JP2957413B2 - 脱脂性に優れた冷延鋼板 - Google Patents
脱脂性に優れた冷延鋼板Info
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- JP2957413B2 JP2957413B2 JP7505294A JP7505294A JP2957413B2 JP 2957413 B2 JP2957413 B2 JP 2957413B2 JP 7505294 A JP7505294 A JP 7505294A JP 7505294 A JP7505294 A JP 7505294A JP 2957413 B2 JP2957413 B2 JP 2957413B2
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- Japan
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- chemical conversion
- steel sheet
- rolled steel
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- Electroplating Methods And Accessories (AREA)
- Chemical Treatment Of Metals (AREA)
- Other Surface Treatments For Metallic Materials (AREA)
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は自動車、家電用の冷延鋼
板にかかわり、化成処理前の脱脂性に優れた冷延鋼板を
提供する。
板にかかわり、化成処理前の脱脂性に優れた冷延鋼板を
提供する。
【０００２】
【従来の技術】自動車用鋼板や家電用鋼板は、実際の使
用に際してはプレス成形、溶接などを行った後、塗装下
地処理としての化成処理を行う。その後、その化成処理
皮膜の上に例えばカチオン電着塗装を行ったり、スプレ
ー塗装を行ったりして最終用途に使用される。この良好
な塗装性や塗装後耐食性を得るためには、良好な化成処
理性が必要不可欠である。この良好な化成処理性を得る
ためには、冷延鋼板の化成処理前の脱脂性が安定して良
好であり、後工程での化成皮膜結晶の核発生や成長を阻
害しないことが必要となる。
用に際してはプレス成形、溶接などを行った後、塗装下
地処理としての化成処理を行う。その後、その化成処理
皮膜の上に例えばカチオン電着塗装を行ったり、スプレ
ー塗装を行ったりして最終用途に使用される。この良好
な塗装性や塗装後耐食性を得るためには、良好な化成処
理性が必要不可欠である。この良好な化成処理性を得る
ためには、冷延鋼板の化成処理前の脱脂性が安定して良
好であり、後工程での化成皮膜結晶の核発生や成長を阻
害しないことが必要となる。
【０００３】自動車用、家電用鋼板として使用される冷
延鋼板は、従来はボックス焼鈍や連続焼鈍時の冷却を無
酸化雰囲気でのガスジェットクール等の方法で行ってい
た。そのため、化成処理皮膜の形成に有利とされるＭｎ
等の表面濃化層が存在するとともに水酸化鉄等の腐食生
成物の付着がないため、化成処理性に優れた鋼板であっ
た。しかし、最近材質作り込み強化のため上記連続焼鈍
時の冷却に水冷または気水冷却の方法を採用する傾向に
ある。この場合、冷却過程が酸化性雰囲気となるため、
鋼板表面に過剰の酸化膜を生成しブルーイングを生じ
る。したがって、この酸化膜を除去するため酸洗処理を
行う必要が生じる。しかし、この酸洗処理を行った鋼板
は、上述したＭｎ等の化成処理に有利な表面濃化層まで
除去したり、水酸化鉄を生成したりして化成処理性が劣
化した表面状態にある。
延鋼板は、従来はボックス焼鈍や連続焼鈍時の冷却を無
酸化雰囲気でのガスジェットクール等の方法で行ってい
た。そのため、化成処理皮膜の形成に有利とされるＭｎ
等の表面濃化層が存在するとともに水酸化鉄等の腐食生
成物の付着がないため、化成処理性に優れた鋼板であっ
た。しかし、最近材質作り込み強化のため上記連続焼鈍
時の冷却に水冷または気水冷却の方法を採用する傾向に
ある。この場合、冷却過程が酸化性雰囲気となるため、
鋼板表面に過剰の酸化膜を生成しブルーイングを生じ
る。したがって、この酸化膜を除去するため酸洗処理を
行う必要が生じる。しかし、この酸洗処理を行った鋼板
は、上述したＭｎ等の化成処理に有利な表面濃化層まで
除去したり、水酸化鉄を生成したりして化成処理性が劣
化した表面状態にある。
【０００４】これに加えて、自動車、家電メーカーにて
化成処理を行う場合、量産ライン脱脂液、表面調整液、
化成処理液は経時変化を生じる。そこで、これら変動要
因に対しても良好な脱脂性を示し、結果として良好な化
成処理性を有する冷延鋼板が望まれていた。化成処理性
に劣る冷延鋼板表面の改善を図ったものとしては、特開
昭５６−１１６８８３号公報に冷延鋼板表面に金属Ｎｉ
を０．３〜１０ｍｇ／ｍ2 付着させる方法が開示されて
いる。金属Ｎｉを付着した冷延鋼板は、表面析出した金
属Ｎｉの局部電池の構成作用が極めて強く、化成処理反
応に対して極めて敏感な表面状態となっており、処理条
件の影響を非常に強く受ける。そのため、経時による変
動が大きい量産ライン液では安定して化成処理皮膜を生
成することができない。
化成処理を行う場合、量産ライン脱脂液、表面調整液、
化成処理液は経時変化を生じる。そこで、これら変動要
因に対しても良好な脱脂性を示し、結果として良好な化
成処理性を有する冷延鋼板が望まれていた。化成処理性
に劣る冷延鋼板表面の改善を図ったものとしては、特開
昭５６−１１６８８３号公報に冷延鋼板表面に金属Ｎｉ
を０．３〜１０ｍｇ／ｍ2 付着させる方法が開示されて
いる。金属Ｎｉを付着した冷延鋼板は、表面析出した金
属Ｎｉの局部電池の構成作用が極めて強く、化成処理反
応に対して極めて敏感な表面状態となっており、処理条
件の影響を非常に強く受ける。そのため、経時による変
動が大きい量産ライン液では安定して化成処理皮膜を生
成することができない。
【０００５】また、特開昭５９−１５９９８７号公報に
は冷延鋼板表面にＮｉ酸化物または水酸化物をＮｉ元素
重量換算で１〜１５０ｍｇ／ｍ2 付着させたものが開示
されている。このＮｉの酸化物または水酸化物は、確か
に健全な脱脂液を使用した場合の化成処理性を向上させ
る。しかし、油との親和力が強いため、あらかじめ塗油
された防錆油や洗浄油がとれ難く、経時により油混入量
が多くなって脱脂性が劣化した脱脂液では十分に脱脂さ
れず、その結果として化成処理性が低下する。
は冷延鋼板表面にＮｉ酸化物または水酸化物をＮｉ元素
重量換算で１〜１５０ｍｇ／ｍ2 付着させたものが開示
されている。このＮｉの酸化物または水酸化物は、確か
に健全な脱脂液を使用した場合の化成処理性を向上させ
る。しかし、油との親和力が強いため、あらかじめ塗油
された防錆油や洗浄油がとれ難く、経時により油混入量
が多くなって脱脂性が劣化した脱脂液では十分に脱脂さ
れず、その結果として化成処理性が低下する。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上述のように
連続焼鈍時に水冷または気水冷却を受け、さらに酸洗処
理を行った冷延鋼板において、脱脂不良による化成処理
性の劣化がない、化成処理量産ラインの脱脂液変動の影
響を受けにくい脱脂性に優れた冷延鋼板を提供するもの
である。
連続焼鈍時に水冷または気水冷却を受け、さらに酸洗処
理を行った冷延鋼板において、脱脂不良による化成処理
性の劣化がない、化成処理量産ラインの脱脂液変動の影
響を受けにくい脱脂性に優れた冷延鋼板を提供するもの
である。
【０００７】
【課題を解決するための手段】発明者らは、良好な脱脂
性が得られるとともに量産ラインの処理液の成分等の経
時による劣化に対して、金属Ｎｉのように化成処理条件
に敏感ではなく、同時に酸化Ｎｉまたは水酸化Ｎｉのよ
うに脱脂不良を生じない処理の検討を行うべく、種々の
研究を行った。その結果、鋼板表面の地鉄側に金属Ｎｉ
層を、最表層側に水酸化Ｎｉ層を有し、最表層のＮｉ存
在割合が７５〜９５ａｔｍ％の冷延鋼板が経時して劣化
した脱脂液中でも安定した脱脂性を示し、化成処理性が
良好であることを見い出すに至った。本発明は上記知見
に基いてなされたものであり、その要旨とするところ
は、鋼板表面に地鉄側に金属Ｎｉ層を、最表層に水酸化
Ｎｉ層を有し、最表層部のＮｉ存在割合が７５〜９５ａ
ｔｍ％、さらにＮｉが元素重量換算で１〜１００ｍｇ／
ｍ2 付着していることを特徴とする脱脂性に優れた冷延
鋼板にある。
性が得られるとともに量産ラインの処理液の成分等の経
時による劣化に対して、金属Ｎｉのように化成処理条件
に敏感ではなく、同時に酸化Ｎｉまたは水酸化Ｎｉのよ
うに脱脂不良を生じない処理の検討を行うべく、種々の
研究を行った。その結果、鋼板表面の地鉄側に金属Ｎｉ
層を、最表層側に水酸化Ｎｉ層を有し、最表層のＮｉ存
在割合が７５〜９５ａｔｍ％の冷延鋼板が経時して劣化
した脱脂液中でも安定した脱脂性を示し、化成処理性が
良好であることを見い出すに至った。本発明は上記知見
に基いてなされたものであり、その要旨とするところ
は、鋼板表面に地鉄側に金属Ｎｉ層を、最表層に水酸化
Ｎｉ層を有し、最表層部のＮｉ存在割合が７５〜９５ａ
ｔｍ％、さらにＮｉが元素重量換算で１〜１００ｍｇ／
ｍ2 付着していることを特徴とする脱脂性に優れた冷延
鋼板にある。
【０００８】
【作用】以下本発明について説明する。金属Ｎｉ層は地
鉄との界面側になければならない。この金属Ｎｉの存在
により、冷延鋼板は脱脂後の化成処理において良好な反
応性を示す。水酸化Ｎｉは表層に存在し、下層の金属Ｎ
ｉが最表層に顔を出して化成処理液に対して過敏になり
すぎ、化成処理が不安定になるのを防ぐ。表層部のＮｉ
原子の存在割合は７５〜９５ａｔｍ％でなければならな
い。７５ａｔｍ％未満では水酸化Ｎｉ量が多く、油との
親和力が強いため脱脂性が低下してしまう。また、９５
ａｔｍ％より大きいと表層に金属Ｎｉが多量に存在し、
化成処理性を不安定にする。
鉄との界面側になければならない。この金属Ｎｉの存在
により、冷延鋼板は脱脂後の化成処理において良好な反
応性を示す。水酸化Ｎｉは表層に存在し、下層の金属Ｎ
ｉが最表層に顔を出して化成処理液に対して過敏になり
すぎ、化成処理が不安定になるのを防ぐ。表層部のＮｉ
原子の存在割合は７５〜９５ａｔｍ％でなければならな
い。７５ａｔｍ％未満では水酸化Ｎｉ量が多く、油との
親和力が強いため脱脂性が低下してしまう。また、９５
ａｔｍ％より大きいと表層に金属Ｎｉが多量に存在し、
化成処理性を不安定にする。
【０００９】Ｎｉ付着量をＮｉ元素重量換算で１〜１０
０ｍｇ／ｍ2 としたのは、１ｍｇ／ｍ2 未満では酸洗後
の冷延鋼板には化学溶解する箇所が少なく、その結果化
成結晶の核生成や成長が進まず化成処理反応特性が低下
し、スケとなるためである。また、１００ｍｇ／ｍ2 以
上では化成処理結晶が粗大化し外観が黒変するのとコス
ト高となるため好ましくない。
０ｍｇ／ｍ2 としたのは、１ｍｇ／ｍ2 未満では酸洗後
の冷延鋼板には化学溶解する箇所が少なく、その結果化
成結晶の核生成や成長が進まず化成処理反応特性が低下
し、スケとなるためである。また、１００ｍｇ／ｍ2 以
上では化成処理結晶が粗大化し外観が黒変するのとコス
ト高となるため好ましくない。
【００１０】
【実施例】厚さ０．８ｍｍのアルミキルド鋼を３％塩酸
にて酸洗した後、硫酸ニッケル５ｇ／ｌのＮｉめっき浴
から５Ａ／ｄｍ2 の電流密度でめっきを行った。また、
こうして作成した試料を表１に示す条件で化成処理を行
い、脱脂性および化成処理性を評価した。脱脂性につい
ては水漏れ面積にて評価し、化成処理性については化成
皮膜付着量、結晶粒径、外観にて評価を行った。
にて酸洗した後、硫酸ニッケル５ｇ／ｌのＮｉめっき浴
から５Ａ／ｄｍ2 の電流密度でめっきを行った。また、
こうして作成した試料を表１に示す条件で化成処理を行
い、脱脂性および化成処理性を評価した。脱脂性につい
ては水漏れ面積にて評価し、化成処理性については化成
皮膜付着量、結晶粒径、外観にて評価を行った。
【００１１】
【表１】
【００１２】図１に表層部のＮｉ原子の存在割合と脱脂
性の関係を示す。これより、Ｎｉの存在割合が７５〜９
５ａｔｍ％で脱脂後の水漏れ性が良好で、その後の化成
処理性も良好であることがわかる。図２にＮｉ量と化成
処理後の結晶粒径および外観との関係を示す。結晶粒径
はＮｉ量が３０ｍｇ／ｍ2 を越えたくらいから増加しは
じめ、１００ｍｇ／ｍ2 を越えたところでは２０μｍを
越えている。また、外観も粒径が２０μｍを越えるＮｉ
量１００ｍｇ／ｍ2 以上で黒変がはじまる。
性の関係を示す。これより、Ｎｉの存在割合が７５〜９
５ａｔｍ％で脱脂後の水漏れ性が良好で、その後の化成
処理性も良好であることがわかる。図２にＮｉ量と化成
処理後の結晶粒径および外観との関係を示す。結晶粒径
はＮｉ量が３０ｍｇ／ｍ2 を越えたくらいから増加しは
じめ、１００ｍｇ／ｍ2 を越えたところでは２０μｍを
越えている。また、外観も粒径が２０μｍを越えるＮｉ
量１００ｍｇ／ｍ2 以上で黒変がはじまる。
【００１３】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は連続焼鈍
時に水冷または気水冷却を受け、さらに酸洗処理を行っ
た冷延鋼板において、脱脂不良による化成処理性の劣化
がない、化成処理量産ラインの脱脂液変動の影響を受け
にくい脱脂性に優れた冷延鋼板を提供し、自動車、家電
製品の生産性向上に大きく貢献するものである。
時に水冷または気水冷却を受け、さらに酸洗処理を行っ
た冷延鋼板において、脱脂不良による化成処理性の劣化
がない、化成処理量産ラインの脱脂液変動の影響を受け
にくい脱脂性に優れた冷延鋼板を提供し、自動車、家電
製品の生産性向上に大きく貢献するものである。
【図１】表層部のＮｉ原子の存在割合と脱脂性の関係を
示す図、
示す図、
【図２】Ｎｉ量と化成処理後の結晶粒径および外観との
関係を示す図である。
関係を示す図である。
Claims (1)
- 【請求項１】 鋼板表面の地鉄側に金属Ｎｉ層を、最表
層に水酸化Ｎｉ層を有し、最表層のＮｉ存在割合が７５
〜９５ａｔｍ％、さらにＮｉが元素重量換算で、１〜１
００ｍｇ／ｍ2 付着していることを特徴とする脱脂性に
優れた冷延鋼板。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7505294A JP2957413B2 (ja) | 1994-04-13 | 1994-04-13 | 脱脂性に優れた冷延鋼板 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7505294A JP2957413B2 (ja) | 1994-04-13 | 1994-04-13 | 脱脂性に優れた冷延鋼板 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH07278843A JPH07278843A (ja) | 1995-10-24 |
| JP2957413B2 true JP2957413B2 (ja) | 1999-10-04 |
Family
ID=13565051
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP7505294A Expired - Fee Related JP2957413B2 (ja) | 1994-04-13 | 1994-04-13 | 脱脂性に優れた冷延鋼板 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2957413B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP4747700B2 (ja) * | 2005-07-06 | 2011-08-17 | Ｊｆｅスチール株式会社 | 脱脂性に優れた鋼板の製造方法及び鋼板 |
| JP5053060B2 (ja) * | 2007-01-12 | 2012-10-17 | 新日本製鐵株式会社 | 脱脂性および化成処理性に優れた冷延鋼板 |
| JP7303978B2 (ja) * | 2019-06-26 | 2023-07-06 | 住友電気工業株式会社 | 被覆部材、及び被覆部材の製造方法 |
-
1994
- 1994-04-13 JP JP7505294A patent/JP2957413B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH07278843A (ja) | 1995-10-24 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
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