JP2956064B2 - 中性子線遮蔽材 - Google Patents

中性子線遮蔽材

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は中性子線を吸収し、尚かつ2次放射線を発生
しにくく、成形加工性が容易で優れた外観を持つ中性子
線吸収遮蔽材に関するものである。
[従来の技術] 近年の原子力産業の発展に伴い、原子炉、高速増殖炉
等の原子力施設及び粒子加速器、核融合炉などから発生
する中性子線の遮蔽は安全上重要な課題となっている。
そこで、安全且つ確実な中性子線の遮蔽方法の開発が急
がれる。
従来から使用されている放射線吸収材料としては、
水、重コンクリート、ポリエチレン樹脂などの水素含有
化合物及び鉛、鉄、カドミウム、ホウ素、リチウムなど
の金属がある。この金属の中でも安価なため一般に使用
されてきた鉛、カドミウム等は中性子線に暴露されると
強い2次放射線を発生するため安全性の問題が指摘され
ている。
このため2次放射線の発生が少なく安価で且つ成形加
工性が良好な中性子線吸収材料として無機ホウ素化合物
や無機リチウム化合物等が用いられている。これらの化
合物はポリオレフィン系樹脂等の樹脂に配合混練して用
いる場合が多いが成型品とした際、吸湿性乃至潮解性に
起因する表面の劣化即ち中性子線吸収材料のブリードが
生じるため中性子線吸収遮蔽能力を低下させるという問
題があった。特に中性子線吸収材料の中でも酸化ホウ素
等は人体に有害な物質であり、取扱い及び施行状態にも
よるが、これらの物質のブリードは安全性及び衛生面か
らも問題として指摘されていた。
[発明が解決しようとする課題] 本発明は材料の特性を低下させることなく、加工性に
優れ、従来発生していた中性子線吸収材料の吸湿性乃至
潮解性に起因するブリードを改良し、耐湿性を向上させ
た中性子線吸収遮蔽材を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段] 上記のような現状に鑑み、本発明者らは鋭意検討を重
ねた結果、成形品の表面に樹脂フィルムを積層被覆させ
ることにより耐湿性を向上できることを見出だし本発明
を完成するに至った。
即ち本発明は、ポリオレフィン系樹脂及び正ホウ酸、
メタホウ酸、四ホウ酸、酸化ホウ素からなる群より選ば
れる無機ホウ素化合物からなる樹脂組成物からなる中性
子線遮蔽材成型品の表面に樹脂フィルムを積層被覆させ
ることにより吸湿性乃至潮解性の中性子線吸収材料の耐
ブリード性を改良することで耐湿性を向上させるたこと
を特徴とする中性子線遮蔽材である。
以下本発明を詳細に説明する。
本発明でいう中性子線吸収材料とは無機ホウ素化合物
である。無機ホウ素化合物としては正ホウ酸、メタホウ
酸、四ホウ酸、酸化ホウ素である。これらの吸湿性乃至
潮解性物質である正ホウ酸、メタホウ酸、四ホウ酸、酸
化ホウ素は加熱コンディショニングすることで水分を除
去して用いることが好ましい。特に酸化ホウ素は吸湿に
より四ホウ酸、メタホウ酸、正ホウ酸に変化し著しい潮
解性を示す。そこで、例えば、特開昭57−86797号公報
では、ホウ素入りポリエチレンの成形品表面を塗料で覆
う等の方法が行われているが一般にポリオレフィン系樹
脂は塗料等との親和性が良くない。一方、本発明ではポ
リオレフィン系樹脂と親和性が良好である同じポリオレ
フィン系樹脂フィルムを積層被覆させることにより完全
に吸湿性を抑え、ブリードを防ぐ事ができる。これによ
り、中性子線吸収材料の劣化による性能低下と、有害物
質による汚染を防ぐことができる。樹脂フィルムの厚み
は10μmから200μmが望ましい。
本発明でいうポリオレフィン系樹脂とは高密度ポリエ
チレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレ
ン等のポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、
等のことであり、これらを単独あるいは2種以上混合し
て用いる。特に水素の量が多い程中性子の遮蔽効果が向
上するため、高密度ポリエチレン又は低密度ポリエチレ
ンを使用することが好ましい。
又、成形加工時の樹脂焼けによる着色を防止するため
に、ポリオレフィン系樹脂の酸化防止に通常用いられる
酸化防止剤及びその他、性能改良の為の添加剤等を用い
てもよい。
本発明の中性子線遮蔽材を製造する方法の一例を以下
に示す。予め中性子線吸収材料はオーブン等で加熱コン
ディショニングを行う。中性子線吸収材料を、ポリオレ
フィン系樹脂、酸化防止剤、或いはその他の各種添加剤
等と共に、そのまま、押出機を用いて直接溶融混練する
と、均一に分散した混合物を得ることが難しい。この
為、予め中性子線吸収材料、ポリオレフィン系樹脂、酸
化防止剤、或いはその他の各種添加剤等と共にリボンブ
レンダー或いはヘンシェルミキサー等のドライブレンド
装置を用いて予め分散させた後、押出機又はバンバリー
ミキサー等の溶融混練装置で一度ペレット化する。
このようにして得た中性子線遮蔽材料ペレットを圧縮
成型機、射出成型機、押出成型機等の装置を用いて所望
の形状のものを得る方法が望ましい。特に押出成型機で
は多層押出技術を用いれば、中性子線遮蔽材料を挾みポ
リオレフィン系樹脂フィルムを積層被覆させるようにし
て所望の形状の成型品を得ることができる。圧縮成型
機、射出成型機等の装置を用いて得られた成型品は再度
圧縮成型機等を用いて成型品表面にポリオレフィン系樹
脂フィルムを熱融着により積層させることにより中性子
線遮蔽材の吸湿性乃至潮解性を改良し耐湿性を向上させ
る。
[実施例] 以下実施例によって本発明を更に詳細に説明するが本
発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1) 直鎖状低密度ポリエチレン(東ソー(株)製、商品名
「ニポロン−L」、M−50)60重量部とエチレン−酢酸
ビニル共重合体(東ソー(株)製、商品名「ウルトラセ
ン」、EVA−9210)40重量部と中性子線吸収材として酸
化ホウ素(日本電工(株)製)80重量部とホスファイト
系酸化防止剤(アデカ・アーガス化学(株)製、AO−1
8)0.28重量部とフェノール系酸化防止剤(アデカ・ア
ーガス化学(株)製、PEP−36)0.28重量部とを用い
た。酸化ホウ素は予め140℃〜150℃のギヤオーブン中で
4時間加熱脱水処理を施した。この酸化ホウ素と、フェ
ノール系酸化防止剤とホスファイト系酸化防止剤とエチ
レン−酢酸ビニル共重合体とを110℃のオーブンロール
中にて予備混練した後ポリエチレンを添加して140℃〜1
50℃のオーブンロール中にて5分間混練し、シート状成
形体を得た。このシート状成形体を190℃で圧縮成型機
により成型後、再び圧縮成型機により170℃で高密度ポ
リエチレン(東ソー(株)製、商品名「ニポロン−ハー
ド」、5600)の厚さ100μmのフィルムを成型体に熱融
着させ積層した。この得られた中性子線遮蔽材成型品を
室温にて空気中に3ケ月間放置し、耐湿性試験としてブ
リードが生じるかどうか経時的な変化を試験した結果、
殆ど変化しないことを確認した。又、恒温恒湿機によ
り、50℃,湿度70%で4時間、−10℃,4時間、これを一
日に3サイクルで30日間行った結果、殆ど変化しないこ
とを確認した。析出量は成形品の重量減少から求めた。
(実施例2) 高密度ポリエチレン(東ソー(株)製、商品名「ニポ
ロン−ハード」、5600)60重量部とエチレン−酢酸ビニ
ル共重合体(東ソー(株)製、商品名「ウルトラセン、
EVA−9210)40重量部と中性子線吸収材として酸化ホウ
素(日本電工(株)製)80重量部とホスファイト系酸化
防止剤(アデカ・アーガス化学(株)製、AO−18)0.28
重量部とフェノール系酸化防止剤(アデカ・アーガス化
学(株)製、PEP−36)0.28重量部とを用いた。実施例
1と同様の成型加工を行った後、成型品は実施例1と同
様の耐湿性試験の結果殆ど変化しなかった。析出量は成
形品の重量減少から求めた。
(比較例1) 直鎖低密度ポリエチレン(東ソー(株)製、商品名
「ニポロン−L」、M−50)60重量部とエチレン−酢酸
ビニル共重合体(東ソー(株)製、商品名「ウルトラセ
ン」、EVA−9210)40重量部と中性子線吸収材として酸
化ホウ素(日本電工(株)製)80重量部とホスファイト
系酸化防止剤(アデカ・アーガス化学(株)製、AO−1
8)0.28重量部とフェノール系酸化防止剤(アデカ・ア
ーガス化学(株)製、PEP−36)0.28重量部とを用い
た。フィルムを積層しなかったことを除いて実施例1と
同様の加工を行った後、成型品は実施例1と同様の耐湿
性試験を行った。得られた成型品を室温にて空気中に3
ケ月放置した結果殆ど変化しなかったが、恒温恒湿機に
よる実施例1と同様の試験の結果顕著なブリードを確認
した。析出量は成形品の重量減少から求めた。
第1表に耐湿性試験結果を示す。
[発明の効果] 本発明によれば、従来法で問題であった耐湿性が改良
できると同時に、外観が優れた中性子線遮蔽材を得られ
る。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G21F 3/00 G21F 1/10 B32B 27/18 B32B 27/32

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリオレフィン系樹脂及び正ホウ酸、メタ
    ホウ酸、四ホウ酸、酸化ホウ素からなる群より選ばれる
    無機ホウ素化合物からなる樹脂組成物からなる中性子線
    遮蔽材成形品の表面に樹脂フィルムを積層被覆させるこ
    とによりなる中性子線遮蔽材。
JP8474089A 1989-04-05 1989-04-05 中性子線遮蔽材 Expired - Lifetime JP2956064B2 (ja)

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JP4718705B2 (ja) * 2001-03-30 2011-07-06 三菱重工業株式会社 核融合装置用中性子遮蔽体
JP5871828B2 (ja) * 2013-01-18 2016-03-01 アス・プランテック株式会社 放射線遮蔽袋の製造方法
JP6241008B2 (ja) * 2013-06-26 2017-12-06 株式会社Cics 中性子遮蔽構造及びこれを用いた中性子遮蔽方法

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