JP2957148B2 - 15−デオキシ−イソカルバサイクリン誘導体 - Google Patents
15−デオキシ−イソカルバサイクリン誘導体Info
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Description
オキシ−イソカルバサイクリン誘導体とその製造法に関
するものである。
高まりとともに、脳機能の生理的作用を詳細に検討する
ことが精力的に進められてきている。また一方、このよ
うな状況に先立って、中枢神経の作用機序を、生体産生
物質でもあって、多様な生理活性を持つことが注目され
ているプロスタグランジン誘導体との関係において解明
しようとする試みがこの出願の発明者らによって進めら
れてきている。
機能の解明に大変に重要と思われる、中枢神経型プロス
タサイクリン受容体サブタイプ(IP2 )の結合に関与
するリガンドとして新規なイソカルバサイクリン誘導体
が提供されてきている。これらの誘導体は、ポジトロン
核種により標識化された物質のPETイメージングによ
る検索の結果として導かれたものであった。
型プロスタサイクリン受容体サブタイプ(IP2 )の結
合に親和性の高い物質が見出されることが期待されてい
た。この出願の発明は、以上のような事情に鑑みてなさ
れたものであって、前記のとおり、中枢神経型プロスタ
サイクリン受容体サブタイプ(IP2 )の結合について
さらに親和性が高く、中枢神経系疾患の治療薬や、脳中
枢神経の活動やその異変等について検討し、診断等する
ためのプローブとしても有用な、新規なイソカルバサイ
クリン誘導体とその製造法を提供することを課題として
いる。
の課題を解決するものとして、次式
を示す)で表わされる15−デオキシ−イソカルバサイ
クリン誘導体を提供する。また、この出願の発明は、前
記の15−デオキシ−イソカルバサイクリン誘導体の製
造法であって、次式(1)
フェニルホスホラニリデン)アセトアルデヒドと反応さ
せ、得られる次式(2)
ギ酸メチルエステルと反応させ、得られる次式(3)
(4)
鎖を示す)で表わされるジスルホン化合物と反応させて
次式(5)
で脱離反応させ、得られる次式(6)
水分解することを特徴とする15−デオキシ−イソカル
バサイクリン誘導体の製造法をも提供する。
わされる15−デオキシ−16−m−トリル−17,1
8,19,20−テトラノルイソカルバサイクリンとそ
の類縁体を新規なイソカルバサイクリン誘導体として提
供するものである。前記の一般式で表わされるこの発明
のイソカルバサイクリン誘導体においては、式中のR
は、炭素数1〜6の炭化水素鎖として、メチレン、エチ
レン、プロピレン、イソプロピレン、ブチレン、イソブ
チレン、ヘキシレン等々のアルキレン鎖、もしくは対応
するアルケニレン鎖であってよい。また、ベンゼン環に
結合するメチル基は、o、m、またはp位置の適宜な位
置に結合していてよい。
造することができるが、代表的な反応として具体的に例
示すると次の反応式のように示すことができる。
デヒド化合物(11)は、たとえば、M.Suzuki, et al,
Tetrahedron, 48, 2635-2658(1992) 記載のものとし
て、これと同様にして合成入手することができる。各反
応工程においては他の適宜な溶媒を使用してもよく、ま
た、式(12)のアルデヒド化合物には、代表的にはク
ロルギ酸メチルエステルを反応させることになるが、他
のハロゲン原子や他のアルキルエステル基を持つもので
あってもよい。同様に、式(16)化合物の加水分解反
応にも、水性アルカリだけでなく、他の適宜な反応剤を
用いてもよい。反応温度や、モル比等の諸条件について
も、次の実施例を考慮して定めればよい。
等を示し、さらに詳しくこの発明について説明する。
スホラニリデン)アセトアルデヒド(21.8mg,7
1.6μmol)のベンゼン(1.5ml)溶液を入
れ、次いで前記アルデヒド化合物(11)(23.0m
g,65.3μmol)のベンゼン(1.5ml)溶液
を加え、20時間還流させた。反応混合物を冷却後、溶
媒を除去し、残渣を、ヘキサンおよびエチルアセテート
の2:1並びに1:1混合物を用いてSiO2 クロマト
グラフィー精製した。前記アルデヒド化合物(2)を得
た(14.8mg,61%)。TLC Rf 0.55
(1:1 ヘキサン/エチルアセテート)であった。 1
H−NMR値は次のとおりであった。
(12)(7.6mg,20.2μmol)のメタノー
ル(1.0ml)溶液を入れ、次いで,CeCl7 H2
O(10mg,27μmol)とNaBH4 (2mg,
53μmol)を添加し、5分間攪拌した。
水を添加した。エチルアセテートを溶媒として用い、3
度、抽出を行った。有機相を一緒にして、MgSO4 に
より乾燥し、濾過し、減圧下に濃縮した。得られた粗生
成物を、10ml容量の丸底フラスコに入れ、CH2 C
l2 (2.0ml)に溶解させた。この溶液にDMAP
(37.0mg,0.303mmol)およびクロルギ
酸メチルエステル(0.015ml,0.194mmo
l)を添加し、4時間攪拌した。その後、NaHCO3
水溶液を加え、エチルアセテートにより抽出した。有機
相を一緒にしてNa2 SO4 により乾燥し、濾過し、減
圧濃縮した。ヘキサンとエチルアセテートの4:1混合
物を用いてSiO2によるクロマトグラフィー精製し、
前記の炭酸エステル化合物(13)(8.0mg,91
%)を得た。TLC Rf 0.42(2:1 ヘキサン
/エチルアセテート)。 1H−NMR値は次のとおりで
あった。
リデンアセトン)−ジパラジウム(O)−クロロホルム
付加物(2.1mg,2.0μmol)と1,2−ビス
(ジフェニルホスフィノ)エタン(1.6mg,4.0
μmol)のTHF(1.0ml)溶液を入れた。この
溶液に、前記の炭酸エステル化合物(13)(8.0m
g,18.3μmol)および式(14)で表わされる
ジスルホン(7.6mg,19.7μmol)のTHF
(1.0ml)溶液を加え、15時間攪拌した。
エチルアセテートにより抽出した。有機相を一緒にして
MgSO4 により乾燥し、濾過し、減圧濃縮した。ヘキ
サンとエチルアセテートの、2:1、1:1並びに1:
2混合物を用いてSiO2 クロマトグラフィーにより精
製した。目的とする前記の付加体化合物(15)を得た
(9.6mg,70%)。TLC Rf 0.27(1:
1 ヘキサン/エチルアセテート)。 1H−NMR値は
次のとおりであった。
16−m−トリル−17,18,19,20−テトラノ
ルイソカルバサイクリンメチルエステルの合成 10ml容量の丸底フラスコに、Mg(10mg,0.
4mmol)を入れ、次いで、前記の付加体化合物(1
5)(7.5mg,10.0μmol)のメタノール
(1.5ml)溶液を加えて3時間攪拌した。
え、エチルアセテートにより抽出した。有機相を一緒に
してMgSO4 により乾燥し、濾過し、減圧濃縮した。
得られた粗生成物を10ml容量の丸底フラスコに入
れ、酢酸と水との9:1混合物(2.0ml)に溶解さ
せた。40時間攪拌した後に、エチルアセテートを添加
し、NaHCO3 水溶液により洗浄した。有機相をNa
2 SO4 により乾燥させ、濾過し、減圧濃縮した。次い
で、3:1のヘキサンとエチルアセテート混合物を用
い、SiO2 クロマトグラフィー精製して、目的とする
化合物(16)の15−デオキシ−16−m−トリル−
17,18,19,20−テトラノルイソカルバサイク
リンメチルエステルを得た(2.2mg,58%)。T
LCRf 0.6(ヘキサン/エチルアセテート)。 1H
−NMRは次のとおりであった。
−17,18,19,20−テトラノルイソカルバサイ
クリンの合成 10ml容量のテストチューブに、前記化合物(16)
(1.0mg,2.6μmol)のメタノール(0.5
ml)溶液を入れ、NaOH水溶液(3N,0.2m
l)を加え、室温で12時間攪拌した。
ートと水を加えた。pHは3とした。有機相を分離し、
水性相をエチルアセテートにより抽出した。有機相を一
緒にし、MgSO4 により乾燥し、濾過し、減圧下に濃
縮した。CH2 Cl2 とメタノールとの10:1混合物
を用いてSiO2 (0.5g)クロマトグラフィー精製
し、次式で表わされる目的とする15−デオキシ−16
−m−トリル−17,18,19,20−テトラノルイ
ソカルバサイクリンを得た(0.9mg,94%)。T
LC Rf 0.39(9:1 CH2 Cl2 /メタノー
ル)。 1H−NMRは次のとおりであった。
デオキシ−イソカルバサイクリン誘導体(15−deoxy
−TIC)について中枢神経型プロスタサイクリン受容
体サブタイプ(IP2 )の結合についての親和性を評価
した。この評価では、比較のために、15R−m−トリ
ル−17,18,19,20−テトラノルイソカルバサ
イクリン(15R−TIC)と、15S−m−トリル−
17,18,19,20−テトラノルイソカルバサイク
リン(15S−TIC)についても親和性を評価した。
カルバサイクリンに対するdisplacement実験〕ラット脳
から全身生食灌流により血液成分を除去し、これを凍結
して10μm厚の凍結切片を作成した。これを50mM
Tris/HCl pH7.4,20mM MgCl
液中で10nMの〔 3H〕イソカルバサイクリンおよび
種々の濃度のイソカルバサイクリン誘導体とともに4℃
で2時間Incubationした。Incubation洗浄後、乾燥を行
い、切片のオートラジオグラフィーのフィルムを作成し
た。このオートラジオグラフィー(n=4以上)の定量
解析により、各イソカルバサイクリンのdisplacement値
を算出した。
が図1である。この結果により、視床でのプロスタサイ
クリン受容体(中枢神経型)に対し、この発明化合物に
強い活性をしめすことがわかる。
り、脳内、特に中枢神経組織で産生されるプロスタサイ
クリン受容体の探索研究や、中枢神経系の疾患の治療薬
として有用なイソカルバサイクリン誘導体が提供され
る。
トロン核種であるトリチウム 3H標識によるイソカルバ
サイクリンのdisplacement値を視床(中枢神経型)につ
いて示した図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 次式 【化1】 (式中のRは、炭素数1〜6の炭化水素鎖を示す)で表
わされる15−デオキシ−イソカルバサイクリン誘導
体。 - 【請求項2】 請求項1の15−デオキシ−イソカルバ
サイクリン誘導体の製造法であって、次式(1) 【化2】 で表わされるアルデヒド化合物を、(トリフェニルホス
ホラニリデン)アセトアルデヒドと反応させ、得られる
次式(2) 【化3】 で表わされるアルデヒド化合物を、クロルギ酸メチルエ
ステルと反応させ、得られる次式(3) 【化4】 で表わされる炭酸エステル化合物を、次式(4) 【化5】 (式中のR0 は、炭素数5までの炭化水素鎖を示す)で
表わされるジスルホン化合物と反応させて次式(5) 【化6】 で表わされる付加体化合物を合成し、次いで脱離反応さ
せ、得られる次式(6) 【化7】 で表わされるカルバサイクリン誘導体を加水分解するこ
とを特徴とする15−デオキシ−イソカルバサイクリン
誘導体の製造法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP16032097A JP2957148B2 (ja) | 1997-06-17 | 1997-06-17 | 15−デオキシ−イソカルバサイクリン誘導体 |
Applications Claiming Priority (1)
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JPH115764A JPH115764A (ja) | 1999-01-12 |
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---|---|---|---|
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1997
- 1997-06-17 JP JP16032097A patent/JP2957148B2/ja not_active Expired - Fee Related
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