JP2968713B2 - 建物の壁面洗浄装置、及びこれに用いる昇降装置 - Google Patents
建物の壁面洗浄装置、及びこれに用いる昇降装置Info
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Description
を洗浄水噴射とブラッシングとにより洗浄清掃する建物
の壁面洗浄装置に関する。
清掃には、広範囲、及び高所作業であることから、窓清
掃のような手作業では非効率的であるため、その多くは
高圧ジェット水を噴射して汚れを剥離させて取り除く清
掃方法(以下、「ジェット噴射方式」と略称。)が行わ
れていた。
れを完全に取ることは困難で多少の汚れが残ってしまっ
ていた。そのため多くは全体作業後、個別的な手作業を
必要とし、作業効率が非常に悪かった。また、噴射水
が壁面に当たって飛散し、高所作業であるため、広範囲
に汚水が散乱して、苦情・迷惑の原因となっていた、さ
らには、水の勢いのみで汚れを取り除くものであるた
め、必然的に大量の水を必要とし資源の有効利用に反し
ていた、等の多くの問題点があった。
決を図ると共に、かなりの高圧ジェットを噴射しても付
着した汚れを完全に取り除くことは難しいが、その部分
をわずかに擦ると簡単に汚れが取れてしまうことに着目
し、同様のことがビル壁面においても当てはまることか
ら、鋭意研究の末、本願発明を開発するに到った。
ラッシングを併用することにより効率的な建物壁面の洗
浄清掃を行うと共に、洗浄水の飛散をほぼ完全に防止し
て付近の環境を害さない効果的な建物の壁面洗浄装置と
これに用いる昇降装置を提供するものである。
本願発明の建物の壁面洗浄装置(以下「洗浄装置」と略
称。)は、以下のように構成されている。
置によって懸垂支持され、略垂直な壁面に当接して昇降
移動しながら壁面を洗浄する建物の壁面洗浄装置におい
て、 壁面側に開放口を有する箱状の筺体が懸垂支持さ
れ、該筐体は、外部から供給される洗浄水を壁面へ噴射
する噴射手段と、該筐体内に保持され回転駆動手段によ
って回転して壁面をブラッシングする1又は2以上のブ
ラシ体と、上記開放口の両側上下端に、それぞれ上下方
向に連続し、かつ壁面に対向する縁部が反壁面側に湾曲
した形状の延設板と、上記開放口の両側縁部及び延設板
の壁面側縁部に沿って取り付けられた複数個の滑動手段
と、が配設されて成り、かつ該筐体の底部には、蛇腹状
に形成されて伸縮自在に構成された排水ダクトが地面ま
で連なった状態で取り付けられていると共に、該筐体の
反壁面側には、当該建物の屋上縁部と地面との間に張力
をもって略垂直に張渡された1又は2以上のガイドワイ
ヤが係合されて、該筐体を壁面へ押し付けるように構成
されていることを特徴とする。
部位置に、壁面に押圧接触する吸水材からなる1又は2
以上の吸水ローラが設けられていると共に、該吸水ロー
ラの絞り手段が配置されていることを特徴とする。
図面に基づき以下にその詳細を説明する。図1は本実施
形態の洗浄装置の縦断面図であり、図2はその洗浄装置
を壁面側から見た正面図である。
2、該筐体2内に内蔵される噴射手段3、ブラシ体4、
回転駆動手段5、及び吸水ローラ6、並びに筐体2に取
付けられる排水ダクト7、及びガイドワイヤ8とから構
成されている。
る。筐体2は、壁面9側に開放口20を有する矩形箱状
に形成されており、上面に取付けられた三点支持の取付
けワイヤ21、21をフックでまとめて支持する支持ワ
イヤ22によって、後述する昇降装置100に懸垂支持
されている。
れ上下方向に連続し、かつ壁面9に対向する縁部23e
が反壁面側に湾曲した形状(一定曲率)の延設板23が
一体に形成されている。そして、開放口20の両側縁部
20e及び延設板23の縁部23eには、滑動手段とし
て複数個のキャスタ24、24、・・・が連続して取付
けられている。このキャスタ24の輪転により、壁面9
に当接した筐体1の昇降移動を円滑にしている。
は、略全幅に渡って、壁面9に接触する舌片状の弾発可
撓性材(例えば、ゴム板、樹脂板、金属薄板)からなる
飛沫遮断片25が取付けられている。この飛沫遮断片2
5は、洗浄水やブラッシング飛沫が開放口20の上下縁
部から飛散するのを防止するためのものであって、昇降
移動時にその先端が壁面9を舐めるように配置されてい
る。そしてその取付けは、板バネ、スプリング、等の付
勢手段26によって、上方側へ付勢するようにされてい
る。
0とこれに取付けられた複数個のノズル31、31、・
・とからなる噴射手段3が取付けられている。この噴射
手段30には、外部から水や洗剤等からなる洗浄水が供
給され、適宜壁面9に噴射するものである。なお、本実
施例では噴射手段3を、図示のようにブラシ体4の上方
に配置しているが、これに限らず上方及び(又は)下方
に配置するようにしてもよい。また、図示するように洗
剤液供給用のノズルと水供給用のノズルをそれぞれ別系
統で配置しているが、この他、配管30を一系統に構成
して、洗剤液と水を交互に供給するようにしても良い。
開放口20の内側の横幅一杯に架け渡すように収納配置
されている。かかるブラシ体4の回転軸40は、円筒状
をなし、その外周全域には一定の毛足の長さの柔軟性を
有する植毛群41が密に植設形成されている。そして、
ブラシ体4が回転し、遠心力により当該植毛群41が放
射状に広がったときに、その植毛先端群41e、41
e、・・が前記開放口20よりも一定長さ壁面9側へ露
出するように取付けられている。
回転軸40にプーリ42を取付け、これにベルト50を
介して回転駆動手段5からの回転駆動力を伝達すること
によって、定速軸回転するようにされている。この回転
駆動手段5は、通常電動モータが用いられ、筐体2の裏
面側(反壁面側)において、ブラシ体4の収納空間とは
別の空間を構成するケース26内に収納保持されてい
る。
としている、この他に図示は省略するが、ブラシ体3を
左右二分割して直列に連結し、それぞれを左右に配置し
た2個のモータで別個に駆動するようにしても良い。こ
れによりより強力な駆動力を得ることができる。
であるが、この他、水平2段配置にして、又は左右2分
割して、さらにはこれらの組み合わせとして取付け配置
するようにしても良い。
ローラ6が配置されている。該吸水ローラ6は、例え
ば、スポンジ等の吸水材から構成され、ブラシ体4の長
さと略同等の長さを持った円柱暑z水ローラ6と従回転
しながらその面を押し絞る機構とされた絞りローラ61
が、腕部材60に回転自在に取付けられている。また、
この腕部材60は、その先端側を吊り下げられたウエイ
ト62の引張力により上方へ吊り上げるようにされてい
る。これは、筐体2が上方へ移動する時に、これに連れ
て腕部材60が下側へ向いてしまうのを阻止するための
ものである。
は、上述の飛沫遮断片25とほぼ同様に構成された、ス
クレーパ62がその先端縁を上方へ傾斜するようにして
配置されている。このスクレーパ62は壁面9を伝わり
流れてきた洗浄後の汚水をすくい取るもので、薄いゴム
板等の弾発可撓性材で形成されている。このスクレーパ
62の幹部側が取付けられた支持板63は、後方へ傾斜
して配置されて、その底部側には導水管64が取付けら
れており、その導水管64の下端開口は後述の排水ダク
ト7の開口部7hへ向けられている。
なる筒状で伸縮自在の排水ダクト7が取付けられてい
る。この排水ダクト7は、地面に設置された排水貯溜タ
ンク70に接続されており、筐体4内で回収した洗浄後
の汚水を、この排水ダクト7を伝わってほぼ全量を回収
するものである。排水ダクト7は、円筒形の蛇腹状に形
成されて伸縮自在に構成されており、筐体4の移動に従
って地面から延び縮するように構成されている。この排
水ダクト7の構成により、筐体が地面近くまで降りてき
た場合には地面に大きな塊となって滞積することなく、
筐体4の昇降位置に関係なく排水ダクト7の地面の設置
面積(地面への投影面積)が同じになり、下降時には畳
まれた状態となるため、排水がスムーズに行われるばか
りでなく、そのまま撤収することができ非常に作業性が
良いものとなる。
置1の壁面9への押し付け機構について説明する。筐体
4の裏面側(反壁面側)には裏面側に延びる枠体27が
取付けられ、その先端側の少なくとも4隅にガイドロー
ラ28が取付けられいる。このガイドローラ28には、
ガイドワイヤ8が係合して滑動自在とされている。この
ガイドワイヤ8は、通常、金属ワイヤや高耐張力樹脂ロ
ープ等が用いられ、その下端部が地面に配置されたアン
カー80に取付けられ、上端部は屋上に配置された後述
する移動キャリア110の支持機構120に支持され
て、地面と屋上との間に一定の張力をもって張渡されて
いる。
が、開放口20の両側縁部20eに飛沫防止のための遮
へい幕を取付けようにしても良い。かかる遮へい幕は壁
面9に接するように舌片状に延出して取付けられ、材質
は薄板ゴム板等の可撓性材が用いられ、水平な数状のス
リットを形成して、その先端部が壁面に倣い易くすると
良い。
について説明する。図3は本実施形態の昇降装置を示す
斜視図である。
ャリア110、前記のガイドワイヤ8を支持する支持機
構120、洗浄装置1を懸垂支持する駆動巻上装置13
0、及び該駆動巻上装置130を保持する基台140と
から成る。
形成され、建物屋上のパラペット(建物に設けた低い手
摺壁)150を跨ぐようにして取付けられている。枠体
111の下部には、パラペット150の上面151を輪
転移動するためのローラ112が取付けられており、さ
らにパラペット150を挟持する脚部113が一体的に
形成さている。脚部113には、パラペット150の側
面152を押圧して移動キャリヤ110を固定するため
の締結具114が取付けられている。
5を側面152方向へ貫通するボルト軸116と、これ
に取付けられた把手付きナット117の螺合締め付けに
よって、移動キャリア110をパラペット151へ固定
するようにしている。また、ボルト軸116の側面15
2に対向する先端部には、滑動手段としてのキャスタ1
18が取付けられている。このキャスタ118によっ
て、締結具114を緩めたときの移動キャリア110の
移動を容易にしている。
には、それぞれ支持機構120、120が配置されてい
る。該支持機構120は、棒状の支持体121と、その
両端部に取付けられた滑車122、122とからなり、
前記のガイドワイヤ8を滑車122に巻回した後、その
ガイドワイヤ8にウエイト123を吊り下げる構造にさ
れている。このウエイト123の選択により、ガイドワ
イヤ8の張力が調製されている。
ており、その先端側140aはパラペット150から外
部に延出するようにして、前記移動キャリア110の枠
体111の上部に立て掛けるようにして取付けられ、そ
の先端には、支持ワイヤ22をガイドするガイドローラ
142が取付けられている。一方、幹部側140bはパ
ラペット150の屋上の内側に配置され、その先端には
所定重量の荷重141が載荷される共に、ガイドローラ
142を介して支持ワイヤ22を巻き上げる駆動巻上装
置130が取付けられている。この駆動巻上装置130
は電動ウインチが用いられている。
11と基台140との取付け位置を支点として、この支
点に対して先端側の荷重によって生じる力のモーメント
より、幹部側140aの荷重によって生じる力のモーメ
ントの方が大きくなるように、かつ幹部側140bの基
台140の長さを考慮して選択されるものである。
り、本実施形態は以下のように作用する。図4は建物の
壁面を洗浄している状態の洗浄装置を示す斜視図であ
り、図5は本実施例の使用状態の全体を示す側面図であ
る。
浄清掃は、昇降装置100の昇降によって地面から屋上
まで連なる縦方向の帯状面に行い、この面を終了した段
階で隣接する帯状面へ移動し、このように順次移動して
行って壁面9の全面を洗浄清掃するものである。
10の締結具114のナット117を緩めて、キャスタ
118とローラ112の輪転により、移動キャリア11
0をパラペット150に跨設しながら、所定の位置へ移
動させる。所定の位置でナット117を螺合締結して移
動キャリア110をパラペット150上へ固定する。
と共に移動させても良く、また移動キャリア110を移
動させた後に基体140を取付けようにしても良い。通
常、作業工程の中で移動キャリア110を移動させると
きは、基台140もそれに取付けたまま共に移動するよ
うにされる。
イドローラ142を介して繰り出された支持ワイヤ22
によって懸垂支持される。適宜、壁面9に沿って昇降移
動させられる。
が壁面9に向けて配置され、縁部20eに配置さたキャ
スタ24が壁面9へ当接し、かかるキャスタ24の輪転
により、滑動移動させられる。この時、洗浄装置1の全
体は、一定の張力を持ったガイドワイヤ8と筐体2の枠
体27に取付けられたガイドローラ28との係合によ
り、一定の圧力で壁面9へ押し付けられた状態が保たれ
る。
最上部に洗浄装置1を設置し、噴射手段3へ給水すると
共に回転駆動手段5を駆動させてブラシ体4を軸回転さ
せる。これにより、壁面9に長年付着した汚れも洗浄水
とブラッシングとにより擦り取られることになる。そし
て、上部から壁面8を伝わって流れてきた洗浄水は、ブ
ラシ体4の下部に配置されたスクレーパ62によって、
すくい捕られ支持板63、導水管64を伝わって、排水
ダクト7の開口部7hへ導かれている。
排水は、その下部で洗浄装置1の移動に従って回転する
吸水ローラ6によって、吸水回収される。吸水した吸水
ローラ6はこれと押圧回転する絞りローラ61によって
絞られ、絞られた排水は、排水ダクト開口7hから回収
されて、排水ダクト7を伝わって地面に置かれた汚水タ
ンク70内に貯溜される。このとき、筐体の昇降位置に
関係なく排水ダクトの地面の設置面積(地面への投影面
積)が同じになり、下降時には畳まれた状態となる。
て筐体20の外部に飛沫が散乱するのを防止すると共
に、壁面9を接触しながら移動し、壁面9に付着した水
滴及び伝わって流れる汚水をすくい捕るスクレーパとし
ても機能する。
定速度で上昇及び下降させて行き、建物の壁面9を洗浄
清掃して行くものである。そして、上下一連の壁面を帯
状に洗浄清掃し終わったところで、開放口20の幅だけ
隣の壁面に移動し、再び上記作業を繰り返し建物の壁面
9全体を洗浄清掃して行くものである。
の突起物90が存在することが多い。かかる突起物90
に対しては、反壁面9側へ湾曲した延設板23とこの縁
部23eに取付けられたキャスタ24の作用により、突
起物90に乗り上げるようにして筐体20の衝突を回避
される。
次にような効果を奏する。洗浄水噴射と共にブラッシン
グを行っているため、少量の洗浄水で確実にかつ効率的
に壁面に付着した汚れを取り除くことができる。
へ押し付けるようにしているため、ブラシ体の回転によ
る壁面からの離隔(浮き)を防止することができ、確実
に壁面をブラッシングすることができると共に、吸水ロ
ーラの押圧を効率行うこともできる。
壁面の突起物を効果的に回避することができ、また飛沫
遮断片を設けているため筐体の外へ洗浄汚水の飛散を防
止することができることに加え、この飛沫遮断片がスク
レーパとしても作用するため汚水を効率良く回収するこ
とができる。
を配置し、かつこの吸水ローラの絞り手段を配置してい
るため、壁面を伝わって流れてきた汚水をほぼ完全に回
収することができる。これらの回収汚水は地面まで連な
った排水ダクトで回収するようにしているため、汚水で
回りの環境を汚すことなくより完全な汚水回収を行うこ
とができる。
て伸縮自在に構成しているため、排水もスムーズになり
かつ筐体の昇降位置に関係なく排水ダクトの地面の設置
面積(地面への投影面積)が同じになり、下降時には畳
まれた状態となるため、そのまま撤収することができ非
常に作業性が良いものとなる。
図である。
形態の洗浄装置の斜視図である。
る。
Claims (2)
- 【請求項1】 建物の屋上に設置された昇降装置によっ
て懸垂支持され、略垂直な壁面に当接して昇降移動しな
がら壁面を洗浄する建物の壁面洗浄装置において、壁面側に開放口を有する箱状の筐体が懸垂支持され、 該筐体は、外部から供給される洗浄水を壁面へ噴射する
噴射手段と、 該筐体内に保持され回転駆動手段によって回転して壁面
をブラッシングする1又は2以上のブラシ体と、 上記開放口の両側上下端に、それぞれ上下方向に連続
し、かつ壁面に対向する縁部が反壁面側に湾曲した形状
の延設板と、 上記開放口の両側縁部及び延設板の壁面側縁部に沿って
取り付けられた複数個の滑動手段と、が配設されて成
り、 かつ該筐体の底部には、蛇腹状に形成されて伸縮自在に
構成された排水ダクトが地面まで連なった状態で取り付
けられていると共に、 該筐体の反壁面側には、当該建物の屋上縁部と地面との
間に張力をもって略垂直に張渡された1又は2以上のガ
イドワイヤが係合されて、該筐体を壁面へ押し付けるよ
うに構成されていることを特徴とする建物の壁面洗浄装
置。 - 【請求項2】 筐体内のブラシ体の取付け位置の下部位
置に、壁面に押圧接触する吸水材からなる1又は2以上
の吸水ローラが設けられていると共に、該吸水ローラの
絞り手段が配置されていることを特徴とする請求項1記
載の建物の壁面洗浄装置。
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