JP2966974B2 - 変性フェノール樹脂混合エポキシ樹脂積層板の製造方法 - Google Patents
変性フェノール樹脂混合エポキシ樹脂積層板の製造方法Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は変性フェノール樹脂混合
エポキシ樹脂積層板の製造方法に関し、詳しくは特定の
変性フェノール樹脂及びエポキシ樹脂を有機溶剤に溶解
したワニスを原料として、これをガラスクロス等の積層
基材に含浸,乾燥,積層成形することおよび積層成形後
に熱硬化処理をすることによって、機械的強度,耐熱
性,耐水性,耐湿性および電気絶縁性等の各種物性と、
特に、加熱時の強度の保持に優れたエポキシ樹脂積層板
を効率よく製造する方法に関する。
エポキシ樹脂積層板の製造方法に関し、詳しくは特定の
変性フェノール樹脂及びエポキシ樹脂を有機溶剤に溶解
したワニスを原料として、これをガラスクロス等の積層
基材に含浸,乾燥,積層成形することおよび積層成形後
に熱硬化処理をすることによって、機械的強度,耐熱
性,耐水性,耐湿性および電気絶縁性等の各種物性と、
特に、加熱時の強度の保持に優れたエポキシ樹脂積層板
を効率よく製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】一般
に、電気絶縁材料をはじめ各種の工業材料として樹脂積
層板が盛んに使用されている。それらの中で汎用品であ
るフェノール樹脂積層板は、フェノール,アルキル置換
フェノールなどのフェノール類とホルムアルデヒドとを
反応させて得られるレゾール型のフェノール樹脂のワニ
スを繊維質基材に含浸し、乾燥して得られる半硬化段階
の積層材料を所定枚数積層し、成形することによって製
造されている。しかし、これらは電気絶縁性を始め、耐
熱性等の物性が不充分であり、その改良が望まれてい
る。
に、電気絶縁材料をはじめ各種の工業材料として樹脂積
層板が盛んに使用されている。それらの中で汎用品であ
るフェノール樹脂積層板は、フェノール,アルキル置換
フェノールなどのフェノール類とホルムアルデヒドとを
反応させて得られるレゾール型のフェノール樹脂のワニ
スを繊維質基材に含浸し、乾燥して得られる半硬化段階
の積層材料を所定枚数積層し、成形することによって製
造されている。しかし、これらは電気絶縁性を始め、耐
熱性等の物性が不充分であり、その改良が望まれてい
る。
【0003】このような状況下で、芳香族炭化水素ホル
ムアルデヒド樹脂に、3官能性以上のフェノール類を含
有するフェノール類を、酸性触媒下で反応させて得られ
る反応生成物に、乾性油,ロジン及びホルムアルデヒド
類を所定割合で混合し、アルカリ触媒下で加熱反応させ
てレゾール型油変性芳香族炭化水素フェノール樹脂ワニ
スとし、このワニスを積層品用基材に含浸させることに
よって、樹脂積層品を製造することが提案されている
(特公昭51−16068号公報)。
ムアルデヒド樹脂に、3官能性以上のフェノール類を含
有するフェノール類を、酸性触媒下で反応させて得られ
る反応生成物に、乾性油,ロジン及びホルムアルデヒド
類を所定割合で混合し、アルカリ触媒下で加熱反応させ
てレゾール型油変性芳香族炭化水素フェノール樹脂ワニ
スとし、このワニスを積層品用基材に含浸させることに
よって、樹脂積層品を製造することが提案されている
(特公昭51−16068号公報)。
【0004】また、メシチレンを主とするアルキルベン
ゼンにホルムアルデヒドを反応させて得られるメシチレ
ン樹脂を酸性触媒の存在下に乾性油及びフェノール類で
変性し、次いで該変性樹脂を塩基性触媒の存在下でホル
ムアルデヒドを作用させてレゾール化して得られる乾性
油変性メシチレン−フェノール−ホルムアルデヒド樹脂
を、積層板用樹脂として使用することが提案されている
(特公昭53−5707号公報)。
ゼンにホルムアルデヒドを反応させて得られるメシチレ
ン樹脂を酸性触媒の存在下に乾性油及びフェノール類で
変性し、次いで該変性樹脂を塩基性触媒の存在下でホル
ムアルデヒドを作用させてレゾール化して得られる乾性
油変性メシチレン−フェノール−ホルムアルデヒド樹脂
を、積層板用樹脂として使用することが提案されている
(特公昭53−5707号公報)。
【0005】さらに、ガラス繊維不織布にフェノール樹
脂を含浸して積層成形した積層板の樹脂中に、多量の水
酸化マグネシウムを含有させる技術が報告されている
(特開平2−39928号公報)。 また、エポキシ樹脂を単独で使用した積層板は、耐熱
性、特に加熱時の強度保持が困難であり、実用上様々な
問題がある。そのため、ノボラック型フェノール樹脂を
エポキシ樹脂の硬化剤として含有する積層板用のエポキ
シ樹脂組成物(特開平2−73824号公報)、ビスフ
ェノールA型エポキシ樹脂等に、硬化剤としてのフェノ
ールノボラックや硬化促進剤としてのイミダゾールを配
合してなるガラスエポキシ樹脂組成物(特開昭64−1
755号公報)、エポキシ樹脂とビスフェノールスルホ
ンとの混合物を主剤とし、これに硬化剤としてノボラッ
ク樹脂を配合した組成物を基材に含浸し、乾燥して得た
プリプレグを積層してなる積層板(特開昭63−234
014号公報)、エピビス型エポキシ樹脂,フェノール
ノボラック型エポキシ樹脂,ビスフェノールAおよび硬
化剤としてのノボラック樹脂を配合したワニスを基材に
含浸し、乾燥して得たプリプレグを積層してなる積層板
(特開昭63−37138号公報)が報告されている。
しかし、これらの樹脂積層板にあっても、電気絶縁性や
耐熱性等が未だ不充分なものであり、一層の改良が必要
とされている。そのため、電気絶縁性,耐熱性,機械的
強度および耐水性等の各種物性がバランスよく改善され
たエポキシ樹脂積層板の開発が望まれている。
脂を含浸して積層成形した積層板の樹脂中に、多量の水
酸化マグネシウムを含有させる技術が報告されている
(特開平2−39928号公報)。 また、エポキシ樹脂を単独で使用した積層板は、耐熱
性、特に加熱時の強度保持が困難であり、実用上様々な
問題がある。そのため、ノボラック型フェノール樹脂を
エポキシ樹脂の硬化剤として含有する積層板用のエポキ
シ樹脂組成物(特開平2−73824号公報)、ビスフ
ェノールA型エポキシ樹脂等に、硬化剤としてのフェノ
ールノボラックや硬化促進剤としてのイミダゾールを配
合してなるガラスエポキシ樹脂組成物(特開昭64−1
755号公報)、エポキシ樹脂とビスフェノールスルホ
ンとの混合物を主剤とし、これに硬化剤としてノボラッ
ク樹脂を配合した組成物を基材に含浸し、乾燥して得た
プリプレグを積層してなる積層板(特開昭63−234
014号公報)、エピビス型エポキシ樹脂,フェノール
ノボラック型エポキシ樹脂,ビスフェノールAおよび硬
化剤としてのノボラック樹脂を配合したワニスを基材に
含浸し、乾燥して得たプリプレグを積層してなる積層板
(特開昭63−37138号公報)が報告されている。
しかし、これらの樹脂積層板にあっても、電気絶縁性や
耐熱性等が未だ不充分なものであり、一層の改良が必要
とされている。そのため、電気絶縁性,耐熱性,機械的
強度および耐水性等の各種物性がバランスよく改善され
たエポキシ樹脂積層板の開発が望まれている。
【0006】そこで、本発明者らは、耐熱性,機械的強
度,耐水性および耐湿性を改善し、実用的価値の高いエ
ポキシ樹脂積層板を開発すべく鋭意研究を重ねた。その
結果、特定の変性フェノール樹脂及びエポキシ樹脂を有
機溶剤に溶解したワニスを用いることによって、上記目
的に適う樹脂積層板が得られることを見出した。本発明
はかかる知見に基づいて完成したものである。
度,耐水性および耐湿性を改善し、実用的価値の高いエ
ポキシ樹脂積層板を開発すべく鋭意研究を重ねた。その
結果、特定の変性フェノール樹脂及びエポキシ樹脂を有
機溶剤に溶解したワニスを用いることによって、上記目
的に適う樹脂積層板が得られることを見出した。本発明
はかかる知見に基づいて完成したものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は
(A)芳香族炭化水素分率fa値が0.40〜0.95、芳香
環水素量Ha値が20〜80%である石油系重質油類ま
たはピッチ類1モルに対して、ホルムアルデヒド重合物
を、ホルムアルデヒド換算のモル数が1〜10になるよ
うに混合し、酸触媒の存在下に加熱攪拌しながら、フェ
ノール類を該石油系重質油類またはピッチ類と該ホルム
アルデヒド重合物の合計重量に対して0.05〜5重量%
/分の添加速度で添加し、その際に該石油系重質油類ま
たはピッチ類1モルに対して添加するフェノール類のモ
ル数が0.3〜5になるようにして重縮合させて得られる
変性フェノール樹脂と(B)エポキシ樹脂を、該変性フ
ェノール樹脂が全樹脂の合計重量に対して5重量%以上
50重量%未満になるように有機溶剤に混合溶解してワ
ニスを得、該ワニスを積層基材に含浸させ、しかる後に
得られたプリプレグを積層成形することを特徴とする変
性フェノール樹脂混合エポキシ樹脂積層板の製造方法を
提供するものである。
(A)芳香族炭化水素分率fa値が0.40〜0.95、芳香
環水素量Ha値が20〜80%である石油系重質油類ま
たはピッチ類1モルに対して、ホルムアルデヒド重合物
を、ホルムアルデヒド換算のモル数が1〜10になるよ
うに混合し、酸触媒の存在下に加熱攪拌しながら、フェ
ノール類を該石油系重質油類またはピッチ類と該ホルム
アルデヒド重合物の合計重量に対して0.05〜5重量%
/分の添加速度で添加し、その際に該石油系重質油類ま
たはピッチ類1モルに対して添加するフェノール類のモ
ル数が0.3〜5になるようにして重縮合させて得られる
変性フェノール樹脂と(B)エポキシ樹脂を、該変性フ
ェノール樹脂が全樹脂の合計重量に対して5重量%以上
50重量%未満になるように有機溶剤に混合溶解してワ
ニスを得、該ワニスを積層基材に含浸させ、しかる後に
得られたプリプレグを積層成形することを特徴とする変
性フェノール樹脂混合エポキシ樹脂積層板の製造方法を
提供するものである。
【0008】本発明の方法では、上述の如く、(A)変
性フェノール樹脂と(B)エポキシ樹脂を溶解したワニ
スを用いる。ここで用いる(A)変性フェノール樹脂
は、次の如く製造される。即ち、この変性フェノール樹
脂は、まず特定の石油系重質油類またはピッチ類,フェ
ノール類およびホルムアルデヒド重合物を、一定の条件
下で重縮合することにより得られる。ここで石油系重質
油類またはピッチ類は、芳香族炭化水素分率fa値が0.4
0〜0.95、芳香環水素量Ha値が20〜80%でなけ
ればならない。なお、この芳香族炭化水素分率fa値およ
び芳香環水素量Ha値は、次の式に示すものである。 fa値=油又はピッチ中の芳香族炭素数/油又はピッチ中
の全炭素数 Ha値=油又はピッチ中の芳香環水素数/油又はピッチ
中の全水素数×100 このfa値は13C−NMRによって求めることができる。
またHa値は 1H−NMRによって求めることができ
る。
性フェノール樹脂と(B)エポキシ樹脂を溶解したワニ
スを用いる。ここで用いる(A)変性フェノール樹脂
は、次の如く製造される。即ち、この変性フェノール樹
脂は、まず特定の石油系重質油類またはピッチ類,フェ
ノール類およびホルムアルデヒド重合物を、一定の条件
下で重縮合することにより得られる。ここで石油系重質
油類またはピッチ類は、芳香族炭化水素分率fa値が0.4
0〜0.95、芳香環水素量Ha値が20〜80%でなけ
ればならない。なお、この芳香族炭化水素分率fa値およ
び芳香環水素量Ha値は、次の式に示すものである。 fa値=油又はピッチ中の芳香族炭素数/油又はピッチ中
の全炭素数 Ha値=油又はピッチ中の芳香環水素数/油又はピッチ
中の全水素数×100 このfa値は13C−NMRによって求めることができる。
またHa値は 1H−NMRによって求めることができ
る。
【0009】上記変性フェノール樹脂を製造するにあた
って、石油系重質油類またはピッチ類のfa値が小さくな
ると、芳香族分が少なくなるため、得られる変性フェノ
ール樹脂の性能の改質効果が小さくなる傾向がある。特
に、fa値が0.4未満の場合には、この改質効果が極めて
小さくなるので好ましくない。また、fa値が0.95より
大きい石油系重質油類またはピッチ類の場合には、芳香
環水素とホルムアルデヒドとの反応性が少なくなるので
好ましくない。従って、fa値は0.4〜0.95が望まし
く、特に好ましくは0.5〜0.8である。また、原料の石
油系重質油類またはピッチ類のHa値が小さくなると、
ホルムアルデヒドと反応する芳香環水素分が少なくな
り、反応性が乏しくなるため、フェノール樹脂の性能の
改質効果が乏しくなり好ましくない。Ha値について
は、実用性があるのは20%以上と考えられる。一方、
Ha値が大きくなると、芳香環水素分の反応性が次第に
小さくなる傾向を示す。Ha値が80%より大きい石油
系重質油類またはピッチ類を原料とした場合には、変性
フェノール樹脂の強度が低くなり、ひいてはこれを用い
て得られる樹脂積層板の強度が低下する傾向を示すので
好ましくない。本発明において、Ha値は20〜80%
が望ましく、特に好ましくは25〜60%である。
って、石油系重質油類またはピッチ類のfa値が小さくな
ると、芳香族分が少なくなるため、得られる変性フェノ
ール樹脂の性能の改質効果が小さくなる傾向がある。特
に、fa値が0.4未満の場合には、この改質効果が極めて
小さくなるので好ましくない。また、fa値が0.95より
大きい石油系重質油類またはピッチ類の場合には、芳香
環水素とホルムアルデヒドとの反応性が少なくなるので
好ましくない。従って、fa値は0.4〜0.95が望まし
く、特に好ましくは0.5〜0.8である。また、原料の石
油系重質油類またはピッチ類のHa値が小さくなると、
ホルムアルデヒドと反応する芳香環水素分が少なくな
り、反応性が乏しくなるため、フェノール樹脂の性能の
改質効果が乏しくなり好ましくない。Ha値について
は、実用性があるのは20%以上と考えられる。一方、
Ha値が大きくなると、芳香環水素分の反応性が次第に
小さくなる傾向を示す。Ha値が80%より大きい石油
系重質油類またはピッチ類を原料とした場合には、変性
フェノール樹脂の強度が低くなり、ひいてはこれを用い
て得られる樹脂積層板の強度が低下する傾向を示すので
好ましくない。本発明において、Ha値は20〜80%
が望ましく、特に好ましくは25〜60%である。
【0010】ここで使用する石油系重質油類またはピッ
チ類において、その縮合環数は特に限定されないが、好
ましくは主として2〜4環の縮合多環芳香族炭化水素で
ある。5環以上の縮合多環芳香族炭化水素の場合には、
沸点が殆どの場合450℃を超えるため、狭い沸点範囲
のものを集め難く、品質が安定しない問題がある。ま
た、主に単環芳香族炭化水素である場合には、ホルムア
ルデヒドとの反応性が低いため、フェノール樹脂の性能
の改質効果が小さいという問題がある。本発明に用いる
変性フェノール樹脂の原料である石油系重質油類または
ピッチ類は、原油の蒸留残油、水添分解残油、接触分解
残油、ナフサまたはLPGの熱分解残油およびこれらの
残油の減圧蒸留物,溶剤抽出によるエキストラクトある
いは熱処理物として得られるものであり、これらの中か
らfa値及びHa値の適当なものを選んで使用する。
チ類において、その縮合環数は特に限定されないが、好
ましくは主として2〜4環の縮合多環芳香族炭化水素で
ある。5環以上の縮合多環芳香族炭化水素の場合には、
沸点が殆どの場合450℃を超えるため、狭い沸点範囲
のものを集め難く、品質が安定しない問題がある。ま
た、主に単環芳香族炭化水素である場合には、ホルムア
ルデヒドとの反応性が低いため、フェノール樹脂の性能
の改質効果が小さいという問題がある。本発明に用いる
変性フェノール樹脂の原料である石油系重質油類または
ピッチ類は、原油の蒸留残油、水添分解残油、接触分解
残油、ナフサまたはLPGの熱分解残油およびこれらの
残油の減圧蒸留物,溶剤抽出によるエキストラクトある
いは熱処理物として得られるものであり、これらの中か
らfa値及びHa値の適当なものを選んで使用する。
【0011】また、変性フェノール樹脂の原料であるホ
ルムアルデヒド重合物とは、パラホルムアルデヒド,ポ
リオキシメチレン(特に、オリゴマー)のような線状重
合物及びトリオキサンのような環状重合物である。石油
系重質油類またはピッチ類とホルムアルデヒド重合物の
混合比は、石油系重質油類またはピッチ類の平均分子量
より計算される平均モル数1モルに対するホルムアルデ
ヒド換算のホルムアルデヒド重合物のモル数として、1
〜10である。この混合比が1未満の場合には、得られ
る樹脂積層板の強度が充分に高くならず好ましくない。
一方、10を超える場合には、得られる変性フェノール
樹脂のワニスの性能,収量ともに殆ど変わらなくなるの
で、ホルムアルデヒド重合物をこれ以上多く使用するこ
とは無駄と考えられる。ここで石油系重質油類またはピ
ッチ類とホルムアルデヒド重合物の混合比は、好ましく
は2〜8である。
ルムアルデヒド重合物とは、パラホルムアルデヒド,ポ
リオキシメチレン(特に、オリゴマー)のような線状重
合物及びトリオキサンのような環状重合物である。石油
系重質油類またはピッチ類とホルムアルデヒド重合物の
混合比は、石油系重質油類またはピッチ類の平均分子量
より計算される平均モル数1モルに対するホルムアルデ
ヒド換算のホルムアルデヒド重合物のモル数として、1
〜10である。この混合比が1未満の場合には、得られ
る樹脂積層板の強度が充分に高くならず好ましくない。
一方、10を超える場合には、得られる変性フェノール
樹脂のワニスの性能,収量ともに殆ど変わらなくなるの
で、ホルムアルデヒド重合物をこれ以上多く使用するこ
とは無駄と考えられる。ここで石油系重質油類またはピ
ッチ類とホルムアルデヒド重合物の混合比は、好ましく
は2〜8である。
【0012】上記変性フェノール樹脂を製造するにあた
って用いる酸触媒として、ブレンステッド酸もしくはル
イス酸が使用できるが、好ましくはブレンステッド酸が
用いられる。ブレンステッド酸としては、トルエンスル
ホン酸,キシレンスルホン酸,塩酸,硫酸,ギ酸等が使
用できるが、p−トルエンスルホン酸,塩酸が特に優れ
ている。酸触媒の使用量は、石油系重質油類またはピッ
チ類とホルムアルデヒド重合物の合計量に対して、通常
は0.1〜30重量%、好ましくは1〜10重量%であ
る。酸触媒の使用量が少ない場合には、反応時間が長く
なる傾向があり、また、反応温度を高くしないと反応が
不充分になる傾向がある。一方、酸触媒の使用量が多く
なってもその割には反応速度が速くならず、コスト的に
不利になることがある。また、酸触媒の回収や中和除去
が必要になることがあり、余分なコストがかかることが
ある。
って用いる酸触媒として、ブレンステッド酸もしくはル
イス酸が使用できるが、好ましくはブレンステッド酸が
用いられる。ブレンステッド酸としては、トルエンスル
ホン酸,キシレンスルホン酸,塩酸,硫酸,ギ酸等が使
用できるが、p−トルエンスルホン酸,塩酸が特に優れ
ている。酸触媒の使用量は、石油系重質油類またはピッ
チ類とホルムアルデヒド重合物の合計量に対して、通常
は0.1〜30重量%、好ましくは1〜10重量%であ
る。酸触媒の使用量が少ない場合には、反応時間が長く
なる傾向があり、また、反応温度を高くしないと反応が
不充分になる傾向がある。一方、酸触媒の使用量が多く
なってもその割には反応速度が速くならず、コスト的に
不利になることがある。また、酸触媒の回収や中和除去
が必要になることがあり、余分なコストがかかることが
ある。
【0013】上記変性フェノール樹脂を製造する際に使
用するフェノール類は、好ましくはフェノール,クレゾ
ール,キシレノール,レゾルシンの群から選ばれた1種
もしくは2種以上のフェノール系化合物である。上記変
性フェノール樹脂の製造にあたって、フェノール類の添
加は、滴下等の方法により少量ずつ添加し混合する。添
加する速度は、反応混合物の全重量に対して0.05〜5
重量%/分であり、好ましくは0.1〜2重量%/分であ
る。添加する速度が0.05重量%/分未満の場合には、
添加に要する時間が長すぎ、コストが上昇するので好ま
しくない。一方、添加する速度が5重量%/分を超える
場合には、添加したフェノール類が遊離ホルムアルデヒ
ドと急速に反応するため、均一な混合物ないし共縮合物
を生成し難くなるので好ましくない。このような不均一
性が生じる原因は、ホルムアルデヒドに対する反応性が
石油系重質油類またはピッチ類に比べフェノール類の方
が著しく大きいためであり、初期のフェノール類の濃度
を低く保たないと、ホルムアルデヒドがフェノール類も
しくは反応により生成したフェノール類とホルムアルデ
ヒドとの縮合物と選択的に反応し、系に難溶化するため
ではないかと推測される。或いは、ホルムアルデヒド
が、フェノール類もしくは反応により生成したフェノー
ル類とホルムアルデヒドの縮合物との反応に先に消費さ
れてしまい、石油系重質油類またはピッチ類もしくは反
応により生成した石油系重質油類またはピッチ類とホル
ムアルデヒドとの縮合物が、さらにホルムアルデヒドと
反応することができず、反応系から分離するためではな
いかと推測される。
用するフェノール類は、好ましくはフェノール,クレゾ
ール,キシレノール,レゾルシンの群から選ばれた1種
もしくは2種以上のフェノール系化合物である。上記変
性フェノール樹脂の製造にあたって、フェノール類の添
加は、滴下等の方法により少量ずつ添加し混合する。添
加する速度は、反応混合物の全重量に対して0.05〜5
重量%/分であり、好ましくは0.1〜2重量%/分であ
る。添加する速度が0.05重量%/分未満の場合には、
添加に要する時間が長すぎ、コストが上昇するので好ま
しくない。一方、添加する速度が5重量%/分を超える
場合には、添加したフェノール類が遊離ホルムアルデヒ
ドと急速に反応するため、均一な混合物ないし共縮合物
を生成し難くなるので好ましくない。このような不均一
性が生じる原因は、ホルムアルデヒドに対する反応性が
石油系重質油類またはピッチ類に比べフェノール類の方
が著しく大きいためであり、初期のフェノール類の濃度
を低く保たないと、ホルムアルデヒドがフェノール類も
しくは反応により生成したフェノール類とホルムアルデ
ヒドとの縮合物と選択的に反応し、系に難溶化するため
ではないかと推測される。或いは、ホルムアルデヒド
が、フェノール類もしくは反応により生成したフェノー
ル類とホルムアルデヒドの縮合物との反応に先に消費さ
れてしまい、石油系重質油類またはピッチ類もしくは反
応により生成した石油系重質油類またはピッチ類とホル
ムアルデヒドとの縮合物が、さらにホルムアルデヒドと
反応することができず、反応系から分離するためではな
いかと推測される。
【0014】上記操作において、フェノール類を添加開
始する時期は、特に限定されないが、残存する遊離ホル
ムアルデヒド量から推定したホルムアルデヒドの反応率
が、通常70%以下、好ましくは50%以下である時点
で、フェノール類を添加する。添加開始時期は、石油系
重質油類またはピッチ類とホルムアルデヒドとの反応が
実質的に進行していない時点であっても良い。ホルムア
ルデヒドとの反応率が70%以上になると、フェノール
類と反応するホルムアルデヒドの量が少なくなる場合が
あり、生成した樹脂の性能が著しく低下し、極端な場
合、硬化剤を添加しないと硬化しなくなるので好ましく
ない。フェノール類の添加量は、石油系重質油類または
ピッチ類の平均分子量より計算される平均モル数1モル
に対するフェノール類のモル数として、0.3〜5であ
る。この添加量が0.3未満の場合には、石油系重質油類
またはピッチ類とホルムアルデヒドとの反応性が、フェ
ノール類とホルムアルデヒドとの反応性より劣ることか
ら、充分な架橋密度に至らず、硬化後の強度が一般のフ
ェノール樹脂に比べて低くなる問題がある。特に、耐衝
撃性が低く、脆い欠点を示す。一方、フェノール類の添
加量が5を超える場合には、フェノール樹脂の変性によ
る改質効果が小さく、好ましくない。このフェノール類
の添加量は、好ましくは0.5〜3である。
始する時期は、特に限定されないが、残存する遊離ホル
ムアルデヒド量から推定したホルムアルデヒドの反応率
が、通常70%以下、好ましくは50%以下である時点
で、フェノール類を添加する。添加開始時期は、石油系
重質油類またはピッチ類とホルムアルデヒドとの反応が
実質的に進行していない時点であっても良い。ホルムア
ルデヒドとの反応率が70%以上になると、フェノール
類と反応するホルムアルデヒドの量が少なくなる場合が
あり、生成した樹脂の性能が著しく低下し、極端な場
合、硬化剤を添加しないと硬化しなくなるので好ましく
ない。フェノール類の添加量は、石油系重質油類または
ピッチ類の平均分子量より計算される平均モル数1モル
に対するフェノール類のモル数として、0.3〜5であ
る。この添加量が0.3未満の場合には、石油系重質油類
またはピッチ類とホルムアルデヒドとの反応性が、フェ
ノール類とホルムアルデヒドとの反応性より劣ることか
ら、充分な架橋密度に至らず、硬化後の強度が一般のフ
ェノール樹脂に比べて低くなる問題がある。特に、耐衝
撃性が低く、脆い欠点を示す。一方、フェノール類の添
加量が5を超える場合には、フェノール樹脂の変性によ
る改質効果が小さく、好ましくない。このフェノール類
の添加量は、好ましくは0.5〜3である。
【0015】反応温度は、原料組成,反応時間,生成す
る樹脂の性状等を考慮して適宜決定すればよいが、通常
50〜160℃、好ましくは60〜120℃である。ま
た反応時間は、原料組成,反応温度,フェノール類の添
加速度,生成する樹脂の性状等を考慮して決定するが、
通常0.5〜10時間、好ましくは1〜5時間である。上
記の反応を回分式で行う場合に、一段階で行うことが可
能であり、一段階の実施が好ましい。また連続式で行う
場合には、従来の変性フェノール樹脂に用いられている
2種以上の反応生成物を一定量ずつ連続混合するような
制御の難しい装置を使用する必要がなく、中間部に完全
混合型の反応容器を置き、その中に添加するフェノール
類を一定量ずつ送り込むようにすればよい。このような
装置は比較的安価であり、操作性は良好である。上述の
反応の際に溶媒を使用することが出来る。反応は無溶媒
でも行うことが出来るが、溶媒の使用により反応系の粘
度が下がり、反応の均一性が改良される。しかし、硬化
する以前に溶媒を除去する必要があって、特殊なものを
除いて、概してコストが上昇する。溶媒としては、特に
限定されないがベンゼン,トルエン,キシレンのような
芳香族炭化水素、クロルベンゼン,ジクロルベンゼンの
ようなハロゲン化芳香族炭化水素、ニトロベンゼンのよ
うなニトロ化芳香族炭化水素、ニトロエタン,ニトロプ
ロパンのようなニトロ化脂肪族炭化水素、パークレン,
トリクレン,四塩化炭素のようなハロゲン化脂肪族炭化
水素等が使用できる。
る樹脂の性状等を考慮して適宜決定すればよいが、通常
50〜160℃、好ましくは60〜120℃である。ま
た反応時間は、原料組成,反応温度,フェノール類の添
加速度,生成する樹脂の性状等を考慮して決定するが、
通常0.5〜10時間、好ましくは1〜5時間である。上
記の反応を回分式で行う場合に、一段階で行うことが可
能であり、一段階の実施が好ましい。また連続式で行う
場合には、従来の変性フェノール樹脂に用いられている
2種以上の反応生成物を一定量ずつ連続混合するような
制御の難しい装置を使用する必要がなく、中間部に完全
混合型の反応容器を置き、その中に添加するフェノール
類を一定量ずつ送り込むようにすればよい。このような
装置は比較的安価であり、操作性は良好である。上述の
反応の際に溶媒を使用することが出来る。反応は無溶媒
でも行うことが出来るが、溶媒の使用により反応系の粘
度が下がり、反応の均一性が改良される。しかし、硬化
する以前に溶媒を除去する必要があって、特殊なものを
除いて、概してコストが上昇する。溶媒としては、特に
限定されないがベンゼン,トルエン,キシレンのような
芳香族炭化水素、クロルベンゼン,ジクロルベンゼンの
ようなハロゲン化芳香族炭化水素、ニトロベンゼンのよ
うなニトロ化芳香族炭化水素、ニトロエタン,ニトロプ
ロパンのようなニトロ化脂肪族炭化水素、パークレン,
トリクレン,四塩化炭素のようなハロゲン化脂肪族炭化
水素等が使用できる。
【0016】一方、上記の如く製造した(A)変性フェ
ノール樹脂とともに、有機溶剤に溶解する(B)エポキ
シ樹脂は、各種のものを充当することができる。このエ
ポキシ樹脂は、一般に成形収縮が小さく,耐熱性,耐摩
耗性,耐薬品性,電気絶縁性に優れたもので、硬化剤と
の組合せにより用いられることが多い。本発明の方法に
用いるエポキシ樹脂は、特殊なものではなく、通常、工
業的に製造されているものでよい。例えば、グリシジル
エーテル型,グリシジルエステル型,グリシジルアミン
型,混合型,脂環式型のエポキシ樹脂等をあげることが
できる。さらに、具体例を挙げると、グリシジルエーテ
ル型(フェノール系)としてはビスフェノールA型エポ
キシ樹脂,ビスフェノールF型エポキシ樹脂,テトラブ
ロモビスフェノールA型エポキシ樹脂,テトラフェニロ
ールエタン型エポキシ樹脂,フェノールノボラック型エ
ポキシ樹脂,o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂
など、グリシジルエーテル型(アルコール系)としては
ポリプロピレングリコール型エポキシ樹脂,水添ビスフ
ェノールA型エポキシ樹脂など、グリシジルエステル型
としてはヘキサヒドロ無水フタル酸型エポキシ樹脂,ダ
イマー酸型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型としては
ジアミノジフェニルメタン型エポキシ樹脂,イソシアヌ
ル酸型エポキシ樹脂,ヒダントイン酸型エポキシ樹脂、
混合型としてはp−アミノフェノール型エポキシ樹脂,
p−オキシ安息香酸型エポキシ樹脂等がある。上記エポ
キシ樹脂のうち、好ましく用いられるものはビスフェノ
ールA型エポキシ樹脂,グリシジルアミン型エポキシ樹
脂,フェノールノボラック型エポキシ樹脂である。ま
た、上記エポキシ樹脂を2種以上組み合わせたものも用
いることができる。
ノール樹脂とともに、有機溶剤に溶解する(B)エポキ
シ樹脂は、各種のものを充当することができる。このエ
ポキシ樹脂は、一般に成形収縮が小さく,耐熱性,耐摩
耗性,耐薬品性,電気絶縁性に優れたもので、硬化剤と
の組合せにより用いられることが多い。本発明の方法に
用いるエポキシ樹脂は、特殊なものではなく、通常、工
業的に製造されているものでよい。例えば、グリシジル
エーテル型,グリシジルエステル型,グリシジルアミン
型,混合型,脂環式型のエポキシ樹脂等をあげることが
できる。さらに、具体例を挙げると、グリシジルエーテ
ル型(フェノール系)としてはビスフェノールA型エポ
キシ樹脂,ビスフェノールF型エポキシ樹脂,テトラブ
ロモビスフェノールA型エポキシ樹脂,テトラフェニロ
ールエタン型エポキシ樹脂,フェノールノボラック型エ
ポキシ樹脂,o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂
など、グリシジルエーテル型(アルコール系)としては
ポリプロピレングリコール型エポキシ樹脂,水添ビスフ
ェノールA型エポキシ樹脂など、グリシジルエステル型
としてはヘキサヒドロ無水フタル酸型エポキシ樹脂,ダ
イマー酸型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型としては
ジアミノジフェニルメタン型エポキシ樹脂,イソシアヌ
ル酸型エポキシ樹脂,ヒダントイン酸型エポキシ樹脂、
混合型としてはp−アミノフェノール型エポキシ樹脂,
p−オキシ安息香酸型エポキシ樹脂等がある。上記エポ
キシ樹脂のうち、好ましく用いられるものはビスフェノ
ールA型エポキシ樹脂,グリシジルアミン型エポキシ樹
脂,フェノールノボラック型エポキシ樹脂である。ま
た、上記エポキシ樹脂を2種以上組み合わせたものも用
いることができる。
【0017】本発明の方法において使用するワニスを調
製するにあたって、上記変性フェノール樹脂の混合割合
は、全樹脂〔つまり(A)変性フェノール樹脂と(B)
エポキシ樹脂〕の合計重量に対して5重量%以上50重
量%未満であることが必要であり、好ましくは10〜4
0重量%である。ここで、該変性フェノール樹脂の混合
割合が5重量%未満では、得られる積層板の耐熱性の向
上効果が充分でない。また、50重量%以上では、成形
温度が高くなり好ましくない場合がある。
製するにあたって、上記変性フェノール樹脂の混合割合
は、全樹脂〔つまり(A)変性フェノール樹脂と(B)
エポキシ樹脂〕の合計重量に対して5重量%以上50重
量%未満であることが必要であり、好ましくは10〜4
0重量%である。ここで、該変性フェノール樹脂の混合
割合が5重量%未満では、得られる積層板の耐熱性の向
上効果が充分でない。また、50重量%以上では、成形
温度が高くなり好ましくない場合がある。
【0018】また、上記ワニスには、添加剤として硬化
剤を用いることもできる。ここで、硬化剤を含むワニス
を用いた積層板は、用いないものと比べ物性面において
優れた特性を有する場合が多い。なお添加できる硬化剤
としては、種々のものが挙げられ、目的に応じて適宜選
定することができる。例えば、環状ポリアミン類として
ヘキサメチレンテトラミン、脂肪族ポリアミン類として
はジエチレントリアミン,トリエチレンテトラミン,テ
トラエチレンペンタミン,ジエチルアミノプロピルアミ
ン,N−アミノエチルピペラジン,イソホロンジアミ
ン,ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メ
タン,メンタンジアミン等、アミドアミン類としては植
物油脂肪酸,脂肪族ポリアミン等、ポリアミド類として
は植物油脂肪酸(ダイマー又はトリマー酸),脂肪族ポ
リアミン縮合物等、芳香族ポリアミン類としてはm−フ
ェニレンジアミン,4,4’−ジアミノジフェニルメタ
ン,4,4’−ジアミノジフェニルスルホン,m−キシ
リレンジアミン等、酸無水物類としては無水フタル酸,
テトラヒドロ無水フタル酸,ヘキサヒドロ無水フタル
酸,無水トリメリット酸,無水ピロメリット酸,ベンゾ
フェノン無水テトラカルボン酸,無水クロレンド酸,ド
デシニル無水コハク酸,メチルテトラヒドロ無水フタル
酸,メチルエンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸
等、触媒性硬化剤として三フッ化ホウ素−アミン錯体等
のルイス酸及びトリス(ジメチルアミノメチル)フェノ
ール,ベンジルジメチルアミン,2−エチル−4−メチ
ルイミダゾール,ジシアンジアミド,アジピン酸ジヒド
ラジド等のルイス塩基、その他ポリメルカプタン,ポリ
サルファイド等がある。また、これらを二種以上組み合
わせて用いることもできる。
剤を用いることもできる。ここで、硬化剤を含むワニス
を用いた積層板は、用いないものと比べ物性面において
優れた特性を有する場合が多い。なお添加できる硬化剤
としては、種々のものが挙げられ、目的に応じて適宜選
定することができる。例えば、環状ポリアミン類として
ヘキサメチレンテトラミン、脂肪族ポリアミン類として
はジエチレントリアミン,トリエチレンテトラミン,テ
トラエチレンペンタミン,ジエチルアミノプロピルアミ
ン,N−アミノエチルピペラジン,イソホロンジアミ
ン,ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メ
タン,メンタンジアミン等、アミドアミン類としては植
物油脂肪酸,脂肪族ポリアミン等、ポリアミド類として
は植物油脂肪酸(ダイマー又はトリマー酸),脂肪族ポ
リアミン縮合物等、芳香族ポリアミン類としてはm−フ
ェニレンジアミン,4,4’−ジアミノジフェニルメタ
ン,4,4’−ジアミノジフェニルスルホン,m−キシ
リレンジアミン等、酸無水物類としては無水フタル酸,
テトラヒドロ無水フタル酸,ヘキサヒドロ無水フタル
酸,無水トリメリット酸,無水ピロメリット酸,ベンゾ
フェノン無水テトラカルボン酸,無水クロレンド酸,ド
デシニル無水コハク酸,メチルテトラヒドロ無水フタル
酸,メチルエンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸
等、触媒性硬化剤として三フッ化ホウ素−アミン錯体等
のルイス酸及びトリス(ジメチルアミノメチル)フェノ
ール,ベンジルジメチルアミン,2−エチル−4−メチ
ルイミダゾール,ジシアンジアミド,アジピン酸ジヒド
ラジド等のルイス塩基、その他ポリメルカプタン,ポリ
サルファイド等がある。また、これらを二種以上組み合
わせて用いることもできる。
【0019】本発明の方法では、上記の如き操作によっ
て得られる変性フェノール樹脂及びエポキシ樹脂を用
い、これを有機溶剤に溶解してワニスを調製する。ここ
で変性フェノール樹脂を溶解する有機溶剤としては、上
記変性フェノール樹脂中のなるべく多くの成分を可溶分
として溶解できるものであればよく、特に制限はない。
通常は、トルエン,キシレンのような芳香族炭化水素、
テトラヒドロフラン,ジオキサンのようなエーテル類、
メタノール,エタノールのようなアルコール類、エチル
セロソルブのようなグリコール類、アセトン,メチルエ
チルケトンのようなケトン類、酢酸エチルのようなエス
テル類、クロロホルム,塩化メチレン,パークレン,ハ
ロゲン化芳香族炭化水素(クロルベンゼンなど)あるい
はこれらの混合物があげられる。そのうち、トルエンや
クロロホルムが最も好ましい。一方、エポキシ樹脂を溶
解する有機溶剤としては、従来から広く使用されている
ものの中から適宜選定使用すればよいが、通常はアセト
ン,メチルエチルケトンのようなケトン類、メタノール
のようなアルコール類、トルエン,キシレンのような芳
香族炭化水素などが好適である。これらの有機溶剤に上
記変性フェノール樹脂及びエポキシ樹脂を溶解するにあ
たって、その操作および条件については、用いる有機溶
剤の種類,変性フェノール樹脂及びエポキシ樹脂の種類
等に応じて適宜選定すればよい。通常は、常温ないし加
温下にて、変性フェノール樹脂を有機溶剤に溶解した溶
液とエポキシ樹脂を有機溶剤に溶解した溶液を30〜7
0%溶液となるような割合で別々に調製後、それぞれの
溶液を混合すればよい。また、有機溶剤に上記変性フェ
ノール樹脂を加え、10分〜1時間程度攪拌した後、必
要に応じて濾過等にて不溶成分を除去し、次いで上記エ
ポキシ樹脂を加えてもよい。なお、ここで、濾過等の不
溶成分の除去は、上述の如くエポキシ樹脂を加える前で
もよいが、このエポキシ樹脂の添加後に行ってもよい。
また、有機溶剤溶液中に溶解している酸触媒等の水溶性
成分を水洗して、除去することも効果的であるが、この
水洗はエポキシ樹脂の添加前後のいずれの段階で行って
もよい。あるいは上述した手順とは逆に、有機溶剤に上
記エポキシ樹脂を加え、10分〜1時間程度攪拌した
後、上記変性フェノール樹脂を加えてもよい。また変性
フェノール樹脂とエポキシ樹脂を同時に有機溶剤に加え
るか、または予め変性フェノール樹脂とエポキシ樹脂を
混合後、有機溶剤に加えてもよい。なお、この過程にお
いても、必要に応じて濾過や水洗を適宜行うことができ
る。
て得られる変性フェノール樹脂及びエポキシ樹脂を用
い、これを有機溶剤に溶解してワニスを調製する。ここ
で変性フェノール樹脂を溶解する有機溶剤としては、上
記変性フェノール樹脂中のなるべく多くの成分を可溶分
として溶解できるものであればよく、特に制限はない。
通常は、トルエン,キシレンのような芳香族炭化水素、
テトラヒドロフラン,ジオキサンのようなエーテル類、
メタノール,エタノールのようなアルコール類、エチル
セロソルブのようなグリコール類、アセトン,メチルエ
チルケトンのようなケトン類、酢酸エチルのようなエス
テル類、クロロホルム,塩化メチレン,パークレン,ハ
ロゲン化芳香族炭化水素(クロルベンゼンなど)あるい
はこれらの混合物があげられる。そのうち、トルエンや
クロロホルムが最も好ましい。一方、エポキシ樹脂を溶
解する有機溶剤としては、従来から広く使用されている
ものの中から適宜選定使用すればよいが、通常はアセト
ン,メチルエチルケトンのようなケトン類、メタノール
のようなアルコール類、トルエン,キシレンのような芳
香族炭化水素などが好適である。これらの有機溶剤に上
記変性フェノール樹脂及びエポキシ樹脂を溶解するにあ
たって、その操作および条件については、用いる有機溶
剤の種類,変性フェノール樹脂及びエポキシ樹脂の種類
等に応じて適宜選定すればよい。通常は、常温ないし加
温下にて、変性フェノール樹脂を有機溶剤に溶解した溶
液とエポキシ樹脂を有機溶剤に溶解した溶液を30〜7
0%溶液となるような割合で別々に調製後、それぞれの
溶液を混合すればよい。また、有機溶剤に上記変性フェ
ノール樹脂を加え、10分〜1時間程度攪拌した後、必
要に応じて濾過等にて不溶成分を除去し、次いで上記エ
ポキシ樹脂を加えてもよい。なお、ここで、濾過等の不
溶成分の除去は、上述の如くエポキシ樹脂を加える前で
もよいが、このエポキシ樹脂の添加後に行ってもよい。
また、有機溶剤溶液中に溶解している酸触媒等の水溶性
成分を水洗して、除去することも効果的であるが、この
水洗はエポキシ樹脂の添加前後のいずれの段階で行って
もよい。あるいは上述した手順とは逆に、有機溶剤に上
記エポキシ樹脂を加え、10分〜1時間程度攪拌した
後、上記変性フェノール樹脂を加えてもよい。また変性
フェノール樹脂とエポキシ樹脂を同時に有機溶剤に加え
るか、または予め変性フェノール樹脂とエポキシ樹脂を
混合後、有機溶剤に加えてもよい。なお、この過程にお
いても、必要に応じて濾過や水洗を適宜行うことができ
る。
【0020】本発明の方法では、このようにして得たワ
ニスを、そのままあるいは適宜濃縮し、これを積層基材
に含浸させる。ここで、積層基材としては様々なものを
充当することができるが、例えばガラスクロス,ガラス
繊維不織布,紙(クラフト紙やリンター紙など),布あ
るいは炭素繊維クロスや炭素繊維不織布等の繊維構造物
が好ましく、とりわけガラスクロスが最適である。ま
た、含浸量については特に制限はなく、状況に応じて適
宜選定すればよいが、一般には樹脂含浸積層基材に対し
て含浸乾燥樹脂量として10〜50重量%、好ましくは
20〜40重量%の範囲である。このように積層基材に
ワニスを含浸した後、乾燥させ使用した有機溶剤を除去
し、また必要に応じて含浸した変性フェノール樹脂混合
エポキシ樹脂の一部を硬化させる。
ニスを、そのままあるいは適宜濃縮し、これを積層基材
に含浸させる。ここで、積層基材としては様々なものを
充当することができるが、例えばガラスクロス,ガラス
繊維不織布,紙(クラフト紙やリンター紙など),布あ
るいは炭素繊維クロスや炭素繊維不織布等の繊維構造物
が好ましく、とりわけガラスクロスが最適である。ま
た、含浸量については特に制限はなく、状況に応じて適
宜選定すればよいが、一般には樹脂含浸積層基材に対し
て含浸乾燥樹脂量として10〜50重量%、好ましくは
20〜40重量%の範囲である。このように積層基材に
ワニスを含浸した後、乾燥させ使用した有機溶剤を除去
し、また必要に応じて含浸した変性フェノール樹脂混合
エポキシ樹脂の一部を硬化させる。
【0021】本発明の方法では、このように乾燥処理を
行った後、得られたプリプレグを所定枚数(例えば5〜
30枚程度)積層して成形する。この際の成形は、様々
な方法があるが、通常は所定枚数のプリプレグを重ね
て、温度150〜300℃,圧力10〜200kgf/cm2
の条件で10分〜3時間程度加熱加圧成形すればよい。
なお、得られた積層板に、必要に応じて150〜300
℃で数時間〜数十時間程度熱硬化処理(ポストキュア処
理)を施すことも有効である。そして、この積層成形す
る際に、プリプレグの片面もしくは両面に、所望により
銅,ニッケル,アルミニウム,クロム等の金属箔を載置
して加熱加圧成形すれば、電気・電子材料として好適な
積層板を得ることができる。
行った後、得られたプリプレグを所定枚数(例えば5〜
30枚程度)積層して成形する。この際の成形は、様々
な方法があるが、通常は所定枚数のプリプレグを重ね
て、温度150〜300℃,圧力10〜200kgf/cm2
の条件で10分〜3時間程度加熱加圧成形すればよい。
なお、得られた積層板に、必要に応じて150〜300
℃で数時間〜数十時間程度熱硬化処理(ポストキュア処
理)を施すことも有効である。そして、この積層成形す
る際に、プリプレグの片面もしくは両面に、所望により
銅,ニッケル,アルミニウム,クロム等の金属箔を載置
して加熱加圧成形すれば、電気・電子材料として好適な
積層板を得ることができる。
【0022】
【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに詳細かつ
具体的に説明する。これらは、本発明を制限するもので
はない。なお、下記の実施例において使用する原料油の
性状を第1表に示す。この原料油は、減圧軽油の流動接
触分解装置(FCC)の塔底油を蒸留して得たものであ
る。
具体的に説明する。これらは、本発明を制限するもので
はない。なお、下記の実施例において使用する原料油の
性状を第1表に示す。この原料油は、減圧軽油の流動接
触分解装置(FCC)の塔底油を蒸留して得たものであ
る。
【0023】
【表1】
【0024】実施例1 第1表に示す原料油696g、パラホルムアルデヒド5
38g、p−トルエンスルホン酸(1水和物)103g
及びp −キシレン340gをガラス製反応器に仕込み、
攪拌しながら98℃まで昇温した。98℃になった時点
で、フェノール240gを3cc/分の滴下速度で滴下
し、フェノールの滴下終了後、さらに15分間攪拌して
反応させた。反応終了後、反応混合物を4000gのn
−ヘキサンに注ぎ込み、反応生成物を沈澱させた。沈澱
物を濾過、洗浄後、25℃で減圧乾燥して変性フェノー
ル樹脂1250gを得た。得られた変性フェノール樹脂
100gにトルエン800gを加え、30分間攪拌した
後、トルエン不溶分(樹脂全量に対して約20重量%)
を濾過して除いた。得られたトルエン溶液を濃縮して樹
脂濃度65%の変性フェノール樹脂ワニスを得た。一
方、メチルエチルケトン47g に、ビスフェノールA型
エポキシ樹脂(エピコート828、油化シェルエポキシ
製)56g 、三フッ化ホウ素−モノエチルアミン錯体
(BF3 MEA )0.56g 、ジアミノジフェニルスルホン1
1.2g を加えて溶解させ、エポキシ樹脂ワニスを得た。
このエポキシ樹脂ワニスに上記の変性フェノール樹脂ワ
ニスを全樹脂中の変性フェノール樹脂の含有量が30%
となるように混合し、樹脂濃度約53%のワニスを得
た。このワニスをガラスクロス(ユニチカユーエムグラ
ス製、H201SD105B)に含浸させ、乾燥し、さらに225
℃で10分間加熱処理して含浸した樹脂分の一部が硬化
したプリプレグを得た。得られたプリプレグ20枚を交
互に重ねて、180℃,42kgf/cm2 で45分間加熱加
圧成形し、樹脂分28重量%の変性フェノール樹脂混合
エポキシ樹脂積層板を得た。また、得られた積層板を2
00℃で24時間加熱し、ポストキュア処理を施した。
その特性を第2表に示す。
38g、p−トルエンスルホン酸(1水和物)103g
及びp −キシレン340gをガラス製反応器に仕込み、
攪拌しながら98℃まで昇温した。98℃になった時点
で、フェノール240gを3cc/分の滴下速度で滴下
し、フェノールの滴下終了後、さらに15分間攪拌して
反応させた。反応終了後、反応混合物を4000gのn
−ヘキサンに注ぎ込み、反応生成物を沈澱させた。沈澱
物を濾過、洗浄後、25℃で減圧乾燥して変性フェノー
ル樹脂1250gを得た。得られた変性フェノール樹脂
100gにトルエン800gを加え、30分間攪拌した
後、トルエン不溶分(樹脂全量に対して約20重量%)
を濾過して除いた。得られたトルエン溶液を濃縮して樹
脂濃度65%の変性フェノール樹脂ワニスを得た。一
方、メチルエチルケトン47g に、ビスフェノールA型
エポキシ樹脂(エピコート828、油化シェルエポキシ
製)56g 、三フッ化ホウ素−モノエチルアミン錯体
(BF3 MEA )0.56g 、ジアミノジフェニルスルホン1
1.2g を加えて溶解させ、エポキシ樹脂ワニスを得た。
このエポキシ樹脂ワニスに上記の変性フェノール樹脂ワ
ニスを全樹脂中の変性フェノール樹脂の含有量が30%
となるように混合し、樹脂濃度約53%のワニスを得
た。このワニスをガラスクロス(ユニチカユーエムグラ
ス製、H201SD105B)に含浸させ、乾燥し、さらに225
℃で10分間加熱処理して含浸した樹脂分の一部が硬化
したプリプレグを得た。得られたプリプレグ20枚を交
互に重ねて、180℃,42kgf/cm2 で45分間加熱加
圧成形し、樹脂分28重量%の変性フェノール樹脂混合
エポキシ樹脂積層板を得た。また、得られた積層板を2
00℃で24時間加熱し、ポストキュア処理を施した。
その特性を第2表に示す。
【0025】実施例2 メチルエチルケトン70g に、フェノールノボラック型
エポキシ樹脂(エピコート152、油化シェルエポキシ
製)72g 、BF3MEA 0.72g ,ジアミノジフェニルス
ルホン21.6g を加えて溶解させ、エポキシ樹脂ワニス
を得た。このエポキシ樹脂ワニスに実施例1で得られた
変性フェノール樹脂ワニスを全樹脂中の変性フェノール
樹脂の含有量が10%となるように混合し、樹脂濃度4
5%のワニスを得た。このワニスをガラスクロスに含浸
させ、乾燥し、さらに160℃で10分間加熱処理して
含浸した樹脂分の一部が硬化したプリプレグを得た。得
られたプリプレグ20枚を交互に重ねて、180℃、4
2kgf/cm2 で45分間加熱加圧成形し、樹脂分32重量
%の変性フェノール樹脂混合エポキシ樹脂積層板を得
た。また、得られた積層板を200℃で24時間加熱
し、ポストキュア処理を施した。その特性を第2表に示
す。
エポキシ樹脂(エピコート152、油化シェルエポキシ
製)72g 、BF3MEA 0.72g ,ジアミノジフェニルス
ルホン21.6g を加えて溶解させ、エポキシ樹脂ワニス
を得た。このエポキシ樹脂ワニスに実施例1で得られた
変性フェノール樹脂ワニスを全樹脂中の変性フェノール
樹脂の含有量が10%となるように混合し、樹脂濃度4
5%のワニスを得た。このワニスをガラスクロスに含浸
させ、乾燥し、さらに160℃で10分間加熱処理して
含浸した樹脂分の一部が硬化したプリプレグを得た。得
られたプリプレグ20枚を交互に重ねて、180℃、4
2kgf/cm2 で45分間加熱加圧成形し、樹脂分32重量
%の変性フェノール樹脂混合エポキシ樹脂積層板を得
た。また、得られた積層板を200℃で24時間加熱
し、ポストキュア処理を施した。その特性を第2表に示
す。
【0026】実施例3 第1表に示す原料油500g、パラホルムアルデヒド4
08g、p−トルエンスルホン酸(1水和物)61g 及
びo−ジクロルベンゼン640gをガラス製反応器に仕
込み、攪拌しながら95℃まで昇温した。95℃になっ
た時点で、フェノール311gを4cc/分の滴下速度で
滴下し、フェノールの滴下終了後、さらに15分間攪拌
して反応させた。反応終了後、反応混合物を4000g
のn−ヘキサンに注ぎ込み、反応生成物を沈澱させた。
沈澱物を濾過、洗浄後、25℃で減圧乾燥して変性フェ
ノール樹脂900gを得た。得られた変性フェノール樹
脂100gにクロロホルム500gを加え、30分間攪
拌した後、クロロホルム不溶分(樹脂全量に対して約1
5重量%)を濾過して除いた。得られたクロロホルム溶
液を水洗して残存酸触媒を除いた後、濃縮して樹脂濃度
40%の変性フェノール樹脂ワニスを得た。一方、メチ
ルエチルケトン71g に、フェノールノボラック型エポ
キシ樹脂(エピコート152、油化シェルエポキシ製)
80g 、BF3 MEA 0.4g、ジアミノジフェニルスルホン
20g を加えて溶解させ、エポキシ樹脂ワニスを得た。
このエポキシ樹脂ワニスに上記の変性フェノール樹脂ワ
ニスを全樹脂中の変性フェノール樹脂の含有量が20%
となるように混合し、樹脂濃度約45%のワニスを得
た。このワニスをガラスクロスに含浸させ、乾燥し、さ
らに200℃で10分間加熱処理して含浸した樹脂分の
一部が硬化したプリプレグを得た。得られたプリプレグ
20枚を交互に重ねて、170℃,20kgf/cm2 で60
分間加熱加圧成形し、樹脂分31重量%の変性フェノー
ル樹脂混合エポキシ樹脂積層板を得た。また、得られた
積層板を200℃で12時間加熱し、ポストキュア処理
を施した。その特性を第2表に示す。
08g、p−トルエンスルホン酸(1水和物)61g 及
びo−ジクロルベンゼン640gをガラス製反応器に仕
込み、攪拌しながら95℃まで昇温した。95℃になっ
た時点で、フェノール311gを4cc/分の滴下速度で
滴下し、フェノールの滴下終了後、さらに15分間攪拌
して反応させた。反応終了後、反応混合物を4000g
のn−ヘキサンに注ぎ込み、反応生成物を沈澱させた。
沈澱物を濾過、洗浄後、25℃で減圧乾燥して変性フェ
ノール樹脂900gを得た。得られた変性フェノール樹
脂100gにクロロホルム500gを加え、30分間攪
拌した後、クロロホルム不溶分(樹脂全量に対して約1
5重量%)を濾過して除いた。得られたクロロホルム溶
液を水洗して残存酸触媒を除いた後、濃縮して樹脂濃度
40%の変性フェノール樹脂ワニスを得た。一方、メチ
ルエチルケトン71g に、フェノールノボラック型エポ
キシ樹脂(エピコート152、油化シェルエポキシ製)
80g 、BF3 MEA 0.4g、ジアミノジフェニルスルホン
20g を加えて溶解させ、エポキシ樹脂ワニスを得た。
このエポキシ樹脂ワニスに上記の変性フェノール樹脂ワ
ニスを全樹脂中の変性フェノール樹脂の含有量が20%
となるように混合し、樹脂濃度約45%のワニスを得
た。このワニスをガラスクロスに含浸させ、乾燥し、さ
らに200℃で10分間加熱処理して含浸した樹脂分の
一部が硬化したプリプレグを得た。得られたプリプレグ
20枚を交互に重ねて、170℃,20kgf/cm2 で60
分間加熱加圧成形し、樹脂分31重量%の変性フェノー
ル樹脂混合エポキシ樹脂積層板を得た。また、得られた
積層板を200℃で12時間加熱し、ポストキュア処理
を施した。その特性を第2表に示す。
【0027】実施例4 メチルエチルケトン64g に、グリシジルアミン型エポ
キシ樹脂(アラルダイトMY-720、日本チバガイギー製)
80g 、BF3MEA 0.4g 、ジアミノジフェニルスルホン
24g を加えて溶解させ、エポキシ樹脂ワニスを得た。
このエポキシ樹脂ワニスに実施例3で得られた変性フェ
ノール樹脂ワニスを全樹脂中の変性フェノール樹脂の含
有量が20%となるように混合し、樹脂濃度45%のワ
ニスを得た。このワニスをガラスクロスに含浸させ、乾
燥し、さらに170℃で10分間加熱処理して含浸した
樹脂分の一部が硬化したプリプレグを得た。得られたプ
リプレグ20枚を交互に重ねて、180℃、20kgf/cm
2 で60分間加熱加圧成形し、樹脂分34重量%の変性
フェノール樹脂混合エポキシ樹脂積層板を得た。また、
得られた積層板を200℃で4時間加熱し、ポストキュ
ア処理を施した。その特性を第2表に示す。
キシ樹脂(アラルダイトMY-720、日本チバガイギー製)
80g 、BF3MEA 0.4g 、ジアミノジフェニルスルホン
24g を加えて溶解させ、エポキシ樹脂ワニスを得た。
このエポキシ樹脂ワニスに実施例3で得られた変性フェ
ノール樹脂ワニスを全樹脂中の変性フェノール樹脂の含
有量が20%となるように混合し、樹脂濃度45%のワ
ニスを得た。このワニスをガラスクロスに含浸させ、乾
燥し、さらに170℃で10分間加熱処理して含浸した
樹脂分の一部が硬化したプリプレグを得た。得られたプ
リプレグ20枚を交互に重ねて、180℃、20kgf/cm
2 で60分間加熱加圧成形し、樹脂分34重量%の変性
フェノール樹脂混合エポキシ樹脂積層板を得た。また、
得られた積層板を200℃で4時間加熱し、ポストキュ
ア処理を施した。その特性を第2表に示す。
【0028】
【表2】
【0029】 曲げ強度 :JIS K 6911に準拠 曲げ弾性率 :JIS K 6911に準拠ロックウェル 硬度 :JIS K 6911に準拠 熱膨張係数 :TMA法 ガラス転移温度:TMA法 絶縁抵抗 :JIS K 6911に準拠
【0030】
【発明の効果】以上のように、本発明の方法によれば、
電気絶縁性,耐熱性,機械的強度,耐水性あるいは耐湿
性等の総合的な物性がバランスよく改善されたエポキシ
樹脂積層板が得られる。また、本発明の方法で製造され
る樹脂積層板は、変性フェノール樹脂を加えていないエ
ポキシ樹脂積層板と比較して、耐熱性,特に、加熱時の
強度の保持に優れ、品質の優れた樹脂積層板を得ること
ができる。したがって、本発明の方法で製造される樹脂
積層板は、電気・電子製品の絶縁用部材をはじめ、電気
絶縁性,耐熱性,機械的強度,耐水性あるいは耐湿性の
要求される各種の分野で幅広く有効な利用が期待され
る。
電気絶縁性,耐熱性,機械的強度,耐水性あるいは耐湿
性等の総合的な物性がバランスよく改善されたエポキシ
樹脂積層板が得られる。また、本発明の方法で製造され
る樹脂積層板は、変性フェノール樹脂を加えていないエ
ポキシ樹脂積層板と比較して、耐熱性,特に、加熱時の
強度の保持に優れ、品質の優れた樹脂積層板を得ること
ができる。したがって、本発明の方法で製造される樹脂
積層板は、電気・電子製品の絶縁用部材をはじめ、電気
絶縁性,耐熱性,機械的強度,耐水性あるいは耐湿性の
要求される各種の分野で幅広く有効な利用が期待され
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B32B 1/00 - 35/00 B29B 11/16 B29B 15/08 - 15/14 C08J 5/04 - 5/10 C08J 5/04 C08L 61/00 - 61/34
Claims (7)
- 【請求項1】 (A)芳香族炭化水素分率fa値が0.40
〜0.95、芳香環水素量Ha値が20〜80%である石
油系重質油類またはピッチ類1モルに対して、ホルムア
ルデヒド重合物を、ホルムアルデヒド換算のモル数が1
〜10になるように混合し、酸触媒の存在下に加熱攪拌
しながら、フェノール類を該石油系重質油類またはピッ
チ類と該ホルムアルデヒド重合物の合計重量に対して0.
05〜5重量%/分の添加速度で添加し、その際に該石
油系重質油類またはピッチ類1モルに対して添加するフ
ェノール類のモル数が0.3〜5になるようにして重縮合
させて得られる変性フェノール樹脂と(B)エポキシ樹
脂を、該変性フェノール樹脂が全樹脂の合計重量に対し
て5重量%以上50重量%未満になるように有機溶剤に
混合溶解してワニスを得、該ワニスを積層基材に含浸さ
せ、しかる後に得られたプリプレグを積層成形すること
を特徴とする変性フェノール樹脂混合エポキシ樹脂積層
板の製造方法。 - 【請求項2】 変性フェノール樹脂を有機溶剤に溶解し
た溶液とエポキシ樹脂を有機溶剤に溶解した溶液を混合
することを特徴とする請求項1記載の製造方法。 - 【請求項3】 変性フェノール樹脂を溶解する有機溶剤
が、クロロホルム,塩化メチレン,芳香族炭化水素およ
びハロゲン化芳香族炭化水素から選ばれた少なくとも一
種の溶剤である請求項1あるいは2記載の製造方法。 - 【請求項4】 芳香族炭化水素が、ベンゼン,トルエン
およびキシレンから選ばれた少なくとも一種の化合物で
ある請求項3に記載の製造方法。 - 【請求項5】 積層基材が、ガラスクロス,ガラス繊維
不織布,紙,布,炭素繊維クロスあるいは炭素繊維不織
布である請求項1記載の製造方法。 - 【請求項6】 乾燥後、積層成形するに先立って、積層
基材に含浸した変性フェノール樹脂混合エポキシ樹脂の
一部を硬化させることを特徴とする請求項1記載の製造
方法。 - 【請求項7】 請求項1の製造方法で積層成形した後
に、150〜300℃で熱硬化処理をすることを特徴と
する変性フェノール樹脂混合エポキシ樹脂積層板の製造
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3173833A JP2966974B2 (ja) | 1991-07-15 | 1991-07-15 | 変性フェノール樹脂混合エポキシ樹脂積層板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3173833A JP2966974B2 (ja) | 1991-07-15 | 1991-07-15 | 変性フェノール樹脂混合エポキシ樹脂積層板の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0516276A JPH0516276A (ja) | 1993-01-26 |
JP2966974B2 true JP2966974B2 (ja) | 1999-10-25 |
Family
ID=15968006
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3173833A Expired - Fee Related JP2966974B2 (ja) | 1991-07-15 | 1991-07-15 | 変性フェノール樹脂混合エポキシ樹脂積層板の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2966974B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5432240A (en) * | 1993-02-05 | 1995-07-11 | Kashima Oil Co., Ltd. | Modified phenolic resin from formaldehyde polymer, phenol and oil or pitch |
TW354796B (en) * | 1994-01-27 | 1999-03-21 | Kashima Oil | Process for producing highly reactive modified phenolic resin |
US5614600A (en) * | 1994-06-03 | 1997-03-25 | Kashima Oil Co., Ltd. | Fiber-reinforced resin plate and process for producing the same |
JP7166525B2 (ja) * | 2019-03-28 | 2022-11-08 | 味の素株式会社 | エポキシ樹脂組成物 |
-
1991
- 1991-07-15 JP JP3173833A patent/JP2966974B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0516276A (ja) | 1993-01-26 |
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