JP2957024B2 - 自動洗浄機用注型固形洗浄剤およびその製造方法 - Google Patents

自動洗浄機用注型固形洗浄剤およびその製造方法

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JP2957024B2 JP14400691A JP14400691A JP2957024B2 JP 2957024 B2 JP2957024 B2 JP 2957024B2 JP 14400691 A JP14400691 A JP 14400691A JP 14400691 A JP14400691 A JP 14400691A JP 2957024 B2 JP2957024 B2 JP 2957024B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、食器類、ビン類、コン
テナ類、トレー等を洗浄する自動洗浄機に用いられる注
型固形洗浄剤およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】食器などの厨房用品を洗浄する自動食器
洗浄機は、食堂等の業務用を中心として広く用いられて
おり、また、近年、家庭用も普及し始めている。
【0003】業務用の大型自動食器洗浄機においては、
使用につれて洗浄剤濃度が低下してくると、これをセン
サーで検知し、洗浄剤を自動補給している。洗浄剤の剤
型や補給形式としては、種々のものが提案あるいは実施
されているが、容器に固体状の洗浄剤を充填した注型固
形洗浄剤を用い、必要に応じて洗浄剤に湯(水)を噴霧
し、必要量を逐次溶解して供給する方式が便利である。
【0004】図1は、このような注型固形洗浄剤を用い
た逐次溶解方式を示す説明図である。洗浄剤組成物13を
容器15に充填した注型固形洗浄剤11が、洗浄剤組成物13
の露出面を下にして、自動洗剤供給機の溶解室21に収納
されている。溶解室21の下方には、水噴射ノズル23が上
方に向けて配設されている。使用に際しては、水噴射ノ
ズル23から水(湯)を噴霧し、洗浄剤組成物13を溶解し
て、供給管25から洗浄機に送る。27は、洗浄剤組成物13
が不溶のまま塊りとなって落下したときに、供給管25に
入り込まないように受け止めるスクリーンである。
【0005】注型固形洗浄剤としては、水酸化アルカリ
金属と金属イオン封鎖剤および水を均一に配合して注
型、固化せしめた立体固形注型水和洗浄剤と、この洗浄
剤の一表面を除く全ての表面と接触するように囲包する
容器とからなるものが知られている(特公昭59−4480
号)。
【0006】しかしこの注型固形洗浄剤は、各々の成分
を配合して均一混合する際の発熱が激しく、そのため、
プラスチックボトルに注型、固化後に、ボトルが変形す
ることが多いという欠点があった。また、湯により噴射
・溶解する際に溶解性が悪く、所定濃度に達するまでに
時間が掛かり、応答性が悪いという問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、各成分の配
合時に発熱が少なくプラスチックボトルの変形を起こさ
ず、しかも、噴射時の溶解性に優れた注型固形洗浄剤お
よびその製造方法を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の自動洗浄機用
型固形洗浄剤は、下記の(a),(b)および(c)成分を含有す
る洗浄剤組成物を注型、固化せしめたことを特徴とす
る。 (a) アルカリ剤。 (b) 金属イオン封鎖剤。 (c) ポリグリセリンまたはその脂肪酸エステル。
【0009】また、本発明の製造方法は、分散媒として
水を実質上用いることなく、液状である上記の(c)成分
と(a),(b)両成分を均一に混合して液状ないしスラリー
状の流動性混合物とし、この流動性混合物を容器内に注
型して固化せしめることを特徴とする。
【0010】
【発明の実施態様】(a)成分のアルカリ剤としては、苛
性ソーダ、苛性カリ等の苛性アルカリ;炭酸ソーダ、炭
酸カリ、メタ珪酸ソーダ、メタ珪酸カリ、オルトリン酸
ソーダなどの他のアルカリ剤が用いられる。
【0011】(a)成分のアルカリ剤は、本発明の洗浄剤
組成物中に1〜80重量%配合することが好ましく、より
好ましくは5〜50重量%である。なお、アルカリ剤のう
ち苛性アルカリは、本発明の組成物中に0〜60重量%配
合することが適当であり、好ましくは5〜50重量%であ
る。また、炭酸ソーダ等の苛性アルカリ以外のアルカリ
剤は、0〜80重量%が適当であり、より好ましくは5〜
60重量%である。
【0012】(b)成分の金属イオン封鎖剤としては、ト
リポリリン酸ソーダ、ピロリン酸ソーダ、ヘキサメタリ
ン酸ソーダ、エチレンジアミン四酢酸ソーダ、ニトリロ
トリ三酢酸ソーダ、ジエチレントリアミンペンタ酢酸ソ
ーダなどが用いられる。
【0013】(b)成分の金属封鎖剤は、本発明の組成物
中に10〜40重量%配合することが好ましい。
【0014】(c)成分のポリグリセリンまたはその脂肪
酸エステルとしては、ジグリセリン(重合度2)以上の
ポリグリセリンが用いられるが、好ましくは重合度3〜
30、より好ましくは重合度5〜10のポリグリセリンであ
る。また、ポリグリセリンと脂肪酸とのエステルにおけ
る脂肪酸としては、炭素数2〜18の脂肪酸が好ましく、
さらに好ましくは炭素数6〜12の脂肪酸とのエステルで
ある。
【0015】(c)成分のポリグリセンまたはその脂肪酸
エステルは、単独であるいは2種以上組み合わせて本発
明の組成物中に5〜50重量%配合することが好ましく、
より好ましくは10〜30重量%である。
【0016】さらに本発明の注型固形洗浄剤組成物中に
は、必要に応じて公知の界面活性剤、殺菌剤、消泡剤、
水等を配合することができる。但し従来のように水は、
混合時の発熱、およびアルカリ剤と強固な水和物を形成
して溶解不良を招く原因となるので、各成分の結晶水、
付着水、不純物等として持ち込まれる以外は実質上含ま
れないことが望ましい。
【0017】本発明の注型固形洗浄剤は、上述の(a)〜
(c)成分を混合することにより製造される。具体的に
は、 液状である(c)ポリグリセリンまたはその脂肪酸エ
ステルと、固体状(粉粒状、フレーク状等)の(a)アルカ
リ剤および(b)金属イオン封鎖剤とを混合して、液状な
いしスラリー状の流動性混合物とする。この際に水が存
在すると、アルカリ剤とりわけ苛性アルカリとの水和反
応により発熱するので、水は上述のように不可避的に持
ち込まれる以外は使用しないことが望ましい。
【0018】流動性混合物は、室温で約30分〜3時間に
て固化を開始するので、固化前にプラスチック製等の適
当な容器に注型して固化せしめ、図1に11で示したよう
な注型固形洗浄剤が得られる。
【0019】
【発明の効果】本発明によれば、ポリグリセリンまたは
その脂肪酸エステルを用いて、アルカリ剤および金属イ
オン封鎖剤を含む注型固形洗浄剤組成物とすることによ
り、各成分の配合時および注型・固化時において発熱が
非常に少なく、取り扱いが容易かつ安全であり、注型用
容器としてプラスチック製のものを用いた場合でも容器
の変形がない。しかも、得られた注型固形洗浄剤組成物
は、適度の保形性と溶解性とを兼ね具えており、使用時
に容器を逆さにして噴射しても一度に落下せず、また、
溶解性に優れているので高い応答性で洗浄液濃度を即座
に調整することができる。
【0020】
【実施例】
実施例1(試料No.1〜4は実施例、5〜10は比較例) 後記表1に示した各試料Noの組成で、各成分を撹拌機付
きステンレス製混合槽内に入れ、室温で均一に混合して
プラスチックボトル(材質:ポリエチレン製)に投入し、
圧密、注型する。
【0021】圧密、注型後にボトル内の経時による最高
温度を測定する。1夜放置後にボトル内の混合物の固化
状態を次の基準で判定した。
【0022】固化状態 良:逆さにして落下せず、適度の硬さを有する 不良:逆さにして落下しないが、スプレーしたとき落下
する場合がある
【0023】一夜放置して得られた注型固形洗浄剤のボ
トルの変形の有無を評価する。ついで、この注型固形洗
浄剤を、自動食器洗浄機(石川島播磨重工業(株)製、DW
D-6型)の洗浄剤自動供給装置に図1に示したようにセッ
トして洗浄実験を行ない、その70リットル容タンク内の
希釈洗浄液濃度が 0.2wt/vol%になるまでの時間を測定
した。この時の湯温は70℃、スプレー圧1kg/cm2、 ノ
ズル口径1.5mmであった。
【0024】洗浄剤組成物の溶解性を以下の基準で評価
した。 ○:1分以内に所定濃度に達する △:1〜2分で所定濃度に達する ×:2分以上で所定濃度に達する
【0025】また、注型固形洗浄剤組成物の固化状態の
不十分な場合、使用中の容器内から不溶のまま洗浄剤組
成物が落下し(ダンプ現象)、スクリーン27(図1参照)を
目詰りさせる。このダンプ現象の有無を、自動食器洗浄
機を連続運転して評価した。
【0026】
【表1】 試料No. 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 組成wt%: フレーク状苛性ソーダ 40 40 40 40 40 40 40 40 40 40 炭酸ソーダ 10 − 10 10 10 − 10 10 10 10 トリポリ燐酸ソーダ 20 30 − − 20 30 20 30 − − EDTA*1 − − 30 30 − − − − 30 30 テトラグリセリン 30 − − − − − − − − − ヘキサグリセリン − − 20 − − − − − − − C8デカグリセリンエステル*2 − 30 − − − − − − − − C12ヘキサグリセリンエステル*3 − − − 20 − − − − − − プロピレングリコール − − − − 30 − − − 20 − グリセリン − − − − − 30 30 − − 20 水 − − − − − − − 20 − − 評価: 注型後の温度(℃) 25 25 25 25 70 60 60 80 65 55 固化状態 良 良 良 良 不良不良不良不良不良不良 ボトルの変形 無 無 無 無 有 有 有 有 有 有 溶解性 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ × ○ ○ ダンプ現象 無 無 無 無 有 有 有 無 有 有 *1) エチレンジアミン四酢酸ソーダ *2) デカグリセリンと C8脂肪酸とのモノ、ジ、トリエ
ステルおよびそれ以上のポリエステルの混合物 *3) ヘキサグリセリンとC12脂肪酸とのモノ、ジ、トリ
エステルおよびそれ以上のポリエステルの混合物
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の注型固形洗浄剤およびその使用状態を
示す断面図である。
【符号の説明】
11 注型固形洗浄剤 13 洗浄剤組成物 15 容器 21 溶解室 23 水噴射ノズル 25 供給管 27 スクリーン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C11D 17/00 C11D 7/10 - 7/16 C11D 7/26 C11D 7/32 C11D 3/20 WPI/L(QUESTEL)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a) アルカリ剤、 (b) 金属イオン封鎖剤、 (c) ポリグリセリンまたはその脂肪酸エステル を含む洗浄剤組成物が注型、固化されていることを特徴
    とする自動洗浄機用注型固形洗浄剤。
  2. 【請求項2】 (a) アルカリ剤、 (b) 金属イオン封鎖剤、 (c) ポリグリセリンまたはその脂肪酸エステル を、分散媒としての水を実質上使用することなく、均一
    に混合して液状ないしスラリー状の流動性混合物とした
    のち、この流動性混合物を容器内に注型して固化せしめ
    ることを特徴とする自動洗浄機用注型固形洗浄剤の製造
    方法。
JP14400691A 1991-05-20 1991-05-20 自動洗浄機用注型固形洗浄剤およびその製造方法 Expired - Lifetime JP2957024B2 (ja)

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DE19617215A1 (de) 1996-04-30 1997-11-06 Henkel Ecolab Gmbh & Co Ohg Kompaktreiniger für gewerbliche Geschirrspülmaschinen
US6017864A (en) * 1997-12-30 2000-01-25 Ecolab Inc. Alkaline solid block composition
DE19933607A1 (de) * 1999-07-17 2001-01-18 Henkel Ecolab Gmbh & Co Ohg Alkalische, blockförmige Reinigungsmittelformulierungen

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