JP2960269B2 - 繊維複合体 - Google Patents
繊維複合体Info
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- Laminated Bodies (AREA)
Description
用内装材等に用いられる繊維複合体に関する。
性、耐熱性、成形性等の性能に優れた材料が要求され
る。従来より、この種の材料として、厚さ方向に配向さ
れているものを含む多数の無機繊維が相互に部分的に熱
可塑性樹脂で接合されかつ全体にわたって多数の空隙を
有する繊維複合体が知られている(特開平1−1565
62号公報参照)。
をプレス成形する場合、通常、加熱してからプレスす
る。加熱前の種々の厚さの繊維複合体について、プレス
成形して得た成形品の強度を比較したところ、繊維複合
体の厚さを大きくしていくとある厚さを境にして強度が
低下していくことが判明した。この現象を重量が700
g/m2 の繊維複合体について調べた結果を図1に示
す。
ず、その熱可塑性樹脂の融点以上に加熱するが、熱可塑
性樹脂が溶融すると、多数の無機繊維が厚さ方向に配向
されているものを含んでいるため、これらの復元しよう
とする力が働き、繊維複合体が膨張してその厚さが増大
する。ところが、繊維複合体の厚さを小さくしていくと
ある厚さを境にして加熱しても繊維複合体が十分に膨張
せず、厚さが余り増大しないことが判明した。プレス成
形する際、厚さが不充分であると、金型の形状通り正確
に成形せられないうらみがある。
が大でしかもプレス成形性のよい厚さの繊維複合体を提
供することにある。
は、厚さ方向に配向されているものを含む多数の無機繊
維が相互に部分的に熱可塑性樹脂で接合されかつ全体に
わたって多数の微細な空隙を有する繊維複合体におい
て、その厚さT(mm)が重量W(kg/m2 )の関数
で 0.4≦W≦0.9のとき、4W−0.5≦T≦5W+
1 0.9<W≦1.7のとき、6W−2.3≦T≦8W−
1.7 の範囲にあることを特徴とするものである。
は、つぎの理由による。すなわち、強度が低下する繊維
複合体の限界厚さは、繊維複合体の重量によって変化
し、重量が大きくなる程限界厚さも大きくなる。したが
って、この場合の適性厚さT(mm)は重量W(kg/
m2 )の関数であるから、次式のようになる。
しない繊維繊維複合体の限界厚さは、繊維複合体の重量
によって変化し、重量が大きくなる程限界厚さも大きく
なる。したがって、この場合の適性厚さT(mm)も重
量W(kg/m 2 )の関数であるから、次式のようにな
る。
ック繊維、炭素繊維等があげられ、その長さは後述のマ
ット状物の成形性の点から5〜200mmが好ましく、
50〜100mmのものが70重量%以上含まれている
のがより好ましい。また、その太さは細くなると機械的
強度が低下し、太くなると重くなって嵩密度が小さくな
るので、3〜30μmが好ましく、より好ましくは5〜
20μmである。
リプロピレン、飽和ポリエステル、ポリアミド、ポリス
チレン、ポリビニルブチラール、ポリウレタン等があげ
られる。そして、繊維複合体を後述のマット状物から得
る場合、その両面に熱可塑性樹脂をフィルムとして積層
する必要がある。このフィルムの厚さはマット状物を構
成する無機繊維との割合で適宜決定せられる。
このマット状物の製造方法としては、無機繊維をカード
マシンに供給し、解繊、混繊し、ニードルパンチ処理す
る方法があげられる。ニードルパンチ密度は、1cm2
当り30〜200箇所が好ましい。ニードルパンチの施
された部分の無機繊維がマット状物の厚さ方向に配向せ
られる。なお、無機繊維を接着するためやマット状物の
かさを増すために、ポリエチレン、ポリプロピレン、飽
和ポリエステル、ポリアミド、ポリアクリロニトリル等
の熱可塑性有機繊維をマット状物中に10〜30重量%
添加するのが好ましい。また、無機繊維を均一に接合す
るために、解繊する際粉体状熱可塑性樹脂を混合しても
よいし、マット状物にした後これに粉体状熱可塑性樹脂
や熱可塑性樹脂のエマルジョンを散布してもよい。
塑性樹脂フィルムを積層し、この積層物を熱可塑性樹脂
の溶融温度に加熱し、この温度を保ったまま加圧圧縮す
る。この際の圧力は0.1〜5kg/cm2 、加圧時間
は1〜30秒が好ましい。
しマット状物の両表面を真空吸着して膨らませ、重量と
厚さの関係が上記の範囲を満足するように、強制的に厚
みを増大させる。
ムは溶融され圧縮されて溶融樹脂がマット状物に含浸さ
れる。また、無機繊維に繊維状、粉末状等の熱可塑性樹
脂が混合されている場合は、これらも溶融されて無機繊
維を接合する。この際、圧力及び加圧時間を制御して溶
融樹脂がマット状物の内部まで均一に含浸される前に圧
縮を解除すると、溶融樹脂は内部よりも表面部に密に含
浸され、多数の無機繊維が相互に部分的に熱可塑性樹脂
で接合され、表面に多数の細孔が生じるとともに、全体
にわたって多数の微細な空隙を有する繊維複合体が得ら
れるので好ましい。
いが、加熱加圧の際には板状体にしておき、使用する際
に再度加熱加圧して賦形成形してもよい。特に自動車用
天井材として使用する際には板状体としておき、発泡体
や化粧用表皮材を積層して異形成形用の金型に供給し、
熱接着するとともに賦形成形するのが好ましい。
性樹脂の量が少なくなると接合部分が少なくなり、繊維
複合体の機械的強度が低下し、逆に多くなると空隙率が
低下するので、重量比で1:4〜4:1が好ましい。繊
維複合体の密度は大きくなると重くなり、小さくなると
機械的強度が低下するので、0.01〜0.2g/cm
2 が好ましく、また、全体としての空隙率は70〜98
%が好ましい。さらに、無機繊維を接合している熱可塑
性樹脂は、繊維複合体の内部よりも表面部に密に分布し
ており、表面部の空隙率は内部より低くなされている
が、表面部の空隙率が50〜95%であって内部の空隙
率が85〜99%であるのが好ましい。
ト、金属板等を積層したり、繊維複合体を他の物品に接
着しやすいように繊維複合体の表面に粘着剤や接着剤を
積層してもよいし、ポリエチレン発泡体、ポリプロピレ
ン発泡体、ポリウレタン発泡体、ゴム発泡体等の独立気
泡もしくは連続気泡を有する発泡体や不織布、織布、塩
化ビニルレザー等の化粧用表皮材を積層してもよい。
さが増大する理由については不明な点もあるが、上述の
ニードルパンチ処理により無機繊維が圧縮により屈曲さ
れていて、これが加熱による樹脂の溶融に伴って原状に
復そうとすることに起因するものと推察される。
維複合体をそれぞれの重量との関係において、十分な強
度と、加熱成形する際の加熱時に、成形性を満足させう
るに十分な厚さの増大を保証する厚さとすることができ
る。
明する。
多数のガラス繊維が相互に部分的に高密度ポリエチレン
で接合されかつ全体にわたって多数の微細な空隙を有す
る繊維複合体であって、その重量が0.6kg/m2 で
あるので、厚さを3.5mmとしたものである。
せられたものである。すなわち、長さ50mm、直径1
3μmのガラス繊維と、長さ50mm、直径10μmの
ポリプロピレン繊維を重量比3:1でカードマシンに供
給し、解繊した後1cm2 当り100箇所のニードルパ
ンチを行なって厚さ6mm、平均重量400g/m2の
マット状物を得た。マット状物の両面に厚さ105μ
m、平均重量100g/m2 の高密度ポリエチレンフィ
ルムを積層し、得られた積層物を2枚のポリテトラフル
オロエチレンフィルムの間に挾んで、200℃で3分間
加熱した後、200℃に加熱したプレスにより5kg/
cm2 で加圧して0.8mmに圧縮し、200℃に保っ
たまま両面のポリテトラフルオロエチレンフィルムを厚
さ方向に真空吸引して引っぱり、厚さ3.5mmまで積
層物を膨らませた後冷却し、ポリテトラフルオロエチレ
ンフィルムを剥離して厚さ3.5mmの本発明の繊維複
合体を得た。得られた繊維複合体を再度200℃まで加
熱して厚さ方向に膨張させ、厚さを測定して4.0mm
になるようにプレス成形し、成形品の曲げ強度をJIS
K7221に準拠して測定した。
2 であるので、厚さを2.3mmとした以外は実施例1
と同様である。
層物を真空吸引により2.3mmまで膨らませたこと以
外は実施例1と同様の製造方法で得られたものである。
加熱後厚さ4mmにプレス成形した成形品の曲げ強度を
実施例1と同様に測定した。 実施例3 この実施例の繊維複合体は、その重量が0.8kg/m
2 であるので、厚さを4.5mmとした以外は実施例1
と同様のものである。
せられたものである。すなわち、長さ50mm、直径1
3μmのガラス繊維と、長さ50mm、直径10μmの
ポリプロピレン繊維を重量比3:1でカードマシンに供
給し、解繊した後1cm2 当り100箇所のニードルパ
ンチを行なって厚さ7mm、平均重量550g/m2の
マット状物を得た。マット状物の両面に厚さ130μ
m、平均重量125g/m2 の高密度ポリエチレンフィ
ルムを積層し、得られた積層物を2枚のポリテトラフル
オロエチレンフィルムの間に挾んで、200℃で3分間
加熱した後、200℃に加熱したプレスにより5kg/
cm2 で加圧して0.8mmに圧縮し、200℃に保っ
たまま両面のポリテトラフルオロエチレンフィルムを厚
さ方向に真空吸引して引っぱり、厚さ4.5mmまで積
層物を膨らませた後冷却し、ポリテトラフルオロエチレ
ンフィルムを剥離し、厚さ4.5mmの本発明の繊維複
合体を得た。得られた繊維複合体を再度200℃まで加
熱し、厚さを測定して5.0mmになるようにプレス成
形し、成形品の曲げ強度を測定した。
2 であるので、厚さを3.0mmとした以外は実施例3
と同様のものである。
り3.0mmまで膨らませた以外は実施例3と同様の製
造方法で得られたものである。その後厚さが5.0mm
になるようにプレス成形して成形品の曲げ強度を測定し
た。
2 であるので、厚さを7.0mmとした以外は実施例1
と同様のものである。
せられたものである。すなわち、長さ50mm、直径1
3μmのガラス繊維と、長さ50mm、直径10μmの
ポリプロピレン繊維を重量比3:1でカードマシンに供
給し、解繊した後1cm2 当り100箇所のニードルパ
ンチを行なって厚さ8mm、平均重量800g/m2の
マット状物を得た。マット状物の両面に厚さ210μ
m、平均重量200g/m2 の高密度ポリエチレンフィ
ルムを積層し、得られた積層物を2枚のポリテトラフル
オロエチレンフィルムの間に挾んで、200℃で3分間
加熱した後、200℃に加熱したプレスにより5kg/
cm2 で加圧して1.2mmに圧縮し、200℃に保っ
たまま両面のポリテトラフルオロエチレンフィルムを厚
さ方向に真空吸引して引っぱり、厚さ7.0mmまで積
層物を膨らませた後冷却し、ポリテトラフルオロエチレ
ンフィルムを剥離して繊維複合体を得た。これを再度2
00℃まで加熱し、厚さを測定して8.0mmになるよ
うにプレス成形して、その曲げ強度を測定した。
2 であるので、厚さを5.0mmとした以外は実施例5
と同様のものである。
り5.0mmまで膨らませた以外は実施例5と同様の製
造方法で得られたものである。その後厚さが8.0mm
になるようにプレス成形して成形品の曲げ強度を測定し
た。
2 であるので、厚さを10.0mmとした以外は実施例
1と同様のものである。
せられたものである。すなわち、長さ50mm、直径1
3μmのガラス繊維と、長さ50mm、直径10μmの
ポリプロピレン繊維を重量比3:1でカードマシンに供
給し、解繊した後1cm2 当り100箇所のニードルパ
ンチを行なって厚さ10mm、平均重量1000g/m
2 のマット状物を得た。マット状物の両面に厚さ315
μm、平均重量300g/m2 の高密度ポリエチレンフ
ィルムを積層し、得られた積層物を2枚のポリテトラフ
ルオロエチレンフィルムの間に挾んで、200℃で3分
間加熱した後、200℃に加熱したプレスにより5kg
/cm2 で加圧して1.6mmに圧縮し、200℃に保
ったまま両面のポリテトラフルオロエチレンフィルムを
厚さ方向に真空吸引して引っぱり、厚さ10.0mmま
で積層物を膨らませた後冷却し、ポリテトラフルオロエ
チレンフィルムを剥離して繊維複合体を得た。これを再
度200℃まで加熱し、厚さを測定して11.0mmに
なるようにプレス成形し、成形品の曲げ強度を測定し
た。
2 であるので、厚さを8.0mmとした以外は実施例7
と同様のものである。
り8.0mmまで膨らませた以外は、実施例7と同様の
製造方法で得られたものである。その後厚さが11.0
mmになるようにプレス成形して成形品の曲げ強度を測
定した。
2 であるにかかわらず厚さが4.5mmである以外は実
施例1と同様のものである。
より4.5mmまで膨らませた以外は実施例1と同様の
製造方法で得られたものである。その後厚さが4.0m
mになるようにプレス成形した成形品の曲げ強度を測定
した。
2 であるにかかわらず厚さが1.5mmである以外は実
施例1と同様のものである。
り1.5mmまで膨らませた以外は、実施例1と同様の
製造方法で得られたものである。その後実施例1と同様
に、加熱して厚さ2.9mmまで膨らませたが、4.0
mmにするようセットされたプレス機に対しては厚さ不
充分で、適正なプレス成形ができなかった。
2 であるにかかわらず厚さが5.5mmである以外は実
施例3と同様のものである。
り5.5mmまで膨らませた以外は、実施例3と同様の
製造方法で得られたものである。その後厚さが5.0m
mになるようにプレス成形し、成形品の曲げ強度を測定
した。
2 であるにかかわらず厚さが2.0mmである以外は実
施例3と同様のものである。
り2.0mmまで膨らませた以外は、実施例3と同様の
製造方法で得られたものである。その後厚さが2.0m
mになるようにプレス成形した成形品の曲げ強度を測定
した。
2 であるにかかわらず厚さが9.0mmである以外は実
施例5と同様のものである。
り9.0mmまで膨らませた以外は、実施例5と同様の
製造方法で得られたものである。その後厚さが8.0m
mになるようにプレス成形し、成形品の曲げ強度を測定
した。
2 であるにかかわらず厚さが4.0mmである以外は実
施例5と同様のものである。
り4.0mmまで膨らませた以外は、実施例5と同様の
製造方法で得られたものである。その後実施例5と同様
に加熱して厚さ6.9mmまで膨らませたが、8.0m
mにするようセットされたプレス機に対しては厚さ不充
分で、適正なプレス成形ができなかった。
2 であるにかかわらず厚さが12.0mmである以外は
実施例7と同様のものである。
り12.0mmまで膨らませた以外は、実施例7と同様
の製造方法で得られたものである。その後厚さが11.
0mmになるようにプレス成形し、成形品の曲げ強度を
測定した。
2 であるにかかわらず厚さが6.0mmである以外は実
施例7と同様のものである。
り6.0mmまで膨らませた以外は、実施例7と同様の
製造方法で得られたものである。その後実施例7と同様
に加熱して厚さ9.2mmまで膨らませたが、11.0
mmにするようセットされたプレス機に対しては厚さ不
足で、適性なプレス成形ができなかった。
げ強度を測定した結果を表1に示す(JIS K722
1準拠)。
っても常に強度が大でしかもプレス成形性のよい厚さと
なすことができる。
加熱後に厚さ4mmにプレスした成形品の曲げ強度との
関係を示すグラフである。
Claims (1)
- 【請求項1】 厚さ方向に配向されているものを含む多
数の無機繊維が相互に部分的に熱可塑性樹脂で接合され
かつ全体にわたって多数の微細な空隙を有する繊維複合
体において、その厚さT(mm)が重量W(kg/
m2 )の関数で 0.4≦W≦0.9のとき、4W−0.5≦T≦5W+
1 0.9<W≦1.7のとき、6W−2.3≦T≦8W−
1.7 の範囲にあることを特徴とする繊維複合体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4342016A JP2960269B2 (ja) | 1992-12-22 | 1992-12-22 | 繊維複合体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4342016A JP2960269B2 (ja) | 1992-12-22 | 1992-12-22 | 繊維複合体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06184901A JPH06184901A (ja) | 1994-07-05 |
JP2960269B2 true JP2960269B2 (ja) | 1999-10-06 |
Family
ID=18350533
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4342016A Expired - Lifetime JP2960269B2 (ja) | 1992-12-22 | 1992-12-22 | 繊維複合体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2960269B2 (ja) |
-
1992
- 1992-12-22 JP JP4342016A patent/JP2960269B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06184901A (ja) | 1994-07-05 |
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Legal Events
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