JP2961972B2

JP2961972B2 - 内燃機関のアイドル回転数制御装置

Info

Publication number: JP2961972B2
Application number: JP18538891A
Authority: JP
Inventors: 功人鈴木
Original assignee: Suzuki Motor Corp
Current assignee: Suzuki Motor Corp
Priority date: 1991-06-29
Filing date: 1991-06-29
Publication date: 1999-10-12
Anticipated expiration: 2014-10-12
Also published as: JPH0510185A

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は内燃機関のアイドル回
転数制御装置に係り、特に簡単な構成により高地におい
て内燃機関のアイドル運転時に外部負荷が加担された場
合の機関回転数の低下を防止し得てアイドル回転数の安
定化を果たし得る内燃機関のアイドル回転数制御装置に
関する。

【０００２】

【従来の技術】内燃機関には、アイドル運転時の機関回
転数を目標回転数に制御するアイドル回転数制御装置を
装備したものがある。アイドル回転数制御装置は、吸気
絞り弁を迂回する補助空気通路を備えるとともに、内燃
機関のアイドル運転時に補助空気通路の補助空気量を調
整して機関回転数が目標回転数になるようフィードバッ
ク制御されるアイドル回転数制御弁を備えている。

【０００３】従来のアイドル回転数制御装置としては、
特開平２−１６１１５１号公報に開示のものがある。こ
の公報に開示のものは、外部負荷の加担開始直後にこの
外部負荷に相当する負荷分の回転数の偏差に応じてフィ
ードバック補正することにより、外部負荷の加担開始直
後のアイドル回転数の低下を防止し、また、この外部負
荷の加担が停止した場合の回転の変動を防止したもので
ある。

【０００４】また、内燃機関の搭載される車両は、走行
条件が低地から高地まで変化する。このため、高地にお
いては、空気密度の低下により車両に搭載される内燃機
関のアイドル回転数が不安定になる不都合がある。そこ
で、例えば、特開平２−３０８９４２号公報に開示の如
く、第１・第２補助空気通路を設けるとともにこれら第
１・第２補助空気通路に夫々第１・第２アイドル回転数
制御弁を設け、これら第１・第２アイドル回転数制御弁
の開閉により空気密度の低下による補助空気量の不足を
補償してアイドル回転数の不安定化を防止するものであ
る。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】ところで、従来のアイ
ドル回転数制御装置を装備した内燃機関の搭載される車
両が高地に至り、内燃機関のアイドル運転時に外部負荷
が加担された場合に、空気密度の低下により車両に搭載
される内燃機関の機関回転数が低下してアイドル回転数
が不安定になる不都合がある。

【０００６】この場合に、前記特開平２−１６１１５１
号公報に開示の如く、外部負荷の加担開始直後にこの外
部負荷に相当する負荷分の回転数の偏差に応じてフィー
ドバック補正することにより、外部負荷の加担開始直後
のアイドル回転数の低下を防止するものは、空気密度の
低下による機関回転数の低下を充分に防止し得ない不都
合がある。

【０００７】また、前記特開平２−３０８９４２号公報
に開示の如く、第１・第２補助空気通路を設けるととも
にこれら第１・第２補助空気通路に夫々第１・第２アイ
ドル回転数制御弁を設けるとともに第２バイパス通路に
流量制御弁を設け、前記第１・第２アイドル回転数制御
弁の開閉により補助空気量の不足を補償するものは、空
気密度の低下による機関回転数の低下を防止し得るが、
第１・第２補助空気通路及び第１・第２アイドル回転数
制御弁からなる２系統の補助空気回路系を設けているこ
とにより、構造が複雑になる不都合がある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】このような不都合を解消
するために、この発明は、内燃機関の吸気絞り弁を迂回
する補助空気通路を備えるとともに前記内燃機関のアイ
ドル運転時に前記補助空気通路の補助空気量を調整して
機関回転数が目標回転数になるようフィードバック制御
されるアイドル回転数制御弁を備えた内燃機関のアイド
ル回転数制御装置において、前記内燃機関の外部負荷の
加担時に前記内燃機関をアイドルアップすべくオン制御
される外部負荷用アイドルアップ制御弁を設け、前記内
燃機関のアイドル運転時に大気圧により低地と判定され
た場合にはアイドル回転数制御学習値と前記外部負荷の
加担及び除去に関連して夫々設定される加担及び除去ア
イドル回転数制御スキップ値とから算出されるアイドル
回転数制御デューティ比により前記アイドル回転数制御
弁をフィードバック制御するとともに前記内燃機関のア
イドル運転時に大気圧により高地と判断された場合には
アイドル回転数制御学習値と前記外部負荷の加担及び除
去に関連して夫々設定される加担及び除去アイドル回転
数制御スキップ値とから算出されるアイドル回転数制御
デューティ比により前記アイドル回転数制御弁をフィー
ドバック制御し且つ前記外部負荷の加担及び除去に関連
して前記外部負荷用アイドルアップ制御弁をオン及びオ
フ制御する制御手段を設けたことを特徴とする。

【０００９】

【作用】この発明の構成によれば、制御手段によって、
低地においては外部負荷の加担及び除去に関連して夫々
設定される加担及び除去アイドル回転数制御スキップ値
を考慮してアイドル回転数制御弁をフィードバック制御
し、また、高地においては外部負荷の加担及び除去に関
連して夫々設定される加担及び除去アイドル回転数制御
スキップ値を考慮してアイドル回転数制御弁をフィード
バック制御し且つ外部負荷の加担及び除去に関連して外
部負荷用アイドルアップ制御弁をオン及びオフ制御する
ことにより、１系統の補助空気回路系により高地におけ
る空気密度の低下による機関回転数の低下を充分に防止
し得る。

【００１０】

【実施例】次にこの発明の実施例を図に基づいて詳細に
説明する。

【００１１】図１〜図４は、この発明の第１実施例を示
すものである。図１において、２は内燃機関、４は吸気
通路、６は排気通路である。前記吸気通路４は、上流端
にエアクリーナ８を設けるとともに、下流端を内燃機関
２の燃焼室（図示せず）に連絡している。吸気通路４に
は、吸気絞り弁１０が設けられている。この吸気絞り弁
１０よりも上流側の吸気通路４には、過給機１２のコン
プレッサ１４が設けられている。過給機１２は、吸気通
路４に設けたコンプレッサ１４を排気通路６に設けたタ
ービン１６により駆動して吸気を圧送する。

【００１２】前記内燃機関２には、図示しない燃焼室に
指向させて、吸気通路４に燃料噴射弁１８が設けられて
いる。燃料噴射弁１８は、燃料通路２０により燃料タン
ク２２に連絡されている。燃料タンク２２内には、燃料
を燃料通路２０に送給する燃料ポンプ２４が設けられて
いる。また、燃料通路２０の途中には、吸気通路４の吸
気圧により燃料圧力を調整する調整弁２６が設けられて
いる。調整弁２６は、燃料通路２０の燃料圧力を所定圧
力に調整するとともに、余剰の燃料を戻り通路２８によ
り燃料タンク２２に戻す。

【００１３】前記吸気通路４には、吸気絞り弁１０を迂
回する補助空気通路３０を設けている。補助空気通路３
０は、一端側を吸気絞り弁１０よりも上流側で且つ過給
機１２のコンプレッサ１４よりも下流側の吸気通路４に
連絡するとともに、他端側を吸気絞り弁１０よりも下流
側の燃焼室（図示せず）に至る吸気通路４に連絡してい
る。この補助空気通路３０には、内燃機関２のアイドル
運転時に機関回転数が目標回転数になるようフィードバ
ック制御されるアイドル回転数制御弁３２を設けてい
る。

【００１４】前記吸気通路４には、吸気絞り弁１０の開
度を検出する開度センサ３４と、吸気温度を検出する吸
気温センサ３６と、吸気圧力を検出する圧力センサ３８
と、が設けられている。前記内燃機関２には、回転角セ
ンサ４０と、水温センサ４２と、が設けられている。こ
れら各種センサ３４〜４２は、制御手段たる制御部４４
の入力側に接続されている。

【００１５】制御部４４の入力側には、また、外部負荷
の加担及び除去に関連した信号としてパワーステアリン
グ装置（図示せず）の駆動及び停止の信号を入力すべく
パワーステアリング装置用スイッチ４６と、空調機器
（図示せず）の駆動及び停止の信号を入力すべく空調機
器４８と、車速信号を入力すべくスピードメータ５０
と、イニシャルセット信号を入力すべくイニシャルセッ
ト部５２と、ダイアグノーシス信号を入力すべくダイグ
ノーシス信号部５４と、ＣＯ調整用信号を入力すべくＣ
Ｏ調整用抵抗部５６と、バッテリ５８と、が接続されて
いる。

【００１６】制御部４４の出力側には、前記燃料噴射弁
１８と、燃料ポンプ２４と、アイドル回転数制御弁３２
と、が接続されている。燃料ポンプ２４は、ポンプリレ
ー６０を介して接続されている。また、この制御部４４
の出力側には、内燃機関２の外部負荷たるパワーステア
リング装置の駆動時に内燃機関２をアイドルアップすべ
くオン制御される外部負荷用アイドルアップ制御弁とし
てのパワーステアリング装置用アイドルアップ制御弁６
２が接続されている。さらに、制御部４４の出力側に
は、吸気通路４への排気還流量を制御するＥＧＲ用制御
弁６４と、点火コイル６６と、モニタ６８と、ターボラ
ンプ７０と、デューティメータ７２と、が接続されてい
る。

【００１７】これにより、制御部４４は、各種センサか
ら入力する信号により、燃料噴射弁１８に噴射弁駆動信
号を出力し、燃料ポンプ２４にポンプ駆動信号を出力
し、点火コイル６６に点火指令信号を出力し、燃料噴射
弁１８から適切に燃料を噴射させるとともに点火プラグ
（図示せず）に適切に飛火させる。また、制御部４４
は、内燃機関２のアイドル運転時に、機関回転数が目標
回転数になるようアイドル回転数制御弁３２をフィード
バック制御し、補助空気通路３０の補助空気量を調整す
る。

【００１８】そして、この制御部４４は、内燃機関２の
アイドル運転時に、大気圧ＰＡＴＭにより低地と判定さ
れた場合には、アイドル回転数制御学習値ＤＮＬＮと外
部負荷の加担及び除去たるパワーステアリング装置の駆
動及び停止に関連して夫々設定される駆動及び停止アイ
ドル回転数制御スキップ値ＫＤＩＳＣＰＳ１・ＫＤＩＳ
ＣＰＳ２とから算出されるアイドル回転数制御デューテ
ィ比ＤＩＳＣにより、アイドル回転数制御弁３２をフィ
ードバック制御する。また、この制御部４４は、内燃機
関２のアイドル運転時に、大気圧ＰＡＴＭにより高地と
判断された場合には、アイドル回転数制御学習値ＤＮＬ
Ｎとパワーステアリング装置の駆動及び停止に関連して
夫々設定される駆動及び停止アイドル回転数制御スキッ
プ値ＫＤＩＳＣＰＳ１・ＫＤＩＳＣＰＳ２とから算出さ
れるアイドル回転数制御デューティ比ＤＩＳＣにより、
アイドル回転数制御弁３２をフィードバック制御し、且
つ前記パワーステアリング装置の駆動及び停止に関連し
て外部負荷用アイドルアップ制御弁たるパワーステアリ
ング装置用アイドルアップ制御弁６２をオン及びオフ制
御する。

【００１９】次に第１実施例の作用を説明する。

【００２０】この内燃機関２は、過給機１２により過給
される吸気を吸気絞り弁１０により調量して供給され、
燃料噴射弁１８により燃料を供給されるとともに点火プ
ラグ（図示せず）により点火燃焼される。燃料供給量及
び点火時期は、制御部４４によって適切に制御される。

【００２１】この内燃機関２のアイドル運転時には、制
御部４４によって、機関回転数が目標回転数になるよう
アイドル回転数制御弁３２をフィードバック制御し、補
助空気通路３０を流通する補助空気量を調整する。

【００２２】このとき、制御部４４は、図２〜図４に示
す如く、大気圧ＰＡＴＭにより低地であるか高地である
かを判定し、アイドル回転数制御弁３２及びパワーステ
アリング装置用アイドルアップ制御弁６２を制御してア
イドル回転数の安定化を果たす。

【００２３】即ち、制御部４４は、図２に示す如く、制
御がスタート（１００）すると、大気圧読み込み値ＰＡ
ＴＭが高地判定圧力値ＫＰＡＴＭＰＳＶ未満であるか否
かを判断（１０１）する。この判断（１０１）におい
て、大気圧読み込み値ＰＡＴＭが高地判定圧力値ＫＰＡ
ＴＭＰＳＶ以上でＮＯの場合には、低地であるので、図
３に示す如く制御する。

【００２４】先ず、パワーステアリング装置用スイッチ
４６から入力するパワーステアリング装置の駆動及び停
止の信号ＰＳＳがオフからオンになったか否か、つま
り、パワーステアリング装置が駆動されたか否かを判断
（１０２）する。

【００２５】この判断（１０２）がＹＥＳの場合には、
アイドル回転数制御学習値ＤＮＬＮとパワーステアリン
グ装置の駆動に関連して設定される駆動アイドル回転数
制御スキップ値ＫＤＩＳＣＰＳ１とからアイドル回転数
制御デューティ比ＤＩＳＣを算出（１０３）し、このア
イドル回転数制御デューティ比ＤＩＳＣによりアイドル
回転数制御弁３２をフィードバック制御（１０４）し
て、前記ステップ（１０１）リターンする。

【００２６】また、前記判断（１０２）がＮＯの場合に
は、パワーステアリング装置の駆動及び停止の信号ＰＳ
Ｓがオンからオフになったか否か、つまり、パワーステ
アリング装置が停止されたか否かを判断（１０５）す
る。

【００２７】この判断（１０５）がＹＥＳの場合には、
アイドル回転数制御学習値ＤＮＬＮとパワーステアリン
グ装置の停止に関連して設定される停止アイドル回転数
制御スキップ値ＫＤＩＳＣＰＳ２とからアイドル回転数
制御デューティ比ＤＩＳＣを算出（１０６）し、このア
イドル回転数制御デューティ比ＤＩＳＣによりアイドル
回転数制御弁３２をフィードバック制御（１０４）し
て、前記ステップ（１０１）リターンする。前記判断
（１０５）がＮＯの場合には、アイドル回転数制御弁３
２のフィードバック制御（１０４）の介して前記ステッ
プ（１０１）リターンする。

【００２８】一方、前記大気圧読み込み値ＰＡＴＭが高
地判定圧力値ＫＰＡＴＭＰＳＶ未満であるか否かの判断
（１０１）において、大気圧読み込み値ＰＡＴＭが高地
判定圧力値ＫＰＡＴＭＰＳＶ未満でＹＥＳの場合には、
高地であるので、図４に示す如く制御する。

【００２９】即ち、パワーステアリング装置の駆動及び
停止の信号ＰＳＳがオフからオンになったか否か、つま
り、パワーステアリング装置が駆動されたか否かを判断
（１０７）する。

【００３０】この判断（１０７）がＹＥＳの場合には、
アイドル回転数制御学習値ＤＮＬＮとパワーステアリン
グ装置の駆動に関連して設定される駆動アイドル回転数
制御スキップ値ＫＤＩＳＣＰＳ１とからアイドル回転数
制御デューティ比ＤＩＳＣを算出（１０８）し、パワー
ステアリング装置の駆動に関連してパワーステアリング
装置用アイドルアップ制御弁６２（ＶＳＶ）をオン制御
（１０９）し、前記ステップ（１０８）において算出さ
れたアイドル回転数制御デューティ比ＤＩＳＣによりア
イドル回転数制御弁３２をフィードバック制御（１１
０）して、前記ステップ（１０１）リターンする。

【００３１】また、前記判断（１０７）がＮＯの場合に
は、パワーステアリング装置の駆動及び停止の信号ＰＳ
Ｓがオンからオフになったか否か、つまり、パワーステ
アリング装置が停止されたか否かを判断（１１１）す
る。

【００３２】この判断（１１１）がＹＥＳの場合には、
アイドル回転数制御学習値ＤＮＬＮとパワーステアリン
グ装置の停止に関連して設定される停止アイドル回転数
制御スキップ値ＫＤＩＳＣＰＳ２とからアイドル回転数
制御デューティ比ＤＩＳＣを算出（１１２）し、パワー
ステアリング装置の停止に関連してパワーステアリング
装置用アイドルアップ制御弁６２（ＶＳＶ）をオフ制御
（１１３）し、前記ステップ（１１２）において算出さ
れたアイドル回転数制御デューティ比ＤＩＳＣによりア
イドル回転数制御弁３２をフィードバック制御（１１
０）して、前記ステップ（１０１）リターンする。

【００３３】このように、大気圧ＰＡＴＭにより低地で
あるか高地であるかを判定し、パワーステアリング装置
の駆動及び停止に関連してアイドル回転数制御弁３２及
びパワーステアリング装置用アイドルアップ制御弁６２
を制御することにより、従来の如く２系統の補助空気回
路系を設けることなく、１系統の補助空気回路系により
高地における空気密度の低下による機関回転数の低下を
充分に防止することができる。このため、構造の複雑化
を招くことがなく、簡単な構成により高地において内燃
機関２のアイドル運転時に外部負荷たるパワーステアリ
ング装置が駆動された場合の機関回転数の低下を防止し
得て、アイドル回転数の安定化を果たすことができる。

【００３４】なお、この第１実施例においては、パワー
ステアリング装置の駆動及び停止に関連して設定される
駆動アイドル回転数制御スキップ値ＫＤＩＳＣＰＳ１及
び停止アイドル回転数制御スキップ値ＫＤＩＳＣＰＳ２
の関係を、ＫＤＩＳＣＰＳ１＞ＫＤＩＳＣＰＳ２に設定
している。これは、パワーステアリング装置の駆動及び
停止の信号ＰＳＳがオフからオンになった場合に、外部
負荷の加担により内燃機関２への負荷が増加するので、
吸入空気量を増加させるようにアイドル回転数制御デュ
ーティ比ＤＩＳＣを大とし、また、パワーステアリング
装置の駆動及び停止の信号ＰＳＳがオンからオフになっ
た場合に、外部負荷の除去により内燃機関２への負荷が
減少するので、吸入空気量を減少させるようにアイドル
回転数制御デューティ比ＤＩＳＣを小とするからであ
る。この駆動及び停止アイドル回転数制御スキップ値Ｋ
ＤＩＳＣＰＳ１・ＫＤＩＳＣＰＳ２は、通常、アイドル
回転数のフィードバック制御時おける学習値を基準とし
ている。そこで、図３・図４に示す如く、ＫＤＩＳＣＰ
Ｓ１＞ＫＤＩＳＣＰＳ２に設定している。

【００３５】図５〜図７は、この発明の第２実施例を示
すものである。この第２実施例において、アイドル回転
数制御装置の構成は、図１と同一の構成であるので、図
１の符号を引用して説明する。

【００３６】この第２実施例においては、パワーステア
リング装置の駆動及び停止に関連して設定される駆動及
び停止アイドル回転数制御スキップ値として、低地用駆
動アイドル回転数制御スキップ値ＫＤＩＳＣＰＳ１及び
低地用停止アイドル回転数制御スキップ値ＫＤＩＳＣＰ
Ｓ２と、高地用駆動アイドル回転数制御スキップ値ＫＤ
ＩＳＣＰＳ３及び高地用停止アイドル回転数制御スキッ
プ値ＫＤＩＳＣＰＳ４と、を設定している。

【００３７】これにより、制御部４４は、内燃機関２の
アイドル運転時に、大気圧ＰＡＴＭにより低地と判定さ
れた場合には、アイドル回転数制御学習値ＤＮＬＮと外
部負荷たるパワーステアリング装置の駆動及び停止に関
連して夫々設定される低地用駆動及び停止アイドル回転
数制御スキップ値ＫＤＩＳＣＰＳ１・ＫＤＩＳＣＰＳ２
とから算出されるアイドル回転数制御デューティ比ＤＩ
ＳＣにより、アイドル回転数制御弁３２をフィードバッ
ク制御する。また、この制御部４４は、内燃機関２のア
イドル運転時に、大気圧ＰＡＴＭにより高地と判断され
た場合には、アイドル回転数制御学習値ＤＮＬＮとパワ
ーステアリング装置の駆動及び停止に関連して夫々設定
される高地用駆動及び停止アイドル回転数制御スキップ
値ＫＤＩＳＣＰＳ３・ＫＤＩＳＣＰＳ４とから算出され
るアイドル回転数制御デューティ比ＤＩＳＣにより、ア
イドル回転数制御弁３２をフィードバック制御し、且つ
前記パワーステアリング装置の駆動及び停止に関連して
外部負荷用アイドルアップ制御弁たるパワーステアリン
グ装置用アイドルアップ制御弁６２をオン及びオフ制御
する。

【００３８】次に第２実施例の作用を説明する。

【００３９】この内燃機関２は、過給機１２により過給
される吸気を吸気絞り弁１０により調量して供給され、
燃料噴射弁１８により燃料を供給されるとともに点火プ
ラグ（図示せず）により点火燃焼される。燃料供給量及
び点火時期は、制御部４４によって適切に制御される。

【００４０】この内燃機関２のアイドル運転時には、制
御部４４によって、機関回転数が目標回転数になるよう
アイドル回転数制御弁３２をフィードバック制御し、補
助空気通路３０を流通する補助空気量を調整する。

【００４１】このとき、制御部４４は、図５〜図７に示
す如く、大気圧ＰＡＴＭにより低地であるか高地である
かを判定し、アイドル回転数制御弁３２及びパワーステ
アリング装置用アイドルアップ制御弁６２を制御してア
イドル回転数の安定化を果たす。

【００４２】即ち、制御部４４は、図５に示す如く、制
御がスタート（２００）すると、大気圧読み込み値ＰＡ
ＴＭが高地判定圧力値ＫＰＡＴＭＰＳＶ未満であるか否
かを判断（２０１）する。この判断（２０１）におい
て、大気圧読み込み値ＰＡＴＭが高地判定圧力値ＫＰＡ
ＴＭＰＳＶ以上でＮＯの場合には、低地であるので、図
６に示す如く制御する。

【００４３】先ず、パワーステアリング装置用スイッチ
４６から入力するパワーステアリング装置の駆動及び停
止の信号ＰＳＳがオフからオンになったか否か、つま
り、パワーステアリング装置が駆動されたか否かを判断
（２０２）する。

【００４４】この判断（２０２）がＹＥＳの場合には、
アイドル回転数制御学習値ＤＮＬＮとパワーステアリン
グ装置の駆動に関連して設定される低地用駆動アイドル
回転数制御スキップ値ＫＤＩＳＣＰＳ１とからアイドル
回転数制御デューティ比ＤＩＳＣを算出（２０３）し、
このアイドル回転数制御デューティ比ＤＩＳＣによりア
イドル回転数制御弁３２をフィードバック制御（２０
４）して、前記ステップ（２０１）リターンする。

【００４５】また、前記判断（２０２）がＮＯの場合に
は、パワーステアリング装置の駆動及び停止の信号ＰＳ
Ｓがオンからオフになったか否か、つまり、パワーステ
アリング装置が停止されたか否かを判断（２０５）す
る。

【００４６】この判断（２０５）がＹＥＳの場合には、
アイドル回転数制御学習値ＤＮＬＮとパワーステアリン
グ装置の停止に関連して設定される低地用停止アイドル
回転数制御スキップ値ＫＤＩＳＣＰＳ２とからアイドル
回転数制御デューティ比ＤＩＳＣを算出（２０６）し、
このアイドル回転数制御デューティ比ＤＩＳＣによりア
イドル回転数制御弁３２をフィードバック制御（２０
４）して、前記ステップ（２０１）リターンする。前記
判断（２０５）がＮＯの場合には、アイドル回転数制御
弁３２のフィードバック制御（２０４）の介して前記ス
テップ（２０１）リターンする。

【００４７】一方、前記大気圧読み込み値ＰＡＴＭが高
地判定圧力値ＫＰＡＴＭＰＳＶ未満であるか否かの判断
（２０１）において、大気圧読み込み値ＰＡＴＭが高地
判定圧力値ＫＰＡＴＭＰＳＶ未満でＹＥＳの場合には、
高地であるので、図７に示す如く制御する。

【００４８】即ち、パワーステアリング装置の駆動及び
停止の信号ＰＳＳがオフからオンになったか否か、つま
り、パワーステアリング装置が駆動されたか否かを判断
（２０７）する。

【００４９】この判断（２０７）がＹＥＳの場合には、
アイドル回転数制御学習値ＤＮＬＮとパワーステアリン
グ装置の駆動に関連して設定される高地用駆動アイドル
回転数制御スキップ値ＫＤＩＳＣＰＳ３とからアイドル
回転数制御デューティ比ＤＩＳＣを算出（２０８）し、
パワーステアリング装置の駆動に関連してパワーステア
リング装置用アイドルアップ制御弁６２（ＶＳＶ）をオ
ン制御（２０９）し、前記ステップ（２０８）において
算出されたアイドル回転数制御デューティ比ＤＩＳＣに
よりアイドル回転数制御弁３２をフィードバック制御
（２１０）して、前記ステップ（２０１）リターンす
る。

【００５０】また、前記判断（２０７）がＮＯの場合に
は、パワーステアリング装置の駆動及び停止の信号ＰＳ
Ｓがオンからオフになったか否か、つまり、パワーステ
アリング装置が停止されたか否かを判断（２１１）す
る。

【００５１】この判断（２１１）がＹＥＳの場合には、
アイドル回転数制御学習値ＤＮＬＮとパワーステアリン
グ装置の停止に関連して設定される高地用停止アイドル
回転数制御スキップ値ＫＤＩＳＣＰＳ４とからアイドル
回転数制御デューティ比ＤＩＳＣを算出（２１２）し、
パワーステアリング装置の停止に関連してパワーステア
リング装置用アイドルアップ制御弁６２（ＶＳＶ）をオ
フ制御（２１３）し、前記ステップ（２１２）において
算出されたアイドル回転数制御デューティ比ＤＩＳＣに
よりアイドル回転数制御弁３２をフィードバック制御
（２１０）して、前記ステップ（２０１）リターンす
る。

【００５２】このように、この第２実施例によれば、前
述第１実施例と同様に、従来の如く２系統の補助空気回
路系を設けることなく、１系統の補助空気回路系により
高地における空気密度の低下による機関回転数の低下を
充分に防止することができるため、構造の複雑化を招く
ことがなく、簡単な構成により高地において内燃機関２
のアイドル運転時に外部負荷たるパワーステアリング装
置が駆動された場合の機関回転数の低下を防止し得て、
アイドル回転数の安定化を果たし得る。

【００５３】また、この第２実施例によれば、低地にお
けるパワーステアリング装置の駆動及び停止に関連する
低地用駆動及び停止アイドル回転数制御スキップ値ＫＤ
ＩＳＣＰＳ１・ＫＤＩＳＣＰＳ２と高地における高地用
駆動及び停止アイドル回転数制御スキップ値ＫＤＩＳＣ
ＰＳ３・ＫＤＩＳＣＰＳ４とによりアイドル回転数制御
デューティ比ＤＩＳＣを算出していることにより、機関
回転数の制御性を向上し得て、アイドル回転数の安定性
をより向上することができる。

【００５４】なお、この第２実施例においては、パワー
ステアリング装置の駆動及び停止に関連して設定される
低地用駆動及び停止アイドル回転数制御スキップ値ＫＤ
ＩＳＣＰＳ１・ＫＤＩＳＣＰＳ２と高地用駆動及び停止
アイドル回転数制御スキップ値ＫＤＩＳＣＰＳ３・ＫＤ
ＩＳＣＰＳ４との関係を、ＫＤＩＳＣＰＳ１＞ＫＤＩＳ
ＣＰＳ２、ＫＤＩＳＣＰＳ３＞ＫＤＩＳＣＰＳ４、ＫＤ
ＩＳＣＰＳ１＜ＫＤＩＳＣＰＳ３（パワーステアリング
装置用アイドルアップ制御弁の流量を、低地から高地に
移行した際の吸入空気量の不足分を満たす流量に設
定）、ＫＤＩＳＣＰＳ１≧ＫＤＩＳＣＰＳ３（パワース
テアリング装置用アイドルアップ制御弁の流量を、低地
から高地に移行した際の吸入空気量の不足分を越える流
量に設定）、ＫＤＩＳＣＰＳ２＜ＫＤＩＳＣＰＳ４、に
設定している。

【００５５】これは、パワーステアリング装置の駆動及
び停止の信号ＰＳＳがオフからオンになった場合に、外
部負荷の加担により内燃機関２への負荷が増加するの
で、吸入空気量を増加させるようアイドル回転数制御デ
ューティ比ＤＩＳＣを大とし、また、パワーステアリン
グ装置の駆動及び停止の信号ＰＳＳがオンからオフにな
った場合に、外部負荷の除去により内燃機関２への負荷
が減少するので、吸入空気量を減少させるようアイドル
回転数制御デューティ比ＤＩＳＣを小とするからであ
る。アイドル回転数制御スキップ値は、通常、アイドル
回転数のフィードバック制御時おける学習値を基準とし
ている。そこで、図６・図７に示す如く、ＫＤＩＳＣＰ
Ｓ１＞ＫＤＩＳＣＰＳ２、ＫＤＩＳＣＰＳ３＞ＫＤＩＳ
ＣＰＳ４、に設定している。

【００５６】また、パワーステアリング装置用アイドル
アップ制御弁の流量を、低地から高地に移行した際の吸
入空気量の不足分を満たす流量に設定した場合には、低
地から高地に移行した際の吸入空気量の不足分をパワー
ステアリング装置用アイドルアップ制御弁のオン制御に
より補い、パワーステアリング装置の駆動による負荷増
加分をスキップさせる。目標とするアイドル回転数にな
るような空気量を得るには、低地のデューティ比に対し
て高地のデューティ比が大になる。よって、この場合に
は、ＫＤＩＳＣＰＳ１＜ＫＤＩＳＣＰＳ３とする。

【００５７】また、パワーステアリング装置用アイドル
アップ制御弁の流量を、低地から高地に移行した際の吸
入空気量の不足分を越える流量に設定した場合には、低
地から高地に移行した際の吸入空気量の不足分を越える
流量をパワーステアリング装置用アイドルアップ制御弁
のオン制御により供給するので、ある特定流量のときに
は前記ＫＤＩＳＣＰＳ１＜ＫＤＩＳＣＰＳ３となり、こ
の特定流量を越えると補助空気量が過多となる。よっ
て、この場合には、ＫＤＩＳＣＰＳ１≧ＫＤＩＳＣＰＳ
３とする。

【００５８】

【発明の効果】このように、この発明によれば、高地に
おいては、外部負荷の加担及び除去に関連して夫々設定
される加担及び除去アイドル回転数制御スキップ値を考
慮してアイドル回転数制御弁をフィードバック制御し且
つ外部負荷の加担及び除去に関連して外部負荷用アイド
ルアップ制御弁をオン及びオフ制御することにより、１
系統の補助空気回路系により高地における空気密度の低
下による機関回転数の低下を充分に防止し得るため、構
造の複雑化を招くことがなく、簡単な構成により高地に
おいて内燃機関のアイドル運転時に外部負荷が加担され
た場合の機関回転数の低下を防止し得て、アイドル回転
数の安定化を果たすことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の実施例を示すアイドル回転数制御装
置の概略構成図である。

【図２】この発明の第１実施例を示す制御のフローチャ
ートである。

【図３】この発明の第１実施例によるパワーステアリン
グ信号とアイドル回転数制御デューティ比とのタイミン
グチャートである。

【図４】この発明の第１実施例によるパワーステアリン
グ信号とパワーステアリング装置用アイドルアップ制御
弁のオンオフとアイドル回転数制御デューティ比とのタ
イミングチャートである。

【図５】この発明の第２実施例を示す制御のフローチャ
ートである。

【図６】この発明の第２実施例によるパワーステアリン
グ信号とアイドル回転数制御デューティ比とのタイミン
グチャートである。

【図７】この発明の第２実施例によるパワーステアリン
グ信号とパワーステアリング装置用アイドルアップ制御
弁のオンオフとアイドル回転数制御デューティ比とのタ
イミングチャートである。

【符号の説明】

２内燃機関４吸気通路６排気通路８エアクリーナ１０吸気絞り弁１８燃料噴射弁３０補助空気通路３２アイドル回転数制御弁３４開度センサ３６吸気温センサ３８圧力センサ４０回転角センサ４２水温センサ４４制御部４６パワーステアリング装置用スイッチ６２パワーステアリング装置用アイドルアップ制御弁

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献特開昭59−180047（ＪＰ，Ａ) 特開平２−218838（ＪＰ，Ａ) 特開平２−308942（ＪＰ，Ａ) 特開平３−134242（ＪＰ，Ａ) 特開平２−161151（ＪＰ，Ａ) 特開昭60−6040（ＪＰ，Ａ) 特開昭61−261636（ＪＰ，Ａ) 実開平３−61137（ＪＰ，Ｕ) 実開平２−132830（ＪＰ，Ｕ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) F02D 41/16

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】内燃機関の吸気絞り弁を迂回する補助空
気通路を備えるとともに前記内燃機関のアイドル運転時
に前記補助空気通路の補助空気量を調整して機関回転数
が目標回転数になるようフィードバック制御されるアイ
ドル回転数制御弁を備えた内燃機関のアイドル回転数制
御装置において、前記内燃機関の外部負荷の加担時に前
記内燃機関をアイドルアップすべくオン制御される外部
負荷用アイドルアップ制御弁を設け、前記内燃機関のア
イドル運転時に大気圧により低地と判定された場合には
アイドル回転数制御学習値と前記外部負荷の加担及び除
去に関連して夫々設定される加担及び除去アイドル回転
数制御スキップ値とから算出されるアイドル回転数制御
デューティ比により前記アイドル回転数制御弁をフィー
ドバック制御するとともに前記内燃機関のアイドル運転
時に大気圧により高地と判断された場合にはアイドル回
転数制御学習値と前記外部負荷の加担及び除去に関連し
て夫々設定される加担及び除去アイドル回転数制御スキ
ップ値とから算出されるアイドル回転数制御デューティ
比により前記アイドル回転数制御弁をフィードバック制
御し且つ前記外部負荷の加担及び除去に関連して前記外
部負荷用アイドルアップ制御弁をオン及びオフ制御する
制御手段を設けたことを特徴とする内燃機関のアイドル
回転数制御装置。