JP2966772B2 - トルクインジケータ付きの外科用トルクレンチ - Google Patents

トルクインジケータ付きの外科用トルクレンチ

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JP2966772B2
JP2966772B2 JP7246437A JP24643795A JP2966772B2 JP 2966772 B2 JP2966772 B2 JP 2966772B2 JP 7246437 A JP7246437 A JP 7246437A JP 24643795 A JP24643795 A JP 24643795A JP 2966772 B2 JP2966772 B2 JP 2966772B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、それ自体周知のト
ルク器具およびこのトルク器具に付属品として取り付け
可能なトルクインジケータからなる外科で使用されるト
ルクレンチに関する。さらに、本発明は、トルクレンチ
に及ぼされるトルクの表示精度を管理するための試験装
置を含む。
【0002】歯科医術から、例えば、インプラント(主
構成要素)を顎骨に挿入して、接続要素、すなわち特別
なねじと上部構造をねじ込みによりインプラントに締め
つけることが知られている。ねじ接続の長期間の安定性
と信頼性は、本質的にねじ接続が各場合に最適のトルク
で実施されることに依っている。不適当な締めつけ、す
なわち過度に低いトルクは引き続きねじ接続がゆるむこ
とになる。締めつけ過ぎ、すなわち極度に高いトルクは
使用した接続要素に過負荷をかけ、接続要素の破砕の危
険を増加し、そしてインプラントが骨に確実に定着され
るかどうか危なくなる。
【0003】
【従来の技術】慣用の設計においては、例えばラチェッ
トレンチの形態の外科用トルクレンチは付加的なトルク
インジケータまたはトルク制限機構をもっていない(Sp
iekermann, H.: 歯科学の着色図解書, 10巻, インプラ
ントロジー. Georg Thieme Verlag, Stuttgart 1994, 5
3 頁参照) 。さらに、機械的なまたは電子的なトルク制
限装置を備えたレンチがある。常に、機械的なトルク器
具には、ラチェット頭部に回動可能なレバーまたは回転
可能な留め金を有する機構が設けられているので、許容
トルクを超過し、したがってレバーが曲げられるかまた
は留め金が離脱するときに、予応力を加えてある圧縮ば
ねの力に打ち勝つ。スリップクラッチを有するトルクレ
ンチがSpiekermann の上記引用文献中の33頁に開示され
ている。
【0004】これまで慣用されて来たトルク器具には、
比較的小さい範囲のトルクMのみが特別な圧縮ばねで、
例えばM≦18 Ncmで決定されるという不利益がある。し
かしながら、インプラントロジーには、M=30 Ncmのト
ルクを必要とする場合がある。特定のインプラントシス
テムでは、M=45 NcmおよびM=60 Ncmのトルクをもつ
ことが必要なことさえある。もしトルクの調整可能性な
しで済ます場合には、制限されたトルク毎に、固定設定
値を有する器具が利用できなければならない。すなわ
ち、使用者がかなり大きな範囲の器具を購入しなければ
ならないことになり、そのため費用が増加することにな
る。さらに、いずれにしてもトルク制限のために圧縮ば
ねを使うことは理想的でない。圧縮ばねを使用すると、
可動部品(例えば回動腕) と固定部品( 例えば留め金ボ
ール) の間に確実なロックが得られ、その際回動可能な
腕が圧力を伝達するボールを越えて滑らなければならな
いので、摩擦力に打ち勝つ必要がある。しかしながら、
摩擦関係は粗くした表面、付着物などにより、定められ
ない仕方で急速に変化する。トルク制限装置を有する慣
用のトルク器具は非常に敏感であり、過度の費用を使っ
てしかきれいにできない構成要素を有するトルク器具も
ある。
【0005】上記の干渉する影響により、トルク制限装
置の精度と再生可能性が悪影響を受ける。慣用のトルク
器具での試験によれば、20 Ncm≦M≦60 Ncmの範囲で±
10%の不正確さを示した。疑いもなく、多くのトルク器
具は、例えば離脱、曲げまたは騒音を発することによ
り、予想されるトルクを超過すれば、トルク制限値の正
確な固守が確保されない。さらに、例えばねじを締めつ
けたときのトルクの増加を、これらの器具では読み取る
ことができない、すなわち監視できない。
【0006】電気的トルク器具においては、常に種々の
トルク制限値を設定して瞬間的なトルク値を読み取るこ
とができる。しかしながら、この形式の電気的器具は機
械的なものより何倍もいっそう費用がかかる。加えて、
かなり大きな不正確さも頻繁に電気的器具に起こる。こ
のため、0 Ncm ≦M≦ 45 Ncm の範囲で±10%の誤差が
スリップ継手を有する器具に見られた。これらの公差を
使用者がほとんどチェックできないので、器具とのねじ
接続を最適な仕方で行うことができない。かくして、イ
ンプラントにより支持された歯科人工装具を有する患者
の追跡試験によれば、再構成物全体を危険にさらすゆる
いねじ接続が暴露された。
【0007】したがって、外科のトルク器具により正確
な管理された手術ができなければならない。外科のトル
ク器具は、接続要素、例えばねじがねじこまれるとき
に、限定された張力がねじに与えられるように設計され
なければならない。患者がいくつかのねじ接続を有する
いっそう複雑な人工装具を受け入れようとする場合に
は、一様な張力分配のために全てのねじ接続を同じ締め
つけトルクで実施しなければならない。例えば、歯科の
インプラントと上部構造の間のねじ接続は自然にゆるん
ではならないし、また締めつけ過ぎによりねじまたは他
の構成要素が破砕したりまたは骨が損傷したりしてはな
らない。
【0008】トルクインジケータ付きのトルクレンチが
機械エンジニアリングから知られている。フランス特許
公開第1 498 385 号明細書には、基礎部材があり、その
上に輪郭のついた担持要素が位置しており、その際互い
に平行に延びていて種々の弾性係数を有する二本の曲げ
ロッドが基礎部材から突出しているトルクレンチが記載
されている。各特別な場合に操作される曲げロッドのた
わみが、スケールを読み取ることができる、及ぼされる
トルクの測定値である。第一の曲げロッドはスケール支
持体にしっかりと連結されるのに対し、第二の曲げロッ
ドはスケール支持体の溝を通って突出していてかつ長手
方向に変位可能であるようにその中を案内される。特別
な曲げロッドに割り当てられたスケールが溝の両側に適
用されている。力が第一の曲げロッドに加えられる場
合、その第一の曲げロッドが曲げられて、スケール支持
体がそれと共に引っ張り去られ、その結果として第二の
作用されない曲げロッドが溝に係合しそしてその際トル
クの大きさを表示する。力が第二の曲げロッドに作用す
る場合には、第二の曲げロッドが溝の方向に曲げられ
る。
【0009】米国特許第3 587 307 号明細書によれば、
リングスパナを固定するための引張装置がトルクインジ
ケータに設けられている。曲げロッドが引張装置から延
びており、垂直に整合されたスケール支持体および最後
にハンドルが前記曲げロッドの他端にしっかりと設けら
れている。インジケータが引張装置からスケール支持体
まで曲げロッドと平行に延びている。ハンドルおよびリ
ングスパナ用の受け入れ開口が互いに直径上で対向して
いる。リングスパナをねじに当てたとき、また力をハン
ドルに加えたとき、曲げロッドが曲げられる。スケール
支持体もゆがめられ、一方インジケータがその位置を維
持するので、ゼロ位置からのそれを、及ぼされるトルク
の測定値として読み取ることができる。
【0010】機械的エンジニアリングからの上記のトル
クレンチは、それらを小型化することにより純粋に外科
器具として用いることができない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】既存の外科用トルクレ
ンチと区別しかつ臨界的に判断しなければならない構造
上のおよび機能上の特性を考慮すると、本発明は次の課
題に基づいている。トルクレンチにはトルクインジケー
タを設けなければならないし、また全体構造は、できる
だけ単純であって大部分分解できるような部材で構成し
なければならない。個々の取扱、面粗さの増加、付着物
または腐食が誤差になってはならない。既存のラチェッ
ト器具と連結できるトルクインジケータを有することが
望ましい。同時に、及ぼされたトルクは管理可能であり
かつ再生可能でなければならない。例えば0 Ncm ≦M≦
40 Ncm の範囲のスケールから変化するトルク値を常に
読み取ることができなければならない。及ぼされる最大
締付けトルクに対する信頼性は使用者と共にあるので、
使用者は接続要素の供給者の推薦値を考慮できしかも個
々の状況に依っては使用者自身の経験的な値を考慮する
ことができなければならない。最後に、完全なトルクレ
ンチの幾何学的寸法や形状により、患者の口の中の種々
の位置で器具の問題のない取扱ができなければならな
い。トルクレンチの適切な表示を特定の間隔で試験装置
で管理しなければならない。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の課題は、独立請求
項1の本発明によるトルクインジケータ付きのトルクレ
ンチにより達成される。好ましい実施の形態は従属請求
項2〜5から明らかである。試験装置は請求項6および
7に記載されている。なお、請求項1の「線形弾性」な
る用語について、本明細書では、「線形」とは直線的な
比例関係をいい( 日刊工業新聞社発行、図解機械用語辞
典第2版工業教育研究会編第307頁第7行)、この直
線的な比例関係が応力とひずみの間に成立して線形にな
る場合を線形弾性というものとする。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に示す実施の
形態により詳細に説明する。図1の(a ) この図の完全に組み立てられたトルクレンチ1は、それ
自体周知のラチェット器具10と、スリーブの仕方でラ
チェット器具に押されるトルクインジケータ40とから
なる。トルクインジケータ40は、本質的にスリーブ状
支持体41と、曲げロッド51とから形成されている。
それ自体知られている下方に延びるねじ込み工具30の
工具頭部31がラチェット器具10のラチェット頭部1
1に、特にその目的のために意図された垂直な孔111
に解放可能に挿入され、工具頭部31はそのその外周に
いくつかの垂直なラチェット溝32を有する。ラチェッ
ト頭部11は、ラチェットハンドルに導かれる移行領域
121のまさしく前部に配置されている。ねじ部34で
終わる軸33が工具頭部31の底部に隣接している。ね
じ部34の底部には凹部があり、その凹部にはインプラ
ント3にねじこまれるねじ2の補完的頭部が収容されて
いる。ガイドレンチ4が工具頭部31に取り付けられて
いる。理論的な回転軸線35がインプラント3、ねじ
2、ねじ込み工具30、ラチェット頭部11およびガイ
ドレンチ4の頭部を通って延びている。ねじ込み工具3
0は交換可能である。このねじ込み工具はねじ2の頭部
の輪郭に適合させるように選択される。
【0014】次のことがさらに続く全体的な記載に当て
はまる。図を明瞭にするために参照数字を含むが、これ
らの参照数字がそれにすぐ属する記載に説明されてない
場合には、先行する図の記載の引用を参照されたい。図1の(b)と図1の(c ) ラチェット器具10は、主として二つの組立ユニット、
すなわち一方では、移行領域121の前部に取り付けら
れたラチェット頭部11を有するラチェットハンドル1
2、および他方では、外側制御ノブ25、ねじ22およ
び圧縮ばね21を有するボルトロッド15とからなる。
同じ方向を指す矢印26が制御ノブ25の上側と下側に
設けられている。工具頭部31をラチェット頭部11に
収容するために設けられた垂直な孔111に開口する軸
方向貫通孔13がラチェットハンドル12を通って延び
ている。孔13は、ラチェット頭部11に対向して位置
するラチェットハンドル12の自由端に現れ、孔13の
出現部分はねじ22の雄ねじ部分28に対し補完的な雌
ねじ部分24として設計されている。ラチェット頭部1
1に面するその前方領域には、ラチェットハンドル12
が、孔13の中へ突出するくさび形状14を有する。く
さび形状14は、ラチェットハンドル12の外側を彫刻
することにより形成することができよう。ラチェットハ
ンドル11とラチェットハンドル12の間の移行領域1
2は、回転対称ではない輪郭を有する。
【0015】その前面に、ボルトロッド15は軸27と
一体に形成された器具留め金16を有し、この留め金の
前面にはくさび状留め金鼻部161がある。肩部162
が器具留め金16と太い軸27との間の移行部に設けら
れている。軸27は前方部分271と比較的長い後方部
分272とからなり、その間に半径方向に延びる溝27
3がある。前方部分271には、互いに平行でありかつ
対向している二つの平らにした部分19、19′があ
り、これらの平らにした部分は長手方向に延びていてか
つほぼ器具留め金16の直径に達する。これらの平らに
した部分19、19′は溝273の後ろに続いておりか
つ後方部分272にわたって部分的に延びている。後方
部分272は半径方向に延びる肩部20で終わっている
ので、末端部分29として肩部20から続いているボル
トロッド15の直径が減少している。圧縮ばね21が末
端部分29に着座しており、この圧縮ばねに回転可能な
ねじ22が続き、そして最後に制御ノブ25が続いてい
る。圧縮ばね21は一方では肩部20に当接しかつ他方
ではねじ22の雄ねじ部分28に当接している。制御ノ
ブ25の方向に、ねじ22は、ラチェットハンドル12
より上に突出していてかつ雄ねじ部分28に取り付けら
れた円板状ねじ頭部23を有する。
【0016】ボルトロッド15がラチェットハンドル1
2に挿入されるときに、ラチェットハンドル12の雌ね
じ部分24とねじ22の雄ねじ部分28が互いに螺合す
る。指で把持できる太いねじ頭部23はラチェットハン
ドル12の端部に接しており、末端部分29が雄ねじ部
分28およびねじ頭部23を通って突出しているので、
制御ノブ25を指で把持することもできる。ボルトロッ
ド15が、ラチェットハンドル12に設けられた孔13
に挿入され、器具留め金16のまさしく前部に位置して
いる留め金鼻部161が、ラチェット頭部11に位置す
る垂直な孔111に突出している。ラチェット頭部11
の方向への器具留め金16の侵入は、ラチェットハンド
ル12の内側の肩部162が対向肩部に当接することで
制限される。さらに、ボルトロッド15の回転位置に依
っては、くさび形状14が軸27の後方部分272の平
らにした部分19、19′のうちの一つに着座する。こ
のようにして、ボルトロッド15が回転しないように確
保されかつ留め金鼻部161が回転軸線35に対し平行
に延びている。
【0017】ねじ込み工具30をラチェット頭部11に
挿入すると、ボルトロッド15を経て圧縮ばね21の力
を受けている留め金鼻部161が、工具頭部31に設け
られたラチェット溝32に係合し、その結果としてねじ
込み工具30が垂直な孔111に装着される。留め金鼻
部161は非対称であり、回転軸線35に関して、留め
金鼻部161は斜めに切られたラチェット側面17と、
このラチェット側面に対しほぼ直角に整合された閉塞側
面18とを有する。制御ノブ25の矢印26に対応し
て、ボルトロッド15をラチェットハンドル12におい
て互いに対し180°だけずらした二つの回転位置に固定
することができる。したがって、留め金鼻部161は工
具留め金31のラチェット溝32に時計方向にまたは反
時計方向に係合し、ラチェット側面17と閉塞側面18
が対応する方向に整合される。工具頭部31は閉塞側面
18と反対の方向に回転できないか、または工具頭部3
1は、閉塞側面18がラチェット器具10の回動により
指す回転方向に送られる。ラチェット器具10を他の方
向に回動させると、傾斜したラチェット側面17が固定
ねじ込み工具30のラチェット溝32の上を滑る。留め
金鼻部161が一方のラチェット溝32から隣接する溝
の中へ飛び上がって入るときはいつでも、ボルトロッド
15が圧縮ばね21の力と反対方向に最小限度変位す
る。矢印方向26の配向にも対応する図1cの代表的な
実施の形態では、留め金鼻部161が時計方向において
工具頭部31に係合し、その結果としてねじ込み工具3
0が時計方向の回動により送られる。ラチェット器具1
0が反時計方向に戻るように案内される場合には、ねじ
込み工具30が送られないで、留め金鼻部161が再び
次のラチェット器具溝32に係合する。
【0018】ラチェット器具10の送り機能の逆転は次
のように調整することができる。この目的のために、下
向きの矢印26が上がって来て上の方を指すようにボル
トロッド15を約180 °回転させなければならない。こ
のために、始めに制御ノブ25を把持することによりボ
ルトロッド15をラチェットハンドル12からストッパ
ーまで引き抜かなければならない。それから、ボルトロ
ッド15を180 °だけ回転させるだけでよい。ボルトロ
ッド15を引き抜くときに、平らにされた部分19がく
さび形状14の下の軸27の後方部分272の上をすべ
り、ついにはくさび形状14が溝273の領域に達す
る。この延長した位置では、ボルトロッド15を回転さ
せることができる。しかしながら、約180 °の回転は明
白であり、その結果今や他方の平らにされた部分19′
がくさび形状14に面する。今や、制御ノブ25を解放
すると、そこで圧縮ばね21がボルトロッド15をラチ
ェットハンドル12の中へ引き戻し、同時に、平らにさ
れた部分19′がくさび形状14の下の後方部分272
の上に押される。前方部分271の平らにされた部分1
9、19′は単に案内機能を有するだけであり、ボルト
ロッド15を挿入したときに前方部分271がくさび形
状14を通ることができる。
【0019】ラチェット器具10を用いてねじ込み工具
30の上へトルクを伝達することができるが、ラチェッ
ト器具10の機能は、例えばねじ2を締めつけるために
またはねじを解放するために可逆であり、すなわち右ね
じれトルクから左ねじれトルクへ可逆である。トルクイ
ンジケータ40と組み合わせると、ラチェット器具10
は本発明による操作準備のできたトルクレンチ1とな
る。管状支持体41はその前部に広くした挿入域42を
有し、この挿入域は移行領域121を部分的に受け入れ
るために補完的であり、すなわち確実ロックする。支持
体41がラチェットハンドル12の上へ押されると、移
行領域121の肩部が挿入領域42に挿入される。移行
領域121と挿入領域42の非回転対称な輪郭の結果と
して、ラチェットハンドル12と支持体41が互いに回
転しないように固着される。支持体端部43が少なくと
も把持端部122まで拡がっており、その結果としてね
じ頭部23が支持体端部43を圧することになる。ねじ
22が締めつけられると、挿入領域42が移行領域12
1の肩部の上へ押圧される。
【0020】線形弾性を有する曲げロッド51の固定端
が、クランプ位置45で支持体41にある挿入領域42
の後ろにしっかりと配置されている。支持体41上の隆
起位置にに位置しているクランプ頭部44が、曲げロッ
ド51を固定するために設けられるのが好ましい。曲げ
ロッド51が長手方向軸線46に対し平行に水平平面内
を延びており、そして制御ノブ25を越えて延びかつそ
の自由端にフィンガ部材52が設けられている。支持体
端部43の付近に、目盛り48を備えたウエブ47が支
持体41に対し直角にかつ曲げロッド51に対し直角に
整合されるように取り付けられている。同時に、ウエブ
47は、操作中撓まされる曲げロッド51のための案内
機能を有する。曲げロッド51は、フィンガ部材52に
作用する力Fによりゼロ位置から前方へ引っ張られる。
力Fの大きさによっては、曲げロッド51は、例えばN
cmで較正される目盛り48の適当な値まで曲げられる。
曲げロッド51は、摩擦による測定誤差を避けるために
ウエブ47と少しも接触してはならない。
【0021】ラチェット器具10とトルクインジケータ
40は次のように組み立てられる。ラチェット器具10
を、ラチェット頭部11のついたラチェットハンドル1
2ならびに圧縮ばね21のついたボルトロッド15、ね
じ22および制御ノブ25に分解する。支持体41を、
その上に取り付けた曲げロッド51と共に、前方の挿入
領域42をラチェットハンドル12の上に置いて押し、
ついには挿入領域42と移行領域121の間が確実にロ
ックされる。そこで、ボルトロッド15を孔13の中へ
押すと、平らにされた部分19、19′のうちの一方が
くさび形状14の下をすべる。最後に、ねじ22を、雄
ねじ部分28と雌ねじ部分24の間にねじ連結が生ずる
ようにねじ込む。制御ノブ25の所望の回転位置をチェ
ックした後、トルクレンチ1を操作する用意ができる。図2の(a)〜図3の(a ) 互いに間隔を置いていてかつその間に曲げロッド51が
突出する二つの平行なウエブ47を設けるのが有利であ
り、その結果曲げロッド51は、二つのウエブ47によ
り形成されたスロット471内を移動することしかでき
ない。したがって、力Fをフィンガ部材52に加えるた
めの方向があらかじめ決められ、トルクレンチ1を傾斜
させて使用することがなくなる。
【0022】トルクレンチ1を周知の公式に基づいて寸
法決めすることができるが、曲げロッド51の特定のた
わみはねじ込み工具30に及ぼされる類似のトルクMに
対応する。図3の(b) トルクインジケータ40の他の実施の形態において、曲
げロッド51の最大たわみをマークするための最大イン
ジケータ49と、その最大可能たわみの限界を定めるた
めのストッパー50とがウエブ47に設けられている。
曲げロッド51に特に適することが判明した合金は、滑
らかな、精密研磨され急冷されたワイヤの形態のBeとTi
の添加物を有するCO-Ni-Crを基礎としており、前記の熱
処理されたワイヤは冷間法により硬引きされかつ1.25 m
m の直径および215 から230 kN/mm2の範囲内の弾性係数
を有する。図4の(a)〜図4の(c)まで トルクインジケータを取り付けてあるトルクレンチ1の
精度を管理するために設けられた試験装置60は、作用
時に片手で把持される円筒状ハウジング61を有する。
ハウジング床62に固定底板63があり、一方ハウジン
グ61はまさしく頂部に円板状の回転可能な蓋64を有
する。蓋64は上方ハウジング縁65に摺動可能に載っ
ておりかつハウジング61に結合された固定摺動リング
66内に装着されている。蓋64を軸方向に貫通して突
出している器具頭部67の上には、ラチェット器具10
をそのラチェット頭部11で適用できる。器具頭部67
は、工具頭部31と同一の輪郭を有する。蓋64と器具
頭部67は、それぞれ互いに回転させることができる。
器具頭部67の下方延長軸68は、ハウジング凹部70
にしっかりと着座するスライドブッシュ69に回転可能
に装着されている。
【0023】板ばね71が試験装置60を軸方向に延び
ていてねじり荷重を受けることができるが、一方の側で
は軸68にかつ他方の側では底板63にゆるく保持され
ている。担持体72は、この場合には軸68を水平方向
に貫通して延びているしっかりと着座した横方向ピンで
あるが、蓋64とスライドブッシュ69の間に配置され
ている。蓋64の下側に固定された停止要素73は、こ
の場合には蓋64に挿入された垂直なピンの形態のもの
であるが、担持体72の領域の中へ突出している。測定
トルクのためのスケール74が蓋64のまさしく頂部に
設けられている。さらに、調整要素75が蓋64の頂部
に位置していて、それによって蓋64を調整しようとす
るときに、指にとっていっそう良好な保持力を与える。
このことは、以前の管理過程後のゼロ位置の調整のため
に必要である。蓋64に設けられたスケール74は、ス
ケール値「0」が摺動リング66に設けられたゼロマー
ク661に現れる場合に、ゼロ位置に位置している。
5の(a)〜図5の(d)試験装置60によりトルクレ
ンチ1の精度を管理するための手順において、試験装置
は次のように機能する。 A)図5aによる開始状況 試験装置60を、クランプして回転しないように固定す
るか、または通常の場合には、試験装置をハウジング6
1で片手により保持する。試験すべき完全なトルクレン
チ1を試験装置60の器具頭部67に取り付ける。スケ
ール74がなお以前のチェックのためゼロ位置から離れ
た位置にあり、すなわち64が依然としてなお変位して
いて、したがってスケール値「0」がゼロマーク661
の所に現れてない。板ばね71が弛緩している。 B)図5の(b)によるゼロ位置 蓋64を回すことにより、スケール値「0」ゼロマーク
661と一致させる。試験装置60の内側で、停止要素
73を直接静止担持体72まで持ってくる。 C)図5の(c)による管理荷重 それから、特定のトルクMをフィンガー部材52に加え
る。この例では、これは15 Ncmである。この値は目盛り
48の上で変位した曲げロッド51により表示されなけ
ればならない。この結果として、器具頭部67が軸6
8、担持体72および板ばね71と一緒に回される。試
験装置60内では、それに応じて停止要素73が担持体
72により押され、蓋64が最大インジケータにしたが
って調整される。試験装置60は、フィンガ部材52に
及ぼされたトルクMが試験装置60のスケール74に表
示される。 D)図5の(d)による管理荷重後 引き続いて、フィンガ部材52に加えられる力Fを減少
させると、トルクレンチ1が板ばね71により押圧され
て水平な休止位置に戻る。それにより、担持体72と停
止要素73が互いに離れるように動くが、蓋64は変位
した位置に残っている。したがって、管理の目的のため
に、なお測定値をスケール74から読み取ることができ
る。ここで試験されたトルクレンチ1は適正に機能す
る。なぜなら、目盛り48に以前に表示された値がスケ
ール74に求められた値と一致するからである。測定値
が許容交差を越えてそれる場合には、トルクレンチ1を
再び較正しなければならない。
【0024】上記の実施の形態についてほかの構造的な
変化を補充することができる。加えて、次のことを明白
に述べることができる。 − 曲げロッド51とウエブ47をラチェットハンドル
12の外側にすぐに取り付けられる場合には、支持体4
1なしですますことができる。 − レンチでねじ22を締めつけることが所望な場合に
は、ねじ22も以前のねじ頭部23の後に多面区分23
1(図5の(a)を参照)を有する。 − ラチェット器具10と組み合わせる代わりに、トル
クインジケータ40を、回すべき工具を直接または間接
的に案内するための均等な器具と組み合わせることもで
きる。 − 板ばね71を軸68におよび/または底板63にし
っかりとクランプすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)はラチェット器具、ラチェット器具に挿
入されたねじ込み工具およびその頂部に取り付けられた
ガイドレンチの形態のトルクレンチ、ならびにラチェッ
ト器具に取り付けられたトルクインジケータを示す部分
断面を含む正面図である。(b)は図1の(a)による
平面図である。(c)はラチェット器具の留め金鼻部と
ねじ込み工具の溝の間の係合を示す詳細図である。
【図2】(a)は図1の(a)の図における分離したト
ルクインジケータを示す図である。(b)は矢印Xの方
向より見た図2の(a)の側面図である。
【図3】(a)は図1の(b)のトルクインジケータを
分離して示す図である。(b)は最大指示値のトルクイ
ンジケータとそのスケールを示す図である。
【図4】(a)は試験装置の正面図である。(b)は図
4の(a)による試験装置の垂直断面図である。(c)
は図4の(a)の矢印Y方向より見た平面図である。
【図5】(a)は開始状態にある試験装置に取り付けら
れたトルクレンチを示す図である。(b)は図5の
(a)において試験装置をゼロ位置にした図である。
(c)は図5の(a)において試験中トルクレンチを変
位させた状態を示す図である。(d)は図5の(a)に
おいて試験後トルクレンチが引っ込んだ状態を示す図で
ある。
【符号の説明】
1 外科用トルクレンチ 10 トルク器具 11 頭部 12 ハンドル 121 移行領域 122 ハンドル端部 22 ねじ 40 インジケータ 41 支持体 42 挿入領域 43 支持体端部 45 クランプ位置 46 長手方向軸線 47 ウエブ 471 スロット 48 目盛り 49 最大値指示部 50 ストッパー 51 曲げロッド 52 フィンガ部材 60 試験装置 61 ハウジング 63 底板 64 蓋 66 滑りリング 661 ゼロマーク 67 器具頭部 68 軸 69 滑りブッシュ 70 ハウジング凹部 71 板ばね 72 担持体 73 停止要素 74 スケール 75 調整要素 F 力 M トルク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 エドウアルド・シユタデルマン スイス国、1004ローザヌ、シユマン・ デ・セドレ、9 (56)参考文献 実開 平6−36612(JP,U) 実開 昭63−53671(JP,U) 実開 昭59−105376(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A61C 8/00 A61C 3/00 B25B 23/142

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 それ自体周知のトルク器具(10)とトルク
    インジケータ(40 ) を備えた外科用トルクレンチ(1) に
    おいて、 a)トルクインジケータ(40)はトルク器具(10)に装着され
    る細長い剛性のある支持体(41)から形成され、 b)線形弾性を有する曲げロッド(51)が支持体(41)に沿っ
    て延びており、この曲げロッドの固定端が曲げロッド(5
    1)にあるクランプ位置(45)で支持体にしっかりと配置さ
    れ、 c)曲げロッド(51)の自由端は使用者の力(F) が加えられ
    るようになっており、 d)力を加えた結果としての曲げロッド(51)のゆがみを、
    発生したトルク(M) として読み取ることができる目盛り
    (48)が支持体(41)に直接または間接的に位置しているこ
    とを特徴とするトルクレンチ。
  2. 【請求項2】 a)支持体(41)が、その前部に非回転対称
    な挿入領域(42)をもってトルク器具(10)のハンドル(12)
    の上へ軸方向に押すことができるスリーブとして設計さ
    れ、 b)挿入領域(42)はトルク器具(10)のハンドル(12)と頭部
    (11)の間にある移行領域を確実に受け入れるようになっ
    ており、 c)支持体(41)の支持端(43)が原則としてハンドル端部(1
    22) まで延びており、 d)支持体(41)がハンドル端部(122) の中へ回すことがで
    きるねじ(22)で軸方向に固定されることを特徴とする請
    求項1のトルクレンチ。
  3. 【請求項3】 a)曲げロッド(51)が固定されるクランプ
    頭部(44)が支持体(41)の上に移行領域(121) の付近に位
    置しており、 b)目盛り(48)を有する少なくとも一つの水平に突出する
    ウエブ(47)が支持体(41)の上に支持体端部(43)の付近に
    設けられ、 c)曲げロッド(51)がトルクレンチ(1) を通る長手方向軸
    線(46)に対し平行に延びており、 d)長手方向軸線(46)も存在する平面である水平面内をゆ
    がむことができる曲げロッド(51)がウエブ(47)を越えて
    突出していることを特徴とする請求項1のトルクレン
    チ。
  4. 【請求項4】 a)互いに平行であり、水平に突出しかつ
    間にスロット(471) を形成する二つのウエブ(47)が支持
    体(41)に設けられ、前記スロット内を曲げロッド(51)の
    後方自由部分が動くことができ、 b)目盛り(48)が両方のウエブ(47)に設けられ、 c)曲げロッド(51)の最大たわみがウエブ(47)に位置する
    ストッパー(50)により選択的に限界を定められ、および
    または最大値指示部(49)がウエブ(47)に位置しており、 d)フィンガ部材(52)が曲げロッド(51)の自由端の上に施
    されることを特徴とする請求項3のトルクレンチ。
  5. 【請求項5】 曲げロッド(51)は冷間法により硬質引き
    抜きされた滑らかな、精密研磨されかつ急冷された線材
    の形態のBeとTiの添加物を有するCo-Ni-Crを基礎とする
    合金で作られ、前記線材は1.25 mm の直径および215 か
    ら230 kN/mm2までの範囲内の弾性係数を有することを特
    徴とする請求項1のトルクレンチ。
  6. 【請求項6】 目盛り(48)に及ぼされるトルク(M) の表
    示に関して請求項1から請求項5のうちの一つによるト
    ルクレンチ(1) の表示精度を管理するための試験装置(6
    0)において、 試験装置(60)は、 a)底板(63)がハウジング床(62)にしっかりと固定された
    円筒状ハウジング(61)と、 b)ハウジング縁(65)の頂部に回転可能に取り付けられた
    蓋(64)が最大値指示器として作用しかつハウジング(61)
    に固定された滑りリング(66)により取り付けられ、c)回
    転可能でありかつ蓋(64)を通って軸方向に突出する器具
    頭部(67)を備え、この下方に延びる軸(68)がハウジング
    凹部(70)にしっかりと着座する滑りブッシュ(69)に回転
    可能に装着され、試験すべきトルクレンチ(1) が器具頭
    部(67)に取り付け可能であり、 d)軸(68)と底板(63)の間に装着された板ばね(71)を備
    え、ならびに e)蓋(64)と滑りブッシュ(69)の間で軸(68)に固定された
    担持体(72)を備え、この担持体は蓋(64)の下側にかつ担
    持体(72)の回転領域に蓋(64)と共にしっかりと配置され
    た停止要素(73)をゼロ位置から変位させることが可能で
    あることを特徴とする請求項6の試験装置。
  7. 【請求項7】a)スケール(74)が蓋(64)の頂部に設けら
    れ、補完的ゼロマーク(661) が滑りリング(66)に設けら
    れ、 b)スケール値「0 」がゼロマーク(661) に位置している
    ときに蓋(64)がゼロ位置に位置しており、 c)担持体(72)が軸(68)を水平に貫通するピンにより形成
    され、一方停止要素(73)が蓋(64)の床に着座する垂直な
    ピンであり、 d)隆起した調整要素(75)が蓋(64)の頂部に配置され、 e)試験装置(60)の蓋(64)上のスケール(74)がトルクイン
    ジケータ(40)目盛り(48)に対応することを特徴とする請
    求項6の試験装置。
JP7246437A 1994-09-27 1995-09-25 トルクインジケータ付きの外科用トルクレンチ Expired - Lifetime JP2966772B2 (ja)

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