfを低下さ
せることがなく、熱交換器12Bによって沸かすための
洗浄水流量Qwが少なくてよく、所望の吐水温度設定値
Tawsで気泡水を噴出して局部洗浄を実施することが
できる。この場合、電子制御装置24は、熱交換器12
Bの上流に設けた入水オンセンサにより所定時間ごとに
洗浄水の入水温度Twを入力し、その結果に基づいて図
41のグラフからその時の最大水量Qwmaxと最小空
気混入率ηminを求める。そして、図15〜図18で
示したように使用者が任意に設定した空気混入率ηや洗
浄水流量Qwが最小空気混入率ηminや最大水量Qw
maxに対して適切か否かを判定する。次いで、不適切
であれば、例えば、設定された空気混入率ηが最小空気
混入率ηminを下回ったり洗浄水流量Qwが最大水量
Qwmaxを越えたような場合には、電子制御装置24
にて、空気混入率ηを最小空気混入率ηmin以上に洗
浄水流量Qwを最大水量Qwmax以下とする。
【0144】なお、入水温度Twの検出に入水温センサ
を用いたが、熱交換器12Bに供給した通電量に基づい
て、例えば、熱交換器12Bへ供給される通電量の微分
値に基づいて入水温度Twを算出してもよい。これによ
り、入水温センサが不要となり、構成を簡単にできる。
【0145】以上本発明の実施例について説明したが、
本発明は上記の実施例や実施形態になんら限定されるも
のではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種
々なる態様で実施し得ることは勿論である。例えば、上
記の実施例では、局部洗浄装置10を貯湯式或いは瞬間
式の熱交換器12、12Bを有する構成としたが、湯と
水とを混合して所定の温度とする熱交換器を有する構
成、或いは、貯湯式と瞬間式の長所を兼ね備えたいわゆ
るセミ貯湯式の熱交換器を有する構成を採ることもでき
る。セミ貯湯式とすれば、貯湯部分を従来の貯湯式熱交
換器に比べて小さくして、ヒーター容量を大きくできる
ため、瞬間式同様に温度上昇能力は高くかつ温度むらを
低減できる。また、セミ貯湯式では、熱交換器の下流側
に設置された小型の貯湯部分が、温度むらを低減して一
定の洗浄水滞留時間を有する温度緩衝体として機能する
ので、省エネ効果に優れるとともに使用性の向上も図れ
好適である。
【0146】また、ノズル装置26を、お尻流路43と
ビデ流路45を有するものとしたが、お尻洗浄用ノズル
とビデ洗浄ノズルとを別体で有するノズル装置とし、各
ノズルに空気混入体60を設けるようにすることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の局部洗浄装置10の概略構成を表
わしたブロック図である。
【図2】この局部洗浄装置10の制御系をリモートコン
トローラを中心に表わしたブロック図である。
【図3】ノズル装置26の概略構成を示す概略断面図で
ある。
【図4】このノズル装置26の移動の様子を説明するた
めの説明図である。
【図5】ノズル装置26の有する気泡混合・切替機構部
44と等価な気泡ポンプの概念を模式的に表わした模式
図である。
【図6】気泡混合・切替機構部44より得られる気泡流
の洗浄水を、従来の空気混入手法で得られる流動様相と
を比較して説明する説明図であり、(a)は本実施例で
の気泡流の洗浄水流を示し、(b)、(c)、(d)は
洗浄水に混入した気相が連続相として存在する洗浄水流
を示し、(b)はスラグ流の洗浄水流を、(c)は環状
流の洗浄水流を、(d)は噴霧流の洗浄水流を示す。
【図7】気泡ポンプ80から噴出される洗浄水の流れの
様子を撮影した写真の読取画像である。
【図8】ノズル装置26の空気混入体60、即ち図5の
気泡ポンプの気泡分散体83により分散混合される気泡
について、生成直後の気泡径と洗浄水流速との関係を示
すグラフである。
【図9】空気混入体60(気泡分散体83)にて得られ
た気泡流の洗浄水について、管路内滞留時間と気泡成長
の関係を示すグラフである。
【図10】気泡ポンプ80の噴出口に管路長が約95m
mの洗浄水通過管を連結した場合の、管路径と当該通過
管の洗浄水滞留時間の関係を示すグラフである。
【図11】気泡ポンプ80からの噴出洗浄水荷重と空気
混入率ηの関係を示すグラフである。
【図12】この気泡ポンプ80における出力エネルギー
Etをすべての入力エネルギー(Ew+Ea)で除算し
たエネルギ総合効率Et/(Ew+Ea)並びにエネル
ギ増幅効果Et/Ewと空気混入率ηとの関係を示すグ
ラフである。
【図13】お尻洗浄動作を示すタイミングチャートであ
る。
【図14】ノズル装置26に接続されるノズル水路26
aに残っている水が除去される様子を説明する説明図で
ある。
【図15】水勢設定ボタン72gにより設定される水量
設定値Qwsと洗浄水流量Qwとの関係を示すグラフで
ある。
【図16】気泡量設定ボタン72mにより設定される気
泡量設定値Qasと空気流量Qaとの関係を示すグラフ
である。
【図17】混合比設定ボタン72lにより設定される混
入率設定値λsと空気混入率ηとを関係を示すグラフで
ある。
【図18】水勢設定ボタン72gにより設定される水量
設定値Qwsと噴出量Qawとの関係を示すグラフであ
る。
【図19】使用者が定めた空気混入率ηでの気泡水噴出
を継続するために実行される空気混入率調整ルーチンを
示すフローチャートである。
【図20】超高分子量ポリエチレン略球形粒子を加熱成
型して形成した空気混入体60の表面の電子顕微鏡写真
の読取画像である。
【図21】アクリル樹脂の略球形粒子から形成した空気
混入体60の表面の電子顕微鏡写真の読取画像である。
【図22】上記の加熱溶融性粉体を加熱成形して得られ
る空気混入体60の一例を示す模式図である。
【図23】ナイロンメッシュを支持して形成した空気混
入体60の一例を示す模式図である。
【図24】第2実施例のノズル装置の平面図である。
【図25】図24のA−A’線断面図である。
【図26】第3実施例における空気混入部を説明する説
明図である。
【図27】この空気混入部における空気混入箇所の拡大
図である。
【図28】他の空気混入部における空気混入箇所の拡大
図である。
【図29】空気混入部の下流管路に設けられ気泡塊を粉
砕して気泡流の洗浄水とする狭窄部を説明する説明図で
ある。
【図30】他の狭窄部を説明する説明図である。
【図31】また別の狭窄部を説明する説明図である。
【図32】更に他の狭窄部を説明する説明図である。
【図33】その他の狭窄部を説明する説明図である。
【図34】他の空気混入部160を説明する説明図であ
る。
【図35】また別の空気混入部160を説明する説明図
である。
【図36】空気混入率η並びに洗浄水量と洗浄水水勢と
の関係を示すグラフである。
【図37】空気混入率ηと節水率との関係を示すグラフ
である。
【図38】第4実施例の局部洗浄装置10Aの概略構成
を表わしたブロック図である。
【図39】ノズル洗浄部200の概略構成を示す概略断
面図である。
【図40】第5実施例の局部洗浄装置10Bの概略構成
を表わしたブロック図である。
【図41】この局部洗浄装置10Bの有する熱交換器1
2Bに流れ込む洗浄水の入水温度Twと、最大水量Qw
maxおよび最小空気混入率ηminとの関係を示すグ
ラフである。
【符号の説明】 10,10A,10B…局部洗浄装置 12,12B…熱交換器 14…電磁止水弁 16…ヒーター 18…満水水位センサ 20…下限水位センサ 22…温度センサ 24…電子制御装置 26…ノズル装置 26a,26b…ノズル水路 28…バキュームブレーカ 30…流量調整弁 32…空気ポンプ 33…ノズル駆動モータ 34…流量調整弁 34a,34b…ノズルエアー流路 35…リモートコントローラ 36…着座センサ 38…電源投入部 40…ノズル本体 42…ノズルヘッド 43…お尻流路 44…切替機構部 45…ビデ流路 46…シールリング 47…お尻噴出流路 49…お尻噴出口 51…ビデ噴出流路 53…ビデ噴出口 55…ケーシング 56…モータ連結体 58…空気室形成体 60…空気混入体 61,62…支持体 63…空気室切替部 64…スプリング 65…洗浄水導入路 66…貫通孔 67…空気導入路 68…貫通孔 69…遮蔽ブロック 70…お尻側貫通孔 71…ビデ側貫通孔 72…操作部 72a…お尻洗浄ボタン 72b…ビデ洗浄ボタン 72c…停止ボタン 72d…乾燥ボタン 72e…マッサージボタン 72f…ムーブボタン 72g…水勢設定ボタン 72h…吐水温設定ボタン 72i…ノズル位置調節ボタン 72j…便座温度設定ボタン 72l…混合比設定ボタン 72m…気泡量設定ボタン 72n…運転入/切ボタン 73…表示部 75…水圧センサ 80…気泡ポンプ 81…空気混入混合筐体 82…空気室 83…気泡分散体 84…洗浄水管路 85…空気導入管 90…メッシュ 91…支持体 106…第1ビデ噴出口 107…第2ビデ噴出口 111…空気導入管路 112…洗浄水導入管路 150…お尻噴出口 151…お尻噴出口 160…空気混入部 161…洗浄水管路 162…空気導入口 163…導入口開孔 170…狭窄部 171…狭窄箇所 172…外側管路体 173…内側管路体 200…ノズル洗浄部 202…洗浄部本体 203…本体内流路 204…噴出口 210…気泡ポンプ部 211…気泡分散体 212…空気室

Claims (16)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 人体局部に洗浄水を噴出口から噴出して
    当該局部を洗浄する局部洗浄方法であって、 前記洗浄水の管路中に、前記洗浄水の体積に対して1.
    3〜4倍の範囲の体積の空気塊を微細化して、前記洗浄
    水と微細化した空気とを略同一速度で移動させることを
    特徴とする局部洗浄方法。
  2. 【請求項2】 人体局部に洗浄水を噴出口から噴出して
    当該局部を洗浄する局部洗浄方法であって、 前記噴出口に至る管路を流れる洗浄水に空気を混入し、
    該空気混入を経た洗浄水の流れを洗浄水に空気が分散混
    合した気泡流とし、該気泡流における洗浄水流量Qwと
    空気流量Qaの比の値Qa/Qwを1.3〜4.0の範
    囲とすることを特徴とする局部洗浄方法。
  3. 【請求項3】 人体局部に洗浄水を噴出口から噴出して
    当該局部を洗浄する局部洗浄装置であって、 前記噴出口に至る管路に設けられた空気混入部から該管
    路の洗浄水に空気を混入し、前記空気混入部からの空気
    混入を経た洗浄水の流れを洗浄水に空気が分散混合した
    気泡流とする空気混入手段と、 前記気泡流における洗浄水流量Qwと空気流量Qaの比
    の値Qa/Qwが1.3〜4.0の範囲となるように、
    前記気泡流における洗浄水と空気の混合比を調整する混
    合比調整手段と、 を備えることを特徴とする局部洗浄装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の局部洗浄装置であって、 前記混合比調整手段は、 前記空気混入手段を制御して空気の混入量を制御し、前
    記空気流量Qaを調整する第1調整手段と、前記空気混
    入部を通過する洗浄水の通過量を制御し、前記洗浄水流
    量Qwを調整する第2調整手段の前記第1、第2調整手
    段の少なくとも一方を有する、局部洗浄装置。
  5. 【請求項5】 請求項3記載の局部洗浄装置であって、 前記混合比調整手段は、 前記空気混入部を通過する洗浄水の通過状況に基づいて
    前記空気混入手段を制御して空気の混入量を制御し、前
    記空気流量Qaを調整する手段を有する、局部洗浄装
    置。
  6. 【請求項6】 請求項3記載の局部洗浄装置であって、 前記空気混入部は、微細な気泡を洗浄水に混入する微細
    気泡混入手段を有する、局部洗浄装置。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の局部洗浄装置であって、 前記微細気泡供給手段は、平均直径が約100μm〜1
    000μmの微細な気泡を洗浄水に混入する、局部洗浄
    装置。
  8. 【請求項8】 請求項6記載の局部洗浄装置であって、 前記微細気泡供給手段は、洗浄水に接する面に多数分割
    された独立開孔を有する、局部洗浄装置
  9. 【請求項9】 請求項8記載の局部洗浄装置であって、 前記微細気泡供給手段の独立開孔は、その開孔配置が規
    則的である、局部洗浄装置
  10. 【請求項10】 請求項6ないし請求項9いずれか記載
    の局部洗浄装置であって、 前記空気混入部は、前記管路の一部を構成する、局部洗
    浄装置
  11. 【請求項11】 請求項10記載の局部洗浄装置であっ
    て、 前記空気混入部は、多孔質材料で形成されている、局部
    洗浄装置。
  12. 【請求項12】 請求項10記載の局部洗浄装置であっ
    て、 前記空気混入部は、前記管路の洗浄水に接する領域に亘
    って略網目状構造を有する、局部洗浄装置。
  13. 【請求項13】 請求項6ないし請求項12いずれか記
    載の局部洗浄装置であって、 前記空気混入部は、前記噴出口の近傍に設けられてい
    る、局部洗浄装置。
  14. 【請求項14】 請求項3記載の局部洗浄装置であっ
    て、 前記空気混入手段は、 前記空気混入部の下流側の管路に、前記洗浄水の流れに
    含まれる気泡塊を破砕し、前記洗浄水の流れを破砕気泡
    が洗浄水に分散混合した気泡流に変遷する気泡破砕手段
    を有する、局部洗浄装置。
  15. 【請求項15】 請求項14記載の局部洗浄装置であっ
    て、 前記気泡破砕手段は、前記噴出口の近傍に設けられてい
    る、局部洗浄装置。
  16. 【請求項16】 請求項3記載の局部洗浄装置であっ
    て、 異なる人体局部に洗浄水を噴出するための複数の噴出口
    と、それぞれの噴出口に至る複数の噴出口側管路とを有
    し、 前記空気混入手段からの前記気泡流の流入先を、複数の
    前記噴出口側管路の一つに切り替える切替手段を有す
    る、局部洗浄装置。
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