JP2959296B2 - 冷却機能を有する電気ジャーポット - Google Patents

冷却機能を有する電気ジャーポット

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水を沸騰させて沸騰状
態で保温する機能と、熱湯を冷却する冷却機能とを同時
に有している電気ジャーポットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、従来の電気ジャーポットを用い
て赤ちゃんのミルクや煎茶・玉露のように熱湯を使用し
ない飲料を作る場合は、高温で保温している水の温度を
適温にまで冷却する必要がある。この冷却は、電気ジャ
ーポットのヒータ電源を遮断した状態で放置して、自然
冷却する等の方法がとられている。また、発明者らは先
に、熱交換器内に水を循環させるための電動ポンプと、
熱交換器を構成する冷却フィンに送風するための冷却フ
ァンを設けて、水を冷却する方法を提案している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら前記自然
冷却による方法では、例えば3リットルの沸騰水を70
℃まで下げるためには3時間も要するものである。ま
た、熱交換器内に水を循環させるための電動ポンプと、
熱交換器を構成する冷却フィンに送風するための冷却フ
ァンを設けて水を冷却する方法は、以下のような課題を
有している。
【0004】電動ポンプと冷却ファンの回転数は共に水
の温度に関わらず一定としているものである。この形で
は一般に、水の循環量と冷却風量は共に多いほど冷却時
間が短縮され、特に水温が高い程冷却効果が大きく現れ
るものである。この場合、循環量と冷却風量を多くして
冷却時間を短縮しようとすると、ポンプ・冷却ファンの
回転数を高く設定する必要があり、騒音が大きく、軸受
部の寿命が短くなるという問題があった。また別の課題
として、電動ポンプと冷却ファンの駆動用モータはそれ
ぞれ独立していた。
【0005】本発明は上記従来の課題を解決しようとす
るもので、騒音を小さくし、かつ軸受部の寿命を長くす
ることができる電気ジャーポットを提供することを第一
の目的としている。また冷却ユニットの構成を簡素化し
た電気ジャーポットを提供することを第二の目的として
いる。さらに軸・軸受部の構成を簡素化した電気ジャー
ポットを提供することを第三の目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】第一の目的を達成するた
めの本発明の第一の手段は、容器内の水を加熱する加熱
手段と、水の温度を計測する温度センサと、水の保温温
度を切り替える温度選択ボタンと、前記容器内の水を冷
却する熱交換器と、前記熱交換器に送風する冷却ファン
と、熱交換器に水を循環させる電動ポンプと、冷却ファ
ンまたは電動ポンプまたはその両方を、水の温度が高温
の時には高回転数に水の温度が低いときには低回転数に
制御する回転制御部とを備えた冷却機能を有する電気ジ
ャーポットとするものである。
【0007】第二の目的を達成するための本発明の第二
の手段は、本発明の第一の手段の構成に加え、冷却ファ
ンと電動ポンプの駆動用モータを共用化した冷却機能を
有する電気ジャーポットとするものである。
【0008】また第三の目的を達成するための本発明の
第三の手段は、本発明の第一の手段または第二の手段の
構成に加え、駆動用モータの軸上で冷却ファンの羽根車
と駆動用ポンプとを直結した冷却機能を有する電気ジャ
ーポットとするものである。
【0009】
【作用】本発明の第一の手段は、熱交換器に水を循環さ
せるための電動ポンプと冷却フィンに送風する冷却ファ
ンの回転数を水温に応じて調整するようにし、水温が低
くなったときには回転数を下げるように作用するもので
ある。このため、低温時の騒音を下げることができ、ま
た軸受部等の寿命を長くすることができるものである。
【0010】また本発明の第二の手段は、冷却ファンと
電動ポンプの駆動用モータを共用化したもので、構成の
簡単な冷却ユニットの構成を簡素化することができるも
のである。
【0011】また本発明の第三の手段は、駆動用モータ
の軸上で冷却ファンの羽根車と電動ポンプとを直結した
もので、軸・軸受部を共用化して構成を簡素化すること
ができるものである。
【0012】
【実施例】以下本発明の実施例を図1・図2・図3に基
づいて説明する。図において、1は冷却機能を有する電
気ジャーポットの外装本体で、前方には温度選択ボタン
2を設け、底部には吸気口3、側面には排気口4を設
け、内部には水等の液体5を貯溜する容器6を有してい
る。7は閉成時に容器6の開口部を封じるように設けた
上蓋で、外装本体1の上部を開閉するように構成してい
る。容器6の下部底面には容器に貯溜されている液体5
を加熱する加熱手段8が装着されており、容器6の下側
面には液体5の温度を計測する温度センサ9を装着して
いる。また、外装本体1と容器6との間の底部には、電
動ポンプ10が設けられている。電動ポンプ10は操作
ツマミ11を回転または押圧操作することによって動作
し、容器6の底部から揚水パイプ12を通じて注出口1
3まで水を揚水する。14は電動ポンプで、熱交換器1
5内へ容器6内の液体5を循環させる。16は冷却ファ
ンで、本実施例ではクロスフローフアンを使用してお
り、熱交換器15を構成している冷却フィン17に送風
して冷却している。
【0013】次に熱交換器15の構成について、図2に
基づいて説明する。20は熱交換容器で、樹脂・ステン
レス等で構成している。21は液体5が流入する流入
管、22は液体5が流出する流出管である。流入管21
・流出管22は、前記同様樹脂・ステンレス等で構成し
ており、パッキン23を介在させて熱交換容器20と熱
交換板24とによって構成している循環流路25と接続
されている。熱交換板24と冷却フィン17の間には、
ペルチェ素子26を介在させており、循環する液体と空
気とを熱交換させている。また熱交換板24は、機能的
に熱伝導率の高い金属、例えばアルミニウム・銅等の金
属を使用する必要があり、水と接触する面には耐食性の
高い表面処理を行っている。つまり材質が熱伝導率の高
いアルミニウムの場合は、表面をアルマイト処理した
り、または4フッ化エチレン樹脂を表面にコーティング
する処理を行っている。また銅を使用する場合は、表面
をクロームメッキしているものである。冷却フィン17
は、熱交換板24とパッキン23を介在させて、ネジ2
7によって熱交換容器20のフランジ部とネジ止めされ
ており、図1の冷却ファン16によって強制空冷されて
いる。
【0014】次に図3に基づいて本実施例の電動ポンプ
14と冷却ファン16の構成について説明する。18は
電動ポンプ14と冷却ファン16の駆動用モータで、こ
のモータ軸は冷却ファン16を構成する羽根車32の軸
30を兼用し、また電動ポンプ14の軸31は羽根車3
2の軸と兼用している。つまり本実施例では、駆動用モ
ータ18・冷却ファン16・電動ポンプ14を同一軸上
に配置しているため、前記したように軸を兼用した簡単
な構成を実現しているものである。更に、軸受28・軸
受29についても、駆動用モータ18用のものと羽根車
32用のもの、羽根車32用のものと電動ポンプ14用
のものを兼用しているものである。電動ポンプ14は、
軸31に直結したマグネット33と、仕切板34と、仕
切板34を挟んで対向するマグネット35と、マグネッ
ト35を装着したインペラ36とよりなる。
【0015】37は温度センサ9の情報により容器6内
の水の温度に応じて冷却ファン16と電動ポンプ14の
回転数を駆動用モータ18を介して制御する回転制御部
である。なお、電動ポンプ14からの揚水は、容器6の
底部から熱交換器15内を循環して、容器6の上方部に
戻されるようになっている。
【0016】次に本実施例の動作について説明する。容
器6内に水道水を入れて加熱手段8にて加熱し、沸騰状
態で保温する。ここで、熱い水が必要な場合は、操作ツ
マミ11を操作して電動ポンプ10を動作させる。電動
ポンプ10が動作すると、容器6の底部から注出口13
まで水を揚水して外部に給水することができる。
【0017】使用者が温度選択ボタン2を操作して水温
を設定した場合は、この設定温度に到達するまで、冷却
機能が作用する。つまり、ペルチェ素子26・駆動用モ
ータ18に電源が供給される。駆動用モータ18が回転
すると、軸受28・軸受29に保持されている軸30・
軸31と共に冷却ファン16の羽根車32とポンプ14
を構成するマグネット33が回転する。マグネット33
が回転すると、仕切板34を挟んで対向するマグネット
35を装着したインペラ36が回転する。こうして電動
ポンプ14が作動し、容器6の底部から水を揚水して熱
交換容器20に水を供給する。このとき冷却ファン16
の羽根車32が回転しており、冷却風を冷却フィン17
に送風する。一方ペルチェ素子26は水の熱を奪って発
熱しており、この冷却フィン17によって冷却される。
こうして熱交換器15内を循環する水は、温度選択ボタ
ン2によって使用者が指定した温度に達するまで冷却さ
れる。
【0018】このとき、本実施例では回転制御部37に
設定している制御プログラムは、水温が高い場合には駆
動用モータ18の回転数を高回転にし、水温が低くなっ
てくると低回転数にしているものである。つまり、水温
が高い間は循環流量と風量を多くして、短時間で冷却さ
せるようにし、水温が下がってきた段階では循環流量と
風量を少なくすることにより、低温時における冷却ファ
ン・ポンプの騒音を低く抑えるようにしているものであ
る。このような設定としていることによって、軸受28
・軸受29にかかる負担が少なくなり、寿命を長くする
ことができる。
【0019】また本実施例によれば、駆動用モータ18
・冷却ファン16・電動ポンプ14を同一軸上に配置し
て、冷却ファン16用の駆動用モータ18を電動ポンプ
用に兼用した簡単な構成を実現しているものである。
【0020】更に、駆動用モータ18の軸上で冷却ファ
ン16の羽根車32と電動ポンプ14とを直結させて、
軸・軸受部を兼用しているものである。
【0021】
【発明の効果】以上のように本発明の第一の手段は、容
器内の水を加熱する加熱手段と、水の温度を計測する温
度センサと、水の保温温度を切り替える温度選択ボタン
と、前記容器内の水を冷却する熱交換器と、前記熱交換
器に送風する冷却ファンと、熱交換器に水を循環させる
電動ポンプと、冷却機能冷却ファンまたは電動ポンプま
たはその両方を水の温度が高いときには容器内の水の温
度に応じて冷却ファンと電動ポンプの回転数を制御する
回転制御部とを備えた構成として、騒音が低く、かつ軸
受部の寿命を長くした冷却機能を有する電気ジャーポッ
トを実現するものである。
【0022】本発明の第二の手段は、本発明の第一の手
段の構成に加え、冷却ファンと電動ポンプの駆動用モー
タを共用化した構成とすることによって、より簡単な構
成で前記効果を有する冷却機能を有する電気ジャーポッ
トを実現するものである。
【0023】更に本発明の第三の手段は、本発明の第一
の手段または第二の手段の構成に加え、駆動用モータの
軸上で冷却ファンの羽根車と電動ポンプとを直結させた
構成として、軸・軸受部を共用化して構成を簡素化した
冷却機能を有する電気ジャーポットを実現するものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例における冷却機能を有する電気
ジャーポットの側断面図
【図2】 (a)同電気ジャーポットの熱交換器部の側面図 (b)同熱交換器部の平面図 (c)(b)におけるA−A断面図
【図3】同熱交換器における駆動部を一部断面にして示
した平面図
【符号の説明】
6 容器 8 加熱手段 9 温度センサ 10、14 電動ポンプ 15 熱交換器 16 冷却ファン 17 冷却フィン 18 駆動用モータ 26 ペルチェ素子 32 羽根車 35 インペラ 37 回転制御部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−110316(JP,A) 特開 平5−285045(JP,A) 実願 平2−72301号(実開 平4− 30224号)の願書に添付した明細書及び 図面の内容を撮影したマイクロフィルム (JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A47J 27/21

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 容器内の水を加熱する加熱手段と、水の
    温度を計測する温度センサと、水の保温温度を切り替え
    る温度選択ボタンと、前記容器内の水を冷却する熱交換
    器と、前記熱交換器に送風する冷却ファンと、熱交換器
    に水を循環させる電動ポンプと、冷却ファンまたは電動
    ポンプまたはその両方を、水の温度が高温の時には高回
    転数に水の温度が低いときには低回転数に制御する回転
    制御部とを備えた冷却機能を有する電気ジャーポット。
  2. 【請求項2】 冷却ファンと電動ポンプの駆動用モータ
    を共用化した請求項1記載の冷却機能を有する電気ジャ
    ーポット。
  3. 【請求項3】 駆動用モータの軸上で冷却ファンの羽根
    車と電動ポンプを直結した請求項1または2記載の冷却
    機能を有する電気ジャーポット。
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