JP2958419B2 - 水中作業機および水中作業方法 - Google Patents

水中作業機および水中作業方法

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JP2958419B2
JP2958419B2 JP27070796A JP27070796A JP2958419B2 JP 2958419 B2 JP2958419 B2 JP 2958419B2 JP 27070796 A JP27070796 A JP 27070796A JP 27070796 A JP27070796 A JP 27070796A JP 2958419 B2 JP2958419 B2 JP 2958419B2
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敬治 大宮
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、広範囲の水深にお
ける各種の水中作業に適用することのできる水中作業
機、特に、潜水士による直接操縦方式と切換式で支援母
船上または水中作業機周辺の水中のリモコン操縦機によ
り遠隔操縦が可能な水中作業機に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば防波堤や護岸を構築する場合に
は、基礎となる多量の捨石を水底に投入した後、投入さ
れた個々の捨石を潜水士が移動させたり積み上げたりし
て均し作業を実施している。しかし、このような方法で
は作業効率が悪く、多くの労力と時間が必要であり、ま
た作業が人力で行われるために十分な締め固めができ
ず、強固な基礎が得られないという問題があった。ま
た、近年は作業範囲が沖合などの大水深箇所まで拡大し
ているため、作業の危険度や困難度が高まると共に潜水
病対策が必要となり、更に最近は潜水士を多く確保する
こと自体が困難になりつつある。
【0003】このような問題に対しては、例えば陸上用
ブルドーザのエンジン部分を耐圧殻に収納すると共に、
水深に対応した高い排気煙突を設けて水底を走行できる
ようにした水中ブルドーザなどが開発されている。しか
し、あまり煙突を高くすると重心も高くなって転倒しや
すくなるなどの問題が生ずるため、水深7m程度が構造
上の限界となっている。また、マニピュレータを備えた
潜水船式の作業機械も知られているが、船体が大きくな
るために小回りがきかず、また喫水の浅い場所での使用
も困難であり、船体に対してマニピュレータが比較的小
型となるため捨石の均し作業のような重量物を扱う作業
には利用できない等の問題があった。
【0004】このような問題を解決するために、本出願
人は、水上に配置された動力ユニットから供給される空
気によって内部の圧力を水圧と平衡する値に維持される
均圧室を設けた水中作業機を提案した(特開平8−60
662号公報)。この水中作業機は、水中作業機の操縦
席から潜水士が直接操縦するように構成されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記提案に係る水中作
業機は、水中作業機に乗り込んだ潜水士により直接操縦
されるので、潜水士の水中作業の安全性(例えば潜水病
など)に問題があり、特に大水深箇所では潜水士による
操縦は、作業時間が短く制限されるので、困難であっ
た。
【0006】そこで、本発明の目的は、潜水士による直
接操縦と、支援母船上または水中作業機周辺の水中から
の遠隔(リモコン)操縦とを切換えることを可能にし、
広範囲の水深における各種の水中作業に適用することの
できる水中作業機を提供することにある。
【0007】また、本発明の他の目的は、このような水
中作業機を用いた水中作業方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、水上に配置さ
れた動力ユニットから供給される空気によって内部の圧
力を水圧と平衡する値に維持される均圧室を備える水中
作業機において、水上または水中のリモコン装置により
遠隔操縦ができることを特徴とするものである。
【0009】本発明は、さらには、水上または水中のリ
モコン装置による遠隔操縦と、水中作業機に乗り込んだ
潜水士による直接操縦とを、切換えできるようにしてい
る。この場合、潜水士により直接操縦を行う場合には、
前記リモコン操縦機を有するリモコン装置からのリモコ
ン信号を遮断するスイッチ手段を備える、あるいは水上
または水中のリモコン装置による遠隔操縦と、潜水士に
よる直接操縦とのいずれか一方を優先操作とする安全装
置を均圧室内に備えるのが好適である。
【0010】リモコン装置による遠隔操縦の場合には、
作業箇所を視認するために、リモコン装置で操作できる
水中テレビカメラ、モニターテレビを備える必要があ
る。
【0011】本発明の水中作業機の動力としては、水上
に配置された油圧発生装置から供給される油圧、または
水上に配置された電力供給装置から供給される電力を用
いることができる。あるいは、水上に配置された電力供
給装置から供給される電力と、この電力により駆動され
る油圧系機器による油圧とを用いることもできる。
【0012】これらの場合、供給された油圧または電力
は、リモコン装置により、均圧室において制御される。
【0013】水中でリモコン操縦機を操作する場合、潜
水士が水中作業機の近くに立って操作するか、あるいは
潜水士が水中作業機のバケットの機側または、バケット
を取り付けているアームの先端付近に設けられた操縦室
に乗ってリモコン操縦機を操作することができる。
【0014】本発明の水中作業方法によれば、上記のよ
うな水中作業機を、リモコン操縦機により操縦し、水中
での作業を行うことを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】動力として油圧を利用した場合の
一実施例について説明する。図1はこの発明に係る水中
作業方式を実施するシステムの全体構成を示す概略図、
図2および図3はそれぞれ水中作業機および動力ユニッ
トの一例を示す図である。図1は水中捨石マウンド8を
構築する場合の例を示しており、1は水中作業機、2は
動力ユニット、3は潜水士、4は水中作業機用の空気/
油圧供給ケーブル、5は潜水士用の空気供給ケーブル、
6はリモコンケーブル、7は支援母船である。
【0016】水中作業機1には、例えば陸上用のバック
ホウ形式の建設機械を水中作業用に改造したものが使用
される。すなわち図2に示すように、クローラ式の走行
装置11、先端にバケット12aなどを設けたバックホ
ウ形式の作業アーム12や操縦席13などを備えてお
り、作業アーム12や操縦席13などを搭載した旋回体
14が走行装置11に対して旋回できる構造となってい
る。これらの点は一般の陸上用と同様であるが、エンジ
ンや油圧ポンプなどの動力装置は取り外されて、必要な
動力を支援母船上の動力ユニット2から供給するように
なっている。また、後述のような均圧室30を設けて、
その内部を機械室とし、水漏れや水の侵入を避けるべき
機械ユニットや部材等を収納してある。
【0017】なおこの水中作業機1は、水中での作業能
力向上、トラブル防止、水中での視認性向上などのため
に水中部分をできるだけ小型化すると共に、構造を簡素
化してある。すなわち、陸上用における操縦席カバー、
外部カウンターウェイト、エンジンカバーなどを取り外
すと共に、重心の変化や浮力発生を考慮して旋回体14
の内部にカウンターウェイトを設けるなどの処置をと
り、バランス調整してある。また、例えば操縦席13の
後部には非常用の空気ボンベ(図示せず)が設けられ、
更に転倒時の防護用として操縦席13や均圧室30など
を覆う防護柵15が設けられる。また、操縦席13の上
部には、後述する水中テレビカメラ(図示せず)が設置
されている。
【0018】動力ユニット2は支援母船7上に設置され
て水中作業機1に動力を供給するものであって、少なく
とも陸上用の建設機械から取り外された動力装置に相当
する機器が備えられる。この実施例では、図3(A),
(B)に示すように、固定脚21aと移動用車輪21b
を有する基台21に、エンジン22、油圧ポンプ23、
コンプレッサー24、ケーブルドラム25、ケーブルリ
ール26、リモコン使用時パトライト27、異常用パト
ライト28等が搭載される。なお作業場所によっては、
動力ユニット2は支援母船7上ではなく陸上に設置する
こともできる。
【0019】ケーブルドラム25は、空気/油圧供給ケ
ーブル4用であって、巻き取り動力には動力ユニット2
自身の油圧を供給しており、例えば長さ70〜80m程
度までの空気/油圧供給ケーブル4を収納できるように
構成される。水中作業機1は、この空気/油圧ケーブル
4によってエンジン22、油圧ポンプ23、コンプレッ
サー24に接続される。供給される油圧は例えば250
Kgf/cm2 に、空気圧力は予定される水深の圧力よ
り例えば5kgf/cm2 程度高い値に設定される。ま
た、潜水士3の空気供給ケーブル5は空気タンクに接続
される。
【0020】図4は水中作業機の均圧室30の構成の一
例を示す図であり、旋回体14の旋回中心であるスイベ
ルジョイント31を含む位置に上下にまたがって設けら
れている。すなわち、30aは旋回体14に、また30
bは走行装置11のフレーム11aにそれぞれ水密的に
設けられたハウジングであって、均圧室30の上部と下
部はガイドパイプ30cで連通している。
【0021】均圧室30の内部は機械室となっていて、
メインコントロールバルブ32や油圧式旋回モータ3
3、フレーム11aに固定されて油圧式旋回モータ33
の出力ギア33aと噛み合うリングギア34等が収納さ
れており、更に一部は操縦席13の下部まで延びてパイ
ロットアーム13aで操作されるパイロットバルブ13
bが収納されている。また、均圧室30にはレギュレー
タ36および排出弁37が設けられている。
【0022】空気/油圧供給ケーブル4は集合耐圧ホー
スであって、図示しない適宜の接続口を経て空気ホース
はレギュレータ36に、油圧ホースはメインコントロー
ルバルブ32にそれぞれ接続されている。油圧式旋回モ
ータ33や作業アーム12の油圧シリンダー12b,1
2c,12d、更に走行装置11の駆動用油圧モータ
(図示せず)等は、図示しない油圧配管によってメイン
コントロールバルブ32に接続されている。そして、パ
イロットアーム13aにより、またはリモコン信号によ
り制御される電磁バルブによってパイロットバルブ13
bを操作し、パイロット油圧の変動に伴うメインコント
ロールバルブ32の切換えに応じて、それぞれ駆動され
るように構成されている。
【0023】図5に、リモコン操作による制御機構を詳
細に示す。均圧室30の内部には、パイロット油圧ポン
プ70が設けられており、パイロット油圧回路71によ
り、パイロットバルブ13bおよびメインコントロール
バルブ32と連結されている。パイロットバルブ13b
は、電磁バルブ72により操作できるようになってお
り、この電磁バルブは、後述するリモコン装置73によ
り制御される。
【0024】均圧室30の内部には、さらに、主油圧ポ
ンプ74が設けられており、主油圧回路75により、メ
インコントロールバルブ32と、各操作シリンダーおよ
び各油圧シリンダー76と連結されている。この各油圧
シリンダー等には、前述した油圧式旋回モータ33や作
業アーム12の油圧シリンダー12b,12c,12
d、更に走行装置11の駆動用油圧モータ等を含んでい
る。
【0025】パイロットバルブ13bは、潜水士が操縦
するパイロットアーム13aにより、またはリモコン装
置73により制御される電磁バルブ72により操作され
るが、潜水士により操縦している場合には、リモコン装
置による遠隔制御を避けるために、後述するようにリモ
コン装置側にオンオフ・スイッチを設けて、リモコン信
号が送られてこないようにオフにしておくのが良い。
【0026】あるいはまた、前述のようなオンオフ・ス
イッチを設けない場合には、潜水士が操縦するパイロッ
トバルブ13bによる直接操作、リモコン装置による遠
隔操作のいずれか一方を優先操作とする安全装置を均圧
室30内に設けることができる。潜水士3により水中作
業機1が操縦される場合には、潜水士による直接操縦を
優先させる。また、水中作業機1が遠隔操縦される場合
には、パイロットアーム13aの誤作動の発生を考慮し
て、遠隔操縦を優先させる。
【0027】なお、空気/油圧供給ケーブル4には当然
のことながら油圧のリターン側ホースも含まれている
が、必要に応じて通信用の信号ケーブル類も備えられ
る。
【0028】レギュレータ36は図6に示すような構造
であって、均圧室30の最も低い位置の水圧を検出する
ために図4に示すように旋回体14のすぐ下方に配置さ
れている。図において、36aはハウジング、38はダ
イヤフラム、39はクランクレバー、40はシートバル
ブ、41は空気/油圧供給ケーブル4の空気ホースが接
続される高圧給気管、42は均圧室30の内部に連通し
た調圧給気管である。
【0029】ハウジング36aの水圧検出側には複数個
の小穴36bが形成されており、均圧室30の外部の水
圧が内部の圧力より高くなると、ダイヤフラム38が図
の左方向に押されてクランクレバー39が軸39aを中
心として時計方向に回動する。このため、シートバルブ
40の弁体40aが押し上げられ、内部圧力が水圧に対
応した値になるまで高圧給気管41から均圧室30内に
空気が供給される。また、排出弁37には逆止弁が使用
されており、外部の水圧が内部圧力より低くなると開い
て両圧力が平衡するまで均圧室30内の空気を水中に排
出する。
【0030】従って、このようなレギュレータ36と排
出弁37の動作により、均圧室30の内部圧力は常に外
部の水圧と平衡する値に維持されるのであり、ハウジン
グ30aや30bには比較的薄い鋼板などを使用するこ
とができ、シール部分も簡単なもので済むことになる。
また、メインコントロールバルブ32やパイロットバル
ブ13b、油圧式旋回モータ33、旋回駆動用の出力ギ
ア33a,リングギア34等が水漏れや水圧から保護さ
れる。
【0031】図7は、リモコン装置の系統を示す図であ
る。リモコン装置は、基本的には、送信機を構成する操
縦機50と、動力ユニット2上に設置される受信装置5
2とから構成されている。受信装置52は、操縦機50
と有線または無線で接続することのできる受信機54
と、CPU等により構成されるリモコン用ドライバ56
とを備えている。リモコン用ドライバ56には、オンオ
フ・スイッチ59を経てリモコンケーブル6が接続さ
れ、このケーブルはケーブルリール26を経て、水中作
業機1の有する水中コネクタ60に接続される。
【0032】オンオフ・スイッチ59は、潜水士3によ
り操縦する場合に、オフにしておけば、操縦機50が誤
って操作されても、リモコン信号が水中作業機1に送ら
れるおそれはなく、したがって潜水士による操縦が安全
に確保される。
【0033】操縦機50は、水中作業機1に対する操縦
用の各種スイッチのみならず、動力ユニット2のエンジ
ン等に対する操作スイッチをも備えており、通常は、操
縦室58内に設置される。
【0034】無線の場合、操縦機50からの信号は、受
信機54のアンテナで受信され、リモコン用ドライバ5
6に送られる。リモコン用ドライバは、信号の内容を解
析して、動力ユニット上の装置を駆動する信号なのか、
水中作業機を駆動する信号なのかを判別し、制御対象へ
の制御信号を作成して、制御対象へ送り出す。制御対象
が水中作業機の場合には、電気信号により制御される電
磁バルブ72によってパイロットバルブ13bを操作
し、パイロット油圧を変える。これによりメインコント
ロールバルブ32が操作され、水中作業機1の油圧シリ
ンダー等が駆動される。
【0035】次に、リモコン操作の場合の間接視認方式
に用いられる水中テレビカメラの取付けについて説明す
る。水中テレビカメラは、均し部監視用カメラと、全体
監視用カメラとが、それぞれ別々に用いられる。
【0036】図8に示すように、均し部監視用の水中テ
レビカメラ62は、例えば水中作業機の操縦席13の上
部に設ける。この水中テレビカメラは、例えば8倍ズー
ム機能を有し、パンチルト装置により、上下左右に旋回
が可能である。このような操作は、水中テレビカメラの
リモコン装置により制御できる。
【0037】一方、全体監視用の水中テレビカメラは、
支援母船7の船側あるいは水中作業機の周辺の海底に設
置されたスタンドに設けられた固定金具の先端に固定さ
れる。この水中テレビカメラについても、リモコン装置
により操作することができる。
【0038】実施例のシステムは上述のような機材の組
み合わせで構成されており、次にこのようなシステムに
よって海底に捨石マウンド8を構築する場合の作業手順
の一例を説明する。まず、事前の測量に基づく旗竿を目
印にしてその範囲内にガット船から5〜200kgf/
個の捨石8aを所定量投入し、マウンド状に堆積させ
る。投入作業は水深を測定しながら行われ、その精度は
一般に±50〜70cm程度である。なお、この作業は
従来と同様である。
【0039】この投入作業が完了すると、水中作業機1
と動力ユニット2およびクローラクレーン7aを積載し
た支援母船7を作業場所まで運行し、アンカーで固定す
る。次いで動力ユニット2を作動させると共に、クロー
ラクレーン7aを使用して水中作業機1を海中の所定位
置に吊り降ろす。
【0040】水深が浅い場所では、潜水士3が乗り込ん
で走行装置11と作業アーム12を用いながら作業を開
始する。
【0041】このとき、支援母船上でリモコン装置の操
縦機が操作され、リモコン信号が送られてきても、前述
したように安全装置10が作動して、潜水士の操縦が優
先される。
【0042】水深が深い場合、あるいは潜水士による操
縦を行わない場合には、リモコン装置で水中作業機1を
操縦することになる。水中作業機1に搭載された水中テ
レビカメラ、および支援母船または周辺に設けられた水
中テレビカメラからの映像を、操縦室58内に設けられ
たモニターテレビ80に表示しながら、リモコン操縦を
行う。
【0043】まず天端部の荒均しを行い、丁張用の杭を
埋め込んでそれに基準高を示す定規を設置し、天端中央
部付近より均しを行い、法面方向に順次均して行く。こ
の時、捨石8aを一度に積み上げるのではなく、水中作
業機1で可能な限りこまめに転圧しながら少しずつ積み
上げて行くのである。法面部は天端部と同様に積み上げ
ながらバケット12aで転圧し作業は進められる。こう
して一日分の水中作業が終了すると、水中作業機1を支
援母船7上に吊り上げ、水洗い、点検等を行って作業を
完了する。
【0044】なお、水中作業機1の吊り降ろしと吊り上
げの際には水深の変化に伴って水圧が逐次変化するの
で、動力ユニット2は少なくとも均圧室30が水中にあ
る間は作動させておく必要がある。
【0045】以上、水中捨石マウンドを構築する場合の
捨石均しについて説明したが、水中作業機1の本体はそ
のままで各種のアタッチメントを使用することにより、
海底管や海底ケーブルなどの敷設、海底掘削、根固めブ
ロックや消波ブロックなどの据付、養殖場や水路などの
清掃、砂や被覆石などの均し等、各種の水中作業に適用
することが可能である。また、水中作業機1は実施例の
ように作業装置としてバックホウを備えたものではな
く、排土板やショベルなど他の作業装置を備えた作業
機、例えばブルドーザ、ショベルローダ、ローディング
ショベルなどであってもよく、それぞれの用途に適した
各種の水中作業を実施することができる。
【0046】また、油圧ではなく電力を動力としてこれ
をケーブルによって水中作業機1に供給することも可能
である。この場合の動力ユニット2には、必要な電力を
発生するための発電設備や、陸上の電源から給電される
電力を中継し、あるいは変電する設備などの電力供給装
置を備えたものが用いられ、また水中作業機1には、電
力供給装置から供給される電力で駆動される電気式モー
タやこのモータで駆動される油圧ポンプなどの機器が備
えられ、これらの機器やその制御機構が均圧室30内に
収納されることになる。なお、油圧と電力を併用して、
駆動される機器に応じてこれを使い分けるようにするこ
とも可能である。
【0047】以上の実施例は、リモコン装置の操縦機が
船上にある場合であったが、操縦機を水中で潜水士が操
作するようにすることもできる。図9は、その場合の作
業方式を示す概念図である。潜水士3は、水中作業機1
の近辺に立ち、リモコン装置の操縦機90を操作して、
水中作業機1を操縦する。操縦機90は、潜水士が持ち
運びできる程度の大きさの均圧ボックス91(前述した
均圧室30と同様の均圧機構を有する)内に設けられて
いる。潜水士3および操縦機用均圧ボックス91には、
空気供給ケーブル5が接続され、空気が送り込まれる。
また、操縦機90は、潜水士用リモコンケーブル92を
経て、支援母船上の受信装置52の受信機54に接続さ
れる。受信装置52から水中作業機1への接続、水中作
業機1への空気/油圧の供給、水中作業機1の構造は、
前述した実施例と全く同じである。
【0048】本実施例によれば、潜水士が水中作業機1
に乗って操縦するのではなく、水中作業機の操縦者であ
る潜水士が水中作業機から離れた位置で作業部位を見な
がら操縦することができ、さらには、潜水士が直接施工
場所により近づくことにより、より細やかなアタッチメ
ント操作が可能となり、作業能率の向上と施工精度の向
上が図れる。
【0049】あるいはまた、潜水士の乗る操縦室95
を、図10に示すように、水中作業機1のバケット12
aの機側または、バケットを取り付けているアーム12
の先端付近に設け、前述したリモコン操縦機90を操作
するようにすることもできる。
【0050】このようにバケット機側またはアーム先端
付近で水中作業機の走行・旋回・ブーム・アーム・バケ
ット操作を行うことにより、視界・透明度の悪い濁った
水域においても水中作業機による水中作業の施工が可能
となる。また、アーム先端またはバケット上部に照明器
具を取り付けることにより、更に視界の確保が可能とな
り、濁った水域での施工範囲の拡大が可能である。さら
には、バケット先端で潜水士が直接バケットに触って作
業を行うことにより、極細かな操縦調整が可能となる。
【0051】図9および図10で説明したリモコン操縦
機90は、リモコンケーブル92で支援母船上の受信機
に接続した構成であるが、油圧式のリモコン操縦機とす
ることもできる。この場合の例を図11に示す。
【0052】均圧室内にパイロットバルブを設け、この
パイロットバルブをパイロットアームで操作する操縦機
96を構成し、この操縦機をリモコン用油圧ホース97
を介して、図12に示すように、水中作業機1の均圧室
30の分圧バルブ98を経て、メインコントロールバル
ブ32に連結する。あるいは、図示しない分圧バルブを
経てリモコン用油圧ホース97を水中作業機1の操縦装
置に連結してもよい。
【0053】本実施例によれば、油圧コントロールバル
ブの切換えにより、バケット機側でのリモコン運転時は
常にスロースピードでハイトルク状態(回転数を落とし
てトルクを上げる方式・機構)を保持するように油圧を
設定することにより、作業の安定性が向上するとともに
急激な操作による潜水士の危険防止が図れる。
【0054】
【発明の効果】本発明によれば、潜水士による直接操縦
と、リモコン装置による遠隔操縦とを適宜選択できるの
で、作業条件に応じて広範囲の水深における各種の水中
作業を効率よく行うことが可能となる。また、遠隔操縦
のみ行う場合には、将来の無人化施工に向けた機能の開
発に寄与するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る水中作業機を用いた作業方法の一
例を示す概念図である。
【図2】本発明の水中作業機の一例の側面図である。
【図3】動力ユニットの一例の平面図および側面図であ
る。
【図4】均圧室の一例の側断面である。
【図5】リモコン操作による制御機構を示す図である。
【図6】レギュレータの側断面図である。
【図7】リモコン装置の系統を示す図である。
【図8】水中テレビカメラの設置状態を示す図である。
【図9】本発明に係る水中作業機を用いた作業方法の他
の例を示す概念図である。
【図10】操縦室をバケット機側またはアーム先端付近
に設けた例を示す図である。
【図11】油圧式のリモコン操縦機による作業方法を示
す図である。
【図12】図11に関連する油圧系統を示す図である。
【符号の説明】
1 水中作業機 2 動力ユニット 3 潜水士 4 空気/油圧供給ケーブル 5 空気供給ケーブル 6 リモコンケーブル 7 支援母船 10 安全装置 11 走行装置 12 作業アーム 13 操縦席 13a パイロットアーム 13b パイロットバルブ 14 旋回体 22 エンジン 23 油圧ポンプ 24 コンプレッサー 25 ケーブルドラム 26 ケーブルリール 32 メインコントロールバルブ 50 操縦機 52 受信装置 54 受信機 56 リモコン用ドライバ 58 操縦室 59 オンオフ・スイッチ 60 水中コネクタ 62 水中テレビカメラ 72 電磁バルブ 73 リモコン装置 80 モニターテレビ 90,96 潜水士用操縦機 91 操縦機用均圧ボックス 92 リモコンケーブル 97 リモコン用油圧ホース
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) E02D 15/10

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水上に配置された動力ユニットから供給さ
    れる空気によって内部の圧力を水圧と平衡する値に維持
    される均圧室を備え、水上に配置された油圧発生装置か
    ら供給される油圧を動力として駆動される水中作業機に
    おいて、 前記均圧室の内部に、 パイロット油圧回路により連結されたパイロット油圧ポ
    ンプと、パイロット油圧を変えるパイロットバルブと、
    パイロット油圧により操作されるメインコントロールバ
    ルブとを備え、 主油圧回路により連結された前記メインコントロールバ
    ルブと、主油圧ポンプと、前記水中作業機の各部を駆動
    するための各油圧シリンダーとを備え、 前記パイロットバルブは、前記水中作業機に乗り込んだ
    潜水士が操縦するパイロットアームにより、またはリモ
    コン装置により制御される電磁バルブにより操作される
    ことを特徴とする水中作業機。
  2. 【請求項2】前記リモコン装置は、送信機を構成するリ
    モコン操縦機と、このリモコン操縦機と有線または無線
    で接続される受信機およびこの受信機からの指示に基づ
    いてリモコン信号を発生するリモコン用ドライバを有す
    る受信装置とから構成され、前記リモコン用ドライバは
    オン・オフスイッチを経てリモコンケーブルに接続さ
    れ、このケーブルは、前記均圧室内の前記電磁バルブに
    接続されていることを特徴とする請求項1記載の水中作
    業機。
  3. 【請求項3】前記リモコン装置は水上に配置され、水中
    作業機は作業箇所を視認するための水中テレビカメラを
    備え、この水中テレビカメラは、水上のモニタテレビを
    監視しながら前記リモコン操縦機で動作できることを特
    徴とする請求項2記載の水中作業機。
  4. 【請求項4】前記リモコン装置を構成するリモコン操縦
    機は、前記均圧室と同様の均圧機構を有する均圧ボック
    内に設けられて水中に配置され、前記受信装置は水上
    に配置され、前記リモコン操縦機はケーブルにより前記
    受信機に接続されていることを特徴とする請求項2記載
    の水中作業機。
  5. 【請求項5】潜水士により直接操縦を行う場合には、前
    記オン・オフスイッチをオフにし、前記リモコン用ドラ
    イバからのリモコン信号を遮断することを特徴とする請
    求項2,3または4のいずれかに記載の水中作業機。
  6. 【請求項6】前記リモコン装置による遠隔操縦と、潜水
    士による直接操縦とのいずれか一方を優先操作とする安
    全装置を前記均圧室内に備えることを特徴とする請求項
    1〜4のいずれかに記載の水中作業機。
  7. 【請求項7】水上に配置された動力ユニットから供給さ
    れる空気によって内部の圧力を水圧と平衡する値に維持
    される均圧室を備え、水上に配置された油圧発生装置か
    ら供給される油圧を動力として駆動される水中作業機に
    おいて、 前記均圧室の内部に、 パイロット油圧回路により連結されたパイロット油圧ポ
    ンプと、パイロット油圧を変えるパイロットバルブと、
    パイロット油圧により操作されるメインコントロールバ
    ルブとを備え、 主油圧回路により連結された前記メインコントロールバ
    ルブと、主油圧ポンプと、前記水中作業機の各部を駆動
    するための各油圧シリンダーとを備え、 前記パイロットバルブは、前記水中作業機に乗り込んだ
    潜水士が操縦するパイロットアームにより操作され、ま
    たは水中で使用される油圧式のリモコン操縦機により操
    作されることを特徴とする水中作業機。
  8. 【請求項8】前記リモコン操縦機は、前記均圧室と同様
    均圧機構を有する均圧ボックスに設けられたパイロッ
    トバルブをパイロットアームで操作する操縦機であり、
    この操縦機はリモコン用油圧ホースを介して、前記水中
    作業機の均圧室内の前記パイロットバルブを操作するこ
    とを特徴とする請求項7記載の水中作業機。
  9. 【請求項9】前記リモコン操縦機を操作する潜水士が乗
    り込む操縦室が水中作業機のバケットの機側または、バ
    ケットを取り付けているアームの先端付近に設けられて
    いることを特徴とする請求項7または8記載の水中作業
    機。
  10. 【請求項10】潜水士は、水中作業機の近辺に立って、
    前記リモコン操縦機を操作することを特徴とする請求項
    7または8記載の水中作業機。
  11. 【請求項11】請求項1〜10のいずれかに記載の水中
    作業機を水底におろし、水上または水中の前記リモコン
    操縦機により操縦し、水中での作業を行うことを特徴と
    する水中作業方法。
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