JP2970479B2 - 制振装置 - Google Patents

制振装置

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JP2970479B2
JP2970479B2 JP19637895A JP19637895A JP2970479B2 JP 2970479 B2 JP2970479 B2 JP 2970479B2 JP 19637895 A JP19637895 A JP 19637895A JP 19637895 A JP19637895 A JP 19637895A JP 2970479 B2 JP2970479 B2 JP 2970479B2
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満 蔭山
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、地震や風による
建物や倉庫ラックなどの構造物の振動(動揺)を抑制す
る制振装置に関し、特に、構造物の上部に固定したケー
ブルにより構造物の振動変位を地盤に設置したダンパに
伝達する方式の制振装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の制振装置としては特開昭
4−176974号公報(E04H 9/02,E04B 1/34 )に開
示されたものがある。高層ビルなどの構造物が地震や風
により水平方向に揺れる振動について、1次モードの振
動変位がもっとも大きくなる構造物頂部付近にケーブル
を固定し、そのケーブルを滑車により折れ線状に案内し
て地盤に設置したダンパに連結する。その際、構造物に
対称的に2系統のケーブルを配設し、構造物が振動によ
り往復で変位するときに、両ケーブルが交互に緊張する
ような力学的に相補的な関係をつくりだす。また、せん
断変形により運動エネルギーを吸収する積層ゴム式のダ
ンパを構造物直下の地盤に設置し、両ケーブルの端部を
ダンパの両端にそれぞれ連結し、ケーブルの張力により
ダンパがせん断変形するように構成する。つまり、構造
物の振動変位を両ケーブルを介して往復でダンパに伝達
し、構造物の振動エネルギーをダンパにより吸収する。
【0003】この方式の制振装置の性能向上を図るため
に、本発明者らは先につぎのような改良技術を開発し
た。それは、ダンパの入力段に回転ドラムを設け、構造
物の振動変位をこのドラムの往復回動変位に変換する機
構を含んだものである。つまり、前述のように構造物の
振動変位を伝える前記のケーブルを回転ドラムに巻き付
けておき、ケーブルの張力により前記ドラムを回転さ
せ、その回転運動に対して適当なダンパ作用を与える構
成である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】高層ビルなどの制振を
対象としているので、構造物の振動変位をダンパに伝え
る前記ケーブルには数千トンもの張力が発生する。この
ケーブルの配設方向を折れ線状に変換する滑車にも当然
きわめて大きな荷重が加わる。数千トン級の大荷重が滑
車に加わると、その軸受に作用するラジアル方向の荷重
も膨大なものになるので、滑車を円滑に回転させること
が困難になる。滑車の回転が円滑でないとケーブルと滑
車との間できわめて大きな摩擦が発生し、構造物の振動
変位がダンパに伝わりにくくなるだけでなく、滑車が破
損しやすくなる。滑車の軸受にかかるラジアル方向の荷
重を小さくするには、滑車で方向変換されたケーブルの
挟み角度を大きくすればよいが、それでは望ましいレイ
アウトになるようにケーブルを大きく方向変換できない
ことになる。
【0005】この発明は前述した従来の問題点に鑑みな
されたもので、その目的は、ケーブルと滑車との摩擦を
小さくして構造物の振動変位をダンパに効率よく伝達で
きるようにするとともに滑車の破損を防止するようにし
た制振装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこでこの発明では、構
造物の上部に固定したケーブルを滑車により折れ線状に
案内して地盤に設けたダンパに連結し、構造物の振動変
位を前記ケーブルを介して前記ダンパに伝達して振動エ
ネルギーを吸収する制振装置において、前記滑車とし
て、前記ケーブルと接してその方向変換をガイドする円
筒面に、前記ケーブルと直交する軸を中心にそれぞれ回
転自在な多数のローラを配設したマルチローラ型滑車を
用いた。このマルチローラ型滑車としては、固定ブラケ
ットに対して回転自在に取り付けられた大径の回転体の
円周に沿って多数のローラが当該回転体の回転軸と平行
な軸を中心に回転自在に配設された二重回転式の構成も
採れる。
【0007】
【発明の実施の形態】この発明による制振装置の全体的
な概略構成の2つの例を図1(a)(b)に示してい
る。地盤1上に高層・超高層の構造物2が構築されてい
る。1次モードの振動において振動変位がもっとも顕著
に現れる構造物2頂部付近の左右2箇所にそれぞれケー
ブル3aと3bの一端が固定されている。この一対のケ
ーブル3aと3bは斜め下方に向けてたすき掛け状に交
差して構造物2の基部へと導かれ、構造物2の基部の左
右両端それぞれに配設された滑車4に掛け回されて、構
造物2の基部の中央へと案内され、つぎに説明するダン
パ5に連結されている。
【0008】図1(a)の実施例のダンパ5は地盤1に
回転自在に支持された回転ドラム51を備える。一対の
ケーブル3aと3bの端部がそれぞれ回転ドラム51の
周囲に巻き付けられている。地震や風によって構造物2
が左右に振動する場合に、一対のケーブル3aと3bが
交互に緊張・弛緩するように、力学的に相補的な関係に
なっている。つまり、図1(a)において構造物2が右
側へ動揺するときはケーブル3aが緊張してケーブル3
bが弛緩し、また構造物2が左側へ動揺するときはケー
ブル3bが緊張してケーブル3aが弛緩する。一方のケ
ーブル3aが緊張したとき、その張力でケーブル3aが
回転ドラム51をに回転させつつ回転ドラム51から引
き出され、同時に弛緩した他方のケーブル3bが回転ド
ラム51に巻き取られる。また反対に、ケーブル3bが
緊張したときは、ケーブル3bの張力で回転ドラム51
は反対方向に回転し、ケーブル3bが回転ドラム51か
ら引き出されると同時に、弛緩した他方のケーブル3a
が回転ドラム51に巻き取られる。
【0009】このように構造物2の振動による左右の往
復変位がケーブル3a・3bを介して回転ドラム51に
伝達され、ドラム51の往復の回動変位に変換される。
回転ドラム51と一体に回動変位する回転系には4本の
支持軸52が放射状に配設され、その支持軸52の先端
部分にオモリ53が取り付けられている。さらに、オモ
リ53と地盤1とが油圧ダンパ54を介して連結されて
いる。オモリ53は制振装置全体の固有振動周波数を適
宜に調整するために付加されており、油圧ダンパ54は
回転ドラム51とともに往復回動するオモリ53の運動
エネルギーを吸収する。これにより構造物2の振動エネ
ルギーを吸収して制振効果を発揮する。
【0010】また図1(b)の実施例のダンパ5は、地
盤1の平面上にローラ55を介して走行自在なオモリ5
6と、このオモリ56の運動エネルギーを吸収するよう
にオモリ56と地盤1とを連結する油圧ダンパ57とを
備えている。前記の両ケーブル3a・3bの端部がオモ
リ56の両側に結合されており、構造物2の振動変位に
伴ってケーブル3a・3bが交互に緊張・弛緩を繰り返
すと、それに連動してオモリ56が左右に往復運動し、
その運動エネルギーが油圧ダンパ57で吸収される。こ
れにより構造物2の振動エネルギーを吸収して制振効果
を発揮する。なお、オモリ56は制振装置全体の固有振
動周波数を適宜に調整するために付加されている。
【0011】この発明では図1(a)(b)に示すよう
な制振装置において、ケーブル3a・3bの方向変換用
の滑車4として、図2(a)または図2(b)に示すよ
うなマルチローラ型滑車を用いる。
【0012】図2(a)に示すマルチローラ型滑車4
は、地盤1に全体を固定するためのブラケット41と、
このブラケット41に固定的に取り付けられたドラム4
2と、この滑車に所定のレイアウトでケーブル3(前記
の3a・3bに相当)を掛け回すときにケーブル3と接
する部分の円筒面に小さな所定間隔をおいて配設された
多数のローラ43とからなる。各ローラ43はケーブル
3と直交方向の軸を中心にそれぞれ回転自在に軸受(図
示省略)を介してドラム42に取り付けられている。ケ
ーブル3は多数のローラ43に接して摺動することにな
る。したがって、ケーブル3から多数のローラ43に力
が分散して加わるので、1つひとつのローラ43に加わ
る荷重は小さくなる。その結果、各ローラ43の軸受に
それぞれ加わるラジアル方向荷重は従来に比べて大幅に
小さくなり、そのため各ローラ43の円滑な回転が補償
され、ケーブル3との摩擦がきわめて小さくなる。
【0013】図2(b)に示すかマルチローラ型滑車4
は、ブラケット41に対して軸受44を介してドラム4
5を回転自在に取り付け、このドラム45の円周面全体
に図2(a)の実施例と同様な多数のローラ43を所定
間隔をおいて配設している。つまり、各ローラ43がケ
ーブル3に接して回転するだけでなく、各ローラ43の
取り付け母体であるドラム45自体が各ローラ43の回
転軸と平行な軸を中心に回転自在なので、ケーブル3の
動きに対する抵抗力はさらに小さくなる。
【0014】
【発明の効果】この発明の制振装置では、構造物の振動
変位をダンパに伝えるケーブルを所定のレイアウトでガ
イドする滑車として、前記ケーブルと接してその方向変
換をガイドする円筒面にそれぞれ回転自在な多数のロー
ラを配設したマルチローラ型滑車を用いたので、各ケー
ブルから滑車に加わる大荷重が多数の各ローラに分散す
るので、1つひとつのローラ軸受にかかる荷重は充分に
小さくなり、したがって各ローラは円滑に回転してケー
ブルの動きを妨げない。滑車とケーブルの摩擦が小さく
なるので、滑車が破損する可能性は大幅に低下し、信頼
性が向上する。ケーブルの動きが円滑になるので、構造
物の振動変位をダンパに効率よく伝達でき、設計通りの
制振性能を実現できる。なお、各ローラの取り付け母体
であるドラム自体が回転自在な二重回転構造にすれば、
ケーブルの動きに対する抵抗力はさらに小さくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の制振装置の2つの例の全体構成の概
略図である。
【図2】この発明の要部をなすマルチローラ型滑車の2
つの例を示す構成図である。
【符号の説明】
1 地盤 2 構造物 3a・3b ケーブル 4 滑車 41 ブラケット 42 ドラム(固定式) 43 ローラ 44 軸受 45 ドラム(回転式) 5 ダンパ 51 回転ドラム 52 支持軸 53 オモリ 54 油圧ダンパ 55 ローラ 56 オモリ 57 油圧ダンパ

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 構造物の上部に固定したケーブルを滑車
    により折れ線状に案内して地盤に設けたダンパに連結
    し、構造物の振動変位を前記ケーブルを介して前記ダン
    パに伝達して振動エネルギーを吸収する制振装置におい
    て、前記滑車として、前記ケーブルと接してその方向変
    換をガイドする円筒面に、前記ケーブルと直交する軸を
    中心にそれぞれ回転自在な多数のローラを配設したマル
    チローラ型滑車を用いたことを特徴とする制振装置。
  2. 【請求項2】 請求項1におけるマルチローラ型滑車
    は、固定ブラケットに対して回転自在に取り付けられた
    大径の回転体の円周に沿って多数のローラが当該回転体
    の回転軸と平行な軸を中心に回転自在に配設された二重
    回転式の滑車であることを特徴とする制振装置。
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