JP2956976B2 - コンクリートミキサ車の負荷試験装置 - Google Patents

コンクリートミキサ車の負荷試験装置

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、コンクリートミキサ車のドラムを回転駆動
する油圧系統の負荷試験装置に関する。
(従来の技術) コンクリートミキサ車は一般に油圧モータに回転駆動
されるドラムと、この油圧モータに油圧を供給する油圧
源としてエンジンを動力源とする油圧ポンプとを車上に
備えている。
このようなコンクリートミキサ車において、油圧ポン
プ等の油圧供給系統の異常の有無の確認や故障箇所を修
理した後の試験を行う場合には、ドラムに砂利や砂ある
いは生コンクリートを入れて、所定の負荷をかけた状態
でドラムを回転させている。
(発明の課題) しかしながら、そのためにはコンクリートミキサ車を
例えば整備工場から生コンクリートのプラントまで回送
しなければならず、試験の結果異常が発見されれば再整
備のため更に整備工場との間を往復しなければならず、
油圧供給系統の負荷試験は大変に手間のかかる面倒な作
業となっていた。
本発明は以上の問題点を解決すべくなされたもので、
コンクリートミキサ車の油圧供給系統の負荷試験を容易
にすることを目的とする。
(課題を達成するための手段) 本発明は、油圧モータに回転駆動されるドラムと、油
圧モータに油圧を供給する油圧源とを車上に搭載し、こ
れらを接続する油圧配管の途中に接続継手を設けたコン
クリートミキサ車に対し、この接続継手に接続すること
により、コンクリート積載状態で回転するドラムと同等
の負荷を前記油圧源に及ぼす負荷ユニットを組み合わせ
ている。
(作用) コンクリートミキサ車の油圧配管の途中に地上の負荷
ユニットを接続し、車上の油圧源から油圧を負荷回路に
供給すると、コンクリート積載状態のドラムを駆動する
のと同じ負荷が油圧源に作用する。このため、ドラムに
コンクリート等を積載することなく負荷試験が行える。
(実施例) 第1図に本発明の実施例を示す。
1は油圧源としてコンクリートミキサ車に搭載された
可変容量型の両吐出油圧ポンプであり、エンジン2に回
転駆動される。
また、3は車上に搭載したドラムであり、両吸込型の
油圧モータ4に回転駆動される。
油圧ポンプ1と油圧モータ4は油圧配管5と6を介し
て接続され、閉回路を構成する。そして、油圧ポンプ1
の運転によって供給される加圧作動油により油圧モータ
4が回転し、油圧ポンプ1の吐出方向に対応した方向へ
ドラム3を回転させる。
これらの油圧配管5と6の途中には、それぞれ接続継
手7と8が設けられ、油圧配管5は接続継手7により油
圧ポンプ1側の配管5Aと油圧モータ4側の配管5Bに分割
される。また、油圧配管6も接続継手8により同様に配
管6Aと6Bに分割される。
なお、9は油圧ポンプ1の容量を変化させるピスト
ン、10はピストン9に及ぼす油圧を制御するバルブ、11
は油圧ポンプ1と一体回転してピストン9に油圧を供給
する補助ポンプである。12と13は油圧モータ4への供給
圧力が一定以上に上昇すると開いて圧力を油圧ポンプ1
の吸込側へ解放するリリーフ弁である。
一方、以上の油圧回路を備えたコンクリートミキサ車
の整備を行う整備工場には負荷ユニット14が設けられ
る。この負荷ユニットは接続継手7と8において配管5A
と6Aにそれぞれ接続される油圧配管15と16とをニードル
弁17を介して連通したもので、ニードル弁17は流通断面
積の調整により配管15と16の間を流通する作動油に任意
の流通抵抗を及ぼすようになっている。18と19は負荷ユ
ニット14内の圧力が過大になるのを防止するリリーフ弁
である。
次に作用を説明する。
コンクリートミキサ車は、接続継手7が配管5Aと5B
を、接続継手8が配管6Aと6Bをそれぞれ接続して、油圧
ポンプ1と油圧モータ4との間に閉回路を構成した状態
で使用される。この状態で油圧ポンプ1を運転すると、
油圧ポンプ1の吐出油がこの閉回路を循環し、油圧モー
タ4とこれに結合するドラム3を油圧ポンプ1の吐出方
向に対応した方向へと回転させる。
一方、コンクリートミキサ車の油圧ポンプ1を始めと
する油圧供給系統の異常の有無を検査したい時や、油圧
供給系統の修理後に負荷試験を行いたい場合には、接続
継手7と8から油圧モータ4側の配管5Bと6Bを取り外
し、代わりに整備工場に備えた負荷ユニット14の配管15
と16を接続継手7と8を介して配管5Aと6Aに接続する。
この状態で油圧ポンプ1を運転すると、油圧ポンプ1
の吐出油は例えば配管5Aと15からニードル弁17を通過
し、配管16と6Aを通って油圧ポンプ1の吸込側に回収さ
れる。これに伴い、ニードル弁17の流通抵抗に基づく負
荷が油圧ポンプ1に作用する。ニードル弁17の流通断面
積は任意に調整可能であり、したがってこの調整により
実際にコンクリート積載状態のドラム3を回転駆動する
のと同じ負荷を油圧ポンプ1にかけることができる。ま
た、油圧ポンプ1の吐出方向を逆向きに切り換えれば、
作動油の流れが逆向きになり、ドラム3を逆回転させた
場合の負荷を油圧ポンプ1にかけることができる。
このようにして、積載状態のドラム3を回転駆動する
場合と同じ負荷状態が整備工場で実現するので、コンク
リートミキサ車をわざわざプラントに運んで実際に積載
状態で試験する必要がなく、負荷試験において何等かの
異常が発見された時には、ただちにその場で修理するこ
とができる。また、実際の積載状態で試験を行う場合の
ような騒音を発生する恐れもない。さらに、試験の前後
はニードル弁17を緩めておくことにより、負荷ユニット
14の接続に伴う回路中の油温の上昇も小さく抑えられ
る。
なお、負荷ユニット14のリリーフ弁18と19をコンクリ
ートミキサ車に搭載されたリリーフ弁12と13と同一サイ
ズとすれば、リリーフ弁12と13を取り外して負荷ユニッ
ト14のリリーフ弁18と19の代わりに使用することによ
り、リリーフ弁12と13が正常に作動するかどうかを確認
することもできる。
また、ニードル弁17の調整により負荷を任意に変える
ことができるので、一台の負荷ユニット14で様々な大き
さのコンクリートミキサ車の試験を行うことができる。
(発明の効果) 以上のように、本発明はコンクリートミキサ車のドラ
ム駆動用油圧回路の途中に接続継手を設ける一方、この
接続継手に接続してコンクリート積載上体で回転するド
ラムと同等の負荷を車上の油圧源に及ぼす負荷ユニット
を整備工場等に備えるようにしたので、積載状態のドラ
ムを回転させる場合と同様の負荷試験を整備現場で行う
ことができる。このため、負荷試験のためにミキサ車を
プラント等に回送する必要がなく、負荷視試験に要する
手間を大幅に節約できる。
また、負荷ユニットの負荷を調整することにより、様
々な大きさのコンクリートミキサ車の試験を行うことが
できる。
【図面の簡単な説明】 第1図は本発明の実施例を示すドラム駆動回路と負荷ユ
ニットの油圧回路図である。 1……油圧ポンプ、3……ドラム、4……油圧モータ、
5,6……油圧配管、7,8……接続継手、12,13,18,19……
リリーフ弁、14……負荷ユニット、15,16……配管、17
……ニードル弁。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】油圧モータに回転駆動されるドラムと、油
    圧モータに油圧を供給する油圧源とを車上に搭載し、こ
    れらを接続する油圧配管の途中に接続継手を設けたコン
    クリートミキサ車と、この接続継手に接続することによ
    りコンクリート積載状態で回転するドラムと同等の負荷
    を前記油圧源に及ぼす負荷ユニットとの組み合わせから
    なるコンクリートミキサ車の負荷試験装置。
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