JP2964761B2 - 新規な水溶性テトラアザポルフィン、これを含む蛍光標識用色素、蛍光標識用色素で標識された生物由来物質、これらを含有する試薬及びこれらを用いた蛍光分析法 - Google Patents
新規な水溶性テトラアザポルフィン、これを含む蛍光標識用色素、蛍光標識用色素で標識された生物由来物質、これらを含有する試薬及びこれらを用いた蛍光分析法Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な水溶性テトラア
ザポルフィン、蛍光標識用色素、蛍光標識用色素で標識
された生物由来物質、これらを含有する試薬及びこれら
を用いた蛍光分析法に関する。
ザポルフィン、蛍光標識用色素、蛍光標識用色素で標識
された生物由来物質、これらを含有する試薬及びこれら
を用いた蛍光分析法に関する。
【0002】
【従来の技術】標識法は、古くから分子、細胞、抗原、
抗体、DNA、RNA、ポリペプチドなど数多くの物質
を対象にして利用されている。これまでは、その研究の
歴史が古いことからラジオアイソトープ(RI)法によ
る標識法が広く利用されていた。RIは、被爆の危険性
が高いために、その使用に際しては特殊な免許が必要で
あると同時に、特殊な実験室を必要とし、限られた施設
で限られた人しか用いることができなかった。
抗体、DNA、RNA、ポリペプチドなど数多くの物質
を対象にして利用されている。これまでは、その研究の
歴史が古いことからラジオアイソトープ(RI)法によ
る標識法が広く利用されていた。RIは、被爆の危険性
が高いために、その使用に際しては特殊な免許が必要で
あると同時に、特殊な実験室を必要とし、限られた施設
で限られた人しか用いることができなかった。
【0003】これに対して、着色物質、化学発光法及び
蛍光法などは、RIを用いる必要がないために、危険性
のない標識法として注目されている。着色物質は、検出
感度を高くできないためにRI法に置き換わるほどの有
用性はない。一方、化学発光法及び蛍光法は、検出感度
を高くすることができることから、RI法に替わる安全
な標識法とされている。しかしながら、化学発光法は2
種以上の化学反応の組み合せによる発光であるために、
その操作が繁雑となる。したがって、蛍光標識法が安
全、簡便、高感度という点において最も優れた標識法と
いうことになる。
蛍光法などは、RIを用いる必要がないために、危険性
のない標識法として注目されている。着色物質は、検出
感度を高くできないためにRI法に置き換わるほどの有
用性はない。一方、化学発光法及び蛍光法は、検出感度
を高くすることができることから、RI法に替わる安全
な標識法とされている。しかしながら、化学発光法は2
種以上の化学反応の組み合せによる発光であるために、
その操作が繁雑となる。したがって、蛍光標識法が安
全、簡便、高感度という点において最も優れた標識法と
いうことになる。
【0004】従来は、紫外域で蛍光を発する色素しか知
られていなかったが、最近、ローダミン系及びオキサジ
ン系色素が、アルゴンレーザ又はHe−Neレーザで励
起できる色素として、この分野で知られるようになって
きた。
られていなかったが、最近、ローダミン系及びオキサジ
ン系色素が、アルゴンレーザ又はHe−Neレーザで励
起できる色素として、この分野で知られるようになって
きた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】最近、光源としては、
小型の半導体レーザ(670〜840nm)が安価に入
手できるようになったことから、機器の安価、小型、軽
量化をめざし、今後これが主流となるものと考えられ
る。しかし、従来用いられているローダミン系色素及び
オキサジン系色素等はこの半導体レーザでは使用できな
い問題がある。
小型の半導体レーザ(670〜840nm)が安価に入
手できるようになったことから、機器の安価、小型、軽
量化をめざし、今後これが主流となるものと考えられ
る。しかし、従来用いられているローダミン系色素及び
オキサジン系色素等はこの半導体レーザでは使用できな
い問題がある。
【0006】最近、適度な蛍光量子収率を示し水に対し
て高い溶解性を示すフタロシアニンを蛍光標識用色素と
して用いることが提案された(WO特許第88/047
77号公報、WO特許第90/02747号公報)。し
かし、フタロシアニン類はそのQ−バンドの極大吸収域
及び蛍光発光域が670〜690nmの領域にあって、
発振波長が700nm以上の半導体レーザでは励起でき
ないばかりか、670〜680nmの半導体レーザを用
いた場合には、レーザの発振波長域と蛍光発光域が重な
っているために、検出される光が、発光された蛍光によ
るものであるのか、散乱されたレーザ光源によるものか
の区別ができないために、利用できない。つまり、主流
となっている半導体レーザを用いた系には全く使うこと
ができないという致命的な欠陥がある。
て高い溶解性を示すフタロシアニンを蛍光標識用色素と
して用いることが提案された(WO特許第88/047
77号公報、WO特許第90/02747号公報)。し
かし、フタロシアニン類はそのQ−バンドの極大吸収域
及び蛍光発光域が670〜690nmの領域にあって、
発振波長が700nm以上の半導体レーザでは励起でき
ないばかりか、670〜680nmの半導体レーザを用
いた場合には、レーザの発振波長域と蛍光発光域が重な
っているために、検出される光が、発光された蛍光によ
るものであるのか、散乱されたレーザ光源によるものか
の区別ができないために、利用できない。つまり、主流
となっている半導体レーザを用いた系には全く使うこと
ができないという致命的な欠陥がある。
【0007】また、生体内物質である血液中のヘムなど
が共存した系では、ヘムが700nm以下に吸収域を有
しており、フタロシアニンでは、これと重なるために、
生体内物質による測定上の妨害を受けるという問題があ
る。本発明は、血液中に存在するヘム等の生体内物質に
影響されずまた、安価で小型の半導体レーザ(670〜
840nm)を用いて測定するための、種々の抗原、薬
物、DNA等の分析やあるいはDNAの塩基配列の分析
等に有用な新規な化合物、蛍光標識色素、試薬及び臨床
検査試薬並びに蛍光分析法を提供するものである。
が共存した系では、ヘムが700nm以下に吸収域を有
しており、フタロシアニンでは、これと重なるために、
生体内物質による測定上の妨害を受けるという問題があ
る。本発明は、血液中に存在するヘム等の生体内物質に
影響されずまた、安価で小型の半導体レーザ(670〜
840nm)を用いて測定するための、種々の抗原、薬
物、DNA等の分析やあるいはDNAの塩基配列の分析
等に有用な新規な化合物、蛍光標識色素、試薬及び臨床
検査試薬並びに蛍光分析法を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記問題
を解決するため鋭意検討を行った結果、本発明に至った
ものである。本発明は下記(1)〜(12)に関するも
のである。すなわち、 (1)一般式(I)
を解決するため鋭意検討を行った結果、本発明に至った
ものである。本発明は下記(1)〜(12)に関するも
のである。すなわち、 (1)一般式(I)
【化3】 [一般式(I)中、Mは、H2、Mg、Al、Si、
P、Zn、Ga、Ge又はScを示し、Yは、ハロゲン
原子、−OR1、−NR2 2又は−SR3(ただし、R1、
R2及びR3は、それぞれ独立に水素原子、親水性置換基
を有してもよいアルキル基、親水性置換基を有してもよ
いアリール基、親水性置換基を有してもよいアラルキル
基、親水性置換基を有してもよいアシル基、親水性置換
基を有してもよいシリル基又は親水性置換基を有しても
よいリン原子含有基である)を示し、pは、YのMへの
結合数を表わす0〜2の整数を示し、Aは、m個の置換
基XQを有する2つ以上の芳香環が縮環した縮合多環芳
香族環を示し、Xは、酸素原子又はイオウ原子を示し、
Qは、飽和又は不飽和の炭化水素基又は複素環基を示
し、mは、4個のAについて、それぞれ独立に1〜4の
正の整数を示し、4個のnは、4個のAについて、それ
ぞれ独立に0以上の整数を示し、4n(4個のnの合
計)は、1以上の整数を示し、4n個の置換基(EZ)
は、それぞれ独立であってかつそれぞれ独立に、Aを構
成する縮合多環芳香族環及び/又はQに結合しており、
E及びZは、Zがアニオンの場合Eはカチオン性基、Z
がカチオンの場合Eはアニオン性基、Zがない場合には
Eはポリエチレングリコール残基、ポリエーテル残基、
ポリアミン残基、ポリアルコール残基又はポリカルボン
酸残基を含む結合基を示す]で表わされる新規な水溶性
テトラアザポルフィン。
P、Zn、Ga、Ge又はScを示し、Yは、ハロゲン
原子、−OR1、−NR2 2又は−SR3(ただし、R1、
R2及びR3は、それぞれ独立に水素原子、親水性置換基
を有してもよいアルキル基、親水性置換基を有してもよ
いアリール基、親水性置換基を有してもよいアラルキル
基、親水性置換基を有してもよいアシル基、親水性置換
基を有してもよいシリル基又は親水性置換基を有しても
よいリン原子含有基である)を示し、pは、YのMへの
結合数を表わす0〜2の整数を示し、Aは、m個の置換
基XQを有する2つ以上の芳香環が縮環した縮合多環芳
香族環を示し、Xは、酸素原子又はイオウ原子を示し、
Qは、飽和又は不飽和の炭化水素基又は複素環基を示
し、mは、4個のAについて、それぞれ独立に1〜4の
正の整数を示し、4個のnは、4個のAについて、それ
ぞれ独立に0以上の整数を示し、4n(4個のnの合
計)は、1以上の整数を示し、4n個の置換基(EZ)
は、それぞれ独立であってかつそれぞれ独立に、Aを構
成する縮合多環芳香族環及び/又はQに結合しており、
E及びZは、Zがアニオンの場合Eはカチオン性基、Z
がカチオンの場合Eはアニオン性基、Zがない場合には
Eはポリエチレングリコール残基、ポリエーテル残基、
ポリアミン残基、ポリアルコール残基又はポリカルボン
酸残基を含む結合基を示す]で表わされる新規な水溶性
テトラアザポルフィン。
【0009】(2) 一般式(II)
【化4】 [一般式(II)中、Mは、H2、Mg、Al、Si、
P、Zn、Ga、Ge又はScを示し、Yは、ハロゲン
原子、−OR1、−NR2 2又は−SR3(ただし、R1、
R2及びR3は、それぞれ独立に水素原子、親水性置換基
を有してもよいアルキル基、親水性置換基を有してもよ
いアリール基、親水基を有してもよいアラルキル基、親
水性置換基を有してもよいアシル基、親水性置換基を有
してもよいシリル基又は親水性置換基を有してもよいリ
ン原子含有基である)を示し、pは、YのMへの結合数
を表わす0〜2の整数を示し、Aは、m個の置換基XQ
又はQを有していてもよい2つ以上の芳香環が縮環した
縮合多環芳香族環を示し、Xは、酸素原子、イオウ原
子、窒素原子、リン原子、ケイ素原子、セレン原子、N
H・CO、NH・PO2、NH・SO2、O・CO、O・
SO2、O・P O2、S・CO、S・SO2、S・PO2、CO、S
O2又はPO2を示し、Qは、飽和又は不飽和の炭化水素
基又は複素環基を示し、mは、4個のAについて、それ
ぞれ独立に1〜4の整数を示し、4個のnは、4個のA
について、それぞれ独立に0以上の整数を示し、4n
(4個のnの合計)は、1以上の整数を示し、4n個の
置換基(EZ)は、それぞれ独立であってかつそれぞれ
独立に、Aを構成する縮合多環芳香族環及び/又はQに
結合しており、E及びZは、Zがアニオンの場合Eはカ
チオン、Zがカチオンの場合Eはアニオン、Zがない場
合にはEはポリエチレングリコール残基、ポリエーテル
残基、ポリアミン残基、ポリアルコール残基又はポリカ
ルボン酸残基を含む結合基を示す]で表わされる化合物
からなる蛍光標識用色素。
P、Zn、Ga、Ge又はScを示し、Yは、ハロゲン
原子、−OR1、−NR2 2又は−SR3(ただし、R1、
R2及びR3は、それぞれ独立に水素原子、親水性置換基
を有してもよいアルキル基、親水性置換基を有してもよ
いアリール基、親水基を有してもよいアラルキル基、親
水性置換基を有してもよいアシル基、親水性置換基を有
してもよいシリル基又は親水性置換基を有してもよいリ
ン原子含有基である)を示し、pは、YのMへの結合数
を表わす0〜2の整数を示し、Aは、m個の置換基XQ
又はQを有していてもよい2つ以上の芳香環が縮環した
縮合多環芳香族環を示し、Xは、酸素原子、イオウ原
子、窒素原子、リン原子、ケイ素原子、セレン原子、N
H・CO、NH・PO2、NH・SO2、O・CO、O・
SO2、O・P O2、S・CO、S・SO2、S・PO2、CO、S
O2又はPO2を示し、Qは、飽和又は不飽和の炭化水素
基又は複素環基を示し、mは、4個のAについて、それ
ぞれ独立に1〜4の整数を示し、4個のnは、4個のA
について、それぞれ独立に0以上の整数を示し、4n
(4個のnの合計)は、1以上の整数を示し、4n個の
置換基(EZ)は、それぞれ独立であってかつそれぞれ
独立に、Aを構成する縮合多環芳香族環及び/又はQに
結合しており、E及びZは、Zがアニオンの場合Eはカ
チオン、Zがカチオンの場合Eはアニオン、Zがない場
合にはEはポリエチレングリコール残基、ポリエーテル
残基、ポリアミン残基、ポリアルコール残基又はポリカ
ルボン酸残基を含む結合基を示す]で表わされる化合物
からなる蛍光標識用色素。
【0010】 (3) 上記(2)記載の蛍光標識用色素を含有する試
薬。 (4) 上記(2)記載の蛍光標識用色素及び非イオン
系界面活性剤を含有する試薬。 (5) 上記(2)記載の蛍光標識用色素で標識された
生物由来物質。 (6) 上記(5)記載の標識された生物由来物質を含
有する試薬。 (7) 上記(5)記載の標識された生物由来物質及び
非イオン系界面活性剤を含有する試薬。 (8) 生物由来物質が抗原、抗体又はヌクレオチドで
ある上記(5)記載の生物由来物質又は上記(6)又は
(7)記載の試薬。 (9) 抗原が薬物である上記(8)記載の生物由来物
質又は試薬。 (10) 抗体がモノクローナル抗体である上記(8)
記載の生物由来物質又は試薬。 (11) ヌクレオチドがオリゴヌクレオチド又はポリ
ヌクレオチドである上記(8)記載の生物由来物質又は
試薬。 (12) ヌクレオチドがATP、CTP、GTP、T
TP、UTP、dATP、dCTP、dGTP、dTT
P、dUTP、ddATP、ddCTP、ddGTP、
ddTTP、ddUTP又はこれらの誘導体である上記
(8)記載の生物由来物質又は試薬。 (13) (2)記載の蛍光標識用色素を蛍光標識とし
て用いることを特徴とする蛍光分析法。 (14) 光源として波長670〜840nmの半導体
レーザーを用いる(13)記載の蛍光分析法。 (15) (5)記載の標識された生物由来物質を用い
る(13)又は(14)記載の蛍光分析法。
薬。 (4) 上記(2)記載の蛍光標識用色素及び非イオン
系界面活性剤を含有する試薬。 (5) 上記(2)記載の蛍光標識用色素で標識された
生物由来物質。 (6) 上記(5)記載の標識された生物由来物質を含
有する試薬。 (7) 上記(5)記載の標識された生物由来物質及び
非イオン系界面活性剤を含有する試薬。 (8) 生物由来物質が抗原、抗体又はヌクレオチドで
ある上記(5)記載の生物由来物質又は上記(6)又は
(7)記載の試薬。 (9) 抗原が薬物である上記(8)記載の生物由来物
質又は試薬。 (10) 抗体がモノクローナル抗体である上記(8)
記載の生物由来物質又は試薬。 (11) ヌクレオチドがオリゴヌクレオチド又はポリ
ヌクレオチドである上記(8)記載の生物由来物質又は
試薬。 (12) ヌクレオチドがATP、CTP、GTP、T
TP、UTP、dATP、dCTP、dGTP、dTT
P、dUTP、ddATP、ddCTP、ddGTP、
ddTTP、ddUTP又はこれらの誘導体である上記
(8)記載の生物由来物質又は試薬。 (13) (2)記載の蛍光標識用色素を蛍光標識とし
て用いることを特徴とする蛍光分析法。 (14) 光源として波長670〜840nmの半導体
レーザーを用いる(13)記載の蛍光分析法。 (15) (5)記載の標識された生物由来物質を用い
る(13)又は(14)記載の蛍光分析法。
【0011】一般式(I)で表わされる新規なテトラア
ザポルフィン誘導体は、水だけでなく、メタノール、エ
タノールなどの極性有機溶媒にも優れた溶解性を示すこ
とから、クロマトグラフィー法、再結晶法及び再沈殿法
などにより、容易に精製し純度を向上できる。
ザポルフィン誘導体は、水だけでなく、メタノール、エ
タノールなどの極性有機溶媒にも優れた溶解性を示すこ
とから、クロマトグラフィー法、再結晶法及び再沈殿法
などにより、容易に精製し純度を向上できる。
【0012】本発明の一般式(I)の化合物においてR
1、R2及びR3の親水性置換基を有してもよいアルキル
基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル
基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、
オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、テトラ
デシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、エイコシ
ル基、ドコシル基等の直鎖、分枝及び環状の基又はこれ
らに、水酸基、カルボン酸基、スルホン酸基、リン酸基
等の親水性置換基が結合した基があり、親水性置換基を
有してもよいアリール基としては、フェニル基、ビフェ
ニル基、ターフェニル基、クメニル基、フリル基、チエ
ニル基、ピロリル基又はこれらに水酸基、カルボン酸
基、スルホン酸基、リン酸基等の親水性置換基が結合し
た基があり、親水性置換基を有してもよいアラルキル基
としては、ベンジル基、フェネチル基又はこれらに水酸
基、カルボン酸基、スルホン酸基、リン酸基等の親水性
置換基が結合した基があり、親水性置換基を有してもよ
いアシル基の例としては、ホルミル基、アセチル基、プ
ロピオニル基、ブチリル基、バレリル基、ピバロイル
基、ヘキサノイル基、オクタノイル基、ラウロイル基、
パルミトイル基、ステアロイル基等の直鎖、分枝及び環
状の基又はこれらに水酸基、カルボン酸基、スルホン酸
基、リン酸基等の親水性置換基が結合した基があり、親
水性置換基を有してもよいシリル基としては、トリメチ
ルシリル基、トリエチルシリル基、トリプロピルシリル
基、トリブチルシリル基、トリアミルシリル基、トリヘ
キシルシリル基、ジメチルフェニルシリル基、ジフェニ
ルメチルシリル基、トリフェニルシリル基等の直鎖、分
枝及び環状の基を持つシリル基又はこれらに水酸基、カ
ルボン酸基、スルホン酸基、リン酸基等の親水性置換基
が結合した基があり、親水性置換基を有してもよいリン
原子含有基としては、リン酸残基、リン酸エステル等が
ある。
1、R2及びR3の親水性置換基を有してもよいアルキル
基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル
基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、
オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、テトラ
デシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、エイコシ
ル基、ドコシル基等の直鎖、分枝及び環状の基又はこれ
らに、水酸基、カルボン酸基、スルホン酸基、リン酸基
等の親水性置換基が結合した基があり、親水性置換基を
有してもよいアリール基としては、フェニル基、ビフェ
ニル基、ターフェニル基、クメニル基、フリル基、チエ
ニル基、ピロリル基又はこれらに水酸基、カルボン酸
基、スルホン酸基、リン酸基等の親水性置換基が結合し
た基があり、親水性置換基を有してもよいアラルキル基
としては、ベンジル基、フェネチル基又はこれらに水酸
基、カルボン酸基、スルホン酸基、リン酸基等の親水性
置換基が結合した基があり、親水性置換基を有してもよ
いアシル基の例としては、ホルミル基、アセチル基、プ
ロピオニル基、ブチリル基、バレリル基、ピバロイル
基、ヘキサノイル基、オクタノイル基、ラウロイル基、
パルミトイル基、ステアロイル基等の直鎖、分枝及び環
状の基又はこれらに水酸基、カルボン酸基、スルホン酸
基、リン酸基等の親水性置換基が結合した基があり、親
水性置換基を有してもよいシリル基としては、トリメチ
ルシリル基、トリエチルシリル基、トリプロピルシリル
基、トリブチルシリル基、トリアミルシリル基、トリヘ
キシルシリル基、ジメチルフェニルシリル基、ジフェニ
ルメチルシリル基、トリフェニルシリル基等の直鎖、分
枝及び環状の基を持つシリル基又はこれらに水酸基、カ
ルボン酸基、スルホン酸基、リン酸基等の親水性置換基
が結合した基があり、親水性置換基を有してもよいリン
原子含有基としては、リン酸残基、リン酸エステル等が
ある。
【0013】置換基XQにおける、Qで表わされる飽和
又は不飽和の直鎖状、分枝状又は環状の炭化水素基の具
体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソ
プロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル
基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル
基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチ
ル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル
基、ビニル基、1−プロペニル基、アリル基、イソプロ
ペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、2−ペン
テニル基、エチニル基、シクロプロピル基、シクロブチ
ル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘ
キセニル基、フェニル基、トリル基、キシリル基、メシ
チル基、クメニル基、ベンジル基、フェネチル基、ナフ
チル基等があり、複素環基の具体例としては、フリル
基、チエニル基、ピロリル基等がある。Zで表わされる
アニオンの例としては、Cl-、Br-、I-、Cl
O4 -、SO4 2-、PO4 3-などがあり、Zで表わされるカ
チオンの例としては、H+、Li+、Na+、K+、M
g2+、Ca2+、アンモニウムイオンなどがあり、Eで表
わされるカチオン性基としては、
又は不飽和の直鎖状、分枝状又は環状の炭化水素基の具
体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソ
プロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル
基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル
基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチ
ル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル
基、ビニル基、1−プロペニル基、アリル基、イソプロ
ペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、2−ペン
テニル基、エチニル基、シクロプロピル基、シクロブチ
ル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘ
キセニル基、フェニル基、トリル基、キシリル基、メシ
チル基、クメニル基、ベンジル基、フェネチル基、ナフ
チル基等があり、複素環基の具体例としては、フリル
基、チエニル基、ピロリル基等がある。Zで表わされる
アニオンの例としては、Cl-、Br-、I-、Cl
O4 -、SO4 2-、PO4 3-などがあり、Zで表わされるカ
チオンの例としては、H+、Li+、Na+、K+、M
g2+、Ca2+、アンモニウムイオンなどがあり、Eで表
わされるカチオン性基としては、
【化5】 (ただし、R4及びR5は、前記R1、R2、R3で示した
親水性置換基を有してもよいアルキル基、親水性置換基
を有してもよいアリール基及び親水性置換基を有しても
よいアラルキル基と同意義。)などがありEで表わされ
るアニオン性基としては、−COO-、−OSO3 -、−
OPO3 -、−SO3 -などがあり、Aで表わされる2つ以
上の芳香環が縮環した縮合多環芳香族環としては、ナフ
タレン環、アントラセン環、フェナントレン環、キノリ
ン環、キノキザリン環、クリセン環などがあり、その結
合位置は特に制限しない。
親水性置換基を有してもよいアルキル基、親水性置換基
を有してもよいアリール基及び親水性置換基を有しても
よいアラルキル基と同意義。)などがありEで表わされ
るアニオン性基としては、−COO-、−OSO3 -、−
OPO3 -、−SO3 -などがあり、Aで表わされる2つ以
上の芳香環が縮環した縮合多環芳香族環としては、ナフ
タレン環、アントラセン環、フェナントレン環、キノリ
ン環、キノキザリン環、クリセン環などがあり、その結
合位置は特に制限しない。
【0014】これらの置換基の種類及び形状は、前記一
般式(I)で表わされる新規なテトラアザポルフィンを
水あるいは極性有機溶媒に溶解するときの溶解度だけで
なく、溶液中における吸収スペクトル波形及び吸収極大
波長あるいは蛍光発光極大波長及び蛍光発光強度に大き
な影響を及ぼす。
般式(I)で表わされる新規なテトラアザポルフィンを
水あるいは極性有機溶媒に溶解するときの溶解度だけで
なく、溶液中における吸収スペクトル波形及び吸収極大
波長あるいは蛍光発光極大波長及び蛍光発光強度に大き
な影響を及ぼす。
【0015】またpは、YのMへの結合数を表わす0〜
2の整数を示し、MがH2、Mg、Znの場合pは0、
MがAl、Sc、Gaの場合pは1、MがSi、P、G
eの場合pは2を表わす。一般式(I)の化合物におい
てEZで表わされる水溶性基は、Aで表わされる縮合多
環芳香族環及び/又はその芳香族環に結合しているQに
結合している。このEZが結合している位置について
は、一般式(I)の化合物の合成経路の違いによって決
まる。たとえば、後述する実施例3に示すように、特別
な置換基を持たないQを有する化合物に、後から水溶性
を付与できる基を導入する場合、水溶性であるスルホン
酸基は、Aで表わされる縮合多環芳香族環とQで表わさ
れるベンゼン環の両方に置換している。一方、後述する
実施例4で示すように、加水分解することによりEZと
なりうる置換基(エステル基)を有するXQをAで表わ
される縮合多環芳香族環に導入後、加水分解すれば、水
溶性基EZは、Qにのみ置換していることになる。
2の整数を示し、MがH2、Mg、Znの場合pは0、
MがAl、Sc、Gaの場合pは1、MがSi、P、G
eの場合pは2を表わす。一般式(I)の化合物におい
てEZで表わされる水溶性基は、Aで表わされる縮合多
環芳香族環及び/又はその芳香族環に結合しているQに
結合している。このEZが結合している位置について
は、一般式(I)の化合物の合成経路の違いによって決
まる。たとえば、後述する実施例3に示すように、特別
な置換基を持たないQを有する化合物に、後から水溶性
を付与できる基を導入する場合、水溶性であるスルホン
酸基は、Aで表わされる縮合多環芳香族環とQで表わさ
れるベンゼン環の両方に置換している。一方、後述する
実施例4で示すように、加水分解することによりEZと
なりうる置換基(エステル基)を有するXQをAで表わ
される縮合多環芳香族環に導入後、加水分解すれば、水
溶性基EZは、Qにのみ置換していることになる。
【0016】本発明に係る新規なテトラアザポルフィン
の具体例を例示化合物として表1〜表6に示す。
の具体例を例示化合物として表1〜表6に示す。
【表1】
【0017】
【表2】
【0018】
【表3】
【0019】
【表4】
【0020】
【表5】
【0021】
【表6】
【0022】一般式(I)で示される新規な水溶性テト
ラアザポルフィンは、種々の合成方法によって得ること
ができる。例えば、次の経路により合成できる。
ラアザポルフィンは、種々の合成方法によって得ること
ができる。例えば、次の経路により合成できる。
【化6】 ここで、NcAは一般式(I)において、−Yp、−
(EZ)n及びXQを除いた部分を示し、YR−NcA
−XQ−EZは、一般式(I)中、Yが−OR1、−N
R2 2又は−SR3(但し、RがHの場合を除く)であ
り、XQ及びEZを有する化合物であり、YH−NcA
−XQ−EZは、一般式(I)中、Yが−OH、−NH
2又は−SHであり、XQ及びEZを有する化合物であ
り、YX−NcA−XQ−EZは、一般式(I)中、Y
がハロゲン原子であり、XQ及びEZを有する化合物で
あり、YR−NcA−XQは、一般式(I)において、
Yが−OR1、−NR2 2又は−SR3(但し、RがHの場
合を除く)であり、XQを有し、加水分解することによ
りEZとなりうる置換基をNcAの縮合多環芳香族環上
又はXQに有していてもよい化合物であり、YH−Nc
A−XQは、一般式(I)において、Yが−OH、−N
H2又は−SHであり、XQを有し、加水分解すること
によりEZとなりうる置換基をNcAの縮合多環芳香族
環上又はXQに有していてもよい化合物であり、YX−
NcA−XQは、一般式(I)において、Yがハロゲン
原子であり、XQを有し、加水分解することによりEZ
となりうる置換基をNcAの縮合多環芳香族環上又はX
Qに有していてもよい化合物であり、YR−NcAは、
一般式(I)において、Yが−OR1、−NR2 2又は−
SR3(但し、RがHの場合を除く)であり、XQと置
換可能な脱離基を有してもよい化合物であり、YH−N
cAは、一般式(I)において、Yが−OH、−NH2
又は−SHであり、XQと置換可能な脱離基を有してい
てもよい化合物であり、YX−NcAは、一般式(I)
において、Yがハロゲン原子であり、XQと置換可能な
脱離基を有していてもよい化合物である。上記経路にお
いて各化合物間の反応は、周知のものであり、導入する
構造によって相違する。またその好ましい経路は、得る
べき最終化合物によって異なる。上記経路において、下
の化合物から上の化合物への変更、即ち、YXからYHへ
の置換は、加水分解(YHが−OHの場合)、加アンモ
ニア分解(YHが−NH2の場合)等により行うことがで
き、また、YHからYRへの置換は、相当するアルコー
ル、アシルクロリド、シラノール、クロロシラン、クロ
ロホスフィン、クロロホスファイト、ホスフォリルクロ
リドなどを反応させることによって、行うことができ
る。また、上記経路において、右の化合物から左の化合
物への変更、即ち、XQ及びEZの導入は、所望のこれ
らを有するか又はこれらに成りうる部位を有する化学種
を、一工程又は複数の工程により反応させて行うことが
できる。なお、上記経路において、点線内が一般式
(I)で示される化合物である。
(EZ)n及びXQを除いた部分を示し、YR−NcA
−XQ−EZは、一般式(I)中、Yが−OR1、−N
R2 2又は−SR3(但し、RがHの場合を除く)であ
り、XQ及びEZを有する化合物であり、YH−NcA
−XQ−EZは、一般式(I)中、Yが−OH、−NH
2又は−SHであり、XQ及びEZを有する化合物であ
り、YX−NcA−XQ−EZは、一般式(I)中、Y
がハロゲン原子であり、XQ及びEZを有する化合物で
あり、YR−NcA−XQは、一般式(I)において、
Yが−OR1、−NR2 2又は−SR3(但し、RがHの場
合を除く)であり、XQを有し、加水分解することによ
りEZとなりうる置換基をNcAの縮合多環芳香族環上
又はXQに有していてもよい化合物であり、YH−Nc
A−XQは、一般式(I)において、Yが−OH、−N
H2又は−SHであり、XQを有し、加水分解すること
によりEZとなりうる置換基をNcAの縮合多環芳香族
環上又はXQに有していてもよい化合物であり、YX−
NcA−XQは、一般式(I)において、Yがハロゲン
原子であり、XQを有し、加水分解することによりEZ
となりうる置換基をNcAの縮合多環芳香族環上又はX
Qに有していてもよい化合物であり、YR−NcAは、
一般式(I)において、Yが−OR1、−NR2 2又は−
SR3(但し、RがHの場合を除く)であり、XQと置
換可能な脱離基を有してもよい化合物であり、YH−N
cAは、一般式(I)において、Yが−OH、−NH2
又は−SHであり、XQと置換可能な脱離基を有してい
てもよい化合物であり、YX−NcAは、一般式(I)
において、Yがハロゲン原子であり、XQと置換可能な
脱離基を有していてもよい化合物である。上記経路にお
いて各化合物間の反応は、周知のものであり、導入する
構造によって相違する。またその好ましい経路は、得る
べき最終化合物によって異なる。上記経路において、下
の化合物から上の化合物への変更、即ち、YXからYHへ
の置換は、加水分解(YHが−OHの場合)、加アンモ
ニア分解(YHが−NH2の場合)等により行うことがで
き、また、YHからYRへの置換は、相当するアルコー
ル、アシルクロリド、シラノール、クロロシラン、クロ
ロホスフィン、クロロホスファイト、ホスフォリルクロ
リドなどを反応させることによって、行うことができ
る。また、上記経路において、右の化合物から左の化合
物への変更、即ち、XQ及びEZの導入は、所望のこれ
らを有するか又はこれらに成りうる部位を有する化学種
を、一工程又は複数の工程により反応させて行うことが
できる。なお、上記経路において、点線内が一般式
(I)で示される化合物である。
【0023】また、上式で、YX−NcA−XQ−E
Z、YX−NcA−XQ及びYX−NcAで表わされる化
合物は、文献(Zh.Obshch.Khim.第39
巻、2554−2558頁(1969年)、J.Am.
Chem.Soc.第106巻、7404−7410頁
(1984年)、Zh.Obshch.Khim.第3
9巻、2536−2541頁(1969年)、Che
m.Ber.第121巻、1479−1486頁(19
88年)、Synthetic Metals、第9
巻、329−340頁(1984年)等)の方法を参考
にして、相当するジシアノ芳香族化合物又はイソインド
リン誘導体から合成することができる。
Z、YX−NcA−XQ及びYX−NcAで表わされる化
合物は、文献(Zh.Obshch.Khim.第39
巻、2554−2558頁(1969年)、J.Am.
Chem.Soc.第106巻、7404−7410頁
(1984年)、Zh.Obshch.Khim.第3
9巻、2536−2541頁(1969年)、Che
m.Ber.第121巻、1479−1486頁(19
88年)、Synthetic Metals、第9
巻、329−340頁(1984年)等)の方法を参考
にして、相当するジシアノ芳香族化合物又はイソインド
リン誘導体から合成することができる。
【0024】本発明における蛍光標識用色素としては、
一般式(I)で表わされる新規なテトラアザポルフィン
誘導体はすべて使用可能であるだけでなく、他の用途と
して提案されている(US特許第4,657,554号
公報、特開昭第57−210000号公報、特開昭第6
0−199890号公報、特開平第1−130978号
公報、特開平第1−198391号公報等)水溶性テト
ラアザポルフィンの中にも利用できるものがある。それ
らを含めた本発明の蛍光標識用色素として用いられる化
合物が前記一般式(II)で表わされる。
一般式(I)で表わされる新規なテトラアザポルフィン
誘導体はすべて使用可能であるだけでなく、他の用途と
して提案されている(US特許第4,657,554号
公報、特開昭第57−210000号公報、特開昭第6
0−199890号公報、特開平第1−130978号
公報、特開平第1−198391号公報等)水溶性テト
ラアザポルフィンの中にも利用できるものがある。それ
らを含めた本発明の蛍光標識用色素として用いられる化
合物が前記一般式(II)で表わされる。
【0025】本発明の一般式(II)の化合物において
R1、R2及びR3は、一般式(I)において説明したも
のと同意義であり、Qで表わされる炭化水素基及び複素
環基の具体例についても、一般式(I)で説明したとう
りである。また、p及びEZに関する説明も、一般式
(I)と同じ意味である。さらに、それらの製造法は、
特に制限はなく、例えば、前述の一般式(I)の化合物
の製造法と同様の経路で製造することができる。
R1、R2及びR3は、一般式(I)において説明したも
のと同意義であり、Qで表わされる炭化水素基及び複素
環基の具体例についても、一般式(I)で説明したとう
りである。また、p及びEZに関する説明も、一般式
(I)と同じ意味である。さらに、それらの製造法は、
特に制限はなく、例えば、前述の一般式(I)の化合物
の製造法と同様の経路で製造することができる。
【0026】蛍光標識色素として用いるために要求され
る最も重要な特徴は、蛍光量子収率が高い(>0.1)
ことである。テトラアザポルフィン誘導体が、このよう
な高い蛍光量子収率を示すためには、中心金属は重金属
並びに遷移金属でないこと、及び、テトラアザポルフィ
ンが溶液中で単分子状態であることが必要である。この
ようなことから、中心金属Mは、H2、Mg、Al、S
i、P、Zn、Ga、Ge又はScとされる。特に、中
心金属MをSi又はGeという4価金属とし、Mに2つ
の置換基Yをテトラアザポルフィン環の上下に有する化
合物を用いるか、あるいは、テトラアザポルフィン環に
立体障害の大きな置換基を導入して、テトラアザポルフ
ィンに特徴的な分子間のface−to−face H
−会合体生成を抑えることにより、溶液中において単分
子状態を保てるようにすることが最も好ましい。水溶液
中において単分子状態を実現するためには、他に、界面
活性剤を共存させるのが好ましく、その濃度は0.01
〜5重量%の範囲が好ましく、さらには0.04〜2重
量%が好ましい。
る最も重要な特徴は、蛍光量子収率が高い(>0.1)
ことである。テトラアザポルフィン誘導体が、このよう
な高い蛍光量子収率を示すためには、中心金属は重金属
並びに遷移金属でないこと、及び、テトラアザポルフィ
ンが溶液中で単分子状態であることが必要である。この
ようなことから、中心金属Mは、H2、Mg、Al、S
i、P、Zn、Ga、Ge又はScとされる。特に、中
心金属MをSi又はGeという4価金属とし、Mに2つ
の置換基Yをテトラアザポルフィン環の上下に有する化
合物を用いるか、あるいは、テトラアザポルフィン環に
立体障害の大きな置換基を導入して、テトラアザポルフ
ィンに特徴的な分子間のface−to−face H
−会合体生成を抑えることにより、溶液中において単分
子状態を保てるようにすることが最も好ましい。水溶液
中において単分子状態を実現するためには、他に、界面
活性剤を共存させるのが好ましく、その濃度は0.01
〜5重量%の範囲が好ましく、さらには0.04〜2重
量%が好ましい。
【0027】上記界面活性剤としては、イオン系界面活
性剤又は非イオン系界面活性剤があげられ、その中でも
トリトンX−100、ツウィーン(Tween)系、ブ
リッジ(Brij)系などの非イオン系界面活性剤が特
に好ましい。このようにして得られる水溶液中で単分子
状態を示すテトラアザポルフィンは、蛍光標識色素とし
て使用するに充分な高い蛍光量子収率(>0.1)を示
す。特に、水及び極性有機溶媒に対する溶解度が高く合
成時の分離精製が容易であり、蛍光量子収率も高い(>
0.29)という点で、一般式(I)で表わされる新規
なテトラアザポルフィンを用いるのが特に好ましい。
性剤又は非イオン系界面活性剤があげられ、その中でも
トリトンX−100、ツウィーン(Tween)系、ブ
リッジ(Brij)系などの非イオン系界面活性剤が特
に好ましい。このようにして得られる水溶液中で単分子
状態を示すテトラアザポルフィンは、蛍光標識色素とし
て使用するに充分な高い蛍光量子収率(>0.1)を示
す。特に、水及び極性有機溶媒に対する溶解度が高く合
成時の分離精製が容易であり、蛍光量子収率も高い(>
0.29)という点で、一般式(I)で表わされる新規
なテトラアザポルフィンを用いるのが特に好ましい。
【0028】本発明に係る蛍光標識色素として用いるこ
とができるテトラアザポルフィンとしては、表1〜6に
示した一般式(I)で表わされる新規なテトラアザポル
フィンの外に一般式(II)に含まれる、例えば表7〜
9に示すものも使用可能である。
とができるテトラアザポルフィンとしては、表1〜6に
示した一般式(I)で表わされる新規なテトラアザポル
フィンの外に一般式(II)に含まれる、例えば表7〜
9に示すものも使用可能である。
【表7】
【0029】
【表8】
【0030】
【表9】
【0031】前述の蛍光標識色素は、各種蛍光分析のた
めの試薬とすることができる。該試薬は前述のように、
その色素の種類によっては非イオン系界面活性剤を含む
ことが好ましい。実際には前記蛍光標識色素は、分析の
目的に応じて、種々の物質に結合されて試薬とされる。
免疫分析に用いられる場合、該物質は、各種抗原(ハプ
テンや薬物等も含む)、抗体であり、DNAの塩基配列
分析や、DNAプローブとして、分析に用いられる場合
は、該DNAすなわちヌクレオチドである。これらの分
析等を含め、特に生物由来物質の蛍光標識として用いら
れることが多い。本発明において用いられる前記蛍光標
識色素で標識できる生物由来物質としては、動物、植
物、微生物(ウイルスを含む)等の生物から得られるタ
ンパク質・ペプチド、ヌクレオチド、糖類、脂質、ホル
モン、ビタミン、アルカロイド、抗生物質、それらの複
合物等があり、これらは、天然から抽出したもの、人工
的に完全合成したもの、あるいは人工的に半合成したも
ののいずれかであってもよい。タンパク質、ペプチドの
具体例としては、血清アルブミン、IgG、IgA、I
gM、IgD、IgE等の免疫グロブリン、種々のタン
パク質や白血球の膜抗原に対するモノクローナル抗体、
パーオキシダーゼ、グルコースオキシダーゼ、アルカリ
ホスファターゼ等の酵素等が挙げられ、ヌクレオチドの
具体例としてはDNA、RNA、合成オリゴヌクレオチ
ド、合成ポリヌクレオチド、ATP、CTP、GTP、
TTP、UTP、dATP、dCTP、dGTP、dT
TP、dUTP、ddATP、ddCTP、ddGT
P、ddTTP、ddUTP、あるいはそれらの誘導体
等が挙げられ、糖類の具体例としては、グリコーゲン、
デンプン、マンナン等の多糖類のほかオリゴ糖やグルコ
ース、マンノース等の単糖類が挙げられ、脂質として
は、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノラミ
ン、脂肪、脂肪酸等が挙げられ、ホルモンとしてはイン
シュリン、成長ホルモン、オキシトシン、バソプレッシ
ン、セクレチン、上皮細胞成長因子、ガストリン、グル
カゴン、カルシトニン等のペプチド性ホルモン、アンド
ロゲン、エストロゲン、ハイドロコーチゾン等のステロ
イドホルモン、アドレナリン、ノルアドレナリン等のカ
テコラミン類等が挙げられ、ビタミンとしてはビタミン
A、ビタミンB1、B2、B6、B12、ビオチン、葉酸、
ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE等の各種ビタミン
が挙げられ、アルカロイドとしてはモルフィン等のアヘ
ンアルカロイド、アトロピン、スコポラミン等のトロパ
ンアルカロイド、ビンブラスチン、ビンクリスチン等の
インドールアルカロイド、オウレン等のイソキノリンア
ルカロイド等が挙げられ、抗生物質としては、ペニシリ
ン、セファロスポリン、カナマイシン、エリスロマイシ
ン、クロラムフェニコール等が挙げられる。
めの試薬とすることができる。該試薬は前述のように、
その色素の種類によっては非イオン系界面活性剤を含む
ことが好ましい。実際には前記蛍光標識色素は、分析の
目的に応じて、種々の物質に結合されて試薬とされる。
免疫分析に用いられる場合、該物質は、各種抗原(ハプ
テンや薬物等も含む)、抗体であり、DNAの塩基配列
分析や、DNAプローブとして、分析に用いられる場合
は、該DNAすなわちヌクレオチドである。これらの分
析等を含め、特に生物由来物質の蛍光標識として用いら
れることが多い。本発明において用いられる前記蛍光標
識色素で標識できる生物由来物質としては、動物、植
物、微生物(ウイルスを含む)等の生物から得られるタ
ンパク質・ペプチド、ヌクレオチド、糖類、脂質、ホル
モン、ビタミン、アルカロイド、抗生物質、それらの複
合物等があり、これらは、天然から抽出したもの、人工
的に完全合成したもの、あるいは人工的に半合成したも
ののいずれかであってもよい。タンパク質、ペプチドの
具体例としては、血清アルブミン、IgG、IgA、I
gM、IgD、IgE等の免疫グロブリン、種々のタン
パク質や白血球の膜抗原に対するモノクローナル抗体、
パーオキシダーゼ、グルコースオキシダーゼ、アルカリ
ホスファターゼ等の酵素等が挙げられ、ヌクレオチドの
具体例としてはDNA、RNA、合成オリゴヌクレオチ
ド、合成ポリヌクレオチド、ATP、CTP、GTP、
TTP、UTP、dATP、dCTP、dGTP、dT
TP、dUTP、ddATP、ddCTP、ddGT
P、ddTTP、ddUTP、あるいはそれらの誘導体
等が挙げられ、糖類の具体例としては、グリコーゲン、
デンプン、マンナン等の多糖類のほかオリゴ糖やグルコ
ース、マンノース等の単糖類が挙げられ、脂質として
は、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノラミ
ン、脂肪、脂肪酸等が挙げられ、ホルモンとしてはイン
シュリン、成長ホルモン、オキシトシン、バソプレッシ
ン、セクレチン、上皮細胞成長因子、ガストリン、グル
カゴン、カルシトニン等のペプチド性ホルモン、アンド
ロゲン、エストロゲン、ハイドロコーチゾン等のステロ
イドホルモン、アドレナリン、ノルアドレナリン等のカ
テコラミン類等が挙げられ、ビタミンとしてはビタミン
A、ビタミンB1、B2、B6、B12、ビオチン、葉酸、
ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE等の各種ビタミン
が挙げられ、アルカロイドとしてはモルフィン等のアヘ
ンアルカロイド、アトロピン、スコポラミン等のトロパ
ンアルカロイド、ビンブラスチン、ビンクリスチン等の
インドールアルカロイド、オウレン等のイソキノリンア
ルカロイド等が挙げられ、抗生物質としては、ペニシリ
ン、セファロスポリン、カナマイシン、エリスロマイシ
ン、クロラムフェニコール等が挙げられる。
【0032】生物由来物質と蛍光標識色素を結合させる
ためには、生物由来物質中のリン酸基、カルボン酸、ア
ミノ基、水酸基、チオール基等の官能基と蛍光標識用色
素中のカルボキシル基、スルフォン基等の官能基を、イ
オン結合的又は共有結合的に直接結合させるか、あるい
は結合生成反応がしやすいように、リンカーと呼ばれる
結合補助基を介して生物由来物質と蛍光標識色素を結合
することが可能である。蛍光標識用色素で標識された生
物由来物質は、クロマトグラフィー法、再結晶法等の慣
用の分離手段により精製することができる。
ためには、生物由来物質中のリン酸基、カルボン酸、ア
ミノ基、水酸基、チオール基等の官能基と蛍光標識用色
素中のカルボキシル基、スルフォン基等の官能基を、イ
オン結合的又は共有結合的に直接結合させるか、あるい
は結合生成反応がしやすいように、リンカーと呼ばれる
結合補助基を介して生物由来物質と蛍光標識色素を結合
することが可能である。蛍光標識用色素で標識された生
物由来物質は、クロマトグラフィー法、再結晶法等の慣
用の分離手段により精製することができる。
【0033】上記リンカーとしては、生物由来物質と蛍
光標識色素の両方に結合を形成する必要があるため、少
なくとも2つ以上の官能基を有する基であることが必要
である。そのためには、ジオール類、ジアミン類、アミ
ノアルコール類、ジカルボン酸類、ジチオール類、アミ
ノ−カルボン酸類、ヒドロキシ−カルボン酸類等を用い
ることができる。
光標識色素の両方に結合を形成する必要があるため、少
なくとも2つ以上の官能基を有する基であることが必要
である。そのためには、ジオール類、ジアミン類、アミ
ノアルコール類、ジカルボン酸類、ジチオール類、アミ
ノ−カルボン酸類、ヒドロキシ−カルボン酸類等を用い
ることができる。
【0034】本発明における蛍光標識用色素、これを含
む試薬は、種々の蛍光分析法に用いることができる。特
に一般式(II)で表される蛍光標識用色素中でも一般
式(I)で示される新規化合物を用いた場合は、半導体
レーザ光(670〜840nm)を効率よく吸収して蛍
光を発するので、安価で小型の半導体レーザを用いて測
定する、種々の抗原、薬物、DNA等の分析やあるいは
DNAの塩基配列の分析(DNAシーケンサ)等に非常
に有用である。
む試薬は、種々の蛍光分析法に用いることができる。特
に一般式(II)で表される蛍光標識用色素中でも一般
式(I)で示される新規化合物を用いた場合は、半導体
レーザ光(670〜840nm)を効率よく吸収して蛍
光を発するので、安価で小型の半導体レーザを用いて測
定する、種々の抗原、薬物、DNA等の分析やあるいは
DNAの塩基配列の分析(DNAシーケンサ)等に非常
に有用である。
【0035】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明するが、本
発明は、これらに制限されるものではない。 合成例1 〔3,4−ビス(ジブロモメチル)ブロモベンゼンの合
成〕4−ブロモ−o−キシレン(75%)〔Aldri
ch社製〕37g(0.2mol)及びN−ブロモこは
く酸イミド142.4g(0.8mol)の四塩化炭素
500ml溶液に過酸化ベンゾイル1gを加え内部照射
管(ウシオ電気工業社製)中で還流しながら8〜12時
間高圧水銀灯(100W)により光照射した。放冷後、
析出した白色結晶を吸引ろ過して除き、母液の四塩化炭
素溶液を減圧下濃縮した。得られた固体をヘキサン/塩
化メチレンより再結晶し、無色結晶として3,4−ビス
(ジブロモメチル)ブロモベンゼン64gを得た。3,
4−ビス(ジブロモメチル)ブロモベンゼンの物性は下
記に示すものであった。 (1)融点 108.5〜110.5℃ (2)元素分析値: C H Br 計算値(%) 19.19 1.01 79.80 分析値(%) 19.12 0.88 79.84 (3)NMRスペクトル値:CDCl3溶媒 δ値 7.81(1H,br−s) 7.57(1H,d,J=8.54Hz) 7.50(1H,dd,J=8.54,1.83Hz) 7.06(1H,s) 7.02(1H,s) (4)IRスペクトル(KBr法)を図1に示す。
発明は、これらに制限されるものではない。 合成例1 〔3,4−ビス(ジブロモメチル)ブロモベンゼンの合
成〕4−ブロモ−o−キシレン(75%)〔Aldri
ch社製〕37g(0.2mol)及びN−ブロモこは
く酸イミド142.4g(0.8mol)の四塩化炭素
500ml溶液に過酸化ベンゾイル1gを加え内部照射
管(ウシオ電気工業社製)中で還流しながら8〜12時
間高圧水銀灯(100W)により光照射した。放冷後、
析出した白色結晶を吸引ろ過して除き、母液の四塩化炭
素溶液を減圧下濃縮した。得られた固体をヘキサン/塩
化メチレンより再結晶し、無色結晶として3,4−ビス
(ジブロモメチル)ブロモベンゼン64gを得た。3,
4−ビス(ジブロモメチル)ブロモベンゼンの物性は下
記に示すものであった。 (1)融点 108.5〜110.5℃ (2)元素分析値: C H Br 計算値(%) 19.19 1.01 79.80 分析値(%) 19.12 0.88 79.84 (3)NMRスペクトル値:CDCl3溶媒 δ値 7.81(1H,br−s) 7.57(1H,d,J=8.54Hz) 7.50(1H,dd,J=8.54,1.83Hz) 7.06(1H,s) 7.02(1H,s) (4)IRスペクトル(KBr法)を図1に示す。
【0036】合成例2 〔6−ブロモ−2,3−ジシアノナフタレンの合成〕
3,4−ビス(ジブロモメチル)ブロモベンゼン10
0.2g(0.2mol),フマロニトリル27g
(0.346mol)の無水N,N−ジメチルホルムア
ミド800ml溶液に、よくかくはんしながらヨウ化ナ
トリウム200g(0.67mol)を加え、窒素雰囲
気下約75℃で約7時間かくはんした。反応後、内容物
を約4kgの氷中へ注ぎ出した。赤かっ色水溶液が淡黄
色になるまで徐々に亜硫酸水素ナトリウムを加え、わず
かに過剰量亜硫酸水素ナトリウムを加え、しばらくかく
はんした後、室温下一晩放置した。析出した淡黄色固体
を吸引ろ過し充分に水、次にメタノールで洗浄した。淡
黄色固体をアセトン/エタノールから再結晶することに
よって無色針状晶が33g得られた。この結晶は、下記
の分析結果から6−ブロモ−2,3−ジシアノナフタレ
ンであることを確認した。 (1)融点 254.5〜255.5℃ (2)元素分析値: C H N Br 計算値(%) 56.06 1.96 10.90 31.08 分析値(%) 55.99 1.67 10.87 30.74 (3)NMRスペクトル値:CDCl3溶媒(NMRス
ペクトルを図2に示す) δ値 8.34(1H,s) 8.27(1H,s) 8.17(1H,br−s) 7.88(2H,m) (4)IRスペクトル(KBr法)を図3に示す。
3,4−ビス(ジブロモメチル)ブロモベンゼン10
0.2g(0.2mol),フマロニトリル27g
(0.346mol)の無水N,N−ジメチルホルムア
ミド800ml溶液に、よくかくはんしながらヨウ化ナ
トリウム200g(0.67mol)を加え、窒素雰囲
気下約75℃で約7時間かくはんした。反応後、内容物
を約4kgの氷中へ注ぎ出した。赤かっ色水溶液が淡黄
色になるまで徐々に亜硫酸水素ナトリウムを加え、わず
かに過剰量亜硫酸水素ナトリウムを加え、しばらくかく
はんした後、室温下一晩放置した。析出した淡黄色固体
を吸引ろ過し充分に水、次にメタノールで洗浄した。淡
黄色固体をアセトン/エタノールから再結晶することに
よって無色針状晶が33g得られた。この結晶は、下記
の分析結果から6−ブロモ−2,3−ジシアノナフタレ
ンであることを確認した。 (1)融点 254.5〜255.5℃ (2)元素分析値: C H N Br 計算値(%) 56.06 1.96 10.90 31.08 分析値(%) 55.99 1.67 10.87 30.74 (3)NMRスペクトル値:CDCl3溶媒(NMRス
ペクトルを図2に示す) δ値 8.34(1H,s) 8.27(1H,s) 8.17(1H,br−s) 7.88(2H,m) (4)IRスペクトル(KBr法)を図3に示す。
【0037】合成例3 〔6−ブロモ−1,3−ジイミノベンゾ〔f〕イソイン
ドリンの合成〕窒素雰囲気下、無水メタノール270m
lに金属ナトリウム1.92g(84mmol)を5回
に分けて加えて調製したナトリウムメトキシド−メタノ
ール溶液に6−ブロモ−2,3−ジシアノナフタレン4
4.1g(0.17mol)を加え、よくかくはんしな
がら室温下、無水アンモニアガスを約1時間ゆっくりと
バブルした。無水アンモニアガスをバブルしながら約3
時間還流した。冷却後、析出した黄色固体をろ過しメタ
ノールで充分に洗浄し、減圧乾燥すると6−ブロモ−
1,3−ジイミノベンゾ〔f〕イソインドリンが黄色固
体として45g得られた。この6−ブロモ−1,3−ジ
イミノベンゾ〔f〕イソインドリンのIRスペクトルを
図4に示す。6−ブロモ−1,3−ジイミノベンゾ
〔f〕イソインドリンは、これ以上精製せずに次の反応
に用いた。
ドリンの合成〕窒素雰囲気下、無水メタノール270m
lに金属ナトリウム1.92g(84mmol)を5回
に分けて加えて調製したナトリウムメトキシド−メタノ
ール溶液に6−ブロモ−2,3−ジシアノナフタレン4
4.1g(0.17mol)を加え、よくかくはんしな
がら室温下、無水アンモニアガスを約1時間ゆっくりと
バブルした。無水アンモニアガスをバブルしながら約3
時間還流した。冷却後、析出した黄色固体をろ過しメタ
ノールで充分に洗浄し、減圧乾燥すると6−ブロモ−
1,3−ジイミノベンゾ〔f〕イソインドリンが黄色固
体として45g得られた。この6−ブロモ−1,3−ジ
イミノベンゾ〔f〕イソインドリンのIRスペクトルを
図4に示す。6−ブロモ−1,3−ジイミノベンゾ
〔f〕イソインドリンは、これ以上精製せずに次の反応
に用いた。
【0038】合成例4 〔ジクロロシリコン−テトラブロモナフタロシアニンの
合成〕窒素雰囲気下、6−ブロモ−1,3−ジイミノベ
ンゾ〔f〕イソインドリン22.5g(81.8mmo
l)の無水テトラリン110ml懸濁液に無水トリ−n
−ブチルアミン54mlを加え、次いで四塩化ケイ素1
4.4ml(0.126mol)を加えて約3時間還流
した。冷却後メタノール700mlを加え一晩放置し
た。赤かっ色反応混合物をろ過しメタノールで充分に洗
浄後、減圧乾燥すると濃緑色の固体としてジクロロシリ
コン−テトラブロモナフタロシアニンが約20g得られ
た。このジクロロシリコン−テトラブロモナフタロシア
ニンは、これ以上精製せずに次の反応に用いた。ジクロ
ロシリコン−テトラブロモナフタロシアニンのIRスペ
クトルを図5に示す。電子スペクトルを図6に示す。
合成〕窒素雰囲気下、6−ブロモ−1,3−ジイミノベ
ンゾ〔f〕イソインドリン22.5g(81.8mmo
l)の無水テトラリン110ml懸濁液に無水トリ−n
−ブチルアミン54mlを加え、次いで四塩化ケイ素1
4.4ml(0.126mol)を加えて約3時間還流
した。冷却後メタノール700mlを加え一晩放置し
た。赤かっ色反応混合物をろ過しメタノールで充分に洗
浄後、減圧乾燥すると濃緑色の固体としてジクロロシリ
コン−テトラブロモナフタロシアニンが約20g得られ
た。このジクロロシリコン−テトラブロモナフタロシア
ニンは、これ以上精製せずに次の反応に用いた。ジクロ
ロシリコン−テトラブロモナフタロシアニンのIRスペ
クトルを図5に示す。電子スペクトルを図6に示す。
【0039】合成例5 〔ジヒドロキシシリコン−テトラブロモナフタロシアニ
ンの合成〕ジクロロシリコン−テトラブロモナフタロシ
アニン9.7g(8.6mmol)を濃硫酸250ml
中に加え、約2時間かくはんした。反応混合物を氷約8
00g中に注ぎ一晩放置した。析出した沈殿をろ過し、
水次いでメタノールで充分に洗浄した後、この沈殿を濃
アンモニア水180ml中で約1時間還流した。放冷
後、吸引ろ過し、水、メタノール次いでアセトンで充分
に洗浄し減圧乾燥すると、濃緑色固体としてジヒドロキ
シシリコン−テトラブロモナフタロシアニンが8.7g
得られた。このジヒドロキシシリコン−テトラブロモナ
フタロシアニンは、これ以上精製せずに次の反応に用い
た。ジヒドロキシシリコン−テトラブロモナフタロシア
ニンのIRスペクトルを図7に示す。電子スペクトルを
図8に示す。
ンの合成〕ジクロロシリコン−テトラブロモナフタロシ
アニン9.7g(8.6mmol)を濃硫酸250ml
中に加え、約2時間かくはんした。反応混合物を氷約8
00g中に注ぎ一晩放置した。析出した沈殿をろ過し、
水次いでメタノールで充分に洗浄した後、この沈殿を濃
アンモニア水180ml中で約1時間還流した。放冷
後、吸引ろ過し、水、メタノール次いでアセトンで充分
に洗浄し減圧乾燥すると、濃緑色固体としてジヒドロキ
シシリコン−テトラブロモナフタロシアニンが8.7g
得られた。このジヒドロキシシリコン−テトラブロモナ
フタロシアニンは、これ以上精製せずに次の反応に用い
た。ジヒドロキシシリコン−テトラブロモナフタロシア
ニンのIRスペクトルを図7に示す。電子スペクトルを
図8に示す。
【0040】合成例6 〔ビス(トリ−n−プロピルシロキシ)シリコン−テト
ラブロモナフタロシアニンの合成〕ジヒドロキシシリコ
ン−テトラブロモナフタロシアニン2.82g(2.6
mmol)の無水β−ピコリン280ml懸濁液に窒素
雰囲気下、無水トリ−n−ブチルアミン8ml(33.
6mmol)ついでトリ−n−プロピルクロロシラン
7.2ml(32.8mmol)を加え、約2時間還流
した。冷却後、混合物をエタノール/水(1/1)60
0ml中へ注ぎ、よくかきまぜた後一晩放置した。析出
した沈殿をろ過し水で洗浄した。熱クロロホルムを用い
てこの沈殿のうち溶けるものだけ溶かし出し、クロロホ
ルム溶液を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、シリカゲルカ
ラムクロマトクグラフィーにより精製し、さらにクロロ
ホルムから再結晶することにより濃緑色結晶が0.82
g得られた。この濃緑色結晶は、下記の分析結果よりビ
ス(トリ−n−プロピルシロキシ)シリコン−テトラブ
ロモナフタロシアニンであることを確認した。 (1)融点 300℃以上 (2)元素分析値: C H N Br 計算値(%) 56.50 4.45 7.99 22.78 分析値(%) 56.28 4.39 8.04 22.45 (3)NMRスペクトル値(NMRスペクトルを図9に
示す):CDCl3 δ値 10.08(4H,br−s) 10.01(4H,br−s) 8.82(4H,br−s) 8.54(4H,dd,J=8.85,3.05Hz) 8.00(4H,d,J=8.85Hz) −0.29(18H,t,J=7.17Hz) −0.90(12H,sextet−like m) −2.08(12H,t−like m) (4)電子スペクトル(CHCl3溶液)を図10に示
す。 (5)IRスペクトル(KBr法)を図11に示す。
ラブロモナフタロシアニンの合成〕ジヒドロキシシリコ
ン−テトラブロモナフタロシアニン2.82g(2.6
mmol)の無水β−ピコリン280ml懸濁液に窒素
雰囲気下、無水トリ−n−ブチルアミン8ml(33.
6mmol)ついでトリ−n−プロピルクロロシラン
7.2ml(32.8mmol)を加え、約2時間還流
した。冷却後、混合物をエタノール/水(1/1)60
0ml中へ注ぎ、よくかきまぜた後一晩放置した。析出
した沈殿をろ過し水で洗浄した。熱クロロホルムを用い
てこの沈殿のうち溶けるものだけ溶かし出し、クロロホ
ルム溶液を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、シリカゲルカ
ラムクロマトクグラフィーにより精製し、さらにクロロ
ホルムから再結晶することにより濃緑色結晶が0.82
g得られた。この濃緑色結晶は、下記の分析結果よりビ
ス(トリ−n−プロピルシロキシ)シリコン−テトラブ
ロモナフタロシアニンであることを確認した。 (1)融点 300℃以上 (2)元素分析値: C H N Br 計算値(%) 56.50 4.45 7.99 22.78 分析値(%) 56.28 4.39 8.04 22.45 (3)NMRスペクトル値(NMRスペクトルを図9に
示す):CDCl3 δ値 10.08(4H,br−s) 10.01(4H,br−s) 8.82(4H,br−s) 8.54(4H,dd,J=8.85,3.05Hz) 8.00(4H,d,J=8.85Hz) −0.29(18H,t,J=7.17Hz) −0.90(12H,sextet−like m) −2.08(12H,t−like m) (4)電子スペクトル(CHCl3溶液)を図10に示
す。 (5)IRスペクトル(KBr法)を図11に示す。
【0041】合成例7 〔ビス(トリ−n−ブチルシロキシ)シリコン−テトラ
ブロモナフタロシアニンの合成〕ジヒドロキシシリコン
−テトラブロモナフタロシアニン2.82g(2.6m
mol)の無水β−ピコリン280ml懸濁液に無水ト
リ−n−ブチルアミン8ml(33.6mmol)つい
でトリ−n−ブチルクロロシラン8.8ml(32.8
mmol)を加え、約2時間還流した。冷却後、反応混
合物を合成例6と同様に処理し、クロロホルムから再結
晶することによって濃緑色結晶を0.75g得た。この
濃緑色結晶は下記の分析結果よりビス(トリ−n−ブチ
ルシロキシ)シリコン−テトラブロモナフタロシアニン
であることを確認した。 (1)融点 300℃以上 (2)元素分析値: C H N Br 計算値(%) 58.14 5.02 7.53 21.49 分析値(%) 58.36 5.11 7.51 21.03 (3)NMRスペクトル値(NMRスペクトルを図12
に示す):CDCl3 δ値 10.09(4H,br−s) 10.02(4H,br−s) 8.85(4H,br−s) 8.55(4H,dd,J=8.85,3.05Hz) 8.01(4H,d,J=8.85Hz) 0.02(30H,m) −0.99(12H,sextet−like m) −2.07(12H,t−like m) (4)電子スペクトル(CHCl3溶液)を図13に示
す。 (5)IRスペクトル(KBr法)を図14に示す。
ブロモナフタロシアニンの合成〕ジヒドロキシシリコン
−テトラブロモナフタロシアニン2.82g(2.6m
mol)の無水β−ピコリン280ml懸濁液に無水ト
リ−n−ブチルアミン8ml(33.6mmol)つい
でトリ−n−ブチルクロロシラン8.8ml(32.8
mmol)を加え、約2時間還流した。冷却後、反応混
合物を合成例6と同様に処理し、クロロホルムから再結
晶することによって濃緑色結晶を0.75g得た。この
濃緑色結晶は下記の分析結果よりビス(トリ−n−ブチ
ルシロキシ)シリコン−テトラブロモナフタロシアニン
であることを確認した。 (1)融点 300℃以上 (2)元素分析値: C H N Br 計算値(%) 58.14 5.02 7.53 21.49 分析値(%) 58.36 5.11 7.51 21.03 (3)NMRスペクトル値(NMRスペクトルを図12
に示す):CDCl3 δ値 10.09(4H,br−s) 10.02(4H,br−s) 8.85(4H,br−s) 8.55(4H,dd,J=8.85,3.05Hz) 8.01(4H,d,J=8.85Hz) 0.02(30H,m) −0.99(12H,sextet−like m) −2.07(12H,t−like m) (4)電子スペクトル(CHCl3溶液)を図13に示
す。 (5)IRスペクトル(KBr法)を図14に示す。
【0042】合成例8 〔ビス(トリ−n−ヘキシルシロキシ)シリコン−テト
ラブロモナフタロシアニンの合成〕ジヒドロキシシリコ
ン−テトラブロモナフタロシアニン2.82g(2.6
mmol)の無水β−ピコリン280ml懸濁液に無水
トリ−n−ブチルアミン8ml(33.6mmol)つ
いでトリ−n−ヘキシルクロロシラン12ml(32.
8mmol)を加え、約2時間還流した。冷却後、反応
混合物を合成例6と同様に処理し、ヘキサン/クロロホ
ルムから再結晶することによって濃緑色結晶を0.78
g得た。この濃緑色結晶は、下記の分析結果よりビス
(トリ−n−ヘキシルシロキシ)シリコン−テトラブロ
モナフタロシアニンであることを確認した。 (1)融点 298〜300℃ (2)元素分析値: C H N Br 計算値(%) 60.94 5.97 6.77 19.30 分析値(%) 60.77 5.71 6.65 19.02 (3)NMRスペクトル値(NMRスペクトルを図15
に示す):CDCl3 δ値 10.06(4H,br−s) 10.00(4H,br−s) 8.83(4H,br−s) 8.53(4H,dd,J=8.85,2.44Hz) 7.99(4H,dd,J=8.85Hz) 0.63(12H,sextet,J=7.32Hz) 0.45(18H,t,J=7.32Hz) 0.22(18H,quintet,J=7.32H
z) 0.05(12H,quintet,J=7.32H
z) −1.02(12H,quintet−like m) −2.10(12H,t−like m) (4)電子スペクトル(CHCl3溶液)を図16に示
す。 (5)IRスペクトル(KBr法)を図17に示す。
ラブロモナフタロシアニンの合成〕ジヒドロキシシリコ
ン−テトラブロモナフタロシアニン2.82g(2.6
mmol)の無水β−ピコリン280ml懸濁液に無水
トリ−n−ブチルアミン8ml(33.6mmol)つ
いでトリ−n−ヘキシルクロロシラン12ml(32.
8mmol)を加え、約2時間還流した。冷却後、反応
混合物を合成例6と同様に処理し、ヘキサン/クロロホ
ルムから再結晶することによって濃緑色結晶を0.78
g得た。この濃緑色結晶は、下記の分析結果よりビス
(トリ−n−ヘキシルシロキシ)シリコン−テトラブロ
モナフタロシアニンであることを確認した。 (1)融点 298〜300℃ (2)元素分析値: C H N Br 計算値(%) 60.94 5.97 6.77 19.30 分析値(%) 60.77 5.71 6.65 19.02 (3)NMRスペクトル値(NMRスペクトルを図15
に示す):CDCl3 δ値 10.06(4H,br−s) 10.00(4H,br−s) 8.83(4H,br−s) 8.53(4H,dd,J=8.85,2.44Hz) 7.99(4H,dd,J=8.85Hz) 0.63(12H,sextet,J=7.32Hz) 0.45(18H,t,J=7.32Hz) 0.22(18H,quintet,J=7.32H
z) 0.05(12H,quintet,J=7.32H
z) −1.02(12H,quintet−like m) −2.10(12H,t−like m) (4)電子スペクトル(CHCl3溶液)を図16に示
す。 (5)IRスペクトル(KBr法)を図17に示す。
【0043】合成例9 〔ビス(トリエチルシロキシ)シリコン−テトラブロモ
ナフタロシアニンの合成〕ジヒドロキシシリコン−テト
ラブロモナフタロシアニン2.82g(2.6mmo
l)のキノリン100ml懸濁液にトリエチルシラノー
ル10ml(65mmol)を加え、約3時間還流し
た。冷却後、反応混合物をエタノール/水(1/1)5
00ml中へ注ぎ、よくかきまぜた後一晩放置した。析
出した沈殿をろ過しメタノール、次いでクロロホルムで
充分に洗浄した。得られた結晶をソツクスレ−抽出法で
クロロホルムを用いて洗浄したところ濃緑色結晶が2.
1g得られた。この濃緑色結晶は、下記の分析結果によ
りビス(トリエチルシロキシ)シリコン−テトラブロモ
ナフタロシアニンであることを確認した。 (1)融点 300℃以上 (2)元素分析値: C H N Br 計算値(%) 54.64 3.82 8.50 24.23 分析値(%) 54.18 3.62 8.81 23.94 (3)NMRスペクトル値:CDCl3 δ値 10.07(4H,br−s) 10.00(4H,br−s) 8.83(4H,br−s) 8.54(4H,dd,J=8.85,3.05Hz) 8.01(4H,d,J=8.85Hz) −1.04(18H,t,J=7.32Hz) −2.05(12H,q,J=7.32Hz) (4)電子スペクトル(CHCl3溶液)を図18に示
す。 (5)IRスペクトル(KBr法)を図19に示す。
ナフタロシアニンの合成〕ジヒドロキシシリコン−テト
ラブロモナフタロシアニン2.82g(2.6mmo
l)のキノリン100ml懸濁液にトリエチルシラノー
ル10ml(65mmol)を加え、約3時間還流し
た。冷却後、反応混合物をエタノール/水(1/1)5
00ml中へ注ぎ、よくかきまぜた後一晩放置した。析
出した沈殿をろ過しメタノール、次いでクロロホルムで
充分に洗浄した。得られた結晶をソツクスレ−抽出法で
クロロホルムを用いて洗浄したところ濃緑色結晶が2.
1g得られた。この濃緑色結晶は、下記の分析結果によ
りビス(トリエチルシロキシ)シリコン−テトラブロモ
ナフタロシアニンであることを確認した。 (1)融点 300℃以上 (2)元素分析値: C H N Br 計算値(%) 54.64 3.82 8.50 24.23 分析値(%) 54.18 3.62 8.81 23.94 (3)NMRスペクトル値:CDCl3 δ値 10.07(4H,br−s) 10.00(4H,br−s) 8.83(4H,br−s) 8.54(4H,dd,J=8.85,3.05Hz) 8.01(4H,d,J=8.85Hz) −1.04(18H,t,J=7.32Hz) −2.05(12H,q,J=7.32Hz) (4)電子スペクトル(CHCl3溶液)を図18に示
す。 (5)IRスペクトル(KBr法)を図19に示す。
【0044】合成例10 〔ビス(トリブチルシロキシ)シリコン−テトラフェニ
ルチオナフタロシアニンの合成〕ビス(トリブチルシロ
キシ)シリコン−テトラブロモナフタロシアニン5g
(3.36mmol)、フェニルチオ化銅2.5g(1
4.47mmol)のキノリン50ml懸濁液を160
℃で1時間さらに180℃で5時間かきまぜた。放冷
後、反応混合物をメタノール/水(1/1)400ml
中へ注ぎ出した。しばらくかくはんした後、室温で一晩
放置した。析出した固体をろ過し、メタノールで洗浄し
た。得られた固体のうち、トルエンに溶解する成分だ
け、熱トルエンを用いて溶かし出し、シリカゲルカラム
クロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/トルエン
(1/1))により分離精製した後、塩化メチレン/エ
タノールから再結晶することにより、ビス(トリブチル
シロキシ)シリコン−テトラフェニルチオナフタロシア
ニンが、緑色結晶(3.03g,56%)として得られ
た。この結晶は下記の分析結果によりビス(トリブチル
シロキシ)シリコン−テトラフェニルチオナフタロシア
ニンであることを確認した。 (1)元素分析値: C H N S 計算値(%) 71.87 5.91 6.98 7.99 分析値(%) 71.92 6.02 7.04 7.49 (2)NMRスペクトル値:(NMRスペクトルを図2
0に示す):CDCl3 δ値 9.99(4H,d,J=3.66Hz) 9.89(4H,br−s) 8.53(4H,d,J=8.85Hz) 8.46(4H,br−s) 7.76(4H,dd,J=8.85,1.22Hz) 7.65(8H,m) 7.50(12H,m) −0.02(30H,m) −0.99(12H,quintet−like m) −2.09(12H,t−like m) (3)融点 293〜295℃ (4)電子スペクトル(塩化メチレン溶液)を図21に
示す。 (5)IRスペクトル(KBr法)を図22に示す。
ルチオナフタロシアニンの合成〕ビス(トリブチルシロ
キシ)シリコン−テトラブロモナフタロシアニン5g
(3.36mmol)、フェニルチオ化銅2.5g(1
4.47mmol)のキノリン50ml懸濁液を160
℃で1時間さらに180℃で5時間かきまぜた。放冷
後、反応混合物をメタノール/水(1/1)400ml
中へ注ぎ出した。しばらくかくはんした後、室温で一晩
放置した。析出した固体をろ過し、メタノールで洗浄し
た。得られた固体のうち、トルエンに溶解する成分だ
け、熱トルエンを用いて溶かし出し、シリカゲルカラム
クロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/トルエン
(1/1))により分離精製した後、塩化メチレン/エ
タノールから再結晶することにより、ビス(トリブチル
シロキシ)シリコン−テトラフェニルチオナフタロシア
ニンが、緑色結晶(3.03g,56%)として得られ
た。この結晶は下記の分析結果によりビス(トリブチル
シロキシ)シリコン−テトラフェニルチオナフタロシア
ニンであることを確認した。 (1)元素分析値: C H N S 計算値(%) 71.87 5.91 6.98 7.99 分析値(%) 71.92 6.02 7.04 7.49 (2)NMRスペクトル値:(NMRスペクトルを図2
0に示す):CDCl3 δ値 9.99(4H,d,J=3.66Hz) 9.89(4H,br−s) 8.53(4H,d,J=8.85Hz) 8.46(4H,br−s) 7.76(4H,dd,J=8.85,1.22Hz) 7.65(8H,m) 7.50(12H,m) −0.02(30H,m) −0.99(12H,quintet−like m) −2.09(12H,t−like m) (3)融点 293〜295℃ (4)電子スペクトル(塩化メチレン溶液)を図21に
示す。 (5)IRスペクトル(KBr法)を図22に示す。
【0045】合成例11 {ビス(トリ−n−プロピルシロキシ)シリコン−テト
ラキス〔2−(2´−エチルヘキシルオキシカルボニ
ル)エチルチオ〕ナフタロシアニンの合成}ビス(トリ
−n−プロピルシロキシ)シリコン−テトラブロモナフ
タロシアニン140mg(0.1mmol)のキノリン
10ml及びピリジン3.2ml溶液にオーガニック・
シンセシス(Organic Syntheses),
第42巻22頁記載の方法を参考にして合成した2−
(2´−エチルヘキシルオキシカルボニル)エチルチオ
化第1銅2.47g(8.8mmol)を加え160〜
170℃で8時間還流した。放冷後、内容物を合成例1
0と同様に処理したところ黄緑色結晶が46mg(24
%)得られた。この黄緑色結晶は下記の分析結果よりビ
ス(トリ−n−プロピルシロキシ)シリコン−テトラキ
ス〔2−(2´−エチルヘキシルオキシカルボニル)エ
チルチオ〕ナフタロシアニンであることを確認した。 (1)融点 125〜127℃ (2)元素分析値: C H N 計算値(%) 67.65 7.54 5.74 分析値(%) 67.89 7.42 5.65 (3)NMRスペクトル値(NMRスペクトルを図23
に示す):CDCl3 δ値 10.04(4H,br−s) 10.00(4H,br−s) 8.57(4H,d,J=8.85Hz) 8.53(4H,br−s) 7.84(4H,d,J=8.85Hz) 4.14(8H,d,J=5.80Hz) 3.56(8H,t,J=7.33Hz) 2.93(8H,t,J=7.33Hz) 0.7〜1.8(36H,m) 0.94(36H,m) −0.27(18H,t,J=7.33Hz) −0.87(12H,sextet−like m) −2.08(12H,t−like m) (4)電子スペクトル(CHCl3溶液)を図24に示
す。 (5)IRスペクトル(KBr法)を図25に示す。
ラキス〔2−(2´−エチルヘキシルオキシカルボニ
ル)エチルチオ〕ナフタロシアニンの合成}ビス(トリ
−n−プロピルシロキシ)シリコン−テトラブロモナフ
タロシアニン140mg(0.1mmol)のキノリン
10ml及びピリジン3.2ml溶液にオーガニック・
シンセシス(Organic Syntheses),
第42巻22頁記載の方法を参考にして合成した2−
(2´−エチルヘキシルオキシカルボニル)エチルチオ
化第1銅2.47g(8.8mmol)を加え160〜
170℃で8時間還流した。放冷後、内容物を合成例1
0と同様に処理したところ黄緑色結晶が46mg(24
%)得られた。この黄緑色結晶は下記の分析結果よりビ
ス(トリ−n−プロピルシロキシ)シリコン−テトラキ
ス〔2−(2´−エチルヘキシルオキシカルボニル)エ
チルチオ〕ナフタロシアニンであることを確認した。 (1)融点 125〜127℃ (2)元素分析値: C H N 計算値(%) 67.65 7.54 5.74 分析値(%) 67.89 7.42 5.65 (3)NMRスペクトル値(NMRスペクトルを図23
に示す):CDCl3 δ値 10.04(4H,br−s) 10.00(4H,br−s) 8.57(4H,d,J=8.85Hz) 8.53(4H,br−s) 7.84(4H,d,J=8.85Hz) 4.14(8H,d,J=5.80Hz) 3.56(8H,t,J=7.33Hz) 2.93(8H,t,J=7.33Hz) 0.7〜1.8(36H,m) 0.94(36H,m) −0.27(18H,t,J=7.33Hz) −0.87(12H,sextet−like m) −2.08(12H,t−like m) (4)電子スペクトル(CHCl3溶液)を図24に示
す。 (5)IRスペクトル(KBr法)を図25に示す。
【0046】合成例12 {ビス(トリ−n−プロピルシロキシ)シリコン−テト
ラキス〔2−(2´,2´,4´,4´−テトラメチル
ペンチルオキシカルボニル)エチルチオ〕ナフタロシア
ニン〕の合成}ビス(トリ−n−プロピルシロキシ)シ
リコン−テトラブロモナフタロシアニン140mg
(0.1mmol)のキノリン10ml及びピリジン
3.2ml溶液にオーガニック・シンセシス(Orga
nic Syntheses),第42巻22頁記載の
方法を参考にして合成した2−(2´,2´,4´,4
´−テトラメチルペンチルオキシカルボニル)エチルチ
オ化第1銅2.59g(8.8mmol)を加え160
〜170℃で8時間還流した。放冷後、内容物を合成例
10と同様に処理したところ黄緑色結晶が52mg(2
6%)得られた。この黄緑色結晶は、下記の分析結果に
よりビス(トリ−n−プロピルシロキシ)シリコン−テ
トラキス〔2−(2´,2´,4´,4´−テトラメチ
ルペンチルオキシカルボニル)エチルチオ〕ナフタロシ
アニンであることを確認した。 (1)融点 131〜133℃ (2)元素分析値: C H N 計算値(%) 68.15 7.73 5.58 分析値(%) 68.13 7.65 5.37 (3)NMRスペクトル値(NMRスペクトルを図26
に示す):CDCl3 δ値 10.05(4H,br−s) 10.01(4H,br−s) 8.57(4H,d,J=8.55Hz) 8.54(4H,br−s) 7.84(4H,d,J=8.55Hz) 4.24(8H,t,J=6.56Hz) 3.57(8H,t,J=7.33Hz) 2.93(8H,t,J=7.33Hz) 1.01(8H,d,J=5.5Hz) 0.94(60H,br−s) −0.26(18H,t,J=7.33Hz) −0.85(12H,sextet−like m) −2.06(12H,t−like m) (4)電子スペクトル(CHCl3溶液)を図27に示
す。 (5)IRスペクトル(KBr法)を図28に示す。
ラキス〔2−(2´,2´,4´,4´−テトラメチル
ペンチルオキシカルボニル)エチルチオ〕ナフタロシア
ニン〕の合成}ビス(トリ−n−プロピルシロキシ)シ
リコン−テトラブロモナフタロシアニン140mg
(0.1mmol)のキノリン10ml及びピリジン
3.2ml溶液にオーガニック・シンセシス(Orga
nic Syntheses),第42巻22頁記載の
方法を参考にして合成した2−(2´,2´,4´,4
´−テトラメチルペンチルオキシカルボニル)エチルチ
オ化第1銅2.59g(8.8mmol)を加え160
〜170℃で8時間還流した。放冷後、内容物を合成例
10と同様に処理したところ黄緑色結晶が52mg(2
6%)得られた。この黄緑色結晶は、下記の分析結果に
よりビス(トリ−n−プロピルシロキシ)シリコン−テ
トラキス〔2−(2´,2´,4´,4´−テトラメチ
ルペンチルオキシカルボニル)エチルチオ〕ナフタロシ
アニンであることを確認した。 (1)融点 131〜133℃ (2)元素分析値: C H N 計算値(%) 68.15 7.73 5.58 分析値(%) 68.13 7.65 5.37 (3)NMRスペクトル値(NMRスペクトルを図26
に示す):CDCl3 δ値 10.05(4H,br−s) 10.01(4H,br−s) 8.57(4H,d,J=8.55Hz) 8.54(4H,br−s) 7.84(4H,d,J=8.55Hz) 4.24(8H,t,J=6.56Hz) 3.57(8H,t,J=7.33Hz) 2.93(8H,t,J=7.33Hz) 1.01(8H,d,J=5.5Hz) 0.94(60H,br−s) −0.26(18H,t,J=7.33Hz) −0.85(12H,sextet−like m) −2.06(12H,t−like m) (4)電子スペクトル(CHCl3溶液)を図27に示
す。 (5)IRスペクトル(KBr法)を図28に示す。
【0047】合成例13 〔3,4−ジメチル安息香酸メチルの合成〕3,4−ジ
メチル安息香酸47.6g(0.317mol)をメタ
ノール200ml中に加え、約6mlの濃硫酸存在下、
モレキュラーシーブス3A(和光純薬工業(株)製乾燥
剤)で脱水しながら、約4時間還流した。放冷後、水6
00mlを加え、ベンゼン約200mlを用いて3回抽
出した。ベンゼン溶液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液
で3回、続いて水で3回洗浄後、無水硫酸ナトリウムを
加えて乾燥した。ベンゼン溶液を濃縮後、減圧下蒸留す
ると、沸点133〜134℃/30mmHgで49.4
gの無色液体を得た。下記の分析結果から、この液体は
3,4−ジメチル安息香酸メチルであることを確認し
た。 (2)NMRスペクトル値:CDCl3溶媒 δ値 7.81(1H,br−s) 7.76(1H,dd,J=7.93,1.53Hz) 7.18(1H,d,J=7.93Hz) 3.89(3H,s) 2.30(6H,s) (3)IRスペクトル(塗布法)を図29に示す。約1
710cm-1付近にエステルのC=O伸縮振動に帰因す
る吸収を有する。
メチル安息香酸47.6g(0.317mol)をメタ
ノール200ml中に加え、約6mlの濃硫酸存在下、
モレキュラーシーブス3A(和光純薬工業(株)製乾燥
剤)で脱水しながら、約4時間還流した。放冷後、水6
00mlを加え、ベンゼン約200mlを用いて3回抽
出した。ベンゼン溶液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液
で3回、続いて水で3回洗浄後、無水硫酸ナトリウムを
加えて乾燥した。ベンゼン溶液を濃縮後、減圧下蒸留す
ると、沸点133〜134℃/30mmHgで49.4
gの無色液体を得た。下記の分析結果から、この液体は
3,4−ジメチル安息香酸メチルであることを確認し
た。 (2)NMRスペクトル値:CDCl3溶媒 δ値 7.81(1H,br−s) 7.76(1H,dd,J=7.93,1.53Hz) 7.18(1H,d,J=7.93Hz) 3.89(3H,s) 2.30(6H,s) (3)IRスペクトル(塗布法)を図29に示す。約1
710cm-1付近にエステルのC=O伸縮振動に帰因す
る吸収を有する。
【0048】合成例14 〔6−メトキシカルボニル−2,3−ジシアノナフタレ
ンの合成〕3,4−ジメチル安息香酸メチル33.8g
(0.2mol)及びN−ブロモこはく酸イミド14
2.2g(0.8mol)の四塩化炭素500ml溶液
に過酸化ベンゾイル1gを加え内部照射管中で還流しな
がら8〜12時間高圧水銀灯(100W)により光照射
した。放冷後、析出した白色結晶を吸引ろ過して除き、
母液の四塩化炭素溶液を減圧下濃縮した。得られた固体
をヘキサン/塩化メチレンより再結晶すると無色の結晶
として3,4−ビス(ジブロモメチル)安息香酸メチル
79gを得た。3,4−ビス(ジブロモメチル)安息香
酸メチルの物性は下記に示すものであった。 (1)融点 99.5〜100.5℃ (2)元素分析値: C H Br 計算値(%) 25.03 1.68 66.62 実測値(%) 25.07 1.54 65.72 (3)NMRスペクトル値:CDCl3溶媒 δ値 8.29(1H,br−s) 8.03(1H,dd,J=8.24,1.53Hz) 7.81(1H,d,J=8.24Hz) 7.18(1H,br−s) 7.09(1H,br−s) 3.96(3H,s) (4)IRスペクトル(KBr法)を図30に示す。約
1705cm-1付近にエステルのC=O伸縮振動に帰因
する吸収を有する。 次に、得られた3,4−ビス(ジブロモメチル)安息香
酸メチル48g(0.1mol),フマロニトリル1
3.5g(0.173mol)の無水N,N−ジメチル
ホルムアミド400ml溶液に、よくかくはんしながら
ヨウ化ナトリウム100g(0.67mol)を加え、
窒素雰囲気下約75℃で約7時間かくはんした。反応
後、内容物を約2kgの氷中へ注ぎ出した。赤かっ色水
溶液が淡黄色になるまで徐々に亜硫酸水素ナトリウムを
加え、わずかに過剰量亜硫酸水素ナトリウムを加え、し
ばらくかくはんした後、室温下一晩放置した。析出した
淡黄色固体を吸引ろ過し充分に水、次にメタノールで洗
浄した。淡黄色固体をアセトン/メタノールから再結晶
することによって無色針状晶が13.9g得られた。こ
の結晶は、下記の分析結果から6−メトキシカルボニル
−2,3−ジシアノナフタレンであることを確認した。 (1)融点 264〜265℃ (2)元素分析値 C H N 計算値(%) 71.18 3.41 11.86 実測値(%) 71.21 3.37 11.87 (3)NMRスペクトル値:CDCl3溶媒 δ値 8.72(1H,br−s) 8.47(1H,s) 8.41(1H,s) 8.38(1H,dd,J=8.55,1.53Hz) 8.06(1H,d,J=8.55Hz) 4.04(3H,s) (4)IRスペクトル(KBr法)を図31に示す。約
1700cm-1付近にエステルのC=O伸縮振動に帰因
する吸収を有する。
ンの合成〕3,4−ジメチル安息香酸メチル33.8g
(0.2mol)及びN−ブロモこはく酸イミド14
2.2g(0.8mol)の四塩化炭素500ml溶液
に過酸化ベンゾイル1gを加え内部照射管中で還流しな
がら8〜12時間高圧水銀灯(100W)により光照射
した。放冷後、析出した白色結晶を吸引ろ過して除き、
母液の四塩化炭素溶液を減圧下濃縮した。得られた固体
をヘキサン/塩化メチレンより再結晶すると無色の結晶
として3,4−ビス(ジブロモメチル)安息香酸メチル
79gを得た。3,4−ビス(ジブロモメチル)安息香
酸メチルの物性は下記に示すものであった。 (1)融点 99.5〜100.5℃ (2)元素分析値: C H Br 計算値(%) 25.03 1.68 66.62 実測値(%) 25.07 1.54 65.72 (3)NMRスペクトル値:CDCl3溶媒 δ値 8.29(1H,br−s) 8.03(1H,dd,J=8.24,1.53Hz) 7.81(1H,d,J=8.24Hz) 7.18(1H,br−s) 7.09(1H,br−s) 3.96(3H,s) (4)IRスペクトル(KBr法)を図30に示す。約
1705cm-1付近にエステルのC=O伸縮振動に帰因
する吸収を有する。 次に、得られた3,4−ビス(ジブロモメチル)安息香
酸メチル48g(0.1mol),フマロニトリル1
3.5g(0.173mol)の無水N,N−ジメチル
ホルムアミド400ml溶液に、よくかくはんしながら
ヨウ化ナトリウム100g(0.67mol)を加え、
窒素雰囲気下約75℃で約7時間かくはんした。反応
後、内容物を約2kgの氷中へ注ぎ出した。赤かっ色水
溶液が淡黄色になるまで徐々に亜硫酸水素ナトリウムを
加え、わずかに過剰量亜硫酸水素ナトリウムを加え、し
ばらくかくはんした後、室温下一晩放置した。析出した
淡黄色固体を吸引ろ過し充分に水、次にメタノールで洗
浄した。淡黄色固体をアセトン/メタノールから再結晶
することによって無色針状晶が13.9g得られた。こ
の結晶は、下記の分析結果から6−メトキシカルボニル
−2,3−ジシアノナフタレンであることを確認した。 (1)融点 264〜265℃ (2)元素分析値 C H N 計算値(%) 71.18 3.41 11.86 実測値(%) 71.21 3.37 11.87 (3)NMRスペクトル値:CDCl3溶媒 δ値 8.72(1H,br−s) 8.47(1H,s) 8.41(1H,s) 8.38(1H,dd,J=8.55,1.53Hz) 8.06(1H,d,J=8.55Hz) 4.04(3H,s) (4)IRスペクトル(KBr法)を図31に示す。約
1700cm-1付近にエステルのC=O伸縮振動に帰因
する吸収を有する。
【0049】合成例15 〔3,4−ジメチル安息香酸n−アミルの合成〕3,4
−ジメチル安息香酸60g(0.4mol),n−アミ
ルアルコール43ml(0.4mol),p−トルエン
スルホン酸・1水和物22g(0.116mol)をベ
ンゼン150mlに加え、ディーンスターク、続いてモ
レキュラーシーブス3Aで脱水しながら、約6時間還流
した。放冷後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液100m
lで、反応混合物を3回洗浄後、水で3回洗浄した。反
応混合物のベンゼン溶液を無水硫酸マグネシウムで乾燥
し、減圧下濃縮した。油状物を減圧下蒸留すると、14
5〜148℃/8mmHgで77gの無色液体を得た。
下記の分析結果から、この液体は3,4−ジメチル安息
香酸n−アミルであることを確認した。 (2)NMRスペクトル値:CDCl3溶媒 δ値 7.81(1H,br−s) 7.77(1H,dd,J=7.94,1.98Hz) 7.18(1H,d,J=7.94Hz) 4.29(2H,t,J=6.72Hz) 2.30(6H,s) 1.76(2H,quintet,J=6.72Hz) 1.40(4H,m) 0.93(3H,t,J=6.72Hz) (3)IRスペクトル(塗布法)を図32に示す。約1
710cm-1付近にエステルのC=O伸縮振動に帰因す
る吸収を有する。
−ジメチル安息香酸60g(0.4mol),n−アミ
ルアルコール43ml(0.4mol),p−トルエン
スルホン酸・1水和物22g(0.116mol)をベ
ンゼン150mlに加え、ディーンスターク、続いてモ
レキュラーシーブス3Aで脱水しながら、約6時間還流
した。放冷後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液100m
lで、反応混合物を3回洗浄後、水で3回洗浄した。反
応混合物のベンゼン溶液を無水硫酸マグネシウムで乾燥
し、減圧下濃縮した。油状物を減圧下蒸留すると、14
5〜148℃/8mmHgで77gの無色液体を得た。
下記の分析結果から、この液体は3,4−ジメチル安息
香酸n−アミルであることを確認した。 (2)NMRスペクトル値:CDCl3溶媒 δ値 7.81(1H,br−s) 7.77(1H,dd,J=7.94,1.98Hz) 7.18(1H,d,J=7.94Hz) 4.29(2H,t,J=6.72Hz) 2.30(6H,s) 1.76(2H,quintet,J=6.72Hz) 1.40(4H,m) 0.93(3H,t,J=6.72Hz) (3)IRスペクトル(塗布法)を図32に示す。約1
710cm-1付近にエステルのC=O伸縮振動に帰因す
る吸収を有する。
【0050】合成例16 〔6−(n−アミロキシカルボニル)−2,3−ジシア
ノナフタレンの合成〕3,4−ジメチル安息香酸n−ア
ミル44.1g(0.2mol)及びN−ブロモこはく
酸イミド142.4g(0.8mol)の四塩化炭素5
00ml溶液に過酸化ベンゾイル1gを加え、内部照射
管中で、還流しながら11時間,高圧水銀灯(100
W)により光照射した。放冷後、析出した白色結晶を吸
引ろ過して除き、母液の四塩化炭素溶液を減圧下充分に
濃縮した。得られた淡かっ色油状物を、無水N,N−ジ
メチルホルムアミド800mlに溶かし、フマロニトリ
ル27g(0.346mol)次いで、よくかくはんし
ながら、ヨウ化ナトリウム200g(1.34mol)
を加え、窒素雰囲気下75℃で約7時間かくはんした。
反応後、内容物を約4kgの氷中へ注ぎ出した赤かっ色
水溶液が淡黄色になるまで徐々に亜硫酸水素ナトリウム
を加え、わずかに過剰量亜硫酸水素ナトリウムを加えし
ばらくかくはんした後、室温下一晩放置した。析出した
淡黄色固体を吸引ろ過し、充分に水洗した後、数回メタ
ノールで洗浄した。淡黄色固体を約500mlのクロロ
ホルムに溶かし、クロロホルム層を水層と分離後、無水
硫酸マグネシウム上で乾燥した。クロロホルム溶液を減
圧下濃縮後クロロホルム/エタノールから2度再結晶す
ることによって無色針状結晶が、20g得られた。この
結晶は、下記の分析結果から6−(n−アミロキシカル
ボニル)−2,3−ジシアノナフタレンであることを確
認した。 (1)融点 150〜152℃ (2)元素分析値: C H N 計算値(%) 73.95 5.52 9.52 実測値(%) 73.82 5.38 9.51 (3)NMRスペクトル値:CDCl3溶媒 δ値 8.70(1H,br−s) 8.49(1H,s) 8.41(1H,s) 8.38(1H,dd,J=8.55,1.53Hz) 8.06(1H,d,J=8.55Hz) 4.43(2H,t,J=6.72Hz) 1.84(2H,quitet,J=6.72Hz) 1.44(1H,m) 0.96(3H,t,J=6.72Hz) (4)IRスペクトル(KBr法)を図33に示す。約
1700cm-1付近にエステルのC=O伸縮振動に帰因
する吸収を有する。
ノナフタレンの合成〕3,4−ジメチル安息香酸n−ア
ミル44.1g(0.2mol)及びN−ブロモこはく
酸イミド142.4g(0.8mol)の四塩化炭素5
00ml溶液に過酸化ベンゾイル1gを加え、内部照射
管中で、還流しながら11時間,高圧水銀灯(100
W)により光照射した。放冷後、析出した白色結晶を吸
引ろ過して除き、母液の四塩化炭素溶液を減圧下充分に
濃縮した。得られた淡かっ色油状物を、無水N,N−ジ
メチルホルムアミド800mlに溶かし、フマロニトリ
ル27g(0.346mol)次いで、よくかくはんし
ながら、ヨウ化ナトリウム200g(1.34mol)
を加え、窒素雰囲気下75℃で約7時間かくはんした。
反応後、内容物を約4kgの氷中へ注ぎ出した赤かっ色
水溶液が淡黄色になるまで徐々に亜硫酸水素ナトリウム
を加え、わずかに過剰量亜硫酸水素ナトリウムを加えし
ばらくかくはんした後、室温下一晩放置した。析出した
淡黄色固体を吸引ろ過し、充分に水洗した後、数回メタ
ノールで洗浄した。淡黄色固体を約500mlのクロロ
ホルムに溶かし、クロロホルム層を水層と分離後、無水
硫酸マグネシウム上で乾燥した。クロロホルム溶液を減
圧下濃縮後クロロホルム/エタノールから2度再結晶す
ることによって無色針状結晶が、20g得られた。この
結晶は、下記の分析結果から6−(n−アミロキシカル
ボニル)−2,3−ジシアノナフタレンであることを確
認した。 (1)融点 150〜152℃ (2)元素分析値: C H N 計算値(%) 73.95 5.52 9.52 実測値(%) 73.82 5.38 9.51 (3)NMRスペクトル値:CDCl3溶媒 δ値 8.70(1H,br−s) 8.49(1H,s) 8.41(1H,s) 8.38(1H,dd,J=8.55,1.53Hz) 8.06(1H,d,J=8.55Hz) 4.43(2H,t,J=6.72Hz) 1.84(2H,quitet,J=6.72Hz) 1.44(1H,m) 0.96(3H,t,J=6.72Hz) (4)IRスペクトル(KBr法)を図33に示す。約
1700cm-1付近にエステルのC=O伸縮振動に帰因
する吸収を有する。
【0051】合成例17 〔3,4−ジメチル安息香酸n−オクチルの合成〕3,
4−ジメチル安息香酸40g(0.27mol),n−
オクタノール100ml(0.635mol),p−ト
ルエンスルホン酸・1水和物22g(0.116mo
l)をベンゼン100ml中に加え、ディーンスター
ク、続いてモレキュラーシーブス3Aで脱水しながら、
約6時間還流した。放冷後、反応混合物を合成例15と
同様に処理し、減圧下蒸留すると、沸点148〜152
℃/3mmHgで60.5gの無色液体を得た。下記の
分析結果からこの液体は、3,4−ジメチル安息香酸n
−オクチルであることを確認した。 (2)NMRスペクトル値:CDCl3溶媒 δ値 7.81(1H,br−s) 7.77(1H,dd,J=7.63,1.83Hz) 7.19(1H,d,J=7.63Hz) 4.29(2H,t,J=6.72Hz) 2.31(6H,s) 1.76(2H,quintet,J=6.72Hz) 1.1〜1.5(10H,m) 0.88(3H,t,J=6.72Hz) (3)IRスペクトル(塗布法)を図34に示す。約1
710cm-1付近にエステルのC=O伸縮振動に帰因す
る吸収を有する。
4−ジメチル安息香酸40g(0.27mol),n−
オクタノール100ml(0.635mol),p−ト
ルエンスルホン酸・1水和物22g(0.116mo
l)をベンゼン100ml中に加え、ディーンスター
ク、続いてモレキュラーシーブス3Aで脱水しながら、
約6時間還流した。放冷後、反応混合物を合成例15と
同様に処理し、減圧下蒸留すると、沸点148〜152
℃/3mmHgで60.5gの無色液体を得た。下記の
分析結果からこの液体は、3,4−ジメチル安息香酸n
−オクチルであることを確認した。 (2)NMRスペクトル値:CDCl3溶媒 δ値 7.81(1H,br−s) 7.77(1H,dd,J=7.63,1.83Hz) 7.19(1H,d,J=7.63Hz) 4.29(2H,t,J=6.72Hz) 2.31(6H,s) 1.76(2H,quintet,J=6.72Hz) 1.1〜1.5(10H,m) 0.88(3H,t,J=6.72Hz) (3)IRスペクトル(塗布法)を図34に示す。約1
710cm-1付近にエステルのC=O伸縮振動に帰因す
る吸収を有する。
【0052】合成例18 〔6−(n−オクチロキシカルボニル)−2,3−ジシ
アノナフタレンの合成〕3,4−ジメチル安息香酸n−
オクチル52.5g(0.2mol)及びN−ブロモこ
はく酸イミド142.2g(0.8mol)の四塩化炭
素500ml溶液に過酸化ベンゾイル1gを加え、内部
照射管中で還流しながら約11時間高圧水銀灯(100
W)により光照射した。放冷後、反応混合物を、合成例
16と同様に処理し、フマロニトリルと反応させ処理し
た後、クロロホルム/エタノールから数回再結晶するこ
とによって、無色針状晶が、約7g得られた。この結晶
は、下記の分析結果から6−(n−オクチロキシカルボ
ニル)−2,3−ジシアノナフタレンであることを確認
した。 (1)融点 142〜144℃ (2)元素分析値: C H N 計算値(%) 75.42 6.63 8.38 実測値(%) 75.20 6.41 7.99 (3)NMRスペクトル値:CDCl3溶媒 δ値 8.70(1H,br−s) 8.49(1H,s) 8.42(1H,s) 8.38(1H,dd,J=8.55,1.52Hz) 8.06(1H,d,J=8.55Hz) 4.42(2H,t,J=6.72Hz) 1.83(2H,quintet,J=6.72Hz) 1.2〜1.6(10H,m) 0.89(3H,t,J=6.72Hz) (4)IRスペクトル(KBr法)を図35に示す。約
1700cm-1付近にエステルのC=O伸縮振動に帰因
する吸収を有する。
アノナフタレンの合成〕3,4−ジメチル安息香酸n−
オクチル52.5g(0.2mol)及びN−ブロモこ
はく酸イミド142.2g(0.8mol)の四塩化炭
素500ml溶液に過酸化ベンゾイル1gを加え、内部
照射管中で還流しながら約11時間高圧水銀灯(100
W)により光照射した。放冷後、反応混合物を、合成例
16と同様に処理し、フマロニトリルと反応させ処理し
た後、クロロホルム/エタノールから数回再結晶するこ
とによって、無色針状晶が、約7g得られた。この結晶
は、下記の分析結果から6−(n−オクチロキシカルボ
ニル)−2,3−ジシアノナフタレンであることを確認
した。 (1)融点 142〜144℃ (2)元素分析値: C H N 計算値(%) 75.42 6.63 8.38 実測値(%) 75.20 6.41 7.99 (3)NMRスペクトル値:CDCl3溶媒 δ値 8.70(1H,br−s) 8.49(1H,s) 8.42(1H,s) 8.38(1H,dd,J=8.55,1.52Hz) 8.06(1H,d,J=8.55Hz) 4.42(2H,t,J=6.72Hz) 1.83(2H,quintet,J=6.72Hz) 1.2〜1.6(10H,m) 0.89(3H,t,J=6.72Hz) (4)IRスペクトル(KBr法)を図35に示す。約
1700cm-1付近にエステルのC=O伸縮振動に帰因
する吸収を有する。
【0053】合成例19 〔亜鉛テトラ(n−アミロキシカルボニル)ナフタロシ
アニンの合成〕6−(n−アミロキシカルボニル)−
2,3−ジシアノナフタレン1.46g(5mmo
l),粉末亜鉛105mg(1.6mmol),モリブ
デン酸アンモニウム10mgおよび尿素5gを約220
℃で約2.5時間よくかきまぜながら反応させた。放冷
後、固化した反応混合物に5%塩酸40mlを加え、あ
る程度ほぐした後、約50℃で30分間よくかくはんし
た。かくはん後、不溶物を吸引ろ過し、水、メタノー
ル、次いで、アセトンで充分に洗浄した。得られた固体
をソツクスレー抽出器で、溶媒としてメタノール/アセ
トン(1/1)の混合溶媒を用いて、約50時間不純物
の抽出を行なった。次に、溶媒をクロロホルムに変更し
て、ソツクスレー抽出を20時間行なった。得られた濃
緑色クロロホルム溶液を熱時吸引ろ過した後減圧下濃縮
乾固し、光沢のある黒色結晶を937mg得た。この結
晶は、下記の分析結果から、亜鉛テトラ(n−アミロキ
シカルボニル)ナフタロシアニンであることを確認し
た。 (1)融点 >300℃(少なくとも300℃以下では
安定) (2)元素分析値: C H N 計算値(%) 70.04 5.22 9.08 実測値(%) 69.35 5.22 9.08 (3)電子スペクトル(CHCl3溶液)を図36に示
す。 (4)IRスペクトル(KBr法)を図37に示す。 約1700cm-1付近にエステルのC=O伸縮振動に帰
因する吸収を有する。
アニンの合成〕6−(n−アミロキシカルボニル)−
2,3−ジシアノナフタレン1.46g(5mmo
l),粉末亜鉛105mg(1.6mmol),モリブ
デン酸アンモニウム10mgおよび尿素5gを約220
℃で約2.5時間よくかきまぜながら反応させた。放冷
後、固化した反応混合物に5%塩酸40mlを加え、あ
る程度ほぐした後、約50℃で30分間よくかくはんし
た。かくはん後、不溶物を吸引ろ過し、水、メタノー
ル、次いで、アセトンで充分に洗浄した。得られた固体
をソツクスレー抽出器で、溶媒としてメタノール/アセ
トン(1/1)の混合溶媒を用いて、約50時間不純物
の抽出を行なった。次に、溶媒をクロロホルムに変更し
て、ソツクスレー抽出を20時間行なった。得られた濃
緑色クロロホルム溶液を熱時吸引ろ過した後減圧下濃縮
乾固し、光沢のある黒色結晶を937mg得た。この結
晶は、下記の分析結果から、亜鉛テトラ(n−アミロキ
シカルボニル)ナフタロシアニンであることを確認し
た。 (1)融点 >300℃(少なくとも300℃以下では
安定) (2)元素分析値: C H N 計算値(%) 70.04 5.22 9.08 実測値(%) 69.35 5.22 9.08 (3)電子スペクトル(CHCl3溶液)を図36に示
す。 (4)IRスペクトル(KBr法)を図37に示す。 約1700cm-1付近にエステルのC=O伸縮振動に帰
因する吸収を有する。
【0054】合成例20 〔クロロアルミニウムテトラ(n−オクチロキシカルボ
ニル)ナフタロシアニンの合成〕6−(n−オクチロキ
シカルボニル)−2,3−ジシアノナフタレン1.67
g(5mmol),塩化アルミニウム213mg(1.
6mmol),モリブデン酸アンモニウム10mgおよ
び尿素5gを約220℃で、約2.5時間よくかきまぜ
ながら反応させた。放冷後、固化した反応混合物にメタ
ノール40mlを加え、ある程度ほぐした後、約50℃
で30分間よくかくはんした。かくはん後、不溶物を吸
引ろ過し、メタノール次いでアセトンで充分に洗浄し
た。得られた固体をソツクスレー抽出器で、まず溶媒と
してメタノールを用いて約100時間、次いで、アセト
ンを用いて約50時間不純物の抽出を行なった。次に、
溶媒をクロロホルムに変更してソツクスレー抽出を約2
0時間行なった。得られた濃緑色クロロホルム溶液を熱
時吸引ろ過した後、減圧下濃縮乾固し、光沢のある黒色
結晶を243mg得た。この結晶は、下記の分析結果か
ら、クロロアルミニウムテトラ(n−オクチロキシカル
ボニル)ナフタロシアニンであることを確認した。 (1)融点 >300℃(少なくとも300℃以下では
安定) (2)元素分析値: C H N Cl 計算値(%) 72.06 6.34 8.00 2.53 実測値(%) 71.81 6.27 7.74 2.07 (3)電子スペクトル(CHCl3溶液)を図38に示
す。 (4)IRスペクトル(KBr法)を図39に示す。 約1700cm-1付近にエステルのC=O伸縮振動に帰
因する吸収を有する。
ニル)ナフタロシアニンの合成〕6−(n−オクチロキ
シカルボニル)−2,3−ジシアノナフタレン1.67
g(5mmol),塩化アルミニウム213mg(1.
6mmol),モリブデン酸アンモニウム10mgおよ
び尿素5gを約220℃で、約2.5時間よくかきまぜ
ながら反応させた。放冷後、固化した反応混合物にメタ
ノール40mlを加え、ある程度ほぐした後、約50℃
で30分間よくかくはんした。かくはん後、不溶物を吸
引ろ過し、メタノール次いでアセトンで充分に洗浄し
た。得られた固体をソツクスレー抽出器で、まず溶媒と
してメタノールを用いて約100時間、次いで、アセト
ンを用いて約50時間不純物の抽出を行なった。次に、
溶媒をクロロホルムに変更してソツクスレー抽出を約2
0時間行なった。得られた濃緑色クロロホルム溶液を熱
時吸引ろ過した後、減圧下濃縮乾固し、光沢のある黒色
結晶を243mg得た。この結晶は、下記の分析結果か
ら、クロロアルミニウムテトラ(n−オクチロキシカル
ボニル)ナフタロシアニンであることを確認した。 (1)融点 >300℃(少なくとも300℃以下では
安定) (2)元素分析値: C H N Cl 計算値(%) 72.06 6.34 8.00 2.53 実測値(%) 71.81 6.27 7.74 2.07 (3)電子スペクトル(CHCl3溶液)を図38に示
す。 (4)IRスペクトル(KBr法)を図39に示す。 約1700cm-1付近にエステルのC=O伸縮振動に帰
因する吸収を有する。
【0055】合成例21 〔6−クロロ−2,3−ジシアノキノキザリンの合成〕
ジアミノマレオニトリル5g(46.3mmol),無
水硫酸マグネシウム5g(41.5mmol),活性二
酸化マンガン15g(170.3mmol)を酢酸エチ
ル300ml中に加え、約45℃で30時間、超音波照
射した。反応混合物をろ過し、酢酸エチルで充分洗浄し
た。淡黄色母液を濃縮し、シリカゲル−カラムクロマト
グラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=75/25で展
開)を用いて分離精製したところ、2.90g(59
%)のジイミノスクシノニトリルが無色結晶として得ら
れた。ジイミノスクシノニトリル0.5g(4.7mm
ol)と4−クロロ−1,2−フェニレンジアミン0.
67g(4.7mmol)の混合物を、トリフルオロ酢
酸10ml中へ、約20℃で30分かけて徐々に加え、
室温下8時間かくはん後、一晩放置した。反応混合物へ
水50ml加え、析出した固体をろ過し、水で充分洗浄
した。得られた固体は、減圧乾燥後、シリカゲルカラム
クロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル(75/2
5)で展開)続いて、クロロホルム/エタノールから再
結晶することにより、無色結晶として6−クロロ−2,
3−ジシアノキノキザリンが、0.6g(59%)得ら
れた。 (1)NMRスペクトル値:CDCl3溶媒 δ値 8.28(1H,d,J=2.13Hz) 8.23(1H,d,J=9.16Hz) 8.04(1H,dd,J=9.16,2.13Hz) (2)融点 188〜189℃ (3)IRスペクトル(KBr法)を図40に示す。
ジアミノマレオニトリル5g(46.3mmol),無
水硫酸マグネシウム5g(41.5mmol),活性二
酸化マンガン15g(170.3mmol)を酢酸エチ
ル300ml中に加え、約45℃で30時間、超音波照
射した。反応混合物をろ過し、酢酸エチルで充分洗浄し
た。淡黄色母液を濃縮し、シリカゲル−カラムクロマト
グラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=75/25で展
開)を用いて分離精製したところ、2.90g(59
%)のジイミノスクシノニトリルが無色結晶として得ら
れた。ジイミノスクシノニトリル0.5g(4.7mm
ol)と4−クロロ−1,2−フェニレンジアミン0.
67g(4.7mmol)の混合物を、トリフルオロ酢
酸10ml中へ、約20℃で30分かけて徐々に加え、
室温下8時間かくはん後、一晩放置した。反応混合物へ
水50ml加え、析出した固体をろ過し、水で充分洗浄
した。得られた固体は、減圧乾燥後、シリカゲルカラム
クロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル(75/2
5)で展開)続いて、クロロホルム/エタノールから再
結晶することにより、無色結晶として6−クロロ−2,
3−ジシアノキノキザリンが、0.6g(59%)得ら
れた。 (1)NMRスペクトル値:CDCl3溶媒 δ値 8.28(1H,d,J=2.13Hz) 8.23(1H,d,J=9.16Hz) 8.04(1H,dd,J=9.16,2.13Hz) (2)融点 188〜189℃ (3)IRスペクトル(KBr法)を図40に示す。
【0056】合成例22 〔ジヒドロキシシリコン−テトラクロロキノキザロシア
ニンの合成〕 窒素雰囲気下、無水メタノール72mlに金属ナトリウ
ム0.12g(5.4mmol)を加えて調整したナト
リウムメトキシドのメタノール溶液に6−クロロ−2,
3−ジシアノキノキザリン5.97g(27.8mmo
l)を加え、よくかくはんしながら室温下、無水アンモ
ニアガスを約1時間バブルした。さらに、無水アンモニ
アガスをバブルしながら約3時間還流した。放冷後、内
容物をろ過し、メタノールで充分に洗浄し、減圧乾燥す
ると淡灰色固体として、6−クロロ−2,3−ジシアノ
キノキザリンのイソインドリン誘導体が5.23g得ら
れた。このイソインドリン誘導体は、これ以上精製せず
に次の反応に用いた。窒素雰囲気下、上記イソインドリ
ン誘導体5.1g(22.0mmol)の無水キノリン
108ml懸濁液に四塩化ケイ素10ml(90mmo
l)を加え、約3時間還流した。放冷後、メタノール3
00ml中に反応混合物を注ぎ出し室温下一晩放置し
た。析出した固体をろ過し、メタノールで充分に洗浄し
た後、減圧乾燥すると黒色の固体が定量的に得られた。
この黒色固体6gをエタノール(100ml)中に加
え、さらにアンモニア水100mlを加えて約5時間還
流した。放冷後、内容物をろ過しメタノールで充分に洗
浄した後、減圧乾燥すると黒色固体が4.5g得られ
た。この黒色固体は、ジヒドロキシシリコン−テトラク
ロロキノキザロシアニンと考えられるが、これ以上精製
せずに次の反応に用いた。
ニンの合成〕 窒素雰囲気下、無水メタノール72mlに金属ナトリウ
ム0.12g(5.4mmol)を加えて調整したナト
リウムメトキシドのメタノール溶液に6−クロロ−2,
3−ジシアノキノキザリン5.97g(27.8mmo
l)を加え、よくかくはんしながら室温下、無水アンモ
ニアガスを約1時間バブルした。さらに、無水アンモニ
アガスをバブルしながら約3時間還流した。放冷後、内
容物をろ過し、メタノールで充分に洗浄し、減圧乾燥す
ると淡灰色固体として、6−クロロ−2,3−ジシアノ
キノキザリンのイソインドリン誘導体が5.23g得ら
れた。このイソインドリン誘導体は、これ以上精製せず
に次の反応に用いた。窒素雰囲気下、上記イソインドリ
ン誘導体5.1g(22.0mmol)の無水キノリン
108ml懸濁液に四塩化ケイ素10ml(90mmo
l)を加え、約3時間還流した。放冷後、メタノール3
00ml中に反応混合物を注ぎ出し室温下一晩放置し
た。析出した固体をろ過し、メタノールで充分に洗浄し
た後、減圧乾燥すると黒色の固体が定量的に得られた。
この黒色固体6gをエタノール(100ml)中に加
え、さらにアンモニア水100mlを加えて約5時間還
流した。放冷後、内容物をろ過しメタノールで充分に洗
浄した後、減圧乾燥すると黒色固体が4.5g得られ
た。この黒色固体は、ジヒドロキシシリコン−テトラク
ロロキノキザロシアニンと考えられるが、これ以上精製
せずに次の反応に用いた。
【0057】合成例23 〔ビス(トリブチルシロキシ)シリコン−テトラクロロ
キノキザロシアニンの合成〕ジヒドロキシシリコン−テ
トラクロロキノキザロシアニン1g(1.09mmo
l)及びトリブチルシラノール2ml(9.24mmo
l)をキノリン20ml中、200℃で4時間かくはん
した。放冷後、反応混合物をメタノール100ml中へ
注ぎ、よくかきまぜた後放置した。析出した固体をろ過
し、メタノールで充分に洗浄した。熱クロロホルムを用
いて、この固体のうち溶けるものだけ溶かし出し、クロ
ロホルム溶液をアルミナカラムクロマトグラフィー次い
でクロロホルム−メタノールから再結晶することによ
り、濃緑色結晶が108mg得られた。この濃緑色結晶
は、その電子スペクトル(図41)より、ビス(トリブ
チルシロキシ)シリコン−テトラクロロキノキザロシア
ニンであることを確認した。 元素分析値: C H N Cl 計算値(%) 58.35 5.05 17.01 10.76 分析値(%) 58.51 5.08 17.32 10.99
キノキザロシアニンの合成〕ジヒドロキシシリコン−テ
トラクロロキノキザロシアニン1g(1.09mmo
l)及びトリブチルシラノール2ml(9.24mmo
l)をキノリン20ml中、200℃で4時間かくはん
した。放冷後、反応混合物をメタノール100ml中へ
注ぎ、よくかきまぜた後放置した。析出した固体をろ過
し、メタノールで充分に洗浄した。熱クロロホルムを用
いて、この固体のうち溶けるものだけ溶かし出し、クロ
ロホルム溶液をアルミナカラムクロマトグラフィー次い
でクロロホルム−メタノールから再結晶することによ
り、濃緑色結晶が108mg得られた。この濃緑色結晶
は、その電子スペクトル(図41)より、ビス(トリブ
チルシロキシ)シリコン−テトラクロロキノキザロシア
ニンであることを確認した。 元素分析値: C H N Cl 計算値(%) 58.35 5.05 17.01 10.76 分析値(%) 58.51 5.08 17.32 10.99
【0058】合成例24 〔ビス(トリブチルシロキシ)シリコン−オクタブロモ
フェナントラシアニンの合成〕4−ブロモフェニルアセ
トニトリルを原料として用い文献(Synthetic
Metals,第9巻,329−340頁(1984
年))記載の方法及び合成例3,4及び5に準じて合成
したジヒドロキシシリコン−オクタブロモフェナントラ
シアニン1g(0.62mmol)及びトリブチルシラ
ノール1ml(4.62mmol)をキノリン20ml
中、200℃で5時間かくはんした。放冷後、反応混合
物をメタノール100ml中へ注ぎ出し、よくかきまぜ
た後放置した。析出した固体をろ過し、メタノールで充
分に洗浄した。熱クロロホルムを用いて、この固体のう
ち溶けるものだけ溶かし出し、クロロホルムから再結晶
することにより、濃緑色結晶が482mg得られた。こ
の濃緑色結晶は、下記の分析結果より、ビス(トリブチ
ルシロキシ)シリコン−オクタブロモフェナントラシア
ニンであることを確認した。 元素分析値: C H N Br 計算値(%) 52.77 3.92 5.59 31.91 分析値(%) 52.54 3.87 5.46 32.11
フェナントラシアニンの合成〕4−ブロモフェニルアセ
トニトリルを原料として用い文献(Synthetic
Metals,第9巻,329−340頁(1984
年))記載の方法及び合成例3,4及び5に準じて合成
したジヒドロキシシリコン−オクタブロモフェナントラ
シアニン1g(0.62mmol)及びトリブチルシラ
ノール1ml(4.62mmol)をキノリン20ml
中、200℃で5時間かくはんした。放冷後、反応混合
物をメタノール100ml中へ注ぎ出し、よくかきまぜ
た後放置した。析出した固体をろ過し、メタノールで充
分に洗浄した。熱クロロホルムを用いて、この固体のう
ち溶けるものだけ溶かし出し、クロロホルムから再結晶
することにより、濃緑色結晶が482mg得られた。こ
の濃緑色結晶は、下記の分析結果より、ビス(トリブチ
ルシロキシ)シリコン−オクタブロモフェナントラシア
ニンであることを確認した。 元素分析値: C H N Br 計算値(%) 52.77 3.92 5.59 31.91 分析値(%) 52.54 3.87 5.46 32.11
【0059】合成例25 〔ビス(トリブチルシロキシ)シリコン−オクタブロモ
アントラシアニンの合成〕文献(Monatsheft
e fur Chemie 第117巻,475−48
9頁(1986年),J.prakt.Chem.第3
29巻,S365−373頁(1987年)及びKhi
m.Geterotsikl.Soedin 274−
278頁(1972年))記載の方法を参考にして合成
した9,10−ジブロモ−2,3−ジシアノアントラセ
ンから、合成例3,4及び5に準じてジヒドロキシシリ
コン−オクタブロモアントラシアニンが得られる。ジヒ
ドロキシシリコン−オクタブロモアントラシアニン1g
(0.62mmol)及びトリブチルシラノール1ml
(4.62mmol)をキノリン20ml中、200℃
で5時間かくはんした。放冷後、反応混合物をメタノー
ル100ml中へ注ぎ出し、よくかきまぜた後放置し
た。析出した固体をろ過し、メタノールで充分に洗浄し
た。熱クロロホルムを用いて、この固体のうち溶けるも
のだけ溶かし出し、クロロホルムから再結晶することに
より、黒かっ色結晶が378mg得られた。この黒かっ
色結晶は、下記の分析結果よりビス(トリブチルシロキ
シ)シリコン−オクタブロモアントラシアニンであるこ
とを確認した。 元素分析値: C H N Br 計算値(%) 52.77 3.92 5.59 31.91 分析値(%) 52.94 4.01 5.78 32.20
アントラシアニンの合成〕文献(Monatsheft
e fur Chemie 第117巻,475−48
9頁(1986年),J.prakt.Chem.第3
29巻,S365−373頁(1987年)及びKhi
m.Geterotsikl.Soedin 274−
278頁(1972年))記載の方法を参考にして合成
した9,10−ジブロモ−2,3−ジシアノアントラセ
ンから、合成例3,4及び5に準じてジヒドロキシシリ
コン−オクタブロモアントラシアニンが得られる。ジヒ
ドロキシシリコン−オクタブロモアントラシアニン1g
(0.62mmol)及びトリブチルシラノール1ml
(4.62mmol)をキノリン20ml中、200℃
で5時間かくはんした。放冷後、反応混合物をメタノー
ル100ml中へ注ぎ出し、よくかきまぜた後放置し
た。析出した固体をろ過し、メタノールで充分に洗浄し
た。熱クロロホルムを用いて、この固体のうち溶けるも
のだけ溶かし出し、クロロホルムから再結晶することに
より、黒かっ色結晶が378mg得られた。この黒かっ
色結晶は、下記の分析結果よりビス(トリブチルシロキ
シ)シリコン−オクタブロモアントラシアニンであるこ
とを確認した。 元素分析値: C H N Br 計算値(%) 52.77 3.92 5.59 31.91 分析値(%) 52.94 4.01 5.78 32.20
【0060】合成例26 〔ビス(トリブチルシロキシ)シリコン−テトラブロモ
(1,2−ナフタロシアニン)の合成〕文献(Che
m.Ber.第121巻,1479−1486頁(19
88年))記載の方法を参考にして合成したブロモ−
1,2−ジシアノナフタレンから、合成例3,4及び5
に準じてジヒドロキシシリコン−テトラブロモ(1,2
−ナフタロシアニン)を得た。ジヒドロキシシリコン−
テトラブロモ(1,2−ナフタロシアニン)1g(0.
92mmol)及びトリブチルシラノール2ml(9.
24mmol)をキノリン20ml中、200℃で4時
間かくはんした。放冷後、反応混合物をメタノール10
0ml中へ注ぎ出し、よくかきまぜた後放置した。析出
した固体をろ過し、メタノールで充分に洗浄した。熱ク
ロロホルムを用いて、この固体のうち溶けるものだけ溶
かし出し、クロロホルムから再結晶することにより、黒
緑色結晶が405mg得られた。この黒緑色結晶は、下
記の分析結果より、ビス(トリブチルシロキシ)シリコ
ン−テトラブロモ(1,2−ナフタロシアニン)である
ことを確認した。 元素分析値: C H N Br 計算値(%) 58.14 5.02 7.53 21.49 分析値(%) 57.83 4.93 7.36 21.18
(1,2−ナフタロシアニン)の合成〕文献(Che
m.Ber.第121巻,1479−1486頁(19
88年))記載の方法を参考にして合成したブロモ−
1,2−ジシアノナフタレンから、合成例3,4及び5
に準じてジヒドロキシシリコン−テトラブロモ(1,2
−ナフタロシアニン)を得た。ジヒドロキシシリコン−
テトラブロモ(1,2−ナフタロシアニン)1g(0.
92mmol)及びトリブチルシラノール2ml(9.
24mmol)をキノリン20ml中、200℃で4時
間かくはんした。放冷後、反応混合物をメタノール10
0ml中へ注ぎ出し、よくかきまぜた後放置した。析出
した固体をろ過し、メタノールで充分に洗浄した。熱ク
ロロホルムを用いて、この固体のうち溶けるものだけ溶
かし出し、クロロホルムから再結晶することにより、黒
緑色結晶が405mg得られた。この黒緑色結晶は、下
記の分析結果より、ビス(トリブチルシロキシ)シリコ
ン−テトラブロモ(1,2−ナフタロシアニン)である
ことを確認した。 元素分析値: C H N Br 計算値(%) 58.14 5.02 7.53 21.49 分析値(%) 57.83 4.93 7.36 21.18
【0061】合成例27 〔ビス(トリブチルシロキシ)シリコン−テトラブロモ
キノロシアニンの合成〕文献(USP4,459,40
9(1984年)及びKhim.Geterotsik
l.Soedin 274−278頁(1972年))
記載の方法を参考にして合成した6−ブロモ−2,3−
ジシアノキノリンを、合成例3,4及び5に準じて処理
することにより、ジヒドロキシシリコン−テトラブロモ
キノロシアニンが得られた。ジヒドロキシシリコン−テ
トラブロモキノロシアニン1g(0.91mmol)及
びトリブチルシラノール2ml(9.24mmol)を
キノリン20ml中、200℃で5時間かくはんした。
放冷後、反応混合物をメタノール100ml中へ注ぎ出
し、よくかきまぜた後放置した。析出した固体をろ過
し、メタノールで充分に洗浄した。熱クロロホルムを用
いて、この固体のうち溶けるものだけ溶かし出し、クロ
ロホルムから再結晶することにより、黒緑色結晶が45
2mg得られた。この黒緑色結晶は、その電子スペクト
ル(図42)より、ビス(トリブチルシロキシ)シリコ
ン−テトラブロモキノロシアニンであることを確認し
た。 元素分析値: C H N Br 計算値(%) 54.77 4.73 11.27 21.43 分析値(%) 54.85 4.76 11.34 21.27
キノロシアニンの合成〕文献(USP4,459,40
9(1984年)及びKhim.Geterotsik
l.Soedin 274−278頁(1972年))
記載の方法を参考にして合成した6−ブロモ−2,3−
ジシアノキノリンを、合成例3,4及び5に準じて処理
することにより、ジヒドロキシシリコン−テトラブロモ
キノロシアニンが得られた。ジヒドロキシシリコン−テ
トラブロモキノロシアニン1g(0.91mmol)及
びトリブチルシラノール2ml(9.24mmol)を
キノリン20ml中、200℃で5時間かくはんした。
放冷後、反応混合物をメタノール100ml中へ注ぎ出
し、よくかきまぜた後放置した。析出した固体をろ過
し、メタノールで充分に洗浄した。熱クロロホルムを用
いて、この固体のうち溶けるものだけ溶かし出し、クロ
ロホルムから再結晶することにより、黒緑色結晶が45
2mg得られた。この黒緑色結晶は、その電子スペクト
ル(図42)より、ビス(トリブチルシロキシ)シリコ
ン−テトラブロモキノロシアニンであることを確認し
た。 元素分析値: C H N Br 計算値(%) 54.77 4.73 11.27 21.43 分析値(%) 54.85 4.76 11.34 21.27
【0062】合成例28 〔2,3−ジシアノ−6−(3´,5´−ジメトキシカ
ルボニルフェニルチオ)ナフタレンの合成〕合成例2で
得た6−ブロモ−2,3−ジシアノナフタレン10g
(38.9mmol)及び3,5−ジメトキシカルボニ
ルフェニルチオ化銅(I)12.9g(44.7mmo
l)をキノリン200ml中160℃で10時間かくは
んした。放冷後、内容物をメタノール/水(1/1)6
00ml中へ注ぎ、一晩放置した。析出した沈殿をろ過
しメタノールで充分に洗浄した。得られた固体をソック
スレー抽出器に移し、アセトンで20時間抽出した。ア
セトン溶液を濃縮後、メタノールを加え、析出した固体
をろ過しメタノールで充分に洗浄した。得られた固体
を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:
酢酸エチル)で精製し、続いてアセトンから再結晶する
ことにより、4.32gの無色結晶が得られた。この結
晶は、下記の分析結果から、2,3−ジシアノ−6−
(3´,5´−ジメトキシカルボニルフェニルチオ)ナ
フタレンであることがわかった。 (1)融点 222〜224℃ (2)元素分析値: C H N S 計算値(%) 65.66 3.51 6.96 7.97 分析値(%) 65.93 3.60 7.18 8.02 (3)NMRスペクトル値:CDCl3溶媒 δ値:8.71(1H,t,J=1.53Hz) 8.35(2H,d,J=1.53Hz) 8.29(1H,br−s) 8.16(1H,br−s) 7.88(1H,d,J=8.55Hz) 7.66(1H,br−s) 7.58(1H,dd,J=8.55,1.83Hz) 3.96(6H,s) (4)IRスペクトル(KBr法)を図43に示す。
ルボニルフェニルチオ)ナフタレンの合成〕合成例2で
得た6−ブロモ−2,3−ジシアノナフタレン10g
(38.9mmol)及び3,5−ジメトキシカルボニ
ルフェニルチオ化銅(I)12.9g(44.7mmo
l)をキノリン200ml中160℃で10時間かくは
んした。放冷後、内容物をメタノール/水(1/1)6
00ml中へ注ぎ、一晩放置した。析出した沈殿をろ過
しメタノールで充分に洗浄した。得られた固体をソック
スレー抽出器に移し、アセトンで20時間抽出した。ア
セトン溶液を濃縮後、メタノールを加え、析出した固体
をろ過しメタノールで充分に洗浄した。得られた固体
を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:
酢酸エチル)で精製し、続いてアセトンから再結晶する
ことにより、4.32gの無色結晶が得られた。この結
晶は、下記の分析結果から、2,3−ジシアノ−6−
(3´,5´−ジメトキシカルボニルフェニルチオ)ナ
フタレンであることがわかった。 (1)融点 222〜224℃ (2)元素分析値: C H N S 計算値(%) 65.66 3.51 6.96 7.97 分析値(%) 65.93 3.60 7.18 8.02 (3)NMRスペクトル値:CDCl3溶媒 δ値:8.71(1H,t,J=1.53Hz) 8.35(2H,d,J=1.53Hz) 8.29(1H,br−s) 8.16(1H,br−s) 7.88(1H,d,J=8.55Hz) 7.66(1H,br−s) 7.58(1H,dd,J=8.55,1.83Hz) 3.96(6H,s) (4)IRスペクトル(KBr法)を図43に示す。
【0063】実施例1 〔亜鉛ナフタロシアニンテトラカルボン酸ナトリウム
[例示化合物No.126]の合成〕 合成例19で得られた化合物100mg(8.10×1
0-5mol)を1%NaOH水溶液1.2ml及びエタ
ノール1ml中、120℃で7時間かくはんした後、減
圧下濃縮した。残査をソックスレー抽出器に移しメタノ
ールを用いて抽出した。メタノール溶液を濃縮後、逆相
ショートカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:メタノ
ール)により精製すると、亜鉛ナフタロシアニンテトラ
カルボン酸ナトリウム[例示化合物No.126]52
mgが得られた。この化合物の電子スペクトルを図44
に示す。
[例示化合物No.126]の合成〕 合成例19で得られた化合物100mg(8.10×1
0-5mol)を1%NaOH水溶液1.2ml及びエタ
ノール1ml中、120℃で7時間かくはんした後、減
圧下濃縮した。残査をソックスレー抽出器に移しメタノ
ールを用いて抽出した。メタノール溶液を濃縮後、逆相
ショートカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:メタノ
ール)により精製すると、亜鉛ナフタロシアニンテトラ
カルボン酸ナトリウム[例示化合物No.126]52
mgが得られた。この化合物の電子スペクトルを図44
に示す。
【0064】実施例2 〔ビス(トリエチルシロキシ)シリコンナフタロシアニ
ンテトラカルボン酸ナトリウム[例示化合物No.12
1]の合成〕無水メタノール20mlに金属ナトリウム
0.1g(4.35mmol)を加えて調整したナトリ
ウムメトキシド−メタノール溶液に6−メトキシカルボ
ニル−2,3−ジシアノナフタレン2g(8.47mm
ol)を加え、よくかくはんしながら室温下、無水アン
モニアガスを約1時間バブルした。無水アンモニアガス
をバブルしながら約3時間還流した。冷却後、析出した
黄色固体をろ過しメタノールで充分に洗浄し、減圧乾燥
すると6−カルバモイル−1,3−ジイミノベンゾ
[f]イソインドリンが黄色固体として1.785g
(88%)得られた。この6−カルバモイル−1,3−
ジイミノベンゾ[f]イソインドリンのIRスペクトル
を図45に示す。6−カルバモイル−1,3−ジイミノ
ベンゾ[f]イソインドリンは、これ以上精製せずに次
の反応に用いた。6−カルバモイル−1,3−ジイミノ
ベンゾ[f]イソインドリン500mg(2.10mm
ol)の無水キノリン10ml懸濁液に四塩化ケイ素
1.8mlを加えて、220℃、3時間かくはんした
後、減圧下大部分の四塩化ケイ素を留去した。放冷後、
エタノール40ml、濃アンモニア水20mlを加え5
時間還流した。放冷後、黒緑色固体をろ過しメタノール
で充分に洗浄した後、減圧乾燥したところ、黒緑色固体
が934mg得られた。この黒緑色固体は、図46に示
す電子スペクトルより、ジヒドロキシシリコン−テトラ
カルバモイルナフタロシアニンを含む固体であると考え
られるが、ジヒドロキシシリコン−テトラカルバモイル
ナフタロシアニンは、これ以上精製せずに次の反応に用
いた。ジヒドロキシシリコン−テトラカルバモイルナフ
タロシアニン600mg(6.34×10-4mol)の
キノリン10ml懸濁液にトリエチルシラノール2ml
を加え、200℃、3時間かくはんした。反応後、大部
分のキノリンを減圧下留去した。得られた残査に、1%
NaOH水溶液17ml、エタノール24mlを加え、
5時間還流した。反応混合物は熱いうちにろ過しメタノ
ール、アセトンで充分に洗浄した。集めた母液を濃縮
後、逆相クロマトグラフィー(展開溶媒:メタノール)
により、目的のビス(トリエチルシロキシ)シリコンナ
フタロシアニンテトラカルボン酸ナトリウム[例示化合
物No.121]を緑色固体として54mg得た。その
電子スペクトルを図47に示す。
ンテトラカルボン酸ナトリウム[例示化合物No.12
1]の合成〕無水メタノール20mlに金属ナトリウム
0.1g(4.35mmol)を加えて調整したナトリ
ウムメトキシド−メタノール溶液に6−メトキシカルボ
ニル−2,3−ジシアノナフタレン2g(8.47mm
ol)を加え、よくかくはんしながら室温下、無水アン
モニアガスを約1時間バブルした。無水アンモニアガス
をバブルしながら約3時間還流した。冷却後、析出した
黄色固体をろ過しメタノールで充分に洗浄し、減圧乾燥
すると6−カルバモイル−1,3−ジイミノベンゾ
[f]イソインドリンが黄色固体として1.785g
(88%)得られた。この6−カルバモイル−1,3−
ジイミノベンゾ[f]イソインドリンのIRスペクトル
を図45に示す。6−カルバモイル−1,3−ジイミノ
ベンゾ[f]イソインドリンは、これ以上精製せずに次
の反応に用いた。6−カルバモイル−1,3−ジイミノ
ベンゾ[f]イソインドリン500mg(2.10mm
ol)の無水キノリン10ml懸濁液に四塩化ケイ素
1.8mlを加えて、220℃、3時間かくはんした
後、減圧下大部分の四塩化ケイ素を留去した。放冷後、
エタノール40ml、濃アンモニア水20mlを加え5
時間還流した。放冷後、黒緑色固体をろ過しメタノール
で充分に洗浄した後、減圧乾燥したところ、黒緑色固体
が934mg得られた。この黒緑色固体は、図46に示
す電子スペクトルより、ジヒドロキシシリコン−テトラ
カルバモイルナフタロシアニンを含む固体であると考え
られるが、ジヒドロキシシリコン−テトラカルバモイル
ナフタロシアニンは、これ以上精製せずに次の反応に用
いた。ジヒドロキシシリコン−テトラカルバモイルナフ
タロシアニン600mg(6.34×10-4mol)の
キノリン10ml懸濁液にトリエチルシラノール2ml
を加え、200℃、3時間かくはんした。反応後、大部
分のキノリンを減圧下留去した。得られた残査に、1%
NaOH水溶液17ml、エタノール24mlを加え、
5時間還流した。反応混合物は熱いうちにろ過しメタノ
ール、アセトンで充分に洗浄した。集めた母液を濃縮
後、逆相クロマトグラフィー(展開溶媒:メタノール)
により、目的のビス(トリエチルシロキシ)シリコンナ
フタロシアニンテトラカルボン酸ナトリウム[例示化合
物No.121]を緑色固体として54mg得た。その
電子スペクトルを図47に示す。
【0065】実施例3 〔ビス(トリブチルシロキシ)シリコン−テトラフェニ
ルチオナフタロシアニンスルホン酸ナトリウム[例示化
合物No.6]の合成〕ビス(トリブチルシロキシ)シ
リコン−テトラフェニルチオナフタロシアニン100m
g(6.23×10-5mol)のクロロスルホン酸6m
l溶液を100℃、2時間加熱した。放冷後、氷浴で冷
却しながら約25gの氷を加えて反応をクェンチした。
室温下4時間放置した後、析出した固体をろ過した。得
られた黒かっ色固体のうち蒸留水に溶けるものだけ溶か
し出した。得られた酸性のかっ色水溶液を20%NaO
H水溶液を用いて中和した後、減圧下濃縮した。残査を
ソックスレー抽出器に移してメタノールで約30時間抽
出した。得られたメタノール溶液を濃縮した後、逆相ク
ロマトグラフィー(展開溶媒:メタノール)により精製
した。メタノール溶液を濃縮し、アセトンを加えて黒緑
色結晶を析出させ、ろ過し減圧下乾燥したところ、77
mgのビス(トリブチルシロキシ)シリコン−テトラフ
ェニルチオナフタロシアニンスルホン酸ナトリウム[例
示化合物No.6]が得られた。その電子スペクトルを
図48に示す。
ルチオナフタロシアニンスルホン酸ナトリウム[例示化
合物No.6]の合成〕ビス(トリブチルシロキシ)シ
リコン−テトラフェニルチオナフタロシアニン100m
g(6.23×10-5mol)のクロロスルホン酸6m
l溶液を100℃、2時間加熱した。放冷後、氷浴で冷
却しながら約25gの氷を加えて反応をクェンチした。
室温下4時間放置した後、析出した固体をろ過した。得
られた黒かっ色固体のうち蒸留水に溶けるものだけ溶か
し出した。得られた酸性のかっ色水溶液を20%NaO
H水溶液を用いて中和した後、減圧下濃縮した。残査を
ソックスレー抽出器に移してメタノールで約30時間抽
出した。得られたメタノール溶液を濃縮した後、逆相ク
ロマトグラフィー(展開溶媒:メタノール)により精製
した。メタノール溶液を濃縮し、アセトンを加えて黒緑
色結晶を析出させ、ろ過し減圧下乾燥したところ、77
mgのビス(トリブチルシロキシ)シリコン−テトラフ
ェニルチオナフタロシアニンスルホン酸ナトリウム[例
示化合物No.6]が得られた。その電子スペクトルを
図48に示す。
【0066】実施例4 〔ビス(トリブチルシロキシ)シリコン−テトラフェニ
ルチオナフタロシアニンオクタカルボン酸ナトリウム
[例示化合物No.1]の合成〕ビス(トリブチルシロ
キシ)シリコン−テトラブロモナフタロシアニン500
mg(3.36×10-4mol),3,5−ジメトキシ
カルボニルフェニルチオ化銅(I)418mg(1.4
5×10-3mol)のキノリン8ml懸濁液を140℃
で16時間かくはんした。放冷後、メタノール/水(1
/1)40mlを加え、室温で一晩放置した。析出した
固体をろ過しメタノールで洗浄して減圧乾燥したところ
緑色固体798mgが得られた。この緑色固体100m
gを2%NaOH水溶液10ml及びエタノール10m
lの混合溶液中90℃で2時間かくはんした。放冷後、
濃塩酸で中和し減圧下濃縮した。得られた残査を逆相ク
ロマトグラフィー(展開溶媒:メタノール)から、分離
精製することにより、ビス(トリブチルシロキシ)シリ
コン−テトラフェニルチオナフタロシアニンオクタカル
ボン酸ナトリウム[例示化合物No.1]76mgが黒
緑色結晶として得られた。その電子スペクトルを図49
に示す。
ルチオナフタロシアニンオクタカルボン酸ナトリウム
[例示化合物No.1]の合成〕ビス(トリブチルシロ
キシ)シリコン−テトラブロモナフタロシアニン500
mg(3.36×10-4mol),3,5−ジメトキシ
カルボニルフェニルチオ化銅(I)418mg(1.4
5×10-3mol)のキノリン8ml懸濁液を140℃
で16時間かくはんした。放冷後、メタノール/水(1
/1)40mlを加え、室温で一晩放置した。析出した
固体をろ過しメタノールで洗浄して減圧乾燥したところ
緑色固体798mgが得られた。この緑色固体100m
gを2%NaOH水溶液10ml及びエタノール10m
lの混合溶液中90℃で2時間かくはんした。放冷後、
濃塩酸で中和し減圧下濃縮した。得られた残査を逆相ク
ロマトグラフィー(展開溶媒:メタノール)から、分離
精製することにより、ビス(トリブチルシロキシ)シリ
コン−テトラフェニルチオナフタロシアニンオクタカル
ボン酸ナトリウム[例示化合物No.1]76mgが黒
緑色結晶として得られた。その電子スペクトルを図49
に示す。
【0067】実施例5 〔ビス(トリブチルシロキシ)シリコン−テトラフェニ
ルチオキノキザロシアニンオクタカルボン酸ナトリウム
[例示化合物No.41]の合成〕ビス(トリブチルシ
ロキシ)シリコン−テトラクロロキノキザロシアニン5
00mg(3.80×10-4mol),3,5−ジメト
キシカルボニルフェニルチオ化銅(I)418mg
(1.45×10-3mol)のキノリン8ml懸濁液を
200℃で10時間かくはんした。放冷後、メタノール
/水(1/1)40mlを加え、室温で一晩放置した。
析出した固体をろ過しメタノールで洗浄して減圧乾燥し
たところ、青緑色固体670mgが得られた。この青緑
色固体100mgを2%NaOH水溶液10ml及びエ
タノール10mlの混合溶液中90℃で2時間かくはん
した。放冷後、濃塩酸で中和し減圧下濃縮した。得られ
た残査を逆相クロマトグラフィー(展開溶媒:メタノー
ル)から、分離精製することにより、ビス(トリブチル
シロキシ)シリコン−テトラフェニルチオキノキザロシ
アニンオクタカルボン酸ナトリウム[例示化合物No.
41]51mgが黒緑色結晶として得られた。その電子
スペクトルを図50に示す。
ルチオキノキザロシアニンオクタカルボン酸ナトリウム
[例示化合物No.41]の合成〕ビス(トリブチルシ
ロキシ)シリコン−テトラクロロキノキザロシアニン5
00mg(3.80×10-4mol),3,5−ジメト
キシカルボニルフェニルチオ化銅(I)418mg
(1.45×10-3mol)のキノリン8ml懸濁液を
200℃で10時間かくはんした。放冷後、メタノール
/水(1/1)40mlを加え、室温で一晩放置した。
析出した固体をろ過しメタノールで洗浄して減圧乾燥し
たところ、青緑色固体670mgが得られた。この青緑
色固体100mgを2%NaOH水溶液10ml及びエ
タノール10mlの混合溶液中90℃で2時間かくはん
した。放冷後、濃塩酸で中和し減圧下濃縮した。得られ
た残査を逆相クロマトグラフィー(展開溶媒:メタノー
ル)から、分離精製することにより、ビス(トリブチル
シロキシ)シリコン−テトラフェニルチオキノキザロシ
アニンオクタカルボン酸ナトリウム[例示化合物No.
41]51mgが黒緑色結晶として得られた。その電子
スペクトルを図50に示す。
【0068】実施例6 〔ビス(トリブチルシロキシ)シリコン−オクタフェニ
ルチオフェナントラシアニンヘキサデカカルボン酸ナト
リウム[例示化合物No.62]の合成〕ビス(トリブ
チルシロキシ)シリコン−オクタブロモフェナントラシ
アニン500mg(2.50×10-4mol),3,5
−ジメトキシカルボニルフェニルチオ化銅(I)418
mg(1.45×10-3mol)のキノリン8ml懸濁
液を140℃で16時間かくはんした。放冷後、メタノ
ール/水(1/1)40mlを加え、室温で一晩放置し
た。析出した固体をろ過しメタノールで洗浄して減圧乾
燥したところ、緑色固体798mgが得られた。この緑
色固体100mgを2%NaOH水溶液10ml及びエ
タノール10mlの混合溶液中90℃で2時間かくはん
した。放冷後、濃塩酸で中和し減圧下濃縮した。得られ
た残査を逆相クロマトグラフィー(展開溶媒:メタノー
ル)から、分離精製することにより、ビス(トリブチル
シロキシ)シリコン−オクタフェニルチオフェナントラ
シアニンヘキサデカカルボン酸ナトリウム[例示化合物
No.62]48mgが黒緑色結晶として得られた。
ルチオフェナントラシアニンヘキサデカカルボン酸ナト
リウム[例示化合物No.62]の合成〕ビス(トリブ
チルシロキシ)シリコン−オクタブロモフェナントラシ
アニン500mg(2.50×10-4mol),3,5
−ジメトキシカルボニルフェニルチオ化銅(I)418
mg(1.45×10-3mol)のキノリン8ml懸濁
液を140℃で16時間かくはんした。放冷後、メタノ
ール/水(1/1)40mlを加え、室温で一晩放置し
た。析出した固体をろ過しメタノールで洗浄して減圧乾
燥したところ、緑色固体798mgが得られた。この緑
色固体100mgを2%NaOH水溶液10ml及びエ
タノール10mlの混合溶液中90℃で2時間かくはん
した。放冷後、濃塩酸で中和し減圧下濃縮した。得られ
た残査を逆相クロマトグラフィー(展開溶媒:メタノー
ル)から、分離精製することにより、ビス(トリブチル
シロキシ)シリコン−オクタフェニルチオフェナントラ
シアニンヘキサデカカルボン酸ナトリウム[例示化合物
No.62]48mgが黒緑色結晶として得られた。
【0069】実施例7 〔ビス(トリブチルシロキシ)シリコン−オクタフェニ
ルチオアントラシアニンヘキサデカカルボン酸ナトリウ
ム[例示化合物No.82]の合成〕ビス(トリブチル
シロキシ)シリコン−オクタブロモアントラシアニン5
00mg(2.50×10-4mol),3,5−ジメト
キシカルボニルフェニルチオ化銅(I)418mg
(1.45×10-3mol)のキノリン8ml懸濁液を
150℃で14時間かくはんした。放冷後、メタノール
/水(1/1)40mlを加え、室温で一晩放置した。
析出した固体をろ過しメタノールで洗浄して減圧乾燥し
たところ、暗かっ色固体824mg得られた。この暗か
っ色固体100mgを2%NaOH水溶液10ml及び
エタノール10mlの混合溶液中90℃で2時間かくは
んした。放冷後、濃塩酸で中和し減圧下濃縮した。得ら
れた残査を逆相クロマトグラフィー(展開溶媒:メタノ
ール)から、分離精製することにより、ビス(トリブチ
ルシロキシ)シリコン−オクタフェニルチオアントラシ
アニンヘキサデカカルボン酸ナトリウム[例示化合物N
o.82]53mgが黒かっ色結晶として得られた。
ルチオアントラシアニンヘキサデカカルボン酸ナトリウ
ム[例示化合物No.82]の合成〕ビス(トリブチル
シロキシ)シリコン−オクタブロモアントラシアニン5
00mg(2.50×10-4mol),3,5−ジメト
キシカルボニルフェニルチオ化銅(I)418mg
(1.45×10-3mol)のキノリン8ml懸濁液を
150℃で14時間かくはんした。放冷後、メタノール
/水(1/1)40mlを加え、室温で一晩放置した。
析出した固体をろ過しメタノールで洗浄して減圧乾燥し
たところ、暗かっ色固体824mg得られた。この暗か
っ色固体100mgを2%NaOH水溶液10ml及び
エタノール10mlの混合溶液中90℃で2時間かくは
んした。放冷後、濃塩酸で中和し減圧下濃縮した。得ら
れた残査を逆相クロマトグラフィー(展開溶媒:メタノ
ール)から、分離精製することにより、ビス(トリブチ
ルシロキシ)シリコン−オクタフェニルチオアントラシ
アニンヘキサデカカルボン酸ナトリウム[例示化合物N
o.82]53mgが黒かっ色結晶として得られた。
【0070】実施例8 〔ビス(トリブチルシロキシ)シリコン−テトラフェニ
ルチオ(1,2−ナフタロシアニン)オクタカルボン酸
ナトリウム[例示化合物No.101]の合成〕ビス
(トリブチルシロキシ)シリコン−テトラブロモ(1,
2−ナフタロシアニン500mg(3.36×10-4m
ol),3,5−ジメトキシカルボニルフェニルチオ化
銅(I)418mg(1.45×10-3mol)のキノ
リン8ml懸濁液を140℃で20時間かくはんした。
放冷後、メタノール/水(1/1)40mlを加え、室
温で一晩放置した。析出した固体をろ過しメタノールで
洗浄して減圧乾燥したところ、緑色固体745mgが得
られた。この緑色固体100mgを2%NaOH水溶液
10ml及びエタノール10mlの混合溶液中90℃で
2時間かくはんした。放冷後、濃塩酸で中和し減圧下濃
縮した。得られた残査を逆相クロマトグラフィー(展開
溶媒:メタノール)から、分離精製することにより、ビ
ス(トリブチルシロキシ)シリコン−テトラフェニルチ
オ(1,2−ナフタロシアニン)オクタカルボン酸ナト
リウム[例示化合物No.101]61mgが黒緑色結
晶として得られた。
ルチオ(1,2−ナフタロシアニン)オクタカルボン酸
ナトリウム[例示化合物No.101]の合成〕ビス
(トリブチルシロキシ)シリコン−テトラブロモ(1,
2−ナフタロシアニン500mg(3.36×10-4m
ol),3,5−ジメトキシカルボニルフェニルチオ化
銅(I)418mg(1.45×10-3mol)のキノ
リン8ml懸濁液を140℃で20時間かくはんした。
放冷後、メタノール/水(1/1)40mlを加え、室
温で一晩放置した。析出した固体をろ過しメタノールで
洗浄して減圧乾燥したところ、緑色固体745mgが得
られた。この緑色固体100mgを2%NaOH水溶液
10ml及びエタノール10mlの混合溶液中90℃で
2時間かくはんした。放冷後、濃塩酸で中和し減圧下濃
縮した。得られた残査を逆相クロマトグラフィー(展開
溶媒:メタノール)から、分離精製することにより、ビ
ス(トリブチルシロキシ)シリコン−テトラフェニルチ
オ(1,2−ナフタロシアニン)オクタカルボン酸ナト
リウム[例示化合物No.101]61mgが黒緑色結
晶として得られた。
【0071】実施例9 〔ビス(トリブチルシロキシ)シリコン−テトラフェニ
ルチオキノロシアニンオクタカルボン酸ナトリウム[例
示化合物No.21]の合成〕ビス(トリブチルシロキ
シ)シリコン−テトラブロモキノロシアニン500mg
(3.35×10-4mol),3,5−ジメトキシカル
ボニルフェニルチオ化銅(I)418mg(1.45×
10-3mol)のキノリン8ml懸濁液を140℃で1
8時間かくはんした。放冷後、メタノール/水(1/
1)40mlを加え、室温で一晩放置した。析出した固
体をろ過しメタノールで洗浄して減圧乾燥したところ、
緑色固体642mgが得られた。この緑色固体100m
gを2%NaOH水溶液10ml及びエタノール10m
lの混合溶液中90℃で2時間かくはんした。放冷後、
濃塩酸で中和し減圧下濃縮した。得られた残査を逆相ク
ロマトグラフィー(展開溶媒:メタノール)から、分離
精製することにより、ビス(トリブチルシロキシ)シリ
コン−テトラフェニルチオキノロシアニンオクタカルボ
ン酸ナトリウム[例示化合物No.21]68mgが黒
緑色結晶として得られた。その電子スペクトルを図51
に示す。
ルチオキノロシアニンオクタカルボン酸ナトリウム[例
示化合物No.21]の合成〕ビス(トリブチルシロキ
シ)シリコン−テトラブロモキノロシアニン500mg
(3.35×10-4mol),3,5−ジメトキシカル
ボニルフェニルチオ化銅(I)418mg(1.45×
10-3mol)のキノリン8ml懸濁液を140℃で1
8時間かくはんした。放冷後、メタノール/水(1/
1)40mlを加え、室温で一晩放置した。析出した固
体をろ過しメタノールで洗浄して減圧乾燥したところ、
緑色固体642mgが得られた。この緑色固体100m
gを2%NaOH水溶液10ml及びエタノール10m
lの混合溶液中90℃で2時間かくはんした。放冷後、
濃塩酸で中和し減圧下濃縮した。得られた残査を逆相ク
ロマトグラフィー(展開溶媒:メタノール)から、分離
精製することにより、ビス(トリブチルシロキシ)シリ
コン−テトラフェニルチオキノロシアニンオクタカルボ
ン酸ナトリウム[例示化合物No.21]68mgが黒
緑色結晶として得られた。その電子スペクトルを図51
に示す。
【0072】実施例10 〔ビス(トリヒドロキシネオペントキシ)シリコン−テ
トラフェニルチオナフタロシアニンオクタカルボン酸ナ
トリウム[例示化合物No.11]の合成〕2,3−ジ
シアノ−6−(3´,5´−ジメトキシカルボニルフェ
ニルチオ)ナフタレンを原料として用い、合成例3,4
及び5と同様に処理することにより、ジヒドロキシシリ
コン−テトラフェニルチオナフタロシアニンオクタカル
バモイル化体を得た。この化合物50mg(3.22×
10-5mol)及びペンタエリスリトール68mg(5
×10-4mol)をキノリン5ml中200℃で4時間
かくはんした。反応後、内容物を減圧下濃縮し、エタノ
ール5ml及び2%NaOH水溶液5mlを加え90
℃、3時間かくはんした。放冷後、濃塩酸で中和し減圧
下濃縮した。得られた残査を逆相クロマトグラフィー
(展開溶媒:メタノール)から、分離精製することによ
り、ビス(トリヒドロキシネオペントキシ)シリコン−
テトラフェニルチオナフタロシアニンオクタカルボン酸
ナトリウム[例示化合物No.11]18mgが黒緑色
結晶として得られた。その電子スペクトルを図52に示
す。
トラフェニルチオナフタロシアニンオクタカルボン酸ナ
トリウム[例示化合物No.11]の合成〕2,3−ジ
シアノ−6−(3´,5´−ジメトキシカルボニルフェ
ニルチオ)ナフタレンを原料として用い、合成例3,4
及び5と同様に処理することにより、ジヒドロキシシリ
コン−テトラフェニルチオナフタロシアニンオクタカル
バモイル化体を得た。この化合物50mg(3.22×
10-5mol)及びペンタエリスリトール68mg(5
×10-4mol)をキノリン5ml中200℃で4時間
かくはんした。反応後、内容物を減圧下濃縮し、エタノ
ール5ml及び2%NaOH水溶液5mlを加え90
℃、3時間かくはんした。放冷後、濃塩酸で中和し減圧
下濃縮した。得られた残査を逆相クロマトグラフィー
(展開溶媒:メタノール)から、分離精製することによ
り、ビス(トリヒドロキシネオペントキシ)シリコン−
テトラフェニルチオナフタロシアニンオクタカルボン酸
ナトリウム[例示化合物No.11]18mgが黒緑色
結晶として得られた。その電子スペクトルを図52に示
す。
【0073】実施例11 〔ビス(トリプロピルシロキシ)シリコン−テトラエチ
ルチオナフタロシアニンテトラカルボン酸ナトリウム
[例示化合物No.16]の合成〕合成例12で得られ
たビス(トリプロピルシロキシ)シリコン−テトラキス
〔2−(2´,2´,4´,4´−テトラメチルペンチ
ルオキシカルボニル)エチルチオ〕ナフタロシアニン2
0mgをエタノール5ml及び2%NaOH水溶液5m
lを加え90℃、3時間かくはんした。放冷後、濃塩酸
で中和し減圧下濃縮した。得られた残査を逆相クロマト
グラフィー(展開溶媒:メタノール)から、分離精製す
ることにより、ビス(トリプロピルシロキシ)シリコン
−テトラエチルチオナフタロシアニンテトラカルボン酸
ナトリウム[例示化合物No.16]9mgが黒緑色結
晶として得られた。その電子スペクトルを図53に示
す。
ルチオナフタロシアニンテトラカルボン酸ナトリウム
[例示化合物No.16]の合成〕合成例12で得られ
たビス(トリプロピルシロキシ)シリコン−テトラキス
〔2−(2´,2´,4´,4´−テトラメチルペンチ
ルオキシカルボニル)エチルチオ〕ナフタロシアニン2
0mgをエタノール5ml及び2%NaOH水溶液5m
lを加え90℃、3時間かくはんした。放冷後、濃塩酸
で中和し減圧下濃縮した。得られた残査を逆相クロマト
グラフィー(展開溶媒:メタノール)から、分離精製す
ることにより、ビス(トリプロピルシロキシ)シリコン
−テトラエチルチオナフタロシアニンテトラカルボン酸
ナトリウム[例示化合物No.16]9mgが黒緑色結
晶として得られた。その電子スペクトルを図53に示
す。
【0074】試験例1 [蛍光量子収率の測定]1,1´,3,3,3´,3´
−ヘキサメチルインドトリカルボシアニン パークロレ
ート又はオキサジン−720を近赤外域での標準物質と
して用いて、文献(J.Photochem.Phot
obiol,A.Chemistry,第45巻,11
7−121頁(1988年))記載の相対量子収率測定
法により、実施例1〜11で得られたテトラアザポルフ
ィン及び同様の方法で得られた本発明のテトラアザポル
フィンの蛍光量子収率を求めた。結果を表10〜12に
示す。表10〜12から明らかなように、本発明の蛍光
標識色素はいずれも、充分な蛍光量子収率を示すことが
わかる。
−ヘキサメチルインドトリカルボシアニン パークロレ
ート又はオキサジン−720を近赤外域での標準物質と
して用いて、文献(J.Photochem.Phot
obiol,A.Chemistry,第45巻,11
7−121頁(1988年))記載の相対量子収率測定
法により、実施例1〜11で得られたテトラアザポルフ
ィン及び同様の方法で得られた本発明のテトラアザポル
フィンの蛍光量子収率を求めた。結果を表10〜12に
示す。表10〜12から明らかなように、本発明の蛍光
標識色素はいずれも、充分な蛍光量子収率を示すことが
わかる。
【0075】
【表10】
【0076】
【表11】
【0077】
【表12】
【0078】実施例12 ビス(トリブチルシロキシ)シリコン−テトラフェニル
チオナフタロシアニンオクタカルボン酸ナトリウム[例
示化合物No.1]10mg(4.69×10-6mo
l)のメタノール10ml溶液を希塩酸で酸性にし、す
ばやく減圧下濃縮乾固した。得られた残査を無水DMF
(ジメチルホルムアミド)30mlに溶けるものだけ溶
解し、N,N−ジメチルアミノピリジン0.1mg
(8.14×10-7mol)及び1,3−プロパンジオ
ール0.35mg(4.60×10-6mol)を加え
て、よくかくはんしながら1,3−ジシクロヘキシルカ
ルボジイミド(DCC)1mg(4.85×10-6mo
l)を加え、室温下5時間かくはんを続けた。反応混合
物に0.2MNa2CO3緩衝液(pH9.3)1mlを
加えた後、減圧下濃縮した。得られた残査を逆相クロマ
トグラフィーにより分離精製したところ、ビス(トリブ
チルシロキシ)シリコン−テトラフェニルチオナフタロ
シアニンオクタカルボン酸モノヒドロキシプロピルエス
テルヘプタナトリウム塩5mgが得られた。その電子ス
ペクトルを図54に示す。
チオナフタロシアニンオクタカルボン酸ナトリウム[例
示化合物No.1]10mg(4.69×10-6mo
l)のメタノール10ml溶液を希塩酸で酸性にし、す
ばやく減圧下濃縮乾固した。得られた残査を無水DMF
(ジメチルホルムアミド)30mlに溶けるものだけ溶
解し、N,N−ジメチルアミノピリジン0.1mg
(8.14×10-7mol)及び1,3−プロパンジオ
ール0.35mg(4.60×10-6mol)を加え
て、よくかくはんしながら1,3−ジシクロヘキシルカ
ルボジイミド(DCC)1mg(4.85×10-6mo
l)を加え、室温下5時間かくはんを続けた。反応混合
物に0.2MNa2CO3緩衝液(pH9.3)1mlを
加えた後、減圧下濃縮した。得られた残査を逆相クロマ
トグラフィーにより分離精製したところ、ビス(トリブ
チルシロキシ)シリコン−テトラフェニルチオナフタロ
シアニンオクタカルボン酸モノヒドロキシプロピルエス
テルヘプタナトリウム塩5mgが得られた。その電子ス
ペクトルを図54に示す。
【0079】実施例13 ビス(トリブチルシロキシ)シリコン−テトラフェニル
チオキノキザロシアニンオクタカルボン酸ナトリウム
[例示化合物No.41]10mg(4.67×10-6
mol)のメタノール10ml溶液を希塩酸で酸性に
し、すばやく減圧下濃縮乾固した。得られた残査を無水
DMF30mlに溶けるものだけ溶解し、N,N−ジメ
チルアミノピリジン0.1mg(8.14×10-7mo
l)及び1,3−プロパンジオール0.35mg(4.
60×10-6mol)を加えて、よくかくはんしながら
1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)1
mg(4.85×10-6mol)を加え、室温下5時間
かくはんを続けた。反応混合物に0.2MNa2CO3緩
衝液(pH9.3)1mlを加えた後、減圧下濃縮し
た。得られた残査を逆相クロマトグラフィーにより分離
精製したところ、ビス(トリブチルシロキシ)シリコン
−テトラフェニルチオキノキザロシアニンオクタカルボ
ン酸モノヒドロキシプロピルエステルヘプタナトリウム
塩4mgが得られた。その電子スペクトルを図55に示
す。
チオキノキザロシアニンオクタカルボン酸ナトリウム
[例示化合物No.41]10mg(4.67×10-6
mol)のメタノール10ml溶液を希塩酸で酸性に
し、すばやく減圧下濃縮乾固した。得られた残査を無水
DMF30mlに溶けるものだけ溶解し、N,N−ジメ
チルアミノピリジン0.1mg(8.14×10-7mo
l)及び1,3−プロパンジオール0.35mg(4.
60×10-6mol)を加えて、よくかくはんしながら
1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)1
mg(4.85×10-6mol)を加え、室温下5時間
かくはんを続けた。反応混合物に0.2MNa2CO3緩
衝液(pH9.3)1mlを加えた後、減圧下濃縮し
た。得られた残査を逆相クロマトグラフィーにより分離
精製したところ、ビス(トリブチルシロキシ)シリコン
−テトラフェニルチオキノキザロシアニンオクタカルボ
ン酸モノヒドロキシプロピルエステルヘプタナトリウム
塩4mgが得られた。その電子スペクトルを図55に示
す。
【0080】実施例14 ビス(トリブチルシロキシ)シリコン−オクタフェニル
チオフェナントラシアニンヘキサデカカルボン酸ナトリ
ウム[例示化合物No.62]10mg(3.04×1
0-6mol)のメタノール10ml溶液を希塩酸で酸性
にし、すばやく減圧下濃縮乾固した。得られた残査を無
水DMF20mlに溶けるものだけ溶解し、N,N−ジ
メチルアミノピリジン0.1mg(8.14×10-7m
ol)及び1,3−プロパンジオール0.22mg
(2.89×10-6mol)を加えて、よくかくはんし
ながら1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DC
C)0.64mg(3.10×10-6mol)を加え、
室温下5時間かくはんを続けた。反応混合物に0.2M
Na2CO3緩衝液(pH9.3)1mlを加えた後、減
圧下濃縮した。得られた残査を逆相クロマトグラフィー
により分離精製したところ、ビス(トリブチルシロキ
シ)シリコン−オクタフェニルチオフェナントラシアニ
ンヘキサデカカルボン酸モノヒドロキシプロピルエステ
ルペンタデカナトリウム塩5mgが得られた。
チオフェナントラシアニンヘキサデカカルボン酸ナトリ
ウム[例示化合物No.62]10mg(3.04×1
0-6mol)のメタノール10ml溶液を希塩酸で酸性
にし、すばやく減圧下濃縮乾固した。得られた残査を無
水DMF20mlに溶けるものだけ溶解し、N,N−ジ
メチルアミノピリジン0.1mg(8.14×10-7m
ol)及び1,3−プロパンジオール0.22mg
(2.89×10-6mol)を加えて、よくかくはんし
ながら1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DC
C)0.64mg(3.10×10-6mol)を加え、
室温下5時間かくはんを続けた。反応混合物に0.2M
Na2CO3緩衝液(pH9.3)1mlを加えた後、減
圧下濃縮した。得られた残査を逆相クロマトグラフィー
により分離精製したところ、ビス(トリブチルシロキ
シ)シリコン−オクタフェニルチオフェナントラシアニ
ンヘキサデカカルボン酸モノヒドロキシプロピルエステ
ルペンタデカナトリウム塩5mgが得られた。
【0081】実施例15 ビス(トリブチルシロキシ)シリコン−オクタフェニル
チオアントラシアニンヘキサデカカルボン酸ナトリウム
[例示化合物No.82]10mg(3.04×10-6
mol)のメタノール10ml溶液を希塩酸で酸性に
し、すばやく減圧下濃縮乾固した。得られた残査を無水
DMF20mlに溶けるものだけ溶解し、N,N−ジメ
チルアミノピリジン0.1mg(8.14×10-7mo
l)及び1,3−プロパンジオール0.22mg(2.
89×10-6mol)を加えて、よくかくはんしながら
1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)
0.64mg(3.10×10-6mol)を加え室温下
4時間かくはんを続けた。反応混合物に0.2MNa2
CO3緩衝液(pH9.3)1mlを加えた後、減圧下
濃縮した。得られた残査を逆相クロマトグラフィーによ
り分離精製したところ、ビス(トリブチルシロキシ)シ
リコン−オクタフェニルチオアントラシアニンヘキサデ
カカルボン酸モノヒドロキシプロピルエステルペンタデ
カナトリウム塩4mgが得られた。
チオアントラシアニンヘキサデカカルボン酸ナトリウム
[例示化合物No.82]10mg(3.04×10-6
mol)のメタノール10ml溶液を希塩酸で酸性に
し、すばやく減圧下濃縮乾固した。得られた残査を無水
DMF20mlに溶けるものだけ溶解し、N,N−ジメ
チルアミノピリジン0.1mg(8.14×10-7mo
l)及び1,3−プロパンジオール0.22mg(2.
89×10-6mol)を加えて、よくかくはんしながら
1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)
0.64mg(3.10×10-6mol)を加え室温下
4時間かくはんを続けた。反応混合物に0.2MNa2
CO3緩衝液(pH9.3)1mlを加えた後、減圧下
濃縮した。得られた残査を逆相クロマトグラフィーによ
り分離精製したところ、ビス(トリブチルシロキシ)シ
リコン−オクタフェニルチオアントラシアニンヘキサデ
カカルボン酸モノヒドロキシプロピルエステルペンタデ
カナトリウム塩4mgが得られた。
【0082】実施例16 ビス(トリブチルシロキシ)シリコン−オクタフェニル
チオ(1,2−ナフタロシアニン)オクタカルボン酸ナ
トリウム[例示化合物No.101]10mg(4.6
9×10-6mol)のメタノール10ml溶液を希塩酸
で酸性にし、すばやく減圧下濃縮乾固した。得られた残
査を無水DMF30mlに溶けるものだけ溶解し、N,
N−ジメチルアミノピリジン0.1mg(8.14×1
0-7mol)及び1,3−プロパンジオール0.35m
g(4.60×10-6mol)を加えて、よくかくはん
しながら1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド(D
CC)1mg(4.85×10-6mol)を加え、室温
下5時間かくはんを続けた。反応混合物に0.2MNa
2CO3緩衝液(pH9.3)1mlを加えた後、減圧下
濃縮した。得られた残査を逆相クロマトグラフィーによ
り分離精製したところ、ビス(トリブチルシロキシ)シ
リコン−テトラフェニルチオ(1,2−ナフタロシアニ
ン)オクタカルボン酸モノヒドロキシプロピルエステル
ヘプタナトリウム塩5mgが得られた。
チオ(1,2−ナフタロシアニン)オクタカルボン酸ナ
トリウム[例示化合物No.101]10mg(4.6
9×10-6mol)のメタノール10ml溶液を希塩酸
で酸性にし、すばやく減圧下濃縮乾固した。得られた残
査を無水DMF30mlに溶けるものだけ溶解し、N,
N−ジメチルアミノピリジン0.1mg(8.14×1
0-7mol)及び1,3−プロパンジオール0.35m
g(4.60×10-6mol)を加えて、よくかくはん
しながら1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド(D
CC)1mg(4.85×10-6mol)を加え、室温
下5時間かくはんを続けた。反応混合物に0.2MNa
2CO3緩衝液(pH9.3)1mlを加えた後、減圧下
濃縮した。得られた残査を逆相クロマトグラフィーによ
り分離精製したところ、ビス(トリブチルシロキシ)シ
リコン−テトラフェニルチオ(1,2−ナフタロシアニ
ン)オクタカルボン酸モノヒドロキシプロピルエステル
ヘプタナトリウム塩5mgが得られた。
【0083】実施例17 ビス(トリブチルシロキシ)シリコン−テトラフェニル
チオキノロシアニンオクタカルボン酸ナトリウム[例示
化合物No.21]10mg(4.68×10-6mo
l)のメタノール10ml溶液を希塩酸で酸性にし、す
ばやく減圧下濃縮乾固した。得られた残査を無水DMF
30mlに溶けるものだけ溶解し、N,N−ジメチルア
ミノピリジン0.1mg(8.14×10-7mol)及
び1,3−プロパンジオール0.35mg(4.60×
10-6mol)を加えて、よくかくはんしながら1,3
−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)1mg
(4.85×10-6mol)を加え、室温下5時間かく
はんを続けた。反応混合物に0.2MNa2CO3緩衝液
(pH9.3)1mlを加えた後、減圧下濃縮したとこ
ろ、ビス(トリブチルシロキシ)シリコン−テトラフェ
ニルチオキノロシアニンオクタカルボン酸モノヒドロキ
シプロピルエステルヘプタナトリウム塩4mgが得られ
た。その電子スペクトルを図56に示す。
チオキノロシアニンオクタカルボン酸ナトリウム[例示
化合物No.21]10mg(4.68×10-6mo
l)のメタノール10ml溶液を希塩酸で酸性にし、す
ばやく減圧下濃縮乾固した。得られた残査を無水DMF
30mlに溶けるものだけ溶解し、N,N−ジメチルア
ミノピリジン0.1mg(8.14×10-7mol)及
び1,3−プロパンジオール0.35mg(4.60×
10-6mol)を加えて、よくかくはんしながら1,3
−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)1mg
(4.85×10-6mol)を加え、室温下5時間かく
はんを続けた。反応混合物に0.2MNa2CO3緩衝液
(pH9.3)1mlを加えた後、減圧下濃縮したとこ
ろ、ビス(トリブチルシロキシ)シリコン−テトラフェ
ニルチオキノロシアニンオクタカルボン酸モノヒドロキ
シプロピルエステルヘプタナトリウム塩4mgが得られ
た。その電子スペクトルを図56に示す。
【0084】実施例18 〔リン酸化されたオリゴヌクレオチドプライマーの合
成〕固相CED−フォスフォラミド法を用いた自動DN
A合成装置によりプライマー(5´−GTTTCCCA
GTCACGAC−3´)を合成した。合成したプライ
マーのリン酸化は、50mMトリス−塩酸(pH7.
6)、10mM塩化マグネシウム、10mMジチオスレ
イトール、3mMATP、T4−ヌクレオチドカイネー
スを含む100μlの反応液中で37℃、1時間保温し
て行った。リン酸化されたプライマーは、ゲルろ過用カ
ラムを使用して高速液体クロマトグラフィー(HPL
C)で分離し、リン酸化されたプライマーのピークを集
め、凍結乾燥で溶媒を除いた。
成〕固相CED−フォスフォラミド法を用いた自動DN
A合成装置によりプライマー(5´−GTTTCCCA
GTCACGAC−3´)を合成した。合成したプライ
マーのリン酸化は、50mMトリス−塩酸(pH7.
6)、10mM塩化マグネシウム、10mMジチオスレ
イトール、3mMATP、T4−ヌクレオチドカイネー
スを含む100μlの反応液中で37℃、1時間保温し
て行った。リン酸化されたプライマーは、ゲルろ過用カ
ラムを使用して高速液体クロマトグラフィー(HPL
C)で分離し、リン酸化されたプライマーのピークを集
め、凍結乾燥で溶媒を除いた。
【0085】実施例19 実施例12で合成したビス(トリブチルシロキシ)シリ
コン−テトラフェニルチオナフタロシアニンオクタカル
ボン酸モノヒドロキシプロピルエステルヘプタナトリウ
ム塩の0.05mM−DMF溶液100μlに、実施例
18で得たリン酸化されたオリゴヌクレオチドプライマ
ーの0.05mM−DMF溶液100μlを加え、さら
に、DCCの0.05mM−DMF溶液100μlを加
えて、室温下一晩かくはんした。反応混合物に、100
μl0.2MNa2CO3緩衝液(pH9.3)を加えた
後、減圧下濃縮した。得られた残査をHPLCで分離す
ることにより、例示化合物No.1で標識されたオリゴ
ヌクレオチドプライマーが得られた。
コン−テトラフェニルチオナフタロシアニンオクタカル
ボン酸モノヒドロキシプロピルエステルヘプタナトリウ
ム塩の0.05mM−DMF溶液100μlに、実施例
18で得たリン酸化されたオリゴヌクレオチドプライマ
ーの0.05mM−DMF溶液100μlを加え、さら
に、DCCの0.05mM−DMF溶液100μlを加
えて、室温下一晩かくはんした。反応混合物に、100
μl0.2MNa2CO3緩衝液(pH9.3)を加えた
後、減圧下濃縮した。得られた残査をHPLCで分離す
ることにより、例示化合物No.1で標識されたオリゴ
ヌクレオチドプライマーが得られた。
【0086】実施例20 実施例13で合成したビス(トリブチルシロキシ)シリ
コン−テトラフェニルチオキノキザロシアニンオクタカ
ルボン酸モノヒドロキシプロピルエステルヘプタナトリ
ウム塩の0.05mM−DMF溶液100μlを、実施
例19と同様に処理することにより、例示化合物No.
41で標識されたオリゴヌクレオチドプライマーが得ら
れた。
コン−テトラフェニルチオキノキザロシアニンオクタカ
ルボン酸モノヒドロキシプロピルエステルヘプタナトリ
ウム塩の0.05mM−DMF溶液100μlを、実施
例19と同様に処理することにより、例示化合物No.
41で標識されたオリゴヌクレオチドプライマーが得ら
れた。
【0087】実施例21 実施例14で合成したビス(トリブチルシロキシ)シリ
コン−オクタフェニルチオフェナントラシアニンヘキサ
デカカルボン酸モノヒドロキシプロピルエステルペンタ
デカナトリウム塩の0.05mM−DMF溶液100μ
lを、実施例19と同様に処理することにより、例示化
合物No.62で標識されたオリゴヌクレオチドプライ
マーが得られた。
コン−オクタフェニルチオフェナントラシアニンヘキサ
デカカルボン酸モノヒドロキシプロピルエステルペンタ
デカナトリウム塩の0.05mM−DMF溶液100μ
lを、実施例19と同様に処理することにより、例示化
合物No.62で標識されたオリゴヌクレオチドプライ
マーが得られた。
【0088】実施例22 実施例15で合成したビス(トリブチルシロキシ)シリ
コン−オクタフェニルチオアントラシアニンヘキサデカ
カルボン酸モノヒドロキシプロピルエステルペンタデカ
ナトリウム塩の0.05mM−DMF溶液100μl
を、実施例19と同様に処理することにより、例示化合
物No.82で標識されたオリゴヌクレオチドプライマ
ーが得られた。
コン−オクタフェニルチオアントラシアニンヘキサデカ
カルボン酸モノヒドロキシプロピルエステルペンタデカ
ナトリウム塩の0.05mM−DMF溶液100μl
を、実施例19と同様に処理することにより、例示化合
物No.82で標識されたオリゴヌクレオチドプライマ
ーが得られた。
【0089】実施例23 実施例16で合成したビス(トリブチルシロキシ)シリ
コン−テトラフェニルチオ(1,2−ナフタロシアニ
ン)オクタカルボン酸モノヒドロキシプロピルエステル
ヘプタナトリウム塩の0.05mM−DMF溶液100
μlを、実施例19と同様に処理することにより、例示
化合物No.101で標識されたオリゴヌクレオチドプ
ライマーが得られた。
コン−テトラフェニルチオ(1,2−ナフタロシアニ
ン)オクタカルボン酸モノヒドロキシプロピルエステル
ヘプタナトリウム塩の0.05mM−DMF溶液100
μlを、実施例19と同様に処理することにより、例示
化合物No.101で標識されたオリゴヌクレオチドプ
ライマーが得られた。
【0090】実施例24 実施例17で合成したビス(トリブチルシロキシ)シリ
コン−テトラフェニルチオキノロシアニンオクタカルボ
ン酸モノヒドロキシプロピルエステルヘプタナトリウム
塩の0.05mM−DMF溶液100μlを、実施例1
9と同様に処理することにより、例示化合物No.21
で標識されたオリゴヌクレオチドプライマーが得られ
た。
コン−テトラフェニルチオキノロシアニンオクタカルボ
ン酸モノヒドロキシプロピルエステルヘプタナトリウム
塩の0.05mM−DMF溶液100μlを、実施例1
9と同様に処理することにより、例示化合物No.21
で標識されたオリゴヌクレオチドプライマーが得られ
た。
【0091】実施例25 実施例10で合成した例示化合物No.11の0.05
mM−DMF溶液100μlを、実施例19と同様に処
理することにより、例示化合物No.11で標識された
オリゴヌクレオチドプライマーが得られた。
mM−DMF溶液100μlを、実施例19と同様に処
理することにより、例示化合物No.11で標識された
オリゴヌクレオチドプライマーが得られた。
【0092】実施例26 〔DNAの塩基配列の分析〕 既知の塩基配列のDNAをサンプルとし、実施例19〜
25で合成した又は、実施例19〜25と同様に合成し
たリンカーを介してテトラアザポルフィンが結合したプ
ライマーを用いて、それぞれ4種の塩基でサンガー反応
を行ったのち、それぞれ別々のレーンで電気泳動分離
し、半導体レーザを装備したDNAシークェンサで分析
した。その結果をまとめて表13に示す。これらの系
は、必要に応じて非イオン系界面活性剤を添加剤として
加えている。
25で合成した又は、実施例19〜25と同様に合成し
たリンカーを介してテトラアザポルフィンが結合したプ
ライマーを用いて、それぞれ4種の塩基でサンガー反応
を行ったのち、それぞれ別々のレーンで電気泳動分離
し、半導体レーザを装備したDNAシークェンサで分析
した。その結果をまとめて表13に示す。これらの系
は、必要に応じて非イオン系界面活性剤を添加剤として
加えている。
【0093】
【表13】
【0094】実施例27 〔テトラアザポルフィン標識プライマー(例示化合物−
ACACAACTGTGTTCACTAGC)の合成〕
実施例18及び実施例19と同様にして、種々の5’末
端にテトラアザポルフィンが標識されたプライマー(例
示化合物No.−ACACAACTGTGTTCACT
AGC)を合成した。
ACACAACTGTGTTCACTAGC)の合成〕
実施例18及び実施例19と同様にして、種々の5’末
端にテトラアザポルフィンが標識されたプライマー(例
示化合物No.−ACACAACTGTGTTCACT
AGC)を合成した。
【0095】〔ヒトDNA中のβ−グロビン遺伝子の検
出〕PCR(Polymerase Chain Re
action)法を用いた遺伝子の検出法でヒトのβ−
グロビン遺伝子を検出した。試料1:ヒト胎盤のDNA
(1μg)、上記により合成した例示化合物No.−A
CACAACTGTGTTCACTAGC(300n
g)、HO−CAACTTCATCCACGTTCAC
C(300ng)、非イオン系界面活性剤およびTaq
DNAポリメラーゼ(パーキン エルマー シータス
社)を用いてパーキン エルマー シータス社のプロト
コールに従って20サイクルの遺伝子増幅を行った(全
液量:100μl)。試料2:ヒト胎盤のDNA(1μ
g)、試料1と同じ例示化合物No.−ACACAAC
TGTGTTCACTAGC(300ng)、HO−C
AACTTCATCCACGTTCACC(300n
g)、非イオン系界面活性剤を、TaqDNAポリメラ
ーゼを含まない反応液(パーキン エルマー シータス
社のプロトコールに従って調整したもの。全液量:10
0μl)に加えた。これらの試料(50μl)に緩衝液
A(非イオン系界面活性剤、50mM NaCl、10
mM Tris・HCl、0.1mM EDTA、pH
8.0)を450μl加え、予め緩衝液Aで洗浄してお
いたオクタデシルシラン樹脂(マイクロボンダパックC
−18、ウォーターズ社)に添加した。オクタデシルシ
ラン樹脂はピペットチップ(1ml用)の先端にシリコ
ナイズしたグラスウールをつめたミニカラムに、エタノ
ールに懸濁して重層したものを用いた。
出〕PCR(Polymerase Chain Re
action)法を用いた遺伝子の検出法でヒトのβ−
グロビン遺伝子を検出した。試料1:ヒト胎盤のDNA
(1μg)、上記により合成した例示化合物No.−A
CACAACTGTGTTCACTAGC(300n
g)、HO−CAACTTCATCCACGTTCAC
C(300ng)、非イオン系界面活性剤およびTaq
DNAポリメラーゼ(パーキン エルマー シータス
社)を用いてパーキン エルマー シータス社のプロト
コールに従って20サイクルの遺伝子増幅を行った(全
液量:100μl)。試料2:ヒト胎盤のDNA(1μ
g)、試料1と同じ例示化合物No.−ACACAAC
TGTGTTCACTAGC(300ng)、HO−C
AACTTCATCCACGTTCACC(300n
g)、非イオン系界面活性剤を、TaqDNAポリメラ
ーゼを含まない反応液(パーキン エルマー シータス
社のプロトコールに従って調整したもの。全液量:10
0μl)に加えた。これらの試料(50μl)に緩衝液
A(非イオン系界面活性剤、50mM NaCl、10
mM Tris・HCl、0.1mM EDTA、pH
8.0)を450μl加え、予め緩衝液Aで洗浄してお
いたオクタデシルシラン樹脂(マイクロボンダパックC
−18、ウォーターズ社)に添加した。オクタデシルシ
ラン樹脂はピペットチップ(1ml用)の先端にシリコ
ナイズしたグラスウールをつめたミニカラムに、エタノ
ールに懸濁して重層したものを用いた。
【0096】緩衝液A(500μl)および5%エタノ
ールを含んだ緩衝液A(500μl)で洗浄したのち、
10%エタノールを含んだ緩衝液A(500μl)で溶
出した。この溶出液のpHを約8に調整し、半導体レー
ザを励起光源に用いて、蛍光強度をフォトダイオードア
レイにより測定した。その結果、表14〜16に示すよ
うな相対強度が得られた。なお、未反応の例示化合物−
No.ACACAACTGTGTTCACTAGCは、
通常10%エタノールを含んだ緩衝液Aではまったく溶
出されず、15%エタノールを含んだ緩衝液Aではじめ
て溶出された。これらの結果により、本発明のテトラア
ザポルフィンを5´末端に標識したオリゴデオキシヌク
レオチドを用いて、ヒトDNA中のβ−グロビン遺伝子
を検出できることがわかった。
ールを含んだ緩衝液A(500μl)で洗浄したのち、
10%エタノールを含んだ緩衝液A(500μl)で溶
出した。この溶出液のpHを約8に調整し、半導体レー
ザを励起光源に用いて、蛍光強度をフォトダイオードア
レイにより測定した。その結果、表14〜16に示すよ
うな相対強度が得られた。なお、未反応の例示化合物−
No.ACACAACTGTGTTCACTAGCは、
通常10%エタノールを含んだ緩衝液Aではまったく溶
出されず、15%エタノールを含んだ緩衝液Aではじめ
て溶出された。これらの結果により、本発明のテトラア
ザポルフィンを5´末端に標識したオリゴデオキシヌク
レオチドを用いて、ヒトDNA中のβ−グロビン遺伝子
を検出できることがわかった。
【0097】
【表14】
【0098】
【表15】
【0099】
【表16】
【0100】比較例1 WO特許第03807号特許(1989年)記載のフタ
ロシアニン類を、既特許及び本願実施例19〜25の方
法に準じて、実施例18で得られた、オリゴヌクレオチ
ドプライマーに結合した。このようにして得られたフタ
ロシアニン結合オリゴヌクレオチドを用いて実施例26
と同様にしてDNAの塩基配列の分析を行った。本実験
で用いたフタロシアニン類を以下に示す。 比較例化合物A:アルミニウムヒドロキシ2,9,1
6,23−テトラフェノキシフタロシアニンスルホネー
ト 比較例化合物B:アルミニウムヒドロキシ2,9,1
6,23−テトラチオフェニルフタロシアニンスルホネ
ート 比較例化合物C:マグネシウム20−フェニルテトラベ
ンズトリアザポルフィンスルホネート 比較例化合物D:ビス(トリブチルシロキシ)シリコン
−フタロシアニンテトラカルボン酸ナトリウム塩 結果を表17に示す。表17に示すように、フタロシア
ニン類では、730nm以上の発振波長を有する半導体
レーザでは励起できないために蛍光がまったく観測され
ず、測定不能となるだけでなく、680nmの半導体レ
ーザを用いた場合には、散乱光の妨害を受けてその精度
が著しく低下した。
ロシアニン類を、既特許及び本願実施例19〜25の方
法に準じて、実施例18で得られた、オリゴヌクレオチ
ドプライマーに結合した。このようにして得られたフタ
ロシアニン結合オリゴヌクレオチドを用いて実施例26
と同様にしてDNAの塩基配列の分析を行った。本実験
で用いたフタロシアニン類を以下に示す。 比較例化合物A:アルミニウムヒドロキシ2,9,1
6,23−テトラフェノキシフタロシアニンスルホネー
ト 比較例化合物B:アルミニウムヒドロキシ2,9,1
6,23−テトラチオフェニルフタロシアニンスルホネ
ート 比較例化合物C:マグネシウム20−フェニルテトラベ
ンズトリアザポルフィンスルホネート 比較例化合物D:ビス(トリブチルシロキシ)シリコン
−フタロシアニンテトラカルボン酸ナトリウム塩 結果を表17に示す。表17に示すように、フタロシア
ニン類では、730nm以上の発振波長を有する半導体
レーザでは励起できないために蛍光がまったく観測され
ず、測定不能となるだけでなく、680nmの半導体レ
ーザを用いた場合には、散乱光の妨害を受けてその精度
が著しく低下した。
【0101】
【表17】
【0102】比較例2 比較例化合物A〜Dのフタロシアニン類を、実施例27
と同様にして、ヒトDNA中のβ−グロビン遺伝子の検
出に利用した。結果を表18に示す。表18に示すよう
に、フタロシアニン類では、730nm以上の発振波長
を有する半導体レーザでは励起できないために蛍光がま
ったく観測されず、測定不能となるだけでなく、680
nmの半導体レーザを用いた場合には、励起光の妨害を
受けてその相対強度の区別を試料1と試料2の間でつけ
にくくなった。
と同様にして、ヒトDNA中のβ−グロビン遺伝子の検
出に利用した。結果を表18に示す。表18に示すよう
に、フタロシアニン類では、730nm以上の発振波長
を有する半導体レーザでは励起できないために蛍光がま
ったく観測されず、測定不能となるだけでなく、680
nmの半導体レーザを用いた場合には、励起光の妨害を
受けてその相対強度の区別を試料1と試料2の間でつけ
にくくなった。
【0103】
【表18】
【0104】実施例28 〔アンチモルフィンモノクロナール抗体に対する相対免
疫親和性の測定〕 {アルミニウムナフタロシアニンモノ〔N−(p−ヒド
ロキシカルボニルフェニル)スルファモイル〕ジスルホ
ン酸ナトリウム(例示化合物No.128−PABA)
の合成}例示化合物No.128合成の前駆体であるア
ルミニウムナフタロシアニントリスルホン酸(150m
g)の2mlベンゼン溶液に25℃でオギザリルクロリ
ド(0.75ml)を滴下した。室温下6時間かくはん
後、溶媒を除去することによりアルミニウムナフタロシ
アニントリスルホニルクロリドが黒緑色固体として得ら
れた。一方、Na2CO3(61mg)の水(1ml)溶
液に、80℃でp−アミノ安息香酸(PABA)(31
mg)を加えた。80℃で5分間かくはん後、アルミニ
ウムナフタロシアニントリスルホニルクロリド(55m
g)を加えた。反応混合物を80℃で6時間かくはん
し、溶媒を除去した。得られた固体を10重量%NH4
OHを含むメタノールで希釈した後、再度濃縮し、アセ
トンを用いて粉砕すると、アルミニウムナフタロシアニ
ンモノ〔N−(p−ヒドロキシカルボニルフェニル)ス
ルファモイル〕ジスルホン酸ナトリウム(例示化合物N
o.128−PABA)が得られた。
疫親和性の測定〕 {アルミニウムナフタロシアニンモノ〔N−(p−ヒド
ロキシカルボニルフェニル)スルファモイル〕ジスルホ
ン酸ナトリウム(例示化合物No.128−PABA)
の合成}例示化合物No.128合成の前駆体であるア
ルミニウムナフタロシアニントリスルホン酸(150m
g)の2mlベンゼン溶液に25℃でオギザリルクロリ
ド(0.75ml)を滴下した。室温下6時間かくはん
後、溶媒を除去することによりアルミニウムナフタロシ
アニントリスルホニルクロリドが黒緑色固体として得ら
れた。一方、Na2CO3(61mg)の水(1ml)溶
液に、80℃でp−アミノ安息香酸(PABA)(31
mg)を加えた。80℃で5分間かくはん後、アルミニ
ウムナフタロシアニントリスルホニルクロリド(55m
g)を加えた。反応混合物を80℃で6時間かくはん
し、溶媒を除去した。得られた固体を10重量%NH4
OHを含むメタノールで希釈した後、再度濃縮し、アセ
トンを用いて粉砕すると、アルミニウムナフタロシアニ
ンモノ〔N−(p−ヒドロキシカルボニルフェニル)ス
ルファモイル〕ジスルホン酸ナトリウム(例示化合物N
o.128−PABA)が得られた。
【0105】{例示化合物No.1−PABAの合成}
例示化合物No.1 286mg(0.13mmol)
をメタノール中で、濃塩酸を用いて酸性とし、すばやく
減圧下濃縮して例示化合物No.1のオクタカルボン酸
を得た。得られた例示化合物No.1のオクタカルボン
酸を減圧乾燥後、DMF20mlを加え、溶けるものだ
け溶かし出し、濃緑色のDMF溶液を得た。この溶液に
PABA18mg(0.13mmol)を加えた。この
溶液を約0℃に冷却しながら、ジエチルフォスホリルシ
アニド(DEPC)0.02mlのDMF3ml溶液を
加え、さらにトリエチルアミン0.04ml(0.28
mmol)を加えて、0℃で30分間かくはんした後、
室温下3時間かくはんを続けた。反応後、水1mlを加
え減圧下濃縮し逆相カラムクロマトグラフィーにより、
例示化合物No.1−PABAを得た。
例示化合物No.1 286mg(0.13mmol)
をメタノール中で、濃塩酸を用いて酸性とし、すばやく
減圧下濃縮して例示化合物No.1のオクタカルボン酸
を得た。得られた例示化合物No.1のオクタカルボン
酸を減圧乾燥後、DMF20mlを加え、溶けるものだ
け溶かし出し、濃緑色のDMF溶液を得た。この溶液に
PABA18mg(0.13mmol)を加えた。この
溶液を約0℃に冷却しながら、ジエチルフォスホリルシ
アニド(DEPC)0.02mlのDMF3ml溶液を
加え、さらにトリエチルアミン0.04ml(0.28
mmol)を加えて、0℃で30分間かくはんした後、
室温下3時間かくはんを続けた。反応後、水1mlを加
え減圧下濃縮し逆相カラムクロマトグラフィーにより、
例示化合物No.1−PABAを得た。
【0106】{例示化合物No.21−PABAの合
成}例示化合物No.21を用いて、例示化合物No.
1−PABAの合成と同様にして、処理することにより
例示化合物No.21−PABAを得た。 {例示化合物No.42−PABAの合成}例示化合物
No.42を用いて、例示化合物No.1−PABAの
合成と同様にして、処理することにより例示化合物N
o.42−PABAを得た。 {例示化合物No.62−PABAの合成}例示化合物
No.62を用いて、例示化合物No.1−PABAの
合成と同様にして、処理することにより例示化合物N
o.62−PABAを得た。 {例示化合物No.82−PABAの合成}例示化合物
No.82を用いて、例示化合物No.1−PABAの
合成と同様にして、処理することにより例示化合物N
o.82−PABAを得た。
成}例示化合物No.21を用いて、例示化合物No.
1−PABAの合成と同様にして、処理することにより
例示化合物No.21−PABAを得た。 {例示化合物No.42−PABAの合成}例示化合物
No.42を用いて、例示化合物No.1−PABAの
合成と同様にして、処理することにより例示化合物N
o.42−PABAを得た。 {例示化合物No.62−PABAの合成}例示化合物
No.62を用いて、例示化合物No.1−PABAの
合成と同様にして、処理することにより例示化合物N
o.62−PABAを得た。 {例示化合物No.82−PABAの合成}例示化合物
No.82を用いて、例示化合物No.1−PABAの
合成と同様にして、処理することにより例示化合物N
o.82−PABAを得た。
【0107】{例示化合物No.101−PABAの合
成}例示化合物No.101を用いて、例示化合物N
o.1−PABAの合成と同様にして、処理することに
より例示化合物No.101−PABAを得た。 {例示化合物No.128−PABA−モルフィンの合
成}例示化合物No.128−PABAと3−(4−ア
ミノブチル)モルフィンのDMF溶液を、トリエチルア
ミン存在下、DEPCを用いて例示化合物No.1−P
ABAの合成と同様に処理することにより、例示化合物
No.128−PABA−モルフィンを得た。 {例示化合物No.1−PABA−モルフィンの合成}
例示化合物No.1−PABAを、例示化合物No.1
28−PABA−モルフィンの合成と同様に処理するこ
とにより、例示化合物No.1−PABA−モルフィン
を得た。 {例示化合物No.21−PABA−モルフィンの合
成}例示化合物No.21−PABAを、例示化合物N
o.128−PABA−モルフィンの合成と同様に処理
することにより、例示化合物No.21−PABA−モ
ルフィンを得た。
成}例示化合物No.101を用いて、例示化合物N
o.1−PABAの合成と同様にして、処理することに
より例示化合物No.101−PABAを得た。 {例示化合物No.128−PABA−モルフィンの合
成}例示化合物No.128−PABAと3−(4−ア
ミノブチル)モルフィンのDMF溶液を、トリエチルア
ミン存在下、DEPCを用いて例示化合物No.1−P
ABAの合成と同様に処理することにより、例示化合物
No.128−PABA−モルフィンを得た。 {例示化合物No.1−PABA−モルフィンの合成}
例示化合物No.1−PABAを、例示化合物No.1
28−PABA−モルフィンの合成と同様に処理するこ
とにより、例示化合物No.1−PABA−モルフィン
を得た。 {例示化合物No.21−PABA−モルフィンの合
成}例示化合物No.21−PABAを、例示化合物N
o.128−PABA−モルフィンの合成と同様に処理
することにより、例示化合物No.21−PABA−モ
ルフィンを得た。
【0108】{例示化合物No.42−PABA−モル
フィンの合成}例示化合物No.42−PABAを、例
示化合物No.128−PABA−モルフィンの合成と
同様に処理することにより、例示化合物No.42−P
ABA−モルフィンを得た。 {例示化合物No.62−PABA−モルフィンの合
成}例示化合物No.62−PABAを、例示化合物N
o.128−PABA−モルフィンの合成と同様に処理
することにより、例示化合物No.62−PABA−モ
ルフィンを得た。 {例示化合物No.82−PABA−モルフィンの合
成}例示化合物No.82−PABAを、例示化合物N
o.128−PABA−モルフィンの合成と同様に処理
することにより、例示化合物No.82−PABA−モ
ルフィンを得た。 {例示化合物No.101−PABA−モルフィンの合
成}例示化合物No.101−PABAを、例示化合物
No.128−PABA−モルフィンの合成と同様に処
理することにより、例示化合物No.101−PABA
−モルフィンを得た。
フィンの合成}例示化合物No.42−PABAを、例
示化合物No.128−PABA−モルフィンの合成と
同様に処理することにより、例示化合物No.42−P
ABA−モルフィンを得た。 {例示化合物No.62−PABA−モルフィンの合
成}例示化合物No.62−PABAを、例示化合物N
o.128−PABA−モルフィンの合成と同様に処理
することにより、例示化合物No.62−PABA−モ
ルフィンを得た。 {例示化合物No.82−PABA−モルフィンの合
成}例示化合物No.82−PABAを、例示化合物N
o.128−PABA−モルフィンの合成と同様に処理
することにより、例示化合物No.82−PABA−モ
ルフィンを得た。 {例示化合物No.101−PABA−モルフィンの合
成}例示化合物No.101−PABAを、例示化合物
No.128−PABA−モルフィンの合成と同様に処
理することにより、例示化合物No.101−PABA
−モルフィンを得た。
【0109】{アンチモルフィンモノクロナール抗体に
対する相対免疫親和性の測定}モルフィン、アミノモル
フィン及び前述の蛍光色素で標識されたモルフィンにつ
いて、アンチモルフィンモノクロナール抗体に体する相
対免疫親和性を、トリチウムでラベルしたモルフィンと
の競争反応を用いて測定した。その結果を表19にまと
めて示す。表19の結果から分子種の違いによる相対親
和性の違いはほとんどみられず、蛍光色素で標識しても
モルフィンとモノクロナール抗体の反応性は、ほとんど
変化がないことがわかる。
対する相対免疫親和性の測定}モルフィン、アミノモル
フィン及び前述の蛍光色素で標識されたモルフィンにつ
いて、アンチモルフィンモノクロナール抗体に体する相
対免疫親和性を、トリチウムでラベルしたモルフィンと
の競争反応を用いて測定した。その結果を表19にまと
めて示す。表19の結果から分子種の違いによる相対親
和性の違いはほとんどみられず、蛍光色素で標識しても
モルフィンとモノクロナール抗体の反応性は、ほとんど
変化がないことがわかる。
【0110】
【表19】
【0111】
【発明の効果】本発明により、血液中に存在するヘム等
の生体内物質に影響されず、また、安価で小型の半導体
レーザ(670〜840nm)を用いた種々の抗原、薬
物、DNA等の分析、あるいはDNAの塩基配列の分析
等に有用な試薬又は臨床検査試薬を提供できた。
の生体内物質に影響されず、また、安価で小型の半導体
レーザ(670〜840nm)を用いた種々の抗原、薬
物、DNA等の分析、あるいはDNAの塩基配列の分析
等に有用な試薬又は臨床検査試薬を提供できた。
【図1】 3,4−ビス(ジブロモメチル)ブロモベン
ゼンのIRスペクトル(塗布法)である。
ゼンのIRスペクトル(塗布法)である。
【図2】 6−ブロモ−2,3−ジシアノナフタレンの
CDCl3中でのNMRスペクトルである。
CDCl3中でのNMRスペクトルである。
【図3】 6−ブロモ−2,3−ジシアノナフタレンの
IRスペクトル(KBr法)である。
IRスペクトル(KBr法)である。
【図4】 6−ブロモ−1,3−ジイミノベンゾ〔f〕
イソインドリンのIRスペクトル(KBr法)である。
イソインドリンのIRスペクトル(KBr法)である。
【図5】 ジクロロシリコン−テトラブロモナフタロシ
アニンのIRスペクトル(KBr法)である。
アニンのIRスペクトル(KBr法)である。
【図6】 ジクロロシリコン−テトラブロモナフタロシ
アニンの電子スペクトル(テトラヒドロフラン溶液)で
ある。
アニンの電子スペクトル(テトラヒドロフラン溶液)で
ある。
【図7】 ジヒドロキシシリコン−テトラブロモナフタ
ロシアニンのIRスペクトル(KBr法)である。
ロシアニンのIRスペクトル(KBr法)である。
【図8】 ジヒドロキシシリコン−テトラブロモナフタ
ロシアニンの電子スペクトル(テトラヒドロフラン溶
液)である。
ロシアニンの電子スペクトル(テトラヒドロフラン溶
液)である。
【図9】 ビス(トリ−n−プロピルシロキシ)シリコ
ン−テトラブロモナフタロシアニンのNMRスペクトル
である。
ン−テトラブロモナフタロシアニンのNMRスペクトル
である。
【図10】 ビス(トリ−n−プロピルシロキシ)シリ
コン−テトラブロモナフタロシアニンの電子スペクトル
(CHCl3溶液)である。
コン−テトラブロモナフタロシアニンの電子スペクトル
(CHCl3溶液)である。
【図11】 ビス(トリ−n−プロピルシロキシ)シリ
コン−テトラブロモナフタロシアニンのIRスペクトル
(KBr法)である。
コン−テトラブロモナフタロシアニンのIRスペクトル
(KBr法)である。
【図12】 ビス(トリ−n−ブチルシロキシ)シリコ
ン−テトラブロモナフタロシアニンのNMRスペクトル
である。
ン−テトラブロモナフタロシアニンのNMRスペクトル
である。
【図13】 ビス(トリ−n−ブチルシロキシ)シリコ
ン−テトラブロモナフタロシアニンの電子スペクトル
(CHCl3溶液)である。
ン−テトラブロモナフタロシアニンの電子スペクトル
(CHCl3溶液)である。
【図14】 ビス(トリ−n−ブチルシロキシ)シリコ
ン−テトラブロモナフタロシアニンのIRスペクトル
(KBr法)である。
ン−テトラブロモナフタロシアニンのIRスペクトル
(KBr法)である。
【図15】 ビス(トリ−n−ヘキシルシロキシ)シリ
コン−テトラブロモナフタロシアニンのNMRスペクト
ルである。
コン−テトラブロモナフタロシアニンのNMRスペクト
ルである。
【図16】 ビス(トリ−n−ヘキシルシロキシ)シリ
コン−テトラブロモナフタロシアニンの電子スペクトル
(CHCl3溶液)である。
コン−テトラブロモナフタロシアニンの電子スペクトル
(CHCl3溶液)である。
【図17】 ビス(トリ−n−ヘキシルシロキシ)シリ
コン−テトラブロモナフタロシアニンのIRスペクトル
(KBr法)である。
コン−テトラブロモナフタロシアニンのIRスペクトル
(KBr法)である。
【図18】 ビス(トリエチルシロキシ)シリコン−テ
トラブロモナフタロシアニンの電子スペクトル(CHC
l3溶液)である。
トラブロモナフタロシアニンの電子スペクトル(CHC
l3溶液)である。
【図19】 ビス(トリエチルシロキシ)シリコン−テ
トラブロモナフタロシアニンのIRスペクトル(KBr
法)である。
トラブロモナフタロシアニンのIRスペクトル(KBr
法)である。
【図20】 ビス(トリブチルシロキシ)シリコン−テ
トラフェニルチオナフタロシアニンのNMRスペクトル
である。
トラフェニルチオナフタロシアニンのNMRスペクトル
である。
【図21】 ビス(トリブチルシロキシ)シリコン−テ
トラフェニルチオナフタロシアニンの電子スペクトル
(CH2Cl2溶液)である。
トラフェニルチオナフタロシアニンの電子スペクトル
(CH2Cl2溶液)である。
【図22】 ビス(トリブチルシロキシ)シリコン−テ
トラフェニルチオナフタロシアニンのIRスペクトル
(KBr法)である。
トラフェニルチオナフタロシアニンのIRスペクトル
(KBr法)である。
【図23】 ビス(トリ−n−プロピルシロキシ)シリ
コン−テトラキス〔2−(2´−エチルヘキシルオキシ
カルボニル)エチルチオ〕ナフタロシアニンのNMRス
ペクトルである。
コン−テトラキス〔2−(2´−エチルヘキシルオキシ
カルボニル)エチルチオ〕ナフタロシアニンのNMRス
ペクトルである。
【図24】 ビス(トリ−n−プロピルシロキシ)シリ
コン−テトラキス〔2−(2´−エチルヘキシルオキシ
カルボニル)エチルチオ〕ナフタロシアニンの電子スペ
クトル(CHCl3溶液)である。
コン−テトラキス〔2−(2´−エチルヘキシルオキシ
カルボニル)エチルチオ〕ナフタロシアニンの電子スペ
クトル(CHCl3溶液)である。
【図25】 ビス(トリ−n−プロピルシロキシ)シリ
コン−テトラキス〔2−(2´−エチルヘキシルオキシ
カルボニル)エチルチオ〕ナフタロシアニンのIRスペ
クトル(KBr法)である。
コン−テトラキス〔2−(2´−エチルヘキシルオキシ
カルボニル)エチルチオ〕ナフタロシアニンのIRスペ
クトル(KBr法)である。
【図26】 ビス(トリ−n−プロピルシロキシ)シリ
コン−テトラキス〔2−(2´,2´,4´,4´−テ
トラメチルペンチルオキシカルボニル)エチルチオ〕ナ
フタロシアニンのNMRスペクトルである。
コン−テトラキス〔2−(2´,2´,4´,4´−テ
トラメチルペンチルオキシカルボニル)エチルチオ〕ナ
フタロシアニンのNMRスペクトルである。
【図27】 ビス(トリ−n−プロピルシロキシ)シリ
コン−テトラキス〔2−(2´,2´,4´,4´−テ
トラメチルペンチルオキシカルボニル)エチルチオ〕ナ
フタロシアニンの電子スペクトル(CHCl3溶液)で
ある。
コン−テトラキス〔2−(2´,2´,4´,4´−テ
トラメチルペンチルオキシカルボニル)エチルチオ〕ナ
フタロシアニンの電子スペクトル(CHCl3溶液)で
ある。
【図28】 ビス(トリ−n−プロピルシロキシ)シリ
コン−テトラキス〔2−(2´,2´,4´,4´−テ
トラメチルペンチルオキシカルボニル)エチルチオ〕ナ
フタロシアニンのIRスペクトル(KBr法)である。
コン−テトラキス〔2−(2´,2´,4´,4´−テ
トラメチルペンチルオキシカルボニル)エチルチオ〕ナ
フタロシアニンのIRスペクトル(KBr法)である。
【図29】 3,4−ジメチル安息香酸メチルのIRス
ペクトル(塗布法)である。
ペクトル(塗布法)である。
【図30】 3,4−ビス(ジブロモメチル)安息香酸
メチルのIRスペクトル(KBr法)である。
メチルのIRスペクトル(KBr法)である。
【図31】 6−メトキシカルボニル−2,3−ジシア
ノナフタレンのIRスペクトル(KBr法)である。
ノナフタレンのIRスペクトル(KBr法)である。
【図32】 3,4−ジメチル安息香酸n−アミルのI
Rスペクトル(塗布法)である。
Rスペクトル(塗布法)である。
【図33】 6−(n−アミロキシカルボニル)−2,
3−ジシアノナフタレンのIRスペクトル(KBr法)
である。
3−ジシアノナフタレンのIRスペクトル(KBr法)
である。
【図34】 3,4−ジメチル安息香酸n−オクチルの
IRスペクトル(塗布法)である。
IRスペクトル(塗布法)である。
【図35】 6−(n−オクチロキシカルボニル)−
2,3−ジシアノナフタレンのIRスペクトル(KBr
法)である。
2,3−ジシアノナフタレンのIRスペクトル(KBr
法)である。
【図36】 亜鉛テトラ(n−アミロキシカルボニル)
ナフタロシアニンの電子スペクトル(CHCl3溶液)
である。
ナフタロシアニンの電子スペクトル(CHCl3溶液)
である。
【図37】 亜鉛テトラ(n−アミロキシカルボニル)
ナフタロシアニンのIRスペクトル(KBr法)であ
る。
ナフタロシアニンのIRスペクトル(KBr法)であ
る。
【図38】 クロロアルミニウムテトラ(n−オクチロ
キシカルボニル)ナフタロシアニンの電子スペクトル
(CHCl3溶液)である。
キシカルボニル)ナフタロシアニンの電子スペクトル
(CHCl3溶液)である。
【図39】 クロロアルミニウムテトラ(n−オクチロ
キシカルボニル)ナフタロシアニンのIRスペクトル
(KBr法)である。
キシカルボニル)ナフタロシアニンのIRスペクトル
(KBr法)である。
【図40】 6−クロロ−2,3−ジシアノキノキザリ
ンのIRスペクトル(KBr法)である。
ンのIRスペクトル(KBr法)である。
【図41】 ビス(トリブチルシロキシ)シリコン−テ
トラクロロキノキザロシアニンの電子スペクトル(CH
Cl3溶液)である。
トラクロロキノキザロシアニンの電子スペクトル(CH
Cl3溶液)である。
【図42】 ビス(トリブチルシロキシ)シリコン−テ
トラブロモキノロシアニンの電子スペクトル(CHCl
3溶液)である。
トラブロモキノロシアニンの電子スペクトル(CHCl
3溶液)である。
【図43】 2,3−ジシアノ−6−(3´,5´−ジ
メトキシカルボニルフェニルチオ)ナフタレンのIRス
ペクトル(KBr法)である。
メトキシカルボニルフェニルチオ)ナフタレンのIRス
ペクトル(KBr法)である。
【図44】 例示化合物No.126の電子スペクトル
(エタノール中)である。
(エタノール中)である。
【図45】 6−カルバモイル−1,3−ジイミノベン
ゾ〔f〕イソインドリンのIRスペクトル(KBr法)
である。
ゾ〔f〕イソインドリンのIRスペクトル(KBr法)
である。
【図46】 ジヒドロキシシリコン−テトラカルバモイ
ルナフタロシアニンの電子スペクトル(キノリン溶液)
である。
ルナフタロシアニンの電子スペクトル(キノリン溶液)
である。
【図47】 ビス(トリエチルシロキシ)シリコンナフ
タロシアニンテトラカルボン酸ナトリウム〔例示化合物
No.121〕の電子スペクトル(メタノール溶液)で
ある。
タロシアニンテトラカルボン酸ナトリウム〔例示化合物
No.121〕の電子スペクトル(メタノール溶液)で
ある。
【図48】 ビス(トリブチルシロキシ)シリコン−テ
トラフェニルチオナフタロシアニンスルホン酸ナトリウ
ム〔例示化合物No.6〕の電子スペクトル(メタノー
ル溶液)である。
トラフェニルチオナフタロシアニンスルホン酸ナトリウ
ム〔例示化合物No.6〕の電子スペクトル(メタノー
ル溶液)である。
【図49】 ビス(トリブチルシロキシ)シリコン−テ
トラフェニルチオナフタロシアニンオクタカルボン酸ナ
トリウム〔例示化合物No.1〕の電子スペクトル(メ
タノール溶液)である。
トラフェニルチオナフタロシアニンオクタカルボン酸ナ
トリウム〔例示化合物No.1〕の電子スペクトル(メ
タノール溶液)である。
【図50】 ビス(トリブチルシロキシ)シリコン−テ
トラフェニルチオキノキザロシアニンオクタカルボン酸
ナトリウム〔例示化合物No.41〕の電子スペクトル
(メタノール溶液)である。
トラフェニルチオキノキザロシアニンオクタカルボン酸
ナトリウム〔例示化合物No.41〕の電子スペクトル
(メタノール溶液)である。
【図51】 ビス(トリブチルシロキシ)シリコン−テ
トラフェニルチオキノロシアニンオクタカルボン酸ナト
リウム〔例示化合物No.21〕の電子スペクトル(メ
タノール溶液)である。
トラフェニルチオキノロシアニンオクタカルボン酸ナト
リウム〔例示化合物No.21〕の電子スペクトル(メ
タノール溶液)である。
【図52】 ビス(トリヒドロキシネオペントキシ)シ
リコン−テトラフェニルチオナフタロシアニンオクタカ
ルボン酸ナトリウム〔例示化合物No.11〕の電子ス
ペクトル(メタノール溶液)である。
リコン−テトラフェニルチオナフタロシアニンオクタカ
ルボン酸ナトリウム〔例示化合物No.11〕の電子ス
ペクトル(メタノール溶液)である。
【図53】 ビス(トリプロピルシロキシ)シリコン−
テトラエチルチオナフタロシアニンテトラカルボン酸ナ
トリウム〔例示化合物No.16〕の電子スペクトル
(メタノール溶液)である。
テトラエチルチオナフタロシアニンテトラカルボン酸ナ
トリウム〔例示化合物No.16〕の電子スペクトル
(メタノール溶液)である。
【図54】 ビス(トリブチルシロキシ)シリコン−テ
トラフェニルチオナフタロシアニンオクタカルボン酸モ
ノヒドロキシプロピルエステルヘプタナトリウム塩の電
子スペクトル(メタノール溶液)である。
トラフェニルチオナフタロシアニンオクタカルボン酸モ
ノヒドロキシプロピルエステルヘプタナトリウム塩の電
子スペクトル(メタノール溶液)である。
【図55】 ビス(トリブチルシロキシ)シリコン−テ
トラフェニルチオキノキザロシアニンオクタカルボン酸
モノヒドロキシプロピルエステルヘプタナトリウム塩の
電子スペクトル(メタノール溶液)である。
トラフェニルチオキノキザロシアニンオクタカルボン酸
モノヒドロキシプロピルエステルヘプタナトリウム塩の
電子スペクトル(メタノール溶液)である。
【図56】 ビス(トリブチルシロキシ)シリコン−テ
トラフェニルチオキノロシアニンオクタカルボン酸モノ
ヒドロキシプロピルエステルヘプタナトリウム塩の電子
スペクトル(メタノール溶液)である。
トラフェニルチオキノロシアニンオクタカルボン酸モノ
ヒドロキシプロピルエステルヘプタナトリウム塩の電子
スペクトル(メタノール溶液)である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 特願平3−268016 (32)優先日 平3(1991)10月17日 (33)優先権主張国 日本(JP) (56)参考文献 特開 平3−211532(JP,A) 特開 平2−664(JP,A) 特開 昭62−39286(JP,A) 特開 昭64−32270(JP,A) 特開 平4−288022(JP,A) 特開 昭61−10585(JP,A) 国際公開90/2747(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C09B 47/00 C09B 47/24 G01N 33/533 CAPLUS(STN) REGISTRY(STN) WPIDS(STN)
Claims (15)
- 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 [一般式(I)中、 Mは、H2、Mg、Al、Si、P、Zn、Ga、Ge
又はScを示し、 Yは、ハロゲン原子、−OR1、−NR2 2又は−SR
3(ただし、R1、R2及びR3は、それぞれ独立に水素原
子、親水性置換基を有してもよいアルキル基、親水性置
換基を有してもよいアリール基、親水性置換基を有して
もよいアラルキル基、親水性置換基を有してもよいアシ
ル基、親水性置換基を有してもよいシリル基又は親水性
置換基を有してもよいリン原子含有基である)を示し、 pは、YのMへの結合数を表わす0〜2の整数を示し、 Aは、m個の置換基XQを有する2つ以上の芳香環が縮
環した縮合多環芳香族環を示し、 Xは、酸素原子又はイオウ原子を示し、 Qは、飽和又は不飽和の炭化水素基又は複素環基を示
し、 mは、4個のAについて、それぞれ独立に1〜4の正の
整数を示し、 4個のnは、4個のAについてそれぞれ独立に0以上の
整数を示し、 4n(4個のnの合計)は、1以上の整数を示し、 4n個の置換基(EZ)は、それぞれ独立であってかつ
それぞれ独立に、Aを構成する縮合多環芳香族環及び/
又はQに結合しており、 E及びZは、Zがアニオンの場合Eはカチオン性基、Z
がカチオンの場合Eはアニオン性基、Zがない場合には
Eはポリエチレングリコール残基、ポリエーテル残基、
ポリアミン残基、ポリアルコール残基又はポリカルボン
酸残基を含む結合基を示す]で表わされる新規な水溶性
テトラアザポルフィン。 - 【請求項2】 一般式(II) 【化2】 [一般式(II)中、 Mは、H2、Mg、Al、Si、P、Zn、Ga、Ge
又はScを示し、 Yは、ハロゲン原子、−OR1、−NR2 2又は−SR
3(ただし、R1、R2及びR3は、それぞれ独立に水素原
子、親水性置換基を有してもよいアルキル基、親水性置
換基を有してもよいアリール基、親水性置換基を有して
もよいアラルキル基、親水性置換基を有してもよいアシ
ル基、親水性置換基を有してもよいシリル基又は親水性
置換基を有してもよいリン原子含有基である)を示し、 pは、YのMへの結合数を表わす0〜2の整数を示し、 Aは、m個の置換基XQ又はQを有していてもよい2つ
以上の芳香環が縮環した縮合多環芳香族環を示し、 Xは、酸素原子、イオウ原子、窒素原子、リン原子、ケ
イ素原子、セレン原子、NH・CO、NH・PO2、N
H・SO2、O・CO、O・SO2、O・PO2、S・C
O、S・SO2、S・PO2、CO、SO2又はPO2を示
し、 Qは、飽和又は不飽和の炭化水素基又は複素環基を示
し、 mは、4個のAについて、それぞれ独立に1〜4の整数
を示し、 4個のnは、4個のAについて、それぞれ独立に0以上
の整数を示し、 4n(4個のnの合計)は、1以上の整数を示し、 4n個の置換基(EZ)は、それぞれ独立であってかつ
それぞれ独立に、Aを構成する縮合多環芳香族環及び/
又はQに結合しており、 E及びZは、Zがアニオンの場合Eはカチオン性基、Z
がカチオンの場合Eはアニオン性基、Zがない場合には
Eはポリエチレングリコール残基、ポリエーテル残基、
ポリアミン残基、ポリアルコール残基又はポリカルボン
酸残基を含む結合基を示す]で表わされる化合物からな
る蛍光標識用色素。 - 【請求項3】 請求項2記載の蛍光標識用色素を含有す
る試薬。 - 【請求項4】 請求項2記載の蛍光標識用色素及び非イ
オン系界面活性剤を含有する試薬。 - 【請求項5】 請求項2記載の蛍光標識用色素で標識さ
れた生物由来物質。 - 【請求項6】 請求項5記載の標識された生物由来物質
を含有する試薬。 - 【請求項7】 請求項5記載の標識された生物由来物質
及び非イオン系界面活性剤を含有する試薬。 - 【請求項8】 生物由来物質が抗原、抗体又はヌクレオ
チドである請求項6又は請求項7記載の試薬。 - 【請求項9】 抗原が薬物である請求項8記載の試薬。
- 【請求項10】 抗体がモノクローナル抗体である請求
項8記載の試薬。 - 【請求項11】 ヌクレオチドがオリゴヌクレオチド又
はポリヌクレオチドである請求項8記載の試薬。 - 【請求項12】 ヌクレオチドがATP、CTP、GT
P、TTP、UTP、dATP、dCTP、dGTP、
dTTP、dUTP、ddATP、ddCTP、ddG
TP、ddTTP、ddUTP又はこれらの誘導体であ
る請求項8記載の試薬。 - 【請求項13】 請求項2記載の蛍光標識用色素を蛍光
標識として用いることを特徴とする蛍光分析法。 - 【請求項14】 光源として波長670〜840nmの
半導体レーザーを用いる請求項13記載の蛍光分析法。 - 【請求項15】 請求項5記載の標識された生物由来物
質を用いる請求項13又は14記載の蛍光分析法。
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JP2219292A JP2964761B2 (ja) | 1991-03-05 | 1992-02-07 | 新規な水溶性テトラアザポルフィン、これを含む蛍光標識用色素、蛍光標識用色素で標識された生物由来物質、これらを含有する試薬及びこれらを用いた蛍光分析法 |
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