JP2957836B2 - 超音波モータおよび直動案内装置 - Google Patents

超音波モータおよび直動案内装置

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JP2957836B2
JP2957836B2 JP5073893A JP7389393A JP2957836B2 JP 2957836 B2 JP2957836 B2 JP 2957836B2 JP 5073893 A JP5073893 A JP 5073893A JP 7389393 A JP7389393 A JP 7389393A JP 2957836 B2 JP2957836 B2 JP 2957836B2
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欣也 江本
正行 田中
吉重 高橋
武樹 白井
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TEI ECHI KEE KK
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ARUPUSU DENKI KK
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子機器および精密機
械等におけるアクチェータとして好適な超音波モータお
よび直動案内装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、電子機器および精密機械におい
ては、取付のためのスペースが少なくてすみかつ厳密な
位置決め精度が可能であるようなアクチェータが要求さ
れており、このような要求に対処するために、近年、特
開平1−315282号公報、特開平2−925号公報
等において圧電セラミックスに代表される圧電素子の超
音波振動を駆動源とした種々の超音波モータが提案され
ている。
【0003】以下、このような従来からある超音波モー
タを図15および図16により説明する。
【0004】図15は従来からある超音波モータの要部
を示す正面図であり、図16は側面図である。
【0005】図15および図16に示すように、この種
の従来の超音波モータ1は、相互に平行に延在している
1対の脚部2,2およびこれらの脚部2,2を基端側で
連結する胴部3とから成り、全体として略コの字形状に
一体化されて振動体4が形成されている。
【0006】前記振動体4の角部には、各脚部2,2お
よび胴部3に対して適宜な角度、例えば45度の角度を
なす面取りが施されており、その各面取りが施された面
を取付面5として振動付与手段である圧電素子6が、図
示しない所望の接着剤等の適宜な接合部材により固着さ
れている。
【0007】そして、各脚部2,2の先端と対向する位
置には、被駆動体としての薄板状をなすレール7を挟持
するようにして3個の案内ローラ8が、胴部3の長手方
向に沿って配設されている。これらの各案内ローラ8
は、その両端に形成された回転軸8aが振動体4を囲む
支持枠9の下部に回転自在に支持されており、胴部3の
長手方向に沿って転動自在とされている。
【0008】また、支持枠9の上部中央には貫通孔10
が形成されており、この貫通孔10には胴部3に向かう
先端が円錐状をなす付勢ピン11が上下方向に摺動自在
に嵌装されている。そして、この付勢ピン11の先端近
傍に形成されたフランジ11aと支持枠9との間には適
宜なばね12が配設されており、このばね12によって
付勢ピン11は常時胴部3に向けて付勢され、その先端
が胴部3の上面中央に形成された凹部13と係合される
ようになっており、これにより振動体4の各脚部2と各
案内ローラ8とは常時相互に近づく方向に付勢されてい
る。
【0009】また、前記圧電素子6には、図示しない所
望の電力供給源と接続される適宜な配線部材が接続され
ている。
【0010】そして、このように構成された従来の超音
波モータ1を移動させるには、ばね12によって相互に
近づく方向に付勢された各脚部2の先端と各案内ローラ
8との間にレール7を介在させ、各脚部2の先端をレー
ル表面7aと、案内ローラ8をレール裏面7bとそれぞ
れ密着させ、この状態において各圧電素子6を振動体4
の共振周波数と同一で位相が異なる交番電圧をそれぞれ
印加してこれらを超音波振動させ、各脚部2の先端にレ
ール7の長手方向に沿った同一周波数の楕円振動を生じ
させる。
【0011】すると、楕円振動の脚部2の長手方向の垂
直成分の変化に伴って各脚部2の先端とレール表面7a
との間の面圧が周期的に変動し、この変動に伴って楕円
振動のレール7の長手方向の水平成分のうち各脚部2が
より下方に変位するときの成分がより強く各脚部2の先
端とレール7との間に作用して、振動体4がレール7に
沿って一方向へ移動する。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
た従来の超音波モータ1においては、支持枠9の貫通孔
10に摺動自在に嵌装されている付勢ピン11と振動体
4とを係合させ、フランジ11aと支持枠9との間にば
ね12を介在させて振動体4を付勢させており、超音波
モータ1の走行時に付勢ピン11の先端が、貫通孔10
と付勢ピン11との摺動部を支点としたモミスリ運動と
称される回転運動が生じて、振動体4の姿勢変動が大き
くなり、駆動効率が劣化するという問題点があった。そ
して、外気との露出部分が多く、付勢ピン11と振動体
4との係合部等の摺動部分に塵埃が付着して摺動部分の
摩耗が促進されたり、あるいは圧電素子6に接続されて
いる配線部材が剥がれ易く、長期間に亘り安定した機能
を保持することができないという問題点があった。さら
に、部品点数が多く、製作に手間がかかり、また、取扱
いに多大な注意を要し、用途が限定されるなど商品とし
ての汎用性に乏しく、しかもメンテナンスの利便性が劣
るという問題点があった。
【0013】本発明はこれらの点に鑑みてなされたもの
であり、前述した従来のものにおける問題点を克服し、
簡単な構造で、商品価値が高くかつ汎用性に富み、長期
間に亘り安定した機能を保持することができる超音波モ
ータおよび直動案内装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】前述した目的を達成する
ため請求項1に記載の本発明の超音波モータは、被駆動
体に当接される少なくとも2本の平行な脚部およびこれ
らの脚部を連結する胴部とから成る振動体と、前記振動
体に固着され前記振動体を振動させる振動付与手段と、
前記振動体を所定の方向に付勢する付勢手段と、前記振
動体の脚部のみを突出自在とさせかつ前記振動体および
振動付与手段ならびに付勢手段を内装せしめるケース体
とを有することを特徴としている。
【0015】そして、請求項2に記載の本発明の超音波
モータは、請求項1において、前記振動体を所定の方向
にのみ進退自在とせしめる進退方向拘束手段を有するこ
とを特徴としている。
【0016】さらに、請求項3に記載の本発明の超音波
モータは、請求項1および請求項2において、前記振動
体の脚部の先端面または前記被駆動体の前記振動体との
当接面の少なくとも一方を、Ni−Pからなる被覆層に
より覆ってなることを特徴としている。
【0017】また、請求項4に記載の本発明の超音波モ
ータは、請求項1および請求項2において、前記ケース
体にコネクタを配置し、該コネクタと少なくとも前記振
動付与手段とを配線部材により接続することを特徴とし
ている。
【0018】そして、請求項5に記載の本発明の超音波
モータは、請求項1および請求項2において、冷却手段
を設けたことを特徴としている。
【0019】さらに、請求項6に記載の本発明の超音波
モータは、請求項5において、前記冷却手段は、前記ケ
ース体内に冷却流体を導入自在に形成されていることを
特徴としている。
【0020】また、請求項7に記載の本発明の超音波モ
ータは、請求項5において、前記冷却手段は、放熱フィ
ンにより形成されていることを特徴としている。
【0021】そして、請求項8に記載の本発明の直動案
内装置は、請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載
の超音波モータを案内部材に配置された移動台に固着
し、前記超音波モータの駆動力をもって前記移動台を案
内部材に沿って移動自在とすることを特徴としている。
【0022】
【作用】前述した構成からなる本発明の超音波モータに
よれば、従来より少ない構成部品をケース体内に内装し
てユニット化できるとともに、振動体の姿勢を被駆動体
に対して常に所定の姿勢に保持することができる。ま
た、超音波モータをユニット化することにより、商品と
しての汎用性およびメンテナンスの利便性を向上させる
ことができる。
【0023】そして、本発明の超音波モータにコネクタ
を配置することにより、配線部材の破損を防止すること
ができる。
【0024】さらに、本発明の超音波モータに放熱手段
を設けることにより、振動付与手段の発熱による特性変
化を防止することができる。
【0025】また、本発明の超音波モータを直動案内装
置に用いることにより、直動案内装置を長期間に亘り安
定した機能を確実に保持することができるとともに、全
体として小形で、取扱性が容易でかつメンテナンスの利
便性を確実に向上させることができる。
【0026】
【実施例】以下、本発明の実施例を図1から図14につ
いて説明する。
【0027】図1は、本発明に係る超音波モータの第1
実施例を示すものである。
【0028】図1に示すように、本実施例の超音波モー
タ14においては、ケース体15内に振動体16と、振
動付与手段17と、前記振動体16を図において2点鎖
線にて示す被駆動体18に対して図中矢印で示す下方に
付勢する付勢手段19と、前記振動体16を被駆動体1
8に対して図中両矢印で示す上下方向にのみ進退自在と
せしめる進退方向拘束手段20とが配設されている。
【0029】前記構成要素についてさらに説明する。
【0030】前記ケース体15は、図において左右方向
に長辺を有する平面略矩形でかつ内部に略四角形の所望
の空間を有するとともに、図において下部に平面略矩形
の開口21を有するとともに、上部の中央部に所望の径
の貫通させたねじ穴22を有する本体23と、平面略矩
形で前記本体23の下部の開口21を覆うようにして本
体23に固着される底部材24と、平面略円筒形で外周
にねじ部25を有するとともにそのねじ部25の図にお
いて下部が前記本体23のねじ穴22と係合される上部
係止部材26と、有底円筒形で内周にねじ穴27を有す
るとともにそのねじ穴27が前記上部係止部材26の図
において上部のねじ部25と係合される蓋部材28とか
ら形成されている。そして、前記本体23の側壁の所望
の位置には、図示しない適宜な数の所望の小孔が穿設さ
れているとともに、外周面の所望の位置には取付用の図
示しないねじ穴が設けられている。さらに、前記底部材
24の中央部には、ケース体15の内側に向かって所望
の凸部29が突設されてるとともに、所定位置に2つの
平面略四角形の適宜な貫通孔30,30が形成されてい
る。また、前記上部係止部材26の下面には環状の保持
溝31が形成されている。
【0031】前記振動体16は、相互に平行に延在する
2本の脚部32,32の一端を胴部33により連結され
ており、弾性素材を、各部の断面がほぼ正方形とされ全
体として略コの字形状とされている。この振動体16の
寸法は適宜設計されるが、一例としては、アルミニウム
を素材とし、胴部33が断面5mm角×長さ26mm、
各脚部32が断面5mm角×長さ15mmとされてい
る。なお、振動体16の素材としては、ジュラルミン、
鉄、真鍮、ステンレス鋼等の金属材料およびアルミナ、
ガラス、炭化珪素等の無機材料ならびにポリイミド樹
脂、ポリアミド樹脂等の有機材料等から選択することが
できる。
【0032】前記振動体16の角部は、脚部32および
胴部33に対して45度の角度をなすように面取りされ
取付面34が形成されており、その各取付面34に振動
付与手段17としての圧電素子(以下、符号17により
示す)が図示しない所望の接着剤等の適宜な接合部材に
より固着されている。
【0033】前記振動体16の各脚部32は、前記ケー
ス体15の底部材24に形成した各貫通孔30に遊嵌さ
れるとともに、使用状態において各脚部33の先端面3
5が底部材24から突出されている。そして、被駆動体
18と当接する各脚部32の先端面35には、例えばカ
ーボン、カーボンファイバ、ポリイミド等からなる所望
の摺動部材84が固着されており、その表面形状をフォ
トリソグラフ、化学エッチング等により最適な摩擦係数
を得るように管理してもよい。さらに、振動体16の胴
部33の上面中央部には、所望の凹部37が形成されて
いる。
【0034】一方、本実施例の超音波モータ14と組み
合わせて用いられる被駆動体18の表面は、Ni−Pか
らなる硬質の被覆層36(以下、Ni−P層という)に
より覆われて形成されている。そして、Ni−P層36
の厚みは0.1〜50μm程度、望ましくは10μm程
度とするとよい。さらに、このNi−P層36は、Ni
−Pからなる鍍金浴に所定時間浸漬させる化学鍍金法
(無電解ニッケル鍍金)により形成されている。なお、
前記Ni−P層36は、公知の鍍金法、蒸着法、イオン
プレーティング法、スパッタ法、溶射等から適宜な方法
を選択して形成することもできる。
【0035】なお、Ni−P層36は、超音波モータ1
4の振動体16の各脚部32が当接する少なくとも当接
面85に形成されていればよく、特に、本実施例に限定
されるものではない。
【0036】また、被駆動体18の当接面85にNi−
P層36を形成せずに、振動体16の各脚部32の先端
面35に、摺動部材84の代わりにNi−P層36を形
成した構成(図示せず)としてもよく、特に、本実施例
の形状に限定されるものではない。
【0037】超音波モータ14の説明に戻って、振動付
与手段としての前記圧電素子17は、積層型圧電アクチ
ェータ、圧電セラミックス等が適用され、図示しない電
源から印加される交番電圧により、前記取付面34と直
交する方向に超音波振動をするようになっている。この
圧電素子17の寸法も前記振動体16の脚部32等と同
様に適宜選択されるが、例示のものにおいては、断面5
mm角×長さ9mmとされている。また圧電素子17に
は、図示しない電源と接続させる接続部材としてのリー
ド線(図示せず)が本体23の図示しない小孔を通して
接続されている。なお、本体23の小孔には、防塵のた
めに図示しない貫通孔を有するゴムブッシング等を装着
し、その貫通孔にリード線を通すことが防塵対策上から
も望ましい。
【0038】前記上部係止部材26の内周部には、図中
上下方向にのみ摺動自在とされた進退方向拘束手段20
を介して先端に円錐穴38を有する付勢ピン39が前記
振動体16の胴部33に向かって突出するようにして上
下方向に摺動自在に装着されている。
【0039】前記進退方向拘束手段20としては、適宜
な長さの摺動抵抗の少ないリニアブッシュ、ボールスプ
ライン等の各種のものから選択することができ、一端を
振動体16の胴部33に向かって突出するようにして装
着されている。
【0040】また、前記付勢ピン39の先端近傍にはフ
ランジ39aが形成されているとともに、このフランジ
39aと上部係止部材26の保持溝31との間には適宜
なばね40が配設されており、このばね40によって付
勢ピン39は常時振動体16の胴部33に向けて付勢さ
れている。そして、付勢ピン39の先端の円錐穴38に
は、前記振動体16の胴部33の上面中央部に形成され
た所望の凹部37に配置されている係合部材としての適
宜なボール41と係合されるようになっており、これに
より振動体16の各脚部32の先端面35が常時被駆動
体18に向けて付勢される。なお、凹部37は、ボール
41により常に付勢されているために摩耗し易いので、
凹部37の表面を前記Ni−P層36をもって覆うこと
により凹部37の摩耗を防止するようにしてもよい。
【0041】そして、前記付勢ピン39およびばね40
により付勢手段19が構成されている。
【0042】図2は本発明に係る直動案内装置の第1実
施例を示すものである。
【0043】図2に示すように、本実施例の直動案内装
置100においては、案内部材101としての適宜なレ
ール42上に配置された所望の移動台43に、図1に示
す前述した超音波モータ14が図示しない止めねじ等の
締結手段により固着されるとともに、被駆動体18とし
ての剛性を有する適宜な壁部材がレール42と平行に配
置され、超音波モータ14の振動体16の各脚部32の
先端面35が被駆動体18と密着されている。
【0044】つぎに、前述した構成からなる本実施例超
音波モータおよび直動案内装置の作用について図1およ
び図2により説明する。
【0045】まず、超音波モータの移動機構を説明す
る。
【0046】図2に示す状態において、図1に示す超音
波モータ14の各圧電素子17に振動体16の共振周波
数と同一で位相の異なる交番電圧をそれぞれ印加してこ
れらを超音波振動させる。
【0047】すると、各脚部32の長手方向および胴部
33の長手方向のいずれとも交差する方向に共振周波数
で加振されるため、各脚部33は各々の長手方向に共振
周波数で縦振動すると同時に被駆動体18のレール42
と平行な長手方向にも共振周波数でたわみ振動する。そ
して、各脚部32の先端面35は、これら縦振動とたわ
み振動との合成によって同一方向へ共振周波数で楕円振
動する。
【0048】ここで、各脚部32の先端面35に楕円振
動が生じるとき、被駆動体18の表面の各脚部32の先
端面35と密着する部分は周期的に強く押圧されること
となるが、この押圧力は被駆動体18の剛性により受け
とめられ、押圧力による被駆動体18の変形は防止され
る。
【0049】したがって、各脚部32と被駆動体18と
の間の面圧は、前記楕円振動の垂直成分(脚部32の長
手方向の成分)の変化に応じて確実に周期的に変動する
こととなる。
【0050】このように、各脚部32の先端面35と被
駆動体18の表面との間の面圧が変動すると、これらの
間に生じる摩擦力も変動し、その大きさは各脚部32が
被駆動体方向に変位するほど大きくなる。
【0051】そして、各脚部32の先端面35に生じる
楕円振動の水平成分によって、被駆動体壁18の表面は
レール42と平行な長手方向に蹴り出されるが、この力
(以下、駆動力という)は、上記摩擦力が大きいほどよ
り強く作用することから、各脚部32の先端面35が楕
円状の軌跡を描いて1回転する間に各脚部32と被駆動
体18との間に働く駆動力の向きは、各脚部32がより
被駆動体18の方向に変位しているときの水平成分の向
きと一致することとなる。ここにおいて、各脚部32の
先端面35の楕円振動は同一方向であるから、結果とし
て各脚部32の先端面35と被駆動体18の表面との間
に生じる駆動力の向きは一致し、この駆動力の反作用に
より振動体16つまり移動台43に固着された超音波モ
ータ14はレール42に沿って一方向へ移動することと
なる。
【0052】以上説明したように、本実施例の超音波モ
ータ14は、各脚部32の変形が被駆動体18の剛性に
より阻止されるので、各脚部32の先端面35に生じた
楕円振動のエネルギは振動体16を被駆動体18に沿っ
て移動させる駆動力に効率よく変換することができる。
【0053】また、本実施例の超音波モータ14と組み
合わされる被駆動体18は、超音波モータ14の振動体
16と当接する少なくとも当接面85が、化学鍍金によ
り形成された均一な膜厚の薄いNi−P層36により覆
われており、被駆動体18が錆やすい鉄系等の素材を用
いた場合においても錆の発生を確実に防止することがで
きる。そして、このNi−P層36は熱処理を施すこと
によって析出硬化させることができ、硬度をHv800
〜1000と非常に硬くすることができるので、耐摩耗
性を確実に向上させることができる。
【0054】そして、本実施例の超音波モータ14の付
勢ピン39は、所望の長さの進退方向拘束手段20に支
持されており、超音波モータ14の走行時に付勢ピン3
9が摺動部を支点としたモミスリ運動と称される回転運
動を生じることがなく、振動体16の姿勢変動もなく、
従来のような駆動効率が劣化するという不都合を確実に
防止することができる。
【0055】さらに、本実施例の超音波モータ14は、
ケース体15に各構成要素が内装されたユニットとされ
ているので、外気との露出部分が極めて少なく、付勢ピ
ン39と振動体16とのボール41を介在させた係合部
等の摺動部分に塵埃が付着して摺動部分の摩耗が促進さ
れたり、あるいは圧電素子17に接続されている配線部
材が剥がれ易く、長期間に亘り安定した機能を保持する
ことができないという不都合を確実に防止することがで
きる。
【0056】また、従来の超音波モータ1と異なり部品
点数が少なく、簡単に組み立てることができるととも
に、取扱性が容易でかつメンテナンスの利便性が向上
し、商品としての用途の拡大および汎用性を向上させる
ことができる。
【0057】そして、本実施例の直動案内装置100
は、前記超音波モータ14を用いており、長期間に亘り
安定した機能を確実に保持することができるとともに、
全体として小形で、取扱性が容易でかつメンテナンスの
利便性を確実に向上させることができる。
【0058】図3は本発明に係る超音波モータの第2実
施例を示すものである。
【0059】図3に示すように、本実施例における超音
波モータ14aにおいては、前述した第1実施例の超音
波モータ14と同様に、ケース体15a内に振動体16
aと、超音波モータ14と同様の振動付与手段17と、
付勢手段19aと、進退方向拘束手段20aが配設され
ている。
【0060】本実施例のケース体15aは、平面略矩形
の本体44と、この本体44を正面から覆う図示しない
肉厚の薄い平板状のカバーとから形成されており、本体
44とカバーとは図示しないねじ等の適宜な締結手段に
より固着されるようになっている。
【0061】そして、本体44内には振動体16aおよ
び振動付与手段17を内装する所望の形状の空間を有す
る凹部102がその開口を正面に向けるようにして形成
されている。この凹部102の左方上部の所望の位置に
は、有底の適宜なねじ穴103が上方に向かって形成さ
れている。また、凹部102の右方上部の所望の位置に
は、本体44の右側面から左側面に向かって長手方向に
平行に穿設された有底の適宜なねじ穴105内の所望の
位置に連通するようにして、適宜な貫通孔104が上方
に向かって形成されている。
【0062】前記振動体16aは、相互に平行に延在す
る2本の脚部32a、32aの一端を胴部33aにより
連結されており、弾性素材を、各部の断面がほぼ正方形
とされ全体として略コの字形状とされている。この振動
体16aの寸法は前記第1実施例の超音波モータ14の
振動体16と同様に適宜設計される。
【0063】前記振動体16aの角部は、脚部32aお
よび胴部33aに対して45度の角度をなすようにされ
た取付面34aが座となって突設されており、その取付
面34aに前記第1実施例の超音波モータ14と同様の
振動付与手段としての圧電素子17が図示しない接着剤
等の適宜な接合部材により固着されている。
【0064】前記振動体16aは、各脚部32aが遊嵌
状態にて前記本体44の凹部102に装着されるととも
に、使用状態において脚部32aの先端面35aが本体
44から突出し、かつ、図において2点鎖線にて示す被
駆動体18aと当接可能とされている。そして、被駆動
体18aと当接する脚部32aの先端面35aには、前
記第1実施例の超音波モータ14と同様に摺動部材84
が固着されている。
【0065】前記本体44のねじ穴103には、平板状
の適宜な板ばね106の一端が適宜な固定ねじ107を
もって固着されている。
【0066】前記板ばね106の長手方向の所望の位置
には、前記第1実施例の進退方向拘束手段20と同様の
進退方向拘束手段20aが固着されており、この進退拘
束手段20a内に適宜なばね108を介して付勢ピン1
09が上下方向に摺動自在にして装着されている。そし
て、付勢ピン109は、図において下方の先端に胴部3
3aの長手方向と直交する方向の略円錐形状の突出部1
10を有するとともに、図において上方に延在する段状
拡径部111とを有している。さらに、付勢ピン109
の突出部110の先端は、振動体16aの胴部33aの
上面中央部に形成された所望の凹部37aと係合されて
いる。
【0067】前記板ばね106の他端は、前記貫通孔1
04に上下移動自在に装着された所望のニードルローラ
112の一端が当接されている。このニードルローラ1
12の他端は、前記ねじ穴105に装着され、進退自在
とされたた所望の調整ねじ113の略円錐形状に形成さ
れた先端部113aに当接されている。
【0068】前記板ばね106、ばね108、付勢ピン
109、ニードルローラ112、調整ねじ113により
付勢手段19aが形成されている。そして、本体44の
一側に設けた所望の調整ねじ113を進退させることに
より、ニードルローラ112を上下動させるとともに板
ばね106の一端を上下動させ、ばね108を介して付
勢ピン109を振動体16aに均一に当接させるように
調節自在となっている。
【0069】また、前記進退方向拘束手段20aと付勢
ピン109との摺動部の長さは、付勢ピン109が摺動
部を支点としたモミスリ運動と称される回転運動を発生
しないで、付勢ピン109が上下方向にのみ摺動自在な
長さとされている。その他の構成は前述した第1実施例
の超音波モータ14と同様である。
【0070】このような構成により、本実施例は前述し
た第1実施例の超音波モータ14と同様の効果を奏する
ことができるとともに、超音波モータ14aの大きさを
前記第1実施例の超音波モータ14に比べて小さく、コ
ンパクトにすることができる。さらに、ケース体15a
の側面方向から付勢手段19aの調整ねじ113を調節
し、付勢ピン109の付勢力を最適な状態に調節するこ
とができるので、調節作業の作業性を確実に向上させる
ことができる。
【0071】図4から図9は本発明に係る超音波モータ
の第3実施例を示すものである。
【0072】図4は本発明に係る超音波モータの第3実
施例の要部を示す正面縦断面図であり、図5は一部切断
平面図であり、図6は下面図であり、図7は背面図であ
り、図8は左側断面図であり、図9は付勢ピンと振動体
との係合状態を示す説明図である。
【0073】図4から図8に示すように、本実施例にお
ける超音波モータ14bにおいては、前述した第1実施
例の超音波モータ14と同様に、ケース体15b内に振
動体16bと、第1実施例の超音波モータ14と同様の
振動付与手段17と、付勢手段19bと、進退方向拘束
手段20bが配設されている。
【0074】本実施例のケース体15bは、平面略矩形
の本体44aと、この本体44aを正面および上面の2
方向から覆う肉厚の薄い略L字形状のカバー45とから
形成されている。
【0075】そして、図4に示すように、本体44aの
下方には振動体16bおよび振動付与手段17を内装す
る所望の形状の空間を有する下凹部46がその開口を正
面に向けるようにして形成されており、本体44aの中
央部には適宜な長さの貫通孔47が形成されている。さ
らに、下凹部46内の上方の左右に、可撓性を有する適
宜なピン48,48が配設されている。また、本体44
aの上部には、上面に開口を有する平面略長穴形状の上
凹部49が形成されるとともに、上凹部49には前記貫
通孔47を中心として長手方向に平行でかつ等距離位置
に2つの適宜な有底孔50がその底を下凹部46に向け
て形成され、上凹部49内の有底孔50と貫通孔47と
の間には適宜な2本の支軸51が配設されている。そし
て、前記本体44aの長手方向の両側壁の所望の位置に
は、所望の小孔52,52が穿設されているとともに、
上部両側と下部中央との所望の位置には取付用の貫通し
たねじ穴53が設けられている。さらに、本体44aの
正面および上面には適宜なねじ穴54が形成されてお
り、このねじ穴54を用いて前記カバー45が適宜なボ
ルト55により固着されている。
【0076】前記振動体16bは、相互に平行に延在す
る2本の脚部32b、32bの一端を胴部33bにより
連結されており、弾性素材を、各部の断面がほぼ正方形
とされ全体として略コの字形状とされている。この振動
体16bの寸法は前記第1実施例の超音波モータ14の
振動体16と同様に適宜設計される。
【0077】前記振動体16bの角部は、脚部32bお
よび胴部33bに対して45度の角度をなすようにされ
た取付面34bが座となって突設されており、その取付
面34bに前記第1実施例の超音波モータ14と同様の
振動付与手段としての圧電素子17が図示しない接着剤
等の適宜な接合部材により固着されている。
【0078】前記振動体16bは、各脚部32bが遊嵌
状態にて前記本体44aの下凹部46に装着されるとと
もに、使用状態において脚部32bの先端面35bが本
体44aから突出し、かつ、図4に2点鎖線にて示す被
駆動体18bと当接可能とされている。そして、被駆動
体18bと当接する脚部32bの先端面35bには、前
記第1実施例の超音波モータ14と同様に摺動部材84
が固着されている。
【0079】一方、本実施例の超音波モータ14bと組
み合わせて用いられる被駆動体18bの表面の超音波モ
ータ14bの振動体16bの各脚部32bが当接する少
なくとも当接面85aは、前記第1実施例の超音波モー
タ14と組み合わされる被駆動体18と同様にNi−P
層36により覆われて形成されている。
【0080】また、本実施例の超音波モータ14bの振
動体16bの胴部33bの上面中央部には、適宜な係合
部材56が嵌着等により固定されている。そして、図9
に詳示するように、この係合部材56の上面中央部に
は、胴部33bの長手方向と直交する方向に適宜な溝5
7が形成されて、断面略凹形状とされている。
【0081】前記圧電素子17は、前記第1実施例の超
音波モータ14と同様に積層型圧電アクチェータ、圧電
セラミックス等が適用され、図示しない電源から印加さ
れる交番電圧により、前記取付面34bと直交する方向
に超音波振動をするようになっている。そして、圧電素
子17には、図示しない電源と接続される接続部材とし
ての図示しないリード線が前記ピン48に巻回されたう
えで小孔52を通して外部に延出されている。なお、前
記小孔52には、防塵のために図示しない貫通孔を有す
るゴムブッシングを装着し、その貫通孔にリード線を通
すことが望ましい。
【0082】前記本体44aの貫通孔47には、付勢ピ
ン59が上下方向に摺動自在にして装着されている。そ
して、付勢ピン59は図4において下方の先端に胴部3
3bの長手方向と直交する方向のナイフエッジ60を有
するとともに、図4において上方に延在する小径の段状
小径部61とを有している。さらに、図9に詳示するよ
うに、付勢ピン59の先端のナイフエッジ60は、振動
体16bの胴部33bに固定された係合部材56の溝5
7と係合されている。
【0083】また、この貫通孔47と付勢ピン59との
摺動部の長さは、付勢ピン59が摺動部を支点としたモ
ミスリ運動と称される回転運動を発生しないで、付勢ピ
ン59が上下方向にのみ摺動自在な長さとされ、これに
より進退方向拘束手段20bが形成されている。
【0084】なお、貫通孔47と付勢ピン59との摺動
部の間に、前記第1実施例の超音波モータ14の進退方
向拘束手段20と同様に、図示しない適宜な長さの摺動
抵抗の少ないリニアブッシュ、ボールスプライン等を介
在させてもよい。
【0085】前記付勢ピン59の段状小径部61の軸端
には、前記各支軸51に枢着されたアーム62の先端が
径方向両側から適宜な間隔を隔てて当接されている。
【0086】前記アーム62は、先端に段状凹部63が
形成されており、この段状凹部63の平行先端部64が
前記付勢ピン59の段状小径部61の軸端と当接するよ
うにされている。そして、アーム62の後部は前記有底
孔50の上方に位置するとともに、その後部には六角穴
66を頭部に有するねじ部材67が所望の長さの小径の
先端65を下方に突出させるようにして螺着されてい
る。さらに、ねじ部材67のワッシャ68には有底孔5
0に配設されている適宜なばね69の一端がねじ部材6
7を上方に押し上げるようにして当接されるとともに、
ねじ部材67の小径の先端65がばね69の内径部に内
挿されている。つまり、前記アーム62は支軸51を支
点としたてことなって、付勢ピン59および振動体16
bの各脚部32bの先端面35bを常時被駆動体18b
に向けて付勢させる。
【0087】そして、前記付勢ピン59、各支軸51に
枢着された両アーム62、各有底孔50に配設されたば
ね69により、いわゆるてこ式の付勢手段19bが構成
されている。
【0088】なお、前記ねじ部材67を回転させること
により、アーム62の一端に加わるばね69の力を増減
させることができ、付勢ピン59の付勢力を調節自在と
することができる。
【0089】また、前記カバー45のねじ部材67と対
向する位置には、組立状態でねじ部材67を回転可能と
するための適宜な窓70が開設されている。そして、こ
の窓70には通常状態において図示しないゴムにより製
せられた適宜なグロメットが装着され、ケース体15a
内への塵埃の進入を防止している。
【0090】このような構成によっても、前述した第1
実施例と同様の効果を奏する。
【0091】図10は本発明に係る直動案内装置の第2
実施例を示すものである。
【0092】図10に示すように、本実施例の直動案内
装置100aは、いわゆるX−Yステージに用いたもの
であり、本実施例においては、適宜な凹溝72を有する
平面略矩形の第1の案内部材101aとしての主ガイド
73の上に、適宜な凹溝74を有する平面略矩形の第2
の案内部材101bとしての移動ガイド75が、両者の
凹溝72,74を上方に向け、かつ、相互に直交するよ
うにして移動自在に配置されており、移動ガイド75の
上には、適宜な移動台76が移動自在にして載置されて
いる。そして、移動ガイド75の下部には、図4に示す
前述した超音波モータ14bが図示しない止めねじ等の
締結手段により、主ガイド73の凹溝72の一方の側壁
77と振動体16bの先端面35bの摺動部材84とが
密着するようにして固着されている。さらに、移動台7
6の下部には、図4に示す前述した超音波モータ14b
が図示しない止めねじ等の締結手段により、移動ガイド
75の凹溝74の一方の側壁78と振動体16bの先端
面35bの摺動部材84とが密着するようにして固着さ
れている。
【0093】また、前記各側壁77,78の表面は、前
記Ni−P層36により覆われている。
【0094】このような、本実施例の直動案内装置10
0aにおいては、一方の移動ガイド75の下部に配置さ
れた超音波モータ14bが主ガイド73の側壁77を蹴
ることとなり、移動ガイド75を図において両矢印Yに
て示す方向に走行させ、他方の移動台76の下部に配置
された超音波モータ14bが移動ガイド75の側壁78
を蹴ることとなり、移動台76を図において両矢印Xに
て示す方向に走行させることができる。
【0095】このような構成により、本実施例は前述し
た第1実施例の直動案内装置100と同様の効果を奏す
ることができる。
【0096】図11は本発明に係る超音波モータの第4
実施例を示すものである。
【0097】図11に示すように、本実施例の超音波モ
ータ14cは、ケース体15cの側壁79の所望位置に
適宜な貫通孔80が形成されるとともに、貫通孔80が
形成されている側壁79の外側に所望のコネクタ81が
配設されており、このコネクタ81と、振動体16cに
配置された振動付与手段としての圧電素子17の図示し
ない電極とが接続部材としてのリード線58により接続
されている。なお、前記貫通孔80には、防塵のために
図示しない貫通孔を有するゴムブッシングを装着し、そ
の貫通孔にリード線58を通すことが望ましい。さら
に、圧電素子17の電極とリード線58の接続部を所望
の絶縁樹脂等の封止部材により封止するとよい。
【0098】このような構成によっても、前述した第1
実施例の超音波モータ14と同様の効果を奏するととも
に、圧電素子17に接続されているリード線58が取扱
い時や使用時に剥がれる等の不具合をより確実に防止す
ることができる。
【0099】図12から図14は本発明に係る超音波モ
ータに冷却手段を設けた実施例の要部を示す正面縦断面
図示である。
【0100】図12に示すように、本実施例の超音波モ
ータ14dは、冷却手段として冷却流体を用いる場合を
示しており、ケース体15dの所望位置に、エア等の適
宜な冷却流体の吐出ノズル82が固着されている。そし
て、冷却流体は、吐出ノズル82から図において矢印に
て示すように吐出され、ケース体15d内の圧電素子1
7を冷却するとともに、ケース体15dと振動体16c
との間隙から図において矢印にて示すように排出される
ようにされている。
【0101】このような構成によっても、駆動源として
前述した第1実施例の超音波モータ14と同様の効果を
奏するとともに、圧電素子17の発熱による特性変化を
確実に防止することができる。
【0102】また、ケース体15dと振動体16dとの
間隙から排出される冷却流体により、図示しない被駆動
体の表面に付着している塵埃等の異物を除去することが
でき、精密な制御が可能となる。
【0103】図13に示すように、本実施例の超音波モ
ータ14eは、冷却手段として圧電素子自身の放熱面積
を増加する場合を示しており、ケース体15e内の所望
位置に配設された振動体16eの所定位置に固着された
本実施例の圧電素子17aは、円筒形状あるいは中空四
角形状等の中空体とされている。
【0104】このような構成によっても、前述した第1
実施例の超音波モータ14と同様の効果を奏するととも
に、圧電素子17aの発熱による特性変化を確実に防止
することができる。
【0105】なお、圧電素子17aの中空部に図示しな
い熱伝導率の高い樹脂等を充填したり、あるいは圧電素
子17aの外周部を熱伝導率の高い樹脂等により覆って
もよい。また、圧電素子17aの電極板を大きくするな
どしてもよく、特に、本実施例に限定されるものではな
い。
【0106】図14に示すように、本実施例の超音波モ
ータ14fは、冷却手段として放熱フィンを用いる場合
を示しており、ケース体15fおよびケース体15f内
の所望位置に配設された振動体16fの所定位置に固着
された圧電素子17の外周部に、それぞれ適宜な放熱フ
ィン83a,83bを設けたものである。
【0107】このような構成によっても、前述した第1
実施例の超音波モータ14と同様の効果を奏するととも
に、圧電素子17の発熱による特性変化を確実に防止す
ることができる。
【0108】また、ケース体15fに設ける放熱フィン
83aは、ケース体15fと一体であっても別体であっ
てもよい。そして、ケース体15fに設ける放熱フィン
83aは、取付基準面を除く全ての部位に設けることが
好ましい。
【0109】なお、前述した各種の放熱手段は、それぞ
れ単独で用いるばかりでなく、各種の放熱手段を組み合
わせて用いてもよい。
【0110】また、本発明は、前記実施例に限定される
ものではなく、必要に応じて変更することができる。
【0111】
【発明の効果】以上説明したように本発明の超音波モー
タによれば、構成部品点数を少なくした状態でケース体
内に内装してユニット化できるとともに、振動体の姿勢
を被駆動体に対して常に一定に保持することができるの
で、駆動効率を向上させ、長期間に亘り安定した機能を
保持することができるという極めて優れた効果を奏す
る。そして、ケース体内に構成部品を内装することによ
り、商品としての汎用性が確実に向上し、しかもメンテ
ナンスの利便性が向上するという極めて優れた効果も奏
する。さらに、本発明の直動案内装置によれば、長期間
に亘り安定した機能を確実に保持することができるとと
もに、全体として小形で、取扱性が容易でかつメンテナ
ンスの利便性が向上するという極めて優れた効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る超音波モータの第1実施例の要部
を示す縦断面図
【図2】本発明に係る直動案内装置の第1実施例の要部
を示す斜視図
【図3】本発明に係る超音波モータの第2実施例の要部
を示す正面縦断面図
【図4】本発明に係る超音波モータの第3実施例の要部
を示す正面縦断面図
【図5】図4の一部切断平面図
【図6】図4の下面図
【図7】図4の背面図
【図8】図4の左側断面図
【図9】図4の付勢ピンと振動体との係合状態を示す説
明図
【図10】本発明に係る直動案内装置の第2実施例を示
す図2と同様の図
【図11】本発明に係る超音波モータの第4実施例の要
部を示す正面縦断面図
【図12】本発明に係る超音波モータに冷却手段を設け
た実施例の要部を示す正面縦断面図
【図13】本発明に係る超音波モータに冷却手段を設け
た他の実施例の要部を示す正面縦断面図
【図14】本発明に係る超音波モータに冷却手段を設け
たさらに他の実施例の要部を示す正面縦断面図
【図15】従来の超音波モータの要部を示す正面図
【図16】図15の側面図
【符号の説明】
14a、14b、14c、14d、14e、14f 超
音波モータ 15a、15b、15c、15d、15e、15f ケ
ース体 16a、16b、16c、16d、16e、16f 振
動体 17、17a 圧電素子(振動付与手段) 18、18a、18b 被駆動体 19、19a、19b 付勢手段 20、20a、20b 進退方向拘束手段 36 Ni−P層 39 付勢ピン 40 ばね 41 ボール 43、46 移動台 58 リード線(配線部材) 59 付勢ピン 62 アーム 69 ばね 81 コネクタ 82 吐出ノズル 83a、83b 放熱フィン 84 摺動部材 100、100a 直動案内装置 101、101a、101b 案内部材 106 板ばね 109 付勢ピン 112 ニードルローラ 113 調整ねじ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 吉重 東京都大田区雪谷大塚町1番7号 アル プス電気株式会社内 (72)発明者 白井 武樹 東京都品川区上大崎3丁目6番4号 テ イエチケー株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−135279(JP,A) 特開 平1−283072(JP,A) 特開 平3−190577(JP,A) 実開 平2−68192(JP,U) 実開 平5−41399(JP,U) 実開 平3−17602(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H02N 2/00 G05D 3/00

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被駆動体に当接される少なくとも2本の
    平行な脚部およびこれらの脚部を連結する胴部とから成
    る振動体と、前記振動体に固着され前記振動体を振動さ
    せる振動付与手段と、前記振動体を所定の方向に付勢す
    る付勢手段と、前記振動体の脚部のみを突出自在とさせ
    かつ前記振動体および振動付与手段ならびに付勢手段を
    内装せしめるケース体とを有することを特徴とする超音
    波モータ。
  2. 【請求項2】 前記振動体を所定の方向にのみ進退自在
    とせしめる進退方向拘束手段を有することを特徴とする
    請求項1に記載の超音波モータ。
  3. 【請求項3】 前記振動体の脚部の先端面または前記被
    駆動体の前記振動体との当接面の少なくとも一方を、N
    i−Pからなる被覆層により覆ってなることを特徴とす
    る請求項1または請求項2に記載の超音波モータ。
  4. 【請求項4】 前記ケース体にコネクタを配置し、該コ
    ネクタと少なくとも前記振動付与手段とを配線部材によ
    り接続することを特徴とする請求項1または請求項2に
    記載の超音波モータ。
  5. 【請求項5】 冷却手段を設けたことを特徴とする請求
    項1または請求項2に記載の超音波モータ。
  6. 【請求項6】 前記冷却手段は、前記ケース体内に冷却
    流体を導入自在に形成されていることを特徴とする請求
    項5に記載の超音波モータ。
  7. 【請求項7】 前記冷却手段は、放熱フィンにより形成
    されていることを特徴とする請求項5に記載の超音波モ
    ータ。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至請求項7のいずれか1項に
    記載の超音波モータを案内部材に配置された移動台に固
    着し、前記超音波モータの駆動力をもって前記移動台を
    案内部材に沿って移動自在とすることを特徴とする直動
    案内装置。
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