JP2960603B2 - 熱交換素子及びその製造方法 - Google Patents

熱交換素子及びその製造方法

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JP2960603B2 JP4051350A JP5135092A JP2960603B2 JP 2960603 B2 JP2960603 B2 JP 2960603B2 JP 4051350 A JP4051350 A JP 4051350A JP 5135092 A JP5135092 A JP 5135092A JP 2960603 B2 JP2960603 B2 JP 2960603B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、空調換気扇などの熱交
換器に用いられる熱交換素子及びその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、空調換気扇などに用いられる
熱交換器は、いわゆる段ボール方式と呼ばれる構成のも
のが一般的である。これは、図21及び図22に示すよ
うに、矩形状をなす熱交換用の紙製のシート1と、例え
ば塩化カルシウム等を含んだ特殊なクラフト紙から成る
波形の仕切板2とを交互に多数積層すると共に、その仕
切板2の向きを交互に90度異ならせることにより直交
した2つの流路3,3を形成し、それら2つの流路3,
3を通る空気流の間で熱交換を行うように構成されてい
る。
【0003】しかしながら、斯様な構成のものにおいて
は、各シート1,1間の流路3の入口において仕切板2
が幅全体にわたって存しており、しかも仕切板2とシー
ト1との間に流路の狭い部分が多数形成されているた
め、流路抵抗が大きく、空気流の圧力損失が大きいとい
う問題点があった。
【0004】これに対処するため、例えば図23及び図
24に示すように、紙製のシート5の片面に複数本の合
成樹脂製の仕切片6を垂直状に設けて熱交換素子7を構
成し、この熱交換素子7を、仕切片6の向きを交互に9
0度異ならせて多数積層する構成のものが考えられてい
る。このものによれば、流路8が矩形状をなすため、上
述のものに比べて、空気流の圧力損失を小さくできる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記構成の
熱交換素子7を製造するには、紙(シート5)に対して
合成樹脂(仕切片6)を一体に成形するという、特殊な
成形を行うことが必要となるため、製造するための設備
及び成形型に多大な費用が必要となり、ひいてはコスト
が著しく高くなるという問題点がある。
【0006】そこで、本発明の目的は、流路を流れる流
体の圧力損失を小さくでき、しかも製造が容易でコスト
の上昇を抑え得る熱交換素子及びその製造方法を提供す
るにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の熱交換素子は、
基台の上面に所定間隔をおいて形成された複数本の溝
に、長尺でかつ転動可能な形状をなす複数本のスペーサ
部材をセットすると共に、合成樹脂を含んで成る熱交換
用のシートを前記各スペーサ部材を覆うようにして前記
基台上に配置し、前記シートの上面側からヒータにて加
熱してそのシートの前記合成樹脂を溶融させることによ
り、前記シートの片面に前記各スペーサ部材を所定間隔
をおいて接着固定したことを特徴とするものである。
【0008】そして、斯様な熱交換素子は、上面に所定
間隔をおいて形成された複数本の溝を有する基台上に長
尺なスペーサ部材を転がしてこれを前記各溝にセットす
る工程と、ロール状に巻回された、合成樹脂を含んで成
るシートを引き出してこれを前記基台上に配置する工程
と、前記シートの上面側からヒータにて加熱することに
よりそのシートの片面に前記各スペーサ部材を接着させ
る工程と、前記シートを所定の寸法に切断する工程とに
よって製造することが好ましい。
【0009】また、上記した熱交換素子において、シー
トのスペーサ部材を接着した面とは反対側の面の両端部
に、スペーサ部材と同形状をなす位置決め用スペーサ部
材をスペーサ部材と直交する状態で接着固定し、複数枚
のシートを前記スペーサ部材が互いに直交する形態とな
るように交互に積み重ねた時に、前記両位置決め用スペ
ーサ部材が相手側のシートの外側に位置するスペーサ部
材の外側若しくは内側に近接して位置するように構成す
ることが好ましい。
【0010】さらには、合成樹脂を含んで成る熱交換用
のシートの片面に、長尺でかつ転動可能な形状をなす複
数本のスペーサ部材を所定間隔をおいて接着固定して成
る熱交換素子において、前記シートの端部に、複数枚の
シートを前記スペーサ部材が互いに直交する形態となる
ように交互に積み重ねた時に、隣り合った相手のシート
側に曲げられてその相手のシートに当接する案内部を設
けるとよい。
【0011】また、合成樹脂を含んで成る熱交換用のシ
ートの片面に、長尺でかつ転動可能な形状をなす複数本
のスペーサ部材を所定間隔をおいて接着固定する熱交換
素子において、前記シートを、スペーサ部材の長手方向
に対応する方向の長さ寸法がそれと直交する方向の長さ
寸法よりも大となる矩形状に形成し、このような複数枚
のシートを、前記スペーサ部材が互いに直交する形態と
なるように交互に積み重ねる構成とするとよい。
【0012】
【作用】上記構成の熱交換素子によれば、シートの片面
に複数本のスペーサ部材を間欠的に設けて流路を形成す
る構成であるから、波形の仕切板を用いた従来のものに
比べて、流路を流れる流体の圧力損失を小さくできる。
【0013】また、熱交換素子は、シートの片面に複数
本のスペーサ部材を接着固定する構成であるから、紙に
対して合成樹脂を成形するものとは違い、上記製造方法
により比較的安価な設備で容易に製造することができ
る。
【0014】さらに、シートのスペーサ部材を設けた面
とは反対側の面に位置決め用スペーサ部材を設けるよう
にした熱交換素子によれば、複数個の熱交換素子をスペ
ーサ部材が互いに直交する形態となるように交互に積み
重ねた際に、両端部の位置決め用スペーサ部材が相手側
の熱交換素子の外側のスペーサ部材の外側若しくは内側
に近接して位置する状態となり、これに伴い、それら位
置決め用スペーサ部材とスペーサ部材とが互いに干渉す
るようになることで、各熱交換素子が相互に位置決めさ
れるようになる。
【0015】また、シートの端部に案内部を設けるよう
にした熱交換素子によれば、複数個の熱交換素子をスペ
ーサ部材が互いに直交する形態となるように交互に積み
重ねて熱交換器として使用する場合に、上記案内部が流
路の入口側となるように配置することにより、案内部に
当たる流体はその案内部に沿って流路側へ案内されるよ
うになるから、流体の流れを一層スムーズにできて、圧
力損失を一層小さくできる。
【0016】また、シートを、スペーサ部材の長手方向
に対応する長さ寸法がそれと直交する方向の長さ寸法よ
りも大となる矩形状に形成した熱交換素子によれば、複
数個の熱交換素子をスペーサ部材が互いに直交する形態
となるように交互に積み重ねた際に、上下に重なり合っ
た熱交換素子間で若干の位置ずれが生じたとしても、一
方の熱交換素子における最も外側に存するスペーサ部材
が相手側の熱交換素子のシートからはみ出すことを防止
でき、ひいては熱交換器として使用した場合の空気漏れ
の発生を防止できる。
【0017】
【実施例】以下、本発明の第1実施例につき図1ないし
図4を参照して説明する。まず、図1には本発明によっ
て形成した熱交換素子11を示している。
【0018】この熱交換素子11は、矩形状をなす熱交
換用のシート12の片面に、複数本、この場合6本の長
尺な円筒状をなすスペーサ部材13を所定間隔をおいて
接着固定した構成である。
【0019】ここで、上記シート12は、合成樹脂、こ
の場合ポリプロピレンから成る繊維を65〜70%含ん
で構成された紙を用いている。なお、この紙は、近年、
障子紙としても使用されている普及材である。これに対
し、上記スペーサ部材13としては、大量に市販されて
いるポリプロピレン製のストローを用いている。
【0020】そして、斯様な構成の多数の熱交換素子1
1を、図2に示すように、スペーサ部材13の向きを交
互に90度異ならせて積層することにより、直交した2
つの流路14,14を有する直交流形の熱交換器を形成
することができる。
【0021】次に、上記熱交換素子11を製造するため
の装置及び方法について、図3及び図4を参照して述べ
る。
【0022】基台15は、基端部が固定部16に軸17
を介して回動可能に支持され、先端部が油圧シリンダ等
から成る昇降装置18により上下動されるようになって
いる。この基台15の上面には、上記スペーサ部材13
をセットするためのV字状をなす6本の溝19が所定間
隔をおいて形成されている。
【0023】固定部16の上方には、多数のスペーサ部
材13を貯留するホッパ20を設置していると共に、こ
のホッパ20の下部にソレノイド21及び案内通路22
を備えた送り装置23を設けており、この送り装置23
により、ホッパ20に貯留されたスペーサ部材13を基
台15側へ所定本数ずつ送るようになっている。
【0024】また、熱交換用のシート12は、ロール状
に巻回された状態で図3中基台15の左側方に設置され
ており、シート12の先端部を掴むチャック24及びこ
のチャック24を移動させるシリンダ25から成る引出
し装置26により一定量ずつ引き出されるようになって
いる。この場合、シート12の引出し方向(矢印A方
向)と、基台15における溝19の延び方向(ひいては
スペーサ部材13の延び方向)とを一致させている。
【0025】基台15の上方には、複数本の板状のヒー
タ27が上下動可能に配設されている。この場合、ヒー
タ27の長手方向は、溝19の延び方向(スペーサ部材
13の延び方向)とは直交している。また、図3中基台
15の右側には、シート12を所定寸法に切断するため
の切断装置28が設けられている。
【0026】而して、斯様な装置を用いて熱交換素子1
1を製造するには、まずシート12を引出し装置26に
より引き出して基台15上に配置しておく。また、昇降
装置18により基台15の先端部を下げて基台15を傾
斜させておき、この状態で送り装置23によりスペーサ
部材13を基台15側へ送り出すと、各スペーサ部材1
3は、基台15上を転がりながら各溝19にセットされ
る。このようにスペーサ部材13のセットが完了した
ら、昇降装置18により基台15の先端部を上昇させ
て、基台15を水平状態に戻す。
【0027】この状態で、数百度に加熱されたヒータ2
7を下降させてシート12の上面側から数秒間押し付け
る。すると、シート12に含まれたポリプロピレンがそ
の熱で溶融し、各スペーサ部材13がその熱溶融層を介
してシート12の下面に接着される。このとき、各スペ
ーサ部材13とヒータ27とは交差しているから、スペ
ーサ部材13は各ヒータ27との交点で、いわゆる点付
けされる。
【0028】この後、スペーサ部材13が接着されたシ
ート12を切断装置28により所定の寸法に切断するこ
とにより、図1に示す熱交換素子11を製造することが
できる。
【0029】斯様な第1実施例によれば、熱交換素子1
1はシート12の片面に複数本のスペーサ部材13を間
欠的に設けた構成であるから、波形の仕切板を用いた従
来のものに比べて、流路抵抗を小さくでき、よって流路
14を流れる空気流の圧力損失を小さくすることができ
る。
【0030】この場合、特にスペーサ部材13にストロ
ーを用いているから、その内部13aも流路として作用
するようになり、圧力損失を一層小さくできる。しか
も、スペーサ部材13は、波形の仕切板に比べて重量も
小さくできるから、熱交換素子11、ひいては熱交換器
の軽量化も図ることができる。
【0031】さらに、スペーサ部材13が弾性を有して
いるから、熱交換素子11を積み重ねた際にそのスペー
サ部材13がシート12に良好に密着するようになり、
スペーサ部材13とシート12との間での空気漏れを確
実に防止できる。
【0032】そして、熱交換素子11は、シート12の
片面に複数本のスペーサ部材13を接着固定する構成で
あるから、紙に対して合成樹脂を一体に成形するものと
は違い、高価な成形機や成形型等が不要であり、比較的
安価な設備で容易に製造することができる。
【0033】この場合、シート12に含まれた合成樹脂
と、このシート12に接着されるスペーサ部材13とを
同種の材料であるポリプロピレンとしているから、シー
ト12とスペーサ部材13とを接着する場合に接着性が
良いという利点がある。
【0034】また、スペーサ部材13が転動可能な断面
円形をなすものであっても、これが弾性を有しているか
ら、シート12に対する接着面積を多く確保でき、より
確実に接着できる利点がある。
【0035】さらに、ロール状をなすシート12の引出
し方向(矢印A方向)と、これに接着されるスペーサ部
材13の延び方向とを同方向としているから、シート1
2の曲りぐせをスペーサ部材13によって矯正すること
ができる利点がある。
【0036】次に本発明の第2実施例につき図5ないし
図8を参照して説明する。図5にはこの実施例によって
形成された熱交換素子31を示しており、この熱交換素
子31は、第1実施例の熱交換素子11とは次の点が異
なっている。
【0037】すなわち、熱交換用のシート12の片面
(図5中上面)には、第1実施例と同様にしてストロー
製のスペーサ部材13が7本接着固定されている。この
うち左端部側の2本のスペーサ部材13a,13b間の
間隔寸法L1 、及び右端部側の2本のスペーサ部材13
c,13d間の間隔寸法L2 は、同一で(L1 =L2
)、スペーサ部材13の直径寸法L3 と略同一(L1
,L2 =L3 )となるように設定されていて、他のス
ペーサ部材13,13間の間隔寸法L4 よりも小さくな
るように設定されている(L1 ,L2 <L4 )。
【0038】また、上記シート12のスペーサ部材13
を接着固定した面とは反対側の面(図5中下面)の両端
部における所定部位には、スペーサ部材13と同形状を
なす2本のストロー製の位置決め用スペーサ部材32を
スペーサ部材13と直交する状態で接着固定している。
【0039】ここで、シート12に対する両位置決め用
スペーサ部材32の接着は、スペーサ部材13を接着し
た時と同様に、シート12をヒータにより加熱してシー
ト12における合成樹脂分の熱溶融層を介して接着して
も良いし、或いは接着剤を用いて接着するようにしても
良い。
【0040】そして、上記両位置決め用スペーサ部材3
2,32は、図7および図8に示すように、2つの熱交
換素子31,31をスペーサ部材13が互いに直交する
形態となるように積み重ねる際に、上側の熱交換素子3
1の両位置決め用スペーサ部材32,32が、下側の熱
交換素子31における左端部側の2本のスペーサ部材1
3a,13b間、及び右端部側の2本のスペーサ部材1
3c,13d間に嵌まり込むように位置が設定されてい
る。
【0041】従ってこの場合、両位置決め用スペーサ部
材32,32は、相手側の熱交換素子31の最外側のス
ペーサ部材13aと13dの内側、及び最外側ではない
が外側に位置するスペーサ部材13bと13cの外側に
近接(本実施例では嵌合)して位置するようになってい
る。
【0042】而して、斯様な構成の多数の熱交換素子3
1を、図6に示すように、スペーサ部材13の向きを交
互に90度異ならせて、スペーサ部材13が互いに直交
する形態となるように交互に積み重ねることにより、直
交した2つの流路14,14を有する直交流形の熱交換
器を形成することができる。
【0043】斯様な第2実施例によれば、複数個の熱交
換素子31を積み重ねる際に、位置決め用スペーサ部材
32,32が相手側の熱交換素子31の外側に位置する
スペーサ部材13a,13b間、及び13c,13d間
に嵌まり込むように構成したことにより、次のような効
果を得ることができる。
【0044】すなわち、位置決め用スペーサ部材32,
32がスペーサ部材13a,13b間、及び13c,1
3d間に嵌まり込むことで、互いの移動が規制されるよ
うになり、各熱交換素子31が相互に位置決めされるよ
うになるから、組み立てやすくなる。
【0045】また、熱交換素子31を積み重ねた状態
で、位置決め用スペーサ部材32とスペーサ部材13
a,13b,13c,13dとが互いに干渉して移動が
規制されることにより、積み重ねた状態での熱交換素子
31の位置ずれを防止でき、しかも熱交換素子31相互
間に拘束力があるため、ねじれ方向に対する強度が大き
い利点がある。また、これに伴い熱交換素子31を保持
するための枠を必ずしも必要としない利点もある。
【0046】さらには、各熱交換素子31の位置ずれが
防止されるから、熱交換器として用いる際に、熱交換素
子31の位置ずれよって空気漏れが生ずるということも
なくし得る。
【0047】上記した第2実施例においては、位置決め
用スペーサ部材32,32を、相手側の熱交換素子31
の対をなす2本のスペーサ部材13a,13b間、及び
13c,13d間に嵌め込む構成としたが、これに限ら
れず、例えば対をなす2本のスペーサ部材13a,13
b、及び13c,13dのうちの、最外側のスペーサ部
材13aと13dをなくして(結果的に、残りのスペー
サ部材13bと13cが最外側に位置することにな
る)、位置決め用スペーサ部材32,32がその最外側
に位置するスペーサ部材13b及び13cの外側に近接
して位置する構成としても良い。また、スペーサ部材1
3bと13cをなくして、位置決め用スペーサ部材3
2,32が最外側に位置するスペーサ部材13a及び1
3dの内側に近接して位置する構成とすることもでき
る。要するに位置決め用スペーサ部材32,32は、相
手側の熱交換素子31の両外側のスペーサ部材の外側若
しくは内側に近接して位置すれば良い。
【0048】次に本発明の第3実施例につき図9ないし
図11を参照して説明する。図9にはこの実施例によっ
て形成された熱交換素子33を示しており、この熱交換
素子33は、第1実施例の熱交換素子11とは次の点が
異なっている。
【0049】すなわち、熱交換用のシート12の片面
(図9中上面)にはストロー製のスペーサ部材13が7
本接着固定されている。そして、シート12の両端部
は、7本のスペーサ部材13のうちの両端部に位置する
2本のスペーサ部材13,13に巻き付くように接着し
た状態で曲げられており、そのシート12の曲げられた
部分を案内部34としている。なお、図11には接着点
35,36を便宜上×印で示している。
【0050】ここで、上記接着点35,36のうち、案
内部34を形成するための接着点36は、第1実施例に
おいてシート12にスペーサ部材13を接着した時と同
様に、シート12をヒータにより加熱してシート12に
おける合成樹脂分の熱溶融層を介して接着しても良い
し、接着剤を用いて接着するようにしても良い。尚、こ
の場合接着点35,36間に接着剤を塗布するようにし
ても良い。
【0051】また、上記案内部34は、その先端部34
aがスペーサ部材13の上端部と同一か若干上方へ突出
するような長さに設定されている。
【0052】而して、斯様な構成の多数の熱交換素子3
3を、図10に示すように、スペーサ部材13の向きを
交互に90度異ならせて、スペーサ部材13が互いに直
交する形態となるように交互に積み重ねることにより、
直交した2つの流路14,14を有する直交流形の熱交
換器を形成することができる。
【0053】このとき、各案内部34の先端部34a
が、隣り合った相手側のシート12、すなわち上側のシ
ート12の下面に当接若しくは圧接する状態となる。
【0054】さて、上記熱交換素子33を熱交換器とし
て使用する場合に、一方の流路14に対して空気が図1
1に矢印Bで示すように流れるとすると、各流路14の
入口14aの上部には案内部34が存しており、案内部
34に当たる空気はその湾曲状態をなす案内部34に沿
って流路14側へと案内されるようになるから、逆流す
るような成分が殆どなく、流路14を流れる空気流とし
てはスムーズに流れるようになり、従って空気流の圧力
損失を一層小さくすることができる。
【0055】なお、上記した第3実施例においては、シ
ート12の両端部に案内部34を形成する構成とした
が、案内部34はシート12の一方側の端部にのみ形成
し、その案内部34が流路14の入口14a側に配置さ
れる構成としても良い。
【0056】また、図12及び図13は本発明の第4実
施例を示しており、この第4実施例は、上記第3実施例
とは次の点が異なっている。
【0057】すなわち、熱交換素子37におけるシート
12の端部に形成された案内部38は、図12に示すよ
うに積み重ねる前の状態では、その先端部38aがスペ
ーサ部材13の上端部より上方へ大きく突出するような
長さに設定されている。
【0058】そして、斯様な構成の熱交換素子37によ
り熱交換器を構成すべく多数個の熱交換素子37を積み
重ねた場合、図13に示すように、上記案内部38の先
端部38aが上側のシート12の下面に強く圧接する状
態となる。この場合、案内部38においてシート12に
圧接する圧接部38bの領域を、第3実施例の案内部3
4の場合よりも大きくできる利点がある。
【0059】斯様な第4実施例においても、上記した第
3実施例と同様な作用効果を得ることができる。
【0060】さらに、図14及び図15には本発明の第
5実施例を示しており、この第5実施例は、上記第3実
施例とは次の点が異なっている。
【0061】すなわち、熱交換素子39におけるシート
12の端部12aは、図14に示すように積み重ねる前
の状態では曲げられてはおらず、端部に存するスペーサ
部材13から側方へ張り出した状態となっている。そし
て、図15に示すように熱交換器を構成すべく多数個の
熱交換素子39を積み重ねた状態で、シート12の端部
12aを上側に曲げて、上側に存するシート12の下面
に接着剤40により接着固定することにより、案内部4
1を形成している。
【0062】斯様な第5実施例においても、上記した第
3実施例と同様な作用効果を得ることができる。
【0063】また、図16ないし図19は本発明の第6
実施例を示したものであり、上記第1実施例とは次の点
が異なっている。
【0064】すなわち、熱交換素子42におけるシート
12の片面(図16中上面)にはストロー製のスペーサ
部材13が7本接着固定されている。そして、そのシー
ト12は、スペーサ部材13の長手方向に対応する方向
の長さ寸法Laが、それと直交する方向の長さ寸法Lb
よりも、例えばスペーサ部材13の直径寸法(約2mm)
分だけ大となる(La>Lb)矩形状に形成している。
【0065】ここで、シート12において、スペーサ部
材13の長手方向に沿った辺を長辺部12aとし、ま
た、スペーサ部材13の長手方向と直交する方向に沿っ
た辺を短辺部12bと称する。
【0066】而して、斯様な構成の多数の熱交換素子4
2を、図17に示すように、スペーサ部材13の向きを
交互に90度異ならせて、スペーサ部材13が互いに直
交する形態となるように交互に積み重ねることにより、
直交流形の熱交換器を形成することができる。
【0067】このとき、上下に重なり合った熱交換素子
42,42間で若干の位置ずれが生じることがある。例
えば図18及び図19に示すように、一方の熱交換素子
42が、相手側の熱交換素子42に対して同図中左方向
にずれていたとしても、相手側のシート12における長
辺部12a(スペーサ部材13の長さ)の範囲内、換言
すれば相手側シート12における短辺部12b,12b
間であれば、その一方の熱交換素子42における最も左
側に存するスペーサ部材13が相手側の熱交換素子42
のシート12からはみ出すことを防止できる。
【0068】ちなみに、各熱交換素子のシート12が正
方形であった場合において、上下に重なり合った熱交換
素子間で位置ずれが生じると、図20に示すように、一
方の熱交換素子の最も外側に存するスペーサ部材13が
相手側の熱交換素子のシート12からはみ出しやすく、
そのスペーサ部材13がはみ出したままの状態で熱交換
器として使用された場合には、そこで空気漏れ(矢印
C)が生じてしまう不具合が生ずる。
【0069】この点、本実施例においては、前述したよ
うに、熱交換素子42のシート12を、スペーサ部材1
3の長手方向に対応する長さ寸法Laがそれと直交する
方向の長さ寸法Lbよりも大となる矩形状に形成してい
るので、上下に重なり合った熱交換素子42,42間で
若干の位置ずれが生じたとしても、一方の熱交換素子4
2における最も外側に存するスペーサ部材13が相手側
の熱交換素子42のシート12からはみ出すことを防止
でき、ひいては熱交換器として使用した場合の空気漏れ
の発生を防止できるものである。
【0070】なお、上記した各実施例では、スペーサ部
材13としてストローを例示したが、スペーサ部材とし
てはこれに限られず、例えば断面が略円形の細い棒状を
なす竹材、いわゆる大量に市販されている竹串を用いる
ようにしても良い。このように竹串を用いるようにした
場合には、熱交換器を廃棄する際にその竹串が有毒ガス
を発生することがなく、可燃物として処理できる利点が
ある。
【0071】その他、本発明は上記しかつ図面に示した
各実施例のみに限られず、例えばスペーサ部材13とし
ては転動可能であれば断面が多角形状をなすものでも良
い等、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変形して実施する
ことができる。
【0072】
【発明の効果】請求項1記載の熱交換素子によれば、合
成樹脂を含んで成る熱交換用のシートの片面に、長尺で
かつ転動可能な形状をなす複数本のスペーサ部材を所定
間隔をおいて接着固定するものであるから、流路を流れ
る流体の圧力損失を小さくでき、また、比較的安価な設
備で容易に製造することができ、ひいはコストの上昇を
抑えることができる。
【0073】請求項2記載の熱交換素子の製造方法によ
れば、上記熱交換素子を容易にかつ良好に製造すること
ができる。
【0074】また、請求項3に記載の熱交換素子によれ
ば、複数個の熱交換素子をスペーサ部材が互いに直交す
る形態となるように交互に積み重ねた際に、位置決め用
スペーサ部材が相手側の熱交換素子の外側のスペーサ部
材と干渉する状態となって、各熱交換素子が相互に位置
決めされるようになるから、組み立てやすくなり、しか
も、積み重ねた状態での各熱交換素子の位置ずれを防止
できると共に、ねじれ方向に対する強度を大きくできる
等の利点がある。
【0075】さらに、請求項4に記載の熱交換素子によ
れば、複数個の熱交換素子をスペーサ部材が互いに直交
する形態となるように交互に積み重ねて熱交換器として
使用する場合に、シートの端部に設けた案内部を流路の
入口側となるように配置することにより、案内部に当た
る流体はその案内部に沿って流路側へ案内されるように
なるから、流体の流れを一層スムーズにできて、圧力損
失を一層小さくできる利点がある。
【0076】また、請求項5に記載の熱交換素子によれ
ば、複数個の熱交換素子をスペーサ部材が互いに直交す
る形態となるように交互に積み重ねた際に、上下に重な
り合った熱交換素子間で若干の位置ずれが生じたとして
も、一方の熱交換素子における最も外側に存するスペー
サ部材が相手側の熱交換素子のシートからはみ出すこと
を防止でき、ひいては熱交換器として使用した場合の空
気漏れの発生を防止できる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す熱交換素子の斜視図
【図2】多数個の熱交換素子を積み重ねた状態の斜視図
【図3】製造方法を示す斜視図
【図4】同縦断側面図
【図5】本発明の第2実施例を示す図1相当図
【図6】図2相当図
【図7】2個の熱交換素子を積み重ねる前の状態の正面
【図8】2個の熱交換素子を積み重ねた状態の正面図
【図9】本発明の第3実施例を示す図1相当図
【図10】図2相当図
【図11】複数個の熱交換素子を積み重ねた状態の要部
の拡大縦断面図
【図12】本発明の第4実施例を示し、複数個の熱交換
素子を積み重ねる前の状態の要部の拡大縦断面図
【図13】図11相当図
【図14】本発明の第5実施例を示す図12相当図
【図15】図11相当図
【図16】本発明の第6実施例を示す図1相当図
【図17】複数個の熱交換素子を積み重ねた状態の平面
【図18】1個の熱交換素子の位置がずれた状態の図1
7相当図
【図19】図18の状態の縦断面図
【図20】シートが正方形をなすものを積み重ねた際
に、1個の熱交換素子の位置がずれた状態を示す図19
相当図
【図21】従来構成を示す図1相当図
【図22】図2相当図
【図23】異なる従来構成を示す図1相当図
【図24】図2相当図
【符号の説明】
11は熱交換素子、12はシート、13はスペーサ部
材、15は基台、19は溝、23は送り装置、26は引
出し装置、27はヒータ、28は切断装置、31,3
3,37,39,42は熱交換素子、32は位置決め用
スペーサ部材、34,38,41は案内部を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F28F 3/06 B29C 65/48 F28F 3/08 301 F28D 9/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基台の上面に所定間隔をおいて形成され
    た複数本の溝に、長尺でかつ転動可能な形状をなす複数
    本のスペーサ部材をセットすると共に、合成樹脂を含ん
    で成る熱交換用のシートを前記各スペーサ部材を覆うよ
    うにして前記基台上に配置し、前記シートの上面側から
    ヒータにて加熱してそのシートの前記合成樹脂を溶融さ
    せることにより、前記シートの片面に前記各スペーサ部
    材を所定間隔をおいて接着固定したことを特徴とする
    交換素子。
  2. 【請求項2】 上面に所定間隔をおいて形成された複数
    本の溝を有する基台上に長尺なスペーサ部材を転がして
    これを前記各溝にセットする工程と、ロール状に巻回さ
    れた、合成樹脂を含んで成るシートを引き出してこれを
    前記基台上に配置する工程と、前記シートの上面側から
    ヒータにて加熱することによりそのシートの片面に前記
    各スペーサ部材を接着させる工程と、前記シートを所定
    の寸法に切断する工程とから成る請求項1記載の熱交換
    素子の製造方法。
  3. 【請求項3】 合成樹脂を含んで成る熱交換用のシート
    の片面に、長尺でかつ転動可能な形状をなす複数本のス
    ペーサ部材を所定間隔をおいて接着固定すると共に、前
    記シートのスペーサ部材を接着した面とは反対側の面の
    両端部に、スペーサ部材と同形状をなす位置決め用スペ
    ーサ部材をスペーサ部材と直交する状態で接着固定して
    成り、複数枚の前記シートを前記スペーサ部材が互いに
    直交する形態となるように交互に積み重ねた時に、前記
    両位置決め用スペーサ部材が相手側のシートの外側に位
    置するスペーサ部材の外側若しくは内側に近接して位置
    するように構成されていることを特徴とする熱交換素
    子。
  4. 【請求項4】 合成樹脂を含んで成る熱交換用のシート
    の片面に、長尺でかつ転動可能な形状をなす複数本のス
    ペーサ部材を所定間隔をおいて接着固定して成り、前記
    シートの端部には、複数枚の前記シートを前記スペーサ
    部材が互いに直交する形態となるように交互に積み重ね
    た時に、隣り合った相手のシート側に曲げられてその相
    手のシートに当接する案内部が設けられていることを特
    徴とする熱交換素子。
  5. 【請求項5】 合成樹脂を含んで成る熱交換用のシート
    の片面に、長尺でかつ転動可能な形状をなす複数本のス
    ペーサ部材を所定間隔をおいて接着固定すると共に、前
    記シートを、前記スペーサ部材の長手方向に対応する方
    向の長さ寸法がそれと直交する方向の長さ寸法よりも大
    となる矩形状に形成して成り、そのシートは、前記スペ
    ーサ部材が互いに直交する形態となるように複数枚が交
    互に積み重ねられることを特徴とする熱交換素子。
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