JP2961554B2 - 歯列矯正器具 - Google Patents
歯列矯正器具Info
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- JP2961554B2 JP2961554B2 JP14456390A JP14456390A JP2961554B2 JP 2961554 B2 JP2961554 B2 JP 2961554B2 JP 14456390 A JP14456390 A JP 14456390A JP 14456390 A JP14456390 A JP 14456390A JP 2961554 B2 JP2961554 B2 JP 2961554B2
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- Japan
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- alloys
- orthodontic
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Description
【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は不正状態にある歯列を正常な歯列に矯正する
ための新しい矯正器具に関するものである。
ための新しい矯正器具に関するものである。
［従来の技術］ TiNi合金,Ti−Ni−Ｘ（Ｘ−Cu,Cr等）合金が熱弾性型
マルテンサイト変態の逆変態に付随して顕著な形状記憶
効果を示すことはよく知られている。（「金属」1966年
２月13日号,44,「日本金属学会会報」第12巻第３号（19
73）157,「日本金属学会誌」第30巻，第２号（1975）17
5） これと同時に,TiNi合金に，ゴムのようなしなやかさ
を示す超弾性機能があることもよく知られている（「J.
Appl.phys 34（1963）1475,東北大学選研彙法27（197
1）245）。
マルテンサイト変態の逆変態に付随して顕著な形状記憶
効果を示すことはよく知られている。（「金属」1966年
２月13日号,44,「日本金属学会会報」第12巻第３号（19
73）157,「日本金属学会誌」第30巻，第２号（1975）17
5） これと同時に,TiNi合金に，ゴムのようなしなやかさ
を示す超弾性機能があることもよく知られている（「J.
Appl.phys 34（1963）1475,東北大学選研彙法27（197
1）245）。
これらの形状記憶及び超弾性機能を利用して，パイプ
継手，感温アクチュエータ，ヒートエンジン，ブラジャ
ーおよび歯科矯正線等の商品化が行われている。特に，
歯科矯正器具に適用することは，米国特許第4037324号
に開示されている。また,JADA,82（1971）1373,Am.J.Or
thod63（1973）464にも詳しく述べられている。
継手，感温アクチュエータ，ヒートエンジン，ブラジャ
ーおよび歯科矯正線等の商品化が行われている。特に，
歯科矯正器具に適用することは，米国特許第4037324号
に開示されている。また,JADA,82（1971）1373,Am.J.Or
thod63（1973）464にも詳しく述べられている。
また最近では高温作動素としてTiPd合金の研究がなさ
れており，既に,TiPd合金およびTiPd合金のPdの一部をF
e,Cu,Co,Niで置換したTiPdX合金が500℃程度の温度で作
動することは，オランダ国より出願された特開昭46−15
02号公報に示されている。
れており，既に,TiPd合金およびTiPd合金のPdの一部をF
e,Cu,Co,Niで置換したTiPdX合金が500℃程度の温度で作
動することは，オランダ国より出願された特開昭46−15
02号公報に示されている。
［発明が解決しようとする課題］ 歯列矯正器具は，周知の歯との関係で不規則及び不正
常な歯を修正するために用いれられる。この修正操作
は，変形応力の荷重，除荷重に伴い可逆的にエネルギー
を吸収したり放出したりすることが可能なワイヤーを用
いることが多い。この修正器具に使われるワイヤーは主
として18−８ステンレス鋼ワイヤー，最近ではTiNi形状
記憶合金ワイヤーであった。
常な歯を修正するために用いれられる。この修正操作
は，変形応力の荷重，除荷重に伴い可逆的にエネルギー
を吸収したり放出したりすることが可能なワイヤーを用
いることが多い。この修正器具に使われるワイヤーは主
として18−８ステンレス鋼ワイヤー，最近ではTiNi形状
記憶合金ワイヤーであった。
TiNi合金のワイヤーの場合，従来のステンレス鋼ワイ
ヤーに比較して，異常な弾性限界を示す諸ゆる弾性機能
があるために歯列の移動を大きくできるメリットがあ
る。このため，最近の歯列矯正器具の主流はTiNi合金の
ワイヤーである。
ヤーに比較して，異常な弾性限界を示す諸ゆる弾性機能
があるために歯列の移動を大きくできるメリットがあ
る。このため，最近の歯列矯正器具の主流はTiNi合金の
ワイヤーである。
一方,TiNi合金のNiはほぼ50at％である。このため，
生体内への長期留置をした場合,Niイオン溶出による毒
性の問題が心配されることがある。現に，近年の体内留
置のインプラント材として，ステンレス鋼をNiを含まな
い合金にする動き，金属を使わず，セラミックスへの置
き換えの研究の動きが現実となって来ている。
生体内への長期留置をした場合,Niイオン溶出による毒
性の問題が心配されることがある。現に，近年の体内留
置のインプラント材として，ステンレス鋼をNiを含まな
い合金にする動き，金属を使わず，セラミックスへの置
き換えの研究の動きが現実となって来ている。
歯列矯正器具の場合には，矯正期間のみの口腔内留置
であって，インプラントのように永久埋没ではないた
め，インプラント材ほどには使用の制限が求められてい
る訳ではない。しかし出来ることならば,Niイオン等人
体への有害物質を含まない材料を使う方が好ましい， そこで，本発明の技術的課題は，これら生体への毒性
の問題を解決した全く新規な歯列矯正器具を提供するこ
とにある。
であって，インプラントのように永久埋没ではないた
め，インプラント材ほどには使用の制限が求められてい
る訳ではない。しかし出来ることならば,Niイオン等人
体への有害物質を含まない材料を使う方が好ましい， そこで，本発明の技術的課題は，これら生体への毒性
の問題を解決した全く新規な歯列矯正器具を提供するこ
とにある。
［課題を解決するための手段］ 本発明によれば,Pd45.0〜51.0at％，残部Tiを有するT
iPd合金をFe,Cu,Wの群から選択した少なくとも１つの元
素で30at％未満置換して成ることを特徴とする歯列矯正
器具が得られる。
iPd合金をFe,Cu,Wの群から選択した少なくとも１つの元
素で30at％未満置換して成ることを特徴とする歯列矯正
器具が得られる。
また，本発明によれば前記歯列矯正器具は，少なくと
も口腔内温度において，変形の荷重，除荷重時に可逆的
なエネルギーの吸収放出することを特徴とする歯列矯正
器具が得られる。
も口腔内温度において，変形の荷重，除荷重時に可逆的
なエネルギーの吸収放出することを特徴とする歯列矯正
器具が得られる。
即ち，生体への毒性が殆んど無いとされている金属元
素として，現在Ti,Pd,FeおよびCuが挙げられ,W等の2,3
の元素も，同様に，問題ではないと考えられる。
素として，現在Ti,Pd,FeおよびCuが挙げられ,W等の2,3
の元素も，同様に，問題ではないと考えられる。
［実施例１］ 次に，本発明の実施例について図面を参照して説明す
る。
る。
Ti−50at％Pd合金のPdの一部をFe,CuおよびＷで０〜3
5at％置換した合金を，それぞれアルゴン−アーク炉に
よって溶解し，約1000℃の温度で熱間加工を行い，その
後冷間加工によって約1.0mmφの線材とした。
5at％置換した合金を，それぞれアルゴン−アーク炉に
よって溶解し，約1000℃の温度で熱間加工を行い，その
後冷間加工によって約1.0mmφの線材とした。
次に，これらの線材の一部を切断して,1000℃×1hrの
溶体化処理を行いDSCによる変態温度測定を行った。
溶体化処理を行いDSCによる変態温度測定を行った。
第１図に第３元素添加量と変態温度（ここでは，マル
テンサント変態開始温度＝Ms温度を示した）の関係を示
した。各元素ともMs温度が０℃以下の合金は図から除外
している。
テンサント変態開始温度＝Ms温度を示した）の関係を示
した。各元素ともMs温度が０℃以下の合金は図から除外
している。
一般に口腔内温度（＝37℃）での超弾性を得るために
は，合金のMs温度は37℃以下であることが望ましい。こ
の目的を満足する合金を得ることは,Feを15at％以上添
加，あるいはCuを30at％以上添加すること若しくは,W＋
Fe,W＋Cu,Fe＋CuおよびＷ＋Fe＋Cuの複合組合せによっ
て可能とできる。
は，合金のMs温度は37℃以下であることが望ましい。こ
の目的を満足する合金を得ることは,Feを15at％以上添
加，あるいはCuを30at％以上添加すること若しくは,W＋
Fe,W＋Cu,Fe＋CuおよびＷ＋Fe＋Cuの複合組合せによっ
て可能とできる。
また，合金のMs温度が必ずしも37℃以下でなくとも，
比較的エネルギーの吸収放出を可逆的にさせることも可
能である。
比較的エネルギーの吸収放出を可逆的にさせることも可
能である。
すなわち，加工硬化した合金線を使用することであ
る。TiNi合金の場合，歯列矯正器具に最初に使われたワ
イヤーは加工硬化材であった。現在では500℃程度の温
度で時効されたTiNi合金ワイヤーを使用することの方が
多くなっているが，使用目的部位によっては，加工硬化
材は未だ使用されている。この加工硬化材を使用するこ
とで，第１図に示した37℃以下となる組成成分の制限は
受ける必要が無くなる。
る。TiNi合金の場合，歯列矯正器具に最初に使われたワ
イヤーは加工硬化材であった。現在では500℃程度の温
度で時効されたTiNi合金ワイヤーを使用することの方が
多くなっているが，使用目的部位によっては，加工硬化
材は未だ使用されている。この加工硬化材を使用するこ
とで，第１図に示した37℃以下となる組成成分の制限は
受ける必要が無くなる。
第２図に示すとおり,Ti50Pd40W10合金（合金−１）,T
i50Pd40Cu10合金（合金−２）,Ti50Pd30W5Fe15合金（合
金−３）,Ti50Pd35Fe15合金（合金−４）の加工硬化材
および400℃時効処理材の37℃における３％以下での荷
重除荷重曲線を示した。
i50Pd40Cu10合金（合金−２）,Ti50Pd30W5Fe15合金（合
金−３）,Ti50Pd35Fe15合金（合金−４）の加工硬化材
および400℃時効処理材の37℃における３％以下での荷
重除荷重曲線を示した。
その結果，合金−1,合金−２はMs温度が37℃以上のた
め400℃時効材では良好な弾性特性に得られない。しか
し，加工硬化材は歯列矯正器具とに十分に使用可能な弾
性特性は示している。
め400℃時効材では良好な弾性特性に得られない。しか
し，加工硬化材は歯列矯正器具とに十分に使用可能な弾
性特性は示している。
一方，合金−3,合金−４はそれぞれMs温度が37℃より
も十分に低いために，いづれのものについても良い弾性
特性を示し，特に400℃時効処理材は,TiNi合金の超弾性
カーブに近似した特性を示した。
も十分に低いために，いづれのものについても良い弾性
特性を示し，特に400℃時効処理材は,TiNi合金の超弾性
カーブに近似した特性を示した。
ここで，本発明に係る合金で，基本TiPd合金のPd量を
45〜51at％としたのは，形状記憶合金としての作用領域
がその範囲とされているためであり，置換元素を総量を
30％未満としたのは,30％を越えると形状記憶合金の作
用が薄くなるためである。
45〜51at％としたのは，形状記憶合金としての作用領域
がその範囲とされているためであり，置換元素を総量を
30％未満としたのは,30％を越えると形状記憶合金の作
用が薄くなるためである。
［発明の効果］ 以上の説明からわかるように本発明によれば,TiPd合
金，若しくはPdの一部をFe,CuおよびＷを一種，若しく
は数種組合せて置換することで変形の荷重除荷重に際し
て可逆的なエネルギーの吸収放出が可能な，生体の毒性
が殆んどない歯列矯正器具を提供することができる。
金，若しくはPdの一部をFe,CuおよびＷを一種，若しく
は数種組合せて置換することで変形の荷重除荷重に際し
て可逆的なエネルギーの吸収放出が可能な，生体の毒性
が殆んどない歯列矯正器具を提供することができる。
また本発明では添加元素をFe,Cu,Wに限定したが，生
体への毒性上問題がなければNi,Co,V,Mn,Ta等の元素を
用いることも可能である。
体への毒性上問題がなければNi,Co,V,Mn,Ta等の元素を
用いることも可能である。
第１図にはTi50Pd50-xXx（Ｘ＝Fe,Cu,W）の形式で添加
したTiPdX合金のMs温度と添加量の関係を示している。 第２図には,Ti50Pd40W10合金（合金−１）,Ti50Pd40Cu
10合金（合金−２）,Ti50Pd30W5Fe15合金（合金−３）,
Ti50Pd35Fe15合金（合金−４）の加工硬化材および400
℃時効処理材の37℃における33％引張り下での荷重除荷
重曲線を示している。
したTiPdX合金のMs温度と添加量の関係を示している。 第２図には,Ti50Pd40W10合金（合金−１）,Ti50Pd40Cu
10合金（合金−２）,Ti50Pd30W5Fe15合金（合金−３）,
Ti50Pd35Fe15合金（合金−４）の加工硬化材および400
℃時効処理材の37℃における33％引張り下での荷重除荷
重曲線を示している。
Claims (2)
- 【請求項１】Pd45.0〜51.0at％，残部Tiを有するTiPd合
金を,Fe,Cu,Wの群から選択した少なくとも１つの元素で
30at％未満置換して成ることを特徴とする歯列矯正器
具。 - 【請求項２】第１請求項記載の歯列矯正器具は、少なく
とも口腔内温度において，変形の荷重，除荷重時に可逆
的なエネルギーの吸収放出することを特徴とする歯列矯
正器具。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP14456390A JP2961554B2 (ja) | 1990-06-04 | 1990-06-04 | 歯列矯正器具 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP14456390A JP2961554B2 (ja) | 1990-06-04 | 1990-06-04 | 歯列矯正器具 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0438948A JPH0438948A (ja) | 1992-02-10 |
| JP2961554B2 true JP2961554B2 (ja) | 1999-10-12 |
Family
ID=15365157
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP14456390A Expired - Lifetime JP2961554B2 (ja) | 1990-06-04 | 1990-06-04 | 歯列矯正器具 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2961554B2 (ja) |
-
1990
- 1990-06-04 JP JP14456390A patent/JP2961554B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH0438948A (ja) | 1992-02-10 |
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Legal Events
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|---|---|---|---|
| FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090806 Year of fee payment: 10 |
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| FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090806 Year of fee payment: 10 |
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| FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
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