JP2959596B2 - 2種の化合物の共存系における定量法 - Google Patents

2種の化合物の共存系における定量法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、脂質と蛋白質の共存系
のような2成分系の各成分を、それぞれの成分を分離す
ることなく共存状態のままで簡便に定量分析できる定量
法に関する。
【0002】
【従来の技術】生体の種々の構成単位についての研究や
生体由来の各種物質の機能の研究やその応用についての
検討などにおいて、脂質、蛋白質、核酸、糖類などは互
いに共存した状態で取り扱われことが多い物質であり、
共存状態にあるこれらの物質を定量することはこれらの
研究において重要な作業の1つである。
【0003】例えば、生体膜は主に脂質分子により形成
された二重層膜であり、そこに蛋白質が非共有結合によ
って集合した構造体を形成して、それぞれの内部環境を
保つ障壁として働いている。生体膜の脂質と蛋白質の割
合はそれぞれの膜で大きく異なり、例えば、ミトコンド
リアでは蛋白質が脂質の4倍、逆に、脂質の方が蛋白質
の数倍もあるような生体膜も存在する。従って、それぞ
れの器官によって生体膜の脂質と蛋白質の比を知ること
は重要な課題である。
【0004】また、脂質と蛋白質を共存させた種々の生
体膜モデルが生体膜の構造と機能を研究する目的で広く
利用されている。そのような目的に用いるものとして、
例えば、人工的に作製された脂質2分子膜からなる閉鎖
小胞(リポソ−ム)の膜内に蛋白質を含有させたプロテ
オリポソーム;ガラスビーズや高分子微粒子の表面に脂
質と蛋白質を吸着させた被覆微粒子;テフロン等の基板
に設けた小孔内に形成した平面脂質膜(黒膜)や、はり
合せ法、パッチピペット法等によって再構成した平面2
分子膜に蛋白質を組み込んだもの;基板上に脂質と蛋白
質の共存系を分子レベルでの層状に累積するラングミュ
ア・ブロジェット累積膜(LB累積膜)等をあげること
ができる。これらの人工的に形成される各種の膜構造に
おいても、脂質と蛋白質の量を定量することはその機能
を評価する上で重要である。
【0005】また、天然の膜構造、あるいは人工的に合
成した膜構造の定量分析結果をもとに、最適脂質/蛋白
質比を求め、その比率にしたがって効率よく膜構造を合
成できれば、貴重な蛋白質を浪費することなく、しか
も、工業的に低コストで各種膜構造を合成できる。
【0006】なお、脂質と蛋白質の共存系としては、上
述の膜構造以外にも、脂質膜からなる閉鎖小胞であるリ
ポソームの内部に酵素等の機能性蛋白質を内包させたも
の、単に液媒体中に脂質と蛋白質が混在するエマルジョ
ン等の種々の混在系もある。脂質、なかでも生体内にお
いて重要な役割を有するリン脂質の定量方法としては、
リン脂質を分解して生じる無機リンをリン酸の形で定量
する方法、酵素を用いる方法、及び紫外光での吸収強度
を測定する方法等が知られている。
【0007】無機リンを生じさせてリン酸として定量す
る方法には、抽出法あるいは沈殿法によりリン脂質を分
離した後、湿式灰化し、生じたリン酸を定量してリン脂
質質量を求める方法や、トリクロロ酢酸でリン脂質を分
離し、硫酸および過マンガン酸塩を加えて沸騰水溶中で
加熱し有機物の大部分を酸化分解し、生じた無機リン酸
にモリブデン酸アンモニウム及び還元剤を加えて呈色し
た青色を測定する方法がある。
【0008】酵素を用いた方法では、試料中のリン脂質
にホスホリパーゼDを作用させてコリンを遊離させ、遊
離したコリンをコリンオキシダーゼ、パーオキシダーゼ
共存下でフェノールと4−アミノアンチピリンによる呈
色反応を利用し比色定量し、リン脂質含量を求める方法
がある。また、遊離したコリンをコリンオキシダーゼと
反応させた後、3、5−ジメトキシ−N−エチル−N−
(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)−アニリンと
4−アミノアンチピリンを発色剤とした定量法もある。
【0009】一方、蛋白質の定量法としては、金属イオ
ンを利用した呈色法とチロシン、トリプトファンに基づ
く光吸収、或は、ペプチド結合による光吸収を測定する
UV法がある。呈色法の代表的なものとして、Lowr
y法(J.Biol.Chim.,vol.193,p
265,(1951))などのフェノール試薬を用いる
方法がある。この方法は、フェノール類と蛋白質が反応
して青色を示すのが特徴であって、試薬の主な成分はリ
ンモリブデン酸とリンタングステン酸である。これらの
金属の酸化物がリン酸と複雑な錯化合物を形成して、リ
ンモリブデン酸、或は、リンタングステン酸となる。こ
の混合物が蛋白質等の還元剤と反応して、リンモリブデ
ンブルー、或は、リンタングステンブルーの青色を呈す
る。この吸光度を測定して蛋白質が定量される。BCA
法と呼ばれる呈色反応は、2価の銅イオンがアルカリ性
で蛋白質の存在により1価の銅イオンとなり、これがビ
シコニン酸(BCA、4、4´−ジカルボキシ−2、2
´−ビキノリン)分子と紫紅色の錯化合物を形成する。
この錯化合物の吸収強度を基に蛋白質を定量する。
【0010】これに対して、UV法では、チロシン、ト
リプトファンに基づく280nmの吸収を測定し、定量
する場合とペプチド結合による215−225nmの吸
収を測定する方法がある。いずれの方法も呈色法に比べ
ると、操作が簡単で、しかも、試料の損失がないという
利点があるものの、チロシン、トリプトファンの含量に
依存した蛋白量が測定されるために、蛋白質間の変動が
大きいという欠点を持つ。更に、この領域に吸収を持つ
核酸等の妨害物質の影響を受やすい。
【0011】
【本発明が解決しようとする課題】従来においては、脂
質と蛋白質が共存する系におけるこれらのそれぞれの量
を定量する場合、脂質の定量法において蛋白質の存在
が、また蛋白質の定量法において脂質の存在が定量結果
に影響をおよぼすために、正確な定量分析が行なえない
ので、脂質と蛋白質とを分離してからそれぞれの定量法
によって分析するという手法が用いられてきた。
【0012】実際に、蛋白質の定量法として良く知られ
た方法は、脂質も反応し、発色してしまう。例えば、L
owry法に代表されるフェノール試薬を用いる定量法
では蛋白質によりリンモリブデン酸が還元されてリンモ
リブデンブルーの青色を呈する。そのため、蛋白質と同
様に還元作用を有する脂質対しても同様の発色が生じ
る。また、吸光度の測定によって脂質を定量する方法で
は、蛋白質に由来する吸光度の寄与も無視できない。
【0013】さらに、脂質と蛋白質を分離してからそれ
ぞれを定量分析にかける場合、2つの定量分析に十分な
量の分析用の試料を準備する必要があり、単一の系の場
合の2倍の試料量が必要になる。
【0014】脂質と蛋白質を分離する方法としては、通
常、抽出法によって試料の脂質成分を有機溶媒層に溶解
させ有機溶媒画分とし、蛋白質成分は有機溶媒に不溶な
水性画分として回収する操作が利用されている。そし
て、分取した有機溶媒画分を濃縮乾固して脂質画分とし
て定量する。また、蛋白質を含む水性画分も濃縮し、種
々の方法で蛋白定量することになる。
【0015】このように、脂質と蛋白質とが混在する系
におけるこれらの定量は、極めて煩雑な作業を必要とす
るものであった。
【0016】更に、従来の方法においては、このような
煩雑な操作を行なうにもかかわらず、有機溶媒での抽出
はあくまで平衡分配であるため、有機溶媒層に蛋白質
が、水層にも、ある割合で脂質が混入し易く、誤差を生
じる場合も多い。その上、抽出処理工程における試料の
ロスも無視できず、比較的多量の試料が要求される。ま
た、脂質と蛋白質を含む膜構造における脂質と蛋白質の
定量において上記の抽出工程を行なうと、膜蛋白質のよ
うな、疎水性の強い蛋白質の場合には、有機溶媒画分中
に混入する可能性も高く、しかも脂質と蛋白質が不分離
のまま有機層に存在する可能性もあり、このような場合
には正確な定量分析が不可能となる。
【0017】以上、脂質と蛋白質の2成分系について述
べたが、脂質、糖、核酸、色素及び各種薬剤から選択し
た2成分系についても同様のことがいえる。本発明は上
述の2成分系における各成分の定量における問題点に鑑
みなされたものであり、2成分を分離することなく2成
分系における各成分の定量を2成分が共存している状態
で分析できる、簡便な定量方法を提供することをその目
的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明の定量法は、液媒
体中に化合物A、Bを含む未知試料を定量法aで分析し
て分析値Vaを得る過程と、該未知試料を定量法bで分
析して分析値Vbを得る過程と、下記式(I)及び(I
I)から化合物A、Bのそれぞれの実際の濃度(x、
y)を求める過程 Va=x・a1+y・a2 ・・・(I) Vb=x・b1+y・b2 ・・・(II) a1:液媒体中に化合物Aが単独で存在する場合の定量
法aにおける濃度定数 a2:液媒体中に化合物Bが単独で存在する場合の定量
法aにおける濃度定数 b1:液媒体中に化合物Aが単独で存在する場合の定量
法bにおける濃度定数 b2:液媒体中に化合物Bが単独で存在する場合の定量
法bにおける濃度定数 x:未知試料中の化合物Aの実際の濃度 y:未知試料中の化合物Bの実際の濃度 とを有することを特徴とする。
【0019】化合物A、Bの組合せとしては、脂質と蛋
白質の組合の他、脂質、糖、核酸、色素及び各種薬剤か
ら選択した2成分系など一方の定量法における結果に他
方が影響するような組合せを挙げることができる。な
お、本発明の方法においては、定量法a、bの少なくと
も一方に、例えば、化合物自体の吸光度を測定する方法
などのような試料を反応によって破壊しない方法を利用
することで、未知試料のサンプリング量を最小減に抑え
ることができる。
【0020】以下、化合物Aが脂質、化合物Bが蛋白質
である場合を具体例として本発明の方法を詳細に説明す
る。
【0021】先ず、脂質定量用に選択した定量法aによ
って、脂質が単独で存在する場合の検量線(一次関数)
を作成し、その傾き(濃度定数a1 )を求める。ここ
で、脂質の濃度をLa、定量法aによる測定値をVLa
とすると、 VLa=La・a1 ・・・ (III ) の関係が成立する。
【0022】次に、蛋白質が単独で存在する場合に定量
法aで分析したときの検量線(一次関数)を作成し、そ
の傾き(濃度定数a2 )を求める。ここで、蛋白質の濃
度をPa、定量法aによる測定値をVPaとすると、 VPa=Pa・a2 ・・・ (IV) の関係が成立する。
【0023】次に、脂質と蛋白質を共に含む未知試料を
検量線を作成したときと同じ条件で定量法aで分析し、
分析値Vaを求める。ここで、未知試料中には脂質と蛋
白質が共に含まれるのでこのVaは蛋白質の存在に影響
された見かけの脂質濃度に対応するものとなる。そこ
で、未知試料中の脂質の実際の濃度をx、蛋白質の実際
の濃度をyとすると、上記式(III )及び(IV)から Va=x・a1 +y・a2 ・・・ (V) となる。
【0024】更に、蛋白質定量用に選択した定量法bに
よって、脂質が単独で存在する場合の検量線(一次関
数)を作成し、その傾き(濃度定数b1 )を求める。こ
こで、脂質の濃度をLb、定量法bによる測定値をVL
bとすると、 VLb=Lb・b1 ・・・ (VI) の関係が成立する。
【0025】また、蛋白質が単独で存在する場合に定量
法bで分析したときの検量線(一次関数)を作成し、そ
の傾き(濃度定数b2 )を求める。ここで、蛋白質の濃
度をPb、定量法bによる測定値をVPbとすると、 VPb=Pb・b2 ・・・ (VII ) の関係が成立する。
【0026】次に、脂質と蛋白質を共に含む未知試料を
検量線を作成したときと同じ条件で定量法bで分析し、
分析値Vbを求める。ここで、未知試料中には脂質と蛋
白質が共に含まれるのでVbは脂質の存在に影響された
見かけの蛋白質濃度に対応したものとなる。
【0027】そこで、定量法aにおけるのと同様に、未
知試料中の脂質の実際の濃度をx、蛋白質の実際の濃度
をyとすると、上記式VIおよびVII から Vb=x・b1 +y・b2 ・・・ (VIII) となる。
【0028】上記式V及びVIIIにおいて、各濃度定数は
予め求めてあるので、未知試料を直接分析した際の分析
値をそれぞれ当てはめて、上記式V及びVIIIの連立2元
一次方程式を解くことで、実際の脂質の濃度及び蛋白質
の濃度を求めることが可能となる。
【0029】なお、脂質及び蛋白質のどちらかの量が他
の量よりも極めて少なく、用いた定量法において実質的
に無視できる場合には、見かけの濃度を実際の濃度とみ
なして計算することができる。定量法として吸光度の測
定を利用する方法を用いた場合の本発明の脂質及び蛋白
質の混合系の定量法の1態様としては、 液体サンプル中に存在する脂質及び蛋白質の各々を該液
体サンプルから分離することなく定量する方法であっ
て、 (i)脂質について、濃度が既知であって且つ異なる濃
度を有する第1の液体標準サンプル群を用意し、該第1
の液体標準サンプル群の各々のサンプルの吸光度を、第
1の方法(a)を用いて測定し、脂質の標準液体サンプ
ル群の濃度と吸光度の相関を求め、脂質の吸光度係数
(a1)を算出する工程; (ii)蛋白質について、濃度が既知であって且つ異なる
濃度を有する第1の液体標準サンプル群を用意し、該第
1の液体標準サンプル群の各々のサンプルの吸光度を、
第1の方法(a)を用いて測定し、蛋白質の標準液体サ
ンプル群の濃度と吸光度の相関を求め、蛋白質の吸光度
係数(a2)を算出する工程; (iii)脂質について、濃度が既知であって且つ異なる
濃度を有する第2の標準液体サンプル群を用意し、該第
2の液体サンプル群の各々の吸光度を第2の方法(b)
を用いて測定し、脂質の標準液体サンプル群の濃度と吸
光度の相関を求め、脂質の吸光度係数(b1)を算出す
る工程; (iv)蛋白質について、濃度が既知であって且つ異なる
濃度を有する第2の標準液体サンプル群を用意し、該第
2の液体サンプル群の各々の吸光度を第2の方法(b)
を用いて測定し、蛋白質の標準液体サンプル群の濃度と
吸光度の相関を求め、蛋白質の吸光度係数(b2)を算
出する工程;及び (v)脂質及び蛋白質が各々未知の濃度(x、y)にて
共存している液体サンプルを用意し、該第1及び第2の
各々の方法(a)及び(b)を用いて該液体サンプルの
吸光度(Va)及び(Vb)を測定し、こうして得た値
を下記(I)及び(II)に示す方程式に代入して該サン
プル中の脂質及び蛋白質の濃度(x、y)を求める工
程、を有し、 Va=x・a1+y・a2 ・・・(I) Vb=x・b1+y・b2 ・・・(II) 該第1の方法(a)及び該第2の方法(b)は互いに異
なる方法であり、該第1の方法(a)及び第2の方法
(b)の少なくとも一方は、脂質、蛋白質、または脂質
及び蛋白質と、試薬との反応によって呈色させる工程を
含むものであり、更に、該第1の方法(a)及び第2の
方法(b)は、サンプル中に脂質のみ、もしくは蛋白質
のみが存在している場合には該サンプル中の脂質または
蛋白質の定量が可能な方法であることを特徴とする定量
法を挙げることができる。
【0030】脂質と蛋白質の2成分系の定量に用いる定
量法としては、上記の計算が成り立つ方法であれば、制
限なく利用可能である。例えば、脂質の定量方法として
は、水性媒体中で試料を界面活性剤で処理して、紫外部
の吸光度を計測する紫外部計測法及びビシコニン酸を利
用するBCA法を挙げることができる。
【0031】紫外部計測法は、水性媒体中で試料を界面
活性剤で処理して試料分散液を調整する過程と、該試料
分散液の紫外部の吸光度を計測する過程とを有する定量
方法である。
【0032】この紫外部計測法では、試料中の特に脂質
成分を界面活性剤により処理して吸光法による定量を可
能とするミセル状態とする。例えば、リン脂質等の両親
媒性脂質の集合体を水性媒体中で界面活性剤で処理する
ことにより、界面活性剤とのミセル状態を形成する。使
用する界面活性剤としては、紫外線領域の波長での光吸
収の測定の障害とならないものであれば、特に限定され
ない。使用できる界面活性剤の例として、オクチルグル
コシド(n−オクチル−β−D−グルコピラノシド)や
CHAPS(3−[(3−コラミドプロピル)ジメチル
アンモニオ]−1−プロパンスルホネート)、HECA
MEG(6−O−(N−ヘプチルカルバモイル)−メチ
ル−α−D−グルコピラノシド)などが挙げられる。
【0033】界面活性剤での処理の仕方としては、超音
波処理、あるいは湯浴中での加熱が適当な方法である
が、超音波処理ならば1分間、加熱処理ならば60℃の
温浴で10分以上加熱すれば十分である。ただし、未知
試料と脂質の基準液には同じ処理を施す必要がある。
【0034】この操作により、脂質が、リポソーム(プ
ロテオリポソーム)、平面膜あるいはヘキサゴナルII構
造のような集合体の形態をとるものであっても、これら
の形態をその濃度に比例した界面活性剤とのミセル状態
に揃えることが出来る。測定する紫外部の波長に吸収を
持たない界面活性剤を使用した場合には、試料と界面活
性剤とのミセル状態において吸光度は試料の濃度に依存
することになる。
【0035】吸光度の測定に用いる波長は、230〜2
90nmの範囲から選択することができるが、蛋白質の極
大吸収波長である280nmを避けて、240nm付近の波
長を用いることが望ましい。
【0036】この方法では、試料を水性媒体中で界面活
性剤により処理するが、これは試料の存在形態が初めか
ら水溶液中に懸濁されていることを前提とするものでは
ない。例えば固形の試料であっても所定容積の界面活性
剤水溶液で処理すれば、試料を定量することが可能であ
る。反応系を構成する水性媒体としては、未知試料と検
量線用の基準液が同じpH、イオン強度あるいは塩濃度
で処理されることを前提として、使用する界面活性剤の
可溶化能が保たれるイオン強度、pHの範囲内であれば
その組成は特に限定されない。
【0037】この紫外部計測法を利用する場合の検量線
の作成には、理想的には、未知試料における形態と同様
の形態で蛋白質を含まない脂質を用意し、その既知濃度
シリーズを作成するのが好ましい。例えば、未知試料が
プロテオリポソームの場合、リポソームを形成してその
既知濃度シリーズを作成するのが好ましい。しかしなが
ら、実際には、脂質と界面活性剤の単純なエマルジョン
を作製し、検量することで代用できる。例えば、未知試
料がプロテオリポソームの場合、プロテオリポソーム形
成用に用いる脂質に界面活性剤、例えば、オクチルグル
コシドを最終濃度1%になるように加え、超音波処理を
行ない、240nmにて光路長1cmで吸収強度を測定
する。この時得られる値は脂質による吸収とオクチルグ
ルコシドによる吸収との和である。従って、脂質が入っ
ていない試料にも同様な操作を行い、オクチルグルコシ
ドの寄与を算出し、ブランクとする。
【0038】BCA法は、水性媒体中で試料を界面活性
剤で処理して試料分散液を調製し、、該試料分散液に2
価の銅イオンとビシコニン酸とを反応させて、脂質及び
蛋白質が存在する場合に2価の銅イオンから生じる1価
の銅イオンとビシコニン酸の反応による錯化合物の形成
に伴う呈色状態を計測する方法であり、脂質定量及び蛋
白質の定量に利用できる。
【0039】この方法においても、上述の紫外部計測法
と同様に界面活性剤で試料を処理することで、定量分析
を可能とする試料中の脂質と界面活性剤とのミセル状態
を形成させる。このミセル状態において、脂質及び蛋白
質が還元剤として作用して水性媒体中に存在させた2価
の銅イオンを1価の銅イオンに変換し、生成した1価の
銅イオンとビシコニン酸(4,4’−ジカルボキシ−
2,2’−ビキノリン)のNa塩が紫紅色の錯化合物を
形成する。これらの反応は定量的に進行するので、該錯
化合物による呈色状態を吸光度により計測することで脂
質及び蛋白質の定量が可能となる。
【0040】使用する界面活性剤としては、非イオン
性、陰イオン性の界面活性剤等、特に限定されず、例え
ば、Triton X−100、SDS(ドデシル硫酸
ナトリウム)、Briji 35、オクチルグルコシド
(n−オクチル−β−D−グルコピラノシド)やCHA
PS(3−[(3−コラミドプロピル)ジメチルアンモ
ニオ]−1−プロパンスルホネート)、HECAMEG
(6−O−(N−ヘプチルカルバモイル)−メチル−α
−D−グルコピラノシド)、コール酸、デオキシコール
酸などが挙げられる。
【0041】界面活性剤による処理の仕方としては、超
音波処理、あるいは温浴中での加熱が適当な方法である
が、特に限定はされない。超音波処理ならば1分間、加
熱処理ならば60℃の温浴で10分以上加熱すれば十分
である。ただし、未知試料と脂質の基準液は同じ処理を
施す必要がある。
【0042】この操作により、脂質が、リポソーム、平
面膜あるいはヘキサゴナルII構造のような集合体として
の形態を有するものであっても、これらを試料濃度に比
例した界面活性剤とのミセル状態の形態に揃えることが
できる。試料は、水性媒体中で界面活性剤により処理す
る必要があるが、これは試料の存在形態が初めから水性
媒体中に懸濁されていることを前提とするものではな
い。例えば固形の試料であっても、これに所定容積の界
面活性剤水溶液を加えて処理すれば定量が可能である。
反応系を構成する水性媒体としては、未知試料と検量線
作成用の基準液が同じpH、イオン強度あるいは塩濃度
で処理されることを前提として、使用する界面活性剤の
可溶化能が保たれるイオン強度、pHの範囲内であれば
その組成は特に限定されない。但し、この方法における
呈色反応の最適pHが11.25であるため、水性媒体
に試料を加えた際に大幅にそのpHを酸性側にシフトさ
せてしまうような強酸性溶液を水性媒体として用いるこ
とは好ましくない。
【0043】なお、2価の銅イオンとビシコニン酸によ
る呈色反応自体は、蛋白質の還元剤としての作用を利用
した蛋白質の定量方法(Anal. Biochem., 150, p76 (19
85))において知られている。本発明者らは、この方法
が、蛋白質のみならず、同じような反応性を持つ脂質に
対しても、鋭敏に反応することを見出し、本発明で利用
し得る定量方法としてこの方法を例示している。なお、
蛋白質の定量にこの方法を利用する場合は、この文献に
従って定量分析を行なうことができる。この定量法で
は、界面活性剤で処理した試料分散液に、ビシコニン
酸、2価の銅イオンを含む呈色試薬を加えて反応させ、
脂質が存在を示す紫紅色の呈色状態を吸光度により計測
する。ビシコニン酸及び2価の銅イオンの添加量は、試
料中に含まれる反応成分の全量が反応できる過剰量とさ
れるが、通常ビシコニン酸の最終濃度が1%程度、銅イ
オンが0.01〜0.1%程度とし、この添加量で定量
可能なように試料分散液を必要に応じて希釈すると良
い。反応条件は、適宜選択できるが、例えば60℃、1
時間程度の加温処理が利用できる。加温処理した場合
は、室温まで冷却してから例えば526nmの波長等で吸
光度を測定し、定量する。この方法による定量は、試薬
の添加が一度でよく、しかも、呈色物質が長時間にわた
って安定であるという特長を有し、ほかの脂質定量法に
比べて感度がよいばかりでなく、非常に簡便であるとい
う利点がある。
【0044】一方、蛋白質の定量方法としては、上述の
BCA法、ローリー(Lowry)法等を挙げることが
できる。ローリー法における検量線の作成は、既知量の
脂質と既知量の蛋白質のそれぞれにアルカリ性銅溶液を
加え、10分間放置する。その後、Folin溶液を加
えて混合し、30分以上経過してから、750nmでの
吸光度を測定し検量線を作成する。このとき、脂質も蛋
白質も含まない溶液をコントロールとして作製し、脂質
と蛋白質について得られた各濃度での吸収強度からこの
値を引いて真の脂質と蛋白質の検量線(一次関数)を得
る。
【0045】以上の紫外部計測法、BCA法およびロー
リー法を組み合わせて用いた場合には、脂質が膜構造等
の複雑な構造を形成した試料であっても定量が可能であ
るという利点がある。また、これらの定量方法の組合せ
によれば、リポソームの膜中に、あるいはその小胞内に
蛋白質を組み込んだもの、ガラスビーズや高分子微粒子
の外表面に脂質と蛋白質を吸着させた被覆微粒子、蛋白
質を含む黒膜、はり合せ法やパッチピペット法により再
構成した蛋白質を含む平面2分子膜、蛋白質と脂質が混
在するLB累積膜などの構造が複雑な2成分系の試料に
おいても脂質と蛋白質のそれぞれの簡便な操作による定
量が可能となる。
【0046】なお、紫外部計測法は、試料が試薬等と反
応して破壊されることがないので、この方法に使用した
試料を次の他の定量工程に供することができ、未知試料
のサンプリング量を最小限にすることができる。また、
上記の3つの定量方法の組み合わせは、全体的な工程数
も比較的少なく、試料のロスを最小限とする上でも好ま
しい組合せである。
【0047】
【実施例】以下、実施例により本発明の方法を更に詳細
に説明する。 実施例1 まず、それぞれの方法で検量線を作成するための試料を
作製する。直径10mm、長さ130mm程度の試験管
に脂質重量15mgに相当する大豆リン脂質(アゾレク
チン)を入れ、10mM塩化カリウム水溶液を1ml、
および、20%オクチルグルコシド溶液50μlを加
え、水浴型超音波発振装置で1分間処理して脂質を分散
させる。このミセル化した脂質懸濁液を100μlから
10μlまで10μlずつ分注し、容量の異なる10種
類の脂質懸濁液を試験管に準備する。また、脂質を含ま
ない試料もコントロールとして用意する。
【0048】次に各試料の最終容量が1mlになるよう
に1%オクチルグルコシドを含む10mM塩化カリウム
を加えて、1cmのセルを用いて240nmの吸光度を
測定する。その値から脂質を含まない場合の吸光度を
0.0489を減じ、脂質の濃度を横軸に、吸光度を縦
軸にとってプロットするとこれらの点は原点を通る直線
にのり、その傾きa1 は0.400×10-3となった。
従って、未知試料の脂質終濃度をx(μg/ml)とす
ると、 AL =0.400×10-3x となる。
【0049】蛋白質としては、未知試料に組み込んだも
のと同じものを使用する。例えば、本実施例では、膜蛋
白質であるバクテリオロドプシンを用いる。この蛋白質
は、高度好塩菌Halobacterium halo
biumより紫膜を抽出し[Method.Enzym
ol.,31,p667−78(1974)]、さらに
K.−S.Huangらの方法[Proc.Natl.
Acad.Sci.,USA,77,p323(198
0)]を用いて、紫膜を脱脂質して得たものである。こ
のバクテリオロドプシンを500μg/ml含む10m
M塩化カリウム水溶液を調整し、それを20μlから
2.5μlまで2.5μlずつ容量の異なる蛋白質溶液
を8種類試験管に調製する。
【0050】次に、各試験管に20%オクチルグルコシ
ドを含む10mM塩化カリウム水溶液50μlをそれぞ
れの試験管に加える。次に各試料の最終容量が1mlに
なるように10mM塩化カリウムを加えて水浴型超音波
発振装置で1分間処理し、1cmのセルを用いて240
nmの吸光度を測定する。その値から蛋白質を含まない
場合の吸光度0.0489を減じ、蛋白質の濃度を横軸
に、吸光度を縦軸にとってプロットするとこれらの点は
原点を通る直線にのり、その傾きb1 は2.7×10-3
となった。従って、未知試料の蛋白質終濃度をy(μg
/ml)とすると、 AP =2.7×10-3y となる。
【0051】次にLowry法で脂質と蛋白質の検量線
を作製した。100μlから10μlまで10μlずつ
容量の異なる10種類のオクチルグルコシドを含む脂質
懸濁液を試験管に取り、それを最終容量250μlにな
るように1%オクチルグルコシドを含む10mM塩化カ
リウム水溶液を加える。そこに500μlのアルカリ性
銅溶液(4%Na2 CO3 および2%ドデシル硫酸ナト
リウムを含む0.2NNaOH溶液:2%CuSO4
5H2 O:4%クエン酸ナトリウム=100:1:1)
を加え、室温で15分放置する。次に100μlのフェ
ノール試薬を加え、室温で30分放置後750nmでの
吸光度を測定する。脂質も蛋白質も含まない溶液をコン
トロールとして用意し、同様の測定を行なう。各濃度で
の吸光度から脂質を含まない場合の吸光度0.058を
減じ、脂質の濃度を横軸に、吸光度を縦軸にとってプロ
ットするとこれらの点は原点を通る直線にのり、その傾
きa2 は3.03x10-4となった。従って、未知試料
の脂質終濃度をx(μg/ml)とすると、 BL =3.03×10-4x となる。
【0052】吸光度法の場合と同様な方法でバクテリオ
ロドプシンについても8種類の試料を用意し、最終容量
250μlになるように蒸留水を加える。そこに、50
0μlのアルカリ性銅溶液を加え、室温で15分放置す
る。次に100μlのフェノール試薬を加え、室温で3
0分放置後750nmでの吸光度を測定する。各濃度で
の吸光度から蛋白質を含まない場合の吸光度0.058
を減じ、蛋白質の濃度を横軸に、吸光度を縦軸にとって
プロットするとこれらの点は原点を通る直線にのり、そ
の傾きb2 は2.99×10-2となった。従って、未知
試料の蛋白質終濃度をy(μg/ml)とすると、 BP =2.99×10-2y となる。
【0053】次に未知試料としての平面膜をコートした
ガラスビーズを調整する。本実施例では特開平2−59
075の作製方法により平面膜を作製した。まず、多孔
質ガラスビーズ(旭硝子社製、粒径5μm、比表面積2
00m2/g)0.5gを過熱した5%エキストラン
(メルク社製)溶液で洗浄し、水浴型超音波洗浄器で3
0分処理する。流水で30分間洗浄した後、110−1
50度のオーブンで乾燥する。2mlオクタデシルトリ
クロロシラン、140mln−ヘキサデカン、30ml
四塩化炭素、20mlクロロホルム、の溶液に乾燥した
ガラスビーズを浸し、室温で2時間攪拌する。ガラスビ
ーズを取り出し、クロロホルムで3回、エタノールで1
回洗浄後、110度のオーブンで乾燥する。その結果、
ガラスビーズ表面にアルキル基が導入される。
【0054】次にプロテオリポソームを調整する。つま
り、30mlナス型フラスコに脂質重量150mgに相
当する大豆リン脂質(アゾレクチン)のクロロホルム溶
液を入れ、ロータリーエバポレーターを用いて溶媒を留
去した後、デシケーターに入れ、真空ポンプを用いて溶
媒を完全に除く。100mM塩化カリウム水溶液を10
ml加え、voltexミキサーで30秒処理して脂質
薄膜を分散させた後、プローブ型超音波発振装置で30
分間処理して直径100nmの一枚膜のリポソームの懸
濁液を得る。このリポソーム懸濁液に膜蛋白質であるバ
クテリオロドプシンを1mgを加える。次にこの溶液を
液体窒素またはドライアイス−アセトンで凍結、室温で
融解、voltexミキサーで30秒処理する操作を6
回繰り返す。その結果、平均粒径300nm程度の一枚
膜プロテオリポソームが生成された。
【0055】このプロテオリポソーム溶液を展開層に入
れ、先に調製したアルキル化されたガラズビーズを浸
す。約30分でプロテオリポソームは完全に開裂し、基
盤上にバクテリオロドプシン−リン脂質の脂質の二分子
平面膜が形成された。この方法では、プロテオリポソー
ムの粒径が多孔質ガラスの平均孔よりもかなり大きいた
め、細孔内に脂質膜が入り込むことは少ないと考えられ
る。
【0056】このようにしてバクテリオロドプシンを含
む二分子平面膜がコートされたガラスビーズを1mlの
1%オクチルグルコシドを含む10mM塩化カリウム水
溶液に浸し、10分間水浴型超音波発振機で処理する。
この操作により、ガラスビーズ表面の平面膜は、ガラス
ビーズから浴離し、また脂質二分子膜もその構造が壊さ
れて、モノマー状態に移行する。このモノマー溶液のう
ち100μlを取り、240nmでの吸光度を測定し、
リポソームを含まない場合の吸光度0.0489を引く
と、0.250が得られた。この場合、蛋白質量は脂質
量に比べて非常に少ないと見なされるので、第2項を無
視すると、 0.250=0.400×10-3x x=625 x、つまり、脂質量は625μg/mlであることが分
かった。
【0057】次にLowry法で定量した。上記の未知
試料としての二分子平面膜がコートされたガラスビーズ
から得たモノマー溶液のうち100μlをとり、1%オ
クチルグルコシドを含む10mM塩化カリウム水溶液を
加えて最終容量250μlにする。これにアルカリ性銅
溶液500μlを加え、室温で15分放置した後、10
0μlのフェノール試薬を加えて、室温で30分放置し
た後、750nmの吸光度を測定した。その結果からコ
ントロールの0.058を引き、希釈倍率を考慮する
と、0.310が得られた。
【0058】 0.310=3.03×10-4x+2.99×10-2y この式に、先程求めたxの値625(μg/ml)を代
入すると、y、すなわち蛋白質量は4.03(μg/m
l)であることがわかった。
【0059】この値は、ガラスビーズを有機溶媒と水溶
液の混合系で抽出した場合の値とよく一致した。 実施例2 まず、それぞれの方法で検量線を作成するための試料を
作製する。直径10mm、長さ130mm程度の試験管
に脂質重量15mgに相当する大豆リン脂質(アゾレク
チン)のクロロホルム溶液を入れ、ロータリーエバポレ
ーターを用いて溶媒を留去した後、デシケーターに入れ
真空ポンプを用いて溶媒を完全に除き、試験管内壁に脂
質薄膜を形成させる。10mM塩化カリウム水溶液を1
ml、加え、vortexミキサーで30秒処理して脂
質薄膜を分散させた後、プローブ型超音波発振装置で3
0分間処理して直径100nmの一枚膜のリポソームの
懸濁液を得る。
【0060】100μlから10μlまで10μlずつ
容量の異なる10種類のリポソーム懸濁液を試験管に取
り、そこに20%オクチルグルコシドを含む10mM塩
化カリウム水溶液50μlをそれぞれの試験管に加え
る。また、リポソームを含まない試料も盲検用として準
備する。次に各試料の最終容量が1mlになるように1
0mM塩化カリウムを加えて水浴型超音波発振装置で1
分間処理し、光路長1cmのセルを用いて240nmの
吸光度を測定する。その値からリポソームを含まない場
合の吸光度0.0489を減じ、リポソームの濃度を横
軸に、吸光度を縦軸にとってプロットするとこれらの点
は原点を通る直線にのり、その傾きa1 は0.400×
10-3となった。従って、未知試料の脂質終濃度をx
(μg/ml)とすると、 AL =0.400×10-3x となる。
【0061】蛋白質としては、濃度未知試料に組み込む
ものと同じものを使用し、ここでは実施例1で用いたバ
クテリオロドプシンを使用した。
【0062】バクテリオロドプシンを10mM塩化カリ
ウム水溶液に1mg/mlで懸濁する。それを20μl
から2.5μlずつ2.5μlまで8種類を試験管に分
取する。そこに20%オクチルグルコシドを含む10m
M塩化カリウム水溶液50μlをそれぞれの試験管に加
える。次に各試料の最終容量が1mlになるように10
mM塩化カリウムを加えて十分混和して、水浴型超音波
発振装置で1分間処理し、光路長1cmのセルを用いて
240nmの吸光度を測定する。その値から蛋白質を含
まない場合の吸光度0.0489を減じ、蛋白質の終濃
度を横軸に、吸光度を縦軸にとってプロットするとこれ
らの点は原点を通る直線にのり、その傾きb1 は2.7
0x10-3となった。従って、未知試料の蛋白質終濃度
をy(μg/ml)とすると、 AP =2.70x10-3y となる。
【0063】次にBCA法でリポソームと蛋白質の検量
線を作製した。上記の方法で作製したリポソーム懸濁液
を50μlから5μlまで5μlずつ10種類を試験管
に取り、各試験管に20%オクチルグルコシドを含む1
0mM塩化カリウム水溶液50μlを加える。次に各試
料の最終容量が1mlになるように10mM塩化カリウ
ムを加える。また、リポソームを含まない試料も盲検用
として準備する。各試験管に試料と等量のBCA呈色試
薬を加え、60分、60℃にて反応させた後、冷却して
室温にて562nmでの吸光度を測定した。リポソーム
を含まない場合の吸光度0.533を減じ、脂質の濃度
を横軸に、吸光度を縦軸にとってプロットするとこれら
の点は原点を通る直線にのり、その傾きa2 は3.89
x10-2となった。従って、未知試料の脂質終濃度をx
(μg/ml)とすると、 BL =3.89×10-2x となる。
【0064】吸光度法の場合と同様な方法でバクテリオ
ロドプシンの8種類の試料を用意し、最終容量を1ml
とする。各試験管に試料と等量のBCA呈色試薬を加
え、60分、60℃にて反応させた後、冷却して室温に
て562nmでの吸光度を測定した。バクテリオロドプ
シンを含まない場合の吸光度0.533を減し、バクテ
リオロドプシンの濃度を横軸に、吸光度を縦軸にとって
プロットするとこれらの点は原点を通る直線にのり、そ
の傾きb2 は9.63x10-2となった。従って、未知
試料の蛋白質終濃度をy(μg/ml)とすると、 BP =9.63×10-2y となる。
【0065】次に未知試料としてのプロテオリポソーム
を調整する。前述の方法に従いリポソームの懸濁液(脂
質重量にして15mg/ml)を得る。このリポソーム
懸濁液を10mM塩化カリウムにて10倍希釈したうえ
で133μl(200μg相当)を分取し、膜蛋白質で
あるバクテリオロドプシンを40μg加え、水浴型超音
波発振装置にて30秒処理する。このプロテオリポソー
ム溶液を最終容量200μlの1%オクチルグルコシド
−10mM塩化カリウム水溶液として、水浴型超音波発
振装置で1分間処理する。その後、240nmでの吸光
度を測定し、プロテオリポソームを含まない場合の吸光
度0.0489を引くと、0.94が得られた。つま
り、希釈倍率を考慮すると(3)式が成立する。
【0066】 0.94×10=0.400×10-3x+2.70×10-3y(3) 次にBCA法で定量した。上記の方法で吸光度を測定し
た未知試料200μlを更に希釈して最終容量500μ
lの1%オクチルグルコシド−10mM塩化カリウム水
溶液とする。試料と等量のBCA呈色試薬を加え、60
分、60℃にて反応させた後、冷却して室温にて562
nmでの吸光度を測定した。プロテオリポソームを含ま
ない場合の吸光度0.533を引くと、1.16が得ら
れた。つまり希釈倍率を考慮すると(4)式が成立す
る。
【0067】 1.16×50=3.89×10-2x+9.63×10-2y(4) 試料の希釈倍率を考慮し、得られた2式からxおよび、
yを求めると、xすなわち脂質量は1000(μg/m
l)、yすなわち蛋白質量は200(μg/m1)であ
ることがわかった。この量はプロテオリポソーム調整時
の脂質量200μg、蛋白質40μg(いずれも200
μl当たり)と一致している。
【0068】実施例3 まず、それぞれの方法で検量線を作成するための試料を
作製する。直径10mm、長さ130mm程度の試験管
に脂質重量15mgに相当する大豆リン脂質(アゾレク
チン)のクロロホルム溶液を入れ、ロータリーエバポレ
ーターを用いて溶媒を留去した後、デシケーターに入
れ、真空ポンプを用いて溶媒を完全に除く。10mM塩
化カリウム水溶液を1ml加え、voltexミキサー
で30秒処理して脂質薄膜を分散させた後、プローブ型
超音波発振装置で30分間処理して直径100nmの一
枚膜のリポソームの懸濁液を得る。
【0069】100μlから10μlまで10μlずつ
容量の異なる10種類のリポソーム懸濁液を試験管に取
り、そこに20%オクチルグルコシドを含む10mM塩
化カリウム水溶液50μlをそれぞれの試験管に加え
る。また、リポソームを含まない試料もコントロールと
して準備する。次に各試料の最終容量が1mlになるよ
うに10mM塩化カリウムを加えて水浴型超音波発振装
置で1分間処理し、1cmのセルを用いて240nmの
吸光度を測定する。その値からリポソームを含まない場
合の吸光度0.0489を減じ、リポソームの濃度を横
軸に、吸光度を縦軸にとってプロットするとこれらの点
は原点を通る直線にのり、その傾きa1 は0.400×
10-3となった。従って、未知試料の脂質終濃度をx
(μg/ml)とすると、 AL =0.400×10-3x となる。
【0070】蛋白質としては、未知試料に組み込んだも
のと同じものを使用し、ここでも実施例1で用いたバク
テリオロドプシンを使用した。バクテリオロドプシンを
100μm/ml含む10mM塩化カリウム水溶液を調
整し、それを20μlから2.5μlずつ2.5μlま
で容量の異なる蛋白質溶液を8種類試験管に調整する。
そこに20%オクチルグルコシドを含む10mM塩化カ
リウム水溶液50μlをそれぞれの試験管に加える。次
に各試料の最終容量が1mlになるように10mM塩化
カリウムを加えて水浴型超音波発振装置で1分間処理
し、1cmのセルを用いて240nmの吸光度を測定す
る。その値から蛋白質を含まない場合の吸光度0.04
89を減じ、蛋白質の濃度を横軸に、吸光度を縦軸にと
ってプロットするとこれらの点は原点を通る直線にの
り、その傾きb1 は2.7x10-3となった。従って、
未知試料の蛋白質終濃度をy(μg/ml)とすると、 AP =2.70x10-3y となる。
【0071】次にLowry法でリポソームと蛋白質の
検量線を作製した。100μlから10μlうつ10μ
lまで容量の異なる10種類のリポソーム懸濁液を試験
管に取り、それを最終容量250μlとする。そこに5
00μlのアルカリ性銅溶液(4%Na2 CO3 及び2
%ドデシル硫酸ナトリウムを含む0.2N NaOH溶
液:2%CuSO4 ・5H2 O:4%クエン酸ナトリウ
ム=100:1:1)を加え、室温で15分放置する。
次に100μlのフェノール試薬を加え、室温で30分
放置後750nmでの吸光度を測定する。リポソームも
蛋白質も含まない溶液をコントロールとして用意し、同
様の測定を行なう。各濃度での吸光度から脂質を含まな
い場合の吸光度0.058を減じ、脂質の濃度を横軸
に、吸光度を縦軸にとってプロットするとこれらの点は
原点を通る直線にのり、その傾きa 2 は3.03x10
-4となった。従って、未知試料の脂質終濃度をx(μg
/ml)とすると、 BL =3.03x10-4x となる。
【0072】吸光度法の場合と同様な方法でバクテリオ
ロドプシンの8種類の試料を用意し、最終容量250μ
lになるように蒸留水を加える。そこに、500μlの
アルカリ性銅溶液を加え、室温で15分放置する。次に
100μlのフェノール試薬を加え、室温で30分放置
後750nmでの吸光度を測定する。各濃度での吸光度
から蛋白質を含まない場合の吸光度0.058を減じ、
蛋白質の濃度を横軸に、吸光度を縦軸にとってプロット
するとこれらの点は原点を通る直線にのり、その傾きb
2 は2.99x10-2となった。従って、未知試料の蛋
白質終濃度をy(μg/ml)とすると、 BP =2.99×10-2y となる。
【0073】次に未知試料としてのプロテオリポソーム
を調整する。つまり、直径10mm、長さ130mm程
度の試験管に脂質重量360μgに相当する大豆リン脂
質(アゾレクチン)のクロロホルム溶液を入れ、ロータ
リーエバポレーターを用いて溶媒を留去した後、デシケ
ーターに入れ、真空ポンプを用いて溶媒を完全に除く。
10mM塩化カリウム水溶液を1ml加え、volte
xミキサーで30秒処理して脂質薄膜を分散させた後、
プローブ型超音波発振装置で30分間処理して直径10
0nmの一枚膜のリポソームの懸濁液を得る。
【0074】このリポソーム懸濁液に膜蛋白質であるバ
クテリオロドプシンを10μgを加える。次にこの溶液
を液体窒素またはドライアイス−アセトンで凍結、室温
で融解、voltexミキサーで30秒処理する操作を
6回繰り返す。その結果、平均粒径300nm程度のプ
ロテオリポソームが生成された。
【0075】このプロテオリポソーム溶液のうち100
μlを取り、50μlの20%オクチルグルコシドを含
む10mM塩化カリウム水溶液5μlを加え、水浴型超
音波発振装置で1分間処理する。その後、240nmで
の吸光度を測定し、リポソームを含まない場合の吸光度
0.0489を引き、希釈倍率を考慮すると、0.16
0が得られた。つまり、 0.160=0.400×10-3x+2.7×10-3y となった。
【0076】次にLowry法で定量した。脂質定量に
用いた未知試料としてのプロテオリポソームの溶液10
5μlに10mM塩化カリウム水溶液を加えて最終容量
250μlにする。これにアルカリ性銅溶液500μl
を加え、室温で15分放置した後、100μlのフェノ
ール試薬を加えて、室温で30分放置した後、750n
mの吸光度を測定した。その結果からコントロールの
0.058を引き、希釈倍率を考慮すると、0.358
が得られた。つまり、 0.358=3.03×10-4x+2.99×10-2y となった。
【0077】得られた2式からxおよび、yを求める
と、x、すなわち脂質量は、342(μg/ml)、
y、すなわち蛋白質は8.50(μg/ml)であるこ
とがわかった。この量は、最初に加えた脂質量360μ
g、蛋白質量10μgとほぼ一致している。
【0078】実施例4 実施例3と同様にして二つの方法で脂質、及び、蛋白質
に対する検量線を作成した。
【0079】次に未知試料としてのプロテオリポソーム
を調整する。つまり、直径10mm、長さ130mm程
度の試験管に脂質重量600μgに相当する大豆リン脂
質(アゾレクチン)のクロロホルム溶液を入れ、ロータ
リーエバポレーターを用いて溶媒を留去した後、デシケ
ーターに入れ、真空ポンプを用いて溶媒を完全に除く。
10mM塩化カリウム水溶液を1ml加え、volte
xミキサーで30秒処理して脂質薄膜を分散させた後、
プローブ型超音波発振装置で30分間処理して直径10
0nmの一枚膜のリポソームの懸濁液を得る。
【0080】このリポソーム懸濁液に膜蛋白質であるバ
クテリオロドプシンを5μgを加える。次にこの溶液を
液体窒素またはドライアイス−アセトンで凍結、室温で
融解、voltexミキサーで30秒処理する操作を6
回繰り返す。その結果、平均粒径300nm程度のプロ
テオリポソームが生成された。
【0081】このプロテオリポソーム溶液のうち100
μlを取り、50μlの20%オクチルグルコシド溶液
5μlを加え、水浴型超音波発振装置で1分間処理す
る。その後、240nmでの吸光度を測定し、リポソー
ムを含まない場合の吸光度0.0489を引くと、0.
25が得られた。この系では、蛋白質と脂質の比が12
0:1であり、脂質の量に比べて蛋白質の量がこの測定
法では無視できる程度に少ないと見なすことができる。
従って、 0.25=0.400×10-3x x=625(μg/ml) 次にLowry法で定量した。脂質定量に用いた未知試
料としてのプロテオリポソームの溶液100μlに10
mM塩化カリウム水溶液を加えて最終容量250μlに
する。これにアルカリ性銅溶液500μlを加え、室温
で15分放置した後、100μlのフェノール試薬を加
えて、室温で30分放置した後、750nmの吸光度を
測定した。その結果からコントロールの0.058を引
き、希釈倍率を考慮すると、0.335が得られた。
【0082】 0.335=3.03x10-4x+2.99x10-2y この式にxの値として625μgを代入して、yを求め
ると、蛋白質量は4.90(μg/ml)であることが
わかった。この値は、最初に加えた脂質量600μgと
蛋白質5μgとほぼ一致している。
【0083】実施例5 先ず240nmおよびBCA法での脂質のみと蛋白質の
みの検量線を作成する。大豆リン脂質懸濁液(アゾレク
チン、15mg/ml)を100μlから10μlずつ
10μlまで異なる10種類を試験管に取り、そこに2
0%オクチルグルコシドを含む10mM塩化カリウム水
溶液50μlをそれぞれの試験管に加える。また、脂質
を含まない試料も盲検用として準備する。次に各試料の
最終容量が1mlになるように10mM塩化カリウムを
加えて水浴型超音波発振装置で1分間処理し、光路長1
cmのセルを用いて240nmの吸光度を測定する。そ
の値から脂質を含まない場合の吸光度0.0489を減
じ、脂質の終濃度を横軸に、吸光度を縦軸にとってプロ
ットするとこれらの点は原点を通る直線にのり、その傾
きa1 は0.400×10-3となった。従って、未知試
料の脂質終濃度をx(μg/ml)とすると、 AL =0.400×10-3x となる。
【0084】蛋白質としては、濃度未知試料に組み込む
ものと同じものを使用する。例えば、本実施例では、膜
蛋白質であるバクテリオロドプシンを用いる。この蛋白
質は、高度好塩菌Halobacterium hal
obiumより紫膜を抽出し、[Method.Enz
ymol,vol.31,p667−78(197
4)]さらにK.−S.Huangらの方法[Pro
c.Natl.Acad.Sci.,USA,vol.
77,p323(1980)]を用いて、紫膜を脱脂質
して得たものである。
【0085】上述の方法で得たバクテリオロドプシンを
10mM塩化カリウム水溶液に1mg/mlで懸濁す
る。それを20μlから2.5μlずつ2.5μlまで
8種類を試験管に分取する。そこに20%オクチルグル
コシドを含む10mM塩化カリウム水溶液50μlをそ
れぞれの試験管に加える。次に各試料の最終溶液が1m
lになるように10mM塩化カリウムを加えて十分混和
して、水浴型超音波発振装置で1分間処理し、光路長1
cmのセルを用いて240nmの吸光度を測定する。そ
の値から蛋白質を含まない場合の吸光度0.0489を
減じ、蛋白質の濃度を横軸に、吸光度を縦軸にとってプ
ロットするとこれらの点は原点を通る直線にのり、その
傾きb1 は2.70x10-3となった。従って、未知試
料の蛋白質終濃度をy(μg/ml)とすると、 AP =2.70x10-3y となる。
【0086】次にBCA法で脂質と蛋白質の検量線を作
製した。上記の方法で作製した脂質懸濁液を50μlか
ら5μlまで5μlずつ10種類を試験管に取り、各試
験管に20%オクチルグルコシドを含む10mM塩化カ
リウム水溶液50μlを加える。次に各試料の最終容量
が1mlになるように10mM塩化カリウムを加える。
また、脂質を含まない試料も盲検用として準備する。各
試験管に試料と等量のBCA呈色試薬を加え、60分、
60℃にて反応させた後、冷却して室温にて562nm
での吸光度を測定した。脂質を含まない場合の吸光度
0.533を減じ、脂質の濃度を横軸に、吸光度を縦軸
にとってプロットするとこれらの点は原点を通る直線に
のり、その傾きa2 は3.89x10-2となった。従っ
て、未知試料の脂質終濃度をx(μg/ml)とする
と、 BL =3.89x10-2x となる。
【0087】吸光度法の場合と同様な方法でバクテリオ
ロドプシンの8種類の試料を用意し、最終容量を1ml
とする。各試験管に試料と等量のBCA呈色試薬を加
え、60分、60℃にて反応させた後、冷却して室温に
て562nmでの吸光度を測定した。バクテリオロドプ
シンを含まない場合の吸光度0.533を減じ、バクテ
リオロドプシンの濃度を横軸に、吸光度を縦軸にとって
プロットするとこれらの点は原点を通る直線にのり、そ
の傾きb2 は9.63x10-2となった。従って、未知
試料の蛋白質終濃度をy(μg/ml)とすると、 BP =9.63x10-2y となる。
【0088】次に未知試料としてのLB累積膜を調整す
る。大豆リン脂質(アゾレクチン、15mg/ml)ク
ロロホルム溶液を直径10mm、長さ130mmの試験
管に1ml入れ、ロータリーエバポレーターを用いて溶
媒を留去した後、デシケーターに入れ真空ポンプを用い
て溶媒を完全に除き、試験管内壁に脂質薄膜を形成させ
る。10mM塩化カリウム水溶液を1ml加え、vor
texミキサーで30秒処理して脂質薄膜を分散させた
後、プローブ型超音波発振装置で30分間処理して直径
100nmの1枚膜リポソームの懸濁液を得る。このリ
ポソーム懸濁液を膜蛋白質であるバクテリオロドプシン
3mgを加え、水浴型超音波発振装置にて30秒処理す
る。
【0089】次に10mM塩化カリウムおよび20mM
塩化カルシウム水溶液が入っているLB累積膜作成用ト
ラフにリポソーム懸濁液を100μl滴下し、30分間
静かに攪拌する。この操作によって、気液界面にてバク
テリオロドプシンを含むリポソーム懸濁液が単分子膜状
に開裂展開する。次にこの展開相が水槽上を自由に拡散
し広がりすぎないように仕切り板もしくは浮き子を設
け、展開膜の展開面積を制限して膜を適切な表面圧に維
持する。この表面圧を維持しながら清浄な基盤(45m
m角ガラス基盤:親水処理済コーニング#7059)を
静かに垂直に浸漬して下降または上昇を繰り返す。この
方法だと、脂質膜の親水基・疎水基の方向が基盤の上昇
行程と下降行程で逆になるので、累積膜の各層間は脂質
の疎水部分どうし、親水部分どうしが向かい合う“Y型
膜”が形成される。単分子膜にして200層すなわち2
分子膜にして100層累積する。同様の基盤を4枚作成
する。基盤を静かに引上げて1%オクチルグルコシドを
含む10mM塩化カリウム水溶液0.2mlに浸漬し、
静かに60分、室温にて攪拌する(4枚とも)。続けて
水浴型超音波発振装置で1分間処理する。その後溶液の
みを0.2ml取り、240nmでの吸光度を測定し、
脂質・蛋白質を含まない場合の吸光度0.0498を引
き、希釈倍率を考慮すると、0.212が得られた。つ
まり、(3)式が成立する。
【0090】 0.212=0.400×10-3x+2.70×10-3y(3) 次にBCA法で定量した。上記の方法で吸光度を測定し
た未知試料を更に5倍に希釈して1%オクチルグルコシ
ド−10mM塩化カリウム水溶液とする。試料と等量の
BCA呈色試薬を加え、60分、60℃にて反応させた
後、冷却して室温にて562nmでの吸光度を測定し
た。試料を含まない場合の吸光度0.533を引くと、
1.31が得られた。つまり希釈倍率を考慮して(4)
式が成立する。
【0091】 1.31×10-3=3.89×10-2x+9.63×10-2y(4) 試料の希釈倍率を考慮し、得られた2式からxおよび、
yを求めると、xすなわち脂質量は225(μg/m
l)、yすなわち蛋白質量は45(μg/ml)である
ことがわかった。この量はLB累積膜作製時の脂質量と
蛋白質量の比(15mg:3mg)と一致している。
【0092】実施例6 本実施例では、モルモット肝臓細胞のミトコンドリアに
ついて脂質量と蛋白質量を定量する。本実施例では、ま
ず、既知量の脂質、蛋白質で検量線を作成しなければな
らないが、ミトコンドリアのように生体成分を未知試料
として分析する場合、脂質組成や蛋白質組成は、まった
く判明していないことが多い。したがって、未知試料と
同じ脂質、蛋白質を用いての検量線作成は難しいことに
なる。そこで、ここでは、一般に市販されている脂質、
蛋白質をもちいて検量線を作成し、従来法による文献値
と比較して、その精度を検定する意味もあって、ミトコ
ンドリア試料の脂質量、蛋白質量を近似定量することと
した。脂質と蛋白質の検量線用試料としては、大豆リン
脂質(アゾレクチン)とBSA(牛血清アルブミン)を
使用する。
【0093】まず、大豆リン脂質を用いて脂質の検量線
を作成する。脂質重量3mgに相当する大豆リン脂質の
クロロホルム溶液を試験管にとり、ロータリーエバポレ
ーターを用いて溶媒を留去した後、真空ポンプで溶媒を
完全に除く。これに、10mM塩化カリウム(p.H.
5.6)、1%オクチルグルコシドを含む溶液を1ml
加え、よく溶かす。
【0094】この試料の内、0.5mlをBCA法の検
量線用に分取する。分取した試料を1%オクチルグコシ
ドを含む10mM塩化カリウム水溶液で50倍に希釈
し、この溶をさらに何段階かに希釈したものを試料とす
る。これに等量のBCA呈色液を加え、混合した後、6
0℃、60分間加温する。加温後、室温まで冷却してか
ら、光路長1cmのセルを用いて、562nm吸光度を
測定する。その値から脂質を含まない場合の吸光度を減
じ、脂質の濃度を横軸に、吸光度を縦軸にとってプロッ
トすると、これらの点は、原点を通る直線にのり、その
傾き、a1 は、3.89×10-2となった。つまり、未
知試料の脂質濃度をx(mg/ml)とすると、 AL =3.89×10-2x となる。
【0095】残り0.5mlの試料を何段階かに希釈し
て試料し、Lowry法の検量線を作成する。試料の
2.0倍のアルカリ性銅溶液を加え、15分間、室温で
放置する。その後、試料の0.4倍のフェノール試薬
(市販品を水で2倍に希釈したもの)を加え、30分
間、室温放置後、BCA法と同様の方法で750nmの
吸光度を測定し、プロットすると、その傾き、a2 は、
3.03×10-4となった。したがって、BL は、次式
で表される。
【0096】BL =3.03×10-4x 次に、BSA(牛血清アルブミン)を用いて、蛋白質の
検量線を作成する。この牛血清アルブミンを、50μg
/mlとなるように調整し、さらにこれを何段階かに希
釈して検量線作成用の試料とする。これを脂質の場合と
同じように、最終濃度10mM塩化カリウム、1%オク
チルグルコシドになるように調整し、BCA法、Low
ry法で呈色反応を行い、吸光度を測定する。プロット
の結果、b1 、b2 は、それぞれ、9.63×10-2
2.99×10-2となった。つまり、 AP =9.63×10-2y BP =2.99×10-2y となった。
【0097】よって、AL+P 、BL+P は、次式で表され
る。
【0098】 AL+P =3.89×10-2x+9.63×10-2y(3) BL+P =3.03×10-4x+2.99×10-2y(4) 次に、未知試料であるミトコンドリアをモルモットの肝
細胞から調整する。まず、モルモットの肝臓をなるべく
周囲の組織が混入しないように取り出す。250mM蔗
糖液中でかるく洗い、はさみで細切した後、ガラス製ホ
モジナイザーで処理し、最終的には、10倍量の250
mM蔗糖液を加えて10%懸濁液をつくる。この懸濁液
を、まず、600×gで10分間遠心分離し、上清をさ
らに、5500×g、20分間遠心して沈殿を集める。
沈殿を250mMの蔗糖液に再懸濁し、今度は、600
0×g、15分間の遠心で沈殿を集める。もう一度60
00×g、15分の遠心を繰り返してミトコンドリア画
分とする。沈殿したミトコンドリアに、もとの肝細胞1
gにつき10mlの割合で10mM塩化カリウム、1%
オクチルグルコシド溶液を加え、よく攪拌して溶かす。
必要なら水浴型超音波発振装置で処理し、完全に溶解
し、未知試料とする。
【0099】この試料を、10mM塩化カリウム、1%
オクチルグルコシド溶液で100倍希釈した後、0.5
mlの試料をBCA法で測定した。試料を含まない場合
の吸光度0.533を減じた吸光度、AL+P は、1.2
3であった。つまり、 1.23×200=3.89×10-2x+9.63+10-2y(5) が成立する。左辺を200倍したのは、希釈率を考慮し
たものである。
【0100】未知試料を30倍希釈した後、0.5ml
を用いてLowry法の測定を行い、BCA法と同様に
脂質を含まない場合の吸光度0.058を減じると、B
L+Pは、1.20であった。つまり、次式が成立する。 1.20×60=3.03×10-4x+2.99×10-2y(6) (5)、(6)式を連立方程式として、x、yを求める
と、 x=3.71×102 y=2.40×103 となる。
【0101】脂質/蛋白質比は、およそ、1:6.43
となり、肝細胞1g当たり24mgのミトコンドリア蛋
白質があったことになる。この量は、従来の文献値(モ
ルモット肝細胞の全ミトコンドリア脂質/蛋白質比1:
6.30、蛋白質量は、肝細胞1g当たり15−30m
g)とほぼ一致する。
【0102】実施例7 最初に、それぞれの方法で脂質の検量線を作成するため
の試料を作製する。直径10mm、長さ130mm程度
の試験管に脂質重量15mgに相当する大豆リン脂質
(アゾレクチン)のクロロホルム溶液を入れ、ロータリ
ーエバポレーターを用いて溶媒を留去した後、真空ポン
プを用いて溶媒を完全に除く。塩酸または水酸化カリウ
ムでpH.5.6に調整した10mM塩化カリウム水溶
液を1ml加え、voltexミキサーで30秒処理し
て脂質薄膜を分散させた後、プローブ型超音波発振装置
で30分間処理して直径100nmの一枚膜のリポソー
ムの懸濁液を得る。
【0103】100μlから10μlまでの容量の異な
るいくつかのリポソーム懸濁液を試験管に取り、そこに
20%オクチルグルコシドを含む10mM塩化カリウム
水溶液50μlをそれぞれの試験管に加える。また、リ
ポソームを含まない試料もコントロールとして準備す
る。次に、各試料の最終容量が1mlになるように10
mM塩化カリウム水溶液を加え、水浴型超音波発振装置
で1分間処理する。
【0104】この試料の内、0.5mlをBCA法の検
量線用に分取する。分取した試料を1%オクチルグコシ
ドを含む10mM塩化カリウム水溶液で30倍に希釈
し、その内の0.5mlに等量のBCA呈色液を加え、
混合した後、60℃、60分間加温する。加温後、室温
まで冷却してから、光路長1cmのセルを用いて、56
2nm吸光度を測定する。その値からリポソームを含ま
ない場合の吸光度を減じ、リポソームの濃度を横軸に、
吸光度を縦軸にとってプロットすると、これらの点は、
原点を通る直線にのり、その傾き、a1 は、3.89×
10-2となった。したがって、未知試料の脂質濃度をx
(mg/ml)とすると、 AL =3.89×10-2x となる。
【0105】次に、残り0.5mlの試料を用いて、L
owry法の検量線を作成する。0.5mlの試料に
1.00mlのアルカリ性銅溶液を加え、15分間、室
温で放置する。その後、0.20mlのフェノール試薬
(市販品を水で2倍に希釈したもの)を測定し、プロッ
トすると、その傾き、a2 は、3.03×10-4となっ
た。したがって、BL は、次式で表される。
【0106】BL =3.03×10-4x 蛋白質の検量線を作成するためには、未知試料に組み込
んだものと同じものを使用する。本実施例では、実施例
1で用いた膜蛋白質であるバクテリオロドプシンを使用
する。
【0107】このバクテリオロドプシンを、20μg/
mlとなるように調整し、さらにこれを何段階かに希釈
して検量線作成用の試料とする。これを脂質の場合と同
じように、最終濃度10mM塩化カリウム、1%オクチ
ルグルコシドになるように調整し、BCA法、Lowr
y法で呈色反応を行い、吸光度を測定する。プロットの
結果、b1 、b2 は、それぞれ、9.63×10-2
2.99×10-2となった。つまり、 AP =9.63×10-2y BP =2.99×10-2y となった。よって、AL+P 、BL+P は、次式で表され
る。 AL+P =3.89×10-2x+9.63×10-2y(3) BL+P =3.03×10-4x+2.99×10-2y(4) 次に、未知試料としてのプロテオリポソームを調整す
る。前述の方法に従いリポソームの懸濁液(脂質量、1
5mg/ml)を得る。この懸濁液を10mM塩化カリ
ウム水溶液で10倍に希釈したうえで、300μl(脂
質量、450μg)を分取し、バクテリオロドプシン、
45μgを加える。水浴型超音波発振装置で30秒処理
した後、室温で2時間ゆっくり攪拌する。このプロテオ
リポソーム懸濁液を、容量1ml、最終濃度10mM塩
化カリウム、1%オクチルグルコシドとなるように調整
し、水浴型超音波発振装置で1分間処理する。
【0108】この未知試料の内、50μlを分取し、1
0mM塩化カリウム、1%オクチルグルコシド溶液で希
釈後、BCA法で測定した。プロテオリポソームを含ま
ない場合の吸光度0.533を減じた吸光度、AL+P
は、1.09であった。つまり、 1.09×20=3.89×10-2x+9.63+10-2y(5) が成立する。左辺を20倍したのは、希釈率を考慮した
ものである。
【0109】残りの未知試料の内、0.5mlを用いて
Lowry法の測定を行い、BCA法と同様にプロテオ
リポソームを含まない場合の吸光度0.058を減じる
と、BL+P は、0.743であった。つまり、次式が成
立する。
【0110】 0.743×2=3.03×10-4x+2.99×10-2y(6) (5)、(6)式を連立方程式として、x、yを求める
と、 x=449 y=45 となる。この量は、プロテオリポソーム調整時の脂質量
450μg、蛋白質量45μgと一致している。
【0111】
【発明の効果】本発明によれば、脂質と蛋白質のような
共存状態ではこれらが互いに影響し合って定量できなか
った2成分系の定量分析が、抽出などの煩雑な操作を必
要とする分離工程なしに、混在状態のまま直接、かつ簡
便にそれぞれ正確に定量できるようになった。
フロントページの続き (72)発明者 川口 正浩 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 大山 淳史 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−59669(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01N 33/68 G01N 21/75 G01N 33/92

Claims (15)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液媒体中に化合物A、Bを含む未知試料
    定量法aで分析して分析値Vaを得る過程と、該未知
    試料を定量法bで分析して分析値Vbを得る過程と、下
    記式(I)及び(II)から化合物A、Bのそれぞれの実
    際の濃度(x、y)を求める過程 Va=x・a1+y・a2 ・・・(I) Vb=x・b1+y・b2 ・・・(II) a1:液媒体中に化合物Aが単独で存在する場合の定量
    法aにおける濃度定数 a2:液媒体中に化合物Bが単独で存在する場合の定量
    法aにおける濃度定数 b1:液媒体中に化合物Aが単独で存在する場合の定量
    法bにおける濃度定数 b2:液媒体中に化合物Bが単独で存在する場合の定量
    法bにおける濃度定数 x:未知試料中の化合物Aの実際の濃度 y:未知試料中の化合物Bの実際の濃度 とを有することを特徴とする定量法。
  2. 【請求項2】 化合物Aが脂質で、化合物Bが蛋白質で
    ある請求項1記載の定量法。
  3. 【請求項3】 定量法aが化合物自体の吸光度を測定す
    る方法であり、定量法bが発色を利用した方法である請
    求項1または2記載の定量法。
  4. 【請求項4】 定量法aが試料を界面活性剤で可溶化し
    た後、紫外部の吸光度を測定する方法であり、定量法b
    ローリー(Lowry)法である請求項3記載の定量
    法。
  5. 【請求項5】 定量法aが試料を界面活性剤で可溶化し
    た後、紫外部の吸光度を測定する方法であり、定量法b
    がBCA法である請求項3記載の定量法。
  6. 【請求項6】 定量法a及びbが発色を利用した方法で
    ある請求項1または2記載の定量法。
  7. 【請求項7】 定量法aがBCA法であり、定量法bが
    ローリー法である請求項5記載の定量法。
  8. 【請求項8】 試料がプロテオリポソームである請求項
    1〜7のいずれかに記載の定量法。
  9. 【請求項9】 液体サンプル中に存在する脂質及び蛋白
    質の各々を該液体サンプルから分離することなく定量す
    る方法であって、 (i)脂質について、濃度が既知であって且つ異なる濃
    度を有する第1の液体標準サンプル群を用意し、該第1
    の液体標準サンプル群の各々のサンプルの吸光度を、第
    1の方法(a)を用いて測定し、脂質の標準液体サンプ
    ル群の濃度と吸光度の相関を求め、脂質の吸光度係数
    (a 1 )を算出する工程; (ii)蛋白質について、濃度が既知であって且つ異なる
    濃度を有する第1の液体標準サンプル群を用意し、該第
    1の液体標準サンプル群の各々のサンプルの吸光度を、
    第1の方法(a)を用いて測定し、蛋白質の標準液体サ
    ンプル群の濃度と吸光度の相関を求め、蛋白質の吸光度
    係数(a 2 )を算出する工程; (iii)脂質について、濃度が既知であって且つ異なる
    濃度を有する第2の標準液体サンプル群を用意し、該第
    2の液体サンプル群の各々の吸光度を第2の方法(b)
    を用いて測定し、脂質の標準液体サンプル群の濃度と吸
    光度の相関を求め、脂質の吸光度係数(b 1 )を算出す
    る工程; (iv)蛋白質について、濃度が既知であって且つ異なる
    濃度を有する第2の標準液体サンプル群を用意し、該第
    2の液体サンプル群の各々の吸光度を第2の方法(b)
    を用いて測定し、蛋白質の標準液体サンプル群の濃度と
    吸光度の相関を求め、蛋白質の吸光度係数(b 2 )を算
    出する工程;及び (v)脂質及び蛋白質が各々未知の濃度(x、y)にて
    共存している液体サンプルを用意し、該第1及び第2の
    各々の方法(a)及び(b)を用いて該液体サンプルの
    吸光度(Va)及び(Vb)を測定し、こうして得た値
    を下記(I)及び(II)に示す方程式に代入して該サン
    プル中の脂質及び蛋白質の濃度(x、y)を求める工
    程、を有し、 Va=x・a 1 +y・a 2 ・・・ (I) Vb=x・b 1 +y・b 2 ・・・ (II) 該第1の方法(a)及び該第2の方法(b)は互いに異
    なる方法であり、該第1の方法(a)及び第2の方法
    (b)の少なくとも一方は、脂質、蛋白質、または脂質
    及び蛋白質と、試薬との反応によって呈色させる工程を
    含むものであり、更に、 該第1の方法(a)及び第2の方法(b)は、サンプル
    中に脂質のみ、もしくは蛋白質のみが存在している場合
    には該サンプル中の脂質または蛋白質の定量が可能な方
    法であることを特徴とする定量法。
  10. 【請求項10】 該第1の方法(a)が該液体サンプル
    を界面活性剤で処理して該液体サンプル中の脂質と該界
    面活性剤とのミセル状態を有する試料分散液の紫外部の
    吸光度を測定する工程を含む方法であり、該第2の方法
    (b)がローリー法である請求項9記載の定量法。
  11. 【請求項11】 該第1の方法(a)が該液体サンプル
    を界面活性剤で処理して該液体サンプル中の脂質と該界
    面活性剤とのミセル状態を有する試料分散液の紫外部の
    吸光度を測定する工程を含む方法であり、該第2の方法
    (b)がBCA法である請求項9記載の定量法。
  12. 【請求項12】 該第1の方法(a)がローリー法であ
    り、該第2の方法がBCA法である請求項9記載の定量
    法。
  13. 【請求項13】 該紫外部が波長240nmである請求
    項10または11記載の定量法。
  14. 【請求項14】 該ローリー法が、該液体サンプル、ア
    ルカリ性銅溶液、及びフェノール試薬を反応させた後、
    該試料溶液の波長750nmでの吸光度を測定する工程
    を含む請求項10または12記載の定量法。
  15. 【請求項15】 該BCA法が、該液体サンプルを界面
    活性剤で処理して該液体サンプル中の脂質と該界面活性
    剤とのミセル状態を有する試料分散液、2価の銅イオ
    ン、およびビシコニン酸を反応させた後、該試料分散液
    の波長526nmにおける吸光度を測定する工程を含む
    請求項11または12記載の定量法。
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