JP2958269B2 - 脱墨方法 - Google Patents

脱墨方法

Info

Publication number
JP2958269B2
JP2958269B2 JP14024896A JP14024896A JP2958269B2 JP 2958269 B2 JP2958269 B2 JP 2958269B2 JP 14024896 A JP14024896 A JP 14024896A JP 14024896 A JP14024896 A JP 14024896A JP 2958269 B2 JP2958269 B2 JP 2958269B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
potential
pulp
ink
flotation
deinking
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP14024896A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH09324381A (ja
Inventor
裕一 入夏
芳孝 宮内
広通 ▲高▼橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority to JP14024896A priority Critical patent/JP2958269B2/ja
Application filed by Kao Corp filed Critical Kao Corp
Priority to DE1997602909 priority patent/DE69702909T2/de
Priority to KR1019980705102A priority patent/KR19990076974A/ko
Priority to PCT/JP1997/001794 priority patent/WO1997046753A1/en
Priority to US09/117,437 priority patent/US6103056A/en
Priority to ES97922199T priority patent/ES2149593T3/es
Priority to CN97195205A priority patent/CN1077632C/zh
Priority to EP19970922199 priority patent/EP0904448B1/en
Priority to ID971887A priority patent/ID17299A/id
Publication of JPH09324381A publication Critical patent/JPH09324381A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2958269B2 publication Critical patent/JP2958269B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • DTEXTILES; PAPER
    • D21PAPER-MAKING; PRODUCTION OF CELLULOSE
    • D21CPRODUCTION OF CELLULOSE BY REMOVING NON-CELLULOSE SUBSTANCES FROM CELLULOSE-CONTAINING MATERIALS; REGENERATION OF PULPING LIQUORS; APPARATUS THEREFOR
    • D21C5/00Other processes for obtaining cellulose, e.g. cooking cotton linters ; Processes characterised by the choice of cellulose-containing starting materials
    • D21C5/02Working-up waste paper
    • D21C5/025De-inking
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W30/00Technologies for solid waste management
    • Y02W30/50Reuse, recycling or recovery technologies
    • Y02W30/64Paper recycling

Landscapes

  • Paper (AREA)
  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新聞紙、チラシ、
雑誌等の古紙を脱インキして再利用するための脱墨方法
に関する。更に詳しくは、本発明は、より嵩高なパルプ
シートが得られる脱墨方法に関する。
【0002】
【課題を解決するための手段】古紙は、脱墨処理により
古紙からインキを剥離し、再生パルプを得て、当該再生
パルプから再生紙を製造することにより、再生される。
従来の脱墨方法は、一般的に、古紙からインキを剥離す
る工程と、剥離されたインキを排出する工程からなる。
より具体的には、脱墨方法は、その主要な工程として、
(1) 古紙のパルピング(離解)工程、(2) 熟成、即ち、
離解された紙をそのまま放置する、工程、(3) フロテー
ション工程、及び(4) 洗浄工程を含む。即ち、脱墨処理
においては、古紙繊維に結着したインキを物理的、化学
的(或いは生化学的)に剥離して、繊維からインキを分
離する。このようにして、再生パルプが得られる。
【0003】上記のような従来の脱墨処理におけるイン
キ剥離は、一般に、高pH(pH10〜9)下で行われ、
引き続いて同条件でフロテーション工程でインキの除去
が行われる。
【0004】近年、美しく安定な印刷に対する需要の増
大や印刷技術の進展により、原料として使用される古紙
の性状が多様化してきている。加えて、インキの紙への
結合の程度が、緩やかなものから強固なものまで、多岐
に亘っている。このような状況において、脱墨パルプの
品質及び歩留り(即ち、生産性)の向上が要求されてい
る。この目的を達成するために、脱墨工程、脱墨剤及び
脱墨に用いる装置などの各方面から、種々の提案がなさ
れている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来提
案されている技術の多くは、脱墨パルプの白色度の向上
に関するものが多く、パルプシートの強度や嵩密度につ
いては十分な検討がされているとは言いがたい。例えば
前記したように、従来の脱墨方法においては、パルピン
グ工程及びフロテーション工程は、一般的にpH10〜9
のアルカリ性pHで行なわれるが、得られたパルプシー
トの紙力や嵩密度は十分とは言えない。また、パルピン
グ工程及びフロテーション工程をpH9以下で行ういく
つかの脱墨方法も知られている(特開昭54−2370
5号公報、同59−53532号公報、及び米国特許第
4,043,903号)が、これらの方法は必ずしもパ
ルプシートの強度や嵩密度を向上させるための方策とし
て有効ではない。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者はフロテーショ
ンによるインキの除去について詳細に検討した結果、フ
ロテーション工程でのインキとパルプの界面電位がパル
プシートの嵩密度に大きな影響を与えることを見出し、
本発明を完成した。
【0007】即ち、本発明は、少なくとも、原料古紙か
らインキを剥離する工程と剥離したインキをフロテーシ
ョン法によって除去する工程を含む脱墨方法であって、
インキ剥離のために界面活性剤の少なくとも一種以上を
用い、フロテーション工程におけるインキ粒子の界面電
位をζ電位として−5mV〜−60mVの範囲に制御し、パル
プの界面電位をζ電位として−15mV〜+15mVの範囲に制
御し、且つインキ粒子のζ電位とパルプの界面電位のζ
電位の差を10mV以上に制御することを特徴とする脱墨方
法を提供するものである。
【0008】本発明において、原料古紙からインキを剥
離する工程は、原料古紙を適当に裁断した後、温水やア
ルカリ剤等の各種薬剤を添加して調製したパルプスラリ
ーに脱墨剤である界面活性剤を加えて機械的に攪拌する
ことにより行われる。次いで、剥離インキを含むパルプ
スラリーをフロテーターに導入してフロテーション工程
を行う。本発明においては、フロテーション工程のイン
キ粒子の界面電位をζ電位として−5mV〜−60mV、好ま
しくは−10mV〜−40mV、更に好ましくは−20mV〜−30mV
の範囲に制御する。またフロテーション工程のパルプの
界面電位をζ電位として−15mV〜+15mV、好ましくは−
5mV〜+5mV、更に好ましくは−5mV〜0mVの範囲に制
御する。更に、この両者のζ電位の差が10mV以上、好ま
しくは15mV以上、更に好ましくは20mV以上となるように
制御する。これらのζ電位は、フロテーション中或いは
フロテーション工程前に調整されれば良く、フロテーシ
ョン工程の開始直前に測定するのが好ましく、その値が
上記範囲であれば、フロテーション工程中に界面電位が
変動(例えば、後述のカチオン性化合物の添加等によ
り)してもかまわないが、フロテーション工程中も上記
界面電位を満足するのが好ましい。なお、別途実験室的
にフロテーション工程でのζ電位を上記に制御する方法
を検討し、その方法を工場等の実機レベルでの実施に適
用してもよい。この場合、予め見い出されたζ電位の制
御方法を実機操作に適用すればよい。
【0009】本発明において、インキ及びパルプの界面
電位(ζ電位)の制御は、例えば、フロテーション工程
の系(すなわち処理水)のpHを変化させることによ
り、或いは、フロテーション工程の系に無機電解質を添
加することによって行うことができる。好ましくはpH
の変化によりζ電位を制御する。具体的には、フロテー
ション工程の系のpHを中性付近から弱酸性の間で調整
することによって行われ、pH調整のためには塩酸、硫
酸などの酸を添加することによってなされる。また、無
機電解質を添加する場合には、塩化カルシウム、塩化マ
グネシウム、塩化カリウム、塩化ナトリウム、硫酸カル
シウム、硫酸マグネシウム、硫酸カリウム、硫酸ナトリ
ウム、硫酸アルミ等の塩を目的とするζ電位となるよう
に添加する。
【0010】本発明において、インキ粒子及びパルプの
ζ電位は、ζ電位測定装置によって測定することがで
る。ζ電位は測定法によって若干異なった数値を示す
が、本発明では Pen Kem社製 System 3000を用いて電気
泳動法にて測定する。ζ電位の測定は、パルプスラリー
では濃度が高いため、0.005 M塩化カリウム溶液にサン
プルスラリーを適当量添加し、具体的にはパルプのサン
プルはフロテーションにおけるパルプスラリーをそのま
ま希釈して用い、インクのサンプルはフロテーションに
おけるパルプスラリーを120 メッシュ或いは200 メッシ
ュのふるいによってろ過した後、ろ液を希釈してそのζ
電位を前記の装置により測定して行う。パルプのζ電位
はフロテーションにおけるパルプスラリーをそのまま測
定することで測定可能であるが、インキのζ電位は、イ
ンキがパルプに対して少量なため、微細繊維が極端に多
い場合は更に細かい目のふるいにてろ過する必要があ
る。また、もしろ過で十分に分離できない場合は、イン
キ−パルプの電荷分布からパルプの電荷分布を差し引く
ことによってインキのζ電位を計算することができる。
前記した Pen Kem社の System 3000は電荷分布の測定も
可能である。
【0011】本発明において、上記のようにフロテーシ
ョン工程でのインキ粒子及びパルプの界面電位を調節す
ることにより、より嵩高なパルプシートが得られる理由
は必ずしも明らかではないが、例えば以下のような理由
が考えられる。ζ電位を上記の範囲で調節することによ
り、パルプの電荷が小さくなり、静電的な反発が小さく
なる。従来の脱墨方法では浮遊していた微細繊維はフロ
テーション時にインキと共に除去されるか、或いは、洗
浄工程で除去されていた。しかし本発明のようにζ電位
の調節により、静電的な反発が小さくなることによっ
て、微細繊維はより長い繊維に吸着し、系内に滞留し流
れ出ないことによって一定の繊維間距離を保つこととな
って、結果的にパルプの密度が減少し、得られたパルプ
シートが低密度になると考えられる。
【0012】本発明の別の態様によれば、少なくとも、
原料古紙からインキを剥離する工程と剥離したインキを
フロテーション法によって除去する工程を含む脱墨方法
であって、インキ剥離のために界面活性剤の少なくとも
一種以上を用い、剥離インキを含むパルプスラリーにお
けるインキ粒子の界面電位をζ電位として−5mV〜−60
mVの範囲に制御し、パルプの界面電位をζ電位として−
15mV〜+15mVの範囲に制御し、且つインキ粒子のζ電位
とパルプの界面電位のζ電位の差を10mV以上に制御した
後、フロテーション工程を行うことを特徴とする脱墨方
法が提供される。
【0013】また、本発明者らは、上記の知見を基礎と
し、更にフロテーション工程における界面電位と脱墨性
能について詳細に検討した結果、フロテーション工程に
おけるインキ粒子の界面電位及びパルプの界面電位と脱
墨結果(特にパルプシートの嵩密度)の間には相関があ
ることを見出した。即ち、フロテーション工程を含む任
意の脱墨方法において、所望の結果が得られるときのイ
ンキの界面電位とパルプの界面電位を測定し、その系に
おける界面電位の適正範囲を選定しておけば、実際に脱
墨処理(フロテーション工程)を実施している間に、そ
の系の界面電位がこの適正範囲にあるかどうかを見るだ
けで最終的な脱墨結果が予測できる。即ち、例えば、上
記のようにフロテーション工程でのインキ粒子の界面電
位がζ電位として−5mV〜−60mV、パルプの界面電位が
ζ電位として−15mV〜+15mV、且つインキ粒子のζ電位
とパルプの界面電位のζ電位の差が10mV以上である場合
には、この脱墨処理により得られる脱墨結果が良好とな
ることが判断できる。逆に、両者の界面電位がこの範囲
を外れる場合には、脱墨結果が悪いことが予測できる。
脱墨結果をフロテーション工程のインキ粒子の界面電位
及びパルプの界面電位により予測する本発明のこの方法
は、信頼性が高く、実機操業において脱墨処理を制御す
るのに有効な手段となる。
【0014】従って、本発明は、原料古紙からインキを
剥離し、剥離したインキをフロテーション法によって除
去する工程を含む脱墨方法において、フロテーション工
程におけるインキ粒子の界面電位とパルプの界面電位を
測定し、インキ粒子の界面電位がζ電位として−5mV〜
−60mVの範囲にあり、パルプの界面電位がζ電位として
−15mV〜+15mVの範囲にあり、且つインキ粒子のζ電位
とパルプの界面電位のζ電位の差が10mV以上にある場合
に脱墨処理を継続することを特徴とする脱墨方法を提供
する。また、本発明は、原料古紙からインキを剥離し、
剥離したインキをフロテーション法によって除去する工
程を含む脱墨方法において、フロテーション工程におけ
るインキ粒子の界面電位とパルプの界面電位を測定し、
インキ粒子のζ電位、パルプのζ電位及びインキ粒子の
ζ電位とパルプのζ電位の差から、脱墨性能を予測する
方法を提供する。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の脱墨方法は、インキ剥離
のために、界面活性剤の少なくとも一種以上が用いられ
る。界面活性剤としては、従来脱墨剤として公知の界面
活性剤を用いることができるが、陽イオン界面活性剤、
陰イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤が好ましく、
特に好ましくは非イオン界面活性剤である。そして、非
イオン界面活性剤としては、下記の(A)〜(D)から
選ばれる1種又は2種以上が好ましい。特に好ましくは
下記の(A)、(B)及び(C)で表される非イオン界
面活性剤であり、更に好ましくは下記の(C)で表され
る非イオン界面活性剤である。
【0016】<非イオン界面活性剤(A):油脂とアル
コールの混合物にアルキレンオキサイドを付加して得ら
れた反応生成物>非イオン界面活性剤(A)は、油脂
と、1価又は多価アルコールとの混合物のアルキレンオ
キサイド付加物である。アルキレンオキサイドは、上記
混合物に、当該混合物1モルあたり、平均で5〜300
モル、好ましくは20〜150モルの量で付加される。
アルキレンオキサイドの例としては、エチレンオキサイ
ド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドが挙げ
られ、それらは、単独でも、それらの二種以上の混合物
の形で用いてもよい。
【0017】アルコールに対する油脂の混合割合は、1
/0.1〜1/6が好ましく、1/0.3〜1/3が特
に好ましい。この比が上記範囲内であると、インキの剥
離が十分に行われるため、見栄えの良い再生パルプが得
られる。
【0018】非イオン界面活性剤(A)の原料としての
油脂の例としては、椰子油、パーム油、オリーブ油、大
豆油、菜種油、アマニ油等の植物油、豚脂、牛脂、骨油
等の動物油、魚油、これらの硬化油及び半硬化油、及
び、これら油脂の精製工程で得られた回収油が挙げられ
る。特に椰子油、パーム油、牛脂が好ましい。
【0019】非イオン界面活性剤(A)の原料としての
1価アルコールの例としては、炭素数8〜24のアルキ
ル又はアルケニル部分を有するもの、及び、そのアルキ
ル部分が炭素数6〜14であるアルキルフェニル部分を
有するものが挙げられる。好ましくは炭素数12〜18
のアルキル部分を有するものである。その具体例として
は、1−オクタノール、1−ノナノール、1−デカノー
ル、1−ウンデカノール、1−ドデカノール、1−トリ
デカノール、1−テトラデカノール、1−ペンタデカノ
ール、1−ヘキサデカノール、1−ヘプタデカノール、
1−オクタデカノール、1−ノナデカノール、1−エイ
コサノール、1−ヘンエイコサノール、1−ドコサノー
ル、1−トリコサノール、1−テトラコサノール、2−
オクタノール、2−ノナノール、2−デカノール、2−
ウンデカノール、2−ドデカノール、2−トリデカノー
ル、2−テトラデカノール、2−ペンタデカノール、2
−ヘキサデカノール、2−ヘプタデカノール、2−オク
タデカノール、2−ノナデカノール、2−エイコサノー
ル、2−オクテン−1−オール、2−ドデセン−1−オ
ール、2−ウンデセン−1−オール、2−テトラデセン
−1−オール、2−ペンタデセン−1−オール、2−ヘ
キサデセン−1−オール、2−オクタデセン−1−オー
ル、8−ノネン−1−オール、10−ウンデセン−1−
オール、11−ドデセン−1−オール、12−トリデセ
ン−1−オール、15−ヘキサデセン−1−オール、オ
レイルアルコール、エライジルアルコール、リノレイル
アルコール、リノレニルアルコール、エレオステアリル
アルコール、リシノイルアルコール、シクロノナノー
ル、シクロデカノール、シクロウンデカノール、シクロ
ドデカノール、シクロトリデカノール、シクロテトラデ
カノール、シクロペンタデカノール、シクロヘキサデカ
ノール、シクロヘプタデカノール、シクロオクタデカノ
ール、シクロノナデカノール、シクロコサノール、オク
チルフェノール及びノニルフェノールを挙げることがで
きる。
【0020】非イオン界面活性剤(A)の原料としての
多価アルコールの例としては、エチレングリコール、プ
ロピレングリコール、トリメチレングリコール、ブチレ
ングリコール、1,6−ヘキサングリコール、2−エチ
ルブタン−1,2,3−トリオール、グリセリン、トリ
メチロールプロパン、トリメチロールエタン、1,2,
4−ブタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオー
ル、1,1,1−トリメチロールヘキサン、テトラメチ
ロールシクロヘキサノール、ジグリセリン、マンニタ
ン、ペンタエリトリット、エリトリット、アラビット、
ソルビット、D−グリセロ−D−ガラクトヘプトース、
D−グリセロ−D−グルコヘプトース、D−グリセロ−
D−マンノヘプトース、D−グリセロ−L−マンノヘプ
トース、D−アルトロヘプツロース、D−マンノヘプツ
ロース、D−アルトロ−3−ヘプツロース、D−グリセ
ロ−D−ガラヘプチトール、D−エリスロ−D−ガラオ
クチトール、D−グリセロ−D−マンノオクツロース、
D−エリスロ−L−グロノヌロース、セロビオース、マ
ルトース、ラクトース、ゲンチアノース、セロトリオー
ス及びスタキオースが挙げられる。好ましくはエチレン
グリコール、プロピレングリコール、グリセリン、トリ
メチロールプロパンである。
【0021】<非イオン界面活性剤(B):式:RCO
O(AO)mR’で表される化合物>上記式中、Rは、炭
素数7〜23のアルキル又はアルケニル基を示し、R’
は、水素原子、炭素数1〜22のアルキル基、炭素数2
〜22のアルケニル基もしくは炭素数2〜22のアシル
基、好ましくは水素を示し、AOは、炭素数2〜4のオ
キシアルキレン基を示し、mは1以上の整数である。R
の定義中のアルキル又はアルケニル基の炭素数が7〜2
3であると、非イオン界面活性剤(B)は、優れたイン
キ捕集能と、優れたインキ剥離性能を示し、それによ
り、高白色度で見栄えの良い再生パルプを提供する。
【0022】R’の定義中のアルキル、アルケニル又は
アシル基の炭素数が22以下であると、非イオン界面活
性剤(B)は、セルロースからの優れたインキ剥離性能
を示し、それにより、見栄えの良い再生パルプを提供
し、且つ、適切な気泡性を示し、それにより、優れた生
産性を達成する。
【0023】非イオン界面活性剤(B)は、従来の方法
で、脂肪酸にアルキレンオキサイドを付加し、必要に応
じてエステル化或いはアシル化されて製造される。アル
キレンオキサイドは、脂肪酸に、脂肪酸1モルあたり、
平均で5〜300モル、好ましくは10〜150モルの
量で付加される。即ち、非イオン界面活性剤(B)は、
通常は、それぞれが上記式:RCOO(AO)mR’で示
される化合物からなる、反応生成物混合物である。アル
キレンオキサイドの例としては、非イオン界面活性剤
(A)に関連した上記説明において記載されたものを挙
げることができる。非イオン界面活性剤(B)の製造に
おいては、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイド
を、プロピレンオキサイドに対するエチレンオキサイド
のモル比が1/5〜5/1で用いるのが好ましい。
【0024】非イオン界面活性剤(B)を製造するため
に用いられる脂肪酸の例としては、Rに相当するアルキ
ル又はアルケニル部分の炭素数が7〜23のものが挙げ
られ、その具体例としては、カプリル酸、ペラルゴン
酸、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、トリデカ
ン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、
マルガリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、エライジン
酸、リノール酸、リノレイン酸、ステアロール酸、リシ
ノール酸、リシノエライジン酸、ノナデカン酸、アラキ
ジン酸、ヘンエイコサン酸、ベヘン酸、ブラシジン酸、
エルカ酸、トリコサン酸、テトラコサン酸、椰子油脂肪
酸、牛脂脂肪酸、パーム油脂肪酸、トール油脂肪酸、な
たね油脂肪酸及び魚油脂肪酸を挙げることができる。非
イオン界面活性剤(B)の中で、Rで示されるアルキル
又はアルケニル基、特にアルキル基の炭素数が11〜2
3のものが好ましい。
【0025】<非イオン界面活性剤(C):式:RO
(AO)nHで表される化合物>上記式中、Rは、炭素数
8〜24のアルキル又はアルケニル基を示し、AOは、
炭素数2〜4のオキシアルキレン基を示し、nは1以上
の整数である。Rの定義中のアルキル又はアルケニル基
の炭素数が8〜24であると、非イオン界面活性剤
(C)は、優れたセルロースからのインキ剥離能を示
し、それ故、高白色度で見栄えの良い再生パルプを提供
する。
【0026】非イオン界面活性剤(C)は、従来の方法
で、1価アルコールにアルキレンオキサイドを付加して
製造される。アルキレンオキサイドは、1価アルコール
に、1価アルコール1モルあたり、平均で、5〜300
モル、好ましくは7〜150モルの量で付加される。即
ち、非イオン界面活性剤(C)は、通常は、それぞれが
上記式:RO(AO)mHで示される化合物からなる、反
応生成物混合物である。アルキレンオキサイドの例とし
ては、非イオン界面活性剤(A)に関連した上記説明に
おいて記載されたものを挙げることができる。非イオン
界面活性剤(C)の製造においては、エチレンオキサイ
ドとプロピレンオキサイドを、プロピレンオキサイドに
対するエチレンオキサイドのモル比が1/5〜5/1で
用いるのが好ましい。
【0027】非イオン界面活性剤(C)を製造するため
に用いられる1価アルコールの例としては、炭素数8〜
24のアルキル又はアルケニル部分を有するもの、及
び、そのアルキル部分が炭素数6〜14であるアルキル
フェニル部分を有するものが挙げられる。その具体例と
しては、非イオン界面活性剤(A)に関連した上記説明
において記載されたものを挙げることができる。非イオ
ン界面活性剤(C)の中で、Rで示されるアルキル又は
アルケニル基、特にアルキル基の炭素数が14〜24の
ものが好ましい。
【0028】<非イオン界面活性剤(D):多価カルボ
ン酸もしくはその酸無水物に、アルキレンオキサイドを
付加して得られた反応生成物、又は、多価カルボン酸も
しくはその酸無水物とアルコールとの混合物に、アルキ
レンオキサイドを付加して得られた反応生成物>非イオ
ン界面活性剤(D)の原料としての多価(又は多塩基
性)カルボン酸及びその酸無水物の例としては、シュウ
酸、マロン酸、コハク酸、メチルコハク酸、マレイン
酸、グルタル酸、アジピン酸、フタル酸、フマル酸、イ
タコン酸、リンゴ酸、酒石酸、マレイン化オレイン酸、
クエン酸、過クエン酸、トリメリット酸、ブタンテトラ
カルボン酸、ピロメリット酸、テトラデカンヘキサカル
ボン酸、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水シュウ
酸、無水イタコン酸、無水グルタル酸、無水フタル酸、
無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸及び無水ステ
アリルコハク酸が挙げられる。
【0029】更に炭素数14〜22の高級脂肪酸のダイ
マー酸及びポリマー酸も、多価カルボン酸の範疇に含ま
れる。ここで言うダイマー酸及びポリマー酸は、例えば
オレイン酸、リノール酸、リノレイン酸といった不飽和
脂肪酸モノマー等のモノオレフィンカルボン酸又はジオ
レフィンカルボン酸を、ディールス・アルダー反応のよ
うな熱重合あるいは他の方法に供するという方法によっ
て合成され得る。ここで言うポリマー酸とは、一分子内
にカルボキシル基を3個又はそれ以上有するポリカルボ
ン酸であり、ダイマー酸を含まない。ここで用いるダイ
マー酸又はポリマー酸は、それと未反応のモノマー酸と
の混合物であってもよい。即ち、本発明の効果が損なわ
れない範囲内であれば、未反応のモノマー酸があっても
構わない。
【0030】非イオン界面活性剤(D)の原料としての
アルコールの例としては、1価アルコール及び多価アル
コールが挙げられ、その具体例としては、非イオン界面
活性剤(A)に関連した上記説明において記載されたも
のを挙げることができる。
【0031】多価カルボン酸又はその酸無水物(I)と
アルコール(II)を用いた非イオン界面活性剤(D)の
製造において、化合物(I)及び(II)は、(II)に対
する(I)のモル比が1/0.02〜5、特には1/
0.1〜3で用いられるのが好ましい。そのモル比がこ
の範囲内であると、上記非イオン界面活性剤(D)は、
微細インキ液滴を効率よく捕集することができ、且つ、
捕集されたインキ液滴は、フロテーションにおいて、効
率よく除去される。
【0032】また、陰イオン界面活性剤としては、高級
脂肪酸もしくはその塩が好適に用いられる。陽イオン界
面活性剤としては、第4級アンモニウム塩を用いること
ができ、特にモノ長鎖アルキル型の第4級アンモニウム
塩が好適である。
【0033】界面活性剤は、脱墨方法のいずれの工程へ
添加してもよい。しかし、通常は、パルピング工程に添
加される。その添加量は特には限定されない。もちろん
上記非イオン界面活性剤(A)〜(D)以外の公知の脱
墨剤を、それと組合わせて用いることはできる。
【0034】また、本発明の脱墨方法においては、フロ
テーション時の系中に、カチオン性化合物、アミン、ア
ミンの酸塩又は両性化合物を存在させることが好まし
い。これらの化合物を併用することにより、よりパルプ
シートの嵩高さが向上する。
【0035】カチオン性化合物の例としては、モノ長鎖
アルキル型の第四級アンモニウム塩、ジ長鎖アルキル型
の第四級アンモニウム塩、窒素原子に置換基を有するピ
リジニウム塩、及びカチオンポリマーが挙げられる。カ
チオン性化合物の中では、特に下記式(a1)〜(c1
で表されるカチオン性化合物が好ましい。
【0036】
【化1】
【0037】〔式(a1)から(c1)において、R1
びR2は、互いに同一又は相異なって、それぞれ、炭素
数10〜24のアルキル、アルケニル又はβ−ヒドロキ
シアルキル基であり、R3及びR4は、互いに同一又は相
異なって、それぞれ、炭素数1〜8のアルキルもしくは
ヒドロキシアルキル基、ベンジル基、又は式:− (A
O)n−Z(ここで、AOは炭素数2〜4のオキシアルキ
レン基であり、Zは、水素原子又はアシル基であり、n
は1〜50の整数である)で表される基であり、R
5は、炭素数8〜36のアルキル、アルケニル又はβ−
ヒドロキシアルキル基であり、X- は対イオンであり、
Yは、炭素数8〜36のアルキル、アルケニル又はβ−
ヒドロキシアルキル基、式:R5COOCH2−(ここ
で、R5 は前記定義の通りである)で表される基、式:
5CONHCH2−(ここで、R5 は前記定義の通りで
ある)で表される基又は式:R5OCH2−(ここで、R
5 は前記定義の通りである)で表される基である。〕。
【0038】アミン及びアミンの酸塩の例としては、1
級アミン、2級アミン、3級アミン、環状アミン、イミ
ダゾール及びイミダゾリン、これらのアミンの無機酸
塩、これらのアミンの有機酸塩、及びアミノ基を含むポ
リマーが挙げられる。アミン又はアミンの酸塩として
は、特に下記式(a2)〜(e2)で表されるアミン又は
アミンの酸塩が好ましい。
【0039】
【化2】
【0040】〔式(a2)〜(e2)において、R1 は、
炭素数8〜36のアルキル、アルケニル又はβ−ヒドロ
キシアルキル基であり、R2及びR3は、互いに同一又は
相異なって、それぞれ、水素原子、炭素数1〜24のア
ルキル基又は炭素数2〜24のアルケニル基であり、H
Aは、無機又は有機酸を示し、AOは、炭素数2〜4の
オキシアルキレン基であり、l及びmは、それぞれ、l
+mが1〜300の整数であるという条件下、0又は正
の整数である。〕。
【0041】また、両性化合物の例としては、ベタイ
ン、アミンオキサイド、リン脂質、蛋白質及び両性ポリ
マーが挙げられる。両性化合物としては、特に下記式
(a3)〜(d3)で表される両性化合物が好ましい。
【0042】
【化3】
【0043】〔式(a3)〜(d3)において、R1、R2
及びR3 は、互いに同一又は相異なって、それぞれ、炭
素数1〜24のアルキル基又は炭素数2〜24のアルケ
ニル基であり、R4 は、炭素数8〜36のアルキル、ア
ルケニル又はβ−ヒドロキシアルキル基であり、Mは、
水素原子、アルカリ金属原子、1/2モルのアルカリ土
類金属原子又はアンモニウム基である。〕。
【0044】カチオン性化合物、アミン、アミンの酸塩
及び両性化合物からなる群から選ばれた少なくとも一種
は、フロテーションにおいて、古紙の重量(即ち、古紙
の絶乾重量)を基準として、 0.001〜5.0 重量%、好ま
しくは0.01〜1.0 重量%の量で使用される。上記の選択
された少なくとも一種が、フロテーションの際、系中、
即ちスラリー中に、上記の量で存在すれば、インキは、
選択的に系外に除去され得る。
【0045】本発明の脱墨方法は、フロテーション工程
のインキ粒子の界面電位とパルプの界面電位を前記の通
り調整することを特徴とし、且つ、少なくとも、インキ
を古紙から剥離する工程と、フロテーション系から剥離
されたインキを除去する工程からなる。その他の工程
は、従来の脱墨方法に準じて行なうことができる。即
ち、脱墨方法は、その主たる工程として、離解(又はパ
ルピング)工程、熟成工程、(必要に応じてニーディン
グ工程)、フロテーション工程及び洗浄工程を含んでも
よい。脱墨方法は、必要であれば、更に他の工程を含ん
でいてもよい。各工程は、二回以上行われてもよい。
【0046】
【実施例】以下実施例により本発明をより詳細に説明す
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
【0047】<添加化合物>以下の実施例において必要
に応じて併用したアミン、アミンの酸塩、カチオン性化
合物及び両性化合物を以下の表1〜12に示す。
【0048】
【表1】
【0049】
【表2】
【0050】
【表3】
【0051】
【表4】
【0052】
【表5】
【0053】
【表6】
【0054】
【表7】
【0055】
【表8】
【0056】
【表9】
【0057】
【表10】
【0058】
【表11】
【0059】
【表12】
【0060】実施例1 市中回収された原料古紙(新聞紙/チラシ=70/30)を
4cm×4cmに細断後、一定量を卓上離解機に入れ、その
中に温水及び水酸化ナトリウム(対原料)1重量%、珪
酸ソーダ(対原料)3重量%、30%過酸化水素水(対原
料)3重量%、脱墨剤として、ステアリルアルコールE
O10モルPO10モルブロック付加物(平均付加モル数)
0.2重量%(対原料)を加え、パルプ濃度5重量%、40
℃で10分間離解した。得られたパルプスラリーを40℃に
て60分間熟成を行った後、温水を加えてパルプ濃度を1
%に希釈し、硫酸を用いて表13に示す様にpHを調整す
ることによってインキ及びパルプ界面のζ電位を調整
し、更に表13の添加化合物を添加する場合はここで添加
して、40℃にて10分間フロテーション処理を行った。な
お、表13中の添加化合物の添加量は、絶乾古紙の重量に
対する量である。また、表13中のζ電位は、フロテーシ
ョン工程中も殆ど変化しなかった。ここで、ζ電位の測
定は、 Pen Kem社製 System 3000を用いて、前記の通り
行った。フロテーション処理後、タッピマシンにてパル
プシートを作製し、5kgf/cm2 加圧した後、通風乾燥
し、嵩高を測定した。その結果を表13に示す。
【0061】本実施例の嵩高は、緊度として表される。
緊度は25cm×25cmのパルプシートの厚みをマイクロメー
タにて測定し、その重量から以下の式にて算出した。 緊度〔g/cm3〕=(シート重量)/(25×25×シート
厚み) なお、緊度は絶対値が小さいほど嵩が高く、印刷適性等
が良好とされ、また緊度の0.02の差は有意差として十分
に認識されるものである。
【0062】
【表13】
【0063】実施例2 市中回収された原料古紙(新聞紙/チラシ=70/30)を
4cm×4cmに細断後、一定量を卓上離解機に入れ、その
中に温水及び水酸化ナトリウム(対原料)1重量%、珪
酸ソーダ(対原料)3重量%、30%過酸化水素水(対原
料)3重量%、脱墨剤として、ステアリン酸EO15モル
PO10モルランダム付加物(平均付加モル数) 0.2重量
%(対原料)を加え、パルプ濃度4重量%、40℃で10分
間離解した。得られたパルプスラリーを40℃にて60分間
熟成を行った後、温水を加えてパルプ濃度を1%に希釈
し、硫酸を用いて表14に示す様にpHを調整することに
よってインキ及びパルプ界面のζ電位を調整し、更に表
14の添加化合物を添加する場合はここで添加して、40℃
にて10分間フロテーション処理を行った。なお、表14中
の添加化合物の添加量は、絶乾古紙の重量に対する量で
ある。また、表14中のζ電位は、フロテーション工程中
も殆ど変化しなかった。フロテーション処理後、タッピ
マシンにてパルプシートを作製し、5kgf/cm2 加圧した
後、通風乾燥し、嵩高を測定した。その結果を表14に示
す。なお、本実施例においてζ電位の測定及び緊度の測
定は、実施例1と同様に行った。
【0064】
【表14】
【0065】実施例3 市中回収された原料古紙(新聞紙/チラシ=70/30)を
4cm×4cmに細断後、一定量を卓上離解機に入れ、その
中に温水及び水酸化ナトリウム(対原料)1重量%、珪
酸ソーダ(対原料)3重量%、30%過酸化水素水(対原
料)3重量%、脱墨剤として、ステアリルアルコールE
O15モルPO15モルランダム付加物(平均付加モル数)
0.2重量%(対原料)を加え、パルプ濃度5重量%、40
℃で10分間離解した。得られたパルプスラリーを40℃に
て60分間熟成を行った後、温水を加えてパルプ濃度を1
%に希釈し、表15に示す様に無機塩の種類と濃度(対原
料)を調整することによってインキ及びパルプ界面のζ
電位を調整し、40℃にて10分間フロテーション処理を行
った。なお、フロテーション終了時のζ電位は調整時と
ほぼ同一であった。フロテーション処理後、タッピマシ
ンにてパルプシートを作製し、5kgf/cm2 加圧した後、
通風乾燥し、嵩高を測定した。その結果を表15に示す。
なお、本実施例においてζ電位の測定及び緊度の測定
は、実施例1と同様に行った。
【0066】
【表15】
【0067】実施例4 市中回収された原料古紙(新聞紙/チラシ=70/30)を
4cm×4cmに細断後、一定量を卓上離解機に入れ、その
中に温水及び水酸化ナトリウム(対原料)1重量%、珪
酸ソーダ(対原料)3重量%、30%過酸化水素水(対原
料)3重量%、脱墨剤として、牛脂/グリセリン(1:
1)EO70モルPO10モルブロック付加物(平均付加モ
ル数) 0.2重量%(対原料)を加え、パルプ濃度5重量
%、40℃で10分間離解した。得られたパルプスラリーを
40℃にて60分間熟成を行った後、温水を加えてパルプ濃
度を1%に希釈し、表16に示す様に無機塩の種類と濃度
(対原料)を調整することによってインキ及びパルプ界
面のζ電位を調整し、40℃にて10分間フロテーション処
理を行った。なお、フロテーション終了時のζ電位は調
整時とほぼ同一であった。フロテーション処理後、タッ
ピマシンにてパルプシートを作製し、5kgf/cm2 加圧し
た後、通風乾燥し、嵩高を測定した。その結果を表16に
示す。なお、本実施例においてζ電位の測定及び緊度の
測定は、実施例1と同様に行った。
【0068】
【表16】
【0069】実施例5 市中回収された原料古紙(新聞紙/チラシ=70/30)を
4cm×4cmに細断後、一定量を卓上離解機に入れ、その
中に温水及び水酸化ナトリウム(対原料)1重量%、珪
酸ソーダ(対原料)3重量%、30%過酸化水素水(対原
料)3重量%、脱墨剤として、ステアリルアルコールE
O10モルPO10モルブロック付加物(平均付加モル数)
0.2重量%(対原料)を加え、パルプ濃度5重量%、40
℃で10分間離解した。得られたパルプスラリーを40℃に
て60分間熟成を行った後、温水を加えてパルプ濃度を1
%に希釈し、表17に示す様に無機塩の種類と濃度(対原
料)を調整することによってインキ及びパルプ界面のζ
電位を調整し、更に表17の添加化合物を添加する場合は
ここで添加して、40℃にて10分間フロテーション処理を
行った。なお、表17中の添加化合物の添加量は、絶乾古
紙の重量に対する量である。また、表17中のζ電位は、
フロテーション工程中も殆ど変化しなかった。フロテー
ション処理後、タッピマシンにてパルプシートを作製
し、5kgf/cm2加圧した後、通風乾燥し、嵩高を測定し
た。その結果を表17に示す。なお、本実施例においてζ
電位の測定及び緊度の測定は、実施例1と同様に行っ
た。
【0070】
【表17】
【0071】実施例6 市中回収された原料古紙(新聞紙/チラシ=70/30)を
4cm×4cmに細断後、一定量を卓上離解機に入れ、その
中に温水及び水酸化ナトリウム(対原料)1重量%、珪
酸ソーダ(対原料)3重量%、30%過酸化水素水(対原
料)3重量%、脱墨剤として、ステアリン酸 0.5重量%
(対原料)を加え、パルプ濃度5重量%、40℃で10分間
離解した。得られたパルプスラリーを40℃にて60分間熟
成を行った後、温水を加えてパルプ濃度を1%に希釈
し、硫酸を用いて表18に示すようにpHを調整すること
によってインキ及びパルプ界面のζ電位を調整し、更に
表18の添加化合物を添加する場合はここで添加して、40
℃にて10分間フロテーション処理を行った。なお、表18
中の添加化合物の添加量は、絶乾古紙の重量に対する量
である。また、表18中のζ電位は、フロテーション工程
中も殆ど変化しなかった。フロテーション処理後、タッ
ピマシンにてパルプシートを作製し、5kgf/cm2 加圧し
た後、通風乾燥し、嵩高を測定した。その結果を表18に
示す。なお、本実施例においてζ電位の測定及び緊度の
測定は、実施例1と同様に行った。
【0072】
【表18】
【0073】実施例7 市中回収された原料古紙(新聞紙/チラシ=70/30)を
4cm×4cmに細断後、一定量を卓上離解機に入れ、その
中に温水及び水酸化ナトリウム(対原料)1重量%、珪
酸ソーダ(対原料)3重量%、30%過酸化水素水(対原
料)3重量%、脱墨剤として、セチルトリメチルアンモ
ニウムクロライド 0.5重量%(対原料)を加え、パルプ
濃度5重量%、40℃で10分間離解した。得られたパルプ
スラリーを40℃にて60分間熟成を行った後、温水を加え
てパルプ濃度を1%に希釈し、硫酸を用いて表19に示す
ようにpHを調整することによってインキ及びパルプ界
面のζ電位を調整し、更に表19の添加化合物を添加する
場合はここで添加して、40℃にて10分間フロテーション
処理を行った。なお、表19中の添加化合物の添加量は、
絶乾古紙の重量に対する量である。また、表19中のζ電
位は、フロテーション工程中も殆ど変化しなかった。フ
ロテーション処理後、タッピマシンにてパルプシートを
作製し、5kgf/cm2 加圧した後、通風乾燥し、嵩高を測
定した。その結果を表19に示す。なお、本実施例におい
てζ電位の測定及び緊度の測定は、実施例1と同様に行
った。
【0074】
【表19】
【0075】実施例8 市中回収された原料古紙(新聞紙/チラシ=65/35)を
4cm×4cmに細断後、一定量を卓上離解機に入れ、その
中に温水及び水酸化ナトリウム(対原料)1重量%、珪
酸ソーダ(対原料)3重量%、30%過酸化水素水(対原
料)3重量%、脱墨剤として、ステアリルアルコールE
O10モルPO10モルブロック付加物(平均付加モル数)
0.2 重量%(対原料)を加え、パルプ濃度15重量%、40
℃で10分間離解した。得られたパルプスラリーを50℃に
て60分間熟成を行った後、温水を加えてパルプ濃度を1
%に希釈し、硫酸を用いて表20に示すようにpHを調整
することによってインキ及びパルプ界面のζ電位を調整
し、更に表20の添加化合物を添加する場合はここで添加
して、40℃にて10分間フロテーション処理を行った。な
お、表20中の添加化合物の添加量は、絶乾古紙の重量に
対する量である。また、表20中のζ電位は、フロテーシ
ョン工程中も殆ど変化しなかった。フロテーション処理
後、タッピマシンにてパルプシートを作製し、5kgf/cm
2 加圧した後、通風乾燥し、嵩高を測定した。その結果
を表20に示す。なお、本実施例においてζ電位の測定及
び緊度の測定は、実施例1と同様に行った。
【0076】
【表20】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) D21C 5/02

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも、原料古紙からインキを剥離
    する工程と剥離したインキをフロテーション法によって
    除去する工程を含む脱墨方法であって、インキ剥離のた
    めに界面活性剤の少なくとも一種以上を用い、フロテー
    ション工程におけるインキ粒子の界面電位をζ電位とし
    て−5mV〜−60mVの範囲に制御し、パルプの界面電位を
    ζ電位として−15mV〜+15mVの範囲に制御し、且つイン
    キ粒子のζ電位とパルプの界面電位のζ電位の差を10mV
    以上に制御することを特徴とする脱墨方法。
  2. 【請求項2】 フロテーション工程におけるインキ粒子
    の界面電位をζ電位として−10mV〜−40mVの範囲に制御
    し、パルプの界面電位をζ電位として−5mV〜+5mVの
    範囲に制御することを特徴とする請求項1記載の脱墨方
    法。
  3. 【請求項3】 前記インキ及びパルプのζ電位の制御
    を、フロテーション系中のpHの調整により行う請求項
    1又は2記載の脱墨方法。
  4. 【請求項4】 前記インキ及びパルプのζ電位の制御
    を、フロテーション系中への無機電解質の添加により行
    う請求項1又は2記載の脱墨方法。
  5. 【請求項5】 フロテーション工程の少なくとも一部
    を、アミン化合物、アンモニウム塩、カチオン性化合物
    及び両性化合物からなる群から選ばれた少なくとも一種
    の存在下に行う請求項1〜4の何れか1項記載の脱墨方
    法。
  6. 【請求項6】 原料古紙からインキを剥離し、剥離した
    インキをフロテーション法によって除去する工程を含む
    脱墨方法において、フロテーション工程におけるインキ
    粒子の界面電位とパルプの界面電位を測定し、インキ粒
    子の界面電位がζ電位として−5mV〜−60mVの範囲にあ
    り、パルプの界面電位がζ電位として−15mV〜+15mVの
    範囲にあり、且つインキ粒子のζ電位とパルプの界面電
    位のζ電位の差が10mV以上にある場合に脱墨処理を継続
    することを特徴とする脱墨方法。
  7. 【請求項7】 原料古紙からインキを剥離し、剥離した
    インキをフロテーション法によって除去する工程を含む
    脱墨方法において、フロテーション工程におけるインキ
    粒子の界面電位とパルプの界面電位を測定し、インキ粒
    子のζ電位、パルプのζ電位及びインキ粒子のζ電位と
    パルプのζ電位の差から、脱墨性能を予測する方法。
  8. 【請求項8】 少なくとも、原料古紙からインキを剥離
    する工程と剥離したインキをフロテーション法によって
    除去する工程を含む脱墨方法であって、インキ剥離のた
    めに界面活性剤の少なくとも一種以上を用い、剥離イン
    キを含むパルプスラリーにおけるインキ粒子の界面電位
    をζ電位として−5mV〜−60mVの範囲に制御し、パルプ
    の界面電位をζ電位として−15mV〜+15mVの範囲に制御
    し、且つインキ粒子のζ電位とパルプの界面電位のζ電
    位の差を10mV以上に制御した後、フロテーション工程を
    行うことを特徴とする脱墨方法。
JP14024896A 1996-06-03 1996-06-03 脱墨方法 Expired - Fee Related JP2958269B2 (ja)

Priority Applications (9)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14024896A JP2958269B2 (ja) 1996-06-03 1996-06-03 脱墨方法
KR1019980705102A KR19990076974A (ko) 1996-06-03 1997-05-27 탈묵방법
PCT/JP1997/001794 WO1997046753A1 (en) 1996-06-03 1997-05-27 Deinking process
US09/117,437 US6103056A (en) 1996-06-03 1997-05-27 Method for controlling deinking flotation using interfacial potential of ink particles and pulp
DE1997602909 DE69702909T2 (de) 1996-06-03 1997-05-27 Verfahren zur druckfarbenentfernung
ES97922199T ES2149593T3 (es) 1996-06-03 1997-05-27 Procedimiento de eliminacion de tinta.
CN97195205A CN1077632C (zh) 1996-06-03 1997-05-27 脱墨方法
EP19970922199 EP0904448B1 (en) 1996-06-03 1997-05-27 Deinking process
ID971887A ID17299A (id) 1996-06-03 1997-06-03 Proses penghilangan tinta

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14024896A JP2958269B2 (ja) 1996-06-03 1996-06-03 脱墨方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09324381A JPH09324381A (ja) 1997-12-16
JP2958269B2 true JP2958269B2 (ja) 1999-10-06

Family

ID=15264367

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP14024896A Expired - Fee Related JP2958269B2 (ja) 1996-06-03 1996-06-03 脱墨方法

Country Status (9)

Country Link
US (1) US6103056A (ja)
EP (1) EP0904448B1 (ja)
JP (1) JP2958269B2 (ja)
KR (1) KR19990076974A (ja)
CN (1) CN1077632C (ja)
DE (1) DE69702909T2 (ja)
ES (1) ES2149593T3 (ja)
ID (1) ID17299A (ja)
WO (1) WO1997046753A1 (ja)

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6346169B1 (en) * 1998-01-13 2002-02-12 Kao Corporation Paper bulking promoter
JP3537692B2 (ja) * 1998-01-13 2004-06-14 花王株式会社 紙用嵩高剤
US6784146B1 (en) * 2000-10-27 2004-08-31 Kemira Chemicals, Inc. Deinking method and composition for wastepaper
US6666950B2 (en) 2001-11-28 2003-12-23 Basf Ag Process for deinking paper using a triglyceride
KR101005458B1 (ko) * 2002-08-30 2011-01-05 카오카부시키가이샤 탈묵제
CN102182091B (zh) * 2011-05-13 2012-08-22 湖北宝塔纸业有限公司 一种废纸脱墨制浆方法
CN103897475A (zh) * 2014-04-21 2014-07-02 常熟酉酉材料科技有限公司 一种具有多种组合体系的脱墨分离剂
CN104031462A (zh) * 2014-05-28 2014-09-10 南京恩泽维生物技术有限公司 基于葡萄糖烷基糖苷的废纸脱墨分离剂

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
SE406482B (sv) * 1975-03-11 1979-02-12 Ytkemiska Inst Forfarande for rening av en vattenhaltig dispersion eller massauppslamning
JPS5423705A (en) * 1977-07-18 1979-02-22 Honshu Paper Co Ltd Deinking of waste printed paper
US4483741A (en) * 1982-08-10 1984-11-20 Economics Laboratory, Inc. Low-foaming, pH sensitive, alkylamine polyether surface active agents and methods for using
DE4008894A1 (de) * 1990-03-20 1991-09-26 Call Hans Peter Verfahren zur altpapieraufbereitung mit enzymatischer druckfarbenentfernung
FI913447A (fi) * 1990-12-28 1992-06-29 Kao Corp Deinkingsfoerfarande och deinkingssammansaettning.

Also Published As

Publication number Publication date
WO1997046753A1 (en) 1997-12-11
DE69702909T2 (de) 2001-02-01
JPH09324381A (ja) 1997-12-16
ID17299A (id) 1997-12-18
CN1077632C (zh) 2002-01-09
KR19990076974A (ko) 1999-10-25
EP0904448A1 (en) 1999-03-31
US6103056A (en) 2000-08-15
DE69702909D1 (de) 2000-09-28
CN1230236A (zh) 1999-09-29
ES2149593T3 (es) 2000-11-01
EP0904448B1 (en) 2000-08-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2971447B1 (ja) 紙用嵩高剤
JP3051826B2 (ja) 脱墨方法
EP0819190B1 (en) Deinking method
JP2958269B2 (ja) 脱墨方法
EP0434084A1 (en) Deinking agent for regenerating waste paper
JPH04352890A (ja) 脱墨剤
JP3056425B2 (ja) 脱墨方法
JP3081152B2 (ja) 脱墨方法
JP3482337B2 (ja) 紙用嵩高剤
JP3453505B2 (ja) 紙用嵩高剤
US5840157A (en) Deinking agent and method of deinking through flotation using the deinking agent
JP3081154B2 (ja) 脱墨方法
JP3081153B2 (ja) 脱墨方法
JP2974929B2 (ja) 脱墨方法
JP3405888B2 (ja) 脱墨方法
JP3007465B2 (ja) 脱墨剤
JP3181569B2 (ja) 高嵩高性パルプシートの製造方法
JP3203307B2 (ja) 脱墨方法
JP3262517B2 (ja) 脱墨方法
JP4260582B2 (ja) 脱墨用添加剤
WO2000032867A1 (de) Verfahren zur entfernung von druckfarben aus bedrucktem altpapier
JP3301969B2 (ja) 脱墨方法

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080723

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080723

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090723

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090723

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100723

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110723

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110723

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120723

Year of fee payment: 13

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120723

Year of fee payment: 13

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130723

Year of fee payment: 14

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees