JP2964475B2 - バッカチン誘導体及びその製法 - Google Patents

バッカチン誘導体及びその製法

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JP2964475B2 JP7296442A JP29644295A JP2964475B2 JP 2964475 B2 JP2964475 B2 JP 2964475B2 JP 7296442 A JP7296442 A JP 7296442A JP 29644295 A JP29644295 A JP 29644295A JP 2964475 B2 JP2964475 B2 JP 2964475B2
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富樹 橋山
元明 大橋
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は抗腫瘍活性を有する
新規バッカチン誘導体及びその製法に関する。
【0002】
【従来の技術】タキソール〔=4α,10β−ジアセト
キシ−13α−〔(2R,3S)−3−ベンゾイルアミ
ノ−2−ヒドロキシ−3−フェニルプロピオニルオキ
シ〕−2α−ベンゾイルオキシ−5β,20−エポキシ
−1β,7β−ジヒドロキシタキス−11−エン−9−
オン〕は西洋イチイTaxus brevifolia
から単離されたジテルペノイドであり、広範囲の種類の
癌に対し優れた制癌作用を有することが知られている
が、水溶性が0.004mg/ml以下〔ネイチャー
(Nature)、第346巻、第464頁(1993
年)〕と非常に低く、臨床上問題であった。
【0003】タキソールの制癌作用を改善するために、
従来よりタキソールの10位及び/又は13位側鎖中の
アミノ基の置換基の修飾が行われてきている〔例えば、
特開昭63−30478号公報、同63−30479号
公報、テトラヘドロン・レターズ(Tet. Lett.)、第3
3巻、5185頁(1992年)、テトラヘドロン(Te
trahedron )、第45巻、4177頁(1989年)
等〕。また、タキソールの13位側鎖中の水酸基及び/
又は7位水酸基を親水性基で修飾して水溶性を改善した
例としては、例えば、米国特許第4960790号、同
第5059699号、同第5283253号、特開平6
−1782号公報があげられる。米国特許第49607
90号には13位側鎖中の水酸基及び/又は7位水酸基
を直接アラニン、ロイシン、イソロイシン等のアミノ酸
残基などで修飾したタキソール誘導体が記載されてい
る。また、米国特許第5059699号には13位側鎖
中の水酸基を、−CO−(CHy m −CO−NH−
(CH2 )2−SO3 −M〔yは1〜2、mは1〜3、M
は水素原子、アルカリ金属等、例えばナトリウム4−
(2−スルホナトエチル)アミノ−1,4−ジオキソブ
チル基〕などの基で修飾したタキソール誘導体が記載さ
れている。また、特開平6−1782号公報には13位
側鎖中の水酸基、7位水酸基及び/又は10位水酸基を
リン酸もしくは炭酸エステルで修飾したタキソール誘導
体が記載されている。さらに、米国特許第528325
3号には、13位側鎖中のアミノ基をフランカルボニル
基またはチオフェンカルボニル基で修飾し、13位側鎖
中の水酸基及び/又は7位水酸基をカルボキシル基置換
もしくはカルバモイル基置換低級アルカノイル基等で修
飾したタキソール誘導体が記載されている。また、WO
94−10997号には、13位側鎖中のフェニル基を
シクロプロピル基に置換した10位アセトキシ基を有す
るタキソール誘導体が記載されている。
【0004】しかし、これまでのところ、水溶性が高
く、安定で優れた活性を有するタキソール誘導体が臨床
に使用されたという報告はない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、優れた抗腫
瘍活性を有する新規バッカチン誘導体及び優れた抗腫瘍
活性を有し、水溶性を改良した新規バッカチン誘導体を
提供するものである。また、本発明はこのような新規バ
ッカチン誘導体の製法をも提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は一般式〔I〕
【0007】
【化29】
【0008】〔但し、R3 は低級アルカノイル基、R4
は置換もしくは非置換ベンゾイル基、環Aは置換もしく
は非置換シクロプロパン環、Xは単結合手、−O−、−
S−又は−NH−で示される基を表し、Rは置換もしく
は非置換低級アルキル基(該低級アルキル基はシクロア
ルキル部分を有していてもよい)、置換もしくは非置換
アリール基又は置換もしくは非置換芳香族複素環式基を
表し、Eは水素原子又は−CO(CH2 n ZYで示さ
れる基、Yはアミノ酸又はジペプチドの1つのカルボキ
シル基から水酸基を除いた残基(当該残基中に存するア
ミノ基は保護されていてもよく、またカルボキシル基は
エステル化またはアミド化されていてもよい)、Zは式
−O−又は−NH−で示される基を表し、nは1、2、
3、4、5又は6を表す。〕で示されるバッカチン誘導
又はその薬理的に許容し得る塩に関する。
【0009】
【発明の実施の形態】目的物〔I〕において、環A上の
置換基としては、ハロゲン原子、低級アルキル基、低級
アルコキシ基等があげられる。
【0010】また、R4 におけるベンゾイル基上の置換
基としては、低級アルキル基、低級アルコキシ基、ハロ
ゲン原子等があげられる。
【0011】また、Rにおける低級アルキル基、アリー
ル基または芳香族複素環式基上の置換基としては、ハロ
ゲン原子、低級アルコキシ基等があげられる。また、ア
リール基としては、フェニル基、ナフチル基等の芳香族
炭化水素環式基があげられ、芳香族複素環式基として
は、異項原子として硫黄原子、酸素原子または窒素原子
を含む芳香族複素単環式基があげられ、例えば、チエニ
ル基、フリル基、ピリジル基、ピラジニル基、ピリミジ
ニル基等の5〜6員環の芳香族複素環式基をあげること
ができる。また、シクロアルキル部分を有する低級アル
キル基としては、例えば、シクロプロピルメチル基、シ
クロブチルメチル基、(2,2−ジメチルシクロプロピ
ル)メチル基等があげられる。更に、置換基を有し、か
つシクロアルキル部分を有する低級アルキル基の例とし
ては、(2,2−ジフルオロ−3,3−ジメチルシクロ
プロピル)メチル基等があげられる。
【0012】また、目的物〔I〕において、Eが−CO
(CH2 n ZYで示される基の場合、Yのアミノ酸と
しては天然または非天然起源のものが含まれ、一分子中
に少なくともアミノ基及びカルボキシル基を各々1個有
する化合物であって、天然起源のアミノ酸もしくはその
対掌体、合成起源のD−もしくはL−アミノ酸、或いは
これらアミノ酸のラセミ混合物があげられる。
【0013】具体的には、α−アミノ酸及びβ−アミノ
酸が好適にあげられ、これらアミノ酸は、中性アミノ
酸、酸性アミノ酸または塩基性アミノ酸のいずれであっ
てもよい。塩基性アミノ酸としては、アスパラギン、オ
ルニチン、リジン等のアミノ基を複数個有するアミノ
酸、酸性アミノ酸としては、グルタミン酸、アスパラギ
ン酸等のカルボキシル基を複数個有するアミノ酸、中性
アミノ酸としては、アラニン、イソロイシン、ロイシン
等のアミノ基とカルボキシル基を同数個有するアミノ酸
があげられる。更に、本発明において、好適に用いるこ
とができるアミノ酸の具体例としては、グリシン、アラ
ニン、イソロイシン、ロイシン、バリン、グルタミン
酸、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、β−ア
ラニン、アルギニン、オルニチン、セリン、トレオニ
ン、アスパラギン、アスパラギン酸、グルタミン、シス
チン、システイン、チロシン、ヒスチジン、トリプトフ
ァン、リジン、サルコシン、クレアチン、ホモシステイ
ン、ノルロイシン、イソセリン、ホモセリン、ノルバリ
ン、ε−アミノカプロン酸、チオプロリン、α−アミノ
イソブタン酸、ピペリジルカルボン酸、α,γ−ジアミ
ノ酪酸、β−アミノ酪酸、γ−アミノ酪酸等をあげるこ
とができる。
【0014】更に、Yのペプチドとしては、上記アミノ
酸から構成されるペプチドがあげられ、具体的には、グ
リシルグリシン、バリルグリシン、メチオニルグリシ
ン、プロリルグリシン、グリシルプロリン、フェニルア
ラニルグリシン、グリシルバリン、アラニルプロリン、
バリルプロリン、フェニルアラニルバリン等の上記天然
アミノ酸またはその対掌体で構成されるジペプチド等が
あげられる。
【0015】Y中のアミノ基が保護されている場合、保
護基としては慣用の保護基を用いることができ、例えば
ベンジルオキシカルボニル基、tert−ブトキシカル
ボニル基、低級アルキル基等をあげることができる。ま
た、Y中のカルボキシル基がエステル化されている場
合、そのエステル残基としては、例えば、メチル基、エ
チル基等の低級アルキル基、メトキシエチル基、メトキ
シエトキシエチル基等の低級アルコキシ低級アルキル基
をあげることができる。
【0016】本発明の目的物〔I〕の好ましい例として
は、Eが−CO(CH2 n ZYで示される基である化
合物があげられる。
【0017】また、目的物〔I〕のより好ましい例とし
ては、Yがα−もしくはβ−アミノ酸又はこれらで構成
されるジペプチドの1つのカルボキシル基から水酸基を
除いた残基(当該残基中に存するアミノ基は保護されて
いてもよく、またカルボキシル基はエステル化またはア
ミド化されていてもよい)である化合物があげられる。
【0018】本発明目的物〔I〕の更に好ましい例とし
ては、環Aがハロゲン原子、低級アルキル基及び低級ア
ルコキシ基から選ばれる1〜2個の基で置換されていて
もよいシクロプロパン環、Rがハロゲン原子及び低級ア
ルコキシ基から選ばれる1〜3個の基で置換されていて
もよい低級アルキル基(該低級アルキル基は3〜5員の
シクロアルキル部分を有していてもよい)、1〜2個の
低級アルコキシ基で置換されていてもよいフェニル基、
フリル基又はチエニル基等、Yが天然アミノ酸もしくは
その対掌体、又は天然アミノ酸もしくはその対掌体で構
成されるジペプチドの1つのカルボキシル基から水酸基
を除いた残基 (当該残基中に存するアミノ基はベンジル
オキシカルボニル基または低級アルキル基で保護されて
いてもよく、またカルボキシル基は低級アルコキシ基で
置換されていてもよい低級アルキル基でエステル化され
ていても、アミド化されていてもよい)である化合物が
あげられる。
【0019】また、目的物〔I〕のとりわけ好ましい例
としては、Yがアスパラギン、アスパラギン酸、グルタ
ミン、グルタミン酸、プロリン、グリシン、アラニンも
しくはβ−アラニン、又はこれらアミノ酸で構成される
ジペプチドの1つのカルボキシル基から水酸基を除いた
残基(当該残基中に存するアミノ基はベンジルオキシカ
ルボニル基または低級アルキル基で保護されていてもよ
く、またカルボキシル基は低級アルコキシ基で置換され
ていてもよい低級アルキル基でエステル化されていて
も、アミド化されていてもよい)である化合物があげら
れ、環Aが低級アルキル基で置換されていてもよいシク
ロプロパン環、Rが低級アルキル基、フリル基又はチエ
ニル基であり、Yがアスパラギン、アスパラギン酸、グ
ルタミン、グルタミン酸、プロリン、グリシン又はβ−
アラニンの1つのカルボキシル基から水酸基を除いた残
基(当該残基中に存するカルボキシル基は低級アルキル
基でエステル化されていても、アミド化されていてもよ
い)である化合物が特に好ましい。
【0020】優れた薬効を奏する化合物としては、一般
式〔I〕においてR3 がアセチル基、R4 がベンゾイル
基、Xが−O−で示される基、Rが低級アルキル基であ
り、Yがアスパラギニル基、アスパルチル基、β−アラ
ニル基又はプロリル基(当該残基中に存するカルボキシ
ル基は低級アルキル基でエステル化されていても、アミ
ド化されていてもよい)である化合物があげられる。
【0021】具体的な化合物としては、例えば、下記第
1−7表記載の化合物があげられる。
【0022】
【表1】
【0023】
【表2】
【0024】
【表3】
【0025】
【表4】
【0026】
【表5】
【0027】
【表6】
【0028】
【表7】
【0029】本発明の目的物〔I〕には、タキサン骨格
13位に結合した置換3−シクロプロピルプロピオニル
オキシ基の2つの不斉炭素原子、その置換基に存在する
不斉炭素原子により様々な立体異性体、光学異性体が存
在しうるが、本発明はこれら立体異性体、光学異性体及
びこれらの混合物をいずれも含むものである。
【0030】本発明の目的化合物〔I〕は、遊離の形で
も、また薬理的に許容し得る塩の形でも医薬用途に使用
することができる。かかる薬理的に許容し得る塩として
は、例えば塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、臭化水素酸塩、メ
タンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、酢酸塩など
の無機酸もしくは有機酸との酸付加塩との塩があげられ
る。
【0031】本発明の目的化合物〔I〕もしくはその薬
理的に許容しうる塩は、経口的にも非経口的にも投与す
ることができ、また常法により例えば、錠剤、顆粒剤、
カプセル剤、散剤、注射剤、吸入剤のような適宜の医薬
製剤として用いることができる。
【0032】本発明の目的化合物〔I〕又はその薬理的
に許容し得る塩の投与量は、投与方法、患者の年令、体
重、状態によっても異なるが、通常、1日当り約5〜2
00mg/m2 程度、とりわけ20〜150mg/m2
とするのが好ましい。
【0033】本発明によれば、目的化合物〔I〕は、
(1)一般式〔II〕
【0034】
【化30】
【0035】(但し、R1 は水酸基の保護基、R2 は水
酸基の保護基、他の記号は前記と同一意味を有する。)
で示される化合物又はその塩を、一般式〔III〕
【0036】
【化31】
【0037】(但し、記号は前記と同一意味を有す
る。)で示される化合物、その塩又はその反応性誘導体
と反応させ、一般式〔V〕
【0038】
【化32】
【0039】(但し、記号は前記と同一意味を有す
る。)で示される化合物を得、この化合物の7位及び1
0位水酸基の保護基を除去するか、(2)化合物〔I
I〕又はその塩を、化合物〔III〕、その塩又はその
反応性誘導体と反応させ、化合物〔V〕を得、この化合
物を一般式〔IV〕
【0040】
【化33】
【0041】〔但し、E’は−CO(CH2 n ZYで
示される基、他の記号は前記と同一意味を有する。〕で
示される化合物、その塩又はその反応性誘導体と反応さ
せ、生成する化合物の7位及び10位水酸基の保護基を
除去するか、或いは、(3)化合物〔II〕又はその塩
を、化合物〔III〕、その塩又はその反応性誘導体と
反応させ、化合物〔V〕を得、化合物〔V〕の7位及び
10位水酸基の保護基を除去し、更に、化合物〔I
V〕、その塩又はその反応性誘導体と反応させることに
より製造することができる。
【0042】上記製法においては、化合物〔II〕もし
くはその塩と化合物〔III〕、その塩もしくはその反
応性誘導体との反応により、化合物〔V〕を製すること
ができ、これを化合物〔IV〕、その塩もしくはその反
応性誘導体と反応させ、水酸基の保護基を除去し、要す
ればアミノ基の保護基、カルボキシル基のエステル残基
を除去することにより、一般式〔I−a〕
【0043】
【化34】
【0044】(但し、記号は前記と同一意味を有す
る。)で示される化合物を製することができる。
【0045】また、本発明によれば、化合物〔I−a〕
は、化合物〔II〕もしくはその塩を、化合物〔II
I〕、その塩又はその反応性誘導体と反応させ、化合物
〔V〕を得、この化合物を一般式〔VI〕
【0046】
【化35】
【0047】(但しR5 は水酸基の保護基又はアミノ基
の保護基、他の記号は前記と同一意味を有する。)で示
される化合物、その塩又はその反応性誘導体と反応さ
せ、得られた化合物から保護基R5 を除去して、一般式
〔VII〕
【0048】
【化36】
【0049】(但し、記号は前記と同一意味を有す
る。)で示される化合物を得、この化合物を一般式〔V
III〕
【0050】
【化37】
【0051】(但し、記号は前記と同一意味を有す
る。)で示される化合物又はその反応性誘導体と反応さ
せ、水酸基の保護基を除去し、要すればアミノ基の保護
基、カルボキシル基のエステル残基を除去することによ
り製造することもできる。
【0052】また、本発明によれば、一般式〔IX〕
【0053】
【化38】
【0054】(但し、R6 は置換フェニル基を表し、他
の記号は前記と同一意味を有する。)で示される化合物
又はその反応性誘導体を、一般式〔X〕
【0055】
【化39】
【0056】(但し、記号は前記と同一意味を有す
る。)で示される化合物と反応させ、次いで、オキサゾ
リジン環の開裂工程に付し、化合物〔V〕を得、化合物
〔V〕の7位及び10位水酸基の保護基を除去すること
により、一般式〔I−b〕
【0057】
【化40】
【0058】(但し、記号は前記と同一意味を有す
る。)で示される化合物を製することができる。
【0059】化合物〔IX〕において、R6 のフェニル
基上の置換基としては、電子供与基があげられ、例え
ば、アルコキシ基、アミノ基等があげられる。
【0060】化合物〔II〕の塩としては、例えばギ酸
塩、酢酸塩、メタンスルホン酸塩、p−トルエンスルホ
ン酸塩等の有機酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩等の無機酸
塩があげられる。
【0061】タキサン骨格の7位及び10位水酸基の保
護基R1 、R2 としては、低級アルカノイル基、2、
2、2−トリクロロエトキシカルボニル基、トリエチル
シリル基などをあげることができる。その際、R1 、R
2 は異なる保護基でも良く、そのような例としては、R
1 がトリクロロエトキシカルボニル基、R2 がトリエチ
ルシリル基のものをあげることができる。また、化合物
〔VI〕の保護基が水酸基の保護基である場合、該保護
基としては、例えば、ベンジル基等の慣用の保護基をあ
げることができ、化合物〔VI〕の保護基がアミノ基の
保護基である場合、該保護基としては、例えば、ベンジ
ルオキシカルボニル基等の慣用の保護基をあげることが
できる。
【0062】化合物〔III〕、化合物〔IV〕、化合
物〔VI〕及び化合物〔VIII〕の反応性誘導体とし
ては、酸ハライド、活性エステル、混合酸無水物等をあ
げることができる。また、化合物〔III〕の反応性誘
導体としては、イソシアナート等もあげることができ
る。
【0063】化合物〔III〕、化合物〔IV〕、或い
は化合物〔VI〕を縮合させる反応は、脱水剤の存在又
は非存在下、適当な溶媒中又は無溶媒で実施することが
できる。脱水剤としては、ジシクロヘキシルカルボジイ
ミド、カルボニルジイミダソール、1−メチル−2−ブ
ロモピリジニウムヨウジド、ベンゾトリアゾール−1−
イルオキシトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキ
サフルオロホスフェート等を好適に用いることができ
る。また溶媒としては、ジクロロメタン、ジメチルエー
テル、ジメチルホルムアミド、ジオキサン、テトラヒド
ロフラン、トルエン等を適宜用いることができる。本反
応は、−20〜100℃、とりわけ0〜30℃で好適に
進行する。
【0064】化合物〔III〕の反応性誘導体、化合物
〔IV〕の反応性誘導体、或いは化合物〔VI〕の反応
性誘導体を縮合させる反応は、脱酸剤の存在又は非存在
下、適当な溶媒中で実施することができる。脱酸剤とし
ては、水素化アルカリ金属、炭酸アルカリ金属、炭酸水
素アルカリ金属、有機塩基(トリエチルアミン、ジイソ
プロピルエチルアミン、ピリジン、4−(N,N−ジメ
チルアミノ)ピリジン、1,8−ジアザビクロ〔5.
4.0〕ウンデカ−7−エン等)等を好適に用いること
ができる。また溶媒としては、ジクロロメタン、ジメチ
ルエーテル、ジメチルホルムアミド、ジオキサン、テト
ラヒドロフラン、トルエン等を適宜用いることができ
る。本反応は、−20〜80℃、とりわけ0〜30℃で
好適に進行する。
【0065】化合物〔VIII〕を縮合させる反応は、
脱水剤、脱酸剤の存在下、適当な溶媒中で実施すること
ができる。脱水剤としては、ジシクロヘキシルカルボジ
イミド、カルボニルジイミダソール、1−メチル−2−
ブロモピリジニウムヨウジド、ベンゾトリアゾール−1
−イルオキシトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘ
キサフルオロホスフェート等を好適に用いることがで
き、脱酸剤としては、水素化アルカリ金属、炭酸アルカ
リ金属、炭酸水素アルカリ金属、有機塩基(トリエチル
アミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、4−
(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン、1,8−ジアザ
ビクロ〔5.4.0〕ウンデカ−7−エン等)等を好適
に用いることができる。また溶媒としては、ジクロロメ
タン、ジメチルエーテル、ジメチルホルムアミド、ジオ
キサン、テトラヒドロフラン、トルエン等を適宜用いる
ことができる。本反応は、−20〜80℃、とりわけ0
〜30℃で好適に進行する。
【0066】化合物〔VIII〕の反応性誘導体を縮合
させる反応は、化合物〔III〕の反応性誘導体、化合
物〔IV〕の反応性誘導体、或いは化合物〔VI〕の反
応性誘導体を縮合させる反応と同様に行うことができ
る。
【0067】化合物〔IX〕又はその反応性誘導体と化
合物〔X〕とを縮合させる反応は、適当な溶媒中で実施
することができる。溶媒としては、ジクロロメタン、ジ
メチルエーテル、ジメチルホルムアミド、ジオキサン、
テトラヒドロフラン、トルエン等を適宜用いることがで
きる。反応性誘導体としては、酸ハライド(例えば、酸
クロリド、酸ブロミド、酸ヨージド等)、活性エステル
(例えば、パラニトロフェニルエステル等)、混合酸無
水物(例えば、ハロゲン原子、窒素原子、低級アルキル
基及び低級アルコキシ基から選ばれる1から5個の基で
置換された安息香酸との混合酸無水物等)等をあげるこ
とができる。
【0068】化合物〔IX〕と化合物〔X〕とを縮合さ
せる反応は、脱水剤、脱酸剤の存在下、実施することが
できる。脱水剤としては、ジシクロヘキシルカルボジイ
ミド、カルボニルジイミダゾール、1−メチル−2−ブ
ロモピリジニウムヨウジド、ベンゾトリアゾール−1−
イルオキシトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキ
サフルオロホスフェート等を好適に用いることができ、
脱酸剤としては、有機塩基(例えば、トリエチルアミ
ン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、4−
(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン、1,8−ジアザ
ビクロ〔5.4.0〕ウンデカ−7−エン等)等を好適
に用いることができる。また本反応は、0〜120℃、
とりわけ10〜80℃で好適に進行する。
【0069】一方、化合物〔IX〕の反応性誘導体と化
合物〔X〕とを縮合させる反応は、脱酸剤の存在下、実
施することができる。脱酸剤としては、有機塩基(例え
ば、ピリジン、トリエチルアミン、N−メチルピペリジ
ン、N−メチルモルホリン、N,N−ジイソプロピル−
N−エチルアミン、4−(N,N−ジメチルアミノ)ピ
リジン、4−ピロリノピリジン等)等を好適に用いるこ
とができる。また本反応は、0〜120℃、とりわけ1
0〜80℃で好適に進行する。
【0070】続くオキサゾリジン環の開裂工程は、酸の
存在下、適当な溶媒中で実施することができる。酸とし
ては、p−トルエンスルホン酸、カンファースルホン
酸、メタンスルホン酸等のスルホン酸誘導体あるいは塩
酸などの鉱酸を用いることができる。溶媒としては、ア
ルコール系溶媒、特にメタノールが好適に進行する。本
反応は、−20〜80℃、とりわけ0〜30℃で好適に
進行する。
【0071】タキサン骨格の7位及び10位水酸基の保
護基の除去は、保護基の種類に応じて慣用の方法により
実施することができ、例えば、当該保護基が2、2、2
−トリクロロエトキシカルボニル基である場合には、亜
鉛−酢酸処理により実施でき、当該保護基がトリエチル
シリル基である場合には、p−トルエンスルホン酸処理
により実施できる。また、化合物〔V〕と化合物〔V
I〕、その塩又はその反応性誘導体を反応させて得られ
る化合物からの保護基R5 の除去は、保護基の種類に応
じて慣用の方法により実施することができ、例えば、当
該保護基がベンジル基である場合には、適当な溶媒(例
えば、テトラヒドロフラン等)中、パラジウム−炭素存
在下、接触水素添加することにより実施でき、化合物
〔VII〕の13位側鎖中のα位アミノ基の保護基の除
去は、保護基の種類に応じて慣用の方法により実施する
ことができ、例えば、当該保護基がベンジルオキシカル
ボニル基である場合には、適当な溶媒(例えば、テトラ
ヒドロフラン等)中、パラジウム−炭素存在下、接触水
素添加することにより実施できる。
【0072】本発明の一般式〔II〕で示される化合物
は、一般式〔XI〕
【0073】
【化41】
【0074】(但し、R7 及びR8 は低級アルキル基、
9 は保護基を表し、他の記号は前記と同一意味を有す
る。)で示される化合物又はその反応性誘導体と、化合
物〔X〕を化合物〔IX〕又はその反応性誘導体と化合
物〔X〕との縮合と同様に縮合させ、次いで、オキサゾ
リジン環の開裂及び保護基R9 の除去工程に付すことに
より製することができる。
【0075】化合物〔XI〕において、保護基R9 とし
ては、例えば、tert−ブトキシカルボニル基等の慣
用の保護基をあげることができる。
【0076】化合物〔XI〕の反応性誘導体としては、
酸ハライド、活性エステル、混合酸無水物のような化合
物〔IX〕の反応性誘導体と同様の反応性誘導体があげ
られる。
【0077】続くオキサゾリジン環の開裂工程は、酸の
存在下、実施することができる。酸としては、ギ酸等を
好適に用いることができる。本反応は、0〜50℃、と
りわけ15〜30℃で好適に進行する。
【0078】また、化合物〔II〕は、一般式〔XI
I〕
【0079】
【化42】
【0080】(但し、記号は前記と同一意味を有す
る。)で示される化合物をアジ化金属(アジ化ナトリウ
ム等)でアジ化して、一般式〔XIII〕
【0081】
【化43】
【0082】(但し、記号は前記と同一意味を有す
る。)で示される化合物を得、この化合物を還元するこ
とにより、製造することができる。
【0083】化合物〔XI〕及び化合物〔IX〕は、例
えば下記化学反応式のようにして製造することもでき
る。
【0084】
【化44】
【0085】
【化45】
【0086】(式中、R10はエステル残基、Tsはp−
トルエンスルホニル基を表し、他の記号は前記と同一意
味を有する。) 従って、例えば、環Aがシクロプロピル基である化合物
〔XI〕は、3−シクロプロピルアクリル酸エステル
〔XXI〕をジヒドロキシ化して化合物〔XX〕を得、
化合物〔XX〕の2位水酸基を脱離させて3−シクロプ
ロピル−2,3−エポキシプロピオン酸エステル〔XV
III〕を製し、次いで金属アジドでアジ化して化合物
〔XVII〕を得、化合物〔XVII〕を接触還元して
化合物〔XVI〕を得た後、アミノ基をR9 (tert
−ブトキシカルボニル基)で保護して3−tert−ブ
トキシカルボニルアミノ−2−ヒドロキシ−3−シクロ
プロピルプロピオン酸エステル〔XV〕とし、該化合物
をオキサゾリジン環の形成反応に付し、化合物〔XI
V〕を得、次いで化合物〔XIV〕を加水分解すること
により製することができる。
【0087】また、化合物〔XII〕は、化合物〔XV
III〕を加水分解して、一般式〔XXV〕
【0088】
【化46】
【0089】(但し、記号は前記と同一意味を有す
る。)で示される化合物を得、この化合物又はその反応
性誘導体と化合物〔X〕とを、化合物〔IX〕又はその
反応性誘導体と化合物〔X〕との反応と同様に反応させ
ることにより、製造することができる。
【0090】化合物〔XXV〕の反応性誘導体として
は、酸ハライド、活性エステル、混合酸無水物のような
化合物〔IX〕の反応性誘導体と同様の反応性誘導体が
あげられる。
【0091】化合物〔X〕は、特開平1−305077
号公報、特開昭63−30479号公報又はジャーナル
・オブ・アメリカン・ケミカル・ソサイエティー(Jo
urnal of American Chemica
l Society)、第110巻、5917頁、(1
998年)に従い、10−デアセチルバッカチンIII
の7位水酸基及び10位水酸基を保護することにより製
することができる。
【0092】化合物〔IV〕は、一般式〔VIII〕
【0093】
【化47】
【0094】(但し、記号は前記と同一意味を有す
る。)で示される化合物またはその反応性誘導体と、一
般式〔XXVI〕
【0095】
【化48】
【0096】(但し、R11は水素原子またはエステル残
基を表し、他の記号は前記と同一意味を有する。)で示
される化合物を反応させ、要すればエステル残基を除去
することにより製することができる。
【0097】化合物〔XXII〕は、また、テトラヘド
ロン(Tetrahedron )、第42巻、6447−6458
頁(1986年)に記載の置換もしくは非置換シクロプ
ロパンカルバルデヒドアセタールを加水分解することに
より、製造することもできる。
【0098】なお、本発明において、低級アルキル基と
しては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イ
ソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、第二級ブチル
基、第三級ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネ
オペンチル基、第三級ペンチル基、ヘキシル基等炭素数
1〜6、とりわけ1〜4のアルキル基があげられ、低級
アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ
基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘ
キシルオキシ基等炭素数1〜6、とりわけ1〜4のアル
コキシ基があげられ、低級アルカノイル基としては、例
えば、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、バレ
リル基、ピバロイル基等炭素数2〜7、とりわけ2〜5
のアルカノイル基があげられる。ハロゲン原子として
は、塩素、臭素、フッ素又はヨウ素があげられる。
【0099】また、本明細書において、タキサンもしく
はタキサン骨格とは、下式
【0100】
【化49】
【0101】で示されるジテルペン骨格を表す。
【0102】
【実施例】
実施例1 (1)アルゴン雰囲気下、メトキシカルボニルメチレン
トリフェニルホスホラン85.8gのベンゼン550m
l懸濁液に室温でシクロプロパンカルボアルデヒド1
5.0gのベンゼン50ml溶液を滴下し、55℃で一
晩撹拌する。反応液を室温に戻した後、氷水800ml
中へ注ぎ込み、これをクロロホルム600mlで2回抽
出し、クロロホルム層を飽和食塩水で洗浄する。有機層
を乾燥後、溶媒を減圧留去する。得られた残渣をシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒;ヘキサン:酢酸
エチル=12:1)で精製して、3−シクロプロピルア
クリル酸メチルエステル17.4gを得る。収率:65
%。
【0103】MS(m/z):126(M+ ) IR(neat,cm-1):1720,1660 NMR(CDCl3 ,δ):0.60−0.68(2
H,m),0.91−0.99(2H,m),1.51
−1.64(1H,m),3.71(3H,s),5.
90(1H,d,J=15Hz),6.43(1H,d
d,J=10,15Hz) (2)フェリシアン化カリウム68.2g及び炭酸カリ
ウム28.6gのtert−ブタノール−水(1:1)
640ml溶液に、1,4−ビス(9−O−ジヒドロキ
ニジル)フタラジン0.537gを加える。反応液にリ
ン酸水溶液を加えてpHを10.9に調整し、四酸化オ
スミウムのトルエン溶液(0.393M)0.35ml
を加え、室温で30分間攪拌後、3−シクロプロピルア
クリル酸メチルエステル8.7gを加え、24時間撹拌
する。反応液を氷冷し、亜硫酸ナトリウム106gを加
え30分間攪拌した後、酢酸エチル500mlで4回抽
出し、有機層を乾燥する。溶媒を減圧留去し、残渣をシ
リカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒;ヘキサン:
酢酸エチル=3:1)で精製し、(2S,3R)−3−
シクロプロピル−2,3−ジヒドロキシプロピオン酸メ
チルエステル4.22gを得る。収率:38%。
【0104】m.p.:54−57℃ [α]D 20 +42.7゜(c=1,クロロホルム) FAB−MS(m/z):183(M+ +Na) IR(nujol,cm-1):3440,1730 NMR(CDCl3 ,δ):0.25−0.34(1
H,m),0.38−0.47(1H,m),0.52
−0.69(2H,m),1.15−1.28(1H,
m),2.24(1H,d,J=7Hz),3.12
(1H,ddd,J=2,7,9Hz),3.18(1
H,d,J=6Hz),3.82(3H,s),4.2
5(1H,dd,J=2,6Hz)。
【0105】(3)アルゴン雰囲気下、(2S,3R)
−3−シクロプロピル−2,3−ジヒドロキシプロピオ
ン酸メチルエステル4.22gの塩化メチレン140m
l溶液を−3℃に冷却し、トリエチルアミン4.00
g、次にp−トルエンスルホン酸クロリド5.17gを
加え、3日間攪拌する。反応液から溶媒を減圧留去し、
残渣を酢酸エチル−水の混液に溶解し、有機層を分取
し、飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、溶媒を減圧留去す
る。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶
媒;ヘキサン:酢酸エチル=1:3)で精製して、(2
S,3R)−3−シクロプロピル−3−ヒドロキシ−2
−(p−トルエンスルホニルオキシ)プロピオン酸メチ
ルエステル6.54gを得る。収率:79%。
【0106】m.p.:75−78℃ MS(m/z):312(M+ −2) IR(neat,cm-1):3520,1760 NMR(CDCl3 ,δ):0.16−0.26(1
H,m),0.36−0.46(2H,m),0.53
−0.65(1H,m),0.90−1.05(1H,
m),2.11(1H,d,J=7Hz),2.45
(3H,s),3.26(1H,ddd,J=4,7,
10Hz),3.69(3H,s),4.93(1H,
d,J=4Hz),7.32−7.38(2H,m),
7.82−7.88(2H,m)。
【0107】(4)(2S,3R)−3−シクロプロピ
ル−3−ヒドロキシ−2−(p−トルエンスルホニルオ
キシ)プロピオン酸メチルエステル2.97gのアセト
ニトリル50ml溶液に室温下で水10.86ml及び
炭酸カリウム3.96gを加え、反応液を50℃に加熱
し、2日間撹拌する。反応液を室温に戻し、不溶物をろ
別する。ろ液を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムク
ロマトグラフィー(溶媒;ジエチルエーテル)で精製し
て、(2R,3R)−3−シクロプロピル−2,3−エ
ポキシプロピオン酸メチルエステルを定量的に得る。
【0108】MS(m/z):142(M+ ) IR(neat,cm-1):1750 NMR(CDCl3 ,δ):0.36−0.44(1
H,m),0.52−0.76(3H,m),0.86
−0.98(1H,m),2.58(1H,dd,J=
4,8Hz),3.56(1H,d,J=4Hz),
3.83(3H,s)。
【0109】(5)(2R,3R)−3−シクロプロピ
ル−2,3−エポキシプロピオン酸メチルエステル2.
89gのメタノール−水(8:1)112.5ml溶液
にギ酸メチル14ml及びアジ化ナトリウム16.60
gを加え、反応液を50℃に加熱し、一晩撹拌する。反
応液を室温に戻し、メタノールを留去し、残渣を酢酸エ
チル−水の混液に溶解し、有機層を分取する。この有機
層を飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、溶媒を減圧留去す
る。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶
媒;ヘキサン:酢酸エチル=4:1)で精製して、(2
R,3S)−3−シクロプロピル−3−アジド−2−ヒ
ドロキシプロピオン酸メチルエステル2.61gを得
る。収率:70%。
【0110】[α]D 23 −67.19゜(c=1,ク
ロロホルム) FAB−MS(m/z):186(MH+ ) IR(neat,cm-1):3480,2100,17
40 NMR(CDCl3 ,δ):0.29−0.39(1
H,m),0.50−0.59(1H,m),0.63
−0.73(1H,m),0.80−0.90(1H,
m),1.37−1.51(1H,m),2.83(1
H,dd,J=2,10Hz),3.06(1H,d,
J=7Hz),3.82(3H,s),4.29(1
H,dd,J=2,7Hz)。
【0111】(6)(2R,3S)−3−シクロプロピ
ル−3−アジド−2−ヒドロキシプロピオン酸メチルエ
ステル1.82g及びt−ブトキシカルボン酸無水物
2.57gの酢酸エチル60ml溶液に10%パラジウ
ム−炭素600mgを加え、水素雰囲気下(1気圧)で
室温で1時間攪拌する。反応液から無機物をろ去し、ろ
液を濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=2:1)で精製し
て、(2R,3S)−3−シクロプロピル−3−ter
t−ブトキシカルボニルアミノ−2−ヒドロキシプロピ
オン酸メチルエステル2.78gを得る。収率:100
%。
【0112】m.p.:93℃ [α]D 23 −59.79゜(c=1,クロロホルム) FAB−MS(m/z):260(MH+ ) IR(nujol,cm-1):3520,3440,3
320,1740,1720,1710,1690 NMR(CDCl3 ,δ):0.32−0.39(1
H,m),0.41−0.51(1H,m),0.51
−0.62(2H,m),1.07−1.21(1H,
m),1.41(9H,s),3.19(1H,d,J
=5Hz),3.29(1H,dt,J=2,10H
z),3.78(3H,s),4.31(1H,dd,
J=2,5Hz),4.90(1H,dlike)。
【0113】(7)(2R,3S)−3−シクロプロピ
ル−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−ヒ
ドロキシプロピオン酸メチルエステル2.63gのベン
ゼン60ml溶液に、イソプロペニルメチルエーテル
1.94ml及びp−トルエンスルホン酸ピリジニウム
塩0.25gを加え、室温で1時間攪拌後、40分間還
流する。冷後、反応混合物にイソプロペニルメチルエー
テル1.94mlを加え、室温で10分間攪拌後、40
分間還流する。溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラム
クロマトグラフィー(溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=
8:1)で精製して、(4S,5R)−3−tert−
ブトキシカルボニル−2,2−ジメチル−4−シクロプ
ロピル−5−オキサゾリジンカルボン酸メチルエステル
2.69gを得る。収率:89%。
【0114】MS(m/z):299(M+ ) IR(neat,cm-1):1760,1720,17
00 NMR(CDCl3 ,δ):0.23−0.33(1
H,m),0.43−0.54(1H,m),0.61
−0.76(2H,m),1.10−1.22(1H,
m),1.49(9H,s),1.62(3H,s),
1.64(3H,s),3.73−3.88(1H,
m),3.77(3H,s),4.42(1H,d,J
=2.0Hz)。
【0115】(8)(4S,5R)−3−tert−ブ
トキシカルボニル−2,2−ジメチル−4−シクロプロ
ピル−5−オキサゾリジンカルボン酸メチルエステル
2.66gのメタノール60ml溶液に、氷冷下、水酸
化リチウム255mgの水30ml溶液を滴下する。反
応混合物を室温に戻し、1時間攪拌した後、メタノール
を減圧留去し、残渣にクロロホルムを加え、氷冷下、1
0%塩酸を加え、pHを約2とする。クロロホルム層を
飽和食塩水で洗浄、乾燥後、溶媒を減圧留去して、(4
S,5R)−3−tert−ブトキシカルボニル−2,
2−ジメチル−4−シクロプロピル−5−オキサゾリジ
ンカルボン酸2.65gを得る。収率:100%。
【0116】m.p.:104−108℃ FAB−MS(m/z):286(MH+ ) IR(nujol,cm-1):3080,1720,1
690 NMR(CDCl3 ,δ):0.27−0.38(1
H,m),0.45−0.56(1H,m),0.62
−0.76(2H,m),1.11−1.24(1H,
m),1.49(9H,s),1.65(3H,s),
1.66(3H,s),3.75−3.88(1H,
m),4.45(1H,d,J=2Hz),6.60
(1H,brs)。
【0117】(9−1)(4S,5R)−3−tert
−ブトキシカルボニル−2,2−ジメチル−4−シクロ
プロピル−5−オキサゾリジンカルボン酸1.20g、
4α−アセトキシ−2α−ベンゾイルオキシ−5β,2
0−エポキシ−1β,13α−ジヒドロキシ−7β,1
0β−ビス(2,2,2−トリクロロエトキシカルボニ
ルオキシ)タキス−11−エン−9−オン2.5gのト
ルエン60ml溶液に1,3−ジシクロヘキシルカルボ
ジイミド922mg及びN,N−ジメチルアミノピリジ
ン171mgを加え、80℃に加熱し、90分間攪拌す
る。反応混合物より難溶物をろ去し、ろ液を濃縮し、残
渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒;ヘキ
サン:酢酸エチル=3:1)で精製し、4α−アセトキ
シ−2α−ベンゾイルオキシ−13α−〔(4S,5
R)−3−tert−ブトキシカルボニル−2,2−ジ
メチル−4−シクロプロピルオキサゾリジン−5−イル
カルボニルオキシ〕−5β,20−エポキシ−1β−ヒ
ドロキシ−7β,10β−ビス(2,2,2−トリクロ
ロエトキシカルボニルオキシ)タキス−11−エン−9
−オン3.1gを得る。収率:96%。
【0118】FAB−MS(m/z):1162(MH
+ ) IR(nujol,cm-1):3500,1760,1
740,1700 NMR(CDCl3 ,δ):0.23−0.33(1
H,m),0.45−0.57(1H,m),0.64
−0.80(2H,m),1.08−1.18(1H,
m),1.20(3H,s),1.27(3H,s),
1.50(9H,s),1.58(3H,s),1.6
6(6H,s),1.71(1H,s),1.85(3
H,s),2.00−2.14(1H,m),2.08
(3H,d,J=1Hz),2.24−2.33(2
H,m),2.42(3H,s),2.64(1H,d
dd,J=7,10,14Hz),3.90−3.95
(1H,m),3.97(1H,d,J=7Hz),
4.17(1H,d,J=8Hz),4.35(1H,
d,J=8Hz),4.45(1H,d,J=2.4H
z),4.60(1H,d,J=12Hz),4.75
(1H,d,J=12Hz),4.80(1H,d,J
=12Hz),4.92(1H,d,J=12Hz),
4.95−5.01(1H,m),5.61(1H,d
d,J=7,11Hz),5.70(1H,d,J=7
Hz),6.18−6.26(1H,m),6.27
(1H,s),7.46−7.54(2H,m),7.
60−7.67(1H,m),8.06−8.12(2
H,m)。
【0119】(9−2)氷冷、アルゴン雰囲気下、(4
S,5R)−3−tert−ブトキシカルボニル−2,
2−ジメチル−4−シクロプロピル−5−オキサゾリジ
ンカルボン酸85.5mgのトルエン1ml溶液にトリ
エチルアミン44μl及び4−(N,N−ジメチルアミ
ノ)ピリジン38.4mgを加え、続いて、2,4,6
−トリクロロベンゾイルクロリド76.7mgのトルエ
ン1ml溶液を加える。反応液を室温で1時間撹拌した
後、4α−アセトキシ−2α−ベンゾイルオキシ−5
β,20−エポキシ−1β,13α−ジヒドロキシ−7
β,10β−ビス(2,2,2−トリクロロエトキシカ
ルボニルオキシ)タキス−11−エン−9−オン17
1.2mgを加え、撹拌を続ける。2時間後、反応液を
酢酸エチルで希釈し、水、1%塩酸、飽和重曹水、水、
飽和食塩水で洗浄する。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥
後、溶媒を留去する。残査をシリカゲルカラムクロマト
グラフィー(溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=3:2)で
精製し、4α−アセトキシ−2α−ベンゾイルオキシ−
13α−〔(4S,5R)−3−tert−ブトキシカ
ルボニル−2,2−ジメチル−4−シクロプロピルオキ
サゾリジン−5−イルカルボニルオキシ〕−5β,20
−エポキシ−1β−ヒドロキシ−7β,10β−ビス
(2,2,2−トリクロロエトキシカルボニルオキシ)
タキス−11−エン−9−オン183mgを得る。
【0120】物性値は、実施例1(9−1)で得られた
化合物と同一であった。
【0121】(10)4α−アセトキシ−2α−ベンゾ
イルオキシ−13α−〔(4S,5R)−3−tert
−ブトキシカルボニル−2,2−ジメチル−4−シクロ
プロピルオキサゾリジン−5−イルカルボニルオキシ〕
−5β,20−エポキシ−1β−ヒドロキシ−7β,1
0β−ビス(2,2,2−トリクロロエトキシカルボニ
ルオキシ)タキス−11−エン−9−オン3.04gの
ギ酸50ml溶液を室温で2時間攪拌する。ギ酸を留去
後、エタノール−ジイソプロピルエーテルで結晶化し、
ろ取してジイソプロピルエーテルで洗浄、乾燥後、4α
−アセトキシ−2α−ベンゾイルオキシ−13α−
〔(2R,3S)−3−アミノ−3−シクロプロピル−
2−ヒドロキシプロピオニルオキシ〕−5β,20−エ
ポキシ−1β−ヒドロキシ−7β,10β−ビス(2,
2,2−トリクロロエトキシカルボニルオキシ)タキス
−11−エン−9−オン・ギ酸塩2.54gを得る。収
率:91%。
【0122】m.p.:154−172℃(分解) FAB−MS(m/z):1022(MH+ ) IR(nujol,cm-1):3440,1760,1
720 NMR(CDCl3 ,δ):0.28−0.40(1
H,m),0.43−0.57(1H,m),0.57
−0.78(2H,m),1.10−1.15(1H,
m),1.18(3H,s),1.23(3H,s),
1.84(3H,s),2.00−2.12(1H,
m),2.04(3H,s),2.24−2.32(2
H,m),2.39(3H,s),2.55−2.69
(1H,m),2.69−2.78(1H,m),3.
90(1H,d,J=7Hz),4.16(1H,d,
J=8Hz),4.20−4.62(5H,m),4.
33(1H,d,J=8Hz),4.48(1H,d,
J=5.6Hz),4.59(1H,d,J=11.7
Hz),4.77(2H,slike),4.87(1
H,d,J=12Hz),4.94−5.00(1H,
m),5.53(1H,dd,J=7,11Hz),
5.69(1H,d,J=7Hz),6.20−6.2
9(1H,m),6.23(1H,s),7.45−
7.53(2H,m),7.57−7.66(1H,
m),8.03−8.10(2H,m),8.32(1
H,brs)。
【0123】(11)4α−アセトキシ−2α−ベンゾ
イルオキシ−13α−〔(2R,3S)−3−アミノ−
3−シクロプロピル−2−ヒドロキシプロピオニルオキ
シ〕−5β,20−エポキシ−1β−ヒドロキシ−7
β,10β−ビス(2,2,2−トリクロロエトキシカ
ルボニルオキシ)タキス−11−エン−9−オン・ギ酸
塩600mgのテトラヒドロフラン15ml溶液に、炭
酸水素カリウム169mg及びtert−ブトキシカル
ボン酸無水物245mgのテトラヒドロフラン5ml溶
液を滴下し、室温で2.5時間撹拌する。反応混合物よ
り無機物をろ去し、ろ液に酢酸エチルを加え、飽和炭酸
水素ナトリウム水溶液、水及び飽和食塩水で洗浄し、乾
燥後、溶媒を減圧留去する。残渣をシリカゲルカラムク
ロマトグラフィー(溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=2:
1)で精製して、4α−アセトキシ−2α−ベンゾイル
オキシ−13α−〔(2R,3S)−3−tert−ブ
トキシカルボニルアミノ−3−シクロプロピル−2−ヒ
ドロキシプロピオニルオキシ〕−5β,20−エポキシ
−1β−ヒドロキシ−7β,10β−ビス(2,2,2
−トリクロロエトキシカルボニルオキシ)タキス−11
−エン−9−オン471mgを得る。収率:75%。
【0124】FAB−MS(m/z):1122(MH
+ ) IR(nujol,cm-1):3440,1760,1
720 NMR(CDCl3 ,δ):0.24−0.32(1
H,m),0.43−0.52(1H,m),0.61
−0.70(2H,m),1.18−1.32(1H,
m),1.20(3H,s),1.27(3H,s),
1.34(9H,s),1.71(3H,s),1.8
6(3H,s),2.02(3H,d,J=1Hz),
2.05−2.13(1H,m),2.30−2.38
(2H,m),2.39(3H,s),2.64(1
H,ddd,J=7,10,14Hz),3.31(1
H,dt,J=2,9Hz),3.34(1H,d,J
=6Hz),3.91(1H,d,J=7Hz),4.
18(1H,d,J=8Hz),4.34(1H,d,
J=8Hz),4.40(1H,dd,J=2,6H
z),4.60(1H,d,J=12Hz),4.75
(1H,d,J=12Hz),4.80(1H,d,J
=12Hz),4.88−4.93(1H,m),4.
91(1H,d,J=12Hz),4.98(1H,
d,J=8Hz),5.56(1H,dd,J=7,1
1Hz),5.71(1H,d,J=7Hz),6.1
1−6.20(1H,m),6.26(1H,s),
7.47−7.54(2H,m),7.59−7.66
(1H,m),8.08−8.13(2H,m)。
【0125】(12)((3S)−3−ベンジルオキシ
カルボニルアミノ−3−エトキシカルボニルプロピオニ
ルオキシ)酢酸181mg及び4α−アセトキシ−2α
−ベンゾイルオキシ−13α−〔(2R,3S)−3−
tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−シクロプロ
ピル−2−ヒドロキシプロピオニルオキシ〕−5β,2
0−エポキシ−1β−ヒドロキシ−7β,10β−ビス
(2,2,2−トリクロロエトキシカルボニルオキシ)
タキス−11−エン−9−オン479mgのテトラヒド
ロフラン20ml溶液に1,3−ジシクロヘキシルカル
ボジイミド106mg及びN,N−ジメチルアミノピリ
ジン5.2mg加え、60℃で2時間攪拌する。難溶物
をろ去し、ろ液から溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー(溶媒;クロロホルム:メ
タノール=60:1)さらにシリカゲルカラムクロマト
グラフィー(溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=2:1)で
精製して、4α−アセトキシ−2α−ベンゾイルオキシ
−13α−{(2R,3S)−3−tert−ブトキシ
カルボニルアミノ−2−〔(3S)−3−ベンジルオキ
シカルボニルアミノ−3−エトキシカルボニルプロピオ
ニルオキシアセトキシ〕−3−シクロプロピルプロピオ
ニルオキシ}−5β,20−エポキシ−1β−ヒドロキ
シ−7β,10β−ビス(2,2,2−トリクロロエト
キシカルボニルオキシ)タキス−11−エン−9−オン
496mgを得る。収率:80%。
【0126】m.p.:107−121℃(分解) FAB−MS(m/z):1479(MH+ +Na) IR(nujol,cm-1):3380,1760,1
720 NMR(CDCl3 ,δ):0.20−0.26(1
H,m),0.46−0.51(1H,m),0.61
−0.67(2H,m),1.06−1.08(1H,
m),1.19(3H,s),1.24(3H,s),
1.25−1.30(3H,m),1.32(9H,
s),1.69(1H,s),1.85(3H,s),
2.04(3H,s),2.05−2.10(1H,
m),2.23−2.35(2H,m),2.37(3
H,s),2.58−2.67(1H,m),2.96
−3.04(1H,m),3.13−3.21(1H,
m),3.55−3.62(1H,m),3.91(1
H,d,J=7Hz),4.17(1H,d,J=8H
z),4.19−4.28(2H,m),4.34(1
H,d,J=8Hz),4.58(1H,d,J=12
Hz),4.64−4.70(1H,m),4.73
(1H,d,J=16Hz),4.74(1H,d,J
=12Hz),4.78(1H,d,J=12Hz),
4.85(1H,d,J=16Hz),4.89(1
H,d,J=12Hz),4.98(1H,dlik
e,J=9Hz),5.09−5.21(5H,m),
5.56(1H,dd,J=7,11Hz),5.70
(1H,d,J=7Hz),5.81(1H,dlik
e,J=8Hz),6.12−6.19(1H,m),
6.25(1H,s),7.29−7.38(5H,
m),7.50(2H,tlike),7.62(1
H,t,J=7Hz),8.10(2H,d,J=7H
z)。
【0127】(13)4α−アセトキシ−13α−
{(2R,3S)−3−tert−ブトキシカルボニル
アミノ−2−〔(3S)−3−ベンジルオキシカルボニ
ルアミノ−3−エトキシカルボニルプロピオニルオキシ
アセトキシ〕−3−シクロプロピルプロピオニルオキ
シ}−2α−ベンゾイルオキシ−5β,20−エポキシ
−1β−ヒドロキシ−7β,10β−ビス(2,2,2
−トリクロロエトキシカルボニルオキシ)タキス−11
−エン−9−オン262mgのメタノール20ml−酢
酸4ml溶液に、亜鉛末352mgを加え、60℃で3
0分間攪拌する。反応混合物より無機物をろ去し、ろ液
から溶媒を減圧留去する。残渣に酢酸エチル及び水を加
え、酢酸エチルで抽出し、1%塩酸水溶液、水、飽和炭
酸水素ナトリウム水溶液及び飽和食塩水で洗浄し、溶媒
を減圧留去する。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィー(溶媒;クロロホルム:メタノール=50:1)
で精製して、4α−アセトキシ−13α−{(2R,3
S)−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−
〔(3S)−3−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3
−エトキシカルボニルプロピオニルオキシアセトキシ〕
−3−シクロプロピルプロピオニルオキシ}−2α−ベ
ンゾイルオキシ−5β,20−エポキシ−1β,7β,
10β−トリヒドロキシタキス−11−エン−9−オン
155mgを得る。収率:78%。
【0128】FAB−MS(m/z):1107(MH
+ ) IR(nujol,cm-1):3400,1750,1
700 NMR(CDCl3 ,δ):0.20−0.28(1
H,m),0.43−0.52(1H,m),0.58
−0.66(2H,m),0.97−1.07(1H,
m),1.12(3H,s),1.20(3H,s),
1.27(3H,t,J=7.0Hz),1.32(9
H,s),1.60−1.73(1H,m),1.68
(1H,s),1.75(3H,s),1.79−1.
90(1H,m),1.92(3H,brs),2.1
5−2.28(2H,m),2.31(3H,s),
2.52−2.66(1H,m),2.99(1H,d
d,J=4,17Hz),3.19(1H,dd,J=
4,17Hz),3.55−3.66(1H,m),
3.90(1H,d,J=7Hz),4.15−4.2
8(5H,m),4.31(1H,d,J=8Hz),
4.64−4.83(3H,m),4.78(2H,
d,J=8Hz),4.93−4.99(1H,m),
5.08−5.17(1H,m),5.14(2H,s
like),5.18−5.27(2H,m),5.6
8(1H,d,J=7Hz),5.88−5.97(1
H,m),6.11−6.21(1H,m),7.30
−7.38(5H,m),7.46−7.53(2H,
m),7.57−7.65(1H,m),8.07−
8.14(2H,m)。
【0129】(14)4α−アセトキシ−13α−
{(2R,3S)−3−tert−ブトキシカルボニル
アミノ−2−〔(3S)−3−ベンジルオキシカルボニ
ルアミノ−3−エトキシカルボニルプロピオニルオキシ
アセトキシ〕−3−シクロプロピルプロピオニルオキ
シ}−2α−ベンゾイルオキシ−5β,20−エポキシ
−1β,7β,10β−トリヒドロキシタキス−11−
エン−9−オン243mgのテトラヒドロフラン35m
l溶液に10%パラジウム−炭素150mg及びメタン
スルホン酸23mgを加え、水素雰囲気下(1気圧)、
室温で45分間撹拌する。反応混合物から無機物をろ去
し、ろ液を濃縮し、ジエチルエーテルを加え、析出した
白色粉末をろ取し、ジエチルエーテルで洗浄し、乾燥
後、4α−アセトキシ−13α−{(2R,3S)−3
−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−〔(3
S)−3−アミノ−3−エトキシカルボニルプロピオニ
ルオキシアセトキシ〕−3−シクロプロピルプロピオニ
ルオキシ}−2α−ベンゾイルオキシ−5β,20−エ
ポキシ−1β,7β,10β−トリヒドロキシタキス−
11−エン−9−オン・メタンスルホン酸塩174mg
を得る。収率:74%。
【0130】m.p.:151℃(分解) FAB−MS(m/z):973(MH+ ) IR(nujol,cm-1):3400,1740,1
700 NMR(DMSO−d6 ,δ):0.20−0.30
(1H,m),0.32−0.42(1H,m),0.
48−0.57(2H,m),1.00−1.06(1
H,m),1.02(3H,s),1.04(3H,
s),1.24(3H,t,J=7Hz),1.35
(9H,s),1.55(3H,s),1.60−1.
75(1H,m),1.79(3H,s),2.18−
2.29(3H,m),2.31(6H,s),3.0
4(1H,dd,J=6,18Hz),3.11(1
H,dd,J=6,18Hz),3.37−3.48
(1H,m),3.75(1H,d,J=7Hz),
4.02−4.13(3H,m),4.16−4.28
(2H,m),4.40(1H,t,J=6Hz),
4.65(1H,s),4.90(2H,s),4.9
2−4.98(2H,m),5.03(1H,d,J=
7Hz),5.07(1H,d,J=4Hz),5.1
4(1H,s),5.47(1H,d,J=7Hz),
5.90−6.00(1H,m),7.18(1H,
d,J=9Hz),7.52−7.60(2H,m),
7.63−7.71(1H,m),7.98−8.05
(2H,m),8.38(3H,brs)。
【0131】実施例2 実施例1−(11)で得られた4α−アセトキシ−2α
−ベンゾイルオキシ−13α−〔(2R,3S)−3−
tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−シクロプロ
ピル−2−ヒドロキシプロピオニルオキシ〕−5β,2
0−エポキシ−1β−ヒドロキシ−7β,10β−ビス
(2,2,2−トリクロロエトキシカルボニルオキシ)
タキス−11−エン−9−オン818mgをメタノール
75ml−酢酸15ml混合液に溶解し、そこへ亜鉛末
1.43gを加え、60℃に加熱し、30分間撹拌す
る。反応液を室温に戻した後、無機物をろ別し、ろ液を
濃縮し、残渣に酢酸エチル−水の混合液を加える。有機
層を分取し、これを冷1%塩酸、水、飽和炭酸水素ナト
リウム水溶液及び飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、溶媒を
減圧留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(溶媒;クロロホルム:メタノル=30:1)で精製
して、粗結晶512mgを得る。この粗結晶をジイソプ
ロピルエーテル−ヘキサンの混合溶媒で洗浄し、乾燥さ
せ、4α−アセトキシ−2α−ベンゾイルオキシ−13
α−〔(2R,3S)−3−tert−ブトキシカルボ
ニルアミノ−3−シクロプロピル−2−ヒドロキシプロ
ピオニルオキシ〕−5β,20−エポキシ−1β,7
β,10β−トリヒドロキシ−タキス−11−エン−9
−オン476mgを得る。収率:85%。
【0132】m.p.:173−179℃ [α]D 22 −55.59゜(c=1,クロロホルム) FAB−MS(m/z):772(MH+ ) IR(nujol,cm-1):3400,1700 NMR(CDCl3 ,δ):0.23−0.32(1
H,m),0.42−0.52(1H,m),0.59
−0.68(2H,m),1.13(3H,s),1.
19−1.29(1H,m),1.23(3H,s),
1.33(9H,s),1.58−1.67(1H,
m),1.69(1H,s),1.75(3H,s),
1.79−1.91(1H,m),1.93(3H,
d,J=1Hz),2.29(2H,d,J=9H
z),2.37(3H,s),2.59(1H,dd
d,J=7,10,14Hz),3.32(1H,d
t,J=2,9Hz),3.46(1H,d,J=6H
z),3.92(1H,d,J=7Hz),4.19
(1H,d,J=8Hz),4.2−4.3(1H,
m),4.21(1H,d,J=2Hz),4.34
(1H,d,J=8Hz),4.39(1H,dd,J
=2,6Hz),4.90−5.00(2H,m),
5.22(1H,d,J=2Hz),5.69(1H,
d,J=7Hz),6.12−6.22(1H,m),
7.46−7.54(2H,m),7.57−7.65
(1H,m),8.07−8.13(2H,m)。
【0133】実施例3 (1)実施例1−(10)で得られた4α−アセトキシ
−2α−ベンゾイルオキシ−13α−〔(2R,3S)
−3−アミノ−3−シクロプロピル−2−ヒドロキシプ
ロピオニルオキシ〕−5β,20−エポキシ−1β−ヒ
ドロキシ−7β,10β−ビス(2,2,2−トリクロ
ロエトキシカルボニルオキシ)タキス−11−エン−9
−オン・ギ酸塩の酢酸エチル溶液を飽和炭酸水素ナトリ
ウム水溶液で処理することにより、4α−アセトキシ−
2α−ベンゾイルオキシ−13α−〔(2R,3S)−
3−アミノ−3−シクロプロピル−2−ヒドロキシプロ
ピオニルオキシ〕−5β,20−エポキシ−1β−ヒド
ロキシ−7β,10β−ビス(2,2,2−トリクロロ
エトキシカルボニルオキシ)タキス−11−エン−9−
オン(フリー体)を得る。フリー体504mgの塩化メ
チレン溶液に、アルゴン下、室温でt−ブチルイソシア
ナート73mgを加え、一晩撹拌する。反応液に水を加
え、クロロホルムで抽出し、抽出液を飽和食塩水で洗
浄、乾燥後、溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィー(溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=
3:1)で精製して、4α−アセトキシ−2α−ベンゾ
イルオキシ−13α−〔(2R,3S)−3−tert
−ブチルアミノカルボニルアミノ−3−シクロプロピル
−2−ヒドロキシプロピオニルオキシ〕−5β,20−
エポキシ−1β−ヒドロキシ−7β,10β−ビス
(2,2,2−トリクロロエトキシカルボニルオキシ)
タキス−11−エン−9−オン376mgを得る。収
率:68%。
【0134】m.p.:167−174℃ FAB−MS(m/z):1143(M+ +Na) IR(nujol,cm-1):3400,1760,1
720,1660 NMR(CDCl3 ,δ):0.24−0.31(1
H,m),0.41−0.50(1H,m),0.54
−0.70(2H,m),1.19−1.28(7H,
m),1.24(9H,s),1.76(1H,s),
1.86(3H,s),2.00−2.12(1H,
m),2.03(3H,d,J=1Hz),2.25−
2.49(2H,m),2.41(3H,s),2.6
3(1H,ddd,J=7,10,14Hz),3.3
5−3.45(1H,ddlike,J=2,9H
z),3.75(1H,d,J=7Hz),3.91
(1H,d,J=7Hz),4.18(1H,d,J=
8Hz),4.26(1H,brs),4.37(1
H,d,J=8Hz),4.39(1H,dd,J=
2,7Hz),4.53(1H,d,J=9Hz),
4.60(1H,d,J=12Hz),4.75(1
H,d,J=12Hz),4.80(1H,d,J=1
2Hz),4.91(1H,d,J=12Hz),4.
95−5.01(1H,dlike),5.56(1
H,dd,J=7,11Hz),5.72(1H,d,
J=7Hz),6.10−6.19(1H,m),6.
26(1H,s),7.47−7.55(2H,m),
7.59−7.67(1H,m),8.07−8.13
(2H,m)。
【0135】(2)4α−アセトキシ−2α−ベンゾイ
ルオキシ−13α−〔(2R,3S)−3−tert−
ブチルアミノカルボニルアミノ−3−シクロプロピル−
2−ヒドロキシプロピオニルオキシ〕−5β,20−エ
ポキシ−1β−ヒドロキシ−7β,10β−ビス(2,
2,2−トリクロロエトキシカルボニルオキシ)タキス
−11−エン−9−オン355mgを実施例1(12)
−(14)と同様に処理することにより、4α−アセト
キシ−13α−{(2R,3S)−3−tert−ブチ
ルアミノカルボニルアミノ−2−〔(3S)−3−アミ
ノ−3−エトキシカルボニルプロピオニルオキシ)アセ
トキシ〕−3−シクロプロピルプロピオニルオキシ}−
2α−ベンゾイルオキシ−5β,20−エポキシ−1
β,7β,10β−トリヒドロキシタキス−11−エン
−9−オン・メタンスルホン酸塩158mgを得る。収
率:80%。
【0136】m.p.:165−169℃ FAB−MS(m/z):972(MH+ ) IR(nujol,cm-1):3400,1750,1
660 NMR(DMSO−d6 ,δ):0.08−0.17
(1H,m),0.28−0.37(1H,m),0.
46−0.53(2H,m),0.97−1.08(1
H,m),1.03(6H,brs),1.15(9
H,brs),1.23(3H,t,J=7Hz),
1.54(3H,s),1.61−1.72(1H,
m),1.78(3H,s),2.21−2.36(3
H,m),2.32(3H,s),2.33(3H,
s),3.04(1H,dd,J=6,18Hz),
3.12(1H,dd,J=6,18Hz),3.74
(1H,d,J=7Hz),3.75−3.81(1
H,m),4.01−4.13(3H,m),4.15
−4.28(2H,m),4.40(1H,t,J=6
Hz),4.62(1H,s),4.90−5.00
(2H,m),4.90(1H,d,J=16Hz),
4.96(1H,d,J=16Hz),5.05(1
H,d,J=7Hz),5.10(1H,d,J=3H
z),5.14(1H,brs),5.47(1H,
d,J=7Hz),5.75(1H,brs),5.8
8−5.98(2H,m),7.53−7.61(2
H,m),7.63−7.71(1H,m),8.01
−8.07(2H,m),8.35(3H,brs)。
【0137】実施例4 (1−1)(2R,3R)−3−シクロプロピル−2,
3−エポキシプロピオン酸エチルエステル500mgを
テトラヒドロフラン20mlに溶解し、氷浴で冷却しな
がら、1N水酸化ナトリウム3.52mlを滴下する。
反応液を室温で2.5時間攪拌する。反応液を減圧で濃
縮した後、残渣を水20mlで希釈する。ジエチルエー
テルで洗浄後、水層を氷浴で冷却し、4−ジメチルアミ
ノピリジン・塩酸塩508mgを加える。室温で1時間
攪拌した後、反応液を非イオン性吸着樹脂HP−20
(三菱化成工業社製)で精製し、水溶出物を凍結乾燥
し、(2R,3R)−3−シクロプロピル−2,3−エ
ポキシプロピオン酸・4−ジメチルアミノピリジン塩5
03mgを得る。得られた(2R,3R)−3−シクロ
プロピル−2,3−エポキシプロピオン酸・4−ジメチ
ルアミノピリジン塩38mg、4α−アセトキシ−2α
−ベンゾイルオキシ−5β,20−エポキシ−1β,1
3α−ジヒドロキシ−7β,10β−ビス(2,2,2
−トリクロロエトキシカルボニルオキシ)タキス−11
−エン−9−オン45mg及び1,3−ジシクロヘキシ
ルカルボジイミド31mgのトルエン1ml懸濁液を外
浴50℃で1時間攪拌する。反応液を室温にもどし、ジ
エチルエーテルで希釈後、不溶物をろ別する。ろ液を洗
浄、乾燥後、溶媒を留去し、得られた残渣を薄層クロマ
トグラフィー(溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=3:2)
で精製し、4α−アセトキシ−2α−ベンゾイルオキシ
−13α−〔(2R,3R)−3−シクロプロピル−
2,3−エポキシプロピオニルオキシ〕−5β,20−
エポキシ−1β−ヒドロキシ−7β,10β−ビス
(2,2,2−トリクロロエトキシカルボニルオキシ)
タキス−11−エン−9−オン45mgを得る。収率:
90%。
【0138】FAB−MS(m/z):1025(M+
+Na),1027(〔M+ +Na〕+2),1029
(〔M+ +Na〕+4) IR(nujol,cm-1):3480,1760,1
720 NMR(300MHz,CDCl3 ,δ):0.42
(1H,m),0.66(2H,m),0.81(1
H,m),0.95(1H,m),1.20(3H,
s),1.26(3H,s),1.70(1H,s,D
2 Oexch),1.86(3H,s),2.05−
2.1(1H,m),2.09(3H,d,J=1H
z),2.25−2.35(2H,m),2.39(3
H,s),2.63(1H,dd,J=4,9Hz),
2.64(1H,m),3.69(1H,d,J=4H
z),3.96(1H,d,J=7Hz),4.17
(1H,d,J=9Hz),4.35(1H,d,J=
9Hz),4.61(1H,d,J=12Hz),4.
78(1H,d,J=12Hz),4.91(1H,
d,J=12Hz),4.98(1H,m),5.59
(1H,dd,J=7,11Hz),5.69(1H,
d,J=7Hz),6.27(1H,s),6.31
(1H,m),7.49(2H,m),7.63(1
H,m),8.08(2H,m)。
【0139】(1−2)(2R,3R)−3−シクロプ
ロピル−2,3−エポキシプロピオン酸ベンジルエステ
ル2.04gをテトラヒドロフラン40mlに溶解し、
10%パラジウム−炭素1gを加え、室温、常圧で接触
水素添加する。2時間後、反応をやめ、触媒をろ別す
る。ろ液にトルエン40mlを加えた後、テトラヒドロ
フランを減圧留去し、(2R,3R)−3−シクロプロ
ピル−2,3−エポキシプロピオン酸のトルエン溶液を
得る。得られた(2R,3R)−3−シクロプロピル−
2,3−エポキシプロピオン酸のトルエン溶液に、4α
−アセトキシ−2α−ベンゾイルオキシ−5β,20−
エポキシ−1β,13α−ジヒドロキシ−7β,10β
−ビス(2,2,2−トリクロロエトキシカルボニルオ
キシ)タキス−11−エン−9−オン2.74g、1,
3−ジシクロヘキシルカルボジイミド1.89g及び4
−ジメチルアミノピリジン187mgを加え、外浴80
℃で1時間撹拌する。反応液を室温にもどし、実施例4
(1−1)と同様に後処理を行い、得られる残渣をシリ
カゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶媒;酢
酸エチル:ヘキサン=1:2)で精製し、4α−アセト
キシ−2α−ベンゾイルオキシ−13α−〔(2R,3
R)−3−シクロプロピル−2,3−エポキシプロピオ
ニルオキシ〕−5β,20−エポキシ−1β−ヒドロキ
シ−7β,10β−ビス(2,2,2−トリクロロエト
キシカルボニルオキシ)タキス−11−エン−9−オン
3.02gを得る。収率:96%。
【0140】物性値は、実施例4(1−1)で得られた
化合物と同一であった。
【0141】(2−1)4α−アセトキシ−2α−ベン
ゾイルオキシ−13α−〔(2R,3R)−3−シクロ
プロピル−2,3−エポキシプロピオニルオキシ〕−5
β,20−エポキシ−1β−ヒドロキシ−7β,10β
−ビス(2,2,2−トリクロロエトキシカルボニルオ
キシ)タキス−11−エン−9−オン108mgをメタ
ノール−水(8:1)3mlに溶解し、ギ酸メチル0.
3ml、アジ化ナトリウム211mgを加える。反応液
を外浴50℃で15時間攪拌する。反応液を室温に戻し
た後、氷−水に注ぎ、酢酸エチルで抽出する。有機層を
洗浄、乾燥後、溶媒を留去し、得られた残渣を薄層クロ
マトグラフィー(溶媒;クロロホルム:酢酸エチル=1
0:1)で精製し、4α−アセトキシ−2α−ベンゾイ
ルオキシ−13α−〔(2R,3S)−3−アジド−3
−シクロプロピル−2−ヒドロキシプロピオニルオキ
シ〕−5β,20−エポキシ−1β−ヒドロキシ−7
β,10β−ビス(2,2,2−トリクロロエトキシカ
ルボニルオキシ)タキス−11−エン−9−オン90m
gを得る。収率:80%。
【0142】FAB−MS(m/z):1068(M+
+Na),1070(〔M+ +Na〕+2),1072
(〔M+ +Na〕+4) IR(nujol,cm-1):3500,2110,1
760,1720 NMR(300MHz,CDCl3 ,δ):0.35
(1H,m),0.62(1H,m),0.71(1
H,m),0.91(1H,m),1.21(3H,
s),1.28(3H,s),1.47(1H,m),
1.74(1H,s,D2 Oexch),1.87(3
H,s),2.08(1H,m),2.12(3H,
d,J=1Hz),2.2−2.3(2H,m),2.
36(3H,s),2.65(1H,m),3.05
(1H,dd,J=2,10Hz),3.11(1H,
d,J=8Hz,D2 Oexch),3.93(1H,
d,J=7Hz),4.18(1H,d,J=8H
z),4.34(1H,d,J=8Hz),4.39
(1H,dd,J=2,8Hz),4.61(1H,
d,J=12Hz),4.76(1H,d,J=12H
z),4.81(1H,d,J=12Hz),4.92
(1H,d,J=12Hz),4.98(1H,m),
5.57(1H,dd,J=7,11Hz),5.70
(1H,d,J=7Hz),6.22(1H,m),
6.28(1H,s),7.49(2H,m),7.6
3(1H,m),8.07(2H,m)。
【0143】(2−2)4α−アセトキシ−2α−ベン
ゾイルオキシ−13α−〔(2R,3R)−3−シクロ
プロピル−2,3−エポキシプロピオニルオキシ〕−5
β,20−エポキシ−1β−ヒドロキシ−7β,10β
−ビス(2,2,2−トリクロロエトキシカルボニルオ
キシ)タキス−11−エン−9−オン55mgをテトラ
n−ブチルスズアジド0.5mlに溶解し、触媒量のヨ
ウ化亜鉛を加える。反応液を外浴50℃にて19時間撹
拌する。反応液を室温に戻し、シリカゲルフラッシュカ
ラムクロマトグラフィー(溶媒;クロロホルム:酢酸エ
チル=20:1)及び薄層クロマトグラフィー(溶媒;
クロロホルム:酢酸エチル=10:1)で精製し、4α
−アセトキシ−2α−ベンゾイルオキシ−13α−
〔(2R,3S)−3−アジド−3−シクロプロピル−
2−ヒドロキシプロピオニルオキシ〕−5β,20−エ
ポキシ−1β−ヒドロキシ−7β,10β−ビス(2,
2,2−トリクロロエトキシカルボニルオキシ)タキス
−11−エン−9−オン51mgを得る。収率:89
%。
【0144】物性値は、実施例4(2−1)で得られた
化合物と同一であった。
【0145】(3−1)4α−アセトキシ−2α−ベン
ゾイルオキシ−13α−〔(2R,3S)−3−アジド
−3−シクロプロピル−2−ヒドロキシプロピオニルオ
キシ〕−5β,20−エポキシ−1β−ヒドロキシ−7
β,10β−ビス(2,2,2−トリクロロエトキシカ
ルボニルオキシ)タキス−11−エン−9−オン69m
gをテトラヒドロフラン3mlに溶解し、酸化白金13
mgを加える。反応液を室温、常圧にて3時間接触水素
添加する。反応液をセライトを用い、ろ過した後、ろ液
にギ酸0.1mlを加え、溶媒を留去する。得られた残
渣をメタノールに溶解し不溶物をセライトを用いてろ別
した後、ろ液の溶媒を留去する。得られた残渣を洗浄
し、4α−アセトキシ−2α−ベンゾイルオキシ−13
α−〔(2R,3S)−3−アミノ−3−シクロプロピ
ル−2−ヒドロキシプロピオニルオキシ〕−5β,20
−エポキシ−1β−ヒドロキシ−7β,10β−ビス
(2,2,2−トリクロロエトキシカルボニルオキシ)
タキス−11−エン−9−オン・ギ酸塩46mgを得
る。収率:65%。
【0146】物性値は、実施例1(10)で得られた化
合物と同一であった。
【0147】(3−2)4α−アセトキシ−2α−ベン
ゾイルオキシ−13α−〔(2R,3S)−3−アジド
−3−シクロプロピル−2−ヒドロキシプロピオニルオ
キシ〕−5β,20−エポキシ−1β−ヒドロキシ−7
β,10β−ビス(2,2,2−トリクロロエトキシカ
ルボニルオキシ)タキス−11−エン−9−オン314
mgをエタノール12mlに溶解し、10%パラジウム
−炭素157mg、続いて1N塩酸305μlを加え
る。反応液を室温、常圧にて接触水素添加する。1.5
時間後反応を止め、触媒をセライトを用いてろ別する。
ろ液の溶媒を留去し、残渣にジイソプロピルエーテルを
加え、得られた固体をろ取し、4α−アセトキシ−2α
−ベンゾイルオキシ−13α−〔(2R,3S)−3−
アミノ−3−シクロプロピル−2−ヒドロキシプロピオ
ニルオキシ〕−5β,20−エポキシ−1β−ヒドロキ
シ−7β,10β−ビス(2,2,2−トリクロロエト
キシカルボニルオキシ)タキス−11−エン−9−オン
・塩酸塩289mgを得る。収率:91%。
【0148】FAB−MS(m/z):1022(MH
+ +2) IR(nujol,cm-1):3410,3140,1
760,1740,1730,1710 NMR(DMSO−d6 ,δ):0.20−0.27
(1H,m),0.56−0.59(2H,m),0.
64−0.68(1H,m),1.03(3H,s),
1.07−1.10(1H,m),1.13(3H,
s),1.72(3H,s),1.84−1.92(1
H,m),1.99(3H,s),2.21(1H,d
d,J=9,15Hz),2.32−2.37(1H,
m),2.37(3H,s),2.56−2.62(1
H,m),3.81(1H,d,J=7Hz),4.0
8−4.15(3H,m),4.44(1H,brd
d,J=6,7Hz),4.79(1H,d,J=12
Hz),4.95(1H,d,J=12Hz),4.9
7(1H,d,J=12Hz),5.03(1H,d,
J=12Hz),5.05(1H,d,J=10H
z),5.11(1H,s),5.48(1H,dd,
J=7,11Hz),5.52(1H,d,J=7H
z),6.10(1H,brt,J=9Hz),6.1
6(1H,s),6.94(1H,d,J=5Hz),
7.57(2H,brt,J=8Hz),7.69(1
H,brt,J=7Hz),7.99(2H,brd,
J=7Hz),8.28(3H,brs)。
【0149】(4)4α−アセトキシ−2α−ベンゾイ
ルオキシ−13α−〔(2R,3S)−3−アミノ−3
−シクロプロピル−2−ヒドロキシプロピオニルオキ
シ〕−5β,20−エポキシ−1β−ヒドロキシ−7
β,10β−ビス(2,2,2−トリクロロエトキシカ
ルボニルオキシ)タキス−11−エン−9−オン・ギ酸
塩を実施例1(11)と同様に処理することにより、4
α−アセトキシ−2α−ベンゾイルオキシ−13α−
〔(2R,3S)−3−tert−ブトキシカルボニル
アミノ−3−シクロプロピル−2−ヒドロキシプロピオ
ニルオキシ〕−5β,20−エポキシ−1β−ヒドロキ
シ−7β,10β−ビス(2,2,2−トリクロロエト
キシカルボニルオキシ)タキス−11−エン−9−オン
を得る。
【0150】物性値は、実施例1(11)で得られた化
合物と同一であった。
【0151】(5)4α−アセトキシ−2α−ベンゾイ
ルオキシ−13α−〔(2R,3S)−3−tert−
ブトキシカルボニルアミノ−3−シクロプロピル−2−
ヒドロキシプロピオニルオキシ〕−5β,20−エポキ
シ−1β−ヒドロキシ−7β,10β−ビス(2,2,
2−トリクロロエトキシカルボニルオキシ)タキス−1
1−エン−9−オン861mgをテトラヒドロフラン4
0mlに溶解し、ベンジルオキシ酢酸321mg、1,
3−ジシクロヘキシルカルボジイミド404mgのテト
ラヒドロフラン10ml溶液及び4−ジメチルアミノピ
リジン9mgを加える。反応液を室温にて1.5時間攪
拌する。反応液を濃縮し、残渣をジエチルエーテルに溶
解し、不溶物をセライトを用いてろ別する。ろ液を洗
浄、乾燥後、溶媒を留去する。得られた残渣をシリカゲ
ルフラッシュクロマトグラフィー(溶媒;ヘキサン:酢
酸エチル=3:1)で精製する。得られた化合物を洗浄
し、4α−アセトキシ−2α−ベンゾイルオキシ−13
α−〔(2R,3S)−3−tert−ブトキシカルボ
ニルアミノ−3−シクロプロピル−2−ベンジルオキシ
アセトキシプロピオニルオキシ〕−5β,20−エポキ
シ−1β−ヒドロキシ−7β,10β−ビス(2,2,
2−トリクロロエトキシカルボニルオキシ)タキス−1
1−エン−9−オン650mgを得る。収率:67%。
【0152】ESI−MS(m/z):1292(M+
Na+ +2),1290(M+Na+) IR(nujol,cm-1):3444,1760,1
725 NMR(CDCl3 ,δ):0.22−0.26(1
H,m),0.45−0.51(1H,m),0.60
−0.67(2H,m),1.03−1.11(1H,
m),1.19(3H,s),1.26(3H,s),
1.33(9H,s),1.70(1H,s),1.8
5(3H,s),2.02−2.11(1H,m),
2.07(3H,J=1Hz),2.29−2.34
(2H,m),2.39(3H,s),2.65(1
H,ddd,J=14,9,7Hz),3.59(1
H,dt,J=10,2Hz),3.93(1H,d,
J=7Hz),4.17(1H,d,J=9Hz),
4.25(1H,d,J=17Hz),4.31(1
H,d,J=17Hz),4.35(1H,d,J=1
Hz),4.60(1H,d,J=12Hz),4.6
9(2H,s),4.75(1H,d,J=12H
z),4.79(1H,d,J=12Hz),4.86
−4.89(1H,m),4.92(1H,d,J=1
2Hz),4.99(1H,d,J=8Hz),5.2
0(1H,d,J=2.0Hz),5.58(1H,d
d,J=7,11Hz),5.71(1H,d,J=7
Hz),6.15−6.21(1H,m),6.26
(1H,s),7.32−7.40(5H,m),7.
51(2H,t,J=8Hz),7.63(1H,t
t,J=1,7Hz),8.11(2H,brdd,J
=2,9Hz)。
【0153】(6)4α−アセトキシ−2α−ベンゾイ
ルオキシ−13α−〔(2R,3S)−3−tert−
ブトキシカルボニルアミノ−3−シクロプロピル−2−
ベンジルオキシアセトキシプロピオニルオキシ〕−5
β,20−エポキシ−1β−ヒドロキシ−7β,10β
−ビス(2,2,2−トリクロロエトキシカルボニルオ
キシ)タキス−11−エン−9−オン129mgをテト
ラヒドロフラン−酢酸(1:2)9mlに溶解し、10
%パラジウム−炭素271mgを加える。反応液を室
温、常圧にて2.5時間接触水素添加する。反応液より
触媒をろ別した後、ろ液の溶媒を留去する。得られた残
渣を酢酸エチルに溶解し、洗浄、乾燥後、溶媒を留去す
る。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=2:1)で精製し、
4α−アセトキシ−2α−ベンゾイルオキシ−13α−
〔(2R,3S)−3−tert−ブトキシカルボニル
アミノ−3−シクロプロピル−2−ヒドロキシアセトキ
シプロピオニルオキシ〕−5β,20−エポキシ−1β
−ヒドロキシ−7β,10β−ビス(2,2,2−トリ
クロロエトキシカルボニルオキシ)タキス−11−エン
−9−オン75mgを得る。収率:63%。
【0154】ESI−MS(m/z):1202(M+
Na+ +2),1200(M+Na+) IR(nujol,cm-1):3445,1756,1
725 NMR(CDCl3 ,δ):0.22−0.29(1
H,m),0.47−0.53(1H,m),0.63
−0.67(2H,m),1.02−1.12(1H,
m),1.23(3H,s),1.25(3H,s),
1.34(9H,s),1.72(1H,s),1.8
5(3H,s),2.02−2.11(1H,m),
2.06(3H,d,J=1Hz),2.27−2.3
6(2H,m),2.39(3H,s),2.45(1
H,brt,J=6Hz),2.64(1H,ddd,
J=7,10,14Hz),3.59(1H,dt,J
=3,10Hz),3.92(1H,d,J=7H
z),4.17(1H,d,J=9Hz),4.32
(1H,dd,J=3,18Hz),4.35(1H,
d,J=9Hz),4.41(1H,dd,J=5,1
8Hz),4.60(1H,d,J=12Hz),4.
75(1H,d,J=12Hz),4.79(1H,
d,J=12),4.91(1H,d,J=10H
z),4.92(1H,d,J=12Hz),4.99
(1H,brd,J=10Hz),5.22(1H,
d,J=2Hz),5.58(1H,dd,J=7,1
1Hz),5.71(1H,d,J=7Hz),6.1
3−6.20(1H,m),6.26(1H,s),
7.51(2H,t,J=8Hz),7.63(1H,
tt,J=2,8Hz),8.10(2H,brdd,
J=1,9Hz)。
【0155】(7)4α−アセトキシ−2α−ベンゾイ
ルオキシ−13α−〔(2R,3S)−3−tert−
ブトキシカルボニルアミノ−3−シクロプロピル−2−
ヒドロキシアセトキシプロピオニルオキシ〕−5β,2
0−エポキシ−1β−ヒドロキシ−7β,10β−ビス
(2,2,2−トリクロロエトキシカルボニルオキシ)
タキス−11−エン−9−オン56mgをテトラヒドロ
フラン3mlに溶解し、3S−3−ベンジルオキシカル
ボニルアミノ−3−カルバモイルプロピオン酸31m
g、1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド25mg
及び4−ジメチルアミノピリジン約1mgを加える。反
応液を室温にて4時間撹拌する。反応液を濃縮し、残渣
を酢酸エチルに溶解し、不溶物をろ別する。ろ液を洗
浄、乾燥後、溶媒を留去し、得られた残渣を薄層クロマ
トグラフィーで精製し、4α−アセトキシ−2α−ベン
ゾイルオキシ−13α−{(2R,3S)−3−ter
t−ブトキシカルボニルアミノ−2−〔(3S)−3−
ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−カルバモイルプ
ロピオニルオキシアセトキシ〕−3−シクロプロピルプ
ロピオニルオキシ}−5β,20−エポキシ−1β−ヒ
ドロキシ−7β,10β−ビス(2,2,2−トリクロ
ロエトキシカルボニルオキシ)タキス−11−エン−9
−オン51mgを得る。収率:76%。
【0156】ESI−MS(m/z,酢酸アンモニウ
ム):1445(M+NH4 + +2) IR(nujol,cm-1):3363,1757,1
723 NMR(CDCl3 ,δ):0.17−0.23(1
H,m),0.49−0.53(1H,m),0.62
−0.69(2H,m),1.10−1.18(1H,
m),1.18(3H,s),1.23(3H,s),
1.33(9H,s),1.72(1H,s),1.8
4(3H,s),2.03(3H,s),2.03−
2.06(1H,m),2.29−2.32(2H,
m),2.37(3H,s),2.62(1H,dd
d,J=7,10,14Hz),2.72(1H,d
d,J=5,17Hz),3.31(1H,dd,J=
4,17Hz),3.53(1H,dt,J=3,9H
z),3.90(1H,d,J=7Hz),4.16
(1H,d,J=8Hz),4.34(1H,d,J=
7Hz),4.59(1H,d,J=12Hz),4.
68(1H,d,J=16Hz),4.69−4.73
(1H,m),4.75(1H,d,J=12Hz),
4.78(1H,d,J=12Hz),4.90(1
H,d,J=12Hz),4.92(1H,d,J=1
6Hz),4.97(1H,brd,J=9Hz),
5.13(1H,br),5.14(1H,d,J=1
2Hz),5.16(1H,d,J=12Hz),5.
55(1H,dd,J=10,7Hz),5.70(1
H,d,J=10Hz),6.02(1H,brs),
6.11−6.21(2H,m),6.24(1H,
s),6.54(1H,brs),6.60−6.63
(1H,m),7.35−7.38(5H,m),7.
50(2H,t,J=8Hz),7.63(1H,t
t,J=7,2Hz),8.10(2H,brd,J=
7Hz)。
【0157】(8)4α−アセトキシ−2α−ベンゾイ
ルオキシ−13α−{(2R,3S)−3−tert−
ブトキシカルボニルアミノ−2−〔(3S)−3−ベン
ジルオキシカルボニルアミノ−3−カルバモイルプロピ
オニルオキシアセトキシ〕−3−シクロプロピルプロピ
オニルオキシ}−5β,20−エポキシ−1β−ヒドロ
キシ−7β,10β−ビス(2,2,2−トリクロロエ
トキシカルボニルオキシ)タキス−11−エン−9−オ
ンを実施例1(13)又は2と同様に処理することによ
り、4α−アセトキシ−2α−ベンゾイルオキシ−13
α−{(2R,3S)−3−tert−ブトキシカルボ
ニルアミノ−2−〔(3S)−3−ベンジルオキシカル
ボニルアミノ−3−カルバモイルプロピオニルオキシア
セトキシ〕−3−シクロプロピルプロピオニルオキシ}
−5β,20−エポキシ−1β,7β,10β−トリヒ
ドロキシタキス−11−エン−9−オンを得る。
【0158】FAB−MS(m/z):1078(M+
+ ) IR(nujol,cm-1):3400,1700 NMR(CDCl3 ,δ):0.12−0.24(1
H,m),0.45−0.57(1H,m),0.59
−0.72(2H,m),1.05−1.21(1H,
m),1.13(3H,s),1.16(3H,s),
1.33(9H,s),1.62−1.98(1H,
m),1.67(1H,s),1.71(3H,s),
1.89(3H,s),2.14−2.38(2H,
m),2.37(3H,s),2.47−2.62(1
H,m),2.66−2.76(1H,m),3.28
−3.40(1H,m),3.45−3.59(1H,
m),3.89(1H,d,J=7Hz),4.10−
4.28(3H,m),4.32(1H,d,J=9H
z),4.66−4.69(2H,m),4.86−
4.98(1H,m),4.95(1H,d,J=9H
z),5.10(1H,brs),5.15(2H,b
rs),5.24(1H,brs),5.68(1H,
d,J=7Hz),6.03−6.28(3H,m),
6.72−6.86(1H,m),7.31−7.41
(5H,m),7.47−7.55(2H,m),7.
57−7.66(1H,m),8.11(2H,d,J
=8Hz)。
【0159】(9)4α−アセトキシ−2α−ベンゾイ
ルオキシ−13α−{(2R,3S)−3−tert−
ブトキシカルボニルアミノ−2−〔(3S)−3−ベン
ジルオキシカルボニルアミノ−3−カルバモイルプロピ
オニルオキシアセトキシ〕−3−シクロプロピルプロピ
オニルオキシ}−5β,20−エポキシ−1β,7β,
10β−トリヒドロキシタキス−11−エン−9−オン
を実施例1(14)と同様に処理することにより、4α
−アセトキシ−2α−ベンゾイルオキシ−13α−
{(2R,3S)−3−tert−ブトキシカルボニル
アミノ−2−〔(3S)−3−アミノ−3−カルバモイ
ルプロピオニルオキシアセトキシ〕−3−シクロプロピ
ルプロピオニルオキシ}−5β,20−エポキシ−1
β,7β,10β−トリヒドロキシタキス−11−エン
−9−オン・メタンスルホン酸塩を得る。
【0160】FAB−MS(m/z):944(M+H
+ ) IR(nujol,cm-1):3400,1740,1
700 NMR(DMSO−d6 ,δ):0.09−0.19
(1H,m),0.31−0.41(1H,m),0.
47−0.59(2H,m),0.95−1.10(1
H,m),1.02(3H,s),1.03(3H,
s),1.35(9H,s),1.54(3H,s),
1.62−1.72(1H,m),1.79(3H,
s),2.17−2.34(3H,m),2.30(3
H,s),2.32(3H,s),2.95(1H,d
d,J=8,17Hz),3.08(1H,ddlik
e),3.34−3.47(1H,m),3.74(1
H,d,J=7Hz),4.02−4.14(4H,
m),4.67(1H,s),4.89(2H,s),
4.95(1H,d,J=11Hz),4.98(1
H,d,J=2Hz),5.05(1H,d,J=7H
z),5.07(1H,d,J=4Hz),5.14
(1H,d,J=2Hz),5.47(1H,d,J=
7Hz),5.95(1H,t,J=9Hz),7.2
1(1H,d,J=9Hz),7.56(2H,t,J
=8Hz),7.62−7.72(2H,m),7.8
7(1H,brs),8.02(2H,d,J=7H
z),8.09(3H,brs)。
【0161】実施例5 (1)アルゴン雰囲気下、〔(3S)−3−ベンジルオ
キシカルボニルアミノ−3−カルバモイルプロピオニル
オキシ〕酢酸202mgのテトラヒドロフラン4ml溶
液を−10℃に冷却し、トリエチルアミン90μl、イ
ソプロピルオキシカルボニルクロリド75μlを順次加
え、15分間撹拌する。実施例2で得られた4α−アセ
トキシ−2α−ベンゾイルオキシ−13α−〔(2R,
3S)−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3
−シクロプロピル−2−ヒドロキシプロピオニルオキ
シ〕−5β,20−エポキシ−1β,7β,10β−ト
リヒドロキシタキス−11−エン−9−オンのテトラヒ
ドロフラン2ml溶液をゆっくり加え、反応液を−10
℃〜0℃にて7時間撹拌する。反応液に飽和重曹水を加
え、酢酸エチルで抽出し、抽出液を洗浄、乾燥後、溶媒
を留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグ
ラフィー(溶媒;ヘキサン:酢酸エチル:エタノール=
15:15:1)にて精製し、4α−アセトキシ−2α
−ベンゾイルオキシ−13α−{(2R,3S)−3−
tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−〔(3S)
−3−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−カルバモ
イルプロピオニルオキシアセトキシ〕−3−シクロプロ
ピルプロピオニルオキシ}−5β,20−エポキシ−1
β,7β,10β−トリヒドロキシタキス−11−エン
−9−オン73mgを得る。収率:55%。
【0162】物性値は、実施例4(8)で得られた化合
物と同一であった。
【0163】(2)4α−アセトキシ−2α−ベンゾイ
ルオキシ−13α−{(2R,3S)−3−tert−
ブトキシカルボニルアミノ−2−〔(3S)−3−ベン
ジルオキシカルボニルアミノ−3−カルバモイルプロピ
オニルオキシアセトキシ〕−3−シクロプロピルプロピ
オニルオキシ}−5β,20−エポキシ−1β,7β,
10β−トリヒドロキシタキス−11−エン−9−オン
を実施例1(14)と同様に処理することにより、4α
−アセトキシ−2α−ベンゾイルオキシ−13α−
{(2R,3S)−3−tert−ブトキシカルボニル
アミノ−2−〔(3S)−3−アミノ−3−カルバモイ
ルプロピオニルオキシアセトキシ〕−3−シクロプロピ
ルプロピオニルオキシ}−5β,20−エポキシ−1
β,7β,10β−トリヒドロキシタキス−11−エン
−9−オン・メタンスルホン酸塩を得る。
【0164】物性値は、実施例4(9)で得られた化合
物と同一であった。
【0165】実施例6 (1)(2R,3S)−3−シクロプロピル−3−te
rt−ブトキシカルボニルアミノ−2−ヒドロキシプロ
ピオン酸エチルエステル2.07gとピリジニウム−p
−トルエンスルホナート213mgのトルエン125m
l溶液を加熱還流する。ここにp−アニスアルデヒドジ
メチルアセタール2.76gのトルエン25ml溶液を
20分かけて滴下し、同時に生成するメタノールを共沸
留去する。加熱撹拌を1時間30分行った後、反応液を
冷却する。減圧濃縮後、残渣に酢酸エチル及び水を加
え、酢酸エチル層を分取する。水層を酢酸エチルで抽出
し、酢酸エチル層を合わせて、水及び飽和食塩水で洗浄
し、乾燥する。減圧濃縮後、シリカゲルカラムクロマト
グラフィー(溶媒;トルエン:酢酸エチル=40:1)
により精製を行い、(4S,5R)−3−tert−ブ
トキシカルボニル−2−(4−メトキシフェニル)−4
−シクロプロピル−5−オキサゾリジンカルボン酸エチ
ルエステル(ジアステレオマー混合物)1.572gを
得る。収率:53%。
【0166】物性値は主異性体のみを示す。
【0167】ESI−MS(m/z):392(M
+ H) IR(neat,cm-1):1750,1703 NMR(CDCl3 ,δ):0.34−0.42(1
H,m),0.51−0.73(3H,m),1.10
−1.22(1H,m),1.30(3H,t,J=7
Hz),1.58(9H,s),3.63(1H,d
d,J=2,9Hz),3.82(3H,s),4.2
4(1H,q,J=7Hz),4.25(1H,q,J
=7Hz),4.60(1H,d,J=2Hz),6.
32(1H,s),6.90(2H,dt,J=2,9
Hz),7.45(2H,dt,J=2,9Hz)。
【0168】(2)(4S,5R)−3−tert−ブ
トキシカルボニル−2−(4−メトキシフェニル)−4
−シクロプロピル−5−オキサゾリジンカルボン酸エチ
ルエステル(ジアステレオマー混合物)881mgのメ
タノール16ml溶液に、水酸化リチウム64.7mg
の8ml水溶液を氷浴で冷却しながら滴下した後、室温
で1時間撹拌する。メタノールを減圧留去後、残渣をク
ロロホルム溶液とする。氷冷下に10%塩酸水溶液を滴
下し、pHを2に調製する。クロロホルム層を分取した
後、飽和食塩水で2回洗浄し、乾燥後、溶媒を留去し、
(4S,5R)−3−tert−ブトキシカルボニル−
2−(4−メトキシフェニル)−4−シクロプロピル−
5−オキサゾリジンカルボン酸792mgを得る。収
率:97%。物性値は主異性体のみを示す。
【0169】ESI−MS(m/z):386(M+N
a) IR(neat,cm-1):3200,1754,17
02,1669 NMR(CDCl3 ,δ):0.37−0.46(1
H,m),0.51−0.76(3H,m),1.09
−1.21(1H,m),1.38(9H,s),3.
71(1H,dd,J=2,9Hz),3.82(3
H,s),4.40(1H,broads),4.64
(1H,d,J=2Hz),6.34(1H,s),
6.90(2H,dt,J=2,9Hz),7.44
(2H,dt,J=2,9Hz)。
【0170】(3)(4S,5R)−3−tert−ブ
トキシカルボニル−2−(4−メトキシフェニル)−4
−シクロプロピル−5−オキサゾリジンカルボン酸72
2mgのトルエン23ml溶液に室温でジシクロヘキシ
ルカルボジイミド495mg、4−(N,N−ジメチル
アミノ)ピリジン93mg及び4α−アセトキシ−2α
−ベンゾイルオキシ−5β,20−エポキシ−1β,1
3α−ジヒドロキシ−7β,10β−ビス(2,2,2
−トリクロロエトキシカルボニルオキシ)タキス−11
−エン−9−オン1.345gを加える。80℃の油浴
で2時間、加熱撹拌する。不溶物をろ去し、ろ液を減圧
濃縮後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=3:1)で精製して、
4α−アセトキシ−2α−ベンゾイルオキシ−13α−
〔(4S,5R)−3−tert−ブトキシカルボニル
−(2S)−(4−メトキシフェニル)−4−シクロプ
ロピル−5−オキサゾリジン−5−イルカルボニルオキ
シ〕−5β,20−エポキシ−1β−ヒドロキシ−7
β,10β−ビス(2,2,2−トリクロロエトキシカ
ルボニルオキシ)タキス−11−エン−9−オン及び4
α−アセトキシ−2α−ベンゾイルオキシ−13α−
〔(4S,5R)−3−tert−ブトキシカルボニル
−(2R)−(4−メトキシフェニル)−4−シクロプ
ロピル−5−オキサゾリジン−5−イルカルボニルオキ
シ〕−5β,20−エポキシ−1β−ヒドロキシ−7
β,10β−ビス(2,2,2−トリクロロエトキシカ
ルボニルオキシ)タキス−11−エン−9−オン合わせ
て1.713gを得る。収率:92%。
【0171】m.p.:158.8−165.1℃ ESI−MS(m/z):1258(M+NH4 ) IR(nujol,cm-1):3488,1761,1
729,1704 NMR(CDCl3 ,δ):0.38−0.46(1
H,m),0.54−0.90(4H,m),1.21
(3H,s),1.29(3H,s),1.37(9
H,s),1.72(1H,s),1.87(3H,
s),2.03−2.13(1H,m),2.09(3
H,d,J=1Hz),2.24−2.38(2H,
m),2.33(3H,s),2.63−2.72(1
H,m),3.78(1H,dd,J=2,9Hz),
3.85(3H,s),3.96(1H,d,J=7H
z),4.18(1H,d,J=9Hz),4.34
(1H,d,J=9Hz),4.61(1H,d,J=
12Hz),4.73(1H,d,J=2Hz),4.
78(2H,s),4.91(1H,d,J=12H
z),4.97−5.02(1H,m),5.61(1
H,dd,J=7,11Hz),5.71(1H,d,
J=7Hz),6.25−6.32(1H,m),6.
28(1H,s),6.37(1H,s),6.95
(2H,dt,J=2,9Hz),7.48(2H,
m),7.53(2H,dt,J=2,9Hz),7.
62(1H,tt,J=1,7Hz),8.07(2
H,dd,J=1,7Hz)。
【0172】m.p.:176.1−184.3℃ ESI−MS(m/z):1258(M+NH4 ) IR(nujol,cm-1):3325,1761,1
728,1708 NMR(CDCl3 ,δ):0.28−0.37(1
H,m),0.51−0.60(1H,m),0.76
−0.92(3H,m),1.16(3H,s),1.
23(3H,s),1.24(9H,s),1.52
(3H,s),1.67(1H,s),1.82(3
H,s),2.11−2.23(1H,m),2.27
−2.36(2H,m),2.28(3H,s),2.
55−2.64(1H,m),3.79(3H,s),
3.84(1H,dd,J=3,11Hz),4.11
(1H,d,J=8Hz),4.13(1H,d,J=
7Hz),4.32(1H,d,J=8Hz),4.5
0(1H,d,J=3Hz),4.59(1H,d,J
=12Hz),4.75(1H,d,J=12Hz),
4.80(1H,d,J=12Hz),4.89(1
H,d,J=12Hz),4.91−4.96(1H,
m),5.10(1H,dd,J=7,11Hz),
5.66(1H,d,J=7Hz),5.97(1H,
m),6.10(1H,s),6.12(1H,s),
6.87(2H,dt,J=2,9Hz),7.26
(2H,dt,J=2,9Hz),7.49(2H,
m),7.63(1H,tt,J=1,7Hz),8.
06(2H,dt,J=1,7Hz)。
【0173】(4)4α−アセトキシ−2α−ベンゾイ
ルオキシ−13α−〔(4S,5R)−3−tert−
ブトキシカルボニル−2−(4−メトキシフェニル)−
4−シクロプロピル−5−オキサゾリジン−5−イルカ
ルボニルオキシ〕−5β,20−エポキシ−1β−ヒド
ロキシ−7β,10β−ビス(2,2,2−トリクロロ
エトキシカルボニルオキシ)タキス−11−エン−9−
オン52.9mgのメタノール2.1ml溶液に、室温
でp−トルエンスルホン酸・一水和物8.6mgを加
え、室温のまま23時間撹拌する。メタノールを減圧留
去後、残渣に酢酸エチル及び飽和炭酸水素ナトリウム水
溶液を加え、撹拌する。酢酸エチル層を分取した後、水
及び飽和食塩水で洗浄し、乾燥する。減圧濃縮後、プレ
パラティブ薄層クロマトグラフィー(溶媒;ヘキサン:
酢酸エチル=2:1)で精製して、4α−アセトキシ−
2α−ベンゾイルオキシ−13α−〔(2R,3S)−
3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−シクロ
プロピル−2−ヒドロキシプロピオニルオキシ〕−5
β,20−エポキシ−1β−ヒドロキシ−7β,10β
−ビス(2,2,2−トリクロロエトキシカルボニルオ
キシ)タキス−11−エン−9−オン30.7mgを得
る。収率:64%。
【0174】物性値は、実施例1(11)で得られた化
合物と同一であった。
【0175】(5)4α−アセトキシ−2α−ベンゾイ
ルオキシ−13α−〔(2R,3S)−3−tert−
ブトキシカルボニルアミノ−3−シクロプロピル−2−
ヒドロキシプロピオニルオキシ〕−5β,20−エポキ
シ−1β−ヒドロキシ−7β,10β−ビス(2,2,
2−トリクロロエトキシカルボニルオキシ)タキス−1
1−エン−9−オン及び〔(3S)−3−ベンジルオキ
シカルボニルアミノ−3−エトキシカルボニルプロピオ
ニルオキシ〕酢酸を実施例1(12)−(14)と同様
に処理することにより、4α−アセトキシ−13α−
{(2R,3S)−3−tert−ブトキシカルボニル
アミノ−2−〔(3S)−3−アミノ−3−エトキシカ
ルボニルプロピオニルオキシアセトキシ〕−3−シクロ
プロピルプロピオニルオキシ}−2α−ベンゾイルオキ
シ−5β,20−エポキシ−1β,7β,10β−トリ
ヒドロキシタキス−11−エン−9−オン・メタンスル
ホン酸塩を得る。
【0176】物性値は、実施例1(14)で得られた化
合物と同一であった。
【0177】実施例7 (1)実施例6(1)で得られた(4S,5R)−3−
tert−ブトキシカルボニル−2−(4−メトキシフ
ェニル)−4−シクロプロピル−5−オキサゾリジンカ
ルボン酸エチルエステル(ジアステレオマー混合物)を
カラムクロマトグラフィーで精製することにより得た
(4S,5R)−3−tert−ブトキシカルボニル−
2−(4−メトキシフェニル)−4−シクロプロピル−
5−オキサゾリジンカルボン酸エチルエステル1.30
gを溶解したメタノール20ml、水10mlの混合溶
液に、氷冷下、水酸化リチウム87mgを加え、室温に
て30分撹拌する。メタノールを減圧留去し、氷冷下、
残渣に酢酸エチル、1N塩酸水溶液を加え、pH2に調
製する。酢酸エチル層を2回の分液操作により分取し、
飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、溶媒を留去して(4S,
5R)−3−tert−ブトキシカルボニル−2−(4
−メトキシフェニル)−4−シクロプロピル−5−オキ
サゾリジンカルボン酸1.20gを定量的に得る。
【0178】ESI−MS(m/z):386(M+
Na) IR(neat,cm-1):3080,1755,17
02 NMR(CDCl3 ,δ):0.37−0.46(1
H,m),0.52−0.77(3H,m),1.11
−1.23(1H,m),1.38(9H,s),3.
71(1H,brd),3.82(3H,s),4.6
5(1H,d,J=2Hz),6.34(1H,s),
6.88−6.93(2H,m),7.42−7.47
(2H,m)。
【0179】(2)(4S,5R)−3−tert−ブ
トキシカルボニル−2−(4−メトキシフェニル)−4
−シクロプロピル−5−オキサゾリジンカルボン酸98
0mg及び4α−アセトキシ−2α−ベンゾイルオキシ
−5β,20−エポキシ−1β,13α−ジヒドロキシ
−7β−トリエチルシリルオキシ−10β−(2,2,
2−トリクロロエトキシカルボニルオキシ)タキス−1
1−エン−9−オン1.15gを溶解したトルエン60
ml溶液にジシクロヘキシルカルボジイミド594mg
及びジメチルアミノピリジン110mgを加え、60℃
の油浴にて1時間加熱撹拌する。不溶物をろ去し、ろ液
を減圧濃縮後、これに氷冷下、酢酸エチル及び1%塩酸
水溶液を加え、酢酸エチルで2回抽出する。飽和炭酸水
素ナトリウム水溶液及び飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、
溶媒を留去する。得られる残渣をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィー(溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=2:
1)で精製し、4α−アセトキシ−2α−ベンゾイルオ
キシ−13α−〔(4S,5R)−3−tert−ブト
キシカルボニル−2−(4−メトキシフェニル)−4−
シクロプロピルオキサゾリジン−5−イルカルボニルオ
キシ〕−5β,20−エポキシ−1β−ヒドロキシ−7
β−トリエチルシリルオキシ−10β−(2,2,2−
トリクロロエトキシカルボニルオキシ)タキス−11−
エン−9−オン1.68gを定量的に得る。
【0180】m.p.:>130℃(徐々に分解) ESI−MS(m/z):1196(M+ +NH4 ) IR(nujol,cm-1):1730,1460,1
380,1245 NMR(CDCl3 ,δ):0.36−0.46(1
H,m),0.53−0.86(3H,m),0.60
(6H,brq),0.94(9H,t,J=7H
z),1.20−1.30(1H,m),1.24(3
H,s),1.26(3H,s),1.36(9H,
s),1.72(4H,s),1.86−1.97(1
H,m),2.11(3H,d,J=1Hz),2.2
3−2.36(2H,m),2.31(3H,s),
2.51−2.64(1H,m),3.76(1H,d
d,J=2,9Hz),3.82(1H,d,J=7H
z),3.84(3H,s),4.17(1H,d,J
=8Hz),4.31(1H,d,J=8Hz),4.
50(1H,dd,J=7,10Hz),4.73(1
H,d,J=2Hz),4.80(2H,s),4.9
6(1H,d,J=8Hz),5.70(1H,d,J
=7Hz),6.26(1H,brt),6.30(1
H,s),6.38(1H,s),6.92−6.98
(2H,m),7.44−7.56(4H,m),7.
57−7.64(1H,m),8.03−8.10(2
H,m)。
【0181】(3)4α−アセトキシ−2α−ベンゾイ
ルオキシ−13α−〔(4S,5R)−3−tert−
ブトキシカルボニル−2−(4−メトキシフェニル)−
4−シクロプロピルオキサゾリジン−5−イルカルボニ
ルオキシ〕−5β,20−エポキシ−1β−ヒドロキシ
−7β−トリエチルシリルオキシ−10β−(2,2,
2−トリクロロエトキシカルボニルオキシ)タキス−1
1−エン−9−オン40mgを溶解したメタノール1m
l溶液に室温下、p−トルエンスルホン酸・1水和物1
4mgを加え、室温で2時間撹拌後、更に14mg追加
し、室温にて4時間撹拌する。反応液を濃縮後、残渣に
酢酸エチル及び飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、
酢酸エチルで抽出する。これを飽和食塩水で洗浄し、乾
燥後、溶媒を留去する。得られた残渣を分取薄層クロマ
トグラフィー(溶媒;酢酸エチル:ヘキサン=2:3)
で精製し、4α−アセトキシ−2α−ベンゾイルオキシ
−13α−〔(2R,3S)−3−tert−ブトキシ
カルボニルアミノ−3−シクロプロピル−2−ヒドロキ
シプロピオニルオキシ〕−5β,20−エポキシ−1
β,7β−ジヒドロキシ−10β−(2,2,2−トリ
クロロエトキシカルボニルオキシ)タキス−11−エン
−9−オン22mgを得る。収率:69%。
【0182】m.p.:>155℃(徐々に分解) ESI−MS(m/z):965(M+ +NH4 ),9
63,948(M+ +H) IR(neat,cm-1):3520,1720,12
50 NMR(CDCl3 ,δ):0.22−0.31(1
H,m),0.44−0.53(1H,m),0.60
−0.69(2H,m),1.20−1.28(1H,
m),1.18(3H,s),1.28(3H,s),
1.32(9H,s),1.70(4H,s),1.8
3−1.95(1H,m),1.95(3H,d,J=
1Hz),2.23(1H,d,J=5Hz),2.3
0−2.35(2H,m),2.37(3H,s),
2.50−2.64(1H,m),3.25−3.33
(1H,m),3.33(1H,d,J=6Hz),
3.77(1H,d,J=7Hz),4.18(1H,
d,J=8Hz),4.33(1H,d,J=9H
z),4.35−4.41(2H,m),4.77(1
H,d,J=12Hz),4.88(1H,brd),
4.89(1H,d,J=12Hz),4.97(1
H,brd),5.70(1H,d,J=7Hz),
6.17(1H,s),6.18(1H,brt),
7.47−7.54(2H,m),7.59−7.65
(1H,m),8.08−8.13(2H,m)。
【0183】(4)4α−アセトキシ−2α−ベンゾイ
ルオキシ−13α−〔(2R,3S)−3−tert−
ブトキシカルボニルアミノ−3−シクロプロピル−2−
ヒドロキシプロピオニルオキシ〕−5β,20−エポキ
シ−1β,7β−ジヒドロキシ−10β−(2,2,2
−トリクロロエトキシカルボニルオキシ)タキス−11
−エン−9−オン20mg及び〔(3S)−3−ベンジ
ルオキシカルボニルアミノ−3−カルバモイルプロピオ
ニルオキシ〕酢酸7.5mgを溶解したジクロロメタン
1.5ml溶液に氷冷下、ジシクロヘキシルカルボジイ
ミド5.0mg及びジメチルアミノピリジン1.3mg
を加え、氷冷下20分、室温で4時間撹拌する。不溶物
をろ去し、ろ液を減圧濃縮後、残渣に氷冷下酢酸エチル
及び1%塩酸水溶液を加え、酢酸エチルで抽出する。飽
和炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和食塩水で洗浄し、
乾燥後、溶媒を留去する。得られた残渣を分取薄層クロ
マトグラフィー(溶媒;酢酸エチル:ヘキサン=4:
1)で精製し、4α−アセトキシ−13α−{(2R,
3S)−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2
−〔(3S)−3−ベンジルオキシカルボニルアミノ−
3−カルバモイルプロピオニルオキシアセトキシ〕−3
−シクロプロピルプロピオニルオキシ}−2α−ベンゾ
イルオキシ−5β,20−エポキシ−1β,7β−ジヒ
ドロキシ−10β−(2,2,2−トリクロロエトキシ
カルボニルオキシ)タキス−11−エン−9−オン13
mgを得る。収率:49%。
【0184】m.p.:>140℃(徐々に分解) ESI−MS(m/z):1269(M+ +NH4 ) IR(neat,cm-1):3360,1700−17
50,1505 NMR(CDCl3 ,δ):0.15−0.23(1
H,m),0.47−0.56(1H,m),0.60
−0.70(2H,m),1.15−1.20(1H,
m),1.16(3H,s),1.24(3H,s),
1.30(9H,s),1.69(4H,s),1.8
3−1.99(1H,m),1.96(3H,br
s),2.25−2.35(3H,m),2.37(3
H,s),2.51−2.63(1H,m),2.70
(1H,dd,J=4,17Hz),3.31(1H,
dd,J=4,17Hz),3.55(1H,br
t),3.77(1H,d,J=7Hz),4.17
(1H,d,J=8Hz),4.32(1H,d,J=
9Hz),4.33−4.43(1H,m),4.66
−4.74(1H,m),4.67(1H,d,J=1
6Hz),4.76(1H,d,J=12Hz),4.
89(1H,d,J=12Hz),4.93(1H,
d,J=16Hz),4.98(1H,brd),5.
10(1H,d,J=3Hz),5.15(2H,
s),5.69(1H,d,J=7Hz),6.00
(1H,br),6.13−6.21(2H,m),
6.17(1H,s),6.50(1H,br),6.
74(1H,brd),7.33−7.39(5H,
m),7.47−7.53(2H,m),7.58−
7.65(1H,m),8.09−8.14(2H,
m)。
【0185】(5)4α−アセトキシ−13α−{(2
R,3S)−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ
−2−〔(3S)−3−ベンジルオキシカルボニルアミ
ノ−3−カルバモイルプロピオニルオキシアセトキシ〕
−3−シクロプロピルプロピオニルオキシ}−2α−ベ
ンゾイルオキシ−5β,20−エポキシ−1β,7β−
ジヒドロキシ−10β−(2,2,2−トリクロロエト
キシカルボニルオキシ)タキス−11−エン−9−オン
35mgを溶解したエタノール2.0ml溶液に室温
下、亜鉛55mg、酢酸0.4mlを加え、40℃で2
時間加熱撹拌する。反応液より固体をろ去し、ろ液を減
圧濃縮後、残渣に酢酸エチル及び1%塩酸水溶液(氷
冷)を加え、酢酸エチルで抽出する。これを飽和炭酸水
素ナトリウム水溶液及び飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、
溶媒を留去する。残渣を分取薄層クロマトグラフィー
(溶媒;クロロホルム:メタノール=10:1)で精製
し、4α−アセトキシ−2α−ベンゾイルオキシ−13
α−{(2R,3S)−3−tert−ブトキシカルボ
ニルアミノ−2−〔(3S)−3−ベンジルオキシカル
ボニルアミノ−3−カルバモイルプロピオニルオキシア
セトキシ〕−3−シクロプロピルプロピオニルオキシ}
−5β,20−エポキシ−1β,7β,10β−トリヒ
ドロキシタキス−11−エン−9−オン24mgを得
る。収率:80%。
【0186】物性値は、実施例4(8)で得られた化合
物と同一であった。
【0187】(6)4α−アセトキシ−2α−ベンゾイ
ルオキシ−13α−{(2R,3S)−3−tert−
ブトキシカルボニルアミノ−2−〔(3S)−3−ベン
ジルオキシカルボニルアミノ−3−カルバモイルプロピ
オニルオキシアセトキシ〕−3−シクロプロピルプロピ
オニルオキシ}−5β,20−エポキシ−1β,7β,
10β−トリヒドロキシタキス−11−エン−9−オン
を実施例1(14)と同様に処理することにより、4α
−アセトキシ−2α−ベンゾイルオキシ−13α−
{(2R,3S)−3−tert−ブトキシカルボニル
アミノ−2−〔(3S)−3−アミノ−3−カルバモイ
ルプロピオニルオキシアセトキシ〕−3−シクロプロピ
ルプロピオニルオキシ}−5β,20−エポキシ−1
β,7β,10β−トリヒドロキシタキス−11−エン
−9−オン・メタンスルホン酸塩を得る。
【0188】物性値は、実施例4(9)で得られた化合
物と同一であった。
【0189】実施例8−12 対応原料化合物を実施例1又は4−7と同様に処理する
ことにより、下記第8−11表記載の化合物を得る。
【0190】
【表8】
【0191】
【表9】
【0192】
【表10】
【0193】
【表11】
【0194】実施例13−14 対応原料化合物を実施例1(1)−(11)及び2と同
様に処理することにより、下記第12表記載の化合物を
得る。
【0195】
【表12】
【0196】実施例15−20 対応原料化合物を実施例1又は4−7と同様に処理する
ことにより、下記第13−18表記載の化合物を得る。
【0197】
【表13】
【0198】
【表14】
【0199】
【表15】
【0200】
【表16】
【0201】
【表17】
【0202】
【表18】
【0203】実施例21−24 対応原料化合物を実施例1又は4−7と同様に処理する
ことにより、下記第19表記載の化合物を得る。
【0204】
【表19】
【0205】実施例25 (1)(1R,2R)−2−メチルシクロプロパンアル
デヒド−1,2−ビス(イソプロピルオキシカルボニ
ル)エチレンアセタール13.13gのテトラヒドロフ
ラン40ml及び水80ml混液にパラトルエンスルホ
ン酸・1水和物9.15gを加え、8時間加熱還流す
る。冷後、反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液
を加え、さらにトルエン400mlを加え、有機層を分
取し、水層をトルエン300mlで2回抽出し、有機層
を硫酸ナトリウムで乾燥後、無機物をろ去し、ろ液にベ
ンジルオキシカルボニルメチレントリフェニルホスホラ
ン27.09gを加え、80℃に加熱し、18時間撹拌
する。溶媒を留去し、残査をシリカゲルカラムクロマト
グラフィー(溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=15:1)
で分離精製し、トランス−3−(2−メチルシクロプロ
ピル)アクリル酸ベンジルエステル6.67gを得る。
トランス−3−(2−メチルシクロプロピル)アクリル
酸ベンジルエステルを実施例1(2)−(8)と同様に
処理することにより、(4S,5R)−3−tert−
ブトキシカルボニル−2,2−ジメチル−4−〔(1
R,2R)−2−メチル〕シクロプロピル−5−オキサ
ゾリジンカルボン酸を得る。
【0206】m.p.:86−91℃ FAB−MS(m/z):300(MH+ ) (2)(4S,5R)−3−tert−ブトキシカルボ
ニル−2,2−ジメチル−4−〔(1R,2R)−2−
メチルシクロプロピル〕−5−オキサゾリジンカルボン
酸及び4α−アセトキシ−2α−ベンゾイルオキシ−5
β,20−エポキシ−1β,13α−ジヒドロキシ−7
β,10βビス(2,2,2−トリクロロエトキシカ
ルボニルオキシ)タキス−11−エン−9−オンを実施
例1(9−1)と同様に処理することにより、4α−ア
セトキシ−2α−ベンゾイルオキシ−13α−{(4
S,5R)−3−tert−ブトキシカルボニル−2,
2−ジメチル−4−〔(1R,2R)−2−メチルシク
ロプロピル〕オキサゾリジン−5−イルカルボニルオキ
シ}−5β,20−エポキシ−1β−ヒドロキシ−7
β,10β−ビス(2,2,2−トリクロロエトキシカ
ルボニルオキシ)タキス−11−エン−9−オンを得
る。
【0207】FAB−MS(m/z):1198(M+
+Na) (3)4α−アセトキシ−2α−ベンゾイルオキシ−1
3α−{(4S,5R)−3−tert−ブトキシカル
ボニル−2,2−ジメチル−4−〔(1R,2R)−2
−メチルシクロプロピル〕オキサゾリジン−5−イルカ
ルボニルオキシ}−5β,20−エポキシ−1β−ヒド
ロキシ−7β,10βビス(2,2,2−トリクロロエ
トキシカルボニルオキシ)タキス−11−エン−9−オ
ンを実施例2と同様に処理することにより、4α−アセ
トキシ−2α−ベンゾイルオキシ−13α−{(2R,
3S)−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2
−ヒドトキシ−3−〔(1R,2R)−2−メチルシク
ロプロピル〕プロピオニルオキシ}−5β,20−エポ
キシ−1β,7β,10β−トリヒドロキシタキス−1
1−エン−9−オンを得る。
【0208】m.p.:167−174℃ FAB−MS(m/z):808(M+ +Na) (4)4α−アセトキシ−2α−ベンゾイルオキシ−1
3α−{(2R,3S)−3−tert−ブトキシカル
ボニルアミノ−2−ヒドトキシ−3−〔(1R,2R)
−2−メチルシクロプロピル〕プロピオニルオキシ}−
5β,20−エポキシ−1β,7β,10β−トリヒド
ロキシタキス−11−エン−9−オンを実施例5と同様
に処理することにより、4α−アセトキシ−2α−ベン
ゾイルオキシ−13α−{(2R,3S)−3−ter
t−ブトキシカルボニルアミノ−2−〔(3S)−3−
アミノ−3−エトキシカルボニルプロピオニルオキシア
セトキシ〕−3−〔(1R,2R)−2−メチルシクロ
プロピル〕プロピオニルオキシ}−5β,20−エポキ
シ−1β,7β,10β−トリヒドロキシタキス−11
−エン−9−オン・メタンスルホン酸塩を得る。
【0209】m.p.:>152℃(分解) FAB−MS(m/z):1009(M+ +Na) IR(nujol,cm-1):3400,1750,1
720 NMR(300MHz,DMSO−d6,δ):0.2
4−0.33(1H,m),0.55−0.65(2
H,m),0.70−0.81(1H,m),0.99
(3H,d,J=6Hz),1.03(6H,s),
1.24(3H,t,J=7Hz),1.33(9H,
s),1.54(3H,s),1.59−1.74(1
H,m),1.78(3H,s),2.19−2.27
(3H,m),2.31(6H,s),3.08(1
H,dd,J=6,18Hz),3.25−3.40
(1H,m),3.43−3.54(1H,m),3.
74(1H,d,J=7Hz),4.01−4.13
(3H,m),4.16−4.28(2H,m),4.
40(1H,t,J=6Hz),4.64(1H,
s),4.90(2H,s),4.92−4.99(2
H,m),5.05(1H,d,J=8Hz),5.1
1(1H,d,J=4Hz),5.14(1H,s),
5.47(1H,d,J=7Hz),5.89−6.0
0(1H,m),7.15(1H,d,J=9Hz),
7.51−7.59(2H,m),7.64−7.72
(1H,m),8.02(2H,d−like,J=7
Hz),8.37(3H,brs)。
【0210】実施例26 実施例25(2)で得られた4α−アセトキシ−2α−
ベンゾイルオキシ−13α−{(4S,5R)−3−t
ert−ブトキシカルボニル−2,2−ジメチル−4−
〔(1R,2R)−2−メチルシクロプロピル〕オキサ
ゾリジン−5−イルカルボニルオキシ}−5β,20−
エポキシ−1β−ヒドロキシ−7β,10β−ビス
(2,2,2−トリクロロエトキシカルボニルオキシ)
タキス−11−エン−9−オンを実施例1(10)−
(14)と同様に処理することにより、4α−アセトキ
シ−2α−ベンゾイルオキシ−13α−{(2R,3
S)−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−
〔(3S)−3−アミノ−3−エトキシカルボニルプロ
ピオニルオキシアセトキシ〕−3−〔(1R,2R)−
2−メチルシクロプロピル〕プロピオニルオキシ}−5
β,20−エポキシ−1β,7β,10β−トリヒドロ
キシタキス−11−エン−9−オン・メタンスルホン酸
塩を得る。
【0211】物性値は、実施例25(4)で得られた化
合物と同一であった。
【0212】参考例 4α−アセトキシ−2α−ベンゾイルオキシ−5β,2
0−エポキシ−1β,10β,13α−トリヒドロキシ
−7β−トリエチルシリルオキシタキス−11−エン−
9−オン3.29gのピリジン10ml溶液を氷冷し、
これにクロロギ酸トリクロロエチル1.38mlを滴下
し、室温に戻し、7時間撹拌する。反応混合物を酢酸エ
チル及び氷水の混合液にあけ、酢酸エチルで抽出し、水
洗後、飽和食塩水で洗浄する。有機層を硫酸マグネシウ
ムで乾燥後、溶媒を留去する。得られた残渣をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー(溶媒;トルエン:酢酸エ
チル=4:1)で精製し、得られた固体をヘキサン:エ
ーテルでろ取し、4α−アセトキシ−2α−ベンゾイル
オキシ−5β,20−エポキシ−1β,13αヒド
ロキシ−7β−トリエチルシリルオキシ−10β−
(2,2,2−トリクロロエトキシカルボニルオキシ)
タキス−11−エン−9−オン3.08gを得る。収
率:74%。
【0213】FAB−MS(m/z):835(M
+ ) IR(nujol,cm-1):3470,1770,1
725,1710 NMR(CDCl3 ,δ):0.58(6H,q,J=
7Hz),0.93(9H,t,J=7Hz),1.6
4(3H,s),1.85−1.92(1H,m),
2.08(1H,d,J=5Hz),2.20(3H,
s),2.29(3H,s),2.20−2.30(2
H,m),2.50−2.58(1H,m),3.84
(1H,d,J=7Hz),4.15(1H,d,J=
8Hz),4.31(1H,d,J=8Hz),4.4
7−4.51(1H,m),4.79(1H,d,J=
12Hz),4.83(1H,d,J=12Hz),
4.83−4.88(1H,m),4.96(1H,
d,J=8Hz),5.64(1H,d,J=7H
z),6.30(1H,s),7.26−7.63(3
H,m),8.10(2H,d,J=7Hz)。
【0214】
【発明の効果】本発明の目的化合物〔I〕又はその薬理
的に許容しうる塩は、水溶性及び安定性が高いと共に、
優れた抗腫瘍活性を有する。例えば、本発明のバッカチ
ン誘導体は、P−388細胞を腹腔内に移植したマウ
ス、ヒト乳癌MX−1細胞を皮下移植したヌードマウス
或いはB16メラノーマ細胞を腹腔または皮下移植した
マウスにおいて優れた抗腫瘍作用及び延命効果を奏す
る。
【0215】また、本発明のバッカチン誘導体又はその
薬理的に許容しうる塩は、毒性が低く、例えば、4α−
アセトキシ−13α−{(2R,3S)−3−tert
−ブトキシカルボニルアミノ−2−〔((3S)−3−
アミノ−3−エトキシカルボニルプロピオニルオキシ)
アセトキシ〕−3−シクロプロピルプロピオニルオキ
シ}−2α−ベンゾイルオキシ−5β,20−エポキシ
−1β,7β,10β−トリヒドロキシタキス−11−
エン−9−オン・メタンスルホン酸塩をB−16メラノ
ーマ細胞を皮下移植したBDF1 マウスに1日1回5日
間静脈内投与(25mg/kg)し、30日以上観察し
たが、死亡例は認められなかった。
【0216】このため、本発明の目的物〔I〕は乳癌、
卵巣癌、肺癌、悪性黒色腫等の広範囲の腫瘍の治療に適
用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A61K 38/00 C07D 405/12 207 C07D 405/12 207 407/12 305 407/12 305 409/12 305 409/12 305 C09K 5/06 C09K 5/06 A61K 31/00 635 // A61K 31/00 635 C07D 263/06 C07D 263/06 A61K 37/02 (56)参考文献 特表 平6−504771(JP,A) 国際公開94/21250(WO,A1) 国際公開94/10997(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07D 305/00 - 305/14 C07D 405/00 - 405/12 C07D 407/00 - 407/12 C07D 409/00 - 409/12 C09K 5/00 - 5/06 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式〔I〕 【化1】 〔但し、R3 は低級アルカノイル基、R4 は低級アルキ
    ル基、低級アルコキシ基及びハロゲン原子から選ばれる
    基で置換されていてもよいベンゾイル基、環Aはハロゲ
    ン原子、低級アルキル基及び低級アルコキシ基から選ば
    れる基で置換されていてもよいシクロプロパン環、Xは
    単結合手、−O−、−S−又は−NH−で示される基を
    表し、Rはハロゲン原子及び低級アルコキシ基から選ば
    れる基で置換されていてもよい低級アルキル基(該低級
    アルキル基はシクロアルキル部分を有していてもよ
    い)、ハロゲン原子及び低級アルコキシ基から選ばれる
    基で置換されていてもよいアリール基又はハロゲン原子
    及び低級アルコキシ基から選ばれる基で置換されていて
    もよい芳香族複素環式基を表し、Eは−CO(CH2 )
    nZYで示される基、Yはアミノ酸又はジペプチドの1
    つのカルボキシル基から水酸基を除いた残基(当該残基
    中に存するアミノ基は、ベンジルオキシカルボニル基、
    tert−ブトキシカルボニル基又は低級アルキル基で
    保護されていてもよく、またカルボキシル基はエステル
    化またはアミド化されていてもよい)、Zは式−O−又
    は−NH−で示される基を表し、nは1、2、3、4、
    5又は6を表す。〕で示されるバッカチン誘導体又はそ
    の薬理的に許容し得る塩。
  2. 【請求項2】 Yがα−もしくはβ−アミノ酸又はこれ
    らで構成されるジペプチドの1つのカルボキシル基から
    水酸基を除いた残基(当該残基中に存するアミノ基は
    ベンジルオキシカルボニル基、tert−ブトキシカル
    ボニル基又は 低級アルキル基で保護されていてもよく、
    またカルボキシル基はエステル化またはアミド化されて
    いてもよい)である請求項1記載の化合物。
  3. 【請求項3】 環Aがハロゲン原子、低級アルキル基及
    び低級アルコキシ基から選ばれる1〜2個の基で置換さ
    れていてもよいシクロプロパン環、Rがハロゲン原子及
    び低級アルコキシ基から選ばれる1〜3個の基で置換さ
    れていてもよい低級アルキル基(該低級アルキル基は3
    〜5員のシクロアルキル部分を有していてもよい)、1
    〜2個の低級アルコキシ基で置換されていてもよいフェ
    ニル基、フリル基又はチエニル基、Yが天然アミノ酸も
    しくはその対掌体、又は天然アミノ酸もしくはその対掌
    体で構成されるジペプチドの1つのカルボキシル基から
    水酸基を除いた残基 (当該残基中に存するアミノ基はベ
    ンジルオキシカルボニル基または低級アルキル基で保護
    されていてもよく、またカルボキシル基は低級アルコキ
    シ基で置換されていてもよい低級アルキル基でエステル
    化されていても、アミド化されていてもよい)である請
    求項1又は2記載の化合物。
  4. 【請求項4】 Yがアスパラギン、アスパラギン酸、グ
    ルタミン、グルタミン酸、プロリン、グリシン、アラニ
    ンもしくはβ−アラニン、又はこれらアミノ酸で構成さ
    れるジペプチドの1つのカルボキシル基から水酸基を除
    いた残基(当該残基中に存するアミノ基はベンジルオキ
    シカルボニル基または低級アルキル基で保護されていて
    もよく、またカルボキシル基は低級アルコキシ基で置換
    されていてもよい低級アルキル基でエステル化されてい
    ても、アミド化されていてもよい)である請求項記載
    の化合物。
  5. 【請求項5】 環Aが低級アルキル基で置換されていて
    もよいシクロプロパン環、Rが低級アルキル基、フリル
    基又はチエニル基、Yがアスパラギン、アスパラギン
    酸、グルタミン、グルタミン酸、プロリン、グリシン又
    はβ−アラニンの1つのカルボキシル基から水酸基を除
    いた残基(当該残基中に存するカルボキシル基は低級ア
    ルキル基でエステル化されていても、アミド化されてい
    てもよい)である請求項記載の化合物。
  6. 【請求項6】 R3 はアセチル基、R4 はベンゾイル
    基、Xが−O−で示される基、Rが低級アルキル基であ
    り、Yがアスパラギニル基、アスパルチル基、β−アラ
    ニル基又はプロリル基(カルボキシル基は低級アルキル
    基でエステル化されていても、アミド化されていてもよ
    い)である請求項記載の化合物。
  7. 【請求項7】 4α−アセトキシ−2α−ベンゾイルオ
    キシ−13α−{(2R,3S)−3−tert−ブト
    キシカルボニルアミノ−2−〔(3S)−3−アミノ−
    3−カルバモイルプロピオニルオキシアセトキシ〕−3
    −シクロプロピルプロピオニルオキシ}−5β,20−
    エポキシ−1β,7β,10β−トリヒドロキシタキス
    −11−エン−9−オン又はその薬理的に許容しうる
    塩。
  8. 【請求項8】 一般式〔XIII〕 【化2】 (但し、R1 は低級アルカノイル基、2,2,2−トリ
    クロロエトキシカルボニル基及びトリエチルシリル基か
    ら選ばれる水酸基の保護基、R2 は低級アルカノイル
    基、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル基及び
    トリエチルシリル基から選ばれる水酸基の保護基、R3
    は低級アルカノイル基、R4 は低級アルキル基、低級ア
    ルコキシ基及びハロゲン原子から選ばれる基で置換され
    ていてもよいベンゾイル基、環Aはハロゲン原子、低級
    アルキル基及び低級アルコキシ基から選ばれる基で置換
    されていてもよいシクロプロパン環を表す。)で示され
    る化合物。
  9. 【請求項9】 一般式〔XII〕 【化3】 (但し、R1 は低級アルカノイル基、2,2,2−トリ
    クロロエトキシカルボニル基及びトリエチルシリル基か
    ら選ばれる水酸基の保護基、R2 は低級アルカノイル
    基、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル基及び
    トリエチルシリル基から選ばれる水酸基の保護基、R3
    は低級アルカノイル基、R4 は低級アルキル基、低級ア
    ルコキシ基及びハロゲン原子から選ばれる基で置換され
    ていてもよいベンゾイル基、環Aはハロゲン原子、低級
    アルキル基及び低級アルコキシ基から選ばれる基で置換
    されていてもよいシクロプロパン環を表す。)で示され
    る化合物。
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