JP2960673B2 - シリコーンーエステルワックスからなる化粧料 - Google Patents
シリコーンーエステルワックスからなる化粧料Info
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の背景】本発明は新規なワックス(ろう)とその
ようなワックスの製法とに関わる。より特定的には本発
明は、少なくとも12個の炭素原子で構成されるエステ
ル部(残基)を少なくとも1個もつ新規なシリコーン−
エステルワックスからなる化粧料に関する。なお、化粧
料とは、化粧品、個人手入れ用品をいう。化粧品製造業
者間では、口紅、アイシャドー、ブロンズ、頬紅、ロー
ション、ハンドクリームなどのような個人用品の改良が
絶えず試みられている。たとえば、品質の良い口紅は一
定の最大および最小のチクソトロピーをもたなければな
らない。すなわち、最小の圧力で滑らかで一様な塗膜を
もたらすのに充分な程度に軟化しなければならない。塗
膜は飲食の際の穏やかな摩擦に対してある程度は耐える
べきである。さらに、口紅を構成する組成物は唇の紅を
塗った部分だけに色を付けるようなものでなければなら
ず、また口紅はまわりの口内組織中に染みだしたり、筋
状ににじんだり、薄くひろがったりすべきでない。「光
沢」と「感触」が良いということと同様に、湿気に対す
る耐性と塗りやすさも重要な性質である。 【0002】従来化粧品業界では、カルナウバワック
ス、カンデリラワックスなどといった様々な天然のワッ
クスを用いて硬さ、チクソトロピー、融点、塗りやすさ
などのいろいろな特性を付与するのが一般的であった。
ラノリンと種々の誘導体はそれらの柔軟化性とある程度
の粘着性および抗力(ドラグ)のためによく使われてい
る。高度に精製されたグレードのひまし油は主として成
形スティックに粘性を付与するのに用いられ、次いで塗
膜中で消えないという性質を生じるフルオレセインのブ
ロモ誘導体用の溶剤として用いられている。この度、少
なくとも12個の炭素原子をもつエステル部を少なくと
も1個有するある種の新規なシリコーン−エステルワッ
クスが、改良された化粧品調剤を得るために多くの天然
ワックスの代りに用いることができることが見出され
た。 【0003】 【発明の概要】本発明の目的は化粧用および個人用の調
剤に有用な新規なシリコーン−エステルワックスを提供
することである。本発明の別の目的は本発明の新規なシ
リコーン−エステルワックスを製造する方法を提供する
ことである。本発明の一面によれば、少なくとも12個
の炭素原子をもつエステル部を少なくとも1個有する新
規なシリコーン−エステルワックスが提供される。この
シリコーン−エステルワックスは次の一般式(化3)を
有するのが好ましい。 【0004】 【化3】 【0005】ここで、Rは水素または有機基であり、R
1 は少なくとも12個の炭素原子をもつエステル含有基
であり、aは0〜3の整数であり、bは0〜3の整数で
あり、a+bの和は平均値が約1.0〜約3.0であ
る。ただし、R1 基は少なくとも1個存在する。 【0006】本発明の方法によると、新規なシリコーン
−エステルワックスは有効量のハイドロシレーション触
媒の存在下で末端にオレフィン性不飽和を有するエステ
ルをオルガノ水素ポリシロキサンと反応させることによ
って製造される。 【0007】 【発明の説明】本発明はその一面において、少なくとも
12個の炭素原子をもつエステル部を少なくとも1個有
する新規なシリコーン−エステルワックスからなる化粧
料を提供する。本発明のシリコーン−エステルワックス
は次の一般式(化4)を有するのが好ましい。 【0008】 【化4】 【0009】ここで、Rは水素か有機基であり、R1 は
少なくとも12個の炭素原子を有するエステル含有基で
あり、aは0〜3の整数であり、bは0〜3の整数であ
り、a+bの和は約1.0〜約3.0の平均値を有す
る。ただし、少なくとも1個のR1 基が存在する。本発
明のシリコーン−エステルワックスは融点が約30℃以
上であるのが好ましく、約40℃から約90℃までであ
るとさらに好ましい。 【0010】シロキサン鎖がほとんど線状であってもま
たは樹脂状(たとえば高度に分枝した)であってもよい
ことは当業者には理解されるであろう。シロキサンがほ
ぼ線状であるのが好ましい。もちろん、線状と樹脂状の
ポリシロキサンの混合物も本発明の範囲内である。式
(化4)のシリコーン−エステルワックスを製造するの
に用いられる出発物質のポリシロキサンはオルガノ水素
ポリシロキサンが好ましい。好ましいオルガノ水素ポリ
シロキサンは次の一般式(化5)をもつ線状ポリマーで
ある。 【0011】 【化5】 【0012】ここで、Rは有機基であり、R2 は水素か
有機基であり、xとyはこのポリマーの粘度が25℃で
約5〜約1000センチポアズとなるように変化する。
ただし、xが0のときはR2 が水素である。このような
線状のハイドライドポリマーはSi−H含有シロキシ単
位を約10〜100モル%有するのが好ましい。 【0013】好ましいオルガノ水素ポリシロキサン樹脂
は次式の単位(化6)とSiO2 単位とからなる。 【0014】 【化6】 【0015】ただし、RとHの合計対Siは1.0から
3.0までで変化する。このような樹脂はまた二官能性
単位を限られた数だけ含んでいてもよい。 【0016】これらや他の適切なオルガノ水素ポリシロ
キサンは、たとえば米国特許第3,344,111号と
第3,436,366号(これらは両者とも引用によっ
て本明細書の開示に含まれるものとする)に記載されて
いるように業界ではよく知られている。上記の式中のR
基はいずれの置換または非置換の有機基でもよく、たと
えば、メチル、エチル、プロピル、ヘキシル、オクチ
ル、デシル、シクロヘキシル、シクロヘプチルなどのよ
うなアルキル基、フェニル、トリル、キシリル、ナフチ
ルなどのようなアリール基、フェニルエチル、ベンジル
などのようなアルアルキル基、またはこれらの1個以上
の水素原子がたとえばハロゲン、シアノ、アミノなどで
置換されているものがある。R基がすべてメチルである
かメチルとフェニルの混合であると最も好ましい。本発
明は、化粧品調剤に特に有用なシリコーン−エステルワ
ックスがオルガノ水素ポリシロキサンと末端にオレフィ
ン性不飽和を有する脂肪酸のアルコールエステルとから
製造することができるという発見に基づいている。すな
わち、上記式(化4)のR1 はオルガノ水素ポリシロキ
サンとの反応の前にはたとえは次の一般式(化7)で表
わすことができる。 【0017】 【化7】 【0018】ここで、xとyはそれぞれ独立に選択され
た4以上の整数であり、8以上が好ましい。このような
化合物はアルコール類を、末端にオレフィン性不飽和を
有するカルボン酸と反応させて製造することができる。
たとえば一例を挙げると次のもの(化8)がある。 【0019】 【化8】 【0020】また別の方法として、オルガノ水素ポリシ
ロキサンとの反応の前の式(化4)のR1 は、末端にオ
レフィン性不飽和を有するアルコールをカルボン酸と反
応させて製造することができる。一例を挙げると次のも
の(化9の反応に基づいて化10が生成される。)があ
る。 【0021】 【0022】 【化10】 【0023】エステル部が1個だけほしいならばたとえ
はアリルアルコールやその同族体のようなモノアルコー
ルを代りに使うことができる。その他の変化も当業者に
は自明であろう。しかし、オルガノ水素ポリシロキサン
と反応する前のR1 は式(化4)の組成物にワックス状
の粘稠度を付与するために少なくとも12個の炭素原子
を含有していなければならず(少なくとも20個が好ま
しい)、かつまた末端にオレフィン性不飽和を含有して
いなければならない。末端にオレフィン性の不飽和があ
るためにこの有機エステルはハイドロシレーション触媒
の存在下でオルガノ水素ポリシロキサンに付加すること
が可能になる。適切なハイドロシレーション触媒は業界
でよく知られており、たとえば米国特許第3,159,
601号、第3,159,662号、第3,220,9
70号、第3,516,946号および第3,814,
730号(これらはすべて引用によって本明細書の開示
に含まれるものとする)に記載されているような白金含
有触媒がある。他の適切なハイドロシレーション触媒は
ロジウム、ルテニウム、パラジウム、オスミウム、イリ
ジウムおよび白金金属をベースとするものである。一般
に、オレフィン性不飽和エステルは、金属を基準にして
約10〜約500ppmの触媒の存在下でオルガノ水素
ポリシロキサンに付加することができる。例示すると、
次の式(化11および化12)に示されているようにし
て上述の有機エステルをオルガノ水素ポリシロキサンに
付加して新規なシリコーン−エステルを得ることができ
る。 【0024】 【化11】 【0025】 【化12】【0026】最終製品にワックス状の粘稠度を付与する
のに必要なエステル部の数が、シロキシ単位の数、ポリ
シロキサンが流体であるか樹脂状であるかということ、
およびエステル部内の炭素原子の数に依存して変化する
ということは当業者には理解されるであろう。以上の説
明に基づいて当業者は、過度の実験をすることなく本発
明の新規なシリコーン−エステルワックスを製造するの
に適した反応体を選択することができるであろう。ま
た、本発明のシリコーン−エステルワックスはワックス
の融点を上げると共にその粘稠度を改善するために長鎖
のアルキル基を含有することもできると考えられる。そ
のような長鎖のアルキル基は少なくとも約16個の炭素
原子の長さであり、炭素原子約24〜約36個の長さで
あると好ましい。末端のオレフィン性不飽和は、この長
鎖のアルキルがハイドロシレーション反応、すなわち化
13によってオルガノ水素ポリシロキサンに付加するこ
とができるように存在しているべきである。 【0027】 【化13】 【0028】当業者がより容易に本発明を実施できるよ
うに、以下に例示のためであって限定の意味はない実施
例を挙げる。他に注記しない限り部とパーセントは全て
重量である。 【0029】 【実施例】 [実施例1]スターラー、温度計および還流ヘッドを備
えた1リットルの丸底三ツ首フラスコにトリメチロール
プロパンモノアリルエーテル(TMPMAE)87g、
ステアリン酸284g、p−トルエンスルホン酸触媒1
g、および溶媒としてトルエン400gを入れ、混合物
を120℃(還流)に加熱し、6時間この温度に維持し
た。この間水はトルエン/水共沸によって除いた。エス
テル化は完全に進行した。赤外スペクトルによって有機
酸のピークが消失してエステルが生成していることが確
認された。反応が完全に終わった時点でp−トルエンス
ルホン酸触媒は炭酸水素ナトリウムで中和した。こうし
て調製したエステルに米国特許第3,814,730号
に従って調製した白金含有触媒を有効量加え、この混合
物を105℃に暖め、この時点で水素で末端停止したポ
リジオルガノシロキサンを加えた。発熱が認められ、添
加速度はかなり速かった。当量のオルガノ水素ポリシロ
キサンを反応容器に加えた後Si−Hが全部消費される
(IR分析で確認した)まで溶液を加熱還流した。得ら
れたシリコーン−エステルワックスを真空ストリッピン
グしてトルエンを除去し、その後外観をよくするために
熱いうちにセライト(Celite)#545を通して
濾過した。このワックスの融点は30℃であり、次式
(化14)で表わすことができる。 【0030】 【化14】 【0031】[実施例2]実施例1と同様なものを備え
た1リットルの三ツ首フラスコにウンデシレン酸116
g、ステアリルアルコール176g、溶媒としてトルエ
ン300g、およびp−トルエンスルホン酸触媒0.5
gを入れた。この溶液を120℃に加熱し、トルエン/
水共沸によって水を除去した。6時間後IR走査によっ
て有機酸がエステルに転換していることを確認した。p
‐トルエンスルホン酸触媒を炭酸水素ナトリウムで中和
した。実施例1で使用した触媒を有効量容器に加え、1
05℃に暖めた。次に、DF1040流体[ゼネラルエ
レクトリック社(General Electric
Company)から入手可能]37.7gを加え、容
器をメチル−水素シリコーン流体(DF1040)の添
加後1時間の間120℃に加熱した。この時点でオレフ
ィン−エステルのオルガノ水素ポリシロキサンへの付加
は完了し、得られたワックスを真空ストリッピングして
トルエンを除去した。次いで熱いワックスをセライト
(Celite)#545に通して濾過した。こうして
得られたワックスの融点は43〜45℃であり、次式
(化15)で表わすことができる。 【0032】 【化15】 【0033】[実施例3]実施例1の手順を用い、トリ
メチロールプロパンモノアリルエーテル(87g)とス
テアリン酸(213g)との混合モノ/ジエステルを調
製した。このエステルは、ガルフケミカルズ(Gulf
Chemicals)から入手可能なC30 -34 α−オ
レフィン231gの存在下で生成させた。エステルが生
成した時点でp−トルエンスルホン酸触媒を中和し、有
効量のハイドロシレーション触媒を加えた。この混合物
を105℃に加熱し、MeHSiO[ゼネラルエレクト
リック社(General Electric Com
pany)から入手可能なSS4300c]を1モル加
えてメチルアルキル/メチルエステルシリコーンワック
スを生成させた。IR走査のSi−Hピークを全部消す
にはさらに25gのα−オレフィンが必要であった。こ
の混合エステル/アルキルワックスの融点は52〜55
℃であり、次式で表わすことができる。 【0034】 【化16】 【0035】[実施例4]実施例1の手順に従ってトリ
メチロールプロパンモノアリルエーテル87gとステア
リン酸284gとからトリメチロールプロパンモノアリ
ルエーテルのジステアリン酸エステルを調製した。有効
量のハイドロシレーション触媒の存在下でメチル水素シ
リコーン流体(DF1040)を30g加えて融点が3
3〜34℃で下記の式(化17)で表わすことができる
シリコーン−エステルワックスを製造した。 【0036】 【化17】 【0037】上述のシリコーン−エステルワックスは、
従来の系においても完全なシリコーン系においても口
紅、ブロンズ、頬紅およびアイシャドーのようなスティ
ック状の調剤化粧品に使用することができた。
ようなワックスの製法とに関わる。より特定的には本発
明は、少なくとも12個の炭素原子で構成されるエステ
ル部(残基)を少なくとも1個もつ新規なシリコーン−
エステルワックスからなる化粧料に関する。なお、化粧
料とは、化粧品、個人手入れ用品をいう。化粧品製造業
者間では、口紅、アイシャドー、ブロンズ、頬紅、ロー
ション、ハンドクリームなどのような個人用品の改良が
絶えず試みられている。たとえば、品質の良い口紅は一
定の最大および最小のチクソトロピーをもたなければな
らない。すなわち、最小の圧力で滑らかで一様な塗膜を
もたらすのに充分な程度に軟化しなければならない。塗
膜は飲食の際の穏やかな摩擦に対してある程度は耐える
べきである。さらに、口紅を構成する組成物は唇の紅を
塗った部分だけに色を付けるようなものでなければなら
ず、また口紅はまわりの口内組織中に染みだしたり、筋
状ににじんだり、薄くひろがったりすべきでない。「光
沢」と「感触」が良いということと同様に、湿気に対す
る耐性と塗りやすさも重要な性質である。 【0002】従来化粧品業界では、カルナウバワック
ス、カンデリラワックスなどといった様々な天然のワッ
クスを用いて硬さ、チクソトロピー、融点、塗りやすさ
などのいろいろな特性を付与するのが一般的であった。
ラノリンと種々の誘導体はそれらの柔軟化性とある程度
の粘着性および抗力(ドラグ)のためによく使われてい
る。高度に精製されたグレードのひまし油は主として成
形スティックに粘性を付与するのに用いられ、次いで塗
膜中で消えないという性質を生じるフルオレセインのブ
ロモ誘導体用の溶剤として用いられている。この度、少
なくとも12個の炭素原子をもつエステル部を少なくと
も1個有するある種の新規なシリコーン−エステルワッ
クスが、改良された化粧品調剤を得るために多くの天然
ワックスの代りに用いることができることが見出され
た。 【0003】 【発明の概要】本発明の目的は化粧用および個人用の調
剤に有用な新規なシリコーン−エステルワックスを提供
することである。本発明の別の目的は本発明の新規なシ
リコーン−エステルワックスを製造する方法を提供する
ことである。本発明の一面によれば、少なくとも12個
の炭素原子をもつエステル部を少なくとも1個有する新
規なシリコーン−エステルワックスが提供される。この
シリコーン−エステルワックスは次の一般式(化3)を
有するのが好ましい。 【0004】 【化3】 【0005】ここで、Rは水素または有機基であり、R
1 は少なくとも12個の炭素原子をもつエステル含有基
であり、aは0〜3の整数であり、bは0〜3の整数で
あり、a+bの和は平均値が約1.0〜約3.0であ
る。ただし、R1 基は少なくとも1個存在する。 【0006】本発明の方法によると、新規なシリコーン
−エステルワックスは有効量のハイドロシレーション触
媒の存在下で末端にオレフィン性不飽和を有するエステ
ルをオルガノ水素ポリシロキサンと反応させることによ
って製造される。 【0007】 【発明の説明】本発明はその一面において、少なくとも
12個の炭素原子をもつエステル部を少なくとも1個有
する新規なシリコーン−エステルワックスからなる化粧
料を提供する。本発明のシリコーン−エステルワックス
は次の一般式(化4)を有するのが好ましい。 【0008】 【化4】 【0009】ここで、Rは水素か有機基であり、R1 は
少なくとも12個の炭素原子を有するエステル含有基で
あり、aは0〜3の整数であり、bは0〜3の整数であ
り、a+bの和は約1.0〜約3.0の平均値を有す
る。ただし、少なくとも1個のR1 基が存在する。本発
明のシリコーン−エステルワックスは融点が約30℃以
上であるのが好ましく、約40℃から約90℃までであ
るとさらに好ましい。 【0010】シロキサン鎖がほとんど線状であってもま
たは樹脂状(たとえば高度に分枝した)であってもよい
ことは当業者には理解されるであろう。シロキサンがほ
ぼ線状であるのが好ましい。もちろん、線状と樹脂状の
ポリシロキサンの混合物も本発明の範囲内である。式
(化4)のシリコーン−エステルワックスを製造するの
に用いられる出発物質のポリシロキサンはオルガノ水素
ポリシロキサンが好ましい。好ましいオルガノ水素ポリ
シロキサンは次の一般式(化5)をもつ線状ポリマーで
ある。 【0011】 【化5】 【0012】ここで、Rは有機基であり、R2 は水素か
有機基であり、xとyはこのポリマーの粘度が25℃で
約5〜約1000センチポアズとなるように変化する。
ただし、xが0のときはR2 が水素である。このような
線状のハイドライドポリマーはSi−H含有シロキシ単
位を約10〜100モル%有するのが好ましい。 【0013】好ましいオルガノ水素ポリシロキサン樹脂
は次式の単位(化6)とSiO2 単位とからなる。 【0014】 【化6】 【0015】ただし、RとHの合計対Siは1.0から
3.0までで変化する。このような樹脂はまた二官能性
単位を限られた数だけ含んでいてもよい。 【0016】これらや他の適切なオルガノ水素ポリシロ
キサンは、たとえば米国特許第3,344,111号と
第3,436,366号(これらは両者とも引用によっ
て本明細書の開示に含まれるものとする)に記載されて
いるように業界ではよく知られている。上記の式中のR
基はいずれの置換または非置換の有機基でもよく、たと
えば、メチル、エチル、プロピル、ヘキシル、オクチ
ル、デシル、シクロヘキシル、シクロヘプチルなどのよ
うなアルキル基、フェニル、トリル、キシリル、ナフチ
ルなどのようなアリール基、フェニルエチル、ベンジル
などのようなアルアルキル基、またはこれらの1個以上
の水素原子がたとえばハロゲン、シアノ、アミノなどで
置換されているものがある。R基がすべてメチルである
かメチルとフェニルの混合であると最も好ましい。本発
明は、化粧品調剤に特に有用なシリコーン−エステルワ
ックスがオルガノ水素ポリシロキサンと末端にオレフィ
ン性不飽和を有する脂肪酸のアルコールエステルとから
製造することができるという発見に基づいている。すな
わち、上記式(化4)のR1 はオルガノ水素ポリシロキ
サンとの反応の前にはたとえは次の一般式(化7)で表
わすことができる。 【0017】 【化7】 【0018】ここで、xとyはそれぞれ独立に選択され
た4以上の整数であり、8以上が好ましい。このような
化合物はアルコール類を、末端にオレフィン性不飽和を
有するカルボン酸と反応させて製造することができる。
たとえば一例を挙げると次のもの(化8)がある。 【0019】 【化8】 【0020】また別の方法として、オルガノ水素ポリシ
ロキサンとの反応の前の式(化4)のR1 は、末端にオ
レフィン性不飽和を有するアルコールをカルボン酸と反
応させて製造することができる。一例を挙げると次のも
の(化9の反応に基づいて化10が生成される。)があ
る。 【0021】 【0022】 【化10】 【0023】エステル部が1個だけほしいならばたとえ
はアリルアルコールやその同族体のようなモノアルコー
ルを代りに使うことができる。その他の変化も当業者に
は自明であろう。しかし、オルガノ水素ポリシロキサン
と反応する前のR1 は式(化4)の組成物にワックス状
の粘稠度を付与するために少なくとも12個の炭素原子
を含有していなければならず(少なくとも20個が好ま
しい)、かつまた末端にオレフィン性不飽和を含有して
いなければならない。末端にオレフィン性の不飽和があ
るためにこの有機エステルはハイドロシレーション触媒
の存在下でオルガノ水素ポリシロキサンに付加すること
が可能になる。適切なハイドロシレーション触媒は業界
でよく知られており、たとえば米国特許第3,159,
601号、第3,159,662号、第3,220,9
70号、第3,516,946号および第3,814,
730号(これらはすべて引用によって本明細書の開示
に含まれるものとする)に記載されているような白金含
有触媒がある。他の適切なハイドロシレーション触媒は
ロジウム、ルテニウム、パラジウム、オスミウム、イリ
ジウムおよび白金金属をベースとするものである。一般
に、オレフィン性不飽和エステルは、金属を基準にして
約10〜約500ppmの触媒の存在下でオルガノ水素
ポリシロキサンに付加することができる。例示すると、
次の式(化11および化12)に示されているようにし
て上述の有機エステルをオルガノ水素ポリシロキサンに
付加して新規なシリコーン−エステルを得ることができ
る。 【0024】 【化11】 【0025】 【化12】【0026】最終製品にワックス状の粘稠度を付与する
のに必要なエステル部の数が、シロキシ単位の数、ポリ
シロキサンが流体であるか樹脂状であるかということ、
およびエステル部内の炭素原子の数に依存して変化する
ということは当業者には理解されるであろう。以上の説
明に基づいて当業者は、過度の実験をすることなく本発
明の新規なシリコーン−エステルワックスを製造するの
に適した反応体を選択することができるであろう。ま
た、本発明のシリコーン−エステルワックスはワックス
の融点を上げると共にその粘稠度を改善するために長鎖
のアルキル基を含有することもできると考えられる。そ
のような長鎖のアルキル基は少なくとも約16個の炭素
原子の長さであり、炭素原子約24〜約36個の長さで
あると好ましい。末端のオレフィン性不飽和は、この長
鎖のアルキルがハイドロシレーション反応、すなわち化
13によってオルガノ水素ポリシロキサンに付加するこ
とができるように存在しているべきである。 【0027】 【化13】 【0028】当業者がより容易に本発明を実施できるよ
うに、以下に例示のためであって限定の意味はない実施
例を挙げる。他に注記しない限り部とパーセントは全て
重量である。 【0029】 【実施例】 [実施例1]スターラー、温度計および還流ヘッドを備
えた1リットルの丸底三ツ首フラスコにトリメチロール
プロパンモノアリルエーテル(TMPMAE)87g、
ステアリン酸284g、p−トルエンスルホン酸触媒1
g、および溶媒としてトルエン400gを入れ、混合物
を120℃(還流)に加熱し、6時間この温度に維持し
た。この間水はトルエン/水共沸によって除いた。エス
テル化は完全に進行した。赤外スペクトルによって有機
酸のピークが消失してエステルが生成していることが確
認された。反応が完全に終わった時点でp−トルエンス
ルホン酸触媒は炭酸水素ナトリウムで中和した。こうし
て調製したエステルに米国特許第3,814,730号
に従って調製した白金含有触媒を有効量加え、この混合
物を105℃に暖め、この時点で水素で末端停止したポ
リジオルガノシロキサンを加えた。発熱が認められ、添
加速度はかなり速かった。当量のオルガノ水素ポリシロ
キサンを反応容器に加えた後Si−Hが全部消費される
(IR分析で確認した)まで溶液を加熱還流した。得ら
れたシリコーン−エステルワックスを真空ストリッピン
グしてトルエンを除去し、その後外観をよくするために
熱いうちにセライト(Celite)#545を通して
濾過した。このワックスの融点は30℃であり、次式
(化14)で表わすことができる。 【0030】 【化14】 【0031】[実施例2]実施例1と同様なものを備え
た1リットルの三ツ首フラスコにウンデシレン酸116
g、ステアリルアルコール176g、溶媒としてトルエ
ン300g、およびp−トルエンスルホン酸触媒0.5
gを入れた。この溶液を120℃に加熱し、トルエン/
水共沸によって水を除去した。6時間後IR走査によっ
て有機酸がエステルに転換していることを確認した。p
‐トルエンスルホン酸触媒を炭酸水素ナトリウムで中和
した。実施例1で使用した触媒を有効量容器に加え、1
05℃に暖めた。次に、DF1040流体[ゼネラルエ
レクトリック社(General Electric
Company)から入手可能]37.7gを加え、容
器をメチル−水素シリコーン流体(DF1040)の添
加後1時間の間120℃に加熱した。この時点でオレフ
ィン−エステルのオルガノ水素ポリシロキサンへの付加
は完了し、得られたワックスを真空ストリッピングして
トルエンを除去した。次いで熱いワックスをセライト
(Celite)#545に通して濾過した。こうして
得られたワックスの融点は43〜45℃であり、次式
(化15)で表わすことができる。 【0032】 【化15】 【0033】[実施例3]実施例1の手順を用い、トリ
メチロールプロパンモノアリルエーテル(87g)とス
テアリン酸(213g)との混合モノ/ジエステルを調
製した。このエステルは、ガルフケミカルズ(Gulf
Chemicals)から入手可能なC30 -34 α−オ
レフィン231gの存在下で生成させた。エステルが生
成した時点でp−トルエンスルホン酸触媒を中和し、有
効量のハイドロシレーション触媒を加えた。この混合物
を105℃に加熱し、MeHSiO[ゼネラルエレクト
リック社(General Electric Com
pany)から入手可能なSS4300c]を1モル加
えてメチルアルキル/メチルエステルシリコーンワック
スを生成させた。IR走査のSi−Hピークを全部消す
にはさらに25gのα−オレフィンが必要であった。こ
の混合エステル/アルキルワックスの融点は52〜55
℃であり、次式で表わすことができる。 【0034】 【化16】 【0035】[実施例4]実施例1の手順に従ってトリ
メチロールプロパンモノアリルエーテル87gとステア
リン酸284gとからトリメチロールプロパンモノアリ
ルエーテルのジステアリン酸エステルを調製した。有効
量のハイドロシレーション触媒の存在下でメチル水素シ
リコーン流体(DF1040)を30g加えて融点が3
3〜34℃で下記の式(化17)で表わすことができる
シリコーン−エステルワックスを製造した。 【0036】 【化17】 【0037】上述のシリコーン−エステルワックスは、
従来の系においても完全なシリコーン系においても口
紅、ブロンズ、頬紅およびアイシャドーのようなスティ
ック状の調剤化粧品に使用することができた。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(56)参考文献 『化粧品の実際知識(第2版)』(東
洋経済新報社 発行)(1994年7月15日
第5刷):表紙、目次、第68−75頁、第
84−95頁、第98−99頁
(58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名)
A61K 7/00
C08G 77/14
C08G 77/38
WPIDS(STN)
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.一般式(化1): 【化1】 [式中、Rは水素または有機基であり、R1 は少なくと
も12個の炭素原子をもつエステル含有基であり、aは
0〜3の整数であり、bは0〜3の整数であり、a+b
の和はシロキサン鎖を実質的に線状にするような平均値
となるものであり、R1 基は少なくとも1個存在する]
を主に有し、R1 が、末端にオレフィン性不飽和を有す
るカルボン酸とアルコール類とから、または末端にオレ
フィン性不飽和を有するアルコール類とカルボン酸とか
ら得られたものであり、融点が40〜90℃であること
を特徴とするシリコーン−エステルワックスを含む化粧
料。 2.R1 が炭素原子を少なくとも20個有することを特
徴とする請求項1に記載の化粧料。 3.R1 が一般式(化2): 【化2】(式中、xおよびyはそれぞれ独立に選択された4以上
の整数である)を有することを特徴とする請求項1に記
載の化粧料。) 4.xおよびyがそれぞれ独立に選択された8以上の整
数であることを特徴とする請求項3に記載の化粧料。 5.カルボン酸がウンデシレン酸であり、アルコールが
ステアリンアルコールであることを特徴とする請求項4
に記載の化粧料。 6.R1 が少なくとも16個の炭素原子を有することを
特徴とする請求項1に記載の化粧料。 7.R1 がトリメチロールプロパモノアリルエーテルと
ステアリン酸とから得られたものであることを特徴とす
る請求項6に記載の化粧料。 8.R 1 が有効量のハイドロシレーション触媒の存在の
もとで得られたものであることを特徴とする請求項1に
記載の化粧料。 9.末端にオレフィン性不飽和を有するアルコールがア
リルアルコールであることを特徴とする請求項1に記載
の化粧料。 10.末端にオレフィン性不飽和を有するアルコールが
トリメチロールプロパンモノアリルエーテルであること
を特徴とする請求項1に記載の化粧料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34850395A JP2960673B2 (ja) | 1995-12-20 | 1995-12-20 | シリコーンーエステルワックスからなる化粧料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34850395A JP2960673B2 (ja) | 1995-12-20 | 1995-12-20 | シリコーンーエステルワックスからなる化粧料 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1016387A Division JPS63189438A (ja) | 1986-11-03 | 1987-01-21 | シリコーン−エステルワツクス |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0948703A JPH0948703A (ja) | 1997-02-18 |
JP2960673B2 true JP2960673B2 (ja) | 1999-10-12 |
Family
ID=18397457
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP34850395A Expired - Lifetime JP2960673B2 (ja) | 1995-12-20 | 1995-12-20 | シリコーンーエステルワックスからなる化粧料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2960673B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5042807B2 (ja) * | 2007-12-27 | 2012-10-03 | モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社 | 毛髪化粧料組成物 |
JP2013119596A (ja) * | 2011-12-07 | 2013-06-17 | Shin-Etsu Chemical Co Ltd | シリコーン変性ワックス、それを含有する組成物、化粧料、及びシリコーン変性ワックスの製造方法 |
-
1995
- 1995-12-20 JP JP34850395A patent/JP2960673B2/ja not_active Expired - Lifetime
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
『化粧品の実際知識(第2版)』(東洋経済新報社 発行)(1994年7月15日第5刷):表紙、目次、第68−75頁、第84−95頁、第98−99頁 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0948703A (ja) | 1997-02-18 |
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