JP2959382B2 - ゲート接地アンプおよびアンプ付イメージセンサ - Google Patents

ゲート接地アンプおよびアンプ付イメージセンサ

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JP2959382B2
JP2959382B2 JP6032557A JP3255794A JP2959382B2 JP 2959382 B2 JP2959382 B2 JP 2959382B2 JP 6032557 A JP6032557 A JP 6032557A JP 3255794 A JP3255794 A JP 3255794A JP 2959382 B2 JP2959382 B2 JP 2959382B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はMOS−FETによるゲ
ート接地アンプ、およびこのアンプを同一チップに内蔵
した原稿読み取り用のイメージセンサに関する。
【0002】
【従来の技術】センサモジュールのS/Nアップと周辺
回路の低コスト化のために、信号源としてのセンサとア
ンプを集積化する試みが各種のセンサに於てなされてい
る。信号源とアンプを1チップ化するためには信号を発
生させるIC部とアンプ部とは同一のICプロセスで作
成することが必要となる。MOS−FETの高い入力イ
ンピーダンスと良好なスイッチ特性を生かして、MOS
−FETによるセンサが数多く開発されている。これら
のセンサの信号ライン容量が大きい場合、この信号を高
速で増幅するためのアンプとしては、図6に示すような
ゲート接地アンプが適当であることは容易に推察でき
る。図6のアンプはドライブ用MOS−FET1、負荷
用MOS−FET2、ソース抵抗5とゲートバイアス電
源10からなる。ゲートバイアス電源10の電圧値Vg
をパラメータとした入力信号電流Iinに対する出力電圧
Voutの関係を図7に示す。ゲート接地アンプの能動的
な動作範囲が利得の増大と共に狭くなり、電圧値Vgに
よって大きくシフトしている。同図に於いて、Vg=1.
6Vの場合、能動的動作範囲はIin=0.35mA〜0.
65mAであり、それ以外の領域では利得が大幅に低下
する。実際のデバイスに於て入力信号電流のレベルに応
じて電圧値Vgを最適値に設定することは困難である。
また、この最適のゲートバイアス電圧値VgはIC内の
素子の特性ばらつきや温度変化によって変動する。よっ
て、信号ライン容量の大きいMOS型イメージセンサに
於いて、安定なアンプを同一チップに内蔵することが困
難であり、これまでは周辺回路が複雑になるが外部アン
プによってセンサ信号の増幅を行っていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】MOS−FETからな
るゲート接地アンプの入出力特性はドライブ用MOS−
FETのゲートに印加するゲートバイアス電圧によって
大きく変動する。一定値のバイアス電圧の場合、入力信
号レベル、素子の特性ばらつきや温度変化に応じて最適
のバイアス電圧を設定することは困難である。つまり、
安定に動作するMOS−FETによるゲート接地アンプ
つまりI/V変換アンプを作成することは難しい。ま
た、アンプをチップに内蔵したMOSイメージセンサを
作成することも困難でありイメージセンサの周辺回路が
複雑になる。
【0004】
【課題を解決するための手段】ドライブ用MOS−FE
T、負荷用MOS−FET、リセット用スイッチ、ゲー
ト電圧保持用コンデンサおよびソース抵抗からなり、ド
ライブ用MOS−FETのソースにソース抵抗を、ドラ
イブ用MOS−FETのゲートにゲート電圧保持用コン
デンサとリセット用スイッチの一方の電極を、ドライブ
用MOS−FETのドレインには負荷用MOS−FET
のソースとリセット用スイッチの他方の電極をそれぞれ
接続し、ドライブ用MOS−FETのソースに信号電流
を入力し、基準信号の出力タイミングでリセット用スイ
ッチをON状態にすることによって、ドライブ用MOS
−FETのゲートをドレイン電圧に等しい電圧にバイア
スした後、センサ信号の出力タイミングでリセットスイ
ッチをOFF状態にし、ドライブ用MOS−FETのド
レインから信号電圧を出力させる。
【0005】
【作用】リセット用スイッチを基準信号の出力タイミン
グでON状態にすることにより、ゲート電圧保持用コン
デンサに基準信号レベルに応じた最適のゲート電圧を印
加することができる。素子の特性ばらつき、温度変化に
対しても、それぞれの最適のゲート電圧が逐次自動的に
ドライブ用MOS−FETのゲートに与えられる。これ
によりMOS−FETで安定なゲート接地アンプが作成
され、信号ライン容量の大きなMOSイメージセンサに
アンプを内蔵することが可能になる。MOSイメージセ
ンサでは暗電流つまり基準電流と画像信号電流が画素順
に交互に出力されるが、本アンプによれば暗電流出力時
利得を画像信号出力時の利得よりも大幅に低減させる
ことができ、大幅に暗電流が変動しても適切な自己バイ
アス電圧を設定できる。
【0006】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を用いて詳細に
説明する。図1(a)は本発明の実施例1におけるゲー
ト接地アンプの等価回路であり、ドライブ用MOS−F
ET1、負荷用MOS−FET2、リセット用スイッチ
3、ゲート電圧保持用コンデンサ4およびソース抵抗5
からなる。6は正電源端子、7は信号電流の入力端子、
8は電圧出力端子、9はリセット用スイッチの制御端子
であり、ドライブ用MOS−FET1のソースにソース
抵抗5を、ドライブ用MOS−FET1のゲートにゲー
ト電圧保持用コンデンサ4とリセット用スイッチ3の一
方の電極を、ドライブ用MOS−FET1のドレインに
は負荷用MOS−FET2のソースとリセット用スイッ
チの他方の電極を接続している。リセット用スイッチ3
としてPチャンネルMOS−FETまたはNチャンネル
MOS−FETを用いることができる。基本的にはドラ
イブ用MOS−FET1はコンデンサ4とソース抵抗5
と共に定電流回路を構成し、端子7に信号電流が入力さ
れるとMOS−FET1のドレイン電流が減少し、出力
電圧が増大する。本発明のゲート接地アンプはゲート電
圧保持にコンデンサ4を用いているためにダイナミック
動作のみが可能であり、図1(b)はその動作タイミン
グ図である。リセットパルスRSは制御端子9に入力さ
れ、Iinは基準電流Irefと信号電流Isの交番信号であ
り端子7に入力され、Voutは端子8に現われる出力信
号である。基準電流Irefの入力タイミングでリセット
スイッチ3をONさせることによりドライブ用MOS−
FET1のドレインとゲート、コンデンサ4を同一の電
位にし、信号電流Isの入力タイミングでリセットスイ
ッチ3をOFFにすることにより、コンデンサに保持し
たゲート電位に基く出力電圧を端子8に得ることができ
る。なお、ここではRSが”H”でリセットスイッチが
ONするとした。この方式によれば、基準電流Irefに
基いてドライブ用MOS−FET1のゲート電圧が設定
できるために、素子ばらつきや温度変化によって基準電
流が変わっても安定な増幅機能を達成することができ
る。試作チップによる実験の結果、Is=0.1mA、I
ref=0.2mAで出力信号電圧は1.06V、Is=0.
1mA、Iref=0.4mAで出力信号電圧は1.05
V、Is=0.1mA、Iref=0.6mAで出力信号電圧
は1.04mであり、それぞれの場合の電流電圧変換
利得(I/V利得)は10.6V/mA、10.5V/m
A、10.4V/mAになる。基準電流Irefが0.2m
Aから0.6mAに変化してもI/V利得は殆ど変化せ
ず安定な動作特性が得られた。また本発明による図1
(a)の回路では、基準電流の増幅時にはリセット用ス
イッチ3がON状態にあるために、ドライブ用MOS−
FET1のドレイン電圧の上昇と共にそのゲート電圧も
上昇し、これが帰還作用をしてI/V変換利得が小さく
なり、信号電流増幅時にはリセット用MOS−FETが
OFF状態にあるために、ドライブ用MOS−FET1
のゲート電圧はその直前の基準電流に基くゲート電圧に
設定されていて、帰還作用がなく大きなI/V変換利得
が得られる。実験の結果、基準電流に対するI/V変換
利得は1.07V/mAであるが、信号電流に対するI
/V変換利得は約10倍の10.5V/mAであった。
よって、本発明によればセンサ信号がIref+Isの形態
である場合、基準電流の変動またはバラツキに対しては
安定な出力電圧が得られ、且つ信号電流に対しては大き
な利得が得られ、センサ用のアンプとしては好都合であ
る。図2はリセットスイッチとしてPチャンネル11お
よびNチャンネルMOS−FET10の対からなるアナ
ログスイッチを用いた実施例を示す。このアナログスイ
ッチでは制御端子に相補的なパルスが印加されるために
制御端子とドライブ用MOS−FET1との容量結合に
よるフィードスルーが低減され、ゲートバイアス電圧の
設定精度が向上する。
【0007】図3は本発明の実施例2におけるアンプ付
イメージセンサの等価回路である。イメージセンサ部は
周知の回路であるが、フォトダイオード20、フォトダ
イオードの個別電極の電圧をゲートに受けて動作する増
幅用MOS−FET21、アクセス用MOS−FET2
2およびフォトダイオードの個別電極の電圧を初期状態
に戻すフォトダイオードリセット用MOS−FET23
とからなる複数個の画素24とアクセス用MOS−FE
T22のゲートに供給する走査用信号を発生させる走査
回路25、各画素のアクセス用MOS−FET22のソ
ースを共通に接続してなる画像信号出力ライン26、各
画素のフォトダイオードリセット用MOS−FET23
のソースを共通に接続してリセット電源27に接続する
ためのリセットライン28からなり、CMOSプロセス
で作成される。なお、走査用信号とフォトダイオードの
リセット用パルスのNAND信号がフォトダイオードの
リセット用MOS−FETのゲートに入力される。アン
プ部29は実施例1と同様にドライブ用MOS−FET
1、負荷用MOS−FET2、リセットスイッチ3とし
てのPチャンネルMOS−FET、コンデンサ4および
ソース抵抗5からなり、CMOSプロセスによりセンサ
部と同一チップ上に集積化している。画像信号の直線性
を保つためにリセット電源の電圧はMOS−FETの閾
値電圧よりもかなり大きく設定する必要があるが、その
場合、暗状態で画像信号出力ライン26から暗電流つま
り基準電流Iref が流れ、画像信号IsがIrefに対して
上積みされる形で交互に信号が出力される。基準電流I
refは増幅用MOS−FET21、アクセス用MOS−
FET22のVT、gmの画素間でのバラツキによって変
動し、これが固定パターンノイズ(FPN)となって、
イメージセンサの性能を低下させる。実施例2ではIre
fに対してはI/V変換利得が小さく、Isに対してはI
/V変換利得が大きくなるアンプを内蔵しているため
に、周辺回路が簡単になるばかりではなく増幅後の電圧
信号はFPNが抑圧され、S/N性能も大幅に向上させ
ることができる。図4は本発明の実施例3におけるアン
プ付イメージセンサの等価回路である。図3の回路と比
べて、ゲートをフォトダイオードのリセット電源に接続
した増幅用MOS−FET30とそのアクセス用MOS
−FET31およびアクセス用パルス発生器32が追加
されている。イメージセンサの動作においては読み取り
期間とブランキング期間の2種の動作状態が存在する
が、本実施例ではブランキング期間にアクセス用パルス
発生器32からのパルスによってアクセス用MOS−F
ET31をON状態にすることによって、ブランキング
期間に暗信号つまり基準信号Irefに相当する電流を画
像信号ラインに与えている。これにより、内蔵アンプに
流入する電流信号は常にIref相当の値になり、特に第
1画素、最終画素からの信号電圧と他の画素からの信号
電圧の均一性が向上する。
【0008】図5は本発明のイメージセンサの動作タイ
ミング図であり、外部から供給されるクロックパルスC
K、スタートパルスST、走査回路から出力される走査
用信号Y1、Y2、Y3、フォトダイオードのリセット用
パルス、画像信号出力ラインから出力されてアンプに入
力される画像信号電流Iinおよびアンプから出力される
画像信号電圧を示している。第1画素はパルスY1によ
ってアクセスされ、第1画素のフォトダイオードはY1
とリセット用信号のNAND信号によってリセットされ
る。従って、アクセスパルスY1の立ち上がりからリセ
ットパルスの立ち上がりの間で画像信号が出力され、リ
セットパルスの立ち下がりからアクセスパルスの立ち下
がりの間で暗信号つまり基準信号が出力される。イメー
ジセンサ部からアンプに入力される信号電流IinはIre
fとIsからなっているが、先に述べたようにIrefに対
するI/V変換利得がIsに対するI/V変換利得に比
べて小さいために、画素間でのMOS−FETの特性バ
ラツキによるIrefのバラツキは、I/V変換後には低
減される。よって、アンプから出力される画像信号電圧
における画素間での暗信号のバラツキが低減され、固定
パターンノイズが小さくなる。
【0009】
【発明の効果】本発明のゲート接地アンプは基準電流と
信号電流からなる入力電流を受けて動作するI/V変換
アンプであり、ドライブ用MOS−FETのゲート電圧
が基準電流によって逐次、自己バイアスされ、且つ基準
電流に対してはI/V変換利得を小さく、信号電流に対
しては大きなI/V変換を得ることを可能にするもので
ある。その結果、基準電流の変動に対して安定で高利得
のI/V変換アンプが可能になった。また、本発明のア
ンプはMOS−FETで構成しているために信号発生部
がMOS−FETで構成しているセンサの内蔵アンプ用
として極めて有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の実施例1におけるゲート接地
アンプの等価回路図 (b)は本発明の実施例1におけるゲート接地アンプの
動作タイミング図
【図2】リセットスイッチとしてアナログスイッチを用
いたゲート接地アンプの等価回路図
【図3】本発明の実施例2におけるアンプ付きイメージ
センサの等価回路図
【図4】本発明の実施例3におけるアンプ付きイメージ
センサの等価回路図
【図5】本発明のイメージセンサの動作タイミング図
【図6】従来例におけるゲート接地アンプの等価回路図
【図7】従来例におけるゲート接地アンプの入出力特性
【符号の説明】
1 ドライブ用MOS−FET 2 負荷用MOS−FET 3 リセットスイッチ 4 ゲート電圧保持用コンデンサ 5 ソース抵抗 6 正電源端子 7 信号電流入力端子 8 信号電圧出力端子 9 リセットスイッチの制御端子 10 スイッチ用NチャンネルMOS−FET 11 スイッチ用PチャンネルMOS−FET 20 フォトダイオ−ド 21 増幅用MOS−FET 22 アクセス用MOS−FET 23 フォトダイオ−ドリセット用MOS−FET 30 増幅用MOS−FET 31 アクセス用MOS−FET 32 アクセス用パルス発生器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−244928(JP,A) 特開 平4−268866(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H03F 3/34 - 3/347 H04N 1/028 H04N 5/335

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ドライブ用MOS型電界効果トランジスタ
    (MOS−FET)、負荷用MOS−FET、リセット
    用スイッチ、ゲート電圧保持用コンデンサおよびソース
    抵抗からなり、ドライブ用MOS−FETのソースにソ
    ース抵抗を、ドライブ用MOS−FETのゲートにゲー
    ト電圧保持用コンデンサとリセット用スイッチの一方の
    電極を、ドライブ用MOS−FETのドレインには負荷
    用MOS−FETのソースとリセット用スイッチの他方
    の電極をそれぞれ接続し、ドライブ用MOS−FETの
    ソースに信号電流を入力し、基準信号の出力タイミング
    でリセット用スイッチをON状態にすることによって、
    ドライブ用MOS−FETのゲートをそのドレイン電圧
    に等しい電圧にバイアスし、ドライブ用MOS−FET
    のドレインから信号電圧を出力させることを特徴とする
    ゲート接地アンプ。
  2. 【請求項2】ドライブ用MOS−FETと負荷用MOS
    −FETがNチャンネル型で、リセット用スイッチがP
    チャンネル型FETまたはNチャンネルMOS−FET
    であることを特徴とする請求項1記載のゲート接地アン
    プ。
  3. 【請求項3】ドライブ用MOS−FETと負荷用MOS
    −FETがNチャンネル型で、リセット用スイッチがP
    チャンネルおよびNチャンネルMOS−FETの対から
    なるアナログスイッチであることを特徴とする請求項1
    記載のゲート接地アンプ。
  4. 【請求項4】フォトダイオード、フォトダイオードの個
    別電極の電圧をゲートに受けて動作する増幅用MOS−
    FET、アクセス用MOS−FETおよびフォトダイオ
    ードの個別電極を初期状態に戻すフォトダイオードリセ
    ット用MOS−FETとからなる複数個の画素とアクセ
    ス用MOS−FETのゲートに供給する走査用信号を発
    生させる走査回路、フォトダイオードのリセット電源、
    各画素のアクセス用MOS−FETのソースを共通に接
    続してなる画像信号ライン、画像信号ラインを請求項1
    記載のゲート接地アンプのドライブ用MOS−FETの
    ソースに接続し、基準電流の出力タイミングでリセット
    用スイッチをON状態にすることを特徴とするイメージ
    センサ。
  5. 【請求項5】ゲートをフォトダイオードのリセット電源
    に接続した増幅用MOS−FETとそのアクセス用MO
    S−FETおよびアクセス用パルス発生器を追加し、ブ
    ランキング期間にアクセス用FETをONすることによ
    り基準信号を画像信号ラインに供給することを特徴とす
    る請求項4記載のイメージセンサ。
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