JP2964474B2 - タキソール誘導体及びその製法 - Google Patents

タキソール誘導体及びその製法

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JP2964474B2
JP2964474B2 JP7160619A JP16061995A JP2964474B2 JP 2964474 B2 JP2964474 B2 JP 2964474B2 JP 7160619 A JP7160619 A JP 7160619A JP 16061995 A JP16061995 A JP 16061995A JP 2964474 B2 JP2964474 B2 JP 2964474B2
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健二 辻原
富樹 橋山
元明 大橋
憲之 中西
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Tanabe Seiyaku Co Ltd
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  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は抗腫瘍活性を有する新規
タキソール誘導体及びその製法に関する。
【0002】
【従来の技術】タキソール〔=4α,10β−ジアセト
キシ−13α−〔(2R,3S)−3−ベンゾイルアミ
ノ−2−ヒドロキシ−3−フェニルプロピオニルオキ
シ〕−2α−ベンゾイルオキシ−5β,20−エポキシ
−1β,7β−ジヒドロキシタキス−11−エン−9−
オン〕は西洋イチイTaxus brevifolia
から単離されたジテルペノイドであり、広範囲の種類の
癌に対し優れた制癌作用を有することが知られている
が、水溶性が0.004mg/ml以下〔ネイチャー
(Nature)、第346巻、第464頁(1993
年)〕と非常に低く、臨床上問題であった。
【0003】タキソールの制癌作用や水溶性を改善する
ために、従来より種々置換基の修飾が行われてきている
〔例えば、特開昭63−30478号公報、同63−3
0479号公報、テトラヘドロン・レターズ(Tet. Let
t.)、第33巻、5185頁(1992年)、テトラヘ
ドロン(Tetrahedron )、第45巻、4177頁(19
89年)等〕が、タキソールの13位側鎖中の水酸基及
び/又は7位水酸基を親水性基で修飾して水溶性を改善
した例としては、例えば、米国特許第4960790
号、同第5059699号、同第5283253号、特
開平6−1782号公報があげられる。米国特許第49
60790号には13位側鎖中の水酸基及び/又は7位
水酸基を直接アラニン、ロイシン、イソロイシン等のア
ミノ酸残基などで修飾したタキソール誘導体が記載され
ている。また、米国特許第5059699号には13位
側鎖中の水酸基を、−CO−(CHy n −CO−NH
−(CH2 )2−SO3 −M〔yは1〜2、nは1〜3、
Mは水素原子、アルカリ金属等、例えばナトリウム4−
(2−スルホナトエチル)アミノ−1,4−ジオキソブ
チル基〕などの基で修飾したタキソール誘導体が記載さ
れている。また、特開平6−1782号公報には13位
側鎖中の水酸基、7位水酸基及び/又は10位水酸基を
リン酸もしくは炭酸エステルで修飾したタキソール誘導
体が記載されている。さらに、米国特許第528325
3号には、13位側鎖中のアミノ基をフランカルボニル
基またはチオフェンカルボニル基で置換し、13位側鎖
中の水酸基及び/又は7位水酸基をカルボキシル基置換
もしくはカルバモイル基置換低級アルカノイル基等で修
飾したタキソール誘導体が記載されている。
【0004】しかし、これまでのところ、水溶性が高
く、安定で優れた活性を有するタキソール誘導体が臨床
に使用されたという報告はない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、優れた抗腫
瘍活性を有し、水溶性を改良した新規タキソール誘導体
を提供するものである。また、本発明はこのような新規
タキソール誘導体の製法をも提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は一般式〔I〕
【0007】
【化11】
【0008】〔但し、Rは水素原子又は低級アルカノイ
ル基、R3は低級アルカノイル基、R4は置換もしくは非
置換ベンゾイル基、R5は置換もしくは非置換低級アル
コキシカルボニル基(該低級アルコキシカルボニル基は
シクロアルキル部分を有していてもよい)、置換もしく
は非置換低級アルカノイル基又は置換もしくは非置換ア
リールカルボニル基、Xは置換もしくは非置換アリール
基、置換もしくは非置換低級アルケニル基又は置換もし
くは非置換低級アルキニル基、Yはアミノ酸又はジペプ
チドから1つのカルボキシル基の水酸基を除いた残基
(当該残基中に存するアミノ基及び/又はカルボキシル
基は保護されていてもよい)、Zは式−O−または−N
H−で示される基を表し、nは1〜6の整数を表す。〕
で示される誘導体又はその薬理的に許容し得る塩に関す
る。
【0009】アリール基としては、芳香族炭化水素環式
基(例えば、フェニル基、ナフチル基等)または芳香族
複素環式基(異項原子として硫黄原子、酸素原子または
窒素原子を含む芳香族複素環式基、例えば、チエニル
基、フリル基、ピリジル基、ピラジニル基、ピリミジニ
ル基等の5〜6員の芳香族複素環式基)等をあげること
ができる。
【0010】目的物〔I〕において、R4 におけるベン
ゾイル基上の置換基としては、低級アルキル基、低級ア
ルコキシ基、ハロゲン原子等があげられる。
【0011】また、R5 における低級アルコキシカルボ
ニル基、低級アルカノイル基又はアリールカルボニル基
上の置換基としては、ハロゲン原子、低級アルコキシ基
等があげられる。また、シクロアルキル部分を有する低
級アルコキシカルボニル基としては、例えば、シクロプ
ロピルメトキシカルボニル基、シクロブチルメトキシカ
ルボニル基、(2,2−ジメチル)シクロプロピルメト
キシカルボニル基等があげられる。更に、置換基を有
し、かつシクロアルキル部分を有する低級アルコキシカ
ルボニル基の例としては、(2,2−ジフルオロ−3,
3−ジメチル)シクロプロピルメトキシカルボニル基等
があげられる。
【0012】また、Xにおけるアリール基上の置換基と
しては、ハロゲン原子、低級アルキル基、低級アルコキ
シ基等があげられ、低級アルケニル基及び低級アルキニ
ル基上の置換基としては、ハロゲン原子、低級アルコキ
シ基等があげられる。
【0013】また、目的物〔I〕において、Yのアミノ
酸としては天然または非天然起源のものが含まれ、一分
子中に少なくともアミノ基及びカルボキシル基を各々1
個有する化合物であって、天然起源のアミノ酸もしくは
その対掌体、合成起源のD−もしくはL−アミノ酸、或
いはこれらアミノ酸のラセミ混合物があげられる。
【0014】具体的には、カルボキシル基のα位もしく
はβ位炭素原子上にアミノ基を有するα−アミノ酸もし
くはβ−アミノ酸、またはそれ以外のアミノ酸があげら
れ、α−アミノ酸もしくはβ−アミノ酸としては天然ア
ミノ酸または非天然アミノ酸があげられ、それぞれ中性
アミノ酸、酸性アミノ酸または塩基性アミノ酸が好適に
用いられる。塩基性アミノ酸としては、アスパラギン、
オルニチン、リジン等のアミノ基を複数個有するアミノ
酸、酸性アミノ酸としては、グルタミン酸、アスパラギ
ン酸等のカルボキシル基を複数個有するアミノ酸、中性
アミノ酸としては、アラニン、イソロイシン、ロイシン
等のアミノ基とカルボキシル基を同数個有するアミノ酸
があげられる。更に、本発明において、好適に用いるこ
とができるアミノ酸の具体例としては、グリシン、アラ
ニン、イソロイシン、ロイシン、バリン、グルタミン
酸、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、β−ア
ラニン、アルギニン、オルニチン、セリン、トレオニ
ン、アスパラギン、アスパラギン酸、グルタミン、シス
チン、システイン、チロシン、ヒスチジン、トリプトフ
ァン、リジン、サルコシン、クレアチン、ホモシステイ
ン、ノルロイシン、イソセリン、ホモセリン、ノルバリ
ン、ε−アミノカプロン酸、チオプロリン、α−アミノ
イソブタン酸、ピペリジルカルボン酸、α,γ−ジアミ
ノ酪酸、β−アミノ酪酸、γ−アミノ酪酸等をあげるこ
とができる。
【0015】更に、Yのジペプチドとしては、上記アミ
ノ酸から構成されるジペプチドがあげられ、具体的に
は、グリシルグリシン、バリルグリシン、メチオニルグ
リシン、プロリルグリシン、グリシルプロリン、グリシ
ルフェニルアラニン、フェニルアラニルグリシン、グリ
シルバリン、アラニルプロリン、バリルプロリン、フェ
ニルアラニルバリン等の上記天然アミノ酸またはその対
掌体で構成されるジペプチド等があげられる。
【0016】Y中のアミノ基及び/又はカルボキシル基
が保護されている場合、保護基としては慣用の保護基を
用いることができ、アミノ基保護基としては、例えばベ
ンジルオキシカルボニル基等のアリールオキシカルボニ
ル基、tert−ブトキシカルボニル基等の低級アルコ
キシカルボニル基、アミノアセチル基等のアミノ低級ア
ルカノイル基等をあげることができ、カルボキシル基保
護基としては、メチル基、エチル基等の低級アルキル
基、メトキシエチル基、メトキシエトキシエチル基等の
低級アルコキシ低級アルキル基、アミノ基等をあげるこ
とができる。
【0017】本発明目的物〔I〕の好ましい例として
は、Yがα−もしくはβ−アミノ酸又はこれらで構成さ
れるジペプチドの1つのカルボキシル基から水酸基を除
いた残基(当該残基中に存するアミノ基及び/又はカル
ボキシル基は保護されていてもよい)である化合物があ
げられる。
【0018】また、目的物〔I〕のより好ましい例とし
ては、R5 がハロゲン原子及び低級アルコキシ基から選
ばれる1〜3個の基で置換されていてもよい低級アルコ
キシカルボニル基(該低級アルコキシカルボニル基は3
〜5員のシクロアルキル部分を有していてもよい)、ハ
ロゲン原子で置換されていてもよい低級アルカノイル
基、1〜2個の低級アルコキシ基で置換されていてもよ
いベンゾイル基、フランカルボニル基又はチオフェンカ
ルボニル基等、Xがハロゲン原子、低級アルキル基及び
低級アルコキシ基から選ばれる1〜2個の基で置換され
ていてもよいフェニル基又は非置換低級アルケニル基、
Yが天然アミノ酸もしくはその対掌体、又は天然アミノ
酸もしくはその対掌体で構成されるジペプチドの1つの
カルボキシル基から水酸基を除いた残基 (当該残基中に
存するアミノ基はベンジルオキシカルボニル基で、また
カルボキシル基は低級アルコキシ基で置換されていても
よい低級アルキル基またはアミノ基で保護されていても
よい)である化合物があげられ、Xがハロゲン原子及び
低級アルコキシ基から選ばれる1〜2個の基で置換され
ていてもよいフェニル基がとりわけ好ましい。
【0019】本発明目的物〔I〕の更に好ましい化合物
としては、Yがアスパラギン、アスパラギン酸、プロリ
ン、グリシン、アラニンもしくはβ−アラニン、又はこ
れらアミノ酸で構成されるジペプチドの1つのカルボキ
シル基から水酸基を除いた残基(当該残基中に存するア
ミノ基はベンジルオキシカルボニル基で、またカルボキ
シル基は低級アルコキシ基で置換されていてもよい低級
アルキル基またはアミノ基で保護されていてもよい)で
ある化合物があげられ、Yがアスパラギン酸、プロリ
ン、グリシン、アラニン、β−アラニン又はグリシルグ
リシンの1つのカルボキシル基から水酸基を除いた残基
(当該残基中に存するアミノ基はベンジルオキシカルボ
ニル基で、またカルボキシル基は低級アルコキシ基で置
換されていてもよい低級アルキル基またはアミノ基で保
護されていてもよい)である化合物がとりわけ好まし
い。
【0020】優れた薬効を奏する化合物としては、一般
式〔I〕においてRが水素原子、R3 がアセチル基、R
4 がベンゾイル基、R5 が低級アルコキシカルボニル基
であり、Yがアラニル基、プロリル基、グリシルグリシ
ル基またはβ−アスパルチル基(カルボキシル基は低級
アルコキシ基で置換されていてもよい低級アルキル基で
保護されていてもよい)である化合物があげられる。
【0021】本発明の目的物〔I〕には、タキサン骨格
13位に結合した置換プロピオニルオキシ基の2つの不
斉炭素原子、その置換基に存在する不斉炭素原子により
様々な立体異性体、光学異性体が存在しうるが、本発明
はこれら立体異性体、光学異性体及びこれらの混合物を
いずれも含むものである。
【0022】本発明の目的化合物〔I〕は、遊離の形で
も、また薬理的に許容し得る塩の形でも医薬用途に使用
することができる。かかる薬理的に許容し得る塩として
は、無機酸もしくは有機酸との酸付加塩、または無機塩
基もしくは有機塩基との塩があげられ、例えば塩酸塩、
硫酸塩、臭化水素酸塩、メタンスルホン酸塩、酢酸塩、
フマル酸塩、マレイン酸塩、シュウ酸塩、アルカリ金属
(ナトリウム、カリウム等)塩、アルカリ土類金属(マ
グネシウム、カルシウム等)塩、トリエチルアミン塩と
の塩などがあげられる。
【0023】本発明の目的化合物〔I〕もしくはその薬
理的に許容しうる塩は、経口的にも非経口的にも投与す
ることができ、また常法により例えば、錠剤、顆粒剤、
カプセル剤、散剤、注射剤、吸入剤のような適宜の医薬
製剤として用いることができる。
【0024】本発明の目的化合物〔I〕又はその薬理的
に許容し得る塩の投与量は、投与方法、患者の年令、体
重、状態によっても異なるが、通常、1日当り約0.2
〜20mg/kg程度、とりわけ1.0〜5mg/kg
とするのが好ましい。
【0025】本発明によれば、目的化合物〔I〕は、一
般式〔IV〕
【0026】
【化12】
【0027】(但し、R1 は低級アルカノイル基又は水
酸基の保護基、R2 は水酸基の保護基を表す。)で示さ
れる化合物もしくはその塩を、一般式〔V〕
【0028】
【化13】
【0029】〔但し、R5 は置換もしくは非置換低級ア
ルコキシカルボニル基(該低級アルコキシカルボニル基
はシクロアルキル部分を有していてもよい)、置換もし
くは非置換低級アルカノイル基又は置換もしくは非置換
アリールカルボニル基を表す。
【0030】〕で示される化合物、その塩またはその反
応性誘導体と反応させ、一般式〔II〕
【0031】
【化14】
【0032】(但し、記号は前記と同一意味を有す
る。)で示される化合物を得、(1−a)得られた化合
物〔II〕を一般式〔III〕
【0033】
【化15】
【0034】〔但し、Y’はアミノ酸又はジペプチドの
1つのカルボキシル基から水酸基を除いた残基(当該残
基中に存するアミノ基は保護されたアミノ基、当該残基
中に存するカルボキシル基は保護されていてもよいカル
ボキシル基)、他の記号は前記と同一意味を有する。〕
で示される化合物、その塩、又はその反応性誘導体と反
応させた後、水酸基の保護基を除去するか、あるいは、
(1−b)得られた化合物〔II〕の水酸基の保護基を
除去した後、一般式〔III〕
【0035】
【化16】
【0036】〔但し、記号は前記と同一意味を有す
る。〕で示される化合物、その塩またはその反応性誘導
体と反応させ、(2)さらに、必要に応じY’中のアミ
ノ基の保護基を除去することにより製造することができ
る。
【0037】化合物〔IV〕の塩としては、例えばギ酸
塩、酢酸塩、メタンスルホン酸塩、p−トルエンスルホ
ン酸塩等の有機酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩等の無機酸
塩があげられる。
【0038】化合物〔III〕及び化合物〔V〕の塩と
しては、例えばアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩等
をあげることができる。
【0039】化合物〔III〕及び化合物〔V〕の反応
性誘導体としては、酸ハライド、活性エステル、混合酸
無水物等をあげることができる。
【0040】タキサン骨格の7位及び/又は10位水酸
基の保護基としては、2、2、2−トリクロロエトキシ
カルボニル基をあげることができる。
【0041】化合物〔IV〕又はその塩と化合物〔V〕
又はその塩を縮合させる反応は、脱水剤の存在又は非存
在下、適当な溶媒中又は無溶媒で実施することができ
る。脱水剤としては、ジシクロヘキシルカルボジイミ
ド、カルボニルジイミダソール、1−メチル−2−ブロ
モピリジニウムヨウジド、ベンゾトリアゾール−1−イ
ルオキシトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサ
フルオロホスフェート等を好適に用いることができる。
また溶媒としては、ジクロロメタン、ジメチルエーテ
ル、ジメチルホルムアミド、ジオキサン、テトラヒドロ
フラン、トルエン等を適宜用いることができる。本反応
は、−20〜100℃、とりわけ0〜30℃で好適に進
行する。
【0042】化合物〔IV〕又はその塩と化合物〔V〕
の反応性誘導体とを縮合させる反応は、脱酸剤の存在又
は非存在下、適当な溶媒中又は無溶媒で実施することが
できる。脱酸剤としては、水素化アルカリ金属、炭酸ア
ルカリ金属、炭酸水素アルカリ金属、有機塩基(トリエ
チルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、
4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン、1,8−ジ
アザビクロ〔5.4.0〕ウンデカ−7−エン等)等を
好適に用いることができる。また溶媒としては、ジクロ
ロメタン、ジメチルエーテル、ジメチルホルムアミド、
ジオキサン、テトラヒドロフラン、トルエン等を適宜用
いることができる。本反応は、−20〜80℃、とりわ
け0〜30℃で好適に進行する。
【0043】(1−a)において、化合物〔II〕と化
合物〔III〕又はその塩との反応及び化合物〔II〕
と化合物〔III〕の反応性誘導体との反応は、各々、
化合物〔IV〕又はその塩と化合物〔V〕又はその塩と
の反応及び化合物〔IV〕又はその塩と化合物〔V〕の
反応性誘導体との反応と同様に実施できる。
【0044】続く保護基の除去は、保護基の種類に応じ
て慣用の方法により実施することができ、例えば、当該
保護基が2、2、2−トリクロロエトキシカルボニル基
である場合には、亜鉛−酢酸処理により実施することが
できる。
【0045】(1−b)において、化合物〔II〕から
水酸基の保護基を除去する工程は、(1−a)の保護基
の除去と同様に実施できる。
【0046】続く化合物〔III〕又はその塩との反応
及び化合物〔III〕の反応性誘導体との反応は、各
々、化合物〔IV〕又はその塩と化合物〔V〕又はその
塩との反応及び化合物〔IV〕又はその塩と化合物
〔V〕の反応性誘導体との反応と同様に実施できる。
【0047】(2)において、(1−a)又は(1−
b)で得られた化合物からY’中のアミノ基の保護基を
除去する工程は、保護基の種類に応じて慣用の方法によ
り実施することができ、例えば、当該保護基がベンジル
オキシカルボニル基である場合には、適当な溶媒(例え
ば、テトラヒドロフラン)中、パラジウム−炭素処理に
より実施することができる。
【0048】本発明の原料化合物である一般式〔IV〕
で示される化合物は、WO 92/09589号公報に
記載されており、同公報に記載の方法で製造することが
できる。具体的には、化合物〔IV〕は、一般式〔V
I〕
【0049】
【化17】
【0050】(但し、記号は前記と同一意味を有す
る。)で示される化合物と、一般式〔VII〕
【0051】
【化18】
【0052】(但し、記号は前記と同一意味を有す
る。)で示される化合物を縮合させ、次いで、オキサゾ
リジン環の開裂及びtert−ブトキシカルボニル基の
除去工程に付すことにより製することができる。
【0053】化合物〔VI〕は、WO 92/0958
9号公報またはテトラヘドロン・レターズ(Tet.
Lett.)、第33巻、5185頁(1992年)に
記載の方法に準じ、例えば下記化学反応式のようにして
製造することができる。
【0054】
【化19】
【0055】(式中、Halはハロゲン原子を表し、R
6 はエステル残基を表し、R7 及びR8 は同一又は異な
って、低級アルキル基またはフェニル基を表し、Xは前
記と同一意味を有する。) また、上記化学反応式記載の化合物〔XI〕は、ジャー
ナル・オブ・オーガニック・ケミストリー(J. Or
g. Chem.)、第55巻、1957頁(1990
年)記載の方法で製造することもでき、下記化学反応式
に従い合成することができる。
【0056】
【化20】
【0057】(式中、Tsはp−トルエンスルホニル基
を表し、他の記号は前記と同一意味を有する。)従っ
て、例えば、が2,4−ジフルオロフェニル基である
化合物〔VI〕は、(2’,4’−ジフルオロ)けい皮
酸メチルエステルをジヒドロキシ化した後、2位水酸基
を脱離させて3−(2,4−ジフルオロフェニル)−
2,3−エポキシプロピオン酸メチルエステルを製し、
次いで金属アジドでアジ化し、生成物を接触還元した
後、アミノ基をtert−ブトキシカルボニル基で保護
して3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−ヒ
ドロキシ−3−(2,4−ジフルオロフェニル)プロピ
オン酸メチルエステルとし、該化合物のtert−ブト
キシカルボニルアミノ基及びヒドロキシ基をアセトニド
で保護した後、加水分解することにより製することがで
きる。
【0058】化合物〔VII〕は特開平1−30507
7号公報または特開昭63−30479号公報に記載さ
れており、10−デアセチルバッカチンIIIの7位水
酸基及び/又は10位水酸基を所望により保護すること
により製することができる。
【0059】化合物〔III〕は、一般式〔XVII
I〕
【0060】
【化21】
【0061】(但し、記号は前記と同一意味を有す
る。)で示される化合物、その塩またはその反応性誘導
体と、一般式〔XIX〕
【0062】
【化22】
【0063】(但し、R9 は水素原子またはエステル残
基を表し、他の記号は前記と同一意味を有する。)で示
される化合物を反応させ、要すればエステル残基を除去
することにより製することができる。
【0064】なお、本発明において、低級アルカノイル
基又は低級アルコキシカルボニル基としては、例えば、
アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、バレリル
基、ピバロイル基、メトキシカルボニル基、エトキシカ
ルボニル基、プロポキシカルボニル基、ブトキシカルボ
ニル基等炭素数2〜7、とりわけ2〜5のものがあげら
れる。低級アルケニル基又は低級アルキニル基として
は、炭素数2〜6のものがあげられる。ハロゲン原子と
しては、塩素、臭素、フッ素又はヨウ素があげられる。
【0065】また、本明細書において、タキサンもしく
はタキサン骨格とは、下式
【0066】
【化23】
【0067】で示されるジテルペン骨格を表す。
【0068】
【実施例】
実施例1 (1)4α−アセトキシ−13α−〔(2R,3S)−
3−アミノ−2−ヒドロキシ−3−フェニルプロピオニ
ルオキシ〕−2α−ベンゾイルオキシ−5β,20−エ
ポキシ−1β−ヒドロキシ−7β,10β−ビス(2,
2,2−トリクロロエトキシカルボニルオキシ)タキス
−11−エン−9−オン・ギ酸塩663mg、炭酸水素
ナトリウム151mg及びテトラヒドロフラン15ml
の混合物に、重炭酸ジ−tert−ブチル262mgの
テトラヒドロフラン5ml溶液を氷−アセトン浴で冷却
しながら滴下した後、室温で18時間撹拌する。不溶物
をろ去し、ろ液を減圧濃縮後、残渣を酢酸エチルに溶解
する。酢酸エチル層を水洗、乾燥後、溶媒を留去する。
残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒;ヘ
キサン:酢酸エチル=2:1)で精製して、4α−アセ
トキシ−13α−〔(2R,3S)−3−tert−ブ
トキシカルボニルアミノ−2−ヒドロキシ−3−フェニ
ルプロピオニルオキシ〕−2α−ベンゾイルオキシ−5
β,20−エポキシ−1β−ヒドロキシ−7β,10β
−ビス(2,2,2−トリクロロエトキシカルボニルオ
キシ)タキス−11−エン−9−オン523mgを得
る。物性値は文献〔テトラヘドロン(Tetrahed
ron)、第45巻、4177頁(1989年)、化合
物7a〕に一致した。
【0069】(2)4α−アセトキシ−13α−〔(2
R,3S)−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ
−2−ヒドロキシ−3−フェニルプロピオニルオキシ〕
−2α−ベンゾイルオキシ−5β,20−エポキシ−1
β−ヒドロキシ−7β,10β−ビス(2,2,2−ト
リクロロエトキシカルボニルオキシ)タキス−11−エ
ン−9−オン505mgのテトラヒドロフラン20ml
溶液に((3S)−3−ベンジルオキシカルボニルアミ
ノ−3−エトキシカルボニルプロピオニルオキシ)酢酸
185mg、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミ
ド129mg及び4−ジメチルアミノピリジン5mgを
加え、室温で4時間撹拌する。不溶物をろ去し、ろ液を
減圧濃縮後、残渣を酢酸エチルに溶解する。酢酸エチル
層を水洗、乾燥後、溶媒を留去する。残渣をシリカゲル
カラムクロマトグラフィー(溶媒;ヘキサン:酢酸エチ
ル=2:1)で精製して、4α−アセトキシ−13α−
{(2R,3S)−3−tert−ブトキシカルボニル
アミノ−2−〔((3S)−3−ベンジルオキシカルボ
ニルアミノ−3−エトキシカルボニルプロピオニルオキ
シ)アセトキシ〕−3−フェニルプロピオニルオキシ}
−2α−ベンゾイルオキシ−5β,20−エポキシ−1
β−ヒドロキシ−7β,10β−ビス(2,2,2−ト
リクロロエトキシカルボニルオキシ)タキス−11−エ
ン−9−オン434mgを得る。
【0070】IR(nujol,cm-1):3360,
1760,1730 FABMS(m/z):1491(MH+ ) (3)4α−アセトキシ−13α−{(2R,3S)−
3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−
〔((3S)−3−ベンジルオキシカルボニルアミノ−
3−エトキシカルボニルプロピオニルオキシ)アセトキ
シ〕−3−フェニルプロピオニルオキシ}−2α−ベン
ゾイルオキシ−5β,20−エポキシ−1β−ヒドロキ
シ−7β,10β−ビス(2,2,2−トリクロロエト
キシカルボニルオキシ)タキス−11−エン−9−オン
412mgのメタノール−酢酸(12ml−3ml)溶
液に亜鉛1gを加え、60℃で30分間撹拌する。反応
液を冷却後、亜鉛をろ去し、ろ液を減圧濃縮後、残渣を
酢酸エチルに溶解する。酢酸エチル層を洗浄、乾燥後、
溶媒を留去する。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィー(溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=1:2)で精製
して、4α−アセトキシ−13α−{(2R,3S)−
3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−〔(3
S)−3−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−エト
キシカルボニルプロピオニルオキシアセトキシ〕−3−
フェニルプロピオニルオキシ}−2α−ベンゾイルオキ
シ−5β,20−エポキシ−1β,7β,10β−トリ
ヒドロキシタキス−11−エン−9−オン220mgを
得る。
【0071】m.p.:130−134℃ FABMS(m/z):1143(MH+ ) IR(nujol,cm-1):3400,1720 NMR(CDCl3 ,δ):1.12(3H,s),
1.21(3H,s),1.24(3H,t,J=7H
z),1.34(9H,s),1.58(1H,m),
1.64(1H,s),1.75(3H,s),1.8
5(1H,m),1.92(3H,s),2.15(1
H,m),2.25(1H,m),2.35(3H,
s),2.59(1H,m),2.92(1H,dd,
J=5,17),3.11(1H,dd,J=4,1
7),3.90(1H,d,J=7Hz),4.15−
4.25(5H,m),4.30(1H,d,J=8H
z),4.57−4.70(3H,m),4.95(1
H,m),5.12(2H,s),5.19(1H,
s),5.45−5.55(3H,m),5.67(1
H,d,J=7.0Hz),5.91(1H,br),
6.20(1H,m),7.28−7.42(10H,
m),7.50(2H,m),7.62(1H,m),
8.10(2H,m)。
【0072】実施例2 (1)4α−アセトキシ−13α−〔(2R,3S)−
3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−ヒドロ
キシ−3−フェニルプロピオニルオキシ〕−2α−ベン
ゾイルオキシ−5β,20−エポキシ−1β−ヒドロキ
シ−7β,10β−ビス(2,2,2−トリクロロエト
キシカルボニルオキシ)タキス−11−エン−9−オン
5.63gのメタノール−酢酸(220ml−50m
l)溶液に、亜鉛11.12gを加え、60℃で1.5
時間撹拌する。反応液を冷却後、亜鉛をろ去し、ろ液を
減圧濃縮し、残渣を酢酸エチルに溶解する。酢酸エチル
層を洗浄、乾燥後、溶媒を留去する。残渣をシリカゲル
カラムクロマトグラフィー(溶媒;ヘキサン:酢酸エチ
ル=1:1〜1:2)で精製した後、ヘキサンで結晶化
して、4α−アセトキシ−13α−〔(2R,3S)−
3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−ヒドロ
キシ−3−フェニルプロピオニルオキシ〕−2α−ベン
ゾイルオキシ−5β,20−エポキシ−1β,7β,1
0β−トリヒドロキシタキス−11−エン−9−オン
2.86gを得る。物性値は文献〔テトラヘドロン(T
etrahedron)、第45巻、4177頁(19
89年)、化合物10a〕に一致した。
【0073】(2)アルゴン雰囲気下、((3S)−3
−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−エトキシカル
ボニルプロピオニルオキシ)酢酸328mgのテトラヒ
ドロフラン3ml溶液を氷−アセトン浴で冷却し、クロ
ロギ酸イソプロピル123mgとトリエチルアミン94
mgを加え、0℃以下で30分撹拌した。この反応液に
4α−アセトキシ−13α−〔(2R,3S)−3−t
ert−ブトキシカルボニルアミノ−2−ヒドロキシ−
3−フェニルプロピオニルオキシ〕−2α−ベンゾイル
オキシ−5β,20−エポキシ−1β,7β,10β−
トリヒドロキシタキス−11−エン−9−オン150m
gのテトラヒドロフラン3ml溶液を滴下し、0℃以下
で4時間撹拌する。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水
溶液を加え、酢酸エチルで抽出し、有機層を水洗、乾燥
後、溶媒を留去する。残渣をシリカゲルカラムクロマト
グラフィー(溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=2:3)で
精製して、4α−アセトキシ−13α−{(2R,3
S)−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−
〔((3S)−3−ベンジルオキシカルボニルアミノ−
3−エトキシカルボニルプロピオニルオキシ)アセトキ
シ〕−3−フェニルプロピオニルオキシ}−2α−ベン
ゾイルオキシ−5β,20−エポキシ−1β,7β,1
0β−トリヒドロキシタキス−11−エン−9−オン1
67mgを得る。
【0074】物性値は実施例1(3)記載の通りであ
る。
【0075】実施例3−27 対応原料化合物を実施例1または2と同様に処理するこ
とにより、第1〜11表記載の化合物を得る。(表中、
6 5 はフェニル基を表す。)
【0076】
【表1】
【0077】
【表2】
【0078】
【表3】
【0079】
【表4】
【0080】
【表5】
【0081】
【表6】
【0082】
【表7】
【0083】
【表8】
【0084】
【表9】
【0085】
【表10】
【0086】
【表11】
【0087】
【表12】
【0088】実施例28 4α−アセトキシ−13α−{(2R,3S)−3−t
ert−ブトキシカルボニルアミノ−2−〔((3S)
−3−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−エトキシ
カルボニルプロピオニルオキシ)アセトキシ〕−3−フ
ェニルプロピオニルオキシ}−2α−ベンゾイルオキシ
−5β,20−エポキシ−1β,7β,10β−トリヒ
ドロキシタキス−11−エン−9−オン205mgのテ
トラヒドロフラン15ml溶液に10%パラジウム−炭
素(50%含水)0.15g及びメタンスルホン酸14
μlを加え、水素雰囲気下、2時間攪拌する。触媒をろ
去し、ろ液を減圧濃縮し、残渣にジエチルエーテルを加
える。析出した結晶をろ取し、ジエチルエーテル−酢酸
エチル混液及びジエチルエーテルで洗浄、乾燥して、4
α−アセトキシ−13α−{(2R,3S)−3−te
rt−ブトキシカルボニルアミノ−2−〔((3S)−
3−アミノ−3−エトキシカルボニルプロピオニルオキ
シ)アセトキシ〕−3−フェニルプロピオニルオキシ}
−2α−ベンゾイルオキシ−5β,20−エポキシ−1
β,7β,10β−トリヒドロキシタキス−11−エン
−9−オン・メタンスルホン酸塩172mgを得る。
【0089】溶解度:5mg/ml(生理食塩水) m.p.:165−170℃(分解) FABMS(m/z):1009(MH+ ) IR(nujol,cm-1):3400,1750,1
720 NMR(DMSO−d6 ,δ):0.98(6H,
s),1.23(3H,t,J=7.1Hz),1.3
8(9H,s),1.51(3H,s),1.69(3
H,s),2.20−2.34(4H,m),2.22
(3H,s),2.30(3H,s),3.01(1
H,dd,J=5.5,17.6),3.09(1H,
dd,J=5.5,17.6),3.62(1H,d,
J=7.0Hz),3.97−4.07(3H,m),
4.17−4.28(3H,m),4.40(1H,
d,J=5.5Hz),4.43(1H,d,J=7.
8Hz),4.78−5.13(6H,m),5.17
(1H,d,J=7.4Hz),5.40(1H,d,
J=7.0Hz),5.79(1H,t,J=10H
z),7.18(1H,brt),7.35−7.44
(5H,m),7.64−7.75(2H,m),7.
90(1H,d,J=8.6Hz),7.99(2H,
d,J=7.1Hz),8.44(3H,brs)。
【0090】実施例29−53 対応原料化合物を実施例28と同様に処理して、第12
〜22表記載の化合物を得る。表中、溶解度は生理食塩
水に対する溶解性を示す。
【0091】
【表13】
【0092】
【表14】
【0093】
【表15】
【0094】
【表16】
【0095】
【表17】
【0096】
【表18】
【0097】
【表19】
【0098】
【表20】
【0099】
【表21】
【0100】
【表22】
【0101】
【表23】
【0102】
【表24】
【0103】
【表25】
【0104】実施例54 タキソール(=4α,10β−ジアセトキシ−13α−
〔(2R,3S)−3−ベンゾイルアミノ−2−ヒドロ
キシ−3−フェニルプロピオニルオキシ〕−2α−ベン
ゾイルオキシ−5β,20−エポキシ−1β,7β−ジ
ヒドロキシタキス−11−エン−9−オン)0.15g
のジクロロメタン8ml溶液に(3S)−3−ベンジル
オキシカルボニルアミノ−3−エトキシカルボニルプロ
ピオニルオキシ酢酸186mg及びN,N’−ジシクロ
ヘキシルカルボジイミド127mgを加え、室温で26
時間撹拌する。不溶物をろ去し、ろ液を減圧濃縮し、残
渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒;ヘキ
サン:酢酸エチル:ジクロロメタン=2:4:1)で精
製して、4α,10β−ジアセトキシ−13α−{(2
R,3S)−3−ベンゾイルアミノ−2−〔((3S)
−3−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−エトキシ
カルボニルプロピオニルオキシ)アセトキシ〕−3−フ
ェニルプロピオニルオキシ}−2α−ベンゾイルオキシ
−5β,20−エポキシ−1β,7β−ジヒドロキシタ
キス−11−エン−9−オン209mgを得る。
【0105】FABMS(m/z):1189(M
+ ) IR(nujol,cm-1):3320,1750,1
720 NMR(CDCl3 ,δ):1.11(3H,s),
1.20(3H,s),1.25(3H,t,J=7H
z),1.59(1H,s),1.68(3H,s),
1.71(1H,s),1.91(3H,s),1.9
3−2.05(1H,m),2.1−2.2(1H,
m),2.23(3H,s),2.3−2.4(1H,
m),2.43(3H,s),2.56(1H,m),
2.90(1H,m),3.10(1H,m),3.8
0(1H,d,J=7Hz),4.10(1H,m),
4.12(2H,q,J=7Hz),4.25(2H,
ABq,J=9Hz),4.45(1H,m),4.6
2(1H,d,J=16Hz),4.67(1H,d,
J=16Hz),4.97(1H,d,J=8Hz),
5.0−5.1(1H,m),5.04(2H,s),
5.64(1H,d,J=3.5Hz),5.68(1
H,d,J=7.0Hz),5.90(1H,t,J=
8Hz),6.05(1H,dd,J=3.5,8H
z),6.25(1H,t,J=8Hz),6.30
(1H,s),7.2−7.6(16H,m),7.7
5(2H,d,J=7Hz),8.15(2H,d,J
=7Hz)。
【0106】実施例55 4α,10β−ジアセトキシ−13α−{(2R,3
S)−3−ベンゾイルアミノ−2−〔((3S)−3−
ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−エトキシカルボ
ニルプロピオニルオキシ)アセトキシ〕−3−フェニル
プロピオニルオキシ}−2α−ベンゾイルオキシ−5
β,20−エポキシ−1β,7β−ジヒドロキシタキス
−11−エン−9−オン195mgを実施例28と同様
に処理することにより、4α,10β−ジアセトキシ−
13α−{(2R,3S)−3−ベンゾイルアミノ−2
−〔((3S)−3−アミノ−3−エトキシカルボニル
プロピオニルオキシ)アセトキシ〕−3−フェニルプロ
ピオニルオキシ}−2α−ベンゾイルオキシ−5β,2
0−エポキシ−1β,7β−ジヒドロキシタキス−11
−エン−9−オン・メタンスルホン酸塩を得る。
【0107】溶解度:0.3mg/ml(生理食塩水) m.p.:113−115℃(分解) FABMS(m/z):1055(MH+ ) NMR(DMSO−d6 ,δ):0.99(3H,
s),1.02(3H,s),1.21(3H,t,J
=7Hz),1.59(3H,s),1.77(3H,
s),1.59−1.79(2H,m),2.1−2.
31(2H,m),2.11(3H,s),2.20
(3H,s),2.30(3H,s),2.9−3.1
(2H,m),3.55(1H,d,J=7Hz),
3.9−4.4(6H,m),4.82−4.86(4
H,m),5.32(1H,m),5.40(1H,
d,J=7Hz),5.50−5.56(1H,m),
5.8(1H,m),6.28(1H,s),7.2−
8.0(15H,m),8.43(3H,brs),
9.26(1H,d,J=8.5Hz)。
【0108】実施例56 (1)アルゴン雰囲気中、(3S)−3−ベンジルオキ
シカルボニルアミノ−3−エトキシカルボニルプロピオ
ニルオキシ酢酸972mgのテトラヒドロフラン10m
l溶液を−10℃に冷却する。トリエチルアミン278
mg及びクロロ炭酸イソプロピル337mgを加え、3
0分間攪拌する。反応混合物に4α−アセトキシ−13
α−〔(2R,3S)−3−tert−ブトキシカルボ
ニルアミノ−2−ヒドロキシ−3−(4−フルオロフェ
ニル)プロピオニルオキシ〕−2α−ベンゾイルオキシ
−5β,20−エポキシ−1β,7β,10β−トリヒ
ドロキシタキス−11−エン−9−オン454mgのテ
トラヒドロフラン10ml溶液を滴下し、更に7時間攪
拌する。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液2
0mlを加えた後、酢酸エチルで抽出する。有機層を
水、飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥する。
溶媒を留去して、得られる残査をシリカゲルフラッシュ
カラムクロマトグラフィー〔溶媒:酢酸エチル−ヘキサ
ン(2:1)〕で精製し、4α−アセトキシ−13α−
{(2R,3S)−3−tert−ブトキシカルボニル
アミノ−2−〔((3S)−3−ベンジルオキシカルボ
ニルアミノ−3−エトキシカルボニルプロピオニルオキ
シ)−アセトキシ〕−3−(4−フルオロフェニル)プ
ロピオニルオキシ}−2α−ベンゾイルオキシ−5β,
20−エポキシ−1β,7β,10β−トリヒドロキシ
タキス−11−エン−9−オン544mgを得る。物性
値は実施例24で得られた化合物と同一であった。
【0109】(2)4α−アセトキシ−13α−{(2
R,3S)−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ
−2−〔((3S)−3−ベンジルオキシカルボニルア
ミノ−3−エトキシカルボニルプロピオニルオキシ)−
アセトキシ〕−3−(4−フルオロフェニル)プロピオ
ニルオキシ}−2α−ベンゾイルオキシ−5β,20−
エポキシ−1β,7β,10β−トリヒドロキシタキス
−11−エン−9−オン520mgのテトラヒドロフラ
ン50ml溶液にメタンスルフォン酸0.032ml及
びパラジウム−炭素250mgを加える。室温、常圧で
1時間接触水素添加する。反応混合物から触媒をろ別し
た後、ろ液を濃縮する。濃縮液にジエチルエーテルを加
え、氷浴で冷却しながら、30分間攪拌する。析出物を
グラスフィルターを用いてろ取し、ジエチルエーテルで
よく洗浄する。減圧で乾燥し、4α−アセトキシ−13
α−{(2R,3S)−3−tert−ブトキシカルボ
ニルアミノ−2−〔((3S)−3−アミノ−3−エト
キシカルボニルプロピオニルオキシ)−アセトキシ〕−
3−(4−フルオロフェニル)プロピオニルオキシ}−
2α−ベンゾイルオキシ−5β,20−エポキシ−1
β,7β,10β−トリヒドロキシタキス−11−エン
−9−オン・メタンスルホン酸塩を得る。物性値は実施
例50で得られた化合物と同一であった。
【0110】参考例1 (1)フェリシアン化カリウム9.88g及び炭酸カリ
ウム4.14gのtert−ブタノール−水(1:1)
100ml溶液に、1,4−ビス(9−O−ジヒドロキ
ニジル)フタラジン78mgを加え、室温で30分間撹
拌する。反応液にリン酸を加えてpHを約11に調整
し、四酸化オスミウムのトルエン溶液(0.4M)0.
05mlを加え、室温で30分間撹拌する。反応液を氷
浴で冷却し、(2’,4’−ジフルオロ)けい皮酸メチ
ルエステル1.98gを加えた後、室温で一晩撹拌す
る。反応液を氷浴で冷却し、亜硫酸ナトリウム15gを
加え、室温で30分間撹拌した後、酢酸エチルを加え、
有機層を分取する。溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー(溶媒;ヘキサン:酢酸エ
チル=1:1)で精製し、更にジクロロメタン−ヘキサ
ンから再結晶して、(2S,3R)−3−(2,4−ジ
フルオロフェニル)−2,3−ジヒドロキシプロピオン
酸メチルエステル1.73gを得る。
【0111】[α]D 20 −10.0°(c=1,クロ
ロホルム) IR(nujol,cm-1):3440,3360,1
750 MS(m/z):232(M+ ) NMR(CDCl3 ,δ):2.89(1H,d,J=
7.3Hz),3.22(1H,d,J=5.9H
z),3.85(3H,s),4.35(1H,dd,
J=3.0,5.9Hz),5.29(1H,dd,J
=3.0,7.3Hz),6.81(1H,m),6.
92(1H,m),7.52(1H,m)。
【0112】(2)アルゴン雰囲気下、(2S,3R)
−3−(2,4−ジフルオロフェニル)−2,3−ジヒ
ドロキシプロピオン酸メチルエステル955mgのジク
ロロメタン30ml溶液を0℃に冷却し、p−トルエン
スルホニルクロリド940mg及びトリエチルアミン6
24mgを加える。0℃で3日間撹拌した後、反応液を
水洗、乾燥し、溶媒を留去する。残渣をシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィー(溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=
2:1)で精製して、(2S,3R)−3−(2,4−
ジフルオロフェニル)−3−ヒドロキシ−2−(p−ト
ルエンスルホニルオキシ)プロピオン酸メチルエステル
1.15gを得る。
【0113】IR(nujol,cm-1):3500,
1745 FAB−MS(m/z):409(M+ +Na) NMR(CDCl3 ,δ):2.43(3H,s),
2.75(1H,d,J=7Hz),3.76(3H,
s),5.00(1H,d,J=3Hz),5.41
(1H,dd,J=3,7Hz),6.57(1H,
m),6.79(1H,m),7.20(2H,m),
7.37(1H,m),7.53(2H,m)。
【0114】(3)(2S,3R)−3−(2,4−ジ
フルオロフェニル)−3−ヒドロキシ−2−(p−トル
エンスルホニルオキシ)プロピオン酸メチルエステル
1.12gのジメチルホルムアミド15ml溶液に、水
0.26ml及び炭酸カリウム1.20gを加え、室温
で一晩撹拌する。反応液に酢酸エチルと氷水を加え、有
機層を分取する。有機層を水洗、乾燥後、溶媒を留去
し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶
媒;ヘキサン:酢酸エチル=10:1)で精製して、
(2R,3R)−3−(2,4−ジフルオロフェニル)
−2,3−エポキシプロピオン酸メチルエステル502
mgを得る。
【0115】IR(nujol,cm-1):1760,
1740 FAB−MS(m/z):237(M+ +Na) NMR(CDCl3 ,δ):3.60(3H,s),
3.87(1H,dd,J=4.4Hz),4.36
(1H,d,J=4.4Hz),6.80(1H,
m),6.88(1H,m),7.48(1H,m)。
【0116】(4)アルゴン雰囲気下、(2R,3R)
−3−(2,4−ジフルオロフェニル)−2,3−エポ
キシプロピオン酸メチルエステル237mgのメタノー
ル−水(8:1)9ml溶液にギ酸メチル1ml及びア
ジ化ナトリウム360mgを加え、50℃で43時間撹
拌する。反応液を冷却し、酢酸エチルと氷水を加え、有
機層を分取する。有機層を水洗、乾燥後、溶媒を留去
し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶
媒;ヘキサン:酢酸エチル=5:1)で精製して、(2
R,3S)−3−(2,4−ジフルオロフェニル)−3
−アジド−2−ヒドロキシプロピオン酸メチルエステル
274mgを得る。
【0117】IR(nujol,cm-1):3480,
2120,1750 FAB−MS(m/z):258(MH+ ) NMR(CDCl3 ,δ):3.15(1H,d,J=
6.7Hz),3.89(3H,s),4.38(1
H,dd,J=2.7,6.7Hz),5.22(1
H,d,J=2.7Hz),6.87(1H,m),
6.96(1H,m),7.65(1H,m)。
【0118】(5)(2R,3S)−3−(2,4−ジ
フルオロフェニル)−3−アジド−2−ヒドロキシプロ
ピオン酸メチルエステル519mgの酢酸エチル20m
l溶液に重炭酸ジtert−ブチル529mgと10%
パラジウム−炭素200mgを加え、水素雰囲気下(1
気圧)で室温で9時間撹拌する。触媒をろ去し、ろ液を
減圧濃縮する。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィー(溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=4:1)で精製し
て(2R,3S)−3−(2,4−ジフルオロフェニ
ル)−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−
ヒドロキシプロピオン酸メチルエステル594mgを得
る。
【0119】[α]D 20 −13.59°(c=1,ク
ロロホルム) IR(nujol,cm-1):3500,3380,1
740,1680 FAB−MS(m/z):332(MH+ ) NMR(CDCl3 ,δ):1.41(9H,s),
3.16(1H,d,J=4.2Hz),3.86(3
H,s),4.42(1H,br),5.39(1H,
br),5.48(1H,br),6.8−6.9(2
H,m),7.33(1H,m)。
【0120】(6)(2R,3S)−3−(2,4−ジ
フルオロフェニル)−3−tert−ブトキシカルボニ
ルアミノ−2−ヒドロキシプロピオン酸メチルエステル
515mgのベンゼン30ml溶液に、イソプロペニル
メチルエーテル0.3mlとピリジニウムp−トルエン
スルホネート39mgを加え、室温で30分間撹拌す
る。更に90℃で30分間撹拌した後、室温まで冷却
し、イソプロペニルメチルエーテル0.3mlを加え、
90℃で30分間撹拌する。再び室温まで冷却し、イソ
プロペニルメチルエーテル0.15mlを加え、90℃
で4時間撹拌する。反応液を減圧下濃縮し、残渣をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒;トルエン:酢
酸エチル=50:1)で精製して、(4S,5R)−3
−tert−ブトキシカルボニル−2,2−ジメチル−
4−(2,4−ジフルオロフェニル)−5−オキサゾリ
ジンカルボン酸メチルエステル428mgを得る。
【0121】IR(nujol,cm-1):1760,
1740,1700 FAB−MS(m/z):394(M+ +Na) NMR(CDCl3 ,δ):1.19(9H,br
s),1.69(3H,s),1.76(3H,s),
3.80(3H,s),4.47(1H,d,J=6H
z),5.36(1H,br),6.82(1H,
m),6.90(1H,m),7.30(1H,m)。
【0122】(7)(4S,5R)−3−tert−ブ
トキシカルボニル−2,2−ジメチル−4−(2,4−
ジフルオロフェニル)−5−オキサゾリジンカルボン酸
メチルエステル402mgのメタノール10ml溶液
に、氷冷下、水酸化リチウム31mgの水5ml溶液を
滴下する。室温で45分間撹拌した後、反応液を減圧下
濃縮し、濃縮液に水−ジエチルエーテルを加え、水層を
分取する。水層に氷冷下で10%塩酸を加え、pHを約
2とし、クロロホルムで抽出する。クロロホルム層を水
洗、乾燥後、溶媒を留去して、(4S,5R)−3−t
ert−ブトキシカルボニル−2,2−ジメチル−4−
(2,4−ジフルオロフェニル)−5−オキサゾリジン
カルボン酸385mgを得る。
【0123】IR(neat,cm-1):3200−2
980,1740,1700,1680 FAB−MS(m/z):380(M+ +Na) NMR(CDCl3 ,δ):1.21(9H,br
s),1.72(3H,s),1.78(3H,s),
4.53(1H,d,J=5.9Hz),4.7(1
H,br),5.37(1H,br),6.82(1
H,m),6.91(1H,m),7.31(1H,
m)。
【0124】参考例2 参考例1と同様にして下記第23表記載のカルボン酸化
合物を得る。
【0125】
【表26】
【0126】参考例3 (1)(4S,5R)−3−tert−ブトキシカルボ
ニル−2,2−ジメチル−4−(2,4−ジフルオロフ
ェニル)−5−オキサゾリジンカルボン酸0.36g、
4α−アセトキシ−2α−ベンゾイルオキシ−5β,2
0−エポキシ−1β,13α−ジヒドロキシ−7β,1
0β−ビス(2,2,2−トリクロロエトキシカルボニ
ルオキシ)タキス−11−エン−9−オン0.572
g、N,N−ジシクロヘキシルカルボジイミド0.21
1g及び4−ジメチルアミノピリジン0.039gのト
ルエン20ml溶液をアルゴン雰囲気下、80℃で2時
間30分撹拌する。反応混合物を冷却後、不溶物をろ去
し、ろ液を減圧濃縮する。残渣をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィー(溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=4:
1)で精製し、4α−アセトキシ−2α−ベンゾイルオ
キシ−13α−〔(4S,5R)−3−tert−ブト
キシカルボニル−2,2−ジメチル−4−(2,4−ジ
フルオロフェニル)オキサゾリジン−5−イルカルボニ
ルオキシ〕−5β,20−エポキシ−1β−ヒドロキシ
−7β,10β−ビス(2,2,2−トリクロロエトキ
シカルボニルオキシ)タキス−11−エン−9−オン
0.721gを得る。
【0127】FABMS(m/z):1234(MH+
+2) (2)4α−アセトキシ−2α−ベンゾイルオキシ−1
3α−〔(4S,5R)−3−tert−ブトキシカル
ボニル−2,2−ジメチル−4−(2,4−ジフルオロ
フェニル)オキサゾリジン−5−イルカルボニルオキ
シ〕−5β,20−エポキシ−1β−ヒドロキシ−7
β,10β−ビス(2,2,2−トリクロロエトキシカ
ルボニルオキシ)タキス−11−エン−9−オン0.6
94gのギ酸15ml溶液を室温で18時間撹拌する。
ギ酸を留去し、残渣に少量のエタノール及びジイソプロ
ピルエーテルを加え、析出物をろ取し、乾燥して、4α
−アセトキシ−2α−ベンゾイルオキシ−13α−
〔(2R,3S)−3−アミノ−3−(2,4−ジフル
オロフェニル)−2−ヒドロキシプロピオニルオキシ〕
−5β,20−エポキシ−1β−ヒドロキシ−7β,1
0β−ビス(2,2,2−トリクロロエトキシカルボニ
ルオキシ)タキス−11−エン−9−オン・ギ酸塩0.
526gを得る。
【0128】FABMS(m/z):1094(MH+
+2) (3)4α−アセトキシ−2α−ベンゾイルオキシ−1
3α−〔(2R,3S)−3−アミノ−3−(2,4−
ジフルオロフェニル)−2−ヒドロキシプロピオニルオ
キシ〕−5β,20−エポキシ−1β−ヒドロキシ−7
β,10β−ビス(2,2,2−トリクロロエトキシカ
ルボニルオキシ)タキス−11−エン−9−オン・ギ酸
塩0.526gのテトラヒドロフラン12ml溶液に、
炭酸水素ナトリウム0.116gを加え、次いで、氷冷
下に重炭酸ジ−tert−ブチル0.201gのテトラ
ヒドロフラン3ml溶液を滴下する。混合物を室温で、
18時間撹拌する。不溶物をろ去し、ろ液を減圧濃縮
し、残渣を酢酸エチルに溶解する。酢酸エチル層を水
洗、乾燥後、溶媒を留去する。残渣をシリカゲルカラム
クロマトグラフィー(溶媒;トルエン:酢酸エチル=
5:1)で精製して、4α−アセトキシ−2α−ベンゾ
イルオキシ−13α−〔(2R,3S)−3−tert
−ブトキシカルボニルアミノ−3−(2,4−ジフルオ
ロフェニル)−2−ヒドロキシプロピオニルオキシ〕−
5β,20−エポキシ−1β−ヒドロキシ−7β,10
β−ビス(2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル
オキシ)タキス−11−エン−9−オン0.288gを
得る。
【0129】FABMS(m/z):1194(MH+
+2) (4)4α−アセトキシ−2α−ベンゾイルオキシ−1
3α−〔(2R,3S)−3−tert−ブトキシカル
ボニルアミノ−3−(2,4−ジフルオロフェニル)−
2−ヒドロキシプロピオニルオキシ〕−5β,20−エ
ポキシ−1β−ヒドロキシ−7β,10β−ビス(2,
2,2−トリクロロエトキシカルボニルオキシ)タキス
−11−エン−9−オン0.26gのメタノール−酢酸
(12ml−3ml)溶液に、亜鉛末0.71gを加
え、60℃に加熱し、1時間30分撹拌する。混合物を
冷却後、亜鉛をろ去し、ろ液を減圧濃縮する。残渣を酢
酸エチルに溶解し、水洗、乾燥後、溶媒を留去する。残
渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒;ヘキ
サン:酢酸エチル=2:3)で精製して、4α−アセト
キシ−2α−ベンゾイルオキシ−13α−〔(2R,3
S)−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−
(2,4−ジフルオロフェニル)−2−ヒドロキシプロ
ピオニルオキシ〕−5β,20−エポキシ−1β,7
β,10β−トリヒドロキシタキス−11−エン−9−
オン0.091gを得る。
【0130】IR(nujol,cm-1):3440,
1720,1460,1380,1270,1250,
1110 FABMS(m/z):844(MH+ ) NMR(CDCl3 ,δ):1.13(3H,s),
1.26(3H,s),1.31(9H,s),1.6
0(1H,s),1.73(1H,s),1.76(3
H,s),1.85(1H,m),1.93(3H,
s),2.2−2.4(2H,m),2.43(3H,
s),2.59(1H,m),3.38(1H,b
r),3.93(1H,d,J=7Hz),4.20
(1H,d,J=8Hz),4.22(2H,m),
4.33(1H,d,J=8Hz),4.56(1H,
br),4.96(1H,d−like),5.21
(1H,s),5.39(1H,d−like),5.
53(1H,brd),5.69(1H,d,J=7H
z),6.29(1H,t−like),6.87(1
H,m),6.93(1H,m),7.38(1H,
m),7.50(2H,t−like),7.60(1
H,t−like),8.12(2H,d,J=7H
z) 参考例4 (1)参考例3−(1)と同様にして、対応原料化合物
から下記第24表記載の化合物を得る。
【0131】
【表27】
【0132】(2)参考例3−(2)と同様にして、対
応原料化合物から下記第25表記載の化合物を得る。
【0133】
【表28】
【0134】(3)参考例3−(3)と同様にして、対
応原料化合物から下記第26表記載の化合物を得る。
【0135】
【表29】
【0136】
【表30】
【0137】(4)参考例3−(4)と同様にして、対
応原料化合物から下記第27表記載の化合物を得る。
【0138】
【表31】
【0139】
【表32】
【0140】
【発明の効果】本発明の目的化合物〔I〕又はその薬理
的に許容しうる塩は、水溶性及び安定性が高いと共に、
優れた抗腫瘍活性を有する。例えば、本発明のタキソー
ル誘導体は、P−388細胞を腹腔内に移植したマウ
ス、ヒト乳癌MX−1細胞を皮下移植したヌードマウス
或いはB16メラノーマ細胞を腹腔または皮下移植した
マウスにおいて有意な抗腫瘍作用及び延命効果を奏す
る。
【0141】また、本発明のタキソール誘導体又はその
薬理的に許容しうる塩は、毒性が低く、溶解度が高い。
例えば、4α−アセトキシ−13α−{(2R,3S)
−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−
〔((3S)−3−アミノ−3−エトキシカルボニルプ
ロピオニルオキシ)アセトキシ〕−3−フェニルプロピ
オニルオキシ}−2α−ベンゾイルオキシ−5β,20
−エポキシ−1β,7β,10β−トリヒドロキシタキ
ス−11−エン−9−オン・メタンスルホン酸塩(溶解
度:5mg/ml)または4α−アセトキシ−13α−
{(2R,3S)−3−tert−ブトキシカルボニル
アミノ−2−〔((3S)−3−アミノ−3−(2−メ
トキシエトキシカルボニル)プロピオニルオキシ)アセ
トキシ〕−3−フェニルプロピオニルオキシ}−2α−
ベンゾイルオキシ−5β,20−エポキシ−1β,7
β,10β−トリヒドロキシタキス−11−エン−9−
オン・メタンスルホン酸塩(溶解度:10mg/ml)
をBDF1 マウスに1日4回腹腔内投与(25mg/k
g)し、20日間観察したが、死亡例は認められなかっ
た。
【0142】このため、本発明の目的物〔I〕は乳癌、
卵巣癌、肺癌、悪性黒色腫等の広範囲の腫瘍の治療に適
用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C07D 405/12 207 C07D 405/12 207 407/12 305 407/12 305 409/12 305 409/12 305 C07K 5/06 C07K 5/06 // A61K 31/00 635 A61K 31/00 635 38/00 37/02 (56)参考文献 特表 平10−504319(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07D 305/00 - 305/14 C07D 405/00 - 405/12 207 C07D 407/00 - 407/12 305 C07D 409/00 - 409/12 305 C07K 5/00 - 5/06 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式〔I〕 【化1】 〔但し、Rは水素原子又は低級アルカノイル基、R3 は
    低級アルカノイル基、R4 は低級アルキル基、低級アル
    コキシ基及びハロゲン原子から選ばれる基で置換されて
    いてもよいベンゾイル基、R5 はハロゲン原子及び低級
    アルコキシ基から選ばれる基で置換されていてもよい
    級アルコキシカルボニル基(該低級アルコキシカルボニ
    ル基はシクロアルキル部分を有していてもよい)、ハロ
    ゲン原子及び低級アルコキシ基から選ばれる基で置換さ
    れていてもよい低級アルカノイル基又はハロゲン原子及
    び低級アルコキシ基から選ばれる基で置換されていても
    よいアリールカルボニル基、Xはハロゲン原子、低級ア
    ルキル基及び低級アルコキシ基から選ばれる基で置換さ
    れていてもよいアリール基、ハロゲン原子及び低級アル
    コキシ基から選ばれる基で置換されていてもよい低級ア
    ルケニル基又はハロゲン原子及び低級アルコキシ基から
    選ばれる基で置換されていてもよい低級アルキニル基、
    Yはα−もしくはβ−アミノ酸又はこれらで構成される
    ジペプチドの1つのカルボキシル基から水酸基を除いた
    残基(当該残基中に存するアミノ基及び/又はカルボキ
    シル基は保護されていてもよい)、Zは式−O−または
    −NH−で示される基を表し、nは1〜6の整数を表
    す。〕で示される化合物又はその薬理的に許容し得る
    塩。
  2. 【請求項2】 R5 がハロゲン原子及び低級アルコキシ
    基から選ばれる1〜3個の基で置換されていてもよい低
    級アルコキシカルボニル基(該低級アルコキシカルボニ
    ル基は3〜5員のシクロアルキル部分を有していてもよ
    い)、ハロゲン原子で置換されていてもよい低級アルカ
    ノイル基、1〜2個の低級アルコキシ基で置換されてい
    てもよいベンゾイル基、フランカルボニル基又はチオフ
    ェンカルボニル基、Xがハロゲン原子、低級アルキル基
    及び低級アルコキシ基から選ばれる1〜2個の基で置換
    されていてもよいフェニル基又は非置換低級アルケニル
    基、Yが天然アミノ酸もしくはその対掌体、又は天然ア
    ミノ酸もしくはその対掌体で構成されるジペプチドの1
    つのカルボキシル基から水酸基を除いた残基 (当該残基
    中に存するアミノ基はベンジルオキシカルボニル基で、
    またカルボキシル基は低級アルコキシ基で置換されてい
    てもよい低級アルキル基またはアミノ基で保護されてい
    てもよい)である請求項1記載の化合物。
  3. 【請求項3】 Xがハロゲン原子及び低級アルコキシ基
    から選ばれる1〜2個の基で置換されていてもよいフェ
    ニル基である請求項記載の化合物。
  4. 【請求項4】 Yがアスパラギン、アスパラギン酸、プ
    ロリン、グリシン、アラニンもしくはβ−アラニン、又
    はこれらアミノ酸で構成されるジペプチドの1つのカル
    ボキシル基から水酸基を除いた残基(当該残基中に存す
    るアミノ基はベンジルオキシカルボニル基で、またカル
    ボキシル基は低級アルコキシ基で置換されていてもよい
    低級アルキル基またはアミノ基で保護されていてもよ
    い)である請求項記載の化合物。
  5. 【請求項5】 Yがアスパラギン酸、プロリン、グリシ
    ン、アラニン、β−アラニン又はグリシルグリシンの1
    つのカルボキシル基から水酸基を除いた残基(当該残基
    中に存するアミノ基はベンジルオキシカルボニル基で、
    またカルボキシル基は低級アルコキシ基で置換されてい
    てもよい低級アルキル基またはアミノ基で保護されてい
    てもよい)である請求項記載の化合物。
  6. 【請求項6】 Rが水素原子、R3 がアセチル基、R4
    がベンゾイル基、R5 が低級アルコキシカルボニル基で
    あり、Yがアラニル基、プロリル基、グリシルグリシル
    基またはβ−アスパルチル基(カルボキシル基は低級ア
    ルコキシ基で置換されていてもよい低級アルキル基で保
    護されていてもよい)である請求項記載の化合物。
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