JP2960611B2 - シェーディング補正方法およびシェーディング補正装置 - Google Patents

シェーディング補正方法およびシェーディング補正装置

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JP2960611B2
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    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04NPICTORIAL COMMUNICATION, e.g. TELEVISION
    • H04N1/00Scanning, transmission or reproduction of documents or the like, e.g. facsimile transmission; Details thereof
    • H04N1/40Picture signal circuits
    • H04N1/407Control or modification of tonal gradation or of extreme levels, e.g. background level
    • H04N1/4076Control or modification of tonal gradation or of extreme levels, e.g. background level dependent on references outside the picture

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、たとえばファクシミリ
装置やイメージスキャナなどの画像読取装置における読
取画像中の濃度むらを低減するためのシェーディング補
正方法およびシェーディング補正装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】ファクシミリ装置やイメージスキャナな
どのような画像読取装置では、読取用光源の照明むらな
どに起因する画素間の濃度むらを補償するために、いわ
ゆるシェーディング補正が行われる。すなわち、イメー
ジセンサの出力アナログ信号をアナログ/ディジタル変
換器(以下「A/D変換器」という。)で変換したディ
ジタルデータに対して、下記(イ)式に示すシェーディ
ング補正が施される。
【0003】
【数3】 黒基準データとは真っ黒な黒基準画像を読み取ったとき
にイメージセンサから出力される信号をディジタルデー
タに変換した場合のデータであり、白基準データとは真
っ白な白基準画像を読み取ったときにイメージセンサか
ら出力される信号をディジタルデータに変換した場合の
データである。たとえば、黒基準データはイメージセン
サの読取用光源を消灯して読取動作を行わせることによ
り取得され、白基準データは読取用光源を点灯させて白
基準板の読取を行わせることにより取得される。
【0004】シェーディング補正を行うための基本的な
構成は、図39に示されている。すなわち、白基準デー
タWSTと黒基準データBSTとの差(WST−BS
T)が減算器151で演算される。また、入力データI
Dと黒基準データBSTとの差(ID−BST)が減算
器152で演算される。各減算器151,152の出力
は、除算回路153に与えられ、減算器152の出力デ
ータ(ID−BST)を減算器151の出力データ(W
ST−BST)で除することにより、補正データが得ら
れる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のような
シェーディング補正では、入力データの最大値は白基準
データであるから、白基準データがA/D変換器の最大
出力よりも小さいときには、補正データのダイナミック
レンジが低くなる。すなわち、たとえばA/D変換器が
7ビットのデータ深さを有していても、白基準データが
「0001111」であるとすると、補正データは実質
的に4ビットの範囲で変化し得るに過ぎない。このため
濃度解像度が悪くなり、濃度表現が少ない階調でしか行
えなくなる。
【0006】そこで、本発明の目的は、上述の技術的課
題を解決し、補正データのダイミックレンジを大きくし
て、多階調での濃度表現を可能としたシェーディング補
正方法およびシェーディング補正装置を提供することで
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの請求項1記載の発明は、光学的に画像を読み取って
アナログ信号を出力するセンサと、このセンサの出力信
号をディジタルデータに変換するアナログ/ディジタル
変換手段とを有する画像読取手段により予め白基準画像
および黒基準画像を読み取らせて取得された白基準デー
タWSTおよび黒基準データBSTに基づき、上記画像
読取手段の読取データIDに対してシェーディング補正
を行って補正データSOUTを得るシェーディング補正
方法であって、上記アナログ/ディジタル変換手段の最
大出力データと上記白基準データWSTとの差分である
オフセットOFFSETを用いて、下記(A)式により
補正データSOUTを求めることを特徴とするシェーデ
ィング補正方法ある。
【0008】
【数4】
【0009】請求項記載の発明は、光学的に画像を読
み取ってアナログ信号を出力するセンサと、このセンサ
の出力信号をディジタルデータに変換するアナログ/デ
ィジタル変換手段とを有する画像読取手段により予め白
基準画像および黒基準画像を読み取らせて取得された白
基準データWSTおよび黒基準データBSTに基づき、
上記画像読取手段の読取データIDに対してシェーディ
ング補正を行って補正データSOUTを得るシェーディ
ング補正装置であって、上記アナログ/ディジタル変換
手段の最大出力データと上記白基準データWSTとの差
分を演算してオフセットOFFSETを演算するオフセ
ット演算手段と、 このオフセット演算手段によって演算
されたオフセットOFFSETを用いて、上記(A)式
に示す補正データを得る演算手段を備えたことを特徴
とするシェーディング補正装置である。
【0010】
【0011】請求項記載のシェーディング補正装置
は、上記オフセット演算手段を、白基準データWSTの
取得時に動作させる手段をさらに含むことを特徴とす
る。
【0012】
【作用】請求項1または記載の構成によれば、シェー
ディング補正において行われる除算演算における被除数
および除数にはオフセットOFFSETが加算されてい
るから、これらは充分に大きな値を有することができ
る。すなわち、たとえば読取手段から与えられるデータ
が7ビットのデータであるにもかかわらず、白基準デー
タ「1111」以下であれば、実質的に4ビットで画像
濃度が表現されることになる。このような場合に、シェ
ーディング補正における除算演算の被除数および除数に
所定のオフセットOFFSETを加算することにより、
7ビットのデータ深さを有効に利用して、濃度を多階調
で表現した補正データSOUTが得られる。
【0013】また、本発明では、画像の読取は、光学的
に画像を読み取ってアナログ信号を出力するセンサによ
り行われ、このセンサ出力がアナログ/ディジタル変換
手段によりディジタルデータに変換される。この場合
に、上記のオフセットOFFSETは、アナログ/ディ
ジタル変換手段の最大出力値と白基準値との差分とされ
る。これにより、アナログ/ディジタル変換手段におけ
るダイナミックレンジを最大限に利用して、良好なシェ
ーディング補正が行える。
【0014】請求項3記載の構成では、白基準データの
取得時に同時にオフセットOFFSETを演算させるこ
とができるから、オフセットOFFSETの演算がいわ
ば自動化される。
【0015】
【実施例】以下では、ファクシミリ装置を例にとって、
この発明の一実施例について詳細に説明をする。図1
は、この発明の一実施例が組み込まれたファクシミリ装
置の電気的な構成を示すブロック図である。
【0016】このファクシミリ装置には、入力画像処理
回路(FIP(Fax Image sensor Processor)部)11
と、画像出力処理回路(PRT部)12と、装置全体の
統括的な制御を司るCPU14と、入力画像処理回路1
1および画像出力処理回路12とCPU14との接続に
必要なCPUインタフェース13とが備えられている。
入力画像処理回路11と画像出力処理回路12とは、非
同期で動作している。また、CPUインタフェース13
は、この実施例では、DMA(Direct MemoryAccess)
機能が内蔵されたものになっている。
【0017】ファクシミリ装置に原稿がセットされて読
み取られる場合には、入力画像処理回路11からイメー
ジセンサ15へ駆動クロックCCLKおよび水平同期信
号SIが与えられる。イメージセンサ15は、与えられ
る駆動クロックCCLKおよび水平同期信号SIに基づ
いて原稿画像を光学的に読み取り、読み取られたアナロ
グ画像データはアナログ部16へ与えられる。
【0018】アナログ部16には、入力画像処理回路1
1から自動利得調整信号AGC、サンプルホールド信号
SHOLDおよび利得設定信号DSCHが与えられてお
り、イメージセンサ15から与えられるアナログ画像デ
ータは所定の増幅処理がされたサンプルホールド信号に
されて、A/Dコンバータ17へ与えられる。A/Dコ
ンバータ17は、入力画像処理回路11から与えられる
変換クロックADCCLKによって動作されており、与
えられるサンプルホールド信号をディジタル画像データ
に変換して入力画像処理回路11へ与える。
【0019】入力画像処理回路11では、A/Dコンバ
ータ17から与えられるディジタル画像データ(読取画
像データ)に対して、種々の入力画像処理を行う。入力
画像処理とは、読取画像データに対するシェーディング
補正処理、2値化補正処理、中間調を表現する場合に必
要な誤差拡散処理等である。入力画像処理においては、
複数のラインデータに基づいて2次元の画像処理をする
必要があるため、少なくとも2ライン分の画像データと
その他画像処理に必要な各種のパラメータを記憶してお
くためのメモリが必要である。そこで、入力画像処理回
路11には、たとえば32KBのSRAM(スタティッ
ク・ランダム・アクセス・メモリ)で構成された記憶手
段であるメモリ18が接続されている。メモリ18の或
る領域はラインメモリとして利用され、メモリ18の或
る領域には予め定められたシェーディング補正演算用デ
ータや誤差拡散用データが記憶されている。
【0020】入力画像処理回路11は、メモリ18に読
出ストローブ信号/ROE0または書込ストローブ信号
/RWE0を与え、かつ、アドレスを指定して、そのア
ドレス指定領域にラインデータを書き込み、また、ライ
ンデータを読み出す。また、このメモリ18から読み出
したラインデータを用いて読取画像データの入力画像処
理をする。
【0021】入力画像処理回路11がメモリ18にデー
タを書き込み、またはデータを読み出すアクセスは、た
とえば20MHzのメモリアクセス用クロックSYSC
LKに同期してなされており、16クロックを1サイク
ルとして1画素のデータが処理されるようにされてい
る。なお、イメージセンサ15の読出速度、すなわちイ
メージセンサ15へ与えられる駆動クロックCCLK
は、たとえば400KHz程度の周波数であり(このよ
うな周波数になるのは、イメージセンサ15の動作速度
に限界があるからである)、それに比べると、メモリア
クセス同期用クロックSYSCLKは十分に速い速度と
されている。
【0022】入力画像処理が施された後の読取画像デー
タは、一旦そのままDRAM(ダイナミック・ランダム
・アクセス・メモリ)19にストアされる。入力画像処
理回路11からDRAM19へのデータ転送は、CPU
インタフェース13にDMA機能が内蔵されているの
で、DMA転送により行われる。DMA転送は、入力画
像処理回路11からCPUインタフェース13へ読取画
像データが与えられ、そのデータが所定量に達したとき
に行われる。すなわち、データが所定量に達すると、C
PUインタフェース13はCPU14にDMAリクエス
トをし、CPU14からのDMA承認を受けると、読取
画像データをDRAM19へ転送する。
【0023】そしてDRAM19に一旦ストアされた読
取画像データは、CPU14により読み出されて圧縮処
理がされ、再度DRAM19にストアされる。この圧縮
処理は、ファクシミリ装置の規格で種々の方式がある
が、たとえばMRR、MR、MH等の方式が公知であ
る。圧縮されてDRAM19にストアされた読取画像デ
ータは、CPU14で読み出されてモデム20へ与えら
れ、モデム20でディジタルデータからアナログデータ
に変換され、NCU(Network Control Unit)21を介
して電話回線へ出力されて送信相手側のファクシミリ装
置へ伝送される。
【0024】一方、電話回線を通じてデータが送信され
てきた場合は、NCU21で受信され、受信データ(ア
ナログデータ)はモデム20でディジタルデータに変換
され、DRAM19にストアされる。このデータは、圧
縮データである。DRAM19にストアされた圧縮デー
タは、CPU14で読み出されて伸長処理がされ、DR
AM19に再ストアされる。
【0025】その後、CPU14は、DRAM19に再
ストアした画像データを画像出力処理回路12へ与え
る。画像出力処理回路12は、CPU14からCPUイ
ンタフェース13を介して画像データが与えられると、
その画像データに対して出力処理を施し、LSU(レー
ザ走査ユニット)22を駆動して、出力処理を施した画
像データを用紙等に記録する。
【0026】画像出力処理回路12が行う出力処理と
は、たとえば、画像の輪郭の凹凸を滑らかにするための
スムージング処理、画像を拡大したり縮小したりする場
合の画素密度やライン密度の変換処理、与えられる画像
データの密度とLSU22の解像度との相違に起因する
画素密度変換処理等である。これらの出力処理において
は、たとえば画像データの中の注目画素に対する周囲画
素の状態に応じて注目画素に対するスムージングパター
ンを変えたり、複数ラインのデータの論理和をとって画
素密度を変換するため、画像データを保持するためのメ
モリが必要である。また、画像出力処理回路12からL
SU22に画像データとしてのビデオ信号を出力する場
合、出力処理の速度とLSU22の処理速度とには差が
あるから、バッファとしてラインメモリに一旦ビデオ信
号を記憶しておき、バッファ用ラインメモリからビデオ
信号を読み出してLSU22に出力する必要がある。そ
のため、ラインメモリが要求される。そこで、出力処理
においても、メモリ18が活用される。
【0027】画像出力処理回路12によるメモリ18の
アクセスは、入力画像処理回路11と同様に、メモリア
クセス用クロックSYSCLKに同期してなされてお
り、入力画像処理回路11を経由して行われる。そのた
め、画像出力処理回路12は入力画像処理回路11にメ
モリリクエスト信号MREQ、書込ストローブ信号/P
RTWEまたは読出ストローブ信号/PRTOEを与
え、かつ、アドレスを指定して、そのアドレス指定領域
にデータの書込を行い、また、読み出す。
【0028】入力画像処理回路11と画像出力処理回路
12とは、前述したように非同期で動作しているが、両
回路には、共通のメモリアクセス同期用クロックSYS
CLKが与えられている。それゆえ、入力画像処理回路
11および画像出力処理回路12は、非同期で動作しな
がら、メモリ18へのアクセスは、このメモリアクセス
同期用クロックSYSCLKに同期して行う。
【0029】画像出力処理回路12からメモリアクセス
リクエスト信号MREQが出力されない場合には、入力
画像処理回路11がメモリ18のアクセス権を有する。
また、入力画像処理回路11の動作の1サイクルは、メ
モリアクセス同期用クロックSYSCLKが16クロッ
クに設定されており、しかも、16クロックのうちの8
クロックによって1サイクル内のメモリアクセスが完了
するようにされている。したがって、入力画像処理回路
11の内部状態は、各サイクルにつき、メモリアクセス
同期用クロックSYSCLK16クロックのうち、8ク
ロックに基づいてメモリアクセス動作を行い、残りの8
クロックの期間中は、動作停止(待ち状態)となるよう
にされている。
【0030】入力画像処理回路11の動作の1サイクル
を、このようにメモリアクセス同期用クロックSYSC
LK16クロックを単位として構成できるのは、前述し
たように、入力画像処理回路11へ与えられるイメージ
センサ15からの読取画像データは、相対的に低い周波
数、たとえば400kHz程度の駆動クロックCCLK
に同期して、画素単位で入力されるのに対して、メモリ
アクセス同期用クロックSYSCLKは、相対的に高い
たとえば20MHzのクロックだからである。つまり、
入力画像処理回路11へ1画素の読取画像データが与え
られる期間を単位として入力画像処理回路11の動作の
1サイクルを定めれば、メモリアクセス同期用クロック
SYSCLK16クロックにて構成されるのである。
【0031】以上の結果、入力画像処理回路11は、メ
モリ18のアクセス権を有している場合でも、各サイク
ルにつき、メモリアクセス同期用クロックSYSCLK
8クロック分は停止状態である。一方、入力画像処理回
路11と非同期に動作する画像出力処理回路12から
は、任意のタイミングで、入力画像処理回路11へメモ
リアクセスリクエスト信号MREQが与えられる。この
リクエスト信号MREQが与えられると、上述したよう
に、メモリアクセス権が画像出力処理回路12側へ委譲
される。
【0032】また、入力画像処理回路11は、メモリア
クセスリクエスト信号MREQに応じて、回路動作を停
止し、メモリ18のアクセス権を画像出力処理回路12
へ譲る。このため、画像出力処理回路12は、メモリ1
8のアクセスを行うことができる。画像出力処理回路1
2による1回のメモリアクセス期間は予め決められてい
る。たとえば、メモリアクセス同期用クロックSYSC
LK8クロックの期間とされている。
【0033】画像出力処理回路12がメモリ18の1回
のアクセスを終えると、画像出力処理回路12からのメ
モリアクセスリクエスト信号MREQは出力されなくな
る。このため、メモリアクセス信号切換回路110は入
力画像処理回路11側へ切換わり、入力画像処理回路1
1は再びメモリ18のアクセス権を得る。この場合にお
いて、入力画像処理回路11のメモリアクセスは、各サ
イクルごとに、メモリアクセス同期用クロックSYSC
LK8クロックの期間であればよいから、各サイクルご
とに、メモリアクセス同期用クロックSYSCLK8ク
ロック期間がメモリアクセス期間として保証されていれ
ば、入力画像処理回路11によるメモリアクセスは全く
支障なく行える。
【0034】つまり、画像出力処理回路12からのメモ
リアクセスリクエスト信号MREQが任意のタイミング
で割り込んでも、該リクエスト信号MREQが割り込ん
でいる期間中は、回路動作を停止すればよく、しかも、
このリクエスト信号MREQの割り込みがなくても各動
作サイクルにおいて、動作停止期間が必然的に存在し、
その停止期間は任意のタイミングでよいから、全く支障
なく入力画像処理回路11はメモリアクセスができる。
【0035】また、画像出力処理回路12によるメモリ
アクセスも、任意のタイミングで、各動作サイクルごと
に行うことができる。図2は入力画像処理回路11の内
部構成を示すブロック図である。入力画像処理回路11
は、イメージセンサ15、アナログ部16およびA/D
コンバータ17などを駆動するための信号を出力するた
めのイメージセンサインタフェース25を備えている。
また、メモリ18とのデータの授受のために、RAMイ
ンタフェース26が設けられている。このRAMインタ
フェース26には、15ビットのアドレスバスRAおよ
び8ビットのデータバスRDなどが接続されている。R
AMインタフェース26からは、メモリ18に対して、
読出ストローブ信号/ROE0および書込ストローブ信
号/RWE0などが与えられる。一方、画像出力処理回
路12からは、アドレス信号PRTADR、データPR
TDOUT、書込ストローブ信号PRTWEおよび読出
ストローブ信号PRTOEなどが与えられ、さらにメモ
リリクエスト信号MREQが入力されている。また、上
述のメモリアクセス用クロック信号SYSCLKも与え
られている。
【0036】A/Dコンバータ17からの7ビットのイ
メージデータIDは、シェーディング補正部31に与え
られ、読取用光源の輝度のばらつきなどに起因する画素
間の濃度のばらつきが補正される。シェーディング補正
は、真っ黒の画像に対応した黒基準データBSTと、真
っ白の画像に対応した白基準データWSTとに基づいて
行われる。これらの黒基準データBSTおよび白基準デ
ータWSTは、白/黒基準値生成部32で生成され、R
AMインタフェース26を介してメモリ18に書き込ま
れる。黒基準データBSTは、原稿照明用のランプを消
灯した状態でイメージセンサ15の出力を取得すること
により作成される。また、白基準データWSTは原稿照
明用のランプを点灯させて白色基準画像を形成した白基
準板に対してイメージセンサ15での読取を行わせるこ
とにより作成される。
【0037】白/黒基準値生成部32は、白基準データ
WSTを生成する際に、A/Dコンバータ17の最大出
力データと白基準データWSTとの差をオフセットOF
FSETとして算出する。このオフセットOFFSET
はメモリ18に書き込まれ、シェーディング補正に用い
られる(詳細については後述する。)。すなわち、白/
黒基準値生成部32はオフセット演算手段として機能
し、白基準データWSTを生成する際に、自動的にオフ
セットOFFSETを同時に生成する。なお、このよう
なオフセットOFFSETの生成は必ずしも自動で行わ
れなくてもよく、ファクシミリ装置の操作部からの所定
の操作に応答して白基準データWSTとA/Dコンバー
タ17の最大出力データとに基づいてオフセットOFF
SETが演算されるようにしてもよい。
【0038】シェーディング補正を経たデータSOUT
は、フィルタ処理部33に入力される。このフィルタ処
理部33では、中間調画像域と二値画像域との像域が分
離して検出され、二値画像域の画像に対して画像のエッ
ジ部を強調したりする処理が施される。フィルタ処理後
のデータFOUTは、濃度調整処理部34に与えられ
る。濃度調整処理部34は、特に中間調の画像の濃度の
再現性を高めるための処理を行う。具体的には、4×4
画素のマトリクスを構成する16個の画素を含む画像部
分を順に取り出し、マトリクス内での画素位置に対応さ
せて予め定めた濃度補正値を各画素位置の画素のデータ
に加算する。
【0039】濃度調整処理部34の出力信号WOUT
は、γ補正部35および単純二値化処理部6に与えら
れる。すなわち、中間調の画像のデータはγ補正部35
に与えられ、二値画像の画像データは単純二値化部36
に与えられる。γ補正部35では、イメージセンサ15
が有するγ特性や、レーザビームの走査により感光体に
形成された静電潜像をトナー像に現像するときの現像特
性を補正して原稿画像の濃度を正確に再現するための補
正が画像データに施される。
【0040】γ補正後のデータGOUTは誤差拡散処理
部37に与えられる。誤差拡散処理は、擬似的中間処理
法であり、注目画素の近傍の参照画素の読取濃度と二値
化濃度との誤差を、注目画素との位置関係に応じて重み
付けして分配し、注目画素に対する二値化処理を注目画
素の濃度と周辺の参照画素から分配された二値化誤差と
を加算した結果に基づいて行う技術である。二値化処理
は、一定の閾値に基づいて行われる。
【0041】濃度調整処理部34から単純二値化処理部
36に与えられたデータWOUTは、所定の閾値により
「0」または「1」に二値化される。この単純二値化処
理部36には、自動濃度調整処理部38から二値化のた
めの閾値が入力されている。自動濃度調整処理部38
は、複数ラインのピーク濃度の平均値をとり、この平均
値に基づいて、二値化のための閾値を変化させるもので
ある。このため、たとえば1枚の原稿の各部に対して異
なる閾値が設定される。
【0042】単純二値化処理部36からの二値データ
は、孤立点除去処理部39に入力される。孤立点除去処
理とは、たとえば原稿を搬送するためのモータの回転む
らなどに起因する画質の低下を防止し、また原稿面の汚
れなどのノイズなどのために白画素または黒画素がたと
えば単独で存在する様な場合に、このようないわば孤立
画素を除去するための処理である。この孤立点除去処理
は、或る注目画素の周囲の所定位置の画素がいずれも白
画素か黒画素の一方の二値データを持つときに、注目画
素の二値データを強制的に当該二値データに変換するこ
とにより行える。
【0043】このような処理により、黒画素または白画
素が孤立することが防がれるから、画質を向上できる。
のみならず、ファクシミリ送信のために二値データの圧
縮符号化を行う際の圧縮効率が高まるから、送信符号量
が減少する。このため、高速通信が可能となる。誤差拡
散処理部37および孤立点除去処理部39からの二値デ
ータは二値化出力回路40に与えられ、1画素ごとに直
列に与えられる二値データが8ビットの並列データBI
N0〜BIN7に変換されて出力される。この二値デー
タが、図1のCPUインタフェース13に与えられる。
【0044】入力画像処理回路11内には、上述の各構
成部分の他に、メモリ18に対する書込または読出アド
レスを発生するアドレスカウンタ41や、各部の動作タ
イミングを制御するタイミング制御回路42などが備え
られている。図3はシェーディング補正部31の内部構
成を示すブロック図である。シェーディング補正部31
には、白基準データWST、黒基準データBSTおよび
画像データIDが与えられる。そして、白基準データW
STと黒基準データBSTとの差(WST−BST)が
第1の減算器45で演算され、画像データIDと黒基準
データBSTとの差(ID−BST)が第2の減算器4
6で演算される。さらに、減算器45,46の出力(W
ST−BST),(ID−BST)はそれぞれ第1、第
2の加算器47,48に与えられ、それぞれにオフセッ
トOFFSETが加算される。
【0045】加算器47の出力(WST−BST+OF
FSET)と、加算器48の出力(ID−BST+OF
FSET)とは、除算回路49に与えられる。この除算
回路49では、下記第(1) 式で示す除算が行われて、シ
ェーディング補正データSOUTが出力される。
【0046】
【数5】 なお、この第(1) 式の演算は、白基準データWSTとオ
フセットOFFSETとの加算、および画像データID
とオフセットOFFSETとの加算を先に行い、各加算
結果から黒基準データBSTをそれぞれ減算し、各減算
結果に対して除算演算を行うことによっても実現でき
る。
【0047】白基準データWSTおよび黒基準データB
STは、白/黒基準値生成部32(図2参照。)で生成
されて、メモリ18に記憶されている。このメモリ18
内の基準データWSTおよびBSTが読み出されて減算
器45,46に与えられる。一方、オフセットOFFS
ETは、上述のように白/黒基準値生成部32におい
て、白基準データWSTが生成されるときに、同時に計
算されてメモリ18に記憶されており、図外のレジスタ
から加算器47,48に供給される。このオフセットO
FFSETは、下記第(2) 式により計算される。
【0048】 OFFSET=(A/Dコンバータの最大出力)−WST ・・・・ (2) すなわち、A/Dコンバータ17の最大出力データと白
基準値WSTとの差がオフセットOFFSETとなる。
このようなオフセットOFFSETをシェーディング補
正のための除算演算の除数データ(WST−BST)お
よび被除数データ(ID−BST)に加算しておくこと
により、シェーディング補正データSOUTの広いダイ
ナミックレンジが確保される。
【0049】すなわち、たとえばA/Dコンバータ17
の出力データが7ビットの深さを有している場合に、白
基準値WSTが「1111」以下のデータである場合に
は、(ID−BST)/(WST−BST)は実質的に
4ビット以下で表現されたデータとなる。このため、シ
ェーディング補正データSOUTのダイナミックレンジ
が狭くなるおそれがある。
【0050】これに対して、本実施例では、シェーディ
ング補正のための演算の除数データおよび被除数データ
に対してオフセットOFFSETを加算しているから、
有効ビット数が増大し、広いダイナミックレンジが確保
されることになる。これにより、補正後のデータSOU
Tは、濃度を多階調で表現したデータとなる。なお、オ
フセットOFFSETには、上記第(2) 式で計算される
値の代わりに予め定めた一定の値を用いてもよい。
【0051】除算回路49の構成例は、図4に示されて
いる。すなわち、A÷Bの演算を行う場合に、除数デー
タBが減算器50の一方の入力端子に与えられ、被除数
データAはセレクタ51の入力端子Iaに与えられる。
セレクタ51の出力は、減算器50のもう一つの入力端
子に与えられており、減算器50はセレクタ51の出力
データから除数データBを減じ、減算が可能であれば
(減算結果が負の値とならなければ)ライン52に論理
「1」の信号を導出し、減算が不可能ならライン52に
論理「0」の信号を導出する。この信号は、7ビットの
シフトレジスタ53に入力される。
【0052】データセレクタ51の出力は、ライン54
から1ビット上位側にシフトされて当該セレクタ51の
入力端子Icに帰還される。また、減算器50における
減算結果のデータは、ライン55から1ビット上位側に
シフトされてデータセレクタ51の入力端子Iに帰還
される。データセレクタ51には、入力端子Iaに与え
られている被除数データAを選択するための選択制御信
号がライン56から与えられている。さらに、減算器5
0からライン52に導出される信号が入力端子Ib,I
cのいずれかの入力信号を選択するための選択制御信号
としてライン57から与えられている。データセレクタ
51は、ライン57から論理「1」の信号が与えられた
ときには入力端子Ibからの入力データを選択し、ライ
ン57からの信号が論理「0」であれば入力端子Icか
らの入力データを選択する。
【0053】この構成により、最初は入力端子Iaから
の被除数データAが減算器50に与えられる。このと
き、A−B<0であればライン52には論理「0」の信
号が導出される。そして、入力端子Icからの被除数デ
ータAを1ビット上位側にシフトされたデータが選択さ
れて減算器50に入力される。このとき、1ビットシフ
トされたデータから除数データBを引くことができれ
ば、ライン52には論理「1」の信号が導出され、減算
結果を1ビット上位側にシフトした入力端子Ibからの
データがデータセレクタ51で選択される。
【0054】このような動作は、たとえば被除数データ
Aおよび除数データBが7ビットであれば、7回に渡っ
て繰り返し行われる。その結果、シフトレジスタ53に
は、被除数データAを除数データBで除した7ビットの
データが蓄積される。この7ビットのデータが除算デー
タとして出力されることになる。図5はフィルタ処理部
33での処理を説明するための図である。本実施例では
いわゆるラプラシアンフィルタが採用されている。フィ
ルタ処理は、注目画素を中心とした3×3個のマトリク
ス配列された画素のシェーディング補正後のデータに基
づいて行われる。
【0055】3×3個の画素のマトリクスを作るために
は3ライン分のデータが必要である。すなわち、シェー
ディング補正されて順に出力される現ラインのデータB
n ,Bn-1 ,Bn-2 ,・・・・、注目画素を含む前ラインの
データXn ,Xn-1 ,Xn-2,・・・・および前々ラインの
データAn ,An-1 ,An-2 ,・・・・が必要となる。フィ
ルタ処理では、下記第(3) 式で示す差分値Sが演算され
る。
【0056】
【数6】 そして、この演算された差分値Sに応じて、下記表1に
示されたフィルタ処理後のデータFOUTが得られる。
ただし、各画素のデータは8ビットのデータであり、0
から255の範囲の値を有することができるものとす
る。
【0057】
【表1】 なお、上記表1において、Xは、図5における画像デー
タXn-1 に相当し、SLBは黒画素の強調処理に関する
閾値値であり、SWBは白画素の強調処理に関する閾値
である。上記のような処理によって、中間調領域と二値
画像領域とが分離して検出され、二値画像領域に関して
白色および黒色を強調する処理が施される。これによ
り、二値画像の再現性が向上される。
【0058】本実施例では、フィルタ処理のために、メ
モリ18の記憶領域には2ライン分のラインメモリが設
けられている。このことを、図6に示されたメモリ18
のメモリマップを参照して説明する。メモリ18のアド
レス「0000」から「1AFF」までは、2ライン分
のシェーディング補正後のデータSOUTと黒基準デー
タBSTおよび白基準データWSTとを記憶するために
用いられる。1ラインはたとえば1728画素で構成さ
れている。また、アドレス「1B00」〜「1FFF」
はワークエリアとして用いられ、アドレス「2000」
〜「26BF」は誤差拡散処理や単純二値化処理に用い
られる。さらに、アドレス「26C0」〜「26FF」
はγ補正のための補正テーブルの記憶のために用いら
れ、アドレス「2700」〜「7FFF」はCPU14
のワークエリアとして用いられる。
【0059】フィルタ処理では、アドレス「0000」
〜「1AFF」が2ライン分のラインメモリとして用い
られる。すなわち、イメージセンサの画像読取における
主走査方向に関する先頭の画素に対応するシェーディン
グ補正後のデータは、アドレス「0000」および「0
001」に書き込まれる。アドレス「0000」には隣
接する2ラインのうちの一方のラインのデータが格納さ
れ、アドレス「0001」には他方のラインのデータが
格納される。同様にして、アドレス「0004」および
「0005」には2番目の画素のデータが格納され、ア
ドレス「0008」および「0009」には3番目の画
素のデータが格納される。このようにして、2ライン分
の各画素のデータを記憶させることができる。
【0060】たとえば、アドレス「0000」,「00
04」,「0008」,「000C」,・・・・には前々ラ
インのデータが書き込まれており、アドレス「000
1」,「0005」,「0009」,「000D」,・・
・・には、前ラインのデータが書き込まれているとする。
たとえばアドレス「0008」に書き込まれた前々ライ
ンのデータが図5のデータAn-2 として読み出されてフ
ィルタ処理に使われると、このアドレス「0008」に
は、現ラインのデータBn-2 が書き込まれる。同様にし
て、フィルタ処理において前々ラインのデータの使用が
終了すると、この使用が終了した画素のデータに代わり
に現ラインのデータがその画素データの記憶アドレスに
書き込まれる。
【0061】このようにして、3ライン分の画像データ
を扱う必要のあるフィルタ処理を2ライン分のラインメ
モリを用意することで達成できる。これより、メモリ1
8の記憶領域の有効活用を図ることができる。また、逆
に、メモリ18として少ない記憶容量の素子を用いるこ
とができるから、コストの低減にも寄与できる。なお、
フィルタ処理には、2ライン分の画像データが用いられ
てもよく、4ライン分以上の画像データが用いられても
よい。もしも、N(N≧2)ライン分のデータに基づい
てフィルタ処理が行われるなら、メモリ18内に(N−
1)ライン分のラインメモリを用意し、現ラインの直前
の(N−1)ライン分の各構成画素のデータをメモリか
ら順に読み出すとともに、現ラインよりも(N−1)ラ
インだけ前のデータが読み出されたアドレスに現ライン
のデータを書き込んでゆけばよい。これにより、Nライ
ン分のデータを要するフィルタ処理を、(N−1)ライ
ン分のメモリを用意することで達成できる。図7は濃度
調整処理部34における処理を説明するための図であ
る。濃度調整処理部34は、4×4画素のマトリクス配
列された16個の画素からなる部分画像を順に取り出
し、このマトリクスのなかの所定の画素位置の画素W
0,W1,W2,・・・・,W7に対して、予め定めた濃度
補正値を加減するものである。
【0062】たとえば、画素W0,W1,・・・・,W7に
加算される濃度補正値をそれぞれWD0,WD1,・・・
・,WD7とし、 WD0=WD1=WD2=・・・・=WD7=3 ・・・・ (4) とする。このとき、4×4画素のマトリクス配列された
画素に対するフィルタ処理後の画像データFOUTが図
8(a) のようになっているとすると、このデータは図8
(b) のデータWOUTに変化することになる。
【0063】画像データへの濃度補正値WDi(0≦i
≦7)の加算は、所定の条件の下で行われてもよい。た
とえば、 FOUT>0 ・・・・ (5) を加算のための条件とすると、図9(a) のようなフィル
タ処理後の画像データFOUTは、図9(b) のようなデ
ータWOUTに変換される。すなわち、FOUT=0の
画素に対しては、濃度補正値WDiの加算は行われな
い。
【0064】また、マトリクス内の画素位置毎に異なる
条件を設定し、各画素位置においてデータFOUTが当
該条件を満たすときに、当該画素位置に対応付けた濃度
補正値WDiが加算されるようにしてもよい。たとえ
ば、図10に示すように、マトリクス内の画素W0,W
3,W4,W7に対しては下記の条件C1を設定し、画
素W1,W2,W5,W6に対しては下記条件C2を設
定する。
【0065】 条件C1 ・・・・ FOUT>WMIN=0 ・・・・ (6) 条件C2 ・・・・ FOUT>WMAX=8 ・・・・ (7) 各画素位置毎に設定した条件C1,C2が成立した画素
に対して、当該画素位置に対応した濃度補正値WDiを
加算することとすると、図11(a) のようなフィルタ処
理後の画像データFOUTは、図11(b) のようなデー
タWOUTに変換される。すなわち、この場合には条件
C1のみが成立している。
【0066】なお、濃度補正値WDiは全て等しくする
必要はなく、各位置の画素毎に異なる濃度補正値が設定
されてもよい。図12は上記の濃度調整処理を行うため
の構成例を示すブロック図である。濃度補正値WD0〜
WD7はメモリ18に予め記憶されている。この濃度補
正値WD0〜WD7はCPU14によりデータバス59
に導出される。そして、CPU14からの書込信号によ
りレジスタ60,61,・・・・,67に、それぞれ濃度補
正値WD0,WD1,・・・・,WD7が書き込まれる。
【0067】一方、条件付けのための閾値データWMI
NおよびWMAXは、データバス59を介して、それぞ
れレジスタ68,69に書き込まれる。この構成によ
り、4×4画素のマトリクス内の画素W0,W1,W
2,・・・・,W7(図7参照。)の画像データに対して、
それぞれ濃度補正値WD0,WD1,WD2,・・・・,W
D7が加算される。
【0068】条件付きで加算を行う場合には、加算を行
うべき画素W0,W1,W2,・・・・,W7のデータとレ
ジスタ68,69の出力データとを比較し、その比較結
果に応じて加算を行うか否かを決定すればよい。図13
は濃度調整処理のための他の構成例を示すブロック図で
ある。この構成では、濃度補正値WD0,WD1,・・・
・,WD7は、マルチプレクサ70に入力されており、
いずれ1つの濃度補正値WDiが出力端子Q0〜Q6か
ら濃度補正データWDATAとして導出される。
【0069】マルチプレクサ70には、いずれの濃度補
正値WDiを出力するかを選択するための選択制御信号
がラインデコーダ71から与えられている。このライン
デコーダ71は、8本の出力端子Y0〜Y7を有してお
り、選択すべき濃度補正値WDiに対応するいずれか1
つの出力端子にローレベルの信号を導出する。加算を行
わないときには、全ての出力端子Y0〜Y7がハイレベ
ルとなる。
【0070】この構成例では、4×4画素のマトリクス
の各画素位置に対して所定の4ビットのアドレスが与え
られており、このアドレスの下位3ビットの信号が入力
端子A,B,Cに入力されている。そして、上記アドレ
スの最上位ビットはANDゲート72を介して入力端子
G1に与えられている。ANDゲート72にはまた、濃
度調整を行うかどうかを選択するための信号OUTFI
Lが入力されている。
【0071】ラインデコーダ71は、入力端子G1にロ
ーレベルの信号が与えられると、出力端子Y0〜Y7の
全てにハイレベルの信号を導出する。したがっ、アド
レスの最上位ビットが「0」であるか、または信号OU
TFILがローレベルであるときには、マルチプレクサ
70の出力データは「0」になる。すなわち、このとき
には、濃度補正値WDiの加算は行われない。
【0072】図14は4×4画素のマトリクスの各画素
に対して与えた4ビットのアドレスを表す図である。す
なわち、濃度補正値WDiを加算すべき図7の画素W
0,W1,・・・・,W7に対しては最上位ビットが「1」
とされ、残余の画素については最上位ビットは「0」と
されている。このため、画素W0,W1,・・・・,W7に
対してのみ濃度補正値WDiの加算が行われることにな
る。そして、アドレスの下位3ビットにより、各画素W
0〜W7に対応した濃度補正値WD0〜WD7が選択さ
れて濃度補正データWDATAとして出力される。
【0073】図15はγ補正部35での処理を説明する
ための図である。メモリ18に記憶されたγ補正テーブ
ル(図6参照。)の内容は、下記表2のとおりであり、
このγ補正テーブルをグラフ化したγ曲線が図15に示
されている。なお、「H」はその前の数字が16進数で
あることを表す。
【0074】
【表2】 γ補正が行われるときには、濃度調整処理部34からの
データWOUTがγ補正テーブルのアドレスの下位2桁
に割り当てられる。そして、そのアドレスに記憶された
値がγ補正後のデータGOUTとしてメモリ18から読
み出され、これによりγ補正が達成される。
【0075】たとえば、図8(b) の4×4画素のマトリ
クスの濃度調整処理後のデータWOUTに対してγ補正
を施すことにより、図8(c) のγ補正後のデータGOU
Tが得られる。同様に、図9(b) および図11(b) の各
濃度調整処理後のデータWOUTに対してγ補正を施す
と、それぞれ図(c) および図11(c) の各画像データ
GOUTが得られる。
【0076】これらの図8(c) 、図9(c) および図11
(c) の各データGOUTに対して、図8(d) 、図(d)
および図11(d) にそれぞれ示すディザマトリクスを用
いた中間調処理を施すと、それぞれ図8(e) 、図9(e)
および図11(e) に示す二値画像が得られることにな
る。なお、斜線部は黒画素である。これらの図8(e) 、
図9(e) および図11(e) の二値画像では、白画素と黒
画素とが適正な比率で混在しているから、たとえば白画
素が周囲の黒画素により潰れてしまうなどという不具合
を克服できる。このことは、たとえばレーザビームプリ
ンタで画像が印刷されるときに、トナー粒子の広がりに
起因して黒画素に広がりが生じる場合に特に有効であ
る。
【0077】上記のように中間調処理後の画像におい
て、白画素と黒画素との適正な比率が得られるのは、濃
度調整処理部34での濃度調整処理の結果であり、この
濃度調整処理部34での調整を省くと、中間調画像の濃
度再現が不良になるおそれがある。さらに詳細に説明す
ると、図8(a) の部分画像を構成する各画素の濃度デー
タはいずれも中間的な値「6」である。したがって、こ
の部分画像の各濃度データに対して直接γ補正を施して
も、全ての画素が同一の値に変換されるだけである。し
たがって、実質的にディザマトリクスによる中間調処理
のみを施した場合と変わらなくなり、中間的な濃度が良
好に再現されないおそれがある。
【0078】これに対して本実施例における濃度調整処
理を施せば、図8(b) に示すように濃度データにばらつ
きを生じさせることができる。このため、いわば4×4
画素のマトリクスを構成する部分画像単位で中間的な濃
度を表現するためのγ補正が施されたことになり、中間
的な濃度を良好に再現できる。この場合に、図9に示さ
れた処理のように、上記第(5) 式の条件下で濃度補正値
WDiの加算を行うこととすれば、明らかに黒画素であ
る画素の濃度データが中間的な濃度データに補正される
ことを防止できる。これにより、濃度の再現性が一層良
好になる。
【0079】さらに、図11に示された処理のように、
画素位置毎に異なる条件を設定して濃度調整処理を行う
こととすれば、濃度再現の調整範囲が広くなり、一層良
好に濃度を再現できる。図16は濃度調整処理およびγ
補正処理のための他の処理技術を説明するための図であ
る。この例では、濃度調整のための4×4画素のマトリ
クスの各画素位置WP0,WP1,WP2,・・・・,WP
15のそれぞれに対してγ補正テーブルGT0,GT
2,GT3,・・・・,GT15(図16中では、繁雑さを
避けるためGT0〜GT8のみを示す。)が設けられて
いる。そして、濃度調整処理の対象となる4×4画素の
フィルタ処理後の画像データFOUTに対して、各画素
のマトリクス内の位置に応じて異なるγ補正テーブルが
参照される。
【0080】図16の例では、γ補正テーブルのアドレ
スは、上位2桁に画素位置WP0,WP1,WP2,・・
・・,WP15に対応した「00H」〜「0FH」が割り
当てられており、下記2桁にフィルタ処理後のデータが
割り当てられている。したがって、たとえば画素位置W
P8のフィルタ処理後の画像データFOUTが「06
H」なら、アドレス「0806H」のデータ「05H」
がγ補正後のデータGOUTとして得られることにな
る。
【0081】γ補正テーブルGT0〜GT15の相互間
の関係は、たとえば図7の4×4画素のマトリクス内の
画素W0〜W7に対しては、濃度補正値WD1〜WD7
を加算し、マトリクス内の残余の画素に対しては加算処
理を行わないように濃度調整を行い、さらに濃度調整後
のデータに対してγ補正を施した結果が得られるように
なっている。
【0082】このような構成により、上述の濃度調整処
理およびγ補正処理を一気に行える。図17は誤差拡散
処理部37での処理を説明するための図である。誤差拡
散処理は、或る画素P0を二値化したときに、この画素
P0の多値濃度データと二値化後の濃度データ(白また
は黒に対応した濃度データ)との誤差HGを求め、この
誤差を画素P0の周辺の画素に所定の分配比率で分配す
る処理である。たとえば画素P0の二値化処理される多
値濃度データが「30H」で、二値化閾値が「20H」
なら、画素P0は白画素となる。このとき、たとえば真
っ白の画素の濃度が「3F」であるとすると、二値化誤
差HGは、 HG=3FH−30H=FH ・・・・ (8) となる。
【0083】本実施例では、画素P0で発生した二値化
誤差HGは、画素P0に対してイメージセンサ15によ
る画像読取時の主走査方向RMおよび副走査方向RSの
各下流側にそれぞれ隣接する画素P1,P5に対して係
数1/4を乗じて分配される。また、画素P1に対して
主走査方向RMの下流側に隣接する画素P2と、画素P
5に対して主走査方向RMの上流側の2つの画素P3,
P4と、画素P5に対して主走査方向下流側に隣接する
画素P6とに、係数1/8を乗じて分配される。
【0084】注目画素に対する誤差拡散処理では、周辺
の画素から分配される誤差を注目画素の濃度データに加
算し、この加算結果に対して二値化処理が施されること
になる。この処理を図18を参照して説明する。注目画
素Aを中心に考えると、この注目画素Aには、前ライン
L1の画素G,E,Dでの二値化誤差HG(G),HG
(E),HG(D)が、係数1/8を乗じて分配され
る。また、画素Fでの二値化誤差HG(F)は係数1/
4を乗じて分配される。注目画素Aを含む現ラインL2
については、その主走査方向RSの上流側に隣接する画
素Bでの二値化誤差HG(B)が係数1/4を乗じて分
配され、さらに画素Bに対して主走査方向Rの上流側
に位置する画素Cでの二値化誤差HG(C)が係数1/
8を乗じて分配される。
【0085】したがって、注目画素Aに対してγ補正部
35から与えられたデータがGOUT(A)であるとす
ると、注目画素Aに対する二値化処理は、下記第(9) 式
で示す値T(A)と所定の閾値とを比較して行われる。
【0086】
【数7】 このような誤差拡散処理の具体的な処理手順は次のとお
りである。本実施例で行われる誤差拡散処理は、次の
〔処理1〕〜〔処理6〕から構成されている。 〔処理1〕注目画素Aの1画素前の処理で発生した二値
化誤差HG(B)と2画素前の二値化誤差HG(C)と
を、注目画素Aとの位置関係に対応した係数を乗じて加
算し、下記第(10)式で示された累積誤差値RG(h)を
演算する。
【0087】
【数8】 〔処理2〕下記第(11)式に示された前ラインL1での累
積誤差値RG(m)と、〔処理1〕で求めた累積誤差値
RG(h)とを加算して、注目画素Aのデータに加算す
べき累積誤差値RG(i)を下記第(12)式の演算により
求める。なお、累積誤差値RG(m)は前ラインL1の
画素に対して既に終了している後述の〔処理6〕により
メモリ18に記憶されている。この累積誤差値RG
(m)は、メモリ18に格納されている(図6参
照。)。
【0088】
【数9】 〔処理3〕 注目画素Aのγ補正後のデータGOUT(A)と〔処理
2〕で求めた累積誤差値R(i)とを加算して、二値
化判定対象となる値T(A)を求める。この値T(A)
は、下記第(13)式の値となる。
【0089】 T(A)=GOUT(A)+RG(i) ・・・・ (13) 〔処理4〕上記の二値化判定対象値T(A)と二値化閾
値とを比較して、二値化判定時の二値化誤差HG(A)
を求める。真っ白の濃度に対応したデータと真っ黒の濃
度に対応したデータとは予め判っているから、判定対象
値T(A)と二値化閾値とを比較すれば、注目画素Aに
対する二値化誤差HG(A)を求めることができる。
【0090】〔処理5〕求められた注目画素Aの二値化
誤差HG(A)に誤差拡散係数1/8を乗じた値に、1
画素前の画素Bを注目画素とした誤差拡散処理における
上記〔処理1〕で求まる累積誤差値RG(j)を加算
し、加算値を累積誤差値RG(k)とする。累積誤差値
RG(j)は、画素Cの直前の画素Xに対する誤差拡散
処理において発生した二値化誤差HG(X)を用いて下
記第(14)式で表される。
【0091】
【数10】 したがって、累積誤差値RG(k)は下記第(15)式によ
り表されることになる。
【0092】
【数11】 〔処理6〕 上記の累積誤差値RG()に、注目画素Aの直前の画
素Bにおける二値化誤差HG(B)に誤差拡散係数1/
8を乗じた値を加算し、下記第(16)式で表される累積誤
差値RG(n)を求める。
【0093】
【数12】 この累積誤差値RG(n)は次のラインの画素Yに対す
る処理に用いるために、メモリ18の注目画素Aに対応
するアドレスに書き込まれる。この書き込まれた値は、
画素Yが注目画素となったときに、上記の〔処理2〕で
用いられる。このような〔処理1〕〜〔処理6〕が、注
目画素が切り換わるたび毎に行われていくことによっ
て、誤差拡散処理が達成され、これにより擬似中間調処
理が行われることになる。
【0094】上記のように本実施例における誤差拡散処
理では、累積誤差値RG(n)を注目画素Aに対応付け
てメモリ18に記憶しておき、この累積誤差値RG
(n)を次のラインにおいて画素Aに対して所定の位置
関係にある画素Yについての誤差拡散処理に用いてい
る。このため、画素Yに対する誤差拡散処理を行うため
に、画素G,F,E,Dに対する二値化誤差をメモリか
ら個々に読み出すのではなく、累積誤差値RG(n)を
読み出せば、画素Yに対する前ラインであるラインL2
の画素に関するデータの読出が完了する。したがって、
メモリ18に対するアクセス回数が少ないので、誤差拡
散処理を高速に行える。
【0095】図19は上記のシェーディング補正、フィ
ルタ処理、濃度調整処理、γ補正処理および誤差拡散処
理を共通に実現する具体的なハードウェア構成を示すブ
ロック図である。γ補正および誤差拡散処理は中間調画
像に対してのみ行われるから、この図19の構成は中間
調画像に対するデータ処理のための構成と言える。A/
Dコンバータ17(図1参照。)からの7ビットのイメ
ージデータIDは、ライン80から第1の加算器81お
よび第2の加算器82の各入力端子Aに与えられてい
る。この加算器81,82の入力端子Aにはまた、メモ
リ18からのデータがライン83から入力されており、
またレジスタ91で一旦保持されたメモリ18からのデ
ータも与えられている。メモリ18から読み出されたデ
ータはまた、リードレジスタ84にも保持され、このリ
ードレジスタ84の内容も、加算器81,82の入力端
子Aに与え得るようになっている。
【0096】第1の加算器81の出力は、レジスタ9
0,92,93を経てその入力端子Aに帰還されている
とともに、入力端子Bにそのまま帰還されている。さら
に、第1の加算器81の出力は、ライン85から除算回
路86にも与えられている。この除算回路86の出力
は、第1の加算器81の入力端子Bに与えられている。
第1の加算器81の出力はさらに、メモリ18にアドレ
スを生成するためのアドレス生成部87にも与えられて
いる。
【0097】一方、第2の加算器82の出力は、レジス
タ94を経て、誤差拡散処理における二値化判定のため
の二値化判定回路88に入力されている。この二値化判
定回路88から出力される二値データはレジスタ99を
介して二値化出力回路40(図2参照。)に入力され
る。また、二値化判定回路88からは二値化時に生じる
二値化誤差がライン89に導出され、この誤差はレジス
タ97,98を介して加算器82の入力端子Aに与えら
れる。二値化誤差はまた、レジスタ97やライン100
からも加算器82の入力端子Aに入力できるようになっ
ている。
【0098】第2の加算器82の出力はまた、そのまま
入力端子Bに帰還されている。また、この出力は、レジ
スタ95,96を経て入力端子Bに帰還されている。さ
らに、第2の加算器82の出力は、二値化判定回路88
にも与えられている。図20および図21は動作を説明
するためのタイミングチャートである。先ず図20を参
照して、シェーディング補正処理、フィルタ処理および
濃度調整処理について説明する。図20において、(a)
は処理動作を規定するクロック信号CLKを示し、(b)
はA/Dコンバータ17から1画素毎に入力されるイメ
ージIDを示し、(c) は処理内容を表し、(d) はメモリ
18からの読出データを示し、(e) はメモリ18への書
込データを示し、(f) はアドレス生成回路87が内部に
有するアドレスカウンタ41(図2参照。)の発生値を
示し、(g) はリードレジスタ84の保持内容を示してい
る。さらに、(h) は除算回路86における被除数データ
を表し、(i) は除数データを表し、(j) は除算データを
表している。また、(k) は第1の加算器81の入力端子
Aから取り込まれるデータを表し、(l) は入力端子Bか
ら取り込まれるデータを表し、(m) はその出力データを
表している。さらに、(n),(o),(p),(q) はそれぞれレジ
スタ90,91,92,93の保持内容を表している。
【0099】はじめに、メモリ18に関連する動作につ
いて、下記表3を参照して説明する。
【0100】
【表3】 各画素に対する処理は、第1サイクルから第8サイクル
までの8サイクルで終了する。第1サイクル(WST)
では、メモリ18から白基準データWSTが読み出さ
れ、アドレスカウンタ41の値は現時点の値から−2だ
けデクリメントされる。
【0101】第2サイクル(A)では、シェーディング
補正後のデータがメモリ18から読み出され、アドレス
カウンタ41の値は変化させられない。この第2サイク
ル(A)で読み出されるシェーディング補正後のデータ
は、図5において頭文字Aを付して示した前々ラインの
データである。第3サイクル(B)では、シェーディン
グ補正後のデータの書込が行われ、アドレスカウンタ4
1の値は−1デクリメントされる。このとき書き込まれ
るデータは、図5において頭文字Bを付して示す現ライ
ンのデータである。
【0102】第4サイクル(X)では、第2サイクル
(A)と同様にシェーディング補正後のデータの読出が
行われ、アドレスカウンタ41の値は変化しない。この
第4サイクル(X)で読み出されるデータは、図5にお
いて頭文字Xを付して示した前ラインのデータである。
第5サイクル(RGn)では、誤差拡散処理において生
成された上記第(16)式の累積誤差値RGnがメモリ18
に書き込まれる。このときアドレスカウンタ41の値
は、+3インクリメントされる。
【0103】第6サイクル(RGm)では、前ラインの
誤差拡散処理において得られた上記第(11)式の累積誤差
値RGmがメモリ18から読み出され、アドレスカウン
タ41の値は変化させられない。第7サイクル(BS
T)では、黒基準データBSTが読み出される。このと
き、アドレスカウンタ41の値は不変とされる。
【0104】第8サイクル(GOUT)では、γ補正テ
ーブル(図6参照。)から生成されるγ補正後のデータ
GOUTの読込が行われ、アドレスカウンタ41の値が
+1インクリメントされる。イメージデータIDは、第
1画素のイメージデータID1から順に、ID1,ID
2,・・・・の順に与えられる。図20には第8画素目のイ
メージデータID8からが表されている。第8画素目の
イメージID8の入力される期間に、先ず、第1サイク
ル(WST)では、アドレスカウンタ41が指示する第
9番目の画素に対応してメモリ18に記憶されている黒
基準データWST9が読み出される。この読み出された
データはクロック信号CLKの立ち上がりでレジスタ9
1に保持される。
【0105】アドレスカウンタ41の指示値は−2だけ
デクリメントされて「7」となり、第2サイクル(A)
では、前々ラインの第7画素目のシェーディング補正後
のデータA7が読み出される。このデータA7は、リー
ドレジスタ84に保持され、さらに、第1の加算器81
の一方の入力端子Aに与えられる。加算器81の他方の
入力端子Bには、除算回路86から出力される現ライン
の第画素目に対応したシェーディング補正後のデータ
SOUT7がデータB7として与えられる。これによ
り、第7番目の画素に対して前々ラインのデータA7と
現ラインのデータB7との和(A7+B7)が加算器8
1の出力端子に導出される。
【0106】第2サイクル(A)ではアドレスカウンタ
41の指示値は「7」に保たれ、第3サイクル(B)で
は、第7画素目に対応したシェーディング補正後データ
SOUT7が、データA7が記憶されていた位置に格納
される。すなわち、前々ラインのシェーディング補正後
のデータが読み出された記憶アドレスに、現ラインのシ
ェーディング補正後のデータが書き込まれる。
【0107】第1の加算器81における上記の(A7+
B7)の演算は、第3サイクル(B)に行われる。この
演算は、上述のフィルタ処理における画素データAn
nとの加算に相当する。この第3サイクル(B)にお
ける加算演算のビット計算式は、図22に示されてい
る。すなわち、7ビットのデータAと7ビットのデータ
Bとが加算されて、8ビットのデータ(A+B)が得ら
れる。なお、図において、A(0),A(1),・・・・, B(0),B
(1),・・・・, A+B(0),A+B(1),・・・・などは、各ビット
毎の「0」または「1」のデータを表す。
【0108】さて、イメージデータID8に対する第3
サイクル(B)で得られた加算値(A7+B7)は、第
4サイクル(X)において、データレジスタ90に格納
されるとともに、加算器81の入力端子Bに与えられ
る。この第4サイクル(X)では、データレジスタ93
に保持されていたデータ(A5+B5)が第1の加算器
81の入力端子Aに取り込まれる。すなわち、第4サイ
クル(X)では、第7画素目に対応したデータ(A7+
B7)がデータレジスタ90に保持されており、第6画
素目に対応したデータ(A6+B6)がデータレジスタ
92に保持されており、第5画素目に対応したデータ
(A5+B5)がデータレジスタ93に保持されてい
る。したがって、データA7,B7が図5のデータ
n ,Bn に相当するとすれば、データA5,B5はそ
れぞれデータAn-2 ,Bn-2 に対応する。
【0109】第1の加算器81での加算結果である下記
第(17)式の4AVは出力端子に導出される。 4AV=(A7+B7)+(A5+B5) ・・・・ (17) この加算演算のビット計算式は、図2に示されてお
り、データ(A7+B7)に相当する8ビットのデータ
(A+B)と、データ(A5+B6)に相当するデータ
(A+B)′とが加算され、9ビットの加算結果4AV
が得られる。この9ビットのデータ4AVは、加算対象
となった4画素のデータA7,B7,A5,B5の平均
値AVの4倍に相当する。
【0110】第3サイクル(B)ではアドレスカウンタ
41の値が−1デクリメントされるから、第4サイクル
(X)では、第6画素目のシェーディング補正後のデー
タX6が目18から読み出される。このデータX6は、
データA7,B7が図5のデータAn ,Bn に対応する
とき、データXn-1 に相当する。メモリ18から読み出
されたデータX6は、第5サイクル(RGn)において
リードレジスタ84から第1の加算器81の入力端子A
に与えられる。このとき、後述するビット操作により、
データX6を2倍したデータ2X6が入力端子Aに与え
られることになる。また、入力端子Bには、第4サイク
ル(X)における加算器81の出力である4AVを後述
のビット操作により2で除した値2AVが入力される。
このとき入力される2AVは反転して入力され、したが
って、加算器81では、下記第(18)式の演算が行われ
る。
【0111】
【数13】 この第(18)式と上述の第(3) 式とを比較することによ
り、上記第(18)式の値は、前ラインの第6番目の画素に
対応した差分Sに他ならないことが理解される。第5サ
イクル(RGn)におけるビット計算式は、図2に示
されているとおりである。すなわち、第4サイクル
(X)で演算されたデータ4AVは、反転され(図2
中においてオーバーラインを付して示す。)、さらに1
ビットだけ下位側にシフトされ、これによりデータ−2
AVが作成される。そして、データ4AVの最下位ビッ
トAV(0) がデータX6に相当するデータXの下位に付
け足され、これによりデータXを2倍したデータ2Xが
作成される。そして、データ2Xとデータ−2AVとの
加算が行われ、上記第(18)式で示された演算により、9
ビットの差分Sが得られる。
【0112】なお、上記のデータ4AVおよびデータX
に対するビット操作により、上記第(3) 式の乱数(R1
+R2−1)が生じる。このようにして演算された差分
Sは、次の第6サイクル(RGm)において、加算器8
1の入力端子Bに与えられ、(X6+S)が演算され
る。そして、差分値Sおよび加算結果(X6+S)の値
に応じて、上記表1に示されたデータ加工方法に適合す
るようにデータが選択され、選択されたデータが第
イクル(BSTにおいて、フィルタ処理後のデータF
OUT6としてデータレジスタ90に書き込まれること
になる。
【0113】第6サイクル(RGm)でのビット計算
は、図2に示されているように、第5サイクルで作成
されたデータSの下位7ビットと7ビットのデータXと
を加算するようにして行われる。これにより、8ビット
のデータXSが得られる。フィルタ処理後のデータFO
UT6はまた、第サイクル(BST)おいて加算器
81の入力端子Bにも与えられる。このとき、加算器8
1の入力端子Aには、フィルタ処理されたデータFOU
T6の画素位置に対応する濃度補正データWDが与えら
れる。
【0114】このため、加算器81の出力は、図8など
に示された濃度調整処理が施された下記第(19)式のデー
タWOUT6となる。 WOUT6=FOUT6+WD ・・・・ (19) このデータWOUT6に基づいて後述のγ補正が行わ
れ、γ補正後のデータGOUTが得られる。
【0115】濃度調整のための上記第(19)式の加算演算
は第7サイクル(BST)で行われ、γ補正は第8サイ
クル(GOUT)で行われる。この第7および第8サイ
クルでのビット計算式は、図23に示すとおりである。
第8サイクル(GOUT)では、アドレスカウンタ41
の値は「9」であるから、第9番目の画素と組み合わせ
て記憶された黒基準データBST9がメモリ18から読
み出される。加算器81の入力端子Bには、図19には
図示されていないレジスタからオフセットOFFSET
が反転されて与えられる。そして BST′9=BST9−OFFSET ・・・・ (20) が演算される。
【0116】第8サイクル(GOUT)における加算器
81でのビット計算式は、図24に示されている。すな
わち、黒基準データBST9に相当する7ビットのデー
タBSTから7ビットのオフセットOFFSETが減じ
られ、データBST′9に相当する8ビットのデータB
ST′が得られる。この演算された値BST′9は、図
20に示すように、第9番目の画素のイメージデータI
D9に対応した第1サイクル(WST)において、加算
器81の入力端子Bに与えられ、またデータレジスタ9
0に保持される。この第1サイクル(WST)では、デ
ータレジスタ91に保持されている白基準データWST
9が加算器81の入力端子Aに与えられる。そして、加
算器81では、下記第(21)式に示す演算が行われること
になる。
【0117】 WST9−BST′9 ・・・・ (21) この第1サイクル(WST)におけるビット計算は、図
24に示されているとおりである。すなわち、データW
ST9に相当する7ビットのデータWSTからデータB
ST′9に相当する7ビットのデータBST′が減じら
れ、8ビットのデータ(W−B′)が得られる。このデ
ータ(W−B′)は、上記第(21)式の値(WST9−B
ST′9)に相当する。
【0118】続く第2サイクル(A)では、図20に示
すように、上記第(21)式の値は、除算回路86に除数デ
ータとして取り込まれる。また、加算器81の入力端子
Bには、データレジスタ90からの値BST′9が与え
られる。その一方で、入力端子Aには、イメージデータ
ID9が取り込まれる。そして、下記第(22)式の演算が
行われる。
【0119】 ID9−BST′9 ・・・・ (22) この演算のビット計算式は、図24に示すとおりであ
る。すなわち、イメージデータID9に相当する7ビッ
トのデータIDから、データBST′9に相当する7ビ
ットのデータBST′が減じられ、8ビットのデータ
(I−B′)が得られる。このデータ(I−B′)は、
上記第(22)式のデータ(ID9−BST′9)に相当す
る。
【0120】続く第3サイクル(B)において、上記第
(22)式の値は、第20図に示されているように、被除数
データとして除算回路86に取り込まれることになる。
そして、クロックCLKが7個入力される期間に、下記
第(23)式で示す除算が行われ、その除算結果が第9番目
の画素に対するシェーディング補正後のデータSOUT
9とされる。
【0121】
【数14】 この第(23)式の値がシェーディング補正を施した値であ
ることは、上記の第(1) 式との比較から明らかであろ
う。さて、このシェーディング補正後のデータSOUT
9は、第10画素目のイメージデータID10に対する
第3サイクル(B)において、メモリ18に書き込まれ
る。このときのデータ書込位置は、その直前にフィルタ
処理のために読み出された前々ラインのシェーディング
補正後のデータA9の読出位置である。
【0122】上記第(23)式の除算演算のビット計算式
は、図24に示されているとおりである。すなわち、第
2サイクルで得られたデータ(I−B′) の下位7ビッ
ト分をとり、その下位側に1ビット付加して全体で8ビ
ットのデータを作成する。そして、この8ビットのデー
タ(I−B′)から第1サイクルで演算されたデータ
(W−B′)の下位7ビットを減じる。この減算の結果
として、第1〜第8ビットには8ビットのデータDIV
が得られ、第9ビット目には減算が可能であったかどう
かに応じて「1」または「0」のデータSOUT(k)
(ただし、0≦k≦7である。)が得られる。
【0123】そして、減算が可能であったときには、減
算結果を上位側に1ビットシフトさせたデータから除数
データ(W−B′)を減じ、減算ができなかったときに
は、減算の対象となったデータ(I−B′)を1ビット
上位側にシフトして再び減算の対象として用いる。この
ような動作を7回に渡って繰り返し、各減算演算におい
て得られるデータSOUT(k) を蓄積していくことによ
り、7ビットのデータSOUTが得られる。このデータ
SOUTは上記第(23)式のデータSOUT9に相当し、
シェーディング補正後のデータとなる。次に、図21の
タイミングチャートを参照して、γ補正処理および誤差
拡散処理について説明する。図21において、(a) 〜
(g) の内容は図20(a) 〜(g) と同一である。そして、
(r) には第2の加算器82の入力端子Aに与えられるデ
ータが示されており、(s) にはその入力端子Bに与えら
れるデータが示されており、(t) にはその出力端子に導
出される演算結果のデータが示されている。さらに、
(u),(v),(w),(x),(y),(z) にはレジスタ94,95,9
6,97,98,99の保持データがそれぞれ示されて
いる。
【0124】第9番目の画素に対応したイメージデータ
ID9に対する第7サイクル(BST)で加算器81か
ら濃度調整後のデータWOUT7(図20参照。)が出
力さされると、アドレス生成部87はγ補正テーブルの
アドレスを生成する。濃度調整後のデータWOUT7は
上述のようにγ補正テーブルのアドレスの一部をなす。
【0125】これにより、第8サイクル(GOUT)で
は、メモリ18からγ補正後のデータGOUT7が読み
出され、γ補正が達成される(図23参照。)。γ補正
後のデータGOUT7は、第10画素目のイメージデー
タID10に対応した第1サイクル(WST)におい
て、誤差拡散処理における注目画素のデータGOUT
(X7)としてリードレジスタ84から、第2の加算器
82の入力端子Aに入力される。このとき、加算器82
の入力端子Bには、その出力端子から累積誤差RGが与
えられる。
【0126】この累積誤差RGは、上記第(11)式に示さ
れた累積誤差RG(m)に相当する。すなわち、データ
GOUT(X7)に対応する画素が図18における注目
画素Aである場合における周辺画素データG,F,E,
D,C,Bの各発生誤差HGに誤差拡散係数を乗じた値
を加算した値である。データGOUT(X7)は入力さ
れるイメージデータIDを現ラインのデータとすると、
前ラインの第7画素目に相当する。
【0127】より具体的に述べれば、前々ラインの第6
画素目のデータA6、第7画素目のデータA7、第8画
素目のデータA8および第9画素目のデータA9、なら
びに前ラインの第5画素目のデータX5および第6画素
目のデータX6に対してそれぞれ発生した二値化誤差H
Gに誤差拡散係数を乗じて加算した値が、第1サイクル
(WST)で入力される累積誤差RGである。RAND
は乱数である。この乱数RANDについては後述する。
【0128】上記の結果、第1サイクル(WST)およ
び第2サイクル(A)では、加算器82の出力端子に
は、下記第(24)式に示すデータT(X7)が導出され
る。 T(X7)=GOUT(X7)+RG ・・・・ (24) このようにして、誤差拡散処理における上記の〔処理
3〕が行われる。すなわち、上記のデータT(X7)
は、二値化判定対象となる第(13)式のT(A)に相当す
る。
【0129】この加算演算のビット計算式は、図25に
示されている。すなわち、第1サイクル(WST)およ
び第2サイクル(A)において、6ビットのデータGO
UTとビットのデータRGとが加算され、8ビットの
データTが得られる。第3サイクル(B)では、上記の
データT(X7)が二値化判定回路88に与えられて二
値化判定処理が行われ、二値化されたデータBIN(X
7)がレジスタ99に保持される。一方、二値化判定回
路88では、図25に示されているように二値化閾値と
データT(X7)との比較に基づいて、データT(X
7)に対する二値化誤差データHG(X7)が生成され
る。
【0130】この生成された二値化誤差データHG(X
7)は、図21に示されているように、加算器82の入
力端子Aに与えられる。このとき、入力端子Bには、レ
ジスタ96の保持データRG(X4+X5)が与えられ
る。このデータRG(X4+X5)は、データX7に相
当する画素が図18の画素Aであるとき、図18の画素
XおよびCで発生した二値化誤差に誤差拡散係数を乗じ
て加算した値に相当する。
【0131】すなわち、データX4,X5に相当する画
素での二値化誤差をそれぞれH(X4),H(X
5)とすると、
【0132】
【数15】 と表される。そして、二値化誤差HG(X7)に誤差拡
散係数1/8を乗じて、上記の累積誤差RG(X4+X
5)を加算した値RG(X4+X5+X7)が出力端子
に導出される。第3サイクル(B)におけるビット計算
式は、図26に示されている。すなわち、第2サイクル
(A)で生成された8ビットの二値化誤差HG(X7)
は、3ビットだけ下位側にシフトされて1/8倍の値と
された後に、8ビットの累積誤差あるRG(X4+X
5)に加算される。これにより、下記第(26)式で示す累
積誤差RG(X4+X5+X7)が得られる。このよう
にして、上記の〔処理5〕が行われることになる。
【0133】
【数16】 演算された累積誤差RG(X4+X5+X7)は、次に
第4サイクル(X)において、加算器82の入力端子B
に与えられる。このとき入力端子Aには、レジスタ98
から前ラインの第6番目の画素での二値化誤差HG(X
6)が与えられる。
【0134】この第4サイクル(X)および第5サイク
ル(RGn)では、第26図にビット計算式を示すよう
に、二値化誤差HG(X6)は3ビットだけ下位側にシ
フトされて1/8倍の値とされ、この値と累積誤差RG
(X4+X5+X7)とが加算される。これにより、下
記第(27)式に示す累積誤差RG(X4〜X7)が得られ
る。これにより、誤差拡散処理における上記の〔処理
6〕が行われる。
【0135】
【数17】 この演算された累積誤差RG(X4〜X7)は、レジス
タ94に書き込まれるとともに、メモリ18に書き込ま
れ、現ラインの画素についての誤差拡散処理が行われる
ときに用いられる。第6サイクル(RGm)では、レジ
スタ97に保持されているデータX7に対応した二値化
誤差HG(X7)が加算器82に入力端子Aに与えられ
る。そして、レジスタ98に保持されているデータX6
に対応する二値化誤差HG(X6)が入力端子Bに与え
られる。そして、図25に示されたビット計算により、
下記第(28)式で示す累積誤差RG(X6+X7)が演算
される。これにより、上述の〔処理1〕が行われること
になる。
【0136】
【数18】 得られた累積誤差RG(X6+X7)は、図21に示さ
れているように、次の第7サイクル(BST)において
加算器82の入力端子Bに与えられる。このとき入力端
子Aには、現に入力されているイメージデータIDに相
当するラインを現ラインとして、前々ラインの画素に対
して誤差拡散処理が行われた際に求められた累積誤差R
G(A7〜A10)が与えられる。この累積誤差RG
(A7〜A10)は、第6サイクル(RGm)におい
て、メモリ18からデータRGmとして読み出され、第
7サイクル(BST)において、リードレジスタ84か
ら加算器82の入力端子Aに与えられるものである。
【0137】累積誤差RG(A7〜A10)は、次に誤
差拡散処理を施すべきデータX8に対応したデータであ
る。すなわち、前ラインの第8画素目のデータX8が、
図18の画素Aに相当するとすれば、画素G,F,E,
Dに相当する前々ラインの第7画素目から第10画素目
のデータA7〜A10での二値化誤差の累積値が累積誤
差RG(A7〜A10)である。具体的には、データA
7〜A10に対応する二値化誤差をそれぞれHG(A
7),HG(A8),HG(A9),HG(A10)と
すれば、累積誤差RG(A7〜A10)は下記第(29)式
の値となる。
【0138】
【数19】 したがって、第7サイクル(BST)では、加算器82
においては、下記第(30)式の累積誤差RG(A7〜A1
0+X6+X7)が演算され、上述の〔処理2〕が行わ
れることになる。 RG(A7〜A10+X6+X7)=RG(A7〜A10)+RG(X6+X7) ・・・・ (30) この演算のビット計算式は、図25に示されているとお
りであり、第6サイクル(RGm)での演算結果である
8ビットの累積誤差RG(X6+X7)と、メモリ18
から読み込まれた7ビットの累積誤差RGm(=RG
(A7〜A10))とがそのまま加算される。
【0139】第7サイクル(BST)での加算結果は、
第8サイクル(GOUT)において再び加算器82の入
力端子Bに与えられる。このとき入力端子Aには、乱数
RANDが入力され、その結果、出力端子には累積誤差
RG(A7〜A10+X6+X7+RAND)が導出さ
れる。乱数RANDの加算は次のような意義を有してい
る。すなわち、比較的広い面積を有する画像部分におけ
る濃度データが中間的な濃度に対応した或る特定値で一
定である場合に、誤差拡散処理を施すと、処理後の画像
が著しく劣化することが経験的に知られている。このよ
うな画像の劣化は、上記のような乱数の加算により排除
することができる。
【0140】加算器82で演算された累積誤差RG(A
7〜A10+X6+X7+RAND)は、レジスタ94
に与えられるとともに、続く第11画素目のイメージデ
ータID11に対応した第1サイクル(WST)におい
て加算器82の入力端子Bに与えられる。これ以後は、
第9番目の画素に対応したイメージデータID9の入力
期間においてデータX7に対してなされたのと同様な誤
差拡散処理が、前ラインの第8画素目のデータX8に対
して行われることになる。
【0141】以上のようにして、図19の構成により、
主として加算器81、除算回路86およびレジスタ9
0,92,93ならびにアドレス生成回路87などによ
り、シェーディング補正、フィルタ処理および濃度調整
処理が達成され、主として加算器82、二値化判定回路
88およびレジスタ95〜98などによりγ補正および
誤差拡散処理が達成される。
【0142】次に、二値画像に対して孤立点除去処理部
39(図2参照。)で行われる孤立点除去処理について
説明する。図27、図28および図29は孤立点除去処
理を説明するため図である。孤立点除去処理は、単純二
値化処理部36で処理された二値画像において、「*」
で示す注目画素の値が、その注目画素を取り囲む周囲の
所定位置画素のいずれの値とも異なる場合に、この注目
画素の値をその周囲の画素の値に変換する処理である。
【0143】具体的には、図27(a) のように、注目画
素が白画素であり、その周囲の8つの画素が黒画素であ
るなら、注目画素は孤立した白画素である。このため、
この孤立した白画素は黒画素に変換される。図27(b)
は逆に注目画素が孤立した黒画素である場合であり、こ
のときには注目画素は白画素に変換される。また、図2
8および図29は、注目画素と異なる値の画素が注目画
素をコ字状に取り囲む場合であり、この場合にも注目画
素の値が変換される。具体的には、図28(a) および
(b) ならびに図29(a) および(b) の場合には注目画素
の値は黒画素に変換され、図28(c) および(d) ならび
に図29(c) および(d) の場合には、注目画素の値は白
画素に変換される。
【0144】このような孤立点除去処理により、二値化
画像中に残るノイズ成分や、原稿の搬送むらなどにより
生じるジッタの影響などを除去して、良好な二値化画像
を再生できる。のみならず、孤立点を除去することによ
り、データ圧縮効率を向上できる。これにより、たとえ
ばMH、MRおよびMRRのような符号化処理により生
成される送信符号が少なくなるから、ファクシミリ通信
に要する時間を低減できる。
【0145】図30は孤立点除去処理部39に関連する
構成を示すブロック図である。メモリ18の一部の記憶
領域(図6参照。)で構成されたラインメモリ110
は、2ライン分の画素の各二値データを記憶することが
できる記憶容量を有している。このラインメモリ110
には、制御回路111が接続されており、この制御回路
111からmビット(本実施例では8ビット)のアドレ
ス信号AD1〜ADmが与えられている。制御回路11
はまた、書込許可信号WEおよび出力許可信号OEを、
ラインメモリ110に与える。なお、図中、信号を表す
記号に付したオーバーラインは、当該信号が負論理の信
号であることを表すものとし、明細書中ではオーバーラ
インの記載を省略する。
【0146】制御回路111には、孤立点除去処理以前
のシェーディング補正から単純二値化処理に至る各処理
を担当する構成部分を含む画像処理ユニット112が接
続されている。この画像処理部112は、各画素毎に二
値化された二値データBIDを1ビットずつ直列に出力
する。この二値データBIDは、nビット(本実施例で
は2ビット)のシフトレジスタSRzのシリアル入力端
子SIに与えられる。このシフトレジスタSRzは、制
御回路111から与えられるクロック信号CK3に基づ
き、二値データBIDを1ビットずつ内部に取り込んで
いく。シフトレジスタSRzのパラレル出力端子PO1
〜POnは、ライン113を介してラインメモリ110
の入力端子DI1〜DInに接続されている。
【0147】一方、ラインメモリ110の出力端子DO
1〜DOnは、nビットのシフトレジスタSRxおよび
SRyの各パラレル入力端子PI1〜PInに接続され
ている。シフトレジスタSRx,SRyにはそれぞれラ
インメモリ110からのnビットのデータを並列にラッ
チするためのトリガ信号が入力される制御信号入力端子
S/Pが設けられており、それぞれ制御回路111から
の制御信号LO1,LO2が与えられている。この制御
信号LO1,LO2の立ち下がりエッジで、入力端子P
I1〜PInからのデータがラッチされる。
【0148】シフトレジスタSRx,SRyには、制御
回路111から、データシフト用のクロック信号CK
1,CK2がそれぞれ入力されている。クロック信号C
K1が与えられると、シフトレジスタSRx内でデータ
が1ビットずつシフトされ、そのシリアル出力端子SO
から1ビットずつデータが出力される。シフトレジスタ
SRyに関しても同様である。
【0149】シフトレジスタSRx,SRy,SRzの
各シリアル出力信号は、3ビットのシフトレジスタ12
1,122,123の各シリアル入力端子SIに与えら
れ、それぞれクロック信号CK1,CK2,CK3に基
づいて内部に取り込まれる。シフトレジスタ121,1
22,123にそれぞれ取り込まれた3ビットのデータ
は、それぞれのパラレル出力端子POn+1 ,POn+2
POn+3 から、二値化再判定回路115の入力端子A,
B,C,・・・・,Iに与えられる。この二値化再判定回路
15は、入力端子Eに与えられるデータに対応した画
素を注目画素として、上記の図27、図28および図3
0に示された孤立点除去処理を行い、処理後のデータ
E′を出力するものである。
【0150】二値化再判定回路115には、モードレジ
スタ116が接続されている。このモードレジスタ11
6には、孤立点除去処理のモードを選択するためのkビ
ット(本実施例では2ビット)のデータMO1〜MOk
がCPU14(図1参照。)から与えられる。本実施例
では、3種類のモードが選択可能であり、第1モードで
は図27の条件が成立したときに注目画素の値が変換さ
れ、第2モードでは図27または図28の条件が成立し
たときに注目画素の値が変換され、第3モードでは図2
7、図28または図29の条件が成立したときに注目画
素の値が変換される。
【0151】図31は二値化再判定回路115に入力さ
れるデータの関係を説明するための図である。シフトレ
ジスタ123からは、画像処理ユニット112での処理
を経たばかりの現ラインの3画素分のデータID1z,
ID2z,ID3zが出力される。また、シフトレジス
タ122には前ラインのデータがシフトレジスタSRy
から与えられ、その3画素分のデータID1y,ID2
y,ID3yが出力される。さらに、シフトレジスタ1
21には前々ラインのデータがシフトレジスタSRxか
ら与えられ、その3画素分のデータID1x,ID2
x,ID3xが出力される。
【0152】この結果、二値化再判定回路115には、
図31に示すように3×3画素のマトリクスを構成する
各画素の二値データが並列に入力されることになる。こ
のとき、入力端子Eに与えられるデータID2xが注目
画素のデータとされて処理が行われる。処理は、イメー
ジセンサ15(図1参照。)での読取順に行われるか
ら、シフトレジスタ121,123,124に先に入力
されたデータに対応する画素ほど各ラインの先頭位置に
近い画素である。
【0153】図32は動作を説明するたのタイミングチ
ャートである。(a) はサイクル番号を示し、(b) はシフ
トレジスタSRzに入力される現ラインの二値データB
IDを示し、(c) はアドレス信号AD1〜ADmを示
し、(d) はローアクティブの書込許可信号WEを示し、
(e) はローアクティブの出力許可信号を示し、(f) はラ
インメモリ110の出力端子DO1〜DOnに導出され
るデータを示し、(g) はラインメモリ110の入力端子
DI1〜DInからラインメモリ110に書き込まれる
データを示している。さらに、(h),(j) は、それぞれシ
フトレジスタSRx,SRyに与えられる制御信号LO
1,LO2を示し、この信号の立ち下がりエッジでシフ
トレジスタSRx,SRyへのデータの並列書込が行わ
れる。また(i),(k),(l) はクロック信号CK1,CK
2,CK3をそれぞれ示し、(m) 〜(v) はそれぞれ二値
化再判定回路115に入力されるデータを示している。
【0154】第2サイクルから第(n−1)サイクルま
での期間に、シフトレジスタSRzには現ラインを構成
する各画素の二値データID1z,ID2z,ID3
z,・・・・,ID(n−1)zが順に入力される。そし
て、第nサイクルにおいてデータIDnzがシフトレジ
スタSRzに入力されると、時刻t1に出力許可信号O
Eがローレベルとなる。このとき、アドレスAD1〜A
Dmの値は、前ラインのnビットのデータID1y〜I
Dnyに対応した値(IDny)となっており、このた
めデータID1y〜IDnyのnビットのデータが出力
端子DO1〜DOnに導出される。このデータは、制御
信号LO2立ち下がりに同期してシフトレジスタSR
yに並列にラッチされる。
【0155】時刻t2に出力許可信号OEが立ち上がる
と、アドレスAD1〜ADmは前々ラインのnビットの
データID1x〜IDnxに対応した値(IDnx)に
切り換わる。アドレスが切り換わった後の時刻t3には
再び出力許可信号OEがローレベルとなる。これによ
り、出力端子DO1〜DOnには前々ラインのnビット
のデータID1x〜IDnxが導出される。このデータ
は、制御信号LO1の立ち下がりに同期してシフトレジ
スタSRyに書き込まれる。
【0156】時刻t4に出力許可信号が立ち上がると、
今度はアドレスを不変に保ったままで時刻t5に書込許
可信号Eが立ち下がる。これにより、シフトレジスタ
SRzに保持されている現ラインのnビットのデータI
D1z〜IDnzが、前々ラインのデータID1x〜I
Dnxが記憶されていたアドレス(IDnx)に格納さ
れることになる。すなわち、孤立点除去処理のために前
々ラインのデータが読み出されると、その読出位置に現
ラインのデータが書き込まれる。このようにしている結
果、3ラインの画素に対する処理である孤立点除去処理
を2ライン分の容量のラインメモリ110で実現でき
る。
【0157】一方、シフトレジスタSRyに書き込まれ
たデータのうち先頭のデータID1yは、時刻t6に与
えられるクロック信号CK2によりシフトレジスタ12
2の第1段目に書き込まれる。同様に、シフトレジスタ
SRx,SRzに書き込まれたデータのうちそれぞれの
先頭のデータID1x,ID1zは、時刻t7に与えら
れるクロック信号CK1,CK3により、シフトレジス
タ121,123の第1段目に書き込まれる。
【0158】その後は、クロック信号CK1,CK2,
CK3により、シフトレジスタ121,122,123
内でのデータのシフトが行われ、その結果、時刻t8か
らの期間には、二値化再判定回路115の入力端子A〜
Iには、図31のマトリクスを構成する9画素のデータ
が並列に入力されることになる。そして、二値化再判定
回路115の判定結果のデータID′2yが出力端子
E′から出力される。
【0159】図33は1ラインの画素に対する孤立点除
去処理の末期の動作を説明するためのタイミングチャー
トである。図中(a) 〜(v) の信号またはデータは図32
と同様である。この例では、1ラインが99画素で構成
されている場合を想定しており、また説明を簡単にする
ためにn=2、m=8としている。画像処理ユニット1
12は、現ラインの最後の画素の二値データID99z
を出力した後は、直ちには次のラインのデータを出力せ
ず、ダミーデータdummy を出力する。このダミーデータ
dummy は、たとえば白画素に対応したデータである。
【0160】ダミーデータdummy は、1ラインの構成画
素数がラインメモリ110に対する1回のアクセスで読
出/書込される画素数の整数倍と異なる際に出力され
る。すなわち、1ラインの最後の画素の二値データID
99xがシフトレジスタSRxに書き込まれてから、さ
らにこのシフトレジスタSRxにラインメモリ110に
書き込んでいないデータがn画素分(図33の例では2
画素分)蓄積されるまで、画像処理ユニット112はダ
ミーデータdummy を出力する。
【0161】ところで、2ライン分のデータを記憶でき
るラインメモリ110に対して、連続するアドレスを各
ラインに交互に割り当てた場合には問題が生じる。すな
わち、たとえば前ラインのデータを奇数アドレス・・・・,
「95」,「97」,「99」,・・・・に記憶しており、
前々ラインのデータを偶数アドレス・・・・,「96」,
「98」,・・・・のように記憶している場合を想定する。
このとき、連続的なアドレスを生成することにより、前
ラインのデータと前々ラインのデータとを交互に読み出
すことができる。
【0162】一方、ラインメモリ110への現ラインの
データの書込は、上述のように前々ラインの読出終了ア
ドレスに対して行われる。すなわち、上記の場合には、
偶数アドレス・・・・,「96」,「98」,・・・・に現ライ
ンのデータが書き込まれることになる。その結果、次ラ
インのデータが画像処理ユニット112から与えられる
ときには、この次ラインの前のラインのデータが偶数ア
ドレス・・・・,「96」,「98」,・・・・に記憶され、前
々ラインのデータが奇数アドレス・・・・,「95」,「9
7」,「99」,・・・・に記憶されていることになる。す
なわち、1ラインの処理毎にアドレスの偶奇とデータと
の対応関係が異なることになる。
【0163】そこで、本実施例では、1ライン毎に発生
アドレスを異ならせることとしている。すなわち、或る
ラインに対しては図33(c) に示すように連続的なアド
レスが生成され、その次のラインに対しては図34(c)
に示すようなアドレスが生成される。つまり、書込アド
レスが必ず前々ラインのデータが記憶されたアドレスと
なるように、偶数アドレスと奇数アドレスとの交換が行
われている。
【0164】このようなアドレスを発生するために制御
回路111内に備えられる構成は、図35に示されてい
る。すなわち、クロック信号CKINに基づいて連続的
な8ビットのアドレスを生成するアドレスカウンタ12
5の最下位ビットに相当する出力端子Q1の出力は排他
的論理和ゲート126を通ってアドレスAD1〜AD8
の最下位ビットAD1となる。排他的論理和ゲート12
6には、1ライン毎に「0」と「1」との間でトグルす
る信号ROWが画像処理ユニット112から与えられて
いる。信号ROWが「0」なら出力端子Q1の信号がそ
のままアドレスの最下位ビットAD1となり、信号RO
W「1」なら出力端子Q1の信号は反転されて最下位ビ
ットAD1となる。これにより、1ライン毎に、図33
(c) に示す連続的なアドレスと、図34(c) に示す不連
続なアドレスとが交互に生成されることになる。
【0165】図36は二値化再判定回路115の内部構
成を示す図である。二値化再判定回路115はANDゲ
ートを主体とした論理回路により構成された論理演算部
140を備えている。論理演算部140には、3×3個
のマトリクス配列された画素の二値データが入力端子
A,B,C,・・・・,Iから入力されている。また、モー
ドレジスタ116からの2ビットのモード選択データM
O1,MO2がORゲート141およびANDゲート1
42ならびにライン146を介して入力されている。
【0166】論理演算部140は、機能面から10個に
区分され得る論理回路部130,132,・・・・,139
を有している。各論理回路部130〜139は、それぞ
れ入力端子A〜IならびにORゲート141およびAN
Dゲート142の出力信号が、図36に示す状態となっ
たときに、ライン143に論理「1」の信号を導出す
る。すなわち、たとえば論理回路部130は、入力端子
EおよびORゲート141からの入力信号が論理「1」
で残余の入力信号が論理「0」であるときに、ライン1
43aに論理「1」の信号を導出する。
【0167】ライン143に導出された信号は、ORゲ
ート144を介して排他的論理和ゲート145の一方の
入力端子に与えられる。この排他的論理和ゲート145
の他方の入力端子には、入力端子Eからの信号が与えら
れており、この排他的論理和ゲート145の出力が二値
化再判定処理を経た注目画素のデータとして出力端子
E′に導出される。すなわち、ORゲート144の出力
が論理「1」なら注目画素の二値データである入力端子
Eの入力データが反転され、ORゲート144の出力が
論理「0」なら入力端子Eの入力データがそのまま二値
化再判定処理後のデータとされる。
【0168】白画素が論理「1」であり、黒画素が論理
「0」であるとすると、図27、図28および図29と
図31とを比較することにより明らかなように、論理回
路部130〜139と図27、図28および図29の各
図との間には、次のような対応関係がある。 論理回路部130 ・・・・ 図27(a) 論理回路部131 ・・・・ 図27(b) 論理回路部132 ・・・・ 図28(a) 論理回路部133 ・・・・ 図28(b) 論理回路部134 ・・・・ 図28(c) 論理回路部135 ・・・・ 図28(d) 論理回路部136 ・・・・ 図29(a) 論理回路部137 ・・・・ 図29(b) 論理回路部138 ・・・・ 図29(c) 論理回路部139 ・・・・ 図29(d) 一方、上述の第1モード、第2モードおよび第3モード
とモード選択データMO1,MO2との対応関係は次の
とおりである。
【0169】 第1モード ・・・・ MO1=1,MO2=0 第2モード ・・・・ MO1=0,MO2=1 第2モード ・・・・ MO1=1,MO2=1 したがって、第1モードでは、ORゲート141の出力
信号のみが論理「1」となるから、論理回路部130お
よび131だけが有効となる。このため、図27(a),
(b) の画像については、入力端子Eに与えられた二値デ
ータが反転される。
【0170】また、第2モードでは、ORゲート141
の出力信号とライン146からの信号とが論理「1」と
なるから、論理回路部130〜135が有効となる。こ
のため、図27(a),(b) および図28(a),(b),(c),(d)
の画像について、入力端子Eに与えられた二値データが
反転される。さらに、第3モードでは、ORゲート14
1の出力信号、ANDゲート142の出力信号およびラ
イン146からの信号がいずれも論理「1」となる。こ
のため、論理回路部130〜139が全て有効となり、
図27、図28および図29に示された全ての画像につ
いて、入力端子Eからのデータが反転される。
【0171】このようにして、各モードでの二値化再判
定処理が達成される。図27、図28および図29の各
図のパターンにより孤立画素が生じる全てのパターンが
網羅されているから、二値画像中に存在する孤立画素
は、それがいずれの原因により生じたものであっても確
実に除去されることになる。これにより、二値画像を圧
縮符号化する際の圧縮効率が高まるから、送信符号量を
少なくすることができる。これにより、通信を高速化す
ることができ、通信回線の占有時間を短縮することがで
きる。
【0172】いずれの第1、第2および第3モードのう
ちのいずれのモードを選択するかは、画質の良否と伝送
速度の高低とのバランスを考慮して決定すればよい。一
方、上記のようにメモリ18の一部の記憶領域を孤立点
除去処理のためのラインメモリ110として用いてい
る。このため、1ライン分の二値データを記憶できるシ
フトレジスタやFIFOメモリのような高価で複雑な構
成を用意することなく処理を行えるから、コストの低減
に寄与できる。
【0173】また、ラインメモリ110に対するアクセ
スは、nビットのシフトレジスタを用いて複数画素単位
で行っている。このため、ラインメモリ110に対する
アクセス回数が少なくて済むから、高速処理が可能とな
る。しかも、複数画素単位で二値データの読出/書込を
行っているので、複数ビットで構成された多値濃度デー
タを処理するフィルタ処理や誤差拡散処理と共通の記憶
領域を共用することができるという利点がある(図6参
照。)。
【0174】図37は孤立点除去処理部39の他の構成
例を示すブロック図である。この図37において上述の
図30に示された各部に対応する部分には同一の参照符
号を付して示す。この構成例では、シフトレジスタSR
x,SRy,SRzの容量の2倍である2nビットのデ
ータを1ワードとして記憶し、全体として2ライン分の
二値データを記憶することができるラインメモリ110
Aが、メモリ18(図1参照。)の記憶領域の一部に形
成されている。
【0175】このラインメモリ110Aの2nビットの
入力端子DI1〜DI2nのうちの下位nビット分の端
子DI1〜DInには、シフトレジスタSRzに保持さ
れた現ラインのnビットのデータが与えられる。また、
上位nビット分の端子DIn+1〜DI2nには、シフ
トレジスタSRに保持された前ラインのnビットのデ
ータが与えられる。
【0176】一方、ラインメモリ110Aの2nビット
の出力端子DO1〜DO2nのうち、下位nビット分の
端子DO01〜DOnに導出されたデータは、前ライン
に対応したシフトレジスタSRに与えられる。また、
その上位nビット分の端子Dn+1〜D2nに導出
されたデータは前ラインに対応したシフトレジスタS
に与えられる。
【0177】シフトレジスタSRx,SRyには、制御
回路111Aからの制御信号LO1およびクロック信号
CK1が共通に与えられている。この構成により、現ラ
インのnビット分のデータは、ラインメモリ110Aの
各ワードの下位nビットに書き込まれる。そして、次ラ
インのデータが画像処理ユニット112から与えられる
期間に、この次ラインに対する前ラインのデータとして
シフトレジスタSRyに与えられる。
【0178】このシフトレジスタSRyに書き込まれた
前ラインのデータは、ラインメモリ110Aの各ワード
の上位nビットのデータとして書き込まれる。そして、
次のラインに対する処理が行われるときに、前々ライン
のデータとしてシフトレジスタSRxに与えられること
になる。図38は動作を説明するためのタイミングチャ
ートである。画像処理ユニット112は第2サイクルか
ら現ラインのデータを第1画素目から順に出力する。こ
のとき制御回路111Aは、第(n−1)画素目のデー
タIDn−1が出力され、さらに第n画素目のデータI
Dnzが出力されるまでの期間には、アドレスAD1〜
ADmを第1画素に対応した値「0」とする。
【0179】シフトレジスタSRzにn画素分のデータ
が蓄積された時刻t11に出力許可信号OEが立ち下が
り、これにより、出力端子DO1〜DOnには、nビッ
トのデータが出力されてシフトレジスタSRyに与えら
れる。このnビットのデータは、前ラインの第1画素か
ら第n画素までのデータID1y〜IDnyに相当す
る。また出力端子DOn+1〜DO2nにもnビットの
データが導出され、シフトレジスタSRxに与えられ
る。このnビットのデータは前々ラインの第1画素から
第n画素までのデータID1x〜IDnxに相当する。
【0180】時刻t12に出力許可信号が立ち上がる
と、代わって時刻t13に書込許可信号WEが立ち下が
り、シフトレジスタSRzに保持されている現ラインの
n画素分のデータID1z〜IDnzが、入力端子DI
1〜DInからラインメモリ110Aに書き込まれる。
また、同時にシフトレジスタSRyに保持されている前
ラインのn画素分のデータID1y〜IDnyが入力端
子DIn+1〜DI2nからラインメモリ110Aに書
き込まれる。このときの書込アドレスは、前ラインおよ
び前々ラインのデータID1y〜IDny,ID1x〜
IDnxが書き込まれていたアドレスである。すなわ
ち、データ読出が終了したアドレスに新たなデータが書
き込まれる。
【0181】この書込の終了後には、制御回路111A
は、第(n+1)サイクルからの期間に、アドレスAD
1〜ADMを次のアドレス「1」に切り換える。時刻t
14にクロック信号CK1が与えられると、シフトレジ
スタSRxおよびSRyでシフト動作が行われ、この結
果、シフトレジスタ121および122の第1段目に対
応した二値化再判定回路115の入力端子C,Eにそれ
ぞれ前々ラインおよび前ラインの各第1画素目のデータ
ID1x,ID1yが入力される。
【0182】さらに、時刻t15にクロック信号CK3
がシフトレジスタSRzに与えられると、そのシフト動
作に伴い、シフトレジスタ123の第1段目に現ライン
の第1画素目のデータID1zが保持され、このデータ
が二値化再判定回路115の入力端子Iに与えられる。
その後は、クロックCK1,CK3の入力に伴ってシフ
トレジスタSRx,SRy,SRzおよびシフトレジス
タ121,122,123でのシフト動作が行われ、時
刻t16にデータID2yの二値化再判定処理を行うた
めの9画素分のデータが並列に二値化再判定回路115
に入力される。これにより、再判定されたデータID′
2yが出力端子E′に導出される。
【0183】このようにして、本構成例では、2ライン
分のラインメモリを用いて孤立点除去処理を行うに当た
り、ラインメモリ110Aの各ワードのビット分割によ
り隣接する2ラインのデータを記憶するようにしてい
る。そして、各ワードデータの下位ビットに対応するラ
インの前のラインのデータが各ワードの上位ビットに格
納されるように、シフトレジスタSRx,SRy,SR
zとラインメモリ110Aとが接続されている。
【0184】この構成により、いずれのラインの処理に
対しても連続的なアドレスを生成すれば、前ラインおよ
び前々ラインのデータをシフトレジスタSRx,SRy
に与えることができるから、上記の図30に示された第
1の構成例とは異なり、ラインメモリに与えるアドレス
に工夫を要することがない。したがって、画像処理ユニ
ット112からは、1ラインの処理毎にトグルする信号
ROWを制御回路111Aに与える必要もない。
【0185】本発明の実施例の説明は以上のとおりであ
るが、本発明は上記の実施例に限定されるものではな
い。たとえば、上記の実施例では、ファクシミリ装置を
例に取ったが、本発明はイメージスキャナや複写機のよ
うに、光学的に画像を読み取って得られた画像データを
処理する構成などに対して、広く適用することができる
ものである。その他、本発明の要旨を変更しない範囲で
種々の設計変更を施すことが可能である。
【0186】
【発明の効果】以上のように本発明のシェーディング補
正方法およびシェーディング補正装置によれば、シェー
ディング補正演算における除算演算の被除数および除数
は充分に大きな値を有することができるので、多階調で
の濃度表現が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例が適用されるファクシミリ装
置の全体の構成を示すブロック図である。
【図2】上記ファクシミリ装置の入力画像処理回路の内
部構成を示すブロック図である。
【図3】シェーディング補正部の構成を示すブロック図
である。
【図4】除算回路の構成例を示すブロック図である。
【図5】フィルタ処理を説明するための図である。
【図6】メモリ内における記憶領域の割り当て状態を示
す図である。
【図7】濃度調整処理を説明するための図である。
【図8】濃度調整処理およびγ補正処理などを説明する
ための図である。
【図9】濃度調整処理およびγ補正処理などを説明する
ための図である。
【図10】濃度調整処理を説明するための図である。
【図11】濃度調整処理およびγ補正処理などを説明す
るための図である。
【図12】濃度調整処理部の構成例を示すブロック図で
ある。
【図13】濃度調整処理部の他の構成例を示すブロック
図である。
【図14】濃度調整処理対象のマトリクスの各画素位置
に割り当てられたアドレスを示す図である。
【図15】γ補正処理を説明するための図である。
【図16】濃度調整処理およびγ補正処理のための他の
技術を説明するための図である。
【図17】誤差拡散処理を説明するための図である。
【図18】誤差拡散処理を説明するための図である。
【図19】中間調画像に対する処理を行うためのハード
ウェア構成を示すブロック図である。
【図20】シェーディング補正処理、フィルタ処理およ
び濃度調整処理に関連する動作を説明するためのタイミ
ングチャートである。
【図21】γ補正処理および誤差拡散処理に関連する動
作を説明するためのタイミングチャートである。
【図22】フィルタ処理に関連するビット計算を説明す
るための図である。
【図23】濃度調整処理およびγ補正処理に関連するビ
ット計算を説明するための図である。
【図24】シェーディング補正処理に関連するビット計
算を説明するための図である。
【図25】誤差拡散処理に関連するビット計算を説明す
るための図である。
【図26】誤差拡散処理に関連するビット計算を説明す
るための図である。
【図27】孤立点除去処理を説明するための図である。
【図28】孤立点除去処理を説明するための図である。
【図29】孤立点除去処理を説明するための図である。
【図30】孤立点除去処理に関連する構成を示すブロッ
ク図である。
【図31】孤立点除去処理に用いられるデータに対応す
る画素の位置関係を説明するための図である。
【図32】動作を説明するためのタイミングチャートで
ある。
【図33】1ラインに対する処理の末期における動作を
説明するためのタイミングチャートである。
【図34】1ラインに対する処理の末期における動作を
説明するためのタイミングチャートである。
【図35】ラインメモリに与えられるアドレスを生成す
るための構成を示すブロック図である。
【図36】二値化再判定回路の構成を示すブロック図で
ある。
【図37】孤立点除去処理部の他の構成例を示すブロッ
ク図である。
【図38】動作を説明するためのタイミングチャートで
ある。
【図39】従来のシェーディング補正装置の構成を示す
ブロック図である。
【符号の説明】
11 入力画像処理回路 14 CPU 15 イメージセンサ 17 A/Dコンバータ 18 メモリ 22 LSU 31 シェーディング補正部 32 白/黒基準値生成部 33 フィルタ処理部 34 濃度調整部 35 γ補正部 36 単純二値化処理部 37 誤差拡散処理部 39 孤立点除去処理部 45,46 減算器 47,48 加算器 49 除算回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岩坪 聡 大阪府大阪市東住吉区住道矢田9丁目2 番28号 テラスFLORA E号 (56)参考文献 特開 昭62−128666(JP,A) 特開 昭62−219185(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H04N 1/40 - 1/409 G06T 1/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光学的に画像を読み取ってアナログ信号を
    出力するセンサと、このセンサの出力信号をディジタル
    データに変換するアナログ/ディジタル変換手段とを有
    する画像読取手段により予め白基準画像および黒基準画
    像を読み取らせて取得された白基準データWSTおよび
    黒基準データBSTに基づき、上記画像読取手段の読取
    データIDに対してシェーディング補正を行って補正デ
    ータSOUTを得るシェーディング補正方法であって、上記アナログ/ディジタル変換手段の最大出力データと
    上記白基準データWSTとの差分である オフセットOF
    FSETを用いて、下記(A)式により補正データSO
    UTを求めることを特徴とするシェーディング補正方
    法。 【数1】
  2. 【請求項2】光学的に画像を読み取ってアナログ信号を
    出力するセンサと、このセンサの出力信号をディジタル
    データに変換するアナログ/ディジタル変換手段とを有
    する画像読取手段により予め白基準画像および黒基準画
    像を読み取らせて取得された白基準データWSTおよび
    黒基準データBSTに基づき、上記画像読取手段の読取
    データIDに対してシェーディング補正を行って補正デ
    ータSOUTを得るシェーディング補正装置であって、上記アナログ/ディジタル変換手段の最大出力データと
    上記白基準データWSTとの差分を演算してオフセット
    OFFSETを演算するオフセット演算手段と、 このオフセット演算手段によって演算された オフセット
    OFFSETを用いて、下記(A)式に示す補正データ
    を得る演算手段を備えたことを特徴とするシェーディ
    ング補正装置。 【数2】
  3. 【請求項3】上記オフセット演算手段を、白基準データ
    WSTの取得時に動作させる手段をさらに含むことを特
    徴とする請求項記載のシェーディング補正装置。
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