JP2959926B2 - ごみ焼却炉 - Google Patents

ごみ焼却炉

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JP2959926B2
JP2959926B2 JP5140470A JP14047093A JP2959926B2 JP 2959926 B2 JP2959926 B2 JP 2959926B2 JP 5140470 A JP5140470 A JP 5140470A JP 14047093 A JP14047093 A JP 14047093A JP 2959926 B2 JP2959926 B2 JP 2959926B2
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静夫 片岡
雅行 熊田
照行 喜多
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、都市ごみ,産業廃棄物
等のごみを流動層により焼却させるごみ焼却炉に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種のごみ焼却炉は、図9
(A)〜(C)に各々示す如く、炉本体1内に、焼却残
渣排出口1bへと下り傾斜状に延びる流動化空気噴出床
2を設けると共に、この流動化空気噴出床2下に、該床
2の傾斜方向に並列する複数の風箱3a…を設けて、各
風箱3aに供給された流動化空気を流動化空気噴出床2
から噴出させることによって、該床2上に珪砂等の粒状
流動媒体による流動層11を形成せしめるように構成さ
れている。
【0003】而して、かかる従来炉にあっては、風箱3
a…への空気供給量を異ならしめることにより、床2の
傾斜方向に旋回する旋回流23を形成せしめて、流動層
11に投入されたごみを流動媒体及び空気と攪拌させつ
つ燃焼させると共に、その燃焼物及び不燃物を床2に沿
って流下させて焼却残渣排出口1bへと排出させるよう
になっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、都市ごみや産
業廃棄物等のごみには種々の形状,材質のものが含まれ
ているため、流動層11に投入されるごみの形状,性状
によっては良好な焼却処理を行い得ないといった問題が
あった。
【0005】すなわち、難燃質で形状の大きな塊状物の
ような難燃性重量物については、旋回流23によって流
動層11内に長時間滞留されるようなことがなく、寧
ろ、床2の傾斜方向に沿う旋回流23によって床2上で
の流下を促進されることになるから、比較的短時間のう
ちに排出口1bへと流下されることになる。したがっ
て、燃焼に長時間を要する難燃性重量物は、どうしても
流動層11内で完全燃焼され難く、未燃状態のまま不燃
物と共に排出口1bから排出される虞れがある。また、
排出口1bから排出された焼却残渣の爾後処理上、不燃
物はこれを床2上での転動により球状化させるようにす
るのが好ましいが、旋回流23によって不燃物の排出口
1bへの流下が促進されることから、床2上での転動が
充分に行なわれず、不燃物の球状化が良好に行なわれ難
いといった問題もある。
【0006】ところで、このような未燃焼物の発生を回
避させるために、ごみに予め破砕処理しておくことも試
みられている。しかし、このような前処理を行なうこと
は、これに要する設備費,運転費等の経済的負担が大き
くなるばかりか、却って、燃焼上のトラブルを招くこと
にもなる。すなわち、紙,プラスチック等の燃え易い軽
量ごみについては、これを破砕処理した場合には、どう
しても浮遊燃焼する割合が高くなって、流動層11内で
の燃焼量が減少することになり、流動層を所定の温度に
保持することが困難となる。しかも、破砕処理された軽
量ごみは、流動層に投入されると爆発的に燃焼するた
め、炉内に大きな圧力変動が発生すると共に、燃焼用空
気が不足して、COの大量発生、更には有害なダイオキ
シンの発生を招くことになる。なお、流動層における内
部旋回強さが大きい焼却炉や流動層全体を旋回させる焼
却炉では、ごみが投入される層部分が他の層部分と同一
温度レベル(例えば、600℃〜900℃)であるた
め、燃え易いごみについては、これを破砕しない場合に
も、流動層に投入されると、急激に乾燥,燃焼して、多
量の熱分解ガスを発生し、燃焼用空気不足によるCO及
びダイオキシンの大量発生を招く虞れがある。また、か
かる問題の解決策の一つとして、ごみ投入を間欠的に行
うと共に、ごみ投入時に旋回流の強さを一時的に弱める
ことが試みられてはいるが、このようにすることは、旋
回流による効果(難燃性重量物の燃焼,不燃物の球状化
等を促進させるための攪拌効果)を積極的に低減させる
ものであり、更には、ごみの断続的な投入により炉内に
大きな圧力変動を生じさせるものであり、有効な解決策
とは到底いい得ない。
【0007】本発明は、かかる点に鑑みてなされたもの
で、破砕処理等の前処理を必要とすることなく、ごみを
安定且つ良好に燃焼させることができるごみ焼却炉を提
供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、炉本体内に、
ごみ投入口の直下位から焼却残渣排出口へと下り傾斜状
に延びる流動化空気噴出床を設けると共に、この流動化
空気噴出床下に、該床の傾斜方向に並列する複数の風箱
を設けて、各風箱に供給された流動化空気を流動化空気
噴出床から炉内に噴出させることによって、該床上に流
動層を形成せしめるように構成されたごみ焼却炉におい
て、上記の目的を達成すべく、特に、各風箱を前記傾斜
方向に直交する方向に複数の風箱部分に区画すると共
に、各風箱部分に各別に流動化空気を供給する流動化空
気供給機構であって、各風箱に対応する流動層部分に、
各々、前記傾斜方向に交差する方向の旋回流を形成させ
るべく、各風箱における隣接風箱部分への空気供給量を
異ならしめるように構成された流動化空気供給機構を設
ておくことを提案するものである。なお、以下におい
て、旋回流とは、上記した如く、流動化空気噴出床の傾
斜方向に交差する方向の旋回流をいうものとする。
【0009】而して、かかる構成のごみ焼却炉において
は、各構成部材を次のように構成しておくことが好まし
い。
【0010】すなわち、流動化空気供給機構は、ごみ投
入口側の風箱における隣接風箱部分間の供給空気量差を
他の風箱における隣接風箱部分間の供給空気量差よりも
小さくして、ごみ投入口側の流動層部分における旋回流
の強さを他の流動層部分における旋回流の強さよりも弱
くするように構成したものとしておくことが好ましい。
さらに、この流動化空気供給機構は、少なくとも焼却残
渣排出口側の風箱について隣接風箱部分への空気供給量
を交互に大小変化させることにより、当該風箱に対応す
る流動層部分における旋回流の向きを交互に反転させる
ように構成したものとしておくことが好ましい。
【0011】また、流動化空気噴出床が、ごみ投入口の
直下位から焼却残渣排出口へと下り傾斜状に延びる床板
に、その傾斜方向及びこれに直交する方向に並列する多
数のノズルを植設してなり、各ノズルが、上記直交する
方向に対して焼却残渣排出口方向に0°〜45°の傾斜
角をもって流動化空気を噴出させる噴出孔を有するもの
としておくことが好ましい。
【0012】
【作用】流動化噴出床の傾斜方向に複数の風箱が並列さ
れており、各風箱に対応する流動層部分に、各々、上記
傾斜方向に交差する方向の旋回流が形成されているか
ら、この旋回流の作用によって、ごみは床上において流
下方向と交差する方向に揺動されながら焼却残渣排出口
へと進行せしめられることになる。したがって、難燃質
で形状の大きな塊状物のような難燃性重量物について
も、それが焼却残渣排出口に至るまでに長時間をかけて
充分に燃焼されることになり、完全燃焼されずに未燃焼
状態で排出口から排出されることがない。また、不燃物
については、それが上記した如く揺動されながら流下す
るため、つまり床上を充分に転動されるため、排出口に
至った段階では確実に球状化されることになり、焼却残
渣の爾後処理を良好に行なうことができる。しかも、ご
みに予め破砕処理等の前処理を施しておく必要がないか
ら、これに要する設備費,運転費等の経済的負担が加重
されることもない。
【0013】ところで、燃え易いごみについては、流動
層における攪拌作用が強い場合には、冒頭で述べた如
く、流動層に投入された瞬間に乾燥,熱分解して、燃焼
用空気が不足し、CO,ダイオキシンの発生を招来する
虞れがある。しかし、前記した如く、ごみ投入口側の流
動層部分における旋回流の強さを他の流動層部分におけ
る旋回流の強さよりも弱くするようにしておくと、ごみ
が投入される流動層部分における攪拌作用が小さいた
め、燃え易いごみであっても、その乾燥,熱分解,燃焼
が緩慢に行なわれることになる。したがって、ごみ投入
により一時的に燃焼用空気が不足するようなことがこと
がなく、CO,ダイオキシンの発生が効果的に抑制され
る。
【0014】また、前記した如く、少なくとも焼却残渣
排出口側の風箱に対応する流動層部分において、旋回流
の向きを交互に反転させるようにしておくと、ごみの攪
拌,揺動が促進され、難燃物の完全燃焼や不燃物の球状
化が更に効果的に行なわれることになる。
【0015】また、流動化空気を噴出させるノズルを、
前記した如く構成しておくと、燃焼物,不燃物の流動化
空気噴出床上での移動が円滑に行なわれ、排出口からの
排出も円滑に行なわれる。
【0016】
【実施例】以下、本発明の構成を図1〜図6に示す実施
例に基づいて具体的に説明する。
【0017】図1に示すごみ焼却炉において、1は前後
部にごみ投入口1a及び焼却炉残渣排出口1bを備えた
炉本体、2は炉本体1内に設けられた流動化空気噴出
床、3,4,5は流動化空気噴出床2下に設けられた風
箱、6は風箱3,4,5に流動化空気を供給する空気供
給機構である。
【0018】流動化空気噴出床2は、図1及び図2に示
す如く、ごみ投入口1aの直下位から後方へと下り傾斜
状に延びて焼却残渣排出口1bに至る床板7上に、3組
の流動化空気噴出器8,9,10を前後方向に並列配置
してなり、これらの噴出器8,9,10から風箱3,
4,5に供給された流動化空気を噴出させることによっ
て、床板7上に珪砂,アルミナ等の粒状流動媒体による
流動層11を形成しうるようになっている。なお、流動
化空気噴出床2の傾斜度つまり床板7の水平面に対する
傾斜角αは、5°〜25°の範囲で、ごみの性状等の焼
却条件に応じて適宜に設定される。
【0019】各流動化空気噴出器8,9,10は、図1
〜図3に示す如く、複数の縦列ノズル8´…,9´…,
10´…を左右方向に一定間隔を隔てて並列配置してな
り、各縦列ノズル8´,9´,10´は複数のノズル1
2…が前後方向に密接して連なるものである(図3参
照)。前段噴出器8における縦列ノズル8´…は、左右
方向において、第1縦列ノズル群8´1 …、第2縦列ノ
ズル群8´2 …及び第3縦列ノズル群8´3 …の3グル
ープに分けられている。同様に、中段噴出器9における
縦列ノズル9´…及び後段噴出器10における縦列ノズ
ル10´…も、夫々、左右方向において、第1縦列ノズ
ル群9´1 …,10´1 …、第2縦列ノズル群9´
2 …,10´2 …及び第3縦列ノズル群9´3 …,10
´3 …の3グループに分けられている(図2参照)。
【0020】而して、各ノズル12は、図2〜図6に示
す如く、上面を山形とした箱形の本体部13と、本体部
13の下面中央部に突設せる連通筒13bに螺合連結さ
れた筒状の取付部14と、取付部14に螺合されたナッ
ト部15とからなる。取付部14の下端には4個の係合
爪14a…が突設されていて、ナット部15を締め付け
ることにより、ノズル12を床板7の係合孔7aに着脱
自在に係合固定しうるようになっている。すなわち、係
合孔7aは係合爪14a…を含む取付部14の下面形状
に合致する形状とされていて、取付部14の下端部を係
合孔7aに挿入させた上、これを略45°回転させて係
合爪14a…を床板7の下面に係合させると共に、ナッ
ト15を締め付けることによって、ノズル12を床板7
に固定しうるようになっている(図5,図6参照)。と
ころで、流動化空気噴出器8,9,10における各縦列
ノズル8´,9´,10´は、図2に示す如く、前後方
向に密接して連なっており、その上面は一連の稜線を有
する山形面12aをなしている。また、床板7上には耐
火材層7bが形成されていて、ノズル12は本体部13
を除いて耐火材層7bに埋没せしめられている。
【0021】さらに、各ノズル12の本体部13の左右
両側壁には、図3及び図5に示す如く、左右方向に対し
て後方に一定の傾斜角βをもって略水平に流動化空気を
噴出させる空気噴出孔13a…が前後方向に一定間隔を
隔てて穿設されている。各噴出孔13aの左右方向に対
する傾斜角βは、ごみの性状等の焼却条件に応じて、0
°〜45°の範囲で適宜に設定されるが、この実施例で
はβ=45°に設定してある。
【0022】風箱は、図1及び図2に示す如く、前後方
向に並列する風箱3,4,5に3分割されており、各風
箱3,4,5からこれに対応する各流動化空気噴出器
8,9,10に流動化空気が供給されるようになってい
る。さらに、前段風箱3は、図2及び図4に示す如く、
左右方向において第1〜第3風箱部分3´1 ,3´2
3´3 に分割されていて、各風箱部分3´1 ,3´2
3´3 から前段噴出器8の各縦列ノズル群8´1 …,8
´2 …,8´3 …に各別に流動化空気が供給されるよう
になっている。同様に、中段風箱4及び後段風箱5も、
図2及び図4に示す如く、左右方向において第1〜第3
風箱部分4´1 ,4´2 ,4´3 及び5´ 1 ,5´2
5´3 に分割されていて、各風箱部分4´1 ,4´2
4´3 及び5´1 ,5´2 ,5´3 からこれに対応する
各縦列ノズル群9´1 …,9´2 …,9´3 …及び10
´1 …,10´2 …,10´3 …に各別に流動化空気が
供給されるようになっている。
【0023】空気供給機構6は、図4に示す如く、コン
プレッサ等の空気供給源(図示せず)に接続した空気供
給管16に、各風箱部分3´,4´,5´に導いた空気
管17…,18…,19…を分岐接続すると共に、各空
気管17,18,19にダンパ20,21,22を介装
してなり、各風箱3,4,5において、隣接する風箱部
分に異なる量の流動化空気を供給させるように構成され
ている。
【0024】この実施例では、前段風箱3については、
第1及び第3風箱部分3´1 ,3´ 3 に同一量P1 の流
動化空気を供給し且つ第2風箱部分3´2 にこれより少
量P 2 の流動化空気を供給しうるように、各ダンパ20
1 ,202 ,203 の開度を設定してある。したがっ
て、前段風箱3に対応する前段流動層部分11aにおい
ては、第1及び第3縦列ノズル群8´1 …,8´3 …か
らの噴出空気量が第2縦列ノズル群8´2 …からの噴出
空気量より多くなることによって、図2に示す如く、床
2の傾斜方向に直交して内側に向かう旋回流23a,2
3aが形成されることになる。一方、中段風箱4及び後
段風箱5については、各ダンパ211 ,212 ,213
及び221 ,222 ,223 の開度を大小2段に切替え
自在として、各風箱4,5における風箱部分間の供給空
気量差が正負変換されるようにシーケンス制御すること
によって、各風箱4,5に対応する中段流動層部分11
b及び後段流動層部分11cにおいて、床2の傾斜方向
に直交する旋回流23b,23b及び23c,23cを
形成せしめると共に、その旋回方向をシーケンシャルに
変化させるように工夫してある。すなわち、第1及び第
3風箱部分4´1 ,5´1 及び4´3 ,5´3 について
は大供給量R1 とし且つ第2風箱部分4´2 ,5´2
ついては小供給量R2 として、各旋回流23b,23c
を内側に向かう方向に形成させる状態(図2に実線で示
す状態)と、第1及び第3風箱部分4´ 1 ,5´1 及び
4´3 ,5´3 については小供給量R2 とし且つ第2風
箱部分4´2 ,5´2 については大供給量R1 として、
各旋回流23b,23cを外側に向かう方向に形成させ
る状態(図2に破線で示す状態)と、に亘って交互に変
化させるようになっている。また、各空気供給量Q1
2 ,R1 ,R2 及び各ダンパ21,22の切替え条件
は、ごみの燃焼条件等に応じて適宜に設定されるが、こ
の実施例では、特に、前段風箱3における空気供給量差
(Q1 −Q2 )を中段風箱4及び後段風箱5における空
気供給量差(R1 −R2 )より小さくして、前段流動層
部分11aにおける旋回流強さが中段流動層部分11b
及び後段流動層部分11cにおける旋回流強さより弱く
なるように工夫してある。つまり、前段流動層部分11
aにおいては、ごみと流動媒体,空気との攪拌作用が流
動層炉において通常必要とされる程度より弱くなるよう
に工夫されている。
【0025】以上のように構成されたごみ焼却炉にあっ
ては、投入口1aから流動層11に投入されたごみは、
流動媒体及び空気と攪拌されて乾燥,燃焼され、その燃
焼物及び不燃物は焼却残渣排出口1bへと排出される。
【0026】このとき、投入口1aからごみが投入され
る前段流動層部分11aでは、旋回強さが弱く、ごみと
流動媒体,空気との攪拌が強烈に行なわれないから、投
入口1aから投入されたごみが燃焼容易なものである場
合にも、急激に乾燥,熱分解,燃焼されることがなく、
これらが緩慢に行なわれることになる。したがって、熱
分解ガスの多量発生がなく、燃焼用空気が不足するよう
な事態が回避される。その結果、COやダイオキンシン
の発生が効果的に抑制されることになる。
【0027】また、重量のあるごみは床2上をその傾斜
方向に流下されていくが、かかる流下動作はその流下方
向と交差する旋回流23a,23b,23cの作用によ
って極めて緩慢に行なわれることになる。すなわち、投
入口1aから投入されたごみは、床2上を旋回流によっ
て左右方向に揺動されながら除々に流下されることにな
り、排出口1bに辿り着くまでの時間つまり燃焼時間が
極めて長くなる(具体的には、床2の傾斜方向長さ等の
条件を同一とした場合において、図9に示す従来炉に比
して10倍以上となる)。しかも、中段流動層部分11
b及び後段流動層部分11cでは、旋回流23b,23
cが強く且つその旋回方向がシーケンシャルに逆転され
ることから、ごみの攪拌がより効果的に行なわれて、そ
の乾燥,燃焼が促進されることになる。なお、旋回方向
の変換は、それがごみの流下方向に交差して行なわれる
ことから、ごみの流下動作に悪影響を及ぼす心配はな
い。したがって、かかる旋回方向の変換は、何らの制約
を受けることなく、燃焼状況に応じて自由に行なうこと
ができる。
【0028】したがって、ごみが難燃質で形状の大きな
塊状物のような難燃性重量物である場合においても、こ
れが充分に時間をかけて乾燥,燃焼されることになり、
排出口1bに到達する時点では確実に完全燃焼されるこ
とになる。したがって、従来炉における如く、難燃性ご
みが未燃状態で排出口1bから排出されるようなことが
ない。また、不燃物については、旋回方向を繰り返し逆
転させることとも相俟って、床2上で前後左右に充分に
転動されることから、その球状化が良好に行なわれる。
【0029】ところで、各縦列ノズル群8´,9´,1
0´が流下方向に連なり且つその上面が一連の山形面1
2aとされていることから、ノズル12が本体部13を
除いて耐火材層7aに埋没されていることとも相俟っ
て、床2上におけるごみ移動が円滑に行なわれる。ま
た、各ノズル12は、上記した如く、流動化空気噴出床
2の上方側から簡単に取付け,取外しできる構造のもの
であるから、現地工事,補修を容易に行いうる。
【0030】なお、本発明は上記実施例に限定されるも
のではなく、本発明の基本原理を逸脱しない範囲におい
て適宜に改良・変更することができる。
【0031】すなわち、ノズル12…の形状,配置形態
等は、床2上におけるごみ移動を妨げないことを条件と
して任意であり、例えば、図7及び図8に示す如く、各
ノズル12の本体部13の上面を半球面形状として、ノ
ズル12…を前後方向及び左右方向に一定間隔を隔てて
散点状に配置させるようにしておいてもよい。この場
合、本体部13には、β=0°〜45°とした噴出口1
3a,13aを形成しておく他、ノズル12の焼損を防
止するための空冷用小孔13´a…を形成しておくこと
が好ましい。
【0032】また、上記実施例では、風箱を前後左右に
9分割したが、風箱の前後方向における分割数及び左右
方向における分割数は、流動化空気噴出床2の面積や燃
焼条件等に応じて任意に設定しておくことができる。
【0033】また、空気供給機構6において、各風箱部
分3´,4´,5´に供給させる空気量及び左右の隣接
風箱部分間における供給空気量差は、燃焼条件等に応じ
て適宜に設定することができ、その制御方法も任意であ
る。
【0034】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、請求項
1のごみ焼却炉にあっては、ごみが時間をかけて焼却残
渣排出口へと流動されるから、難燃性のごみについても
これを完全燃焼させることができ、未燃物が排出口から
排出されるような焼却不良を招くことがない。しかも、
不燃物が充分に転動して、これが確実に球状化された状
態で排出口から排出される。したがって、多種,多様な
形状,性状のごみを、前処理を施すことなく、効率よく
且つ経済的に焼却することができ、その実用的価値は極
めて大きい。
【0035】また、請求項2のごみ焼却炉にあっては、
ごみ投入口から投入されたごみが燃焼容易なものである
ときにも、その乾燥,熱分解,燃焼が緩慢に行なわれる
ことから、熱分解ガスの大量発生による一時的な燃焼用
空気不足を防止して、CO,ダイオキシンの発生を効果
的に抑制することができる。
【0036】また、請求項3のごみ焼却炉にあっては、
ごみの燃焼,不燃物の球状化等を促進させることがで
き、焼却処理効率の更なる向上を図ることができる。
【0037】また、請求項4のごみ焼却炉にあっては、
流動化空気噴出床上におけるごみ移動を円滑に行なわし
め、焼却処理を更に効果的に行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るごみ焼却炉の一実施例を示す断面
図である。
【図2】その要部を示す斜視図である。
【図3】図1のIII−III線断面図である。
【図4】風箱への空気供給系統を示す斜視図である。
【図5】図3のV−V線断面図である。
【図6】ノズルの分解斜視図である。
【図7】ノズルの変形例を示す断面図である。
【図8】図7のVIII−VIII線断面図である。
【図9】従来炉を示す断面図である。
【符号の説明】
1…炉本体、1a…ごみ投入口、1b…焼却残渣排出
口、2…流動化空気噴出床、3,4,5…風箱、3
´1 ,3´2 ,3´3 ,4´1 ,4´2 ,4´3 ,5´
1 ,5´2 ,5´3 …風箱部分、6…空気供給機構、7
…床板、8,9,10…流動化空気噴出器、81
1 ,101 …縦列ノズル、7a…係合孔、11…流動
層、11a,11b,11c…流動層部分、12…ノズ
ル、13a…噴出孔、23a,23b,23c…旋回
流。
フロントページの続き (72)発明者 日高 永昌 大阪府大阪市北区堂島浜1丁目3番23号 株式会社タクマ内 (56)参考文献 特開 平4−347407(JP,A) 特開 昭60−103214(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F23G 5/50 F23G 5/30

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炉本体内に、ごみ投入口の直下位から焼
    却残渣排出口へと下り傾斜状に延びる流動化空気噴出床
    を設けると共に、この流動化空気噴出床下に、該床の傾
    斜方向に並列する複数の風箱を設けて、各風箱に供給さ
    れた流動化空気を流動化空気噴出床から炉内に噴出させ
    ることによって、該床上に流動層を形成せしめるように
    構成されたごみ焼却炉において、各風箱を前記傾斜方向
    に直交する方向に複数の風箱部分に区画すると共に、各
    風箱部分に各別に流動化空気を供給する流動化空気供給
    機構であって、各風箱に対応する流動層部分に、各々、
    前記傾斜方向に交差する方向の旋回流を形成させるべ
    く、各風箱における隣接風箱部分への空気供給量を異な
    らしめるように構成された流動化空気供給機構を設けた
    ことを特徴とするごみ焼却炉。
  2. 【請求項2】 前記流動化空気供給機構が、ごみ投入口
    側の風箱における隣接風箱部分間の供給空気量差を他の
    風箱における隣接風箱部分間の供給空気量差よりも小さ
    くして、ごみ投入口側の流動層部分における前記旋回流
    の強さを他の流動層部分における前記旋回流の強さより
    も弱くするように構成されたものであることを特徴とす
    る、請求項1に記載するごみ焼却炉。
  3. 【請求項3】 前記流動化空気供給機構が、少なくとも
    焼却残渣排出口側の風箱について隣接風箱部分への空気
    供給量を交互に大小変化させることにより、当該風箱に
    対応する流動層部分における前記旋回流の向きを交互に
    反転させるように構成されたものであることを特徴とす
    る、請求項1又は請求項2に記載するごみ焼却炉。
  4. 【請求項4】 前記流動化空気噴出床が、ごみ投入口の
    直下位から焼却残渣排出口へと下り傾斜状に延びる床板
    に、その傾斜方向及びこれに直交する方向に並列する多
    数のノズルを植設してなり、各ノズルが、上記直交する
    方向に対して焼却残渣排出口方向に0°〜45°の傾斜
    角をもって流動化空気を噴出させる噴出孔を有するもの
    であることを特徴とする、請求項1、請求項2又は請求
    項3に記載するごみ焼却炉。
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