JP2965551B1 - フェノールfrpパネルによる外壁の乾式改装工法 - Google Patents

フェノールfrpパネルによる外壁の乾式改装工法

Info

Publication number
JP2965551B1
JP2965551B1 JP20984898A JP20984898A JP2965551B1 JP 2965551 B1 JP2965551 B1 JP 2965551B1 JP 20984898 A JP20984898 A JP 20984898A JP 20984898 A JP20984898 A JP 20984898A JP 2965551 B1 JP2965551 B1 JP 2965551B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
panel
dry
frp
wall
phenolic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP20984898A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000045541A (ja
Inventor
裕章 中川
正治 佐々木
俊造 金崎
祥絵 高岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kajima Corp
Original Assignee
Kajima Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kajima Corp filed Critical Kajima Corp
Priority to JP20984898A priority Critical patent/JP2965551B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2965551B1 publication Critical patent/JP2965551B1/ja
Publication of JP2000045541A publication Critical patent/JP2000045541A/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Load-Bearing And Curtain Walls (AREA)
  • Finishing Walls (AREA)
  • Working Measures On Existing Buildindgs (AREA)

Abstract

【要約】 【課題】 改装仕上材としてフェノールFRPパネルを
使用して経年劣化した建築物外壁を施工性よく美麗且つ
堅固に改装施工する。 【解決手段】 経年劣化した建築物外壁に新たにパネル
を取り付ける外壁の乾式改装工法において,該パネルと
してフェノールFRP方形パネルを使用し,このフェノ
ールFRPパネルの上辺と下辺に,パネル裏面よりも奥
の位置からパネル面と平行に外方にのび出る跳ね出し片
を設け,Lブラケットを介して外壁に水平方向に固定し
た断面口型のチャンネルに対し,上方パネルの下辺の跳
ね出し片と下方パネルの上辺の跳ね出し片を重ねてビス
止めし,このビス止め跡の目地にシールを施工すること
を特徴とするフェノールFRPパネルによる外壁の乾式
改装工法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は経年劣化した建築物
外壁に新たにパネルを取り付けて建物をリニュアルする
外壁の乾式改装工法に関する。
【0002】
【従来の技術】既存建築物の外壁面は,風雨や日射によ
る劣化や粉塵や排ガスによる汚染等で経年劣化が進行
し,景観が悪くなるばかりか時には止水性能の低下やモ
ルタルやタイルの剥離・脱落といった欠陥や事故の発生
を見ることもある。このようなことから,外壁の改装工
事が実施されるが,これには塗装・タイル貼り・モルタ
ル塗り・各種材料の吹き付け等の湿式改装工法と,仕上
材を外壁に固定させる乾式改装工法が知られている。
【0003】このうち乾式改装工法では,外壁に固定す
る仕上材として,パネル,サイディング,石材,陶板,
ガラス板等が使用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】パネルによる改装工法
では,アルミやスチール等の金属パネルが使用されてい
るが,取扱いや使用環境により腐食等の劣化が生じ,ま
た,太陽熱による膨脹で反りやたわみが発生し,大板化
すると目立つようになると言った問題がある。
【0005】サイディングによる改装工法では,アルミ
やスチール等の金属サイディングが使用されているが,
長尺ものが一般であるためにデザインが限られ,また前
記の金属パネルと同様に腐食の問題もある。窯業系サイ
ディングが使用された例もあるが,比重が高く薄肉化が
困難で,施工性が低く大型化しにくいと言う問題があ
る。
【0006】天然石材による改装工法では,品質・強度
・耐久性・外観にばらつきがあり,重量があるために施
工性が低く,大型化し難いと言う問題があり,また高価
である。
【0007】大型陶板や結晶化ガラスによる改装工法で
は,耐衝撃性が低く,破損時の落下防止処理が必要であ
り,高層建屋には使用できず,また高価であると言う問
題がある。
【0008】したがって,本発明は前記のような問題の
ない外壁乾式改装工法の開発を課題としたものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は,経年劣化した
建築物外壁に新たにパネルを取り付ける外壁の乾式改装
工法において,該パネルとしてフェノールFRP方形パ
ネルを使用することを特徴とし,その工法として,(1)
フェノールFRPパネルの上辺と下辺に,パネル裏面よ
りも奥の位置からパネル面と平行に外方にのび出る跳ね
出し片を設け,Lブラケットを介して外壁に水平方向に
固定した断面口型のチャンネルに対し,上方パネルの下
辺の跳ね出し片と下方パネルの上辺の跳ね出し片を重ね
てビス止めし,このビス止め跡の目地にシールを施工す
るか,
【0010】(2) フェノールFRPパネルの上辺と下辺
に,パネル面と平行にパネル裏面から離れて内方にのび
出る折り返し片を設け,Lブラケットを介して外壁に水
平方向に固定した断面H型のチャンネルに対し,上方パ
ネルの下辺の折り返し片と下方パネルの上辺の折り返し
片を該チャンネルの凹部に飲み込ませ,その隙間にシー
ルを充填するか,
【0011】(3) フェノールFRPパネルの上辺と下辺
に,パネル裏面よりも奥の位置からパネル面と平行に外
方にのび出る跳ね出し片を上辺と下辺とでは辺の方向に
位置をたがえて設け,帯状の金属板に長手方向のスリッ
ト状開口とルーズボルト孔を設けてなる板状フアスナー
を,Lブラケットを介して面が水平方向となるように外
壁に固定し,該板状フアスナーのスリット状開口に上方
パネルの下辺の跳ね出し片と下方パネルの上辺の跳ね出
し片を挿入し,それらの隙間に充填剤を装填するか,
【0012】(4) フェノールFRPパネルの上辺と下辺
に,パネル裏面よりも奥の位置からパネル面と平行に外
方にのび出る跳ね出し片を上辺と下辺とでは奥行きをた
がえて設け,帯状の金属板に長手方向のスリット状開口
とルーズボルト孔を設けてなる板状フアスナーを,外壁
にLブラケットを介して面が水平方向となるように固定
し,該板状フアスナーのスリット状開口に上方パネルの
下辺の跳ね出し片と下方パネルの上辺の跳ね出し片を重
ねて挿入し,それらの隙間に充填剤を装填するか,また
【0013】(5) フェノールFRPパネルの上辺と下辺
に,パネル面と直角方向の折り片を設けると共に該折り
片に辺の方向にのびるスリット状の開口を設けておき,
Lブラケットを介して外壁に水平方向に固定した断面十
型のチャンネルに対し,上方パネルの下辺の該スリット
状の開口と下方パネルの上辺の該スリット状開口に該チ
ャンネルの上下方向の突片を挿入し,それらの隙間に充
填剤を装填する,ことを特徴とするフェノールFRPパ
ネルによる外壁の乾式改装工法を提供するものである。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明は経年劣化した建築物外壁
の改装仕上材としてこれまで適用例のないフェノールF
RP方形パネルを使用し,これを適切に外壁躯体に固定
することによって,施工性よく建築物の美観向上や機能
の回復,更には資産価値の向上を図ったものである。
【0015】フェノールFRPは,フェノール樹脂に強
化繊維(ガラス繊維,炭素繊維,アラミド繊維等)を分
散配合した複合材料であるが,そのマトリックスのフェ
ノール樹脂自体が優れた機械的性質を有し,しかも耐久
性や成形性に優れ,不飽和ポリエステル系樹脂にはない
耐熱性と耐燃焼性を有している。そして,強化繊維によ
って高い引張強さ,比強度,耐衝撃性,比弾性率等が発
現し,しかも比較的安価であり他のFRPにはない特徴
を有している。とくに,建築基準法施工令第108条で
言う燃焼性と発煙性が低い点で,建材用としては不飽和
ポリエステル系FRPのものにはない特性を有してい
る。
【0016】フェノールFRPの耐燃焼性は,各種有機
材料の中では最高の性能を示すといっても過言ではな
い。例えば,表1に各種有機材料の酸素指数(OI値)
を示すが,フェノールFRPはOI値が他の材料に比べ
て格段に高い。このOI値は酸素と窒素の混合ガス雰囲
気で酸素濃度を変えながら材料を燃やし,3分以上継続
して燃焼するか,または燃焼長さが50mm以上で燃え
続けるに必要な酸素濃度を表しており,OI値が高いほ
ど燃えにくいことを示している。
【0017】
【表1】
【0018】また,表2には,マウスの50%が死ぬの
に必要な被燃焼材料の必要量(LC 50値)で評価した各
種有機材料の煙の毒性試験結果を示すが,レゾール型フ
ェノール樹脂はLC50値が最も高く,煙の毒性が低いこ
とがわかる。
【0019】
【表2】
【0020】さらに,図6にNBS規格にもとづくスモ
ークチャンバー試験での煙密度の経時変化を示すが,フ
ェノール樹脂はエポキシ樹脂やポリエステル樹脂に比べ
て格段に煙の発生が少ないことがわかる。
【0021】また,フェノールFRPパネルを屋外で使
用することを想定して行った耐久性試験によれば,水浸
漬200時間後の曲げ強度および温水浸漬200時間後
の曲げ強度は標準状態に比べて殆んど変化せず,また冷
水・温水の繰返し20サイクル後でも曲げ強度には殆ん
ど変化が見られない。したがって,フェノールFRPパ
ネルは耐久性および耐候性に優れていることが確認され
ており,この点でも外壁仕上材としての適応性がある。
【0022】本発明においては,このようなフェノール
FRPパネルの特性を利用して経年劣化した建築物外壁
の改装を行うものであるが,その改装を図1〜図5に示
す手法により行う。なお,これらの改装工法において,
フェノールFRPパネルの上辺・下辺に設ける「跳ね出
し片」「折り返し片」「折り片」や,側辺に設ける「目
地用の跳ね出し辺」等はフェノールFRPの優れた成形
加工性を利用してフェノールFRPパネル自体で設ける
ことを意図している。また図中の寸法は好ましい形状と
大きさを示すものであり,必ずしもこの寸法・形状でな
ければならないというものではない。
【0023】図1に示す乾式パネル工法では,例えば厚
みが5mmで600×600mmの方形フェノールFR
Pパネル1の上辺と下辺に,パネル裏面よりも奥の位置
からパネル面と平行に外方にのび出る跳ね出し片2と3
を設けたものを用いる。この跳ね出し片2と3の奥行き
は,パネル厚みに相当する分だけ互いに異なっており,
図例では,上辺の跳ね出し片2の奥行き(パネル表面と
片2裏面の距離)は図に示すように24mmであり,下
辺の跳ね出し片3の奥行き(パネル表面と片3裏面の距
離)は30mmとしてある。ただし,跳ね出し片2と3
の幅(辺より突き出る幅)はいずれも15mmであり,
この幅をもって上辺と下辺いっぱいに突き出ている。ま
た,パネル1の一方の側辺に,パネル裏面よりも奥の位
置からパネル面と平行に外方にのび出る目地用の跳ね出
し片4を設けてある。この側辺の跳ね出し片4も突き出
し幅が15mmであるが,その奥行き(パネル表面と片
4裏面の距離)は20mmである。
【0024】この同形パネル1を経年劣化した外壁5に
対して上下左右互いに隣接させながら外壁5の必要面積
を覆うように取り付けるのであるが,そのさい,図1の
工法では,外壁5に,Lブラッケト6を介して,断面口
型のチャンネル7を水平方向に固定し,この口型チャン
ネル7に対し,上方パネルの下辺の跳ね出し片2と下方
パネルの上辺の跳ね出し片3を重ねてビス止めする。
【0025】すなわち,パネル1の上下方向の長さ(6
00mm)に相当する距離をあけて外壁5にLブラケッ
ト6(図例では6mm厚)をアンカーボルトナット8で
水平方向に取り付けると共にこのLブラケット6に口型
チャンネル7(図例では厚み5mmで50mm×50m
m)をボルトナット9で固定する。そしてこの口型チャ
ンネル7に対し,上方パネルの下辺跳ね出し片3を下
に,下方パネルの上辺跳ね出し片2を上にして重ねたう
え,両層を貫通するようにしてビス止めする。このビス
止め位置を10で示す。このようにして上下方向にパネ
ルを連設してゆくが,左右方向については,片側だけに
設けた跳ね出し片4の上に他方のパネルの側辺を目地間
隔だけ開けて載せてゆく。そして,必要面積の架設が終
えると,チャンネル7に沿う水平方向のビス止め跡の目
地にシールを施工し,また上下方向の目地にもシールを
施工する。
【0026】本発明者らは,図1の施工によるパネルの
耐風圧性能を,水圧を用いて調べた結果,750kgf/m
2 の風圧に相当する水圧をかけてもビス取り付け部での
破壊は生じなかった。また風圧力750kgf/m2 までの
試験でパネルのたわみはなだらかであり,試験後の試験
体にはまったく亀裂やひび割れは観測できなかった。こ
の試験では,パネル裏面にリブを設けなかったが,たわ
み量を少なくするためには裏面リブを設ければよい。す
なわち,図1に示すように,パネル裏面に数本のリブ1
1を取り付けておけば,たわみを防止することができ
る。パネル厚みが大きいものでは必ずしもこのリブ11
は必要とはならない。
【0027】図2は,本発明に従う他の乾式パネル工法
を示すものであり,この例でも厚み5mmで600×6
00mmの方形フェノールFRPパネル1を用いている
が,本例ではパネル1の上辺と下辺に,パネル面と平行
にパネル裏面から離れて内方にのび出る折り返し片13
を設け,Lブラケット6aと6bを介して外壁5に水平
方向に固定した断面H型のチャンネル14に対し,上方
パネルの下辺の折り返し片13と下方パネルの上辺の折
り返し片13を該チャンネル14の凹部に飲み込ませ,
その隙間にシールを充填する。
【0028】この場合,上辺と下辺の折り返し辺13は
同じ奥行き量(パネル裏面と片13裏面の距離)を有
し,本例ではいずれも30mmとしてある。また,断面
H型チャンネル14は,Lブラケット6bに対して溶着
してあり,このチャンネル付きLブラケット6bを,ア
ンカボルトナット8で外壁5に取り付けた他方のLブラ
ケット6aにボルトナットで固定する。
【0029】このようにしてH型チャンネル14を外壁
5に取り付けることにより,チャンネル14には,その
断面H型の形状により上向き凹溝と下向き凹溝ができる
ことになるが,その上向き凹溝内にパネル1の下辺の折
り返し片13を落ち着かせ,下向き凹溝内にパネル1の
上辺の折り返し片13を挿入することにより,各パネル
1が上下のチャンネル14間に嵌め込まれる。そして,
片13とチャンネル14との隙間に取付兼止水用シール
を充填することにより,パネル取り付けが完了する。そ
のさい,図1の場合と同様に各パネル1の一方の側辺
に,パネル裏面よりも奥の位置からパネル面と平行に外
方にのび出る目地用の跳ね出し片4を設けておくことに
より,左右に隣接するパネル間には目地が形成され,こ
の目地にもシールを施工する。
【0030】図3は,本発明に従う他の乾式パネル工法
を示すものであり,厚みが5mmで図1〜2のものとほ
ぼ同形の方形フェノールFRPパネル1を用いている
が,本例では,パネル1の上辺と下辺に,パネル裏面よ
りも奥の位置からパネル面と平行に外方にのび出る跳ね
出し片15と16を辺の方向に互いに位置をたがえて設
け,帯状の金属板に長手方向のスリット状開口18とル
ーズボルト孔19を設けてなる板状フアスナー17を,
Lブラケット(フアスナー)20を介して面が水平方向
となるように外壁5に固定し,該板状フアスナー17の
スリット状開口18に上方パネルの下辺の跳ね出し片1
6と下方パネルの上辺の跳ね出し片15を挿入し,それ
らの隙間に充填剤21を装填する。
【0031】この場合,パネル1の四辺とも,各辺から
裏側に同じ幅で面と直角に折り返した折り片22を設け
たうえ,上辺ではこの折り片の端から外方に15mm突
き出る跳ね出し片15を辺の中央部に設け,下辺では該
折り片の端から外方に15mm突き出る跳ね出し片16
を辺の端寄りに設けると共に,左右の辺では該折り片2
2の端から外方に4mm突き出る跳ね出し23を辺の長
さ一杯に設ける。後者の左右の跳ね出し23は隣合う側
方のパネルの跳ね出し23と突合わさることにより目地
が形成される。
【0032】図3の態様では,スリット状開口18とル
ーズボルト孔19を設けた板状フアスナー17を取付け
具とする点に一つの特徴があるが,Lブラッケト20と
この板状フアスナー17とを,ボルトナット24で固定
するさいに,該ルーズボルト孔19がパネル1と外壁5
との距離を調節するのに役立つ。また,スリット状開口
18にパネル1の下辺の跳ね出し片16を差し込んでパ
ネル1を落ち着かせ,上辺の跳ね出し片15を差し込ん
でパネル1を固定するという簡単な施工でパネルを貼付
けてゆくことができるので作業性がよい。水平方向に形
成される目地には充填材21を装填するが,これは接着
性をもつものを併用するのがよく,取付兼止水用弾性接
着剤とシーリング剤を充填するのがよい。垂直方向に形
成される目地部分にはシールを施工する。
【0033】図4は,本発明に従う他の乾式パネル工法
を示すものであり,厚みが5mmで図1〜3のものとほ
ぼ同形の方形フェノールFRPパネル1を用いている
が,本例では,パネル1の上辺と下辺に,パネル裏面よ
りも奥の位置からパネル面と平行に外方にのび出る跳ね
出し片25と26を上辺と下辺とでは奥行きをたがえて
設け,帯状の金属板に長手方向のスリット状開口18と
ルーズボルト孔19を設けてなる板状フアスナー17
を,Lブラケット(フアスナー)20を介して面が水平
方向となるように外壁5に固定し,該板状フアスナー1
7のスリット状開口18に上方パネルの下辺の跳ね出し
片26と下方パネルの上辺の跳ね出し片25を重ねて挿
入し,それらの隙間に充填剤21を装填する。
【0034】この場合,パネル1の四辺とも,各辺から
裏側に面と直角に折り返した折り片22を設けるが,上
辺の折り辺だけはパネル厚みに相当する分だけ広幅と
し,他の三辺の折り面は同幅とし,上辺ではこの折り片
の端から外方に15mm突き出る跳ね出し片25を設
け,下辺では該折り片の端から外方に10mm突き出る
跳ね出し片26を設けると共に,左右の辺では該折り片
22の端から外方に4mm突き出る跳ね出し23を辺の
長さ一杯に設ける。後者の左右の跳ね出し23は隣合う
側方のパネルの跳ね出し23と突合わさることにより目
地が形成される点は図3のものと同様である。
【0035】上辺の跳ね出し片25と下辺の跳ね出し片
26は,パネル厚み相当する分だけ奥行きが相違してい
るので,板状フアスナー17のスリット状開口18に上
方パネルの下辺の跳ね出し片26と下方パネルの上辺の
跳ね出し片25を重ねて挿入したときに,上下パネルの
表側の表面が整合することになる。本例でも図3の場合
と同様に,Lブラッケト20と板状フアスナー17と
を,ボルトナット24で固定するさいに,板状フアスナ
ー17のルーズボルト孔19がパネル1と外壁5との距
離を調節するのに役立ち,また,板状フアスナー17の
スリット状開口18にパネル1の下辺の跳ね出し片26
を差し込んでパネルを落ち着かせ,上辺の跳ね出し片1
5を差し込んでパネルを固定するという簡単な施工でパ
ネルを貼付けてゆくことができるので作業性がよい。水
平方向に形成される目地には充填材21を装填するが,
これは接着性をもつものを併用するのがよく,取付兼止
水用弾性接着剤とシーリング剤を充填するのがよい。垂
直方向に形成される目地部分にはシールを施工する。
【0036】図5は,本発明に従う他の乾式パネル工法
を示すものであり,厚みが5mmで図1〜4のものとほ
ぼ同形の方形フェノールFRPパネル1を用いている
が,本例では,このパネルの上辺と下辺に,パネル面と
直角方向の折り片27と28を設けると共に両折り片2
7と28に辺の方向にのびるスリット状の開口29と3
0を設けておき,Lブラケット(フアスナー)20を介
して外壁5に水平方向に固定した断面十型のチャンネル
31に対し,このチャンネル31の上向き突片32を上
方パネルの下辺のスリット状の開口28に挿入し,該チ
ャンネル31の下向き突片33を下方パネルの上辺のス
リット状開口29に挿入し,それらの隙間に充填剤21
を装填する。
【0037】この場合,パネル1の上辺と下辺には同じ
幅の折り片27と28を設けるが,左右の辺にも同じ幅
の折り片34をパネル面と直角方向に設けておく。ただ
し,折り片27と28にはスリット状開口29,30を
設けるが,左右の折り片34にはスリットを設けなくて
もよい。断面十型のチャンネル31に沿って水平方向に
形成される目地には充填材21を装填するが,これは接
着性をもつものを併用するのがよく,取付兼止水用弾性
接着剤とシーリング剤を充填するのがよい。左右のパネ
ルの間に垂直方向に形成される目地部分にはシールを施
工する。
【0038】なお,図2〜5の例においても,図1の例
と同様に,パネル裏面に数本のリブを取り付けておけ
ば,たわみを防止することができる。ただし,パネル厚
みが大きいものでは必ずしもこのリブは必要とはならな
い。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように,本発明によると,
経年劣化した建築物外壁を施工性よく改装することがで
き,該建築物の美観向上,該建築物の機能の回復および
該建築物の資産価値の向上等を経済的に図ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従う外壁改装工法のパネルとその取付
け状態を示す図である。
【図2】本発明に従う他の外壁改装工法のパネルとその
取付け状態を示す図である。
【図3】本発明に従う他の外壁改装工法のパネルとその
取付け状態を示す図である。
【図4】本発明に従う他の外壁改装工法のパネルとその
取付け状態を示す図である。
【図5】本発明に従う他の外壁改装工法のパネルとその
取付け状態を示す図である。
【図6】フェノール樹脂のNBSスモークチャンバーに
よる煙密度の経時変化を他の樹脂のものと比較して示し
た図である。
【符号の説明】
1 フェノールFRP方形パネル 2 上辺の跳ね出し片 3 下辺の跳ね出し片 4 側片の目地用跳ね出し片 5 外壁 6 Lブラッケト 7 断面口型のチャンネル 13 上下辺の折り返し片 14 断面H型のチャンネル 15 上辺中央部の跳ね出し片 16 15と跳ね出し位置が異なる下辺の跳ね出し片 17 板状フアスナー 18 スリット状開口 19 ルーズボルト孔 23 左右辺の跳ね出し 25 上辺の跳ね出し片 26 25とは奥行きが異なる下面の跳ね出し片 27 上辺の折り片 28 下辺の折り片 29 折り片27のスリット 30 折り片28のスリット 31 断面十型のチャンネル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高岡 祥絵 東京都調布市飛田給二丁目19番1号 鹿 島建設株式会社技術研究所内 (56)参考文献 特開 昭58−189453(JP,A) 特開 平4−34169(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) E04F 13/00 - 13/18 E04G 23/00 - 23/08

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 経年劣化した建築物外壁に新たにパネル
    を取り付ける外壁の乾式改装工法において,該パネルと
    してフェノールFRP方形パネルを使用し,このフェノ
    ールFRPパネルの上辺と下辺に,パネル裏面よりも奥
    の位置からパネル面と平行に外方にのび出る跳ね出し片
    を設け,Lブラケットを介して外壁に水平方向に固定し
    た断面口型のチャンネルに対し,上方パネルの下辺の跳
    ね出し片と下方パネルの上辺の跳ね出し片を重ねてビス
    止めし,このビス止め跡の目地にシールを施工すること
    を特徴とするフェノールFRPパネルによる外壁の乾式
    改装工法。
  2. 【請求項2】 該フェノールFRPパネルの一方の側辺
    に,パネル裏面よりも奥の位置からパネル面と平行に外
    方にのび出る目地用の跳ね出し片を設ける請求項1に記
    載の乾式改装工法。
  3. 【請求項3】 経年劣化した建築物外壁に新たにパネル
    を取り付ける外壁の乾式改装工法において,該パネルと
    してフェノールFRP方形パネルを使用し,このフェノ
    ールFRPパネルの上辺と下辺に,パネル面と平行にパ
    ネル裏面から離れて内方にのび出る折り返し片を設け,
    Lブラケットを介して外壁に水平方向に固定した断面H
    型のチャンネルに対し,上方パネルの下辺の折り返し片
    と下方パネルの上辺の折り返し片を該チャンネルの凹部
    に飲み込ませ,その隙間にシールを充填することを特徴
    とするフェノールFRPパネルによる外壁の乾式改装工
    法。
  4. 【請求項4】 該フェノールFRPパネルの一方の側辺
    に,パネル裏面よりも奥の位置からパネル面と平行に外
    方にのび出る目地用の跳ね出し片を設けた請求項3に記
    載の乾式改装工法。
  5. 【請求項5】 経年劣化した建築物外壁に新たにパネル
    を取り付ける外壁の乾式改装工法において,該パネルと
    してフェノールFRP方形パネルを使用し,このフェノ
    ールFRPパネルの上辺と下辺に,パネル裏面よりも奥
    の位置からパネル面と平行に外方にのび出る跳ね出し片
    を上辺と下辺とでは辺の方向に位置をたがえて設け,帯
    状の金属板に長手方向のスリット状開口とルーズボルト
    孔を設けてなる板状フアスナーを,Lブラケットを介し
    て面が水平方向となるように外壁に固定し,該板状フア
    スナーのスリット状開口に上方パネルの下辺の跳ね出し
    片と下方パネルの上辺の跳ね出し片を挿入し,それらの
    隙間に充填剤を装填することを特徴とするフェノールF
    RPパネルによる外壁の乾式改装工法。
  6. 【請求項6】 該フェノールFRPパネルの両側辺に,
    パネル裏面よりも奥の位置からパネル面と平行に外方に
    のび出る目地用の跳ね出し片を設けた請求項5に記載の
    乾式改装工法。
  7. 【請求項7】 充填剤は弾性接着剤とシーリング剤とか
    らなる請求項5または6に記載の乾式改装工法。
  8. 【請求項8】 経年劣化した建築物外壁に新たにパネル
    を取り付ける外壁の乾式改装工法において,該パネルと
    してフェノールFRP方形パネルを使用し,このフェノ
    ールFRPパネルの上辺と下辺に,パネル裏面よりも奥
    の位置からパネル面と平行に外方にのび出る跳ね出し片
    を上辺と下辺とでは奥行きをたがえて設け,帯状の金属
    板に長手方向のスリット状開口とルーズボルト孔を設け
    てなる板状フアスナーを,外壁にLブラケットを介して
    面が水平方向となるように固定し,該板状フアスナーの
    スリット状開口に上方パネルの下辺の跳ね出し片と下方
    パネルの上辺の跳ね出し片を重ねて挿入し,それらの隙
    間に充填剤を装填することを特徴とするフェノールFR
    Pパネルによる外壁の乾式改装工法。
  9. 【請求項9】 該フェノールFRPパネルの両側辺に,
    パネル裏面よりも奥の位置からパネル面と平行に外方に
    のび出る目地用の跳ね出し片を設けた請求項8に記載の
    乾式改装工法。
  10. 【請求項10】 充填剤は弾性接着剤とシーリング剤と
    からなる請求項8または9に記載の乾式改装工法。
  11. 【請求項11】 経年劣化した建築物外壁に新たにパネ
    ルを取り付ける外壁の乾式改装工法において,該パネル
    としてフェノールFRP方形パネルを使用し,このフェ
    ノールFRPパネルの上辺と下辺に,パネル面と直角方
    向の折り片を設けると共に該折り片に辺の方向にのびる
    スリット状の開口を設けておき,Lブラケットを介して
    外壁に水平方向に固定した断面十型のチャンネルに対
    し,上方パネルの下辺の該スリット状の開口と下方パネ
    ルの上辺の該スリット状開口に該チャンネルの上下方向
    の突片を挿入し,それらの隙間に充填剤を装填すること
    を特徴とするフェノールFRPパネルによる外壁の乾式
    改装工法。
  12. 【請求項12】 該フェノールFRPパネルの両側辺
    に,パネル面と直角方向のスリット無しの折り片を設け
    た請求項11に記載の乾式改装工法。
  13. 【請求項13】 充填剤は弾性接着剤とシーリング剤と
    からなる請求項11または12に記載の乾式改装工法。
JP20984898A 1998-07-24 1998-07-24 フェノールfrpパネルによる外壁の乾式改装工法 Expired - Fee Related JP2965551B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20984898A JP2965551B1 (ja) 1998-07-24 1998-07-24 フェノールfrpパネルによる外壁の乾式改装工法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20984898A JP2965551B1 (ja) 1998-07-24 1998-07-24 フェノールfrpパネルによる外壁の乾式改装工法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2965551B1 true JP2965551B1 (ja) 1999-10-18
JP2000045541A JP2000045541A (ja) 2000-02-15

Family

ID=16579633

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP20984898A Expired - Fee Related JP2965551B1 (ja) 1998-07-24 1998-07-24 フェノールfrpパネルによる外壁の乾式改装工法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2965551B1 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP2000045541A (ja) 2000-02-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6531334B2 (ja) 振動吸収用耐震パネルを備えた壁体断熱システム組立体
TWI352149B (ja)
JP4175658B2 (ja) 鉄筋コンクリート建物のコンクリート外壁への複合パネルの外張り施工方法
JPH08246609A (ja) 屋根構造
JP2965551B1 (ja) フェノールfrpパネルによる外壁の乾式改装工法
JP2791982B2 (ja) トンネル内装材の取付構造
JP4326572B2 (ja) 鉄筋コンクリート建物のコンクリート外壁への複合パネルの外張り施工方法
JP2004278224A (ja) 壁面施工アセンブリ,化粧板,化粧板固定部材,目地部材および壁面施工方法
JP4024489B2 (ja) 下地部材と係合する係合部材、下地部材組立体、及び、下地部材組立法
KR200421886Y1 (ko) 건축 외장재 고정용 패스너 연결장치
KR200421885Y1 (ko) 건축 외장재 고정용 패스너
JP2004019179A (ja) けい酸カルシウム板を用いた外断熱工法
JP3859471B2 (ja) 長尺要素の軽量気泡コンクリート部材への取り付け方法及びその取り付け方法を用いて長尺要素が取り付けられた軽量気泡コンクリート部材
CN217518481U (zh) 一种窗口连接结构
JP3061925B2 (ja) 硬質壁材の開口部取付構造
JP3753717B2 (ja) 通気性外断熱外壁の上部構造
KR200450324Y1 (ko) 외벽 베이스 부재 및 그것을 사용한 외벽 시공 구조
RU79911U1 (ru) Облицовочная панель для вентилируемого фасада
JPH06193225A (ja) 縦目地構造
JP3929682B2 (ja) レベル調整器具及び下地組工法、並びに、下地
JPH04501746A (ja) 構造パネル、構造パネル間の接合部、及び構造パネルの使用方法及び製造方法
Samples SECTION 04 40 00 ADHERED STONE MASONRY VENEER PART 1-GENERAL 1.1 DESCRIPTION
Sherwood Balk at Caulk-Guidelines for Repair of Joints in Historic Stone
JP4105925B2 (ja) 外壁材の改修方法
KING JR BOOK TWO OF TWO

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees