JP2967104B2 - フライヤ−からの麺搬出機構 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明はフライヤ−からの麺
搬出機構、より詳細には、フライヤ−で油揚げされてバ
ケットコンベアで搬出されてくる麺を、できるだけ衝撃
を与えることなく次工程に搬送するためのフライヤ−か
らの麺搬出機構に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来のフライヤ−からの麺搬出機構とし
ては、図４及び図５に示すようなものがある。図４に示
すものは、フライヤ−に連設されたバケットコンベア２
１の端部に沿って半円形の曲面カバ−２２を添設し、曲
面カバ−２２の下端部に僅かな間隙を置いて、水平状態
から下方に回動する回動板２３を設置し、回動板２３の
下方回動端において回動板２３から滑り落ちる麺塊２４
を、バ−コンベア２６に供給するシュ−ト２５を回動板
２３の下に設置するものである。

【０００３】この麺搬出機構においては、回動板２３は
麺塊２４の重量により下方に回動して麺塊２４を滑落さ
せ、麺塊２４の重量がかからなくなった時点で通例スプ
リング圧で元の水平位置に戻る。この場合、麺塊２４が
受ける衝撃は比較的少なく、衝撃を受けることによって
生ずるくず麺の発生は少ないが、回動板２３が戻るタイ
ミングがずれると、麺塊２４が曲面ガイド２２と回動板
２３との間隙に挾まって故障が起こりやすいという欠点
がある。また、回動板２３の信頼性のある復帰動作を期
待し難く、しかも設置コスト及びメンテナンスコストが
高くつくという欠点がある。

【０００４】他の従来例として図５に示すものがある。
この機構は、曲面ガイド２２の下端の下方に、バケット
コンベア２１の搬送方向と逆方向に回転する多角形ロ−
ル２７を配置し、多角形ロ−ル２７の側部に曲面ガイド
２８を添設し、多角形ロ−ル２７の下に搬送コンベア２
９を配設したものである。多角形ロ−ル２７の各角に
は、麺塊２４を支持する支持壁３０が設置される。

【０００５】この麺搬出機構においては、麺塊２４は曲
面カバ−２２に沿って進行し、曲面ガイド２２を過ぎる
ことにより上下逆になって多角形ロ−ル２７の一平坦周
面３１に乗り移る。この乗り移りの過程をみると、麺塊
２４は、曲面ガイド２２の下端を過ぎることにより、先
ず下面の先端部が平坦周面３１に乗り（図６の状態）、
次いで下面先端部を支点に下面全体が一気に平坦周面３
１に乗る。その際の衝撃は少なくなく、結果として多く
のくず麺が発生してしまう。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】上述したように従来の
フライヤ−からの麺搬出機構には、故障が起こりやす
い、コスト高となる、くず麺が多く発生するといった欠
点があったので、本発明はそのような欠点のない、即
ち、簡易な構成で麺詰まり等の故障が発生するおそれが
なく、コンベア間乗り移りの際の衝撃が非常に少ないた
めにくず麺の発生も殆どないフライヤ−からの麺搬出機
構を提供することを課題とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は、フライヤ−か
ら伸びるバケットコンベアの端部に沿って曲面ガイドを
添設し、前記バケットコンベアの下に、麺塊が乗る駆動
ロ−ルを前記曲面ガイドの下端の下に配置したバ−コン
ベアを配備し、前記バ−コンベアの駆動ロ−ルに沿って
湾曲シュ−トを設置し、前記湾曲シュ−トの下端をバ−
コンベアにより押送される麺塊が移動する滑りテ−ブル
に当接させて成るフライヤ−からの麺搬出機構、を以て
上記課題を解決した。前記曲面ガイド下縁を延長して水
平部を形成し、その水平部端部が前記駆動ロ−ル上に位
置するようにすることもある。

【０００８】

【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を添付図面に
依拠して説明する。図１は、本発明に係る機構の正面
図、図２はその側面図で、図中１はフライヤ−から伸び
るバケットコンベアで、各バケット２に油揚げされた麺
塊３を収納して搬送する。４はバケットコンベア１の進
行端部に沿って添設された曲面カバ−で、バケット２に
接することなく麺塊３がバケット２から脱落することを
防止し得る位置に配置される。

【０００９】５はバ−コンベアで、その端部は曲面ガイ
ド４の下端の下に配置される。バ−コンベア５は、麺塊
３の幅よりも少し広い間隔置きに配置した押送バ−６を
備える。後述するように、曲面ガイド４の下端を通過す
ることによりバケット２から脱する麺塊３は、バ−コン
ベア５端部の駆動ロ−ル７上に乗り移ることになる。８
は駆動ロ−ル７に沿って湾曲する湾曲シュ−トで、麺塊
３がバケット２から脱落することなく通過し得る間隙を
保持して、駆動ロ−ル７に添設される。９は滑りテ−ブ
ルで、その上を押送バ−６に押送された麺塊３が移動し
て搬送される。バケットコンベア１とバ−コンベア５の
駆動源はそれぞれ独立のものとしてもよいし、図示した
ようにチェ−ン、ギア等を介して共通の駆動源を利用す
るものとしてもよい。

【００１０】バケットコンベア１とバ−コンベア５の位
置関係は図１に実線で示す通りであってもよいが、バケ
ットコンベア１を図１に想像線で示す位置にずらし、両
コンベアのオ−バ−ラップ部分を長くすることとしても
よい。その場合は、曲面ガイド４ａの下縁を延長して水
平部４ｂを形成する。水平部４ｂの先端位置は、実線で
示す曲面ガイド４の下端に一致させる。この構成例は、
バケット２が麺塊３を収めたまま逆さになった状態を長
くすることにより、麺塊３がバケット２に引掛ってそこ
から脱落し切らない状態の発生を確実に防止することを
狙いとするものである。

【００１１】以上いずれの場合も、バケット２に収まっ
たまま曲面ガイド４、４ａに沿って回った麺塊３は、曲
面ガイド４、４ａから離れるに伴い先ず下面先端部が駆
動ロ−ル７の周面上に乗り、次いで麺塊３の全体が曲面
ガイド４、４ａから離れるに至り、麺塊３全体が駆動ロ
−ル７上に乗ってその下面全体が駆動ロ−ル７の周面に
当接しようとする（図３）。しかし、駆動ロ−ル７の周
面は曲面であるために麺塊３の下面全体が一度に当接す
ることはなく、麺塊３はそこにおいてシ−ソ−運動を行
なう。従って、麺塊３は駆動ロ−ル７への乗り移りに際
して殆ど衝撃を受けず、くず麺の発生も殆どない。

【００１２】その後麺塊３は循環する押送バ−６に押送
され、湾曲シュ−ト８に沿って下降し、反転して押送バ
−６に押送され、滑りテ−ブル９上を搬送されて次工程
に送られる。

【００１３】

【発明の効果】本発明は上述した通りであって、構成簡
易で低コストにて製造でき、麺塊が曲面ガイドから離れ
て駆動ロ−ルへ乗り移る際に殆ど衝撃がないために無駄
なくず麺の発生を防止することができる効果がある。ま
た、曲面ガイドの下縁を延長して水平部を設けた場合
は、麺塊がバケットから脱落し切らない不都合を確実に
防止し得る効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明に係る麺搬出機構の正面図である。

【図２】 本発明に係る麺搬出機構の側面図である。

【図３】 本発明に係る麺搬出機構の作用説明図であ
る。

【図４】 従来の麺搬出機構の一例の正面図である。

【図５】 従来の麺搬出機構の他の例の正面図である。

【図６】 図５に示す麺搬出機構の欠点を説明する図で
ある。

【符号の説明】

１ バケットコンベア ２ バケット ３ 麺塊 ４ 曲面ガイド ４ａ 曲面ガイド ４ｂ 水平部 ５ バ−コンベア ６ 押送バ− ７ 駆動ロ−ル ８ 湾曲シュ−ト ９ 滑りテ−ブル

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) A47J 37/12 381 B65G 47/52

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 フライヤ−から伸びるバケットコンベア
   の端部に沿って曲面ガイドを添設し、前記バケットコン
   ベアの下に、麺塊が乗る駆動ロ−ルを前記曲面ガイドの
   下端の下に配置したバ−コンベアを配備し、前記バ−コ
   ンベアの駆動ロ−ルに沿って湾曲シュ−トを設置し、前
   記湾曲シュ−トの下端をバ−コンベアにより押送される
   麺塊が移動する滑りテ−ブルに当接させて成るフライヤ
   −からの麺搬出機構。
2. 【請求項２】 前記曲面ガイド下縁を延長して水平部を
   形成し、その水平部端部が前記駆動ロ−ル上に位置する
   ようにした請求項１記載のフライヤ−からの麺搬出機
   構。