JP2956225B2 - カメラのフィルム巻き上げ機構 - Google Patents

カメラのフィルム巻き上げ機構

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JP2956225B2
JP2956225B2 JP3291A JP3291A JP2956225B2 JP 2956225 B2 JP2956225 B2 JP 2956225B2 JP 3291 A JP3291 A JP 3291A JP 3291 A JP3291 A JP 3291A JP 2956225 B2 JP2956225 B2 JP 2956225B2
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完房 辻
修二 泉
勝章 千ケ崎
道広 岩田
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  • Details Of Cameras Including Film Mechanisms (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カメラにおけるフィル
ムの巻き上げ機構に係り、特に、該機構においてフィル
ムを1コマ送る毎に停止させるための構造に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、フィルム巻き上げ機構は、パー
フォレーションを利用して、フィルムが一コマ分ずつ送
られる毎にその送りを自動的に停止させるように構成さ
れている。例えば、パーフォレーションが一定の細かい
ピッチで連続して形成された普通の35ミリロールフィ
ルムを使用するカメラでは、パーフォレーションと噛み
合うスプロケットの回転角度が一定の値となったときに
送りを停止するように構成したものが一般的である。ま
た、パーフォレーションが各コマに1個ずつ一定の間隔
で設けられたフィルムを使用する所謂110カメラで
は、パーフォレーションに嵌入可能な爪を形成したレバ
ーと、この爪がフィルム面を押圧する方向へレバーを付
勢する付勢手段を設け、フィルム送り時に爪がパーフォ
レーションに入り込むことにより送りを停止するように
構成している。その他、パーフォレーションの通過を光
学的に検知してフィルムを1コマ送る毎に停止する方式
も知られているが、機構を簡素化するという観点から
は、レバーを用いた方式が最も好ましいと言うことがで
きる。
【0003】ところで、本件出願人は、特願平2−09
2579号において、1コマ当たり2個のパーフォレー
ションが形成されたフィルムを使用するカメラを提供し
ている。上述したように、レバーを用いてコマ送りを制
御するのは機構自体を比較的簡単に構成できるので好ま
しいのであるが、このように各コマに2個もしくはそれ
以上のパーフォレーションが形成されたフィルムを使用
する場合にこのタイプのレバーを用いようとすると、レ
バーの爪が各コマでどのパーフォレーションに入ったか
を特定しにくいために、適正な巻き上げ制御を行なうの
が困難である。逆に言えば、この方式での制御を容易に
行なえるようにすることは、1コマ当たり2個以上のパ
ーフォレーションを有するカメラを実際に構成する上で
極めて有効である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
解決すべき技術的課題は、各コマに複数のパーフォレー
ションが形成されたフィルムのコマ送り制御を、パーフ
ォレーションに嵌入可能な爪が形成されたレバーを用い
て、簡単な構成で確実に行なえる巻き上げ機構を提供す
ることである。
【0005】
【課題を解決するための手段及び作用・効果】上述の技
術的課題を解決するため、本発明に係るフィルムの巻き
上げ機構は以下のように構成されている。すなわち、シ
ャッターのレリーズ動作に連動して、パーフォレーショ
ン検知レバーを爪がフィルムを押圧する位置から爪がフ
ィルムに対して離れる位置へ付勢手段に抗して移動させ
る駆動手段と、フィルムの巻き上げに連動して、1コマ
当たりに複数形成されているパーフォレーションの全て
がパーフォレーション検知レバーの爪に対応した位置を
通過した後に、パーフォレーション検知レバーをフィル
ムの押圧位置へ復帰させる復帰手段を備えている。
【0006】上記構成においては、フィルムのセット
は、各コマ毎に形成された複数のパーフォレーションの
うち進行方向の先頭に位置するものにパーフォレーショ
ン検知レバーの爪が嵌入し、フィルムが所定の位置で停
止して完了する。シャッターのレリーズが行なわれる
と、このレバーは駆動手段により爪がフィルムから離れ
る位置に移動する。ここでフィルムを巻き上げると、こ
のレバーは直ぐにはフィルムを押圧する位置に復帰せ
ず、各コマに形成された複数のパーフォレーションが全
てこのレバーの爪に対応した位置を通過した後にその押
圧位置に復帰する。したがって、爪は次のコマにおける
先頭のパーフォレーションに嵌入するので、フィルムを
1コマ送る毎に確実に停止させることができる。
【0007】また、上記構成においては、駆動手段及び
復帰手段を、それぞれ、シャッター膜を動作させるシャ
ッター板及びこのシャッター板に形成したギヤ部により
シャッター板をチャージするためのチャージギヤで構成
し、チャージギヤを、フィルムの巻き上げ時に各コマ毎
に形成されたパーフォレーション全てがパーフォレーシ
ョン検知レバーの爪に対応した位置を通過するのに対応
した範囲の歯を切り欠くことにより形成するのが好まし
い。
【0008】このように構成すれば、シャッターのレリ
ーズ時のシャッター板の動作によりパーフォレーション
検知レバーがフィルムから離れ、巻き上げ時におけるチ
ャージギヤの動作により、各コマ毎に形成されたパーフ
ォレーションの全てがパーフォレーション検知レバーの
爪に対応した位置を通過した後にシャッター板がチャー
ジされて、パーフォレーション検知レバーがフィルムを
押圧する位置に復帰する。このように、上記構成では通
常設けられるシャッター板とそのチャージギヤとを利用
した簡単な構成で、複数のパーフォレーションが形成さ
れたフィルムのコマ送りを確実に制御できる。
【0009】
【実施例】以下に、図1から図17に示した本発明の第
1実施例について詳細に説明する。なお、この実施例で
適用されるフィルムは、パーフォレーションが1コマ当
たり2個ずつ形成されたものである。図1及び図2は本
実施例の機構が設けられたカメラの外観図である。この
カメラでは、上述したフィルムを専用のカートリッジ1
8に収納したものが使用され、ボディ1の上部に設けら
れた蓋2を図2に示すように開いてカートリッジ18の
装填と取り出しを行なうようになっている。また、3は
この蓋2を開くときに操作するスライドスイッチ、4は
レリーズボタン、5はフィルムの巻き上げノブ、6は巻
き戻しノブである。
【0010】図3は、フィルムの巻き戻し機構の一部を
示している。カートリッジ18内のスプールは、レバー
6aを起こして巻き戻しノブ6を回すことによって回転
する巻き戻しフォーク7と噛み合って回転する。そし
て、図示の機構によって、スプールの角度がカートリッ
ジを取り出したときとフィルム装填時とで異なるように
フォーク7の角度が設定される。
【0011】そのために、フォーク7が一定の角度で止
まっているときにだけ蓋2をあけることができ、それ以
外のときにはスライドスイッチ3がロックされて蓋2を
あけることができないように、スライドスイッチ3に2
本のアーム8,9が、フォーク7にピン13a及び切欠き
部13bを有する制御リング13が形成されている。ま
た、撮影済みのカートリッジ18を取り出した後にフォ
ーク7の角度を未使用カートリッジのスプールに対応し
た角度にリセットするためのレバー10が、アーム8と
リング13の間に設けられている。このレバー10はT
字状に形成されたものであって、長穴10aとスプリン
グ14の作用によってアーム8側へ付勢されている。ま
た、アーム9の下端に設けられたピン9aにはレバー1
5が回転可能に装着されている。このレバー15はスト
ッパー9bによってその可動方向が規制されており、且
つピン9aに装着されたスプリング16によってストッ
パー9b側へ付勢されている。また、スライドスイッチ
3を操作して蓋2を開いた位置で止められるように、ス
ライドスイッチ3の先端に爪3aが形成され、ボディ1
側には対応する突起1aが形成されている。さらに、巻
き戻しが完了した時にフォーク7を一定の角度で止める
ために、ボディ1と巻き戻しノブ6には合マーク11,
12が設けられている。一方、制御リング13の近傍に
は、スライドスイッチ3の操作に連動するロックピン1
7が、カートリッジ18から退避した状態とカートリッ
ジ18内に差し込まれた状態に応じてカートリッジスプ
ールの回転のロックと解除を行なうように設けられてい
る。
【0012】この機構の動作について、図4から図6を
用いて説明する。図4は巻き戻しが完了した時点での巻
き戻しノブ6、巻き戻しフォーク7及びレバー10の状
態を示しており、図5及び図6は、それぞれ、スライド
スイッチ3の操作途中の状態及び蓋2を開いてカートリ
ッジを取り出した後の状態を示している。巻き戻しが完
了すると、図4に示すように合マーク11,12が合っ
た位置で巻き戻しノブ6が停止し(このように巻き戻し
が完了した時点で合マーク11,12が合った状態でノ
ブ6が停止する機構については後述する)、制御リング
13の切欠き13bと、アーム9の下端に装着されたレ
バー15とが対向してスライドスイッチ3の操作が可能
となる。
【0013】スライドスイッチ3を操作すると、カート
リッジ内に差し込まれていたロックピン17がカートリ
ッジ内から退避して、カートリッジスプールが回転しな
いようにロックされる。また、図5に示すようにレバー
15がリング13の切欠き部13bを通過し、同時にア
ーム8が図の下方へ移動する。したがって、レバー10
がリング13に形成されたピン13aを押して、制御リ
ング13を反時計回りに回転させようとする。
【0014】スライドスイッチ3をさらに操作すると、
蓋2が完全に開き、ボディ1の突起1aにスライドスイ
ッチ3の爪3aが係止する。そしてカートリッジ18を
取り出すと、フォーク7はピン13aがレバー10で押
されることにより反時計方向へ回転し、図6に示す角度
で停止する。この角度は、未使用カートリッジのスプー
ルと対応している。新しいカートリッジを装填して蓋2
を閉じると、突起1aから爪3aが外れ、且つ、レバー1
5がピン9aを中心として回転してリング13を乗り越
えることにより、スライドスイッチ3が元の位置に戻
る。このように、このカメラでは蓋2の開閉時にフォー
クの角度が適切な位置に設定されるため、新しいカート
リッジを装填する際のフォーク7のリセットにカメラの
使用者が煩わされることがない。
【0015】次に、フィルムの巻き上げと巻き戻しを行
なうための機構について、図7に示した分解斜視図を用
いて説明する。図示するように、巻き戻しフォーク7の
下にはこのフォーク7と一体的に回転するギヤ30が設
けられており、その隣にはこのギヤ30と噛合するギヤ
列31及び遊星クラッチ32が設けられている(図の簡
略化のため、歯の形状とボディ側に固定される中心軸を
省略しており、以下、符号52,34,35,48につい
ても同様である)。この遊星クラッチ32は太陽ギヤ3
2bと遊星ギヤ32a及びキャリア32cから構成されて
おり、太陽ギヤ32bは中間ギヤ52と噛合している。
この中間ギヤ52は巻き上げノブ5と一体的に回転する
巻き止め板33に連結されている。また、このギヤ52
と噛合する太陽ギヤ34aと、遊星ギヤ34b及びキャ
リア34cにより巻き上げスプール36用の遊星クラッ
チ34が構成されている。そして、その隣にはこの遊星
クラッチ34の遊星ギヤ34bと噛合可能でスプール3
6と一体的に回転するスプールギヤ35が設けられてい
る。また、スプール36の下部には、鋸歯状のギヤ37
とレバー38及びスプリング51でスプール36の逆転
防止機構が構成されており、さらに、スプール36にフ
ィルムが巻き付いていないときと巻き付いたときとで角
度が変化するフィルム検知レバー39がボディ側に固定
されたピン40に回転可能に支持されている。このフィ
ルム検知レバー39はスプリング43によりスプール側
の端部で細径部36aを押圧するように付勢されてお
り、反対側の端部にはピン41が形成されている(図で
は、ピン41側の部分をスプール36側と分離して表し
ている)。そして、大略L字状のパーフォレーション検
知レバー42が、このピン41の動作に応じて動くよう
に、ボディ側に固定されたピン42cを中心として回転
可能に設けられている。このレバー42には、フィルム
に形成された2個のパーフォレーションに対応した位置
に、2個の爪42a,42bが形成されている。また、こ
のレバーは図14に示すように、スプリング53によっ
て爪42a,42bがフィルム面を押圧するように付勢さ
れている。
【0016】上述の巻き止め板33には切欠き部33a
が形成されており、巻き止め板33の側方にはこの切欠
き部33aに係合可能な先端部44aを有する巻き止めレ
バー44が設けられている。レバー44はカメラのボデ
ィに固定されたピン45によって回転可能に支持されて
おり、スプリング50で先端部44aが巻き止め板33
の中心へ向かうように付勢されている。このレバー44
の動きにより巻き止め板33の回転及び停止が制御され
る。また、巻き止め板33が回転することにより、シャ
ッター板47をラック47aとの噛合によりチャージす
るためのチャージギヤ48が回転する。なお、ピン46
については、同一の符号を数箇所に示しているように、
巻き止めレバー44及び巻き上げスプール側遊星クラッ
チ34のキャリア34cに対して作用するようになって
いる。
【0017】この機構の動作について、図8から図13
を用いて説明する。これらの図では、説明の便宜上、各
ギヤ及びレバーを平面的にずらして配置しており、且つ
ピン41及び46は、その作用を明確にするため数箇所
に示している。図8はカートリッジ18を装填して、ま
ずフィルム19をカートリッジ18から送り出す状態を
示している。この段階ではスプール36にまだフィルム
19が巻き付いていないため、パーフォレーション検知
レバー42はフィルム検知レバー39のピン41に引っ
張られてその先端の爪42a,42bがフィルム19の通
過面から退避した状態となっており、フィルムの送り出
しの邪魔にはならない。また、巻き止めレバー44の先
端部44aはパーフォレーション検知レバー42のピン
46によって反対側の端部が押されているため、巻き止
め板33の切欠き部33aから外れている。したがっ
て、巻き上げノブ5を回すとその回転が巻き止め板33
からギヤ52へ伝達され、さらにフォーク7側の遊星ク
ラッチ32からギヤ列31を介してギヤ30へ伝達され
るので、フォーク7が回転してフィルムがカートリッジ
18から送り出される。なお、ギヤ52の回転はスプー
ル側の遊星クラッチ34を介してスプールギヤ35にも
伝達されるため、巻き上げ側のスプール36も同時に回
転する。
【0018】図9に示すように、フィルム19がスプー
ル36に巻き付くとフィルム検知レバー39のピン41
がパーフォレーション検知レバー42から離れるため、
レバー42は先端部の爪42a,42bがフィルム面に当
たるまで回転する。このときレバー42のピン46が少
し動くので巻き止めレバー44も先端部44aが巻き止
め板33の中心へ向かうように動作するが、この時点で
は、まだその先端部44aは巻き止め板33の切欠き部
33aから外れている。また、フィルム19がスプール
36で巻き取られるようになると、周速差でフィルム送
り用のクラッチ32が切れる。
【0019】フィルムの1コマ目が所定の位置まで送ら
れると、パーフォレーション検知レバー42の爪42a,
42bが図14(a)に示すようにフィルム19のパーフォ
レーション19a,19bに入り込む。そして、図10に
示すようにピン46の動きによりスプール用の遊星クラ
ッチ34での動力の伝達が遮断され、フィルム送りが停
止する。巻き上げノブ5をさらに回すと巻き止め板33
の切欠き部33aにレバー44の先端部が入り込んで係
止するためノブ5の回転が規制され、フィルムのセット
とシャッターのチャージが完了する。
【0020】シャッターレリーズ時には図11及び図1
4(b)に示すようにシャッター板47によりパーフォレ
ーション検知レバー42のピン46がけられ(シャッタ
ー板47の動作は、チャージギヤ48を軸方向へ移動さ
せてラック47aとの噛合を外したり、巻き止め板33
とチャージギヤ48との間の回転の伝達をクラッチによ
り断つことで可能である)、パーフォレーション検知レ
バー42の爪42a,42bがパーフォレーション19a,
19bから外れるとともに、巻き止めレバー44の先端
44aが巻き止め板33の切欠き部33aから外れる。こ
こで巻き上げノブ5を回転させると、図12に示すよう
に、その回転が巻き上げスプール36に伝達されてフィ
ルムが巻き上げられるのと同時に、シャッターチャージ
ギヤ48が回転してシャッター板47が図の左方へ移動
することによりシャッターのチャージが開始される。こ
のとき、図14(c)に示すように、シャッター板47が
ピン46から離れる方向へ移動し、同時にフィルムが図
の右方向へ移動するため、図14(d)に示すように爪4
2bが左側のパーフォレーション19aに入り込むが、こ
の爪42cはフィルム19の送られてくる側の面がテー
パ面として形成されているのでパーフォレーションから
比較的簡単に外れる。したがって、このときにはフィル
ム送りを続行できるので、1コマ当たり2個のパーフォ
レーションを有するフィルムのコマ送りを簡単な構成で
確実に行なうことができる。
【0021】以上のようにして巻き上げの完了した状態
を図13に示している。この場合のフィルム送りは、図
10でも説明したように、レバー42の爪42a,42b
が次のコマに対応したパーフォレーションに入り込み、
ピン46でスプール用のクラッチ34が切られた時点で
停止する。そして、巻き上げノブ5をさらに回すと巻き
止め板33の切欠き部33aにレバー44が係止して巻
き上げノブ5の回転が規制され、フィルムのセットとシ
ャッターのチャージが完了する。
【0022】撮影が終了して巻き戻しを行なう場合は、
ボディ1に取り付けられた後述の巻き戻し切り替えレバ
ー(図15の符号72)の操作に連動するピン49a,49
b及び49cによって、スプール36側のギヤ系と巻き戻
しフォーク7側のギヤ系とが巻き上げノブ5から切り離
されるのと同時にレバー38がギヤ37から外れてスプ
ール36がフォーク7に対して自由に回転できるように
なるので、巻き戻しノブ6を止まるまで回せばよい。
【0023】次に、巻き戻しが完了した時点で巻き戻し
ノブ6を停止させ、同時にフィルムの巻き戻しが完了し
たことを表示するための機構について図15から図17
を用いて説明する。この機構は、カートリッジ18のス
プールに入って巻き戻しノブ6と連動する制御板70
と、フィルム巻き込み検知レバー71及び巻き戻し切り
替えレバー72から構成されている。制御板70には切
欠き部70aが形成されており、フィルム巻き込み検知
レバー71はこの切欠き部70aにはまり込む係止部7
1aを有している。フィルム巻き込み検知レバー71は
ボディ1に固定されたピン74によって長穴71bに沿
って移動可能に支持されており、スプリング73により
フィルム検知部71cがフィルム面側へ向かうように付
勢されている。巻き戻し切り替えレバー72は、ボディ
1内に固定されたピン75によって長穴72aに沿った
方向(フィルム巻き込み検知レバー71の可動方向に対
して直角の方向)へ移動可能に保持されており、その先
端部72bがフィルム巻き込み検知レバー71側へ向か
うようにスプリング76で付勢されている。図では、巻
き戻し切り替えレバー72の先端部がフィルム巻き込み
検知レバー71の突出部71dと係止し、巻き込み検知
レバー71のフィルム面側への移動が妨げられた状態を
示している。また、カメラのボディ1には表示窓1aが
形成されていて、フィルム巻き込み検知レバー71に形
成された表示マーク71eがフィルムの状態に応じてこ
の表示窓1aの内外に位置することにより、フィルムの
巻き込み状態が表示される。
【0024】フィルムの巻き戻し時には、巻き戻し切り
替えレバー72を移動させて、その先端部72bとフィ
ルム巻き込み検知レバー71の突出部71dとの係止状
態を解除し、フィルム検知部71cをフィルム面に当接
させる。巻き戻し途中の段階ではフィルム面に検知部7
1cが当接しているのでレバー71はそれ以上動かな
い。一方、フィルムが図16に示すようにカートリッジ
18内に完全に巻き戻されるとフィルム検知レバー71
の動作がフィルム19で規制されなくなるため、巻き戻
しノブ6を回転させているうちに図17に示すように係
止部71aが制御板70の切欠き部70aに入り込んで係
止する。したがって、スプールはそれ以上回らないの
で、巻き戻しノブ6の停止する角度が一定する。
【0025】この構成では、巻き戻しの途中の段階で表
示窓1aの上半分に表示マーク71eが表示され、巻き戻
しが完了すると表示窓1aの下半分に表示マーク71eが
表示されるので、撮影者は巻き戻しが完了したことを容
易に知ることができ、たとえ何等かの原因で巻き戻しが
止まっていたとしてもフィルムを誤って取り出す虞はな
い。なお、詳細は図示していないが、フィルム巻き込み
検知レバー71はカートリッジ装填用の蓋2と連動する
ようになっていて、蓋2を開くことにより係止部71a
が制御板70の切欠き部70aから外れる方向へ移動す
る。したがって、蓋2を開けば巻き戻し切り替えレバー
72の先端部72bと突出部71dとが再度係止して、検
知部71cがフィルム面から離れるとともに、表示窓1a
での巻き戻し表示が行なわれないようになる。
【0026】次に、フィルムの巻き上げ機構の第2実施
例について説明する。この機構は、図7以降に仮想線で
示すように、チャージギヤ48の歯の一部分48aを切
り欠き、且つパーフォレーション検知レバー42に爪4
2bを形成せずに爪42aを1つだけ形成したことを除
き、第1実施例の機構と同様に構成されている。この機
構の動作を図18に示している。図18(a)はフィルム
の1コマ送りとシャッターのチャージが完了した状態で
あり、シャッターレリーズが行なわれると図18(b)の
ようにシャッター板47が移動してピン46をけるた
め、図18(b)のように爪42aがパーフォレーション1
9aから抜ける。この状態で巻き上げノブ5を回すと図
18(c)に示すようにフィルムが送られるが、シャッタ
ー板47は、シャージギヤ48の一部に歯を形成してい
ないため、図18(d)に示すようにパーフォレーション
19aが爪42aを通過してしまうまで移動が遅れる。し
たがって、爪がフィルム面に当接するタイミングを簡単
な構成でありながら確実に合わせることができるので、
フィルムを1コマ送る毎に確実に停止させることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る機構を有するカメラ
の斜視図である。
【図2】このカメラをカートリッジ装填用の蓋を開いた
状態で示す斜視図である。
【図3】フィルム巻き戻し機構の一部を示す斜視図であ
る。
【図4】巻き戻しが完了した状態における図3の機構の
動作状態図である。
【図5】カートリッジ用蓋を開いた状態における図3の
機構の動作状態図である。
【図6】カートリッジを取り出した状態における図3の
機構の動作状態図である。
【図7】フィルムの巻き上げ・巻き戻し機構の斜視図で
ある。
【図8】フィルム送り時における図7の機構の動作状態
図である。
【図9】フィルムがスプールに巻き付いた状態における
図7の機構の動作状態図である。
【図10】1コマ目のセットが完了した状態における図
7の機構の動作状態図である。
【図11】レリーズ完了時点における図7の機構の動作
状態図である。
【図12】巻き上げ途中の状態における図7の機構の動
作状態図である。
【図13】巻き上げ完了時点における図7の機構の動作
状態図である。
【図14】(a)から(d)は、それぞれ、チャージ完了時
点、レリーズ完了時点、フィルム送り及びチャージ開始
時点、フィルム送り及びチャージ途中の段階でのパーフ
ォレーション検知レバーの動作状態図である。
【図15】巻き戻しを止めるための機構の斜視図であ
る。
【図16】巻き戻し途中の段階における図15の機構の
斜視図である。
【図17】巻き込みが完了した時点における図15の機
構の斜視図である。
【図18】巻き上げ機構の第2実施例を示しており、
(a)から(d)は、それぞれ、パーフォレーション検知レバ
ーに爪を一つだけ設けた場合のチャージ完了時点、レリ
ーズ完了時点、フィルム送り開始時点、フィルム送り及
びチャージ途中の段階での動作状態図である。
【符号の説明】
1 ボディ 1a 表示窓 5 巻き上げノブ 6 巻き戻しノブ 7 巻き戻しフォーク 18 カートリッジ 19 フィルム 19a,19b パーフォレーション 36 巻き上げスプール 39 フィルム検知レバー 42 パーフォレーション検知レバー 42a,42b 爪 44 巻き止めレバー 47 シャッター板 48 シャッターチャージギヤ 53 スプリング 70 制御板 71 フィルム巻き込み検知レバー 71e 表示マーク 72 巻き戻し切り替えレバー 73 スプリング
フロントページの続き (72)発明者 辻 完房 大阪府大阪市中央区安土町二丁目3番13 号大阪国際ビル ミノルタカメラ株式会 社内 (72)発明者 泉 修二 大阪府大阪市中央区安土町二丁目3番13 号大阪国際ビル ミノルタカメラ株式会 社内 (72)発明者 千ケ崎 勝章 大阪府大阪市中央区安土町二丁目3番13 号大阪国際ビル ミノルタカメラ株式会 社内 (72)発明者 岩田 道広 大阪府大阪市中央区安土町二丁目3番13 号大阪国際ビル ミノルタカメラ株式会 社内 (72)発明者 岡田 浩幸 大阪府大阪市中央区安土町二丁目3番13 号大阪国際ビル ミノルタカメラ株式会 社内 (56)参考文献 特開 昭63−193136(JP,A) 特開 昭63−287837(JP,A) 特開 昭57−210330(JP,A) 特開 昭56−106233(JP,A) 実開 昭63−105129(JP,U) 実開 昭55−82642(JP,U) 実開 平4−55028(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03B 17/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フィルム(19)のパーフォレーション(19
    a,19b)内に嵌入可能な爪(42a)が形成されたパーフォレ
    ーション検知レバー(42)と、該爪(42a)がフィルム面を
    押圧する方向へ該レバー(42)を付勢する付勢手段(53)と
    を備え、フィルムを1コマ巻き上げる毎に上記爪(42a)
    がパーフォレーション(19a,19b)に嵌入することにより
    フィルム(19)の送りを停止するようにしたカメラのフィ
    ルム巻き上げ機構において、シャッターのレリーズ動作
    に連動して、上記パーフォレーション検知レバー(42)を
    爪(42a)がフィルム(19)を押圧する位置から爪(42a)がフ
    ィルム(19)に対して離れる位置へ上記付勢手段(53)に抗
    して移動させる駆動手段(47)と、フィルム(19)の巻き上
    げに連動して、1コマ当たりに複数形成されているパー
    フォレーションの全て(19a,19b)が上記パーフォレーシ
    ョン検知レバー(42)の爪(42a)に対応した位置を通過し
    た後に、該パーフォレーション検知レバー(42)をフィル
    ム(19)の押圧位置へ復帰させる復帰手段(48)を備えたこ
    とを特徴とするカメラのフィルム巻き上げ機構。
  2. 【請求項2】 上記駆動手段及び復帰手段が、それぞ
    れ、シャッター膜を動作せしめるシャッター板(47)及び
    該シャッター板(47)に形成したギヤ部(47a)により該シ
    ャッター板(47)をチャージするためのチャージギヤ(48)
    で構成され、該チャージギヤ(48)は、フィルムの巻き上
    げ時に各コマ毎に形成されたパーフォレーション全て(1
    9a,19b)が上記パーフォレーション検知レバー(42)の爪
    (42a)に対応した位置を通過するのに対応した動作範囲
    の歯(48a)が切り欠かれて形成されたことを特徴とする
    請求項1記載のカメラのフィルム巻き上げ機構。
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