JP2963851B2 - クレー舗装材 - Google Patents

クレー舗装材

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JP2963851B2 JP28065094A JP28065094A JP2963851B2 JP 2963851 B2 JP2963851 B2 JP 2963851B2 JP 28065094 A JP28065094 A JP 28065094A JP 28065094 A JP28065094 A JP 28065094A JP 2963851 B2 JP2963851 B2 JP 2963851B2
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久雄 大沢
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  • Road Paving Structures (AREA)
  • Soil Conditioners And Soil-Stabilizing Materials (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、グラウンドなどの一部
に用いる硬質のクレー舗装材に関する。
【0002】
【従来の技術】野球場のマウンドやバッターボックスを
はじめとする、スパイクによって酷使される土のグラウ
ンドは、表層土がスパイク等の使用によって容易に掘り
起こされ、破壊、微粉化されることによりたちまち軟弱
化し、足元のグリップ力が弱くなるなど、長時間、安定
したグラウンド状態を維持することが困難になってい
る。
【0003】例えば野球の場合、ピッチャーが投球する
ときに踏出す足元は、試合開始時、充分に締め固められ
ているが、わずかなピッチング回数によりスパイクによ
る硬度破壊が生じるため、踏出した足元に安定したグリ
ップ力が得られなくなり、全力で速球を投じることが困
難となったり、あるいは、バッターボックスに立っての
バッティングについても同じように、足元の安定感が低
下しやすく、フルスィングに影響を及ぼしている。
【0004】さらにこの状態でわずかでも雨が降ると、
軟弱化した土が雨水を吸込み、泥濘化するため、すぐに
も使用不能になる場合がほとんどである。
【0005】またメンテナンスにおいても、軟弱化した
グラウンド表層の締め固めは、作業に長い時間と熟練し
た技術を要するため、使用頻度の高い施設にあっては、
必要且つ充分なメンテナンスが保持できない場合もあ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、これらスパ
イク等による軟弱化、更に生じる雨等による泥濘化、及
びメンテナンスの施工性に着目してなされたもので、ス
パイクに対する適度な硬度の保持、泥濘化の防止、及び
維持管理の簡便性等を改善することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、硬質粘土に酢
酸ビニール系樹脂及び硬化材としてポルトランドセメン
ト又は硫酸カルシウムを混合し、加水、混練し、成形、
乾燥させることにより硬質のブロック状の土材料とす
る。
【0008】上記発明において、硬質粘土を容積比で9
0〜50%、酢酸ビニール系樹脂を容積比で10〜50
%、ポルトランドセメント又は硫酸カルシウムを容積比
で0.1〜5%の割合で混合する。
【0009】また、本発明は、硬質粘土に酢酸ビニール
系樹脂及び硬化材としてポルトランドセメント又は硫酸
カルシウムを混合し着色材を添加した後、加水、混練
し、成形、乾燥させることにより硬質のブロック状の土
材料とする。
【0010】上記発明において、着色材は硬質粘土と酢
酸ビニール系樹脂の混合総量に対して重量比で0.1〜
5%添加する。
【0011】
【発明の効果】本発明によれば、硬質粘土を基本とし
て、酢酸ビニール系樹脂及びポルトランドセメント又は
硫酸カルシウムを混練すると、適度な硬度、粘性、及び
クッション性を持つ土材料となる。これは、硬質粘土の
硬度、及び粘性に加え、酢酸ビニール系樹脂の弾力性と
粘着力及び耐水性、及びポルトランドセメント又は硫酸
カルシウムの自硬効果が相乗効果となって現れるためで
ある。
【0012】酢酸ビニール系樹脂の粘着力は、成形品が
摩耗により消耗されるよう作用するため、使用中に成形
品が割れたり、スパイク等によって小塊が露出するなど
の、使用上の不具合が全く生じない。
【0013】耐水性については、酢酸ビニール系樹脂の
粘着力とポルトランドセメント又は硫酸カルシウムの自
硬効果が硬質粘土の結着力を高めており、硬質粘土が吸
水することによって破壊されることを防止している。
【0014】これらにより、成型品は長期間にわたり現
況の維持が可能で、メンテナンスが容易になる。
【0015】また、成形時にあって、一般に硬質粘土の
成形、乾燥の製造工程において、その乾燥収縮は成形品
に亀裂を生じさせるため、その大きさに限界があり、こ
れが煉瓦ブロック等の大きさを一定の小型のものに制限
しているのであるが、ポルトランドセメント又は硫酸カ
ルシウムの自硬効果が硬質粘土の乾燥収縮以前に効果を
発揮するために、硬質粘土の乾燥収縮現象が抑制され、
亀裂が生じにくく大型ブロックの成形、乾燥を可能にし
ている。
【0016】また、別の発明によれば、着色材の添加に
より、成形品の色を施工される周囲の舗装材と同系色に
することができるため、成形品の消耗が進行する際、そ
の微粉が周囲の舗装材に混合されても違和感が生じな
い。
【0017】
【実施例】基本的な素材組成として、粉体の硬質粘土に
酢酸ビニール系樹脂とポルトランドセメント又は硫酸カ
ルシウム、及び着色材を用い、これらを混合する。
【0018】この場合、硬質粘土は木節粘土又は、蛙目
(がいろめ)粘土を使用し、混合量は容積比で90〜5
0%とする。酢酸ビニール系樹脂は、粉体の酢酸ビニー
ル共重合樹脂を用い、その混合量は容積比で10〜50
%とする。ポルトランドセメントの添加量は、硬質粘土
と酢酸ビニール系樹脂の混合総量に対して容積比で0.
1〜5.0%とする。ポルトランドセメントの添加量
は、多量になると、製品の仕上り状態において、コンク
リート製品に近い硬度となるため、目的とするクレー舗
装材として使用に適さない。着色材の添加量は、その色
に応じて硬質粘土と酢酸ビニール系樹脂の混合総量の容
積に対する重量比で0.1〜5.0%とする。
【0019】これらの各素材を充分に均一に混合した
後、含水比が10〜20%となるように加水し、混練す
る。混練した素材は所定の型枠にいれて成形し、乾燥さ
せたのち離型する。この場合、型枠の一例としては、内
寸で300ミリ×300ミリ×50ミリ〜400ミリ×
400ミリ×100ミリとする。
【0020】一般に硬質粘土の成形、乾燥の製造工程に
おいて、その乾燥収縮は成形品に亀裂を生じさせるた
め、その大きさにおのずと限界があるが、この場合、ポ
ルトランドセメントの自硬効果が硬質粘土の乾燥収縮以
前に効果を発揮するために、硬質粘土の乾燥収縮現象が
抑制され、亀裂が生じにくく、このように一辺が300
ミリ以上の大型ブロックの成形、乾燥を可能にしてい
る。
【0021】このようにして成形したクレー舗装材を、
野球場のスパイクによって酷使される部分、ピッチャー
マウンドやバッターボックス等に所定の深さに埋設し、
その表面を、現状で使用されている表層材を1〜10c
mの厚さで覆い整正、転圧して仕上げる。
【0022】スパイク等による土の掘り起こしがクレー
舗装材の表面部分までとなり、掘り起こし量が激減する
ため、使用中、硬度が維持されると共に、プレー後の締
め固め等のメンテナンスに要する時間が短縮され、硬度
を向上させることについても技術を必要としなくなる。
【0023】これは、硬質粘土に酢酸ビニール系樹脂及
びポルトランドセメントを混練すると、適度な硬度、粘
性、及びクッション性を持つ土材料となり、硬質粘土の
硬度、及び粘性に加え、酢酸ビニール系樹脂の弾力性と
粘着力、及びポルトランドセメントの自硬効果が相乗効
果となって現れるためである。酢酸ビニール系樹脂の粘
着力は、成形品が摩耗により消耗されるよう作用し、使
用中に成形品が割れたり、スパイク等によって小塊が露
出するなどの不具合を防止する。
【0024】加えて、成形品は、酢酸ビニール系樹脂の
粘着力とポルトランドセメントの自硬効果が硬質粘土の
結着力を高め、硬質粘土が吸水することによって破壊さ
れることを防止し、高い耐水性を発揮することから、雨
等水に濡れても泥濘化することがなく、また、使用する
酢酸ビニール系樹脂が水に対して不溶であるため流失に
よる効果の低下がなく、水による弊害は除かれる。
【0025】したがって少量の雨については、そのまま
プレーの続行を可能とし、また雨天後には早期のグラウ
ンドの使用を可能とする。
【0026】着色材が添加されていることから、摩耗し
た際、その微粉が周囲の土壌と混合されたときに、この
成形品からの微粉を見分けることが困難であり、違和感
を生じないという特性が得られる。
【0027】なお、この実施例ではポルトランドセメン
トを混合したが、この代わりに硫酸カルシウムを同量だ
け混合しても、同様な作用、効果が得られる。
【0028】また、この実施例では野球場のグラウンド
として本発明を適用した例を示したが、これに限らず、
種々のグラウンド、広場、道路等にもひろく応用できる
ことは言うまでもない。この場合、各素材の混合比率
は、目的用途に応じて、上記した範囲内で適宜、変化さ
せることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // C09K 103:00 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C09K 17/06 C09K 17/20 C09K 17/44 C09K 17/48 E01C 5/22

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 硬質粘土に酢酸ビニール系樹脂及び硬化
    材としてポルトランドセメント又は硫酸カルシウムを混
    合し、加水、混練し、成形、乾燥させることにより硬質
    のブロック状の土材料とすることを特徴とするクレー舗
    装材。
  2. 【請求項2】 硬質粘土を容積比で90〜50%、酢酸
    ビニール系樹脂を容積比で10〜50%、ポルトランド
    セメント又は硫酸カルシウムを容積比で0.1〜5%の
    割合で混合する請求項1に記載のクレー舗装材。
  3. 【請求項3】 硬質粘土に酢酸ビニール系樹脂及び硬化
    材としてポルトランドセメント又は硫酸カルシウムを混
    合し着色材を添加した後、加水、混練し、成形、乾燥さ
    せることにより硬質のブロック状の土材料とすることを
    特徴とするクレー舗装材。
  4. 【請求項4】 着色材は硬質粘土と酢酸ビニール系樹脂
    の混合総量に対して重量比で0.1〜5%添加する請求
    項3に記載のクレー舗装材。
JP28065094A 1994-11-15 1994-11-15 クレー舗装材 Expired - Fee Related JP2963851B2 (ja)

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