JP2969572B2 - 電波反射壁と吸収床による遮蔽方式 - Google Patents

電波反射壁と吸収床による遮蔽方式

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JP2969572B2 JP977991A JP977991A JP2969572B2 JP 2969572 B2 JP2969572 B2 JP 2969572B2 JP 977991 A JP977991 A JP 977991A JP 977991 A JP977991 A JP 977991A JP 2969572 B2 JP2969572 B2 JP 2969572B2
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敏行 石川
正武 中村
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、外壁部に設けて外来電
波を遮蔽する電波反射壁と吸収床による遮蔽方式に関す
る。
【0002】
【従来の技術】市街地には、TV電波、電話や無線タク
シー、ハムその他の無線通信用の電波等、多種類の電波
が飛び交っている。そのため、都市環境によっては、様
々な電波障害が問題になっている。
【0003】例えばパソコンの動作が突然狂ったり精密
なマシーンが誤動作したりする原因には、飛び交ってい
る種々の不要電波が障害波となることが多い。また、都
市部のビル高層化が進むにつれて、TV電波障害が発生
し、社会的にクローズアップされている。そのため、こ
のようなTV電波障害対策としては、従来より電波の飛
来する方向から主に建物の影部分を予測・測定し、共同
受信アンテナにより有線で供給するシステムが採用され
ている。
【0004】一般に飛び交っている電波が必要な電波
か、不要な電波かは、建物の用途によって変わってく
る。そのため、立地環境に見合った電磁遮蔽対策を建物
に施す必要がある。こうした社会の要求によりできたの
が電波吸収壁である。
【0005】電波吸収壁は、電波の飛来方向及び電波の
反射する方向に面する外壁面に採用することにより、電
波の反射公害を低減しようとするものである。
【0006】近年、パソコンが従来型からさらにコンパ
クト化されてブック型まで出現するに至り、オフィスに
おけるコンピュータその他OA機器等の導入の勢いには
目を見張るものがある。かかるオフィスにおいて、OA
機器等で扱われる情報には、機密情報を含む重要な情報
が多くなっている。そのため、OA機器がノイズ等の影
響を受けて誤動作したり、その中の情報の化け等が発生
したり、情報が外部へ漏洩したりするようなことがある
と、システムの信頼性が低下し、業務に重大な影響を与
える。しかも、特に、OA機器等は、ノイズの影響を受
けやすく、周囲の電波による情報漏れが生じるという問
題がある。
【0007】そこで、建物内で使用するOA機器、医療
機器などの電子機器類を守るためにも、電波遮蔽材(反
射材)や電波吸収材を建物の外装へ仕組むシステムが重
要になる。
【0008】これまでも、提案として建物の外装に電波
反射材を用いたもの(例えば特開昭55ー49797号
公報、特開昭55ー13600号公報、特開昭56ー1
5831号公報、特開昭59ー4696号公報等)や電
波吸収材を用いたもの(例えば特開昭55ー64114
号公報、特開昭56ー3912号公報、特開昭59ー4
696号公報等)が数多く出されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、電波反射材を
用いたものは、建物内への電波の侵入を防ぐことはでき
るが、反射電波をなくすことはできないという問題があ
る。また、電波吸収材としては、主にフェライト(Fe
2 3 )が用いられるが、高価であると共に比重も大き
い(約5)ため、壁自体の重さが増え、構造体としても
強度を高めなければならず構造も複雑になるという問題
が生じる。その結果、施工性も低下し、建築コストも高
くなってしまう。また、外装壁体内へ電波吸収材を挿入
するため、技術上、外観デザイン上でも難点がある。そ
のため、一般的には、PCパネル内にフェライト焼結体
を隠蔽一体化させる構法が普及している。
【0010】本発明は、上記の課題を解決するものであ
って、使用する電波吸収材を少なくし、効率よく外来電
波を吸収し、外来電波の侵入の防止と反射波の低減を図
ることができる電波反射壁と吸収床による遮蔽方式を提
供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】そのために本発明の電波
反射壁と吸収床による遮蔽方式は、電波吸収材入りのス
ラブを建物の外壁から突出するように設けると共に、該
スラブ直上に傾斜した電波反射壁を設け、該電波反射壁
により外来電波を直下に反射させてスラブで吸収させる
ように構成したことを特徴とし、スラブの下に下階の電
波反射壁を一体に構成したことを特徴とするものであ
る。
【0012】
【作用】本発明の電波反射壁と吸収床による遮蔽方式で
は、建物の外壁から突出するように電波吸収材入りのス
ラブと該スラブ直上に傾斜した電波反射壁を設け、電波
反射壁により外来電波を直下に反射させ、スラブで反射
電波を吸収させるので、建物内への外来電波の侵入を確
実に阻止することができる。しかも、外観のデザイン
は、バルコニー状もしくは外廊下状となる。
【0013】
【実施例】以下、図面を参照しつつ実施例を説明する。
図1は本発明に係る電波反射壁と吸収床による遮蔽方式
の1実施例を示す図であり、1は建物、2は電波反射
壁、3はPCスラブ、4は電波吸収材、5は天井ふとこ
ろ部、6は手摺り、7はP.S.を示す。
【0014】図1において、PCスラブ3は、フェライ
ト等の電波吸収材4を(b)に示すようにすのこ状に入
れたものである。電波反射壁2は、ガラスや金属板、導
電性フィルム、金属メッシュ等を用い、外来電波を直下
に反射させるものである。これらは、建物1の外壁に突
出するように設けられ、外来電波を電波反射壁2で直下
に反射させ、直下にある電波吸収材4入りのPCスラブ
3で吸収させるものである。
【0015】TV電波は、地面に対して並行に電界成分
が分布し、垂直に磁界成分が分布している。そこで、電
波吸収材4入りのPCスラブ3は、この特性を利用して
磁界方向にフェライトを密着させた(b)のようなすの
こ状の電波吸収床構造が採用されている。なお、フェラ
イトの幅、厚み、間隔を変え、PC板の鉄筋サイズ、間
隔とフェライトとの離隔距離の調整により多層複合効果
的な減衰を行わせることができる。
【0016】電波反射壁2のガラスは、高性能熱線反射
ガラスや導電性フィルムを蒸着或いは貼着したガラス、
金属線メッシュ入りガラス等を用いることができる。天
井ふところ部5は、電波反射壁2と建物1の壁面との間
を埋める部分であり、この天井ふところ部5内は、種々
の必要な配管等を通すP.S.(パイプシャフト)7と
して利用してもよい。
【0017】上記構成のように本発明は、外来電波を電
波反射壁2により電波吸収材4入りのPCスラブ3へ反
射させてここで吸収させるものであり、電波反射壁2で
外来電波を直下に反射させるので、他に影響を与えるこ
となく不要電波の反射、吸収処理を行うことができる。
【0018】図2は本発明に係る電波反射壁と吸収床に
よる遮蔽方式の他の実施例を示す図であり、(a)に示
すように天井ふところ部14の上側を電波吸収材入りP
Cスラブ13による吸収面として電波反射壁12と一体
化するものである。このようにすることによって(b)
に示すように高層建物、中高層建物、低層建物等の複数
階層の建物において、各階内に配置された機器を外来電
波から守るように構成する場合に、施工性を上げること
ができ、外観のデザインもバルコニー状若しくは外廊下
状にすることができる。
【0019】なお、電波吸収壁については、上記構成の
他にも以下のようなものを使用することができる。
【0020】図3は本発明に用いる電波反射壁の他の実
施例を示す図であり、11は壁基盤、2は電波反射材、
13は電波吸収体、14は正面パネルを示す。
【0021】図3において、壁基盤11は、例えばコン
クリートその他の一般壁材を用いたものであり、ここに
電波吸収体13と電波反射材12とが図示のように交互
に鋸歯状配置される。正面パネル14は、一種の化粧パ
ネルであって、合成樹脂パネルやコンクリートその他一
般の建材でよいがなくてもよい。また、正面パネル14
は全面ではなく、所定間隔で電波吸収体13と電波反射
材12との先端を支持するものでもよい。
【0022】上記構成のように本発明は、外来電波を電
波反射材12により電波吸収体13へ反射させてここで
吸収させるものであり、電波反射材12で外来電波をほ
ぼ直角に反射させるので、他に影響を与えることなく不
要電波の反射、吸収処理を行うことができる。
【0023】図4は本発明に用いる電波反射壁の他の実
施例を示す図であり、電波反射材2′を三角波状(山
形)に配置し、その谷間に電波吸収体13を、その中間
にスペーサ15を配置したものである。このようにする
と、電波吸収体3の両面を電波エネルギーの吸収に利用
することができるので、図3の実施例と比較して明らか
なように電波吸収体13の数を半分に減らすことができ
る。また、この場合、電波反射材12′で反射させた電
波は、電波反射材12′の傾きθを大きくすると、ほと
んど電波吸収体13で吸収させることができるが、電波
吸収体13の間隔が短くなり、電波吸収体13を多く設
置しなければならなくなる。逆に、電波反射材12′の
傾きθを小さくすると、電波反射材12′の端の方で反
射した電波が電波吸収体13からはみ出るようになる
が、電波吸収体13の延長上の面で逆位相になった反対
側の反射波と合成されるので、減衰させることができ
る。そのため、電波吸収体13の利用率は低下するが、
反射波を充分に減衰させることができ、電波吸収体13
の間隔を長くして電波吸収体13の設置数を少なくする
ことができる。
【0024】本発明に用いられる電波吸収材は、求めら
れる性能として、電波エネルギーの吸収率が高いこと、
軽量であること、特性が気候・経年変化しないことであ
り、このような材料として、カーボン入り発砲プラスチ
ック成形品や複合磁性体、フェライト焼結体、複合フェ
ライト体等がある。
【0025】壁面材質と反射率との関係を示すと、周波
数150MHzでは下表の通りであり、反射率100
は、全反射であって吸収がないことを意味している。す
なわち、反射率は、吸収率の逆数になるので、反射率の
小さいものが電波吸収体として適した材料となる。
【0026】 なお、本発明は、上記の実施例に限定されるものではな
く、種々の変形が可能である。例えば上記の実施例で
は、電波反射壁を一定の傾斜を有する平面で構成した
が、曲面で構成してスラブでの反射波の集中させるよう
にしてもよい。
【0027】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、電波反射壁で外来電波を直下に反射させ、直
下の電波吸収体で電波エネルギーを吸収するので、外来
電波が建物内に侵入するのを防ぐことができ、また、反
射電波により他へ影響を及ぼすのを防ぐことができる。
しかも、電波反射材を利用することによって電波吸収材
の使用を少なくすることができ、構造体の軽量化を計る
ことができる。また、バルコニー状もしくは外廊下状に
構成したので、外観のデザインに変化を持たせることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る電波反射壁と吸収床による遮蔽
方式の1実施例を示す図である。
【図2】 本発明に係る電波反射壁と吸収床による遮蔽
方式の他の実施例を示す図である。
【図3】 本発明に用いる電波反射壁の他の実施例を示
す図である。
【図4】 本発明に用いる電波反射壁の他の実施例を示
す図である。
【符号の説明】
1…建物、2…電波反射壁、3…PCスラブ、4…電波
吸収材、5…天井ふところ部、6…手摺り、7…P.
S.
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) E04H 9/02 E04B 1/92 H05K 9/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電波吸収材入りのスラブを建物の外壁か
    ら突出するように設けると共に、該スラブ直上に傾斜し
    た電波反射壁を設け、該電波反射壁により外来電波を直
    下に反射させてスラブで吸収させるように構成したこと
    を特徴とする電波反射壁と吸収床による遮蔽方式。
  2. 【請求項2】 スラブの下に下階の電波反射壁を一体に
    構成したことを特徴とする請求項1記載の電波反射壁と
    吸収床による遮蔽方式。
JP977991A 1991-01-30 1991-01-30 電波反射壁と吸収床による遮蔽方式 Expired - Lifetime JP2969572B2 (ja)

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