JP2959976B2 - 可塑状グラウトの注入工法 - Google Patents

可塑状グラウトの注入工法

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SHIMODA GIJUTSU KENKYUSHO JUGEN
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  • Consolidation Of Soil By Introduction Of Solidifying Substances Into Soil (AREA)
  • Lining And Supports For Tunnels (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、軟弱地盤の砂礫層等
の大間隙や空洞(自然地盤内の空洞や構造物と自然地盤
との境界面の空洞、例えばシールドトンネルの裏込め)
に二液性水ガラス系可塑状グラウトを注入充填する工法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に二液性の水ガラス系グラウトは、
いずれも図3のグラフに示すようなゲル化硬化過程の
特性を有する。
【0003】このうち、緩結型の代表的なグラウトであ
るLWは、図3に示すように、A液(懸濁液)とB液
(水ガラス)を混合させるとゲルタイム1分前後でゲル
化し、流動状固結(ゲル化しているがグラウト自体が自
立する強さはなく、物理的には流動状の性質を持ってい
る)並びに可塑状固結領域(グラウト自体は流動性はな
いが、若干加圧すれば容易に流動する)を経て、固結領
域(多少の加圧では流動しない)に入り、強固なゲルを
生成させる性質(以下固結型グラウトという)を持って
いる。
【0004】しかし、固結後の強度の発現は非常に小さ
いという性質がある。
【0005】このように固結型グラウトの注入は、ゲル
化直後から流動状並びに可塑状固結領域が非常に短いた
め、グラウトの固結(ゲル化)は地盤内の土粒子間ある
いは空洞内で行なうことになる。
【0006】このため固結型グラウトは、グラウト自身
の圧力や流速によってグラウト自体がこねまわされる
(かき乱だす)ことが無いため、こねまわされることに
よって強度の発現を阻害されることなく注入することが
できる。
【0007】しかし、固結型グラウトはゲルタイムが長
いため、ゲル化するまでの間に水に希釈され、また材料
分離を起こし、均一な固結強度が得られないという欠点
があり、さらに早期強度(1〜3時間後)の発現がない
ために、速やかに地山相当以上の固結強度が期待できな
い。
【0008】このため、地盤注入で複層地盤(礫、砂、
シルト、粘土等の互層)を対象とした場合、まずLW等
の懸濁型グラウト(ホモゲル強度が大)は浸透性は悪い
ためにこれを荒い土質(礫等)や層境に注入して地盤全
体を一様にした後、浸透性の良い溶液型グラウトを細か
い土質に注入する手法がとられる。
【0009】この場合、先に注入する懸濁型グラウトの
強度がある一定以上(通常注入圧力に相当する固結強度
を必要とする)でなければ、後で注入する溶液型グラウ
トが懸濁型グラウト中に圧入されることになり、効果的
な複合注入が得られない。
【0010】このため、懸濁型グラウトが一定強度以上
になるまで後に行なう溶液型グラウトを持たねばなら
ず、その結果施工性や作業性が劣る欠点がある。
【0011】また裏込め注入においても、LW(固結
型)はゲルタイムが長いため、ゲル化するまでの間に水
に希釈され、また材料分離を起こして均一な固結強度が
得られない。
【0012】さらに早期強度の発現が劣るため、速やか
に地山相当以上の強度が得られないことから、周辺地山
の圧力に耐えられずに地盤変化(沈下)が起こる欠点が
あり、現状ではほとんど使用されていない。
【0013】このような固結型グラウトの問題点を解決
するため開発されたのが可塑状グラウトである。
【0014】この可塑状グラウトは前述の固結型のLW
と異なり、ゲル化直後は非常に固結力が弱いが、早期に
著しい強度発現がみられ、3時間後に約1Kgf/cm 2 以上
の固結強度が得られる。
【0015】また、可塑状グラウトはゲルタイムも短か
く(約20秒以下)、地下水に希釈されることなく、ま
た均一な固結強度が得られ、さらにゲル化直後の可塑状
領域(5〜30分以下)が長く、充填性にすぐれてお
り、前述の地盤注入や裏込め(空洞)注入に効果を発揮
する。
【0016】しかしながら、可塑状グラウトは注入時に
可塑状ゲルという非常に弱いゲル状態で注入するため、
注入の方法、すなわち注入条件によっては可塑状ゲルを
こねまわし(かき乱す)ゲルを破壊するため、水ガラス
系グラウト特有の早期強度の発現を阻害するという致命
的な欠陥を持ち合わせている。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記の注入
時の可塑状ゲルのこねまわしによる早期強度の発現を阻
害する課題を解決するために、A液として硬化発現材を
主成分とする懸濁液を、またB液として水ガラスをそれ
ぞれ別々の注入管で圧送し、注入口手前で合流混合させ
て注入口に至るまでに可塑状ゲルを生成させて注入する
工法であって、下記の〔A〕、〔B〕、〔C〕、〔D〕
の条件を満たすことを特徴とする可塑状グラウトの注入
工法である。
【0018】〔A〕注入口から放出される可塑状グラウ
トの流速が毎秒約5m以下であること。
【0019】〔B〕注入口から放出される可塑状グラウ
トの注入圧力が約9Kgf/cm 2 以下であること。
【0020】〔C〕前記〔A〕の流速に〔B〕の圧力の
平方根を掛けた値が約5以下であること。
【0021】〔D〕注入手前のA、B液合流地点から注
入口までの注入管の断面がほぼ同じ大きさであること。
【0022】上記構成の発明を提案するものである。
【0023】また本発明は、A液として硬化発現材を主
成分とする懸濁液を、またB液として水ガラスをそれぞ
れ別々の注入管で圧送し、注入口手前で合流混合させ
て、可塑状ゲルを注入口で放出すると同時あるいは放出
直後に生成させて注入する工法であって、下記〔A〕、
〔B〕、〔C〕の条件を満たすことを特徴とする可塑状
グラウトの注入工法。
【0024】〔A〕注入口から放出される可塑状グラウ
トの流速が毎秒約5m以下であること。
【0025】〔B〕注入口から放出される可塑状グラウ
トの注入圧力が約9Kgf/cm 2 以下であること。
【0026】〔C〕前記〔A〕の流速に〔B〕の圧力の
平方根を掛けた値が約5以下であること。
【0027】上記構成の発明を提案するものである。
【0028】本発明でいう放出される注入口とは地盤注
入の場合は、注入管(一般にはゲルタイムが短いため二
重管を使用)の先端で地盤に圧入される時点をいい、裏
込め注入では、グラウトホールから出て地山に入る時点
をいう。
【0029】また、本発明の流速とは、注入口での可塑
状グラウトの流速(注入速度ともいう)をいい、また圧
力は、注入口での可塑状グラウトの圧力をいい、通常の
注入ポンプに取付けた圧力計ではない。
【0030】本発明工法で使用するA液の硬化発現材
は、セメント、スラグとセメント、スラグと石灰あるい
はセメントスラグ、砂等を主成分としたもので水を加え
ることで硬化する材料をいう。
【0031】また、A液の懸濁液とは、硬化発現材単独
またはこれに粘土鉱物等の粘着剤あるいは微粒子骨材を
加えたもの、さらには必要に応じて分散剤、遅延剤等の
添加剤を加えることができる。
【0032】本発明のB液に使用する水ガラスは、特に
限定するものではないが、好ましはモル比約3以上の
ものである。
【0033】
【作用】この発明は、前記の注入時の可塑状ゲルのこね
まわしによる早期強度の発現を阻害する課題を解決する
ため種々の実験を行った結果、可塑状ゲルのこねまわし
の原因は第1に可塑状ゲル自身の流速、第2にその時の
圧力が主要因として挙げられ、さらに第3の原因として
は注入管の形状、すなわち注入口に至るまでの注入管内
で可塑状ゲルを生成させて注入する場合は、注入管の断
面が凹凸であれば可塑状ゲルは流速、圧力に関係なくこ
ねまわし現象を起こし、早期強度の発現が阻害されるこ
とが判明した。
【0034】第1の原因の可塑状グラウトの流速が毎秒
当たり約5mを越え、さらに第2の原因のグラウト自身
の圧力が約9Kgf/cm2 を越えた場合は、こねまわし現象
が大きく、早期強度の発現が極端に低下する。
【0035】また、流速と圧力が前記の条件であって
も、流速と圧力との間には一定の範囲が存在することも
実験により判明した。すなわち、
【0036】1)注入口から放出される可塑状グラウト
の流速(注入速度)が毎秒あたり約5m以下であるこ
と。
【0037】2)注入口から放出される可塑状グラウト
の注入圧力が約9Kgf/cm 2 以下であること。
【0038】3)さらに、流速と圧力が前記の条件であ
っても、両者には一定の関係が存在するが、実験結果よ
り流速(m/秒)に圧力の平行根を掛けたものを基準と
してその値が約5以下の範囲であることが判明した。
【0039】なお、本発明でいう可塑状グラウトとは、
可塑状保持時間(詳しくは実験−1に記載)が約5分以
上のグラウトをいう。
【0040】
【実施例】以下、本発明を実施例によって詳しく説明す
る。
【0041】実験に用いた水ガラスは比重 1.32、Na2O
8.6%、SiO2 26.5%の水溶液、硬化発現材として普通ポル
トランドセメント(以下セメントという)、増粘剤とし
てベントナイト(250 メッシュ)を用いた。
【0042】「実験−1(比較例)」・・従来の固結
グラウトとして懸濁型注入材LWの表1の配合のゲルタ
イムと早期強度発現(1日)をみるため、ゲル化直前に
直径5cm、高さ10cmのモールドにつめ静止した状態で養
生して測定したところ、表2の実験No.1の結果を得
た。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】また、可塑状保持時間を測定するために、
静的貫入抵抗測定器を用いた試験(アスファルト針入度
試験JISK 2530-1961)に準じて、総重量230gで先端角度
が15度の長さ36mmの貫入コーンを用いて静的貫入抵抗値
を測定した。
【0046】この試験において、ゲル化後の貫入値が15
mmになるまでの所要時間が約30秒であった(この貫入値
15mmは一軸圧縮強度の約0.1Kgf/cm 2 に相当し、可塑状固
結強度の上限とした)。
【0047】以上の2つの実験より固結型グラウトLW
はゲルタイムが約50秒であったが、ゲル化直後から固結
領域に至るまで可塑状固結領域が非常に短かく、また初
期強度の発現(1日程度)があまりないことがわかる。
【0048】「実験−2(実施例)」・・本発明の可塑
状グラウトのゲルタイム及び早期強度の発現をみるた
め、ゲル化直前に直径5cm、高さ10cmのモールドにつ
め、静置した状態で養成して測定したところ、表4の実
験No.2の結果を得た。
【0049】
【表4】
【0050】一方、表3の配合をビニール袋内でゲル化
させた直後、手で良くこねまわし、ゲルを完全にこわし
た状態(こねまわすことにより、可塑状固結ゲルが流動
化して固結力が極端に減少する)で直径5cm、高さ10cm
のモールドに詰めた後は、静置した状態で養生して測定
したところ、表4の実験No.3の結果を得た。
【0051】
【表3】
【0052】また、可塑状グラウトをゲル化後静止した
状態で可塑状保持時間を上記実験−1の固結グラウトの
方法に準じて行ったところ、ゲル化後から貫入値が15mm
に至るまでの所要時間は約30分であった。
【0053】以上の実験より本発明の可塑状グラウトは
ゲルタイムは非常に短いが、可塑状保持時間が約30分と
非常に長く、しかもゲル化後において静置した場合は早
期強度の発現が非常に著しいことがわかる。
【0054】これに対して、可塑状グラウトでゲル化直
後にこねまわした状態の実験No.3では、固結強度が実
験No.2に比べて3時間で約1/5、1日で1/12と極端に低
下していることが判る。
【0055】以上の実験−1の実験No.1及び実験2の
実験No.2の結果をグラフにしたものを図3にゲル化−
硬化過程特性として示した。
【0056】「実験装置(イ)」:グラウト(可塑状固
結型及び固結型)のゲル化直後の可塑状固結領域(流動
状固結領域も含む)でのグラウトの流速及び注入圧力の
影響をみるため、図1に示す実験装置を用いて行った。
【0057】図1に示すグラウトのこねまわし装置1
は、その前後に接続した注入管2と巾がほぼ同じ鉄製の
箱状体で、その内部に複数の仕切板3をその先端に隙間
ができるように上下に交互に取付け、これによって蛇行
状をなす流路を形成してその中に小石4を詰め込み、こ
の流路の横断面における小石4群の間隙の総断面積が注
入管2の断面積とほぼ同じになるように作られている。
【0058】注入管2にはA液タンク5から流量制御ポ
ンプ6によりA液が圧送され、またB液タンク7から流
量制御ポンプ8によりB液が圧送され、これらのA,B
両液を合流させてラインミキサー9で混合し、その混合
液の流速と圧力を流量計10、圧力計11で計測しなが
ら流量調整弁12で所定の流速と圧力に調整した上で、
こねまわし装置1に圧送する。
【0059】A+B液は混合した後、こねまわし装置1
に入る手前の注入管2の口元付近でゲル化させ、その可
塑状固結領域(流動状固結領域も含む)のグラウト(A
+B液)をこねまわし装置1の流路中の小石4の間隙を
通過させる間にこねまわして先端の出口から放出された
可塑状固結領域のグラウトを、直径5cmの塩化ビニール
製半割円筒容器である試料採取モールド13に充填して
試料として採取した。
【0060】なお、こねまわし装置1の出口側の注入管
2にも圧力計11’及び流量調整弁12’を設置してあ
る。
【0061】採取した試料はゲル化後3時間で一軸圧縮
強度を測定した。
【0062】「実験装置(ロ)」:可塑状グラウトが凸
凹のある注入管を通過するときのこねまわす現象をみる
ため、図2に示す実験装置を用いて行った。
【0063】図2に示すグラウトのこねまわし装置14
は、断面積の大小異なる2インチ短管14aと1インチ
短管14bを交互に接続したもので、実験装置イと同様
にしてA液とB液を合流混合させてゲル化させ、その可
塑状グラウト(A+B液)を短管14a,14bを交互
に通過させる間に乱流を生じさせてこねまわし、その放
出口に取り付けた実験装置イと同様の試料採取モールド
13に受け入れさせて供試体を作成するように構成され
ている。
【0064】なお、こねまわし装置1の手前の注入管2
には実験装置イと同様に流量計(流速計)10と圧力計
11が取付けられている。
【0065】「実験−3(比較例)」・・実験装置イを
使ってグラウトを使う前の予備テストとしてグラウトの
こねまわし装置1内の流速と圧力を一定にするため、水
を用いて流入口と放出口の流量計と圧力計を作動させて
調整した。
【0066】その後、実験装置イを使って、固結型グラ
ウト(表1の配合)の注入口側の流速を1秒当たり 0.6
8m、圧力1.0Kgf/cm 2 で圧送したところ、放出口を通じて
試料採取容器13から可塑状固結領域のグラウトの供試
体が得られた。
【0067】注入後、こねまわし装置を開けてみたとこ
ろ、最後までグラウトが通った如く小さい流路(セメン
ト粒子の沈降した層断面から推定して10m/m 以下)が確
認でき、その周囲の固結強度はほとんど均一であった。
【0068】また、採取した固結型グラウトの3時間後
の一軸圧縮強度は 0.64kgf/cm 2 であった。
【0069】また、上記と同様に注入圧力 10kgf/cm 2
流速1秒当たり7.5mに調整して得られた供試体の3時間
後の一軸圧縮強度は 0.60kgf/cm 2 であった。
【0070】一方、図2の凹凸の注入管に固結型グラウ
トを流速(2インチ管の流量60リットル/分)1秒当たり
0.51m、圧力8.0Kgf/cm 2 で圧送し、得られた供試体の3
時間後の一軸圧縮強度は 0.63Kgf/cm 2 であった。
【0071】以上のように、固結型グラウトは、静置し
た状態の一軸圧縮強度(表2)に比べて、実験装置イ及
び実験装置ロを用いてこねまわし現象を起こさせた3時
間後の一軸圧縮強度と大差なく、ほとんど影響を受けな
いことが判った。
【0072】「実験−4(実施例)」・・実験装置イを
用いて、実験−3と同様に表3の配合の可塑状グラウト
の流速並び圧力の影響でのこねまわし現象による初期強
度の発現の有無の確認の実験を行ない、表5の結果を得
た。
【0073】なお、この実験は、A液とB液を合流混合
させて図1の注入管2を通過すると同時に可塑状ゲルを
生成させる方法で行った。
【0074】
【表5】
【0075】可塑状グラウトの早期強度(3時間後)の
発現はグラウトのこねまわしにより大きく影響されるこ
とは表4より明らかであり、このこねまわしの度合いは
表5よりグラウトの流速とその時の圧力によって、大き
く影響されることがわかる。
【0076】即ち、グラウトの早期強度(3時間後)
は、表4におけるゲル化後に静置した場合の一軸圧縮強
度が 1.60kgf/cm2であるのに対して、その約4割減にあ
たる約1.0Kgf/cm 2 までの低減を本発明の範囲とした。
【0077】これにより本発明での可塑状グラウトのゲ
ルを注入口で放出すると同時あるいは放出直後に生成さ
せて注入する場合は、
【0078】〔A〕注入口から放出される可塑状グラウ
トの流速が毎秒約5m以下であること。
【0079】〔B〕注入口から放出される可塑状グラウ
トの注入圧力が約9kgf/cm 2 以下であること。
【0080】〔C〕さらに、〔A〕の流速に〔B〕の圧
力の平方根を掛けた値の約5以下であること。
【0081】以上の3つの条件を満たす必要があり、表
5においてこの条件を満たす範囲として太線で囲んで示
した。
【0082】「実験−5(実施例)」・・図2に示す管
径を異にした凹凸管状をなすこねまわし装置14に可塑
状グラウトゲルを流速(2インチの流量30リットル/分)1
秒当たり 0.25m、圧力1kgf/cm2で圧送し、得られた供試
体の3時間後の一軸圧縮強度は0.61kgf/cm2であった。
【0083】また同様に、秒速 0.51m(2インチ管の流
量 60リットル/分)圧力7kgf/cm 2 で圧送して得られた供試体
の3時間後一軸圧縮強度は、0.54kgf/cm 2 であった。
【0084】以上のように本発明での可塑状グラウトの
ゲルを生成させた後、2インチと1インチと断面積の異
なる短管に圧送した場合、ゲルの早期強度は静置した場
合のゲルの一軸圧縮強度 1.60kgf/cm 2 に比べて0.61kgf/
cm 2 、0.54kgf/cm 2 と本発明の範囲とする1.0kgf/cm 2 に達
し得えないことが判った。
【0085】これにより、可塑状ゲルの早期強度の発現
を阻害しないためには、注入管の断面がほぼ同じ大きさ
であることが条件であることが判る。
【0086】
【発明の効果】以上の通りこの発明による方法で注入す
れば、可塑状グラウトの可塑状保持時間が極めて長くて
も、ゲル化後において静置した場合の早期強度の発現と
同様に早期強度の発現を著しく高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に用いる実験装置イの縦断側面図。
【図2】この発明に用いる実験装置ロの縦断側面図。
【図3】グラウトのゲル化−硬化過程の特性を示す線
図。
【符号の説明】
1 こねまわし装置 2 注入管 3 仕切板 4 小石 5 A液タンク 6 流量制御ポンプ 7 B液タンク 8 流量制御ポンプ 9 ラインミキサー 10 流量計 11 圧力計 11’ 圧力計 12 流量調整弁 12’ 流量調整弁 13 試料採取モールド 14 こねまわし装置 14a 2インチ短管 14b 1インチ短管

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軟弱地盤の大間隙や空洞等に可塑状グラ
    ウトを注入する方法において、A液として硬化発現材を
    主成分とする懸濁液と、B液として水ガラスをそれぞれ
    別々の注入管で圧送し、注入口手前で合流混合させて注
    入口に至るまでに可塑状ゲルを生成させて注入する工法
    であって、下記の〔A〕、〔B〕、〔C〕、〔D〕の条
    件を満たすことを特徴とする可塑状グラウトの注入方
    法。 〔A〕注入口から放出される可塑状グラウトの流速が毎
    秒約5m以下であること。 〔B〕注入口から放出される可塑状グラウトの注入圧力
    が約9Kgf/cm 2 以下であること。 〔C〕前記〔A〕の流速に〔B〕の圧力の平方根を掛け
    た値が約5以下であること。 〔D〕注入手前のA液とB液の合流地点から注入口まで
    の注入管の断面がほぼ同じ大きさであること。
  2. 【請求項2】 軟弱地盤の大間隙や空洞等に可塑状グラ
    ウトを注入する方法において、A液として硬化発現材を
    主成分とする懸濁液と、B液として水ガラスをそれぞれ
    別々の注入管で圧送し、注入口手前で合流混合させて注
    入口で放出すると同時あるいは放出直後に可塑状ゲルを
    生成させて注入する工法であって、下記の〔A〕、
    〔B〕、〔C〕の条件を満たすことを特徴とする可塑状
    グラウトの注入方法。 〔A〕注入口から放出される可塑状グラウトの流速が毎
    秒約5m以下であること。 〔B〕注入口から放出される可塑状グラウトの注入圧力
    が約9Kgf/cm 2 以下であること。 〔C〕前記〔A〕の流速に〔B〕の圧力の平方根を掛け
    た値が約5以下であること。
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JPH08120662A (ja) 1996-05-14

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