JP2960259B2 - 口腔用組成物 - Google Patents
口腔用組成物Info
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Description
しくは、口腔内の微生物を殺菌、除去することにより、
優れたプラークコントロール効果を示す口腔用組成物に
関する。
固定化した水不溶性固体(以下、オルガノシリコン型固
定化殺菌剤という)が抗菌活性を示すことは公知であ
り、例えば、特開昭62−177284号には、このよ
うなオルガノシリコン第四級アンモニウムによる合成繊
維の抗菌処理法が開示されている。しかし、口腔衛生の
分野においてオルガノシリコン型固定化殺菌剤を応用す
ることは、未だ提案されていない。
ルガノシリコン型固定化殺菌剤を口腔用組成物に応用す
べく研究を重ねた。すなわち、オルガノシリコン型固定
化殺菌剤はカチオン性であるので、通常、口腔用組成物
に使用される発泡剤や粘結剤などのアニオン性成分と反
応して、その抗菌活性が著しく低下するという問題があ
り、該オルガノシリコン型固定化殺菌剤を口腔用組成物
中に配合するには、それを安定化する手段を講じる必要
がある。
コン型固定化殺菌剤を口腔用組成物中に安定に配合する
ことを目的として鋭意検討を行った結果、意外にも、ア
ルキロールアマイド型界面活性剤が該オルガノシリコン
型固定化殺菌剤を特異的に安定化することを見い出し、
本発明を完成するに至った。
コン第四級アンモニウムを固定化した水不溶性固体を有
効成分とし、該オルガノシリコン型固定化殺菌剤の安定
化剤としてアルキロールアマイド型界面活性剤を配合し
てなる口腔用組成物を提供するものである。
効率よく殺菌、除去すると共に、その産生物の集積およ
び石灰化を防止することにより、優れたプラークコント
ロール効果を示す。
シリコン第四級アンモニウムを固定化して用いる。この
オルガノシリコン第四級アンモニウムは、式: R1 3N+R2SiR3 nX3-n・Y- (I) で示される公知の化合物で、通常、アルコール溶液とし
て市販されている。
シ基、アシル基などの加水分解可能な基であり、Yは塩
素または臭素である。R1は独立して炭素数1〜22の
1価の脂肪族炭化水素基であり、特に3つのR1のうち
の2つがメチル基で他の1つが炭素数8〜22のアルキ
ル基であることが好ましい。R2は2価の炭化水素基で
あり、特に炭素数2〜4のアルキレン基または−CH2
CH2CH2NHCH2CH2−であることが好ましい。R
3はメチル基のような低級アルキル基、フェニル基また
はCF3CH2CH2基である。nは0、1または2を表
し、好ましくは0である。
ニウムのうち、本発明においては、特に次式で表される
ものが好ましい。
る。]
アンモニウムを固定化する水不溶性固体は、無機物質お
よび有機物質を含めていずれの水不溶性固体でもよく、
また、該固体は合成または天然のいずれでもよい。例え
ば、金属酸化物および金属炭酸塩、珪酸質物質、セルロ
ース物質、樹脂およびプラスチックなどを挙げることが
できる。特に好ましい固体の例としては、金属および金
属酸化物、例えば、鉄、アルミニウム、銅、ニッケル、
二酸化チタン、アルミナ、酸化亜鉛、酸化マグネシウ
ム、酸化鉄、炭酸カルシウム、リン酸水素カルシウムお
よび炭酸マグネシウム;珪酸質物質、例えば、ガラス、
シリカ、珪藻土、粉砕石英、マイカ、ゼオライト、珪酸
アルミニウム、珪酸アルミニウムカルシウム、珪酸マグ
ネシウムおよび珪酸ジルコニウム;樹脂およびプラスチ
ック、例えば、ポリエステル、ポリアミド、酢酸セルロ
ース、レーヨン、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シリコン樹
脂およびポリカーボネート樹脂;セルロース物質、例え
ば、木材、綿および麻、および他の天然有機物質、例え
ば、絹およびウールを挙げることができる。
体公知の方法で前記の水不溶性固体に固定化できる。例
えば、オルガノシリコン第四級アンモニウムの溶液を浸
漬または噴霧によって水不溶性固体に適用し、ついで、
被覆物質を乾燥させるかまたは被覆行程の後に加熱する
ことにより固定できる。好ましくは、水不溶性固体をオ
ルガノシリコン第四級アンモニウムの水性または有機溶
媒溶液で被覆する。このような溶液は相当する加水分解
可能シランを水または有機溶媒、例えば、メタノール、
エタノールまたはヘキサンに添加することによって容易
に調製される。処理溶液中のオルガノシリコン第四級ア
ンモニウムの濃度は0.25〜10重量%で満足な結果
が得られる。処理表面を風乾または加熱すると、オルガ
ノシリコン第四級アンモニウム被膜が該固体の表面に固
定化される。この処理固体を65〜100℃で数分間加
熱すると、オルガノシリコン第四級アンモニウム被膜が
該固体の表面により強固に固定化される。所望により、
通常のシラノール縮合触媒(例えば、水)を処理溶液に
添加して、シラノール縮合性を高め、化合物の改良され
た結合を形成させることもできる。
得られたオルガノシリコン型固定化殺菌剤を、組成物全
量に対して0.001〜50重量%、好ましくは0.1
〜20重量%の割合で配合する。配合量が0.001重
量%より少ないと、十分な微生物除去効果が発揮され
ず、一方、50重量%より多いと、組成物の性状が不安
定となる。
式:
ン酸モノエタノールアマイド、ラウリン酸ジエタノール
アマイド、ヤシ油脂肪酸モノエタノールアマイド、ヤシ
油脂肪酸ジエタノールアマイドなどを挙げることがで
き、例えば、東邦化学工業(株)より「トーホール」の
商品名で発売されているものが使用できる。
ールアマイド型界面活性剤は、優れた起泡性と増粘性を
与える発泡剤として作用するだけでなく、オルガノシリ
コン型固定化殺菌剤の微生物除去効果を飛躍的に向上さ
せる作用を有する。
界面活性剤は、組成物全量に対し0.001〜50重量
%、好ましくは、0.1〜10重量%の割合で配合す
る。配合量が0.001重量%より少ないと十分な起泡
性は得られず、また50重量%より多いと液分離など性
状安定性に問題が生じる。
より、粉歯磨、練り歯磨、軟膏剤、パスタ剤、リニメン
ト剤、クリームなどの剤形とすることができ、例えば、
歯磨類や歯肉マッサージ用製剤などの所望の用途に応じ
て、研磨剤、粘結剤、香味剤、粘稠剤、甘味剤および他
の薬効成分などを、本発明の効果を損なわない範囲で配
合することができる。
ルシウム・二水和物および無水物、第一リン酸カルシウ
ム、第三リン酸カルシウム、炭酸カルシウム、ピロリン
酸カルシウム、水酸化アルミニウム、アルミナ、無水ケ
イ酸、シリカゲル、ケイ酸アルミニウム、不溶性メタリ
ン酸ナトリウム、第三リン酸マグネシウム、炭酸マグネ
シウム、硫酸カルシウム、ポリメタクリル酸メチル、ベ
ントナイト、ケイ酸ジルコニウム、合成樹脂などを、単
独または2種以上を組み合わせて配合することができ
る。配合量は、通常、組成物全量に対して5.0〜90
重量%であり、特に練り歯磨の場合には、5〜60重量
%である。
型固定化殺菌剤の微生物除去効果を減じないノニオン性
またはカチオン性の粘結剤が好ましく、ノニオン性の粘
結剤としては、特に、ヒドロキシエチルセルロース、メ
チルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロ
キシプロピルメチルセルロースなどが挙げられ、カチオ
ン性の粘結剤としては、例えば、ヒドロキシエチルセル
ロースをカチオン化させた物質が挙げられ、これらを単
独または2種以上組み合わせて配合することができる。
配合量は、通常、組成物全量に対して、0.01〜20
重量%である。
リン、エチレングリコール、プロピレングリコール、
1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコー
ル、ポリプロピレングリコール、キシリット、マルチッ
ト、ラクチットなどを、単独または2種以上を組み合わ
せて配合することができる。配合量は、通常、組成物全
量に対して5〜70重量%である。
ン酸、アネトール、オイゲノール、サリチル酸メチル、
リモネン、オシメン、n−デシルアルコール、シトロネ
ール、α−テルビネオール、メチルアセタート、シトロ
ネニルアセタート、メチルオイゲノール、シネオール、
リナロール、エチルリナロール、ワニリン、チモール、
スペアミント油、ペパーミント油、レモン油、オレンジ
油、セージ油、ローズマリー油、珪皮油、シソ油、冬緑
油、丁子油、ユーカリ油などを、単独または2種以上を
組み合わせて組成物全量に対して0.1〜10重量%、
好ましくは0.5〜5重量%程度の割合で配合すること
ができる。また、甘味剤として、サッカリンナトリウ
ム、アセスルファームカリウム、ステビオサイド、ネオ
ヘスペリジルジヒドロカルコン、グリチルリチン、ペリ
ラルチン、タウマチン、アスパラチルフェニルアラニル
メチルエステル、ρ−メトキシシンナミックアルデヒド
などを、組成物全量に対して0.01〜1重量%、好ま
しくは0.05〜0.5重量%の割合で配合することが
できる。
成分として、塩化セチルピリジニウム、クロルヘキシジ
ン塩類などのカチオン性殺菌剤、トリクロサンなどの非
イオン性殺菌剤、ドデシルジアミノエチルグリシンなど
の両性殺菌剤、デキストラナーゼ、アミラーゼ、プロテ
アーゼ、ムタナーゼ、リゾチーム、溶菌酵素(リテック
エンザイム)などの酵素、モノフルオロリン酸ナトリウ
ム、モノフルオロリン酸カリウムなどのアルカリ金属モ
ノフルオロフォスフェート、フッ化ナトリウム、フッ化
第一錫などのフッ化物、トラネキサム酸やイプシロンア
ミノカプロン酸、アルミニウムクロルヒドロキシルアラ
ントイン、ジヒドロコレステロール、グリチルリチン塩
類、グリチルレチン酸、グリセロフォスフェート、クロ
ロフィル、塩化ナトリウム、カロペプタイド、水溶性無
機リン酸化合物などを、単独または2種以上を組み合わ
せて配合することができる。
し、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれ
らに限定されるものではない。なお、特に断らない限
り、「%」は重量%を表す。
剤による殺菌、除去効果を、以下に示す実験により評価
した。結果を表1に示す。
rinus)OMZ176を、ブレインハートインフージョ
ン液体培地中で37℃の嫌気条件下、20時間培養した
後、遠心分離(7000rpm、10分間)して集菌
し、得られた菌体を、滅菌生理食塩水で洗浄し、菌濃度
が約107セル/ml(OD560=0.02)になるよう
に、滅菌生理食塩水に懸濁したものを試験菌液とした。
水36mlを加えて十分に分散させた。この三角フラス
コを37℃の恒温槽に設置し、前記(1)の試験菌液4
mlを加えて、120ストローク/分で3分間振盪し
た。その後、該三角フラスコを恒温槽から取り出し、し
ばらく静置した後、上清1mlを取り、滅菌生理食塩水
で希釈した。ついで、この希釈物0.1mlをブレイン
ハートインフージョン寒天平板上に塗沫し、37℃の嫌
気条件下で48時間培養した後、形成したコロニー数を
計測した。これにより、3分間にわたる試料との接触後
の生菌数を算定することができる。試料の微生物除去率
(%)は次式によって評価し、90%以上を、優れた微
生物除去効果があると判定した。
シリコン第四級アンモニウムを固定化したサンプル1〜
7、特に1〜4および6は、固定化しない担体のみのサ
ンプル8〜11と比較して、明らかに高い微生物除去率
を示している。また、サンプル4〜6の微生物除去効果
は固定化殺菌剤の濃度に依存し、0.001〜50%で
極めて高い除去率を示すことがわかる。さらに、オルガ
ノシリコン第四級アンモニウムのアルキル鎖長はC6よ
りもC18の方が高い微生物除去効果を示す。
2に記載する他の成分と常法に従って混合かつ撹拌する
ことにより実施例1〜3、比較例1〜3の歯磨組成物を
調製した。得られた組成物の微生物除去効果を前記の評
価法にて評価した。結果を表2に示す。
歯磨組成物にはアルキロールアマイド型界面活性剤と、
ノニオン性またはカチオン性の粘結剤が配合されている
ため、オルガノシリコン型固定化殺菌剤が安定に配合さ
れており、微生物除去率は90%以上と極めて高く、ま
た、固液分離もなく組成物の性状も安定していた。
ノニオン性のヒドロキシプロピルメチルセルロースを用
いているが、発泡剤として、アルキロールアマイド型界
面活性剤以外のノニオン性界面活性剤を用いているの
で、オルガノシリコン型固定化殺菌剤が安定化されず、
微生物除去効果が発揮されなかった。
剤および粘結剤を用いているが、オルガノシリコン型界
面活性剤を配合していないので、微生物除去効果は発揮
されなかった。以上のことから、実施例1〜3の歯磨組
成物では、オルガノシリコン型固定化殺菌剤が、これを
特異的に安定化する界面活性剤および粘結剤と共に配合
されているので、除去効果が損なわれることなく、口腔
内の微生物を効率よく除去しうることがわかる。
を調製した。 成分 配合量(重量%) サンプル4(表1) 0.5 塩化セチルピリジニウム 0.1 モノフルオロリン酸ナトリウム 0.7 ラウリン酸ジエタノールアマイド 2.0 カチオン化ヒドロキシエチルセルロース 2.0 リン酸水素カルシウム 20.0 グリセリン 20.0 香料 1.0 サッカリンナトリウム 0.2 精製水 残 100.0 得られた歯磨剤の微生物除去率を前記の方法で評価した
ところ、良好な微生物除去効果と優れた使用感が得られ
た。
ッサージクリームを調製した。 成分 配合量(重量%) サンプル4(表1) 5.0 ニコチン酸トコフェロール 0.5 ラウリン酸ジエタノールアマイド 2.0 ヒドロキシプロピルメチルセルロース 3.0 グリセリン 20.0 香料 0.6 グリチルリチン酸ジカリウム 0.1 精製水 残 100.0 得られた歯磨剤の微生物除去率を前記の方法で評価した
ところ、良好な微生物除去効果と優れた使用感が得られ
た。
を調製した。 成分 配合量(重量%) サンプル4(表1) 2.0 リン酸水素カルシウム 50.0 重質炭酸カルシウム 20.0 ラウリン酸ジエタノールアマイド 1.0 グリセリン 20.0 香料 1.0 サッカリンナトリウム 0.1 精製水 残 100.0 得られた歯磨剤の微生物除去率を上記の方法で評価した
ところ、良好な微生物除去効果と優れた使用感が得られ
た。
定化殺菌剤を安定に配合した、優れた微生物除去作用を
有する新規な口腔用組成物が得られる。
Claims (2)
- 【請求項1】 オルガノシリコン第四級アンモニウムを
固定化した水不溶性固体を有効成分とし、発泡剤として
アルキロールアマイド型界面活性剤を配合したことを特
徴とする口腔用組成物。 - 【請求項2】 さらに、非イオン性およびカチオン性粘
結剤から選ばれる少なくとも1種の粘結剤を配合してな
る請求項1記載の口腔用組成物。
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US08/075,387 US5292528A (en) | 1992-06-19 | 1993-06-14 | Oral Composition |
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- 1992-07-06 JP JP4178118A patent/JP2960259B2/ja not_active Expired - Fee Related
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