JP3036932B2 - 食品包装用シート又はフィルム - Google Patents
食品包装用シート又はフィルムInfo
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- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、食品包装用シート又は
フィルムに関するものであり、詳しくは、食品の包装に
供した際に安全性が高く且つ長期的な抗菌性、防曇性、
帯電防止性を有する食品包装用シート又はフィルムに関
するものである。
フィルムに関するものであり、詳しくは、食品の包装に
供した際に安全性が高く且つ長期的な抗菌性、防曇性、
帯電防止性を有する食品包装用シート又はフィルムに関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、食品包装には、塵埃や細菌による
汚染を防いで食品を清潔に保つために、ハトロン紙や合
成樹脂フィルム等の包装材料が使用されているが、更に
効果を上げるために、包装材料に抗菌剤処理を施すこと
が提案されている。例えば、フェノール系や安息香酸系
の殺菌剤を含浸させたハトロン紙、有機ハロゲン系やベ
ンズイミダゾール系の殺菌剤を練り込んだ合成樹脂フィ
ルム等が提案されている。しかしながら、上記のような
抗菌剤を利用した包装材料は、安全性や効力の面で欠点
がある。
汚染を防いで食品を清潔に保つために、ハトロン紙や合
成樹脂フィルム等の包装材料が使用されているが、更に
効果を上げるために、包装材料に抗菌剤処理を施すこと
が提案されている。例えば、フェノール系や安息香酸系
の殺菌剤を含浸させたハトロン紙、有機ハロゲン系やベ
ンズイミダゾール系の殺菌剤を練り込んだ合成樹脂フィ
ルム等が提案されている。しかしながら、上記のような
抗菌剤を利用した包装材料は、安全性や効力の面で欠点
がある。
【0003】また、銀、銅、亜鉛等の金属イオンの抗菌
性に着目し、高分子物質に金属微粉末を接着または添加
する方法あるいは高分子物質に金属化合物を含有させる
方法が知られている。その一方法として、高分子物質に
イオン交換能または錯体形成能を有する官能基を結合さ
せ、当該官能基に金属イオンを保持させる方法がある。
しかしながら、上記の方法では官能基との相互作用等に
よって高分子物質が著しく物性変化を起し易く、従っ
て、使用する高分子物質および官能基の種類と量とが極
めて制限されたものとならざるを得ない。
性に着目し、高分子物質に金属微粉末を接着または添加
する方法あるいは高分子物質に金属化合物を含有させる
方法が知られている。その一方法として、高分子物質に
イオン交換能または錯体形成能を有する官能基を結合さ
せ、当該官能基に金属イオンを保持させる方法がある。
しかしながら、上記の方法では官能基との相互作用等に
よって高分子物質が著しく物性変化を起し易く、従っ
て、使用する高分子物質および官能基の種類と量とが極
めて制限されたものとならざるを得ない。
【0004】上記の方法に対し、抗菌作用を有する金属
イオンをイオン交換能を有する無機系固体粒子に保持さ
せ、これを高分子物質に含有させる方法が提案されてい
る(特開平1−186804号公報)。しかしながら、
上記の方法では、固体粒子の凝集や偏在等により抗菌力
にバラツキが生じたり、高分子物質の柔軟性や透明性な
どの物性が損われる場合があり、しかも、抗菌作用を有
する金属イオンを保持させた無機系固体粒子を多量(2
〜3%以上)に必要とする。
イオンをイオン交換能を有する無機系固体粒子に保持さ
せ、これを高分子物質に含有させる方法が提案されてい
る(特開平1−186804号公報)。しかしながら、
上記の方法では、固体粒子の凝集や偏在等により抗菌力
にバラツキが生じたり、高分子物質の柔軟性や透明性な
どの物性が損われる場合があり、しかも、抗菌作用を有
する金属イオンを保持させた無機系固体粒子を多量(2
〜3%以上)に必要とする。
【0005】ところで、食品包装用フィルムにおいて
は、上記のような抗菌性と共に見栄えを良くして商品価
値を高め、しかも、菌の倍地となり易い水滴を作らない
ために防曇性が要求され、また、ほこり等の附着を防ぐ
ために帯電防止性が要求されている。
は、上記のような抗菌性と共に見栄えを良くして商品価
値を高め、しかも、菌の倍地となり易い水滴を作らない
ために防曇性が要求され、また、ほこり等の附着を防ぐ
ために帯電防止性が要求されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記実情に
鑑みなされたものであり、その目的は、食品の包装に供
した際に安全性が高く且つ長期的な抗菌性、防曇性、帯
電防止性を有する食品包装用シート又はフィルムを提供
することにある。
鑑みなされたものであり、その目的は、食品の包装に供
した際に安全性が高く且つ長期的な抗菌性、防曇性、帯
電防止性を有する食品包装用シート又はフィルムを提供
することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明の要旨
は、多孔質シリカに担持されたオクタン酸モノグリセリ
ド及び/又はデカン酸モノグリセリドとラウリン酸モノ
グリセリドとを含有する熱可塑性樹脂から成り、上記の
各脂肪酸モノグリセリドは別々の多孔質シリカに担持さ
れ、各脂肪酸モノグリセリドの熱可塑性樹脂中の合計含
有量が0.01〜5重量%、ラウリン酸モノグリセリド
に対するオクタン酸モノグリセリド及び/又はデカン酸
モノグリセリドの割合が0.3〜10重量比であること
を特徴とする食品包装用シート又はフィルムに存する。
は、多孔質シリカに担持されたオクタン酸モノグリセリ
ド及び/又はデカン酸モノグリセリドとラウリン酸モノ
グリセリドとを含有する熱可塑性樹脂から成り、上記の
各脂肪酸モノグリセリドは別々の多孔質シリカに担持さ
れ、各脂肪酸モノグリセリドの熱可塑性樹脂中の合計含
有量が0.01〜5重量%、ラウリン酸モノグリセリド
に対するオクタン酸モノグリセリド及び/又はデカン酸
モノグリセリドの割合が0.3〜10重量比であること
を特徴とする食品包装用シート又はフィルムに存する。
【0008】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
食品包装用シート又はフィルムは、多孔質シリカに担持
された脂肪酸モノグリセリドを含有する熱可塑性樹脂か
ら成る。食用油脂から製造した脂肪酸モノグリセリド
は、食品添加物として安全な化合物であり、使用食品、
使用量に規制が設けられていない程である。その中の一
部のものについて抗菌力があることは知られているが、
熱可塑性樹脂に溶融、混合した場合の抗菌特性について
は全く知られていない。本発明に用いる脂肪酸モノグリ
セリドは、オクタン酸モノグリセリド(以下、「C8 」
と表す)とデカン酸モノグリセリド(以下、「C10」と
表す)の何れか一方または両方とラウリン酸モノグリセ
リド(以下、「C12」と表す)である。
食品包装用シート又はフィルムは、多孔質シリカに担持
された脂肪酸モノグリセリドを含有する熱可塑性樹脂か
ら成る。食用油脂から製造した脂肪酸モノグリセリド
は、食品添加物として安全な化合物であり、使用食品、
使用量に規制が設けられていない程である。その中の一
部のものについて抗菌力があることは知られているが、
熱可塑性樹脂に溶融、混合した場合の抗菌特性について
は全く知られていない。本発明に用いる脂肪酸モノグリ
セリドは、オクタン酸モノグリセリド(以下、「C8 」
と表す)とデカン酸モノグリセリド(以下、「C10」と
表す)の何れか一方または両方とラウリン酸モノグリセ
リド(以下、「C12」と表す)である。
【0009】本発明に用いる多孔質シリカは、湿式法に
よる超微粒子珪酸であり、吸油量120〜280ml/
100g、平均粒径6μm以下のものが好ましい。吸油
量が上記の範囲未満の場合は、長期的な抗菌性および防
曇性が十分発揮できず、上記の範囲を超える場合は、多
孔質シリカの孔の内部深くまで浸入する脂肪酸モノグリ
セリドの量が増加し、その結果、徐放されて有効に働く
脂肪酸モノグリセリドの割合が少なくなり効率的でな
い。また、平均粒径が上記の範囲より大きい場合は、フ
ィルムのヘイズが大きくなり包装内容物が見え難くな
る。
よる超微粒子珪酸であり、吸油量120〜280ml/
100g、平均粒径6μm以下のものが好ましい。吸油
量が上記の範囲未満の場合は、長期的な抗菌性および防
曇性が十分発揮できず、上記の範囲を超える場合は、多
孔質シリカの孔の内部深くまで浸入する脂肪酸モノグリ
セリドの量が増加し、その結果、徐放されて有効に働く
脂肪酸モノグリセリドの割合が少なくなり効率的でな
い。また、平均粒径が上記の範囲より大きい場合は、フ
ィルムのヘイズが大きくなり包装内容物が見え難くな
る。
【0010】多孔質シリカに対する脂肪酸モノグリセリ
ドの担持量は、1〜10重量比、好ましくは、2.5〜
5重量比の範囲である。脂肪酸モノグリセリドの担持量
が上記の範囲未満の場合は、脂肪酸モノグリセリドが少
なすぎ、熱可塑性樹脂にフィルム又はシートに対して十
分な抗菌性、防曇性、帯電防止性を付与し得ない。一
方、上記範囲より大きい場合は、脂肪酸モノグリセリド
の多孔質シリカへの担持が困難である。
ドの担持量は、1〜10重量比、好ましくは、2.5〜
5重量比の範囲である。脂肪酸モノグリセリドの担持量
が上記の範囲未満の場合は、脂肪酸モノグリセリドが少
なすぎ、熱可塑性樹脂にフィルム又はシートに対して十
分な抗菌性、防曇性、帯電防止性を付与し得ない。一
方、上記範囲より大きい場合は、脂肪酸モノグリセリド
の多孔質シリカへの担持が困難である。
【0011】脂肪酸モノグリセリドの多孔質シリカへの
担持方法としては、脂肪酸モノグリセリドを加熱溶融状
態としこれに乾燥させた多孔質シリカを混合して吸油担
持させる方法がよい。そして、C8 、C10、C12は、別
々のシリカに担持させることが重要である。何故なら
ば、C8 、C10、C12を混合して同一のシリカに担持さ
せる場合は、多孔質シリカの孔の中に吸油される際に、
C8 、C10、C12の間で選択性が生じ、後述する割合で
の均一な担持は不可能である。その結果、熱可塑性樹脂
フィルム又はシートに対して効果的な抗菌性、防曇性、
帯電防止性を付与することができない。これに対し、別
々のシリカに担持させて樹脂に含有させる場合は、熱可
塑性樹脂フィルム又はシート中のC8 及び/又はC10と
C12との含有量を後述する割合に調節することができ、
優れた抗菌性、防曇性、帯電防止性が発揮される。そし
て、長期的な抗菌、防曇、帯電防止効果は、多孔質シリ
カに担持された脂肪酸モノグリセリドが徐々に放出され
るために発揮される。
担持方法としては、脂肪酸モノグリセリドを加熱溶融状
態としこれに乾燥させた多孔質シリカを混合して吸油担
持させる方法がよい。そして、C8 、C10、C12は、別
々のシリカに担持させることが重要である。何故なら
ば、C8 、C10、C12を混合して同一のシリカに担持さ
せる場合は、多孔質シリカの孔の中に吸油される際に、
C8 、C10、C12の間で選択性が生じ、後述する割合で
の均一な担持は不可能である。その結果、熱可塑性樹脂
フィルム又はシートに対して効果的な抗菌性、防曇性、
帯電防止性を付与することができない。これに対し、別
々のシリカに担持させて樹脂に含有させる場合は、熱可
塑性樹脂フィルム又はシート中のC8 及び/又はC10と
C12との含有量を後述する割合に調節することができ、
優れた抗菌性、防曇性、帯電防止性が発揮される。そし
て、長期的な抗菌、防曇、帯電防止効果は、多孔質シリ
カに担持された脂肪酸モノグリセリドが徐々に放出され
るために発揮される。
【0012】本発明に適用される熱可塑性樹脂として
は、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体、エチレン−αオレフィン共重合体の何れ
かの単独またはこれらの混合物から成るポリオレフィン
系樹脂が挙げられる。ここで、エチレン−αオレフィン
共重合体のαオレフィンとしては、炭素数4〜10のα
オレフィンが好適であり、具体的には、ブテン−1、ペ
ンテン−1、イソブテン、3−メチル−ブテン−1、ヘ
キセン−1、4−メチル−ペンテン−1、ヘプテン−
1、オクテン−1、デセン−1等が挙げられる。
は、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体、エチレン−αオレフィン共重合体の何れ
かの単独またはこれらの混合物から成るポリオレフィン
系樹脂が挙げられる。ここで、エチレン−αオレフィン
共重合体のαオレフィンとしては、炭素数4〜10のα
オレフィンが好適であり、具体的には、ブテン−1、ペ
ンテン−1、イソブテン、3−メチル−ブテン−1、ヘ
キセン−1、4−メチル−ペンテン−1、ヘプテン−
1、オクテン−1、デセン−1等が挙げられる。
【0013】更に、上記の熱可塑性樹脂の他、ナイロン
6、ナイロン12等のポリアミド樹脂、ポリスチレン、
ABS樹脂等のポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル、ポ
リ酢酸ビニル、ポリメタクリル酸メチル等のビニル樹
脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフ
タレート、ポリカーボネート等のポリエステル樹脂、ポ
リアセタール、ポリフェニレンオキシド等のポリエーテ
ル樹脂、ポリウレタン樹脂などが挙げられる。これらの
中では、特に、ポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニ
ル、ポリアミド樹脂が好ましい。
6、ナイロン12等のポリアミド樹脂、ポリスチレン、
ABS樹脂等のポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル、ポ
リ酢酸ビニル、ポリメタクリル酸メチル等のビニル樹
脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフ
タレート、ポリカーボネート等のポリエステル樹脂、ポ
リアセタール、ポリフェニレンオキシド等のポリエーテ
ル樹脂、ポリウレタン樹脂などが挙げられる。これらの
中では、特に、ポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニ
ル、ポリアミド樹脂が好ましい。
【0014】熱可塑性樹脂中のC8 及び/又はC10とC
12の合計含有量は、0.01〜5重量%、好ましくは
0.1〜3重量%、更に好ましくは0.5〜2重量%の
範囲にすることが必要である。脂肪酸モノグリセリドの
合計含有量が上記の範囲未満の場合は、抗菌効力、防曇
効力が共に不十分であり、上記の範囲を超える場合は、
熱可塑性樹脂シート又はフィルムのべたつきが大きくな
り、しかも、物性変化が大きくなる等の不都合を生じ
る。
12の合計含有量は、0.01〜5重量%、好ましくは
0.1〜3重量%、更に好ましくは0.5〜2重量%の
範囲にすることが必要である。脂肪酸モノグリセリドの
合計含有量が上記の範囲未満の場合は、抗菌効力、防曇
効力が共に不十分であり、上記の範囲を超える場合は、
熱可塑性樹脂シート又はフィルムのべたつきが大きくな
り、しかも、物性変化が大きくなる等の不都合を生じ
る。
【0015】C12に対するC8 及び/又はC10の使用割
合は、0.05〜10重量比にする必要がある。そし
て、上記の使用割合は、次のように、食品包装用シート
又はフィルムの使用態様によって上記の範囲から選択す
るのが好ましい。 (1)特に、抗菌性が重要視される使用態様の場合は、
C12に対するC8 及び/又はC10の使用割合は、0.2
〜3.3重量比にするのが好ましい。 (2)特に、防曇性が重要視される使用態様の場合は、
使用態様の温度によりC12に対するC8 及び/又はC10
の好ましい使用割合は異なる。すなわち、約10℃以上
の環境ではC8 及びC10は親水性が高いため、溶出し易
く、比較的短時間で防曇性を失う。従って、食品包装用
シート又はフィルムが斯かる環境で使用される場合は、
C12に対するC8 及び/又はC10の使用割合は、0.3
〜5重量比とするのが好ましい。これに対し、約10℃
未満の低温環境ではC8 及びC10の疎水性が強調されて
これらの溶出が抑制される。従って、食品包装用シート
又はフィルムが斯かる環境で使用される場合は、C12に
対するC8 及び/又はC10の使用割合は、0.3〜10
重量比とするのが好ましい。一般に、C12に対するC8
及び/又はC10の使用割合が0.3〜5の場合には、広
い温度範囲にわたって比較的長期的な防曇性が発揮され
る。
合は、0.05〜10重量比にする必要がある。そし
て、上記の使用割合は、次のように、食品包装用シート
又はフィルムの使用態様によって上記の範囲から選択す
るのが好ましい。 (1)特に、抗菌性が重要視される使用態様の場合は、
C12に対するC8 及び/又はC10の使用割合は、0.2
〜3.3重量比にするのが好ましい。 (2)特に、防曇性が重要視される使用態様の場合は、
使用態様の温度によりC12に対するC8 及び/又はC10
の好ましい使用割合は異なる。すなわち、約10℃以上
の環境ではC8 及びC10は親水性が高いため、溶出し易
く、比較的短時間で防曇性を失う。従って、食品包装用
シート又はフィルムが斯かる環境で使用される場合は、
C12に対するC8 及び/又はC10の使用割合は、0.3
〜5重量比とするのが好ましい。これに対し、約10℃
未満の低温環境ではC8 及びC10の疎水性が強調されて
これらの溶出が抑制される。従って、食品包装用シート
又はフィルムが斯かる環境で使用される場合は、C12に
対するC8 及び/又はC10の使用割合は、0.3〜10
重量比とするのが好ましい。一般に、C12に対するC8
及び/又はC10の使用割合が0.3〜5の場合には、広
い温度範囲にわたって比較的長期的な防曇性が発揮され
る。
【0016】熱可塑性樹脂と脂肪酸モノグリセリドを担
持した多孔質シリカとの混合は、バンバリー型ミキサ
ー、一軸あるいは多軸混練機等を利用し、熱可塑性樹脂
と脂肪酸モノグリセリドを担持した多孔質シリカとを均
一に混練する方法によって行なうことができる。上記の
混合に先立って、使用する各脂肪酸モノグリセリドをそ
れぞれ担持した多孔質シリカを予め混合するのが好まし
い。
持した多孔質シリカとの混合は、バンバリー型ミキサ
ー、一軸あるいは多軸混練機等を利用し、熱可塑性樹脂
と脂肪酸モノグリセリドを担持した多孔質シリカとを均
一に混練する方法によって行なうことができる。上記の
混合に先立って、使用する各脂肪酸モノグリセリドをそ
れぞれ担持した多孔質シリカを予め混合するのが好まし
い。
【0017】熱可塑性樹脂のシート又はフィルム化は、
インフレーション法、Tダイ法、カレンダー法等通常の
成形加工方法を利用して行なうことができる。そして、
他の機能を附与するために共押出し法を採用することも
でき、更に、他のシート又フィルムとのラミネーション
による多層化を行なうこともできる。また、チューブラ
ー二軸延伸やテンター二軸延伸を利用することもでき
る。熱可塑性樹脂のシート又はフィルムの厚みは、通常
0.01〜2mmであり、好ましくは0.03〜1.5
mmである。なお、本発明においては、熱可塑性樹脂中
に、可塑剤、熱安定剤、酸化防止剤、充填剤、滑剤、ア
ンチブロッキング剤、紫外線吸収剤、着色剤、改質材等
を必要に応じて含有させることができる。
インフレーション法、Tダイ法、カレンダー法等通常の
成形加工方法を利用して行なうことができる。そして、
他の機能を附与するために共押出し法を採用することも
でき、更に、他のシート又フィルムとのラミネーション
による多層化を行なうこともできる。また、チューブラ
ー二軸延伸やテンター二軸延伸を利用することもでき
る。熱可塑性樹脂のシート又はフィルムの厚みは、通常
0.01〜2mmであり、好ましくは0.03〜1.5
mmである。なお、本発明においては、熱可塑性樹脂中
に、可塑剤、熱安定剤、酸化防止剤、充填剤、滑剤、ア
ンチブロッキング剤、紫外線吸収剤、着色剤、改質材等
を必要に応じて含有させることができる。
【0018】本発明においては、C8 及び/又はC10と
C12の使用を必須とするが、これは、次のような理由に
よるものである。すなわち、C8 、C10及びC12各単独
の抗菌力は、菌の種類によって相違するが、概してC8
≧C10>C12の順に小になる。ところが、樹脂に混練し
た場合の抗菌力は、およそC8 ≦C10<C12の順にな
る。その理由は、C8 及びC10は、比較的高沸点の物質
であるが、それでも樹脂に混練する際の加熱処理による
蒸発揮散損失がかなり多いためと考えられる。そこで、
本発明においては、C8 及び/又はC10の揮散による損
失を大幅に少くするために、C12を併用することにした
のである。しかも、斯かる併用により、C8 、C10及び
C12のそれぞれの抗菌スペクトルが相剰的に作用し、増
強された抗菌効力が発揮される。
C12の使用を必須とするが、これは、次のような理由に
よるものである。すなわち、C8 、C10及びC12各単独
の抗菌力は、菌の種類によって相違するが、概してC8
≧C10>C12の順に小になる。ところが、樹脂に混練し
た場合の抗菌力は、およそC8 ≦C10<C12の順にな
る。その理由は、C8 及びC10は、比較的高沸点の物質
であるが、それでも樹脂に混練する際の加熱処理による
蒸発揮散損失がかなり多いためと考えられる。そこで、
本発明においては、C8 及び/又はC10の揮散による損
失を大幅に少くするために、C12を併用することにした
のである。しかも、斯かる併用により、C8 、C10及び
C12のそれぞれの抗菌スペクトルが相剰的に作用し、増
強された抗菌効力が発揮される。
【0019】また、C8 及びC10は、親水性が比較的高
いため、樹脂の表面部分に存在した場合は付着水滴によ
って溶出され易く、防曇作用が低下する。そこで、本発
明においては、親水性がより少ないC12と併用すること
により、C8 及び/又はC10の溶出を抑制して防曇効果
を高めると共にに有効期間を延長したのである。なお、
帯電防止効果は、脂肪酸モノグリセリドのもつ適度の界
面活性効果によるものである。
いため、樹脂の表面部分に存在した場合は付着水滴によ
って溶出され易く、防曇作用が低下する。そこで、本発
明においては、親水性がより少ないC12と併用すること
により、C8 及び/又はC10の溶出を抑制して防曇効果
を高めると共にに有効期間を延長したのである。なお、
帯電防止効果は、脂肪酸モノグリセリドのもつ適度の界
面活性効果によるものである。
【0020】
【実施例】以下、本発明を実施例によって更に詳細に説
明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の
実施例に限定されるものではない。なお、以下の諸例で
は、次の多孔質シリカ及び熱可塑性樹脂を使用した。 (1)多孔質シリカ:日本シリカ工業社製「E200
A」(吸油量:250ml/100g、平均粒径:2.
5μm) (2)熱可塑性樹脂:低密度ポリエチレン、三菱化成株
式会社製「三菱ポリエチF131」(MFR:1.3、
ρ:0.924)
明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の
実施例に限定されるものではない。なお、以下の諸例で
は、次の多孔質シリカ及び熱可塑性樹脂を使用した。 (1)多孔質シリカ:日本シリカ工業社製「E200
A」(吸油量:250ml/100g、平均粒径:2.
5μm) (2)熱可塑性樹脂:低密度ポリエチレン、三菱化成株
式会社製「三菱ポリエチF131」(MFR:1.3、
ρ:0.924)
【0021】また、以下の諸例における性能評価は、次
の方法によって行なった。 (1)抗菌効力試験(ハロー試験) 以下の(a)〜(d)の各菌を使用し、AATCC−9
0改正法により抗菌試験を実施した。すなわち、直径8
5mmプラスチック製シャーレ中の5mlの普通寒天倍
地に菌数が約2〜5×106 個となるように調節して接
種した後、均一に分散させて固化させる。次いで、寒天
倍地の表面に試料フィルムの25×25mm裁片を貼付
し、37℃で24時間培養後、阻止円の有無を調査す
る。成形1日後のフィルムと成形1年後のフィルムにつ
いて試験を行い比較した。
の方法によって行なった。 (1)抗菌効力試験(ハロー試験) 以下の(a)〜(d)の各菌を使用し、AATCC−9
0改正法により抗菌試験を実施した。すなわち、直径8
5mmプラスチック製シャーレ中の5mlの普通寒天倍
地に菌数が約2〜5×106 個となるように調節して接
種した後、均一に分散させて固化させる。次いで、寒天
倍地の表面に試料フィルムの25×25mm裁片を貼付
し、37℃で24時間培養後、阻止円の有無を調査す
る。成形1日後のフィルムと成形1年後のフィルムにつ
いて試験を行い比較した。
【0022】(a)Staphylococcus a
ureus FDA 209P(黄色ブドウ球菌、以
下、「菌A」と表す) (b)Bacillus cereus(セレウス菌、
以下、「菌B」と表す) (c)Bacillucs Subtilis ATC
C 6633(枯草菌、以下、「菌C」と表す) (d)Escherichia coli IFO 3
301(大腸菌、以下、「菌D」と表す)
ureus FDA 209P(黄色ブドウ球菌、以
下、「菌A」と表す) (b)Bacillus cereus(セレウス菌、
以下、「菌B」と表す) (c)Bacillucs Subtilis ATC
C 6633(枯草菌、以下、「菌C」と表す) (d)Escherichia coli IFO 3
301(大腸菌、以下、「菌D」と表す)
【0023】(2)抗菌効力試験(菌数測定) 上記の(a)〜(d)の各菌を使用し、繊維衛生協議会
の菌数測定方法に準じて試験をした。121℃、20分
のオートクレーブ滅菌試料フィルムについて実施した。
成形1日後のフィルムと成形1年後のフィルムについて
試験を行い比較した。
の菌数測定方法に準じて試験をした。121℃、20分
のオートクレーブ滅菌試料フィルムについて実施した。
成形1日後のフィルムと成形1年後のフィルムについて
試験を行い比較した。
【0024】(3)防曇試験 高温試験:カップに水を入れ50±1℃に調整する。そ
の上に試料フィルムを被せてカップを密封し、23℃、
50%RHの環境に放置し、経過時間ごとにフィルムの
曇っていない面積を測定する。測定面積の百分率を求め
て防曇性とする。 低温試験:カップに水を入れ18℃±1℃に調整する。
その上に試料フィルムを被せてカップを密封し、5℃の
冷蔵庫内に放置し、経過時間ごとにフィルムの曇ってい
ない面積を測定する。測定面積の百分率を求めて防曇性
とする。成形1日後のフィルムと成形1年後のフィルム
について試験を行い比較した。
の上に試料フィルムを被せてカップを密封し、23℃、
50%RHの環境に放置し、経過時間ごとにフィルムの
曇っていない面積を測定する。測定面積の百分率を求め
て防曇性とする。 低温試験:カップに水を入れ18℃±1℃に調整する。
その上に試料フィルムを被せてカップを密封し、5℃の
冷蔵庫内に放置し、経過時間ごとにフィルムの曇ってい
ない面積を測定する。測定面積の百分率を求めて防曇性
とする。成形1日後のフィルムと成形1年後のフィルム
について試験を行い比較した。
【0025】(4)帯電防止効力試験 23℃、50%RH環境下で試料フィルムの表面固有抵
抗を測定する。成形1日後のフィルムと成形1年後のフ
ィルムについて測定を行い比較した。
抗を測定する。成形1日後のフィルムと成形1年後のフ
ィルムについて測定を行い比較した。
【0026】実施例1 多孔質シリカにC8 、C10、C12をそれぞれ担持させ
た。いずれも、多孔質シリカ13重量%、脂肪酸モノグ
リセリド87重量%の割合で使用した。以下、上記の各
脂肪酸モノグリセリド担持シリカを「C8 シリカ」、
「C10シリカ」、「C12シリカ」と表す。次いで、上記
の各シリカを次の混合物として使用し、低密度ポリエチ
レンのペレット粉砕品に混合し、二軸スクリュータイプ
混練機を用いて溶融混練し、5重量%マスターバッチ組
成物を作製した。 (1)C8 シリカ:C12シリカ=3:1 (2)C10シリカ:C12シリカ=3:1 (3)C8 シリカ:C10シリカ:C12シリカ=1.5:
1.5:1
た。いずれも、多孔質シリカ13重量%、脂肪酸モノグ
リセリド87重量%の割合で使用した。以下、上記の各
脂肪酸モノグリセリド担持シリカを「C8 シリカ」、
「C10シリカ」、「C12シリカ」と表す。次いで、上記
の各シリカを次の混合物として使用し、低密度ポリエチ
レンのペレット粉砕品に混合し、二軸スクリュータイプ
混練機を用いて溶融混練し、5重量%マスターバッチ組
成物を作製した。 (1)C8 シリカ:C12シリカ=3:1 (2)C10シリカ:C12シリカ=3:1 (3)C8 シリカ:C10シリカ:C12シリカ=1.5:
1.5:1
【0027】上記のマスターバッチ組成物を低密度ポリ
エチレンのペレットで希釈して上記のシリカ含有量を
0.1重量%、0.3重量%、0.5重量%に調節し
た。次いで、得られた各組成物を原料とし、インフレー
ション法で厚さ50μmのフィルムとなし、本発明の食
品包装用フィルムを得た。得られた食品包装用フィルム
について、抗菌効力試験(ハロー試験)、抗菌効力試験
(菌数測定)、防曇試験、帯電防止効力試験を行い、そ
れぞれの結果を表1〜7に示す。
エチレンのペレットで希釈して上記のシリカ含有量を
0.1重量%、0.3重量%、0.5重量%に調節し
た。次いで、得られた各組成物を原料とし、インフレー
ション法で厚さ50μmのフィルムとなし、本発明の食
品包装用フィルムを得た。得られた食品包装用フィルム
について、抗菌効力試験(ハロー試験)、抗菌効力試験
(菌数測定)、防曇試験、帯電防止効力試験を行い、そ
れぞれの結果を表1〜7に示す。
【0028】比較例1 実施例1において、脂肪酸モノグリセリドとして、C8
及び/又はC10とC12の混合物を使用した他は、実施例
1と同様に、多孔質シリカへの担持、マスターバッチ組
成物の作製およびその希釈、インフレーションの各操作
を行ない、厚さ50μmの食品包装用フィルムを得た。
得られた食品包装用フィルムについて、実施例1と同様
に各試験を行い、その結果を表1〜7に示す。
及び/又はC10とC12の混合物を使用した他は、実施例
1と同様に、多孔質シリカへの担持、マスターバッチ組
成物の作製およびその希釈、インフレーションの各操作
を行ない、厚さ50μmの食品包装用フィルムを得た。
得られた食品包装用フィルムについて、実施例1と同様
に各試験を行い、その結果を表1〜7に示す。
【0029】比較例2 実施例1において、多孔質シリカを用いず、C8 及び/
又はC10とC12の混合物を低密度ポリエチレンのペレッ
トに混練した他は、実施例1と同様に、マスターバッチ
組成物の作製およびその希釈、インフレーションの各操
作を行ない、厚さ50μmの食品包装用フィルムを得
た。得られた食品包装用フィルムについて、実施例1と
同様に各試験を行い、その結果を表1〜7に示す。
又はC10とC12の混合物を低密度ポリエチレンのペレッ
トに混練した他は、実施例1と同様に、マスターバッチ
組成物の作製およびその希釈、インフレーションの各操
作を行ない、厚さ50μmの食品包装用フィルムを得
た。得られた食品包装用フィルムについて、実施例1と
同様に各試験を行い、その結果を表1〜7に示す。
【0030】比較例3(無添加のフィルム) 低密度ポリエチレンのペレットを用いてインフレーショ
ン法で厚さ50μmの食品包装用フィルムを得た。得ら
れた食品包装用フィルムについて、実施例1と同様に各
試験を行い、その結果を表1〜7に示す。
ン法で厚さ50μmの食品包装用フィルムを得た。得ら
れた食品包装用フィルムについて、実施例1と同様に各
試験を行い、その結果を表1〜7に示す。
【0031】
【表1】 〔抗菌力効力試験(ハロー試験)〕成形1日後 阻止円(最大×最小mm) 菌A 菌B 菌C 菌D <実施例1> C8 /C12=3/1 15 ×9 17 ×11 15×1 10 ×1 C10/C12=3/1 8 ×1 10 ×7 10×2 9 ×3 C8 /C10/C12=3/3/2 15×6 19 ×14 15×4 17 ×2 <比較例1> C8 /C12=3/1 15 ×9 15 ×10 16×0 10 ×1 C10/C12=3/1 8 ×1 10 ×5 8×2 8 ×1 C8 /C10/C12=3/3/2 15×6 18 ×10 15×1 17 ×1 <比較例2> C8 /C12=3/1 15 ×10 18 ×12 15×1 10 ×2 C10/C12=3/1 8 ×1 10 ×8 10×3 9 ×3 C8 /C10/C12=3/3/2 15×8 20 ×5 15×5 17 ×3 <比較例3>(無添加) 0 0 0 0 (注)表中の比較例3を除く各例において、脂肪酸モノ
グリセリド担持シリカの濃度は、いずれも、0.5重量
%である。
グリセリド担持シリカの濃度は、いずれも、0.5重量
%である。
【0032】
【表2】 〔抗菌力効力試験(ハロー試験)〕成形1年後 阻止円(最大×最小mm) 菌A 菌B 菌C 菌D <実施例1> C8 /C12=3/1 14 ×9 16 ×11 14×1 9 ×1 C10/C12=3/1 7 ×1 10 ×6 10×1 9 ×2 C8 /C10/C12=3/3/2 14×5 18 ×12 15×2 16 ×1 <比較例1> C8 /C12=3/1 13 ×2 12 ×5 10×0 10 ×0 C10/C12=3/1 5 ×1 7 ×3 7×1 7 ×1 C8 /C10/C12=3/3/2 10×3 12 ×5 10×1 11 ×1 <比較例2> C8 /C12=3/1 4×0 4 ×0 3×0 3 ×0 C10/C12=3/1 2×0 2 ×1 2×0 1 ×0 C8 /C10/C12=3/3/2 7×2 7 ×1 5×1 6 ×1 <比較例3>(無添加) 0 0 0 0 (注)表中の比較例3を除く各例において、脂肪酸モノ
グリセリド担持シリカの濃度は、いずれも、0.5重量
%である。
グリセリド担持シリカの濃度は、いずれも、0.5重量
%である。
【0033】
【表3】 〔抗菌力効力試験(菌数測定)〕成形1日後 培養菌数(37℃×24時間) 菌A 菌B 菌C 菌D 〔培養前菌数〕 1×107 4×106 2×106 2×106 <実施例1> C8 /C12=3/1 10 > 10 > 7×105 2×105 C10/C12=3/1 10 > 2×105 2×106 2×106 C8 /C10/C12=3/3/2 10 > 10 > 4×105 2×105 <比較例1> C8 /C12=3/1 10 > 10 > 8×105 1×105 C10/C12=3/1 10 > 1×105 5×106 3×106 C8 /C10/C12=3/3/2 10 > 10 > 5×105 4×105 <比較例2> C8 /C12=3/1 10 > 10 > 5×105 6×105 C10/C12=3/1 10 > 2×105 2×106 2×106 C8 /C10/C12=3/3/2 10 > 10 > 3×105 2×10 5 <比較例3>(無添加) 5×109 7×108 9×108 5×108 (注)表中の比較例3を除く各例において、脂肪酸モノ
グリセリド担持シリカの濃度は、いずれも、0.1重量
%である。
グリセリド担持シリカの濃度は、いずれも、0.1重量
%である。
【0034】
【表4】 〔抗菌力効力試験(菌数測定)〕成形1年後 培養菌数(37℃×24時間) 菌A 菌B 菌C 菌D 〔培養前菌数〕 1×107 4×106 2×106 2×106 <実施例1> C8 /C12=3/1 10 > 10 > 8×105 6×105 C10/C12=3/1 10 > 2×105 3×106 2×106 C8 /C10/C12=3/3/2 10 > 10 > 5×105 3×105 <比較例1> C8 /C12=3/1 1×102 2×102 1×106 3×105 C10/C12=3/1 2×102 3×105 8×106 4×106 C8 /C10/C12=3/3/2 10 > 2×102 2×106 8×105 <比較例2> C8 /C12=3/1 2×102 3×102 8×106 3×106 C10/C12=3/1 1×102 1×106 1×107 1×107 C8 /C10/C12=3/3/2 1×102 10 > 8×105 6×10 5 <比較例3>(無添加) 9×109 5×108 8×108 6×108 (注)表中の比較例3を除く各例において、脂肪酸モノ
グリセリド担持シリカの濃度は、いずれも、0.1重量
%である。
グリセリド担持シリカの濃度は、いずれも、0.1重量
%である。
【0035】
【表5】 〔防曇試験〕成形1日後 高温試験(50℃→23℃) 低温試験(18℃→5℃) 高温試験 低温試験 5分後 1時間後 5分後 3日後 <実施例1> C8 /C12=3/1 100 70 70 40 C10/C12=3/1 70 30 70 20 C8 /C10/C12=3/3/2 70 30 60 30 <比較例1> C8 /C12=3/1 90 60 60 30 C10/C12=3/1 70 20 60 20 C8 /C10/C12=3/3/2 80 40 60 20 <比較例2> C8 /C12=3/1 100 70 70 40 C10/C12=3/1 70 30 70 30 C8 /C10/C12=3/3/2 70 30 70 30<比較例3>(無添加) 0 0 0 0 (注)表中の比較例3を除く各例において、脂肪酸モノ
グリセリド担持シリカの濃度は、いずれも、0.3重量
%である。
グリセリド担持シリカの濃度は、いずれも、0.3重量
%である。
【0036】
【表6】 〔防曇試験〕成形1年後 高温試験(50℃→23℃) 低温試験(18℃→5℃) 高温試験 低温試験 5分後 1時間後 5分後 3日後 <実施例1> C8 /C12=3/1 100 70 80 50 C10/C12=3/1 80 50 70 30 C8 /C10/C12=3/3/2 90 60 70 40 <比較例1> C8 /C12=3/1 90 50 60 20 C10/C12=3/1 60 10 50 10 C8 /C10/C12=3/3/2 70 30 50 10 <比較例2> C8 /C12=3/1 60 30 50 10 C10/C12=3/1 20 10 30 0 C8 /C10/C12=3/3/2 30 10 40 0<比較例3>(無添加) 0 0 0 0 (注)表中の比較例3を除く各例において、脂肪酸モノ
グリセリド担持シリカの濃度は、いずれも、0.3重量
%である。
グリセリド担持シリカの濃度は、いずれも、0.3重量
%である。
【0037】
【表7】 〔表面固有抵抗(Ω/□)〕 成形1日後 成形1年後 <実施例1> C8 /C12=3/1 2.0×1012 1.5×1012 C10/C12=3/1 8.1×1012 6.2×1012 C8 /C10/C12=3/3/2 4.4×1012 4.5×1012 <比較例1> C8 /C12=3/1 2.0×1012 5.1×1012 C10/C12=3/1 8.2×1012 1.2×1013 C8 /C10/C12=3/3/2 4.8×1012 6.8×1012 <比較例2> C8 /C12=3/1 2.1×1012 5.9×1013 C10/C12=3/1 8.2×1012 1.2×1014 C8 /C10/C12=3/3/2 4.8×1012 4.9×1013 <比較例3>(無添加) 2.5×1016 2.7×1016 (注)表中の比較例3を除く各例において、脂肪酸モノ
グリセリド担持シリカの濃度は、いずれも、0.1重量
%である。
グリセリド担持シリカの濃度は、いずれも、0.1重量
%である。
【0038】前記の性能評価の結果から、次のことが分
かる。 (1)表1及び表2に記載の抗菌力試験(ハロー試験)
の結果によれば、本発明の食品包装用フィルムは、抗菌
性が格段に優れている。そして、本発明の食品包装用フ
ィルムの抗菌性は、フィルム接触面だけではなく、非接
触範囲にも効果の及ぶことが確認された。 (2)表3及び表4に記載の抗菌力試験(菌数測定)の
結果によれば、本発明の食品包装用フィルムの抗菌性
は、静菌性ではなく優れた殺菌性を有することが分か
る。 (3)表5及び表6に記載の防曇試験の結果によれば、
本発明の食品包装用フィルムは、C8 及び/又はC10に
C12を混合使用することにより、C8 、C10、C12をそ
れぞれ単独使用した場合に比し、優れた防曇性を発揮し
ていることが分かる。 (4)表7に記載の表面固有抵抗の測定結果によれば、
本発明の食品包装用フィルムは、他の食品包装用フィル
ムに比し、遜色のない良好な帯電防止性を有することが
分かる。
かる。 (1)表1及び表2に記載の抗菌力試験(ハロー試験)
の結果によれば、本発明の食品包装用フィルムは、抗菌
性が格段に優れている。そして、本発明の食品包装用フ
ィルムの抗菌性は、フィルム接触面だけではなく、非接
触範囲にも効果の及ぶことが確認された。 (2)表3及び表4に記載の抗菌力試験(菌数測定)の
結果によれば、本発明の食品包装用フィルムの抗菌性
は、静菌性ではなく優れた殺菌性を有することが分か
る。 (3)表5及び表6に記載の防曇試験の結果によれば、
本発明の食品包装用フィルムは、C8 及び/又はC10に
C12を混合使用することにより、C8 、C10、C12をそ
れぞれ単独使用した場合に比し、優れた防曇性を発揮し
ていることが分かる。 (4)表7に記載の表面固有抵抗の測定結果によれば、
本発明の食品包装用フィルムは、他の食品包装用フィル
ムに比し、遜色のない良好な帯電防止性を有することが
分かる。
【0039】
【発明の効果】以上説明した本発明によれば、食品の包
装に供した際に安全性が高く且つ長期的な抗菌性、防曇
性、帯電防止性を有する食品包装用シート又はフィルム
が提供され、本発明の工業的価値は顕著である。
装に供した際に安全性が高く且つ長期的な抗菌性、防曇
性、帯電防止性を有する食品包装用シート又はフィルム
が提供され、本発明の工業的価値は顕著である。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−112660(JP,A) 特開 平4−220444(JP,A) 特開 昭57−43835(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 1/00 - 101/16 C08K 3/00 - 13/08
Claims (3)
- 【請求項1】 多孔質シリカに担持されたオクタン酸モ
ノグリセリド及び/又はデカン酸モノグリセリドとラウ
リン酸モノグリセリドとを含有する熱可塑性樹脂から成
り、上記の各脂肪酸モノグリセリドは別々の多孔質シリ
カに担持され、各脂肪酸モノグリセリドの熱可塑性樹脂
中の合計含有量が0.01〜5重量%、ラウリン酸モノ
グリセリドに対するオクタン酸モノグリセリド及び/又
はデカン酸モノグリセリドの割合が0.05〜10重量
比であることを特徴とする食品包装用シート又はフィル
ム。 - 【請求項2】 多孔質シリカに対する脂肪酸モノグリセ
リドの担持量が1〜10重量比である請求項1又は2記
載の食品包装用シート又はフィルム。 - 【請求項3】 熱可塑性樹脂がポリオレフィン系樹脂、
ポリ塩化ビニール樹脂またはポリアミド樹脂の何れかで
ある請求項1ないし3の何れかに記載の食品包装用シー
ト又はフィルム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31999591A JP3036932B2 (ja) | 1991-11-07 | 1991-11-07 | 食品包装用シート又はフィルム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31999591A JP3036932B2 (ja) | 1991-11-07 | 1991-11-07 | 食品包装用シート又はフィルム |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05125220A JPH05125220A (ja) | 1993-05-21 |
JP3036932B2 true JP3036932B2 (ja) | 2000-04-24 |
Family
ID=18116578
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP31999591A Expired - Fee Related JP3036932B2 (ja) | 1991-11-07 | 1991-11-07 | 食品包装用シート又はフィルム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3036932B2 (ja) |
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---|---|---|---|---|
JP5170735B2 (ja) * | 2007-06-25 | 2013-03-27 | 積水テクノ成型株式会社 | 樹脂成形品 |
JP5731475B2 (ja) | 2009-03-27 | 2015-06-10 | スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー | 親水性ポリプロピレン融体添加剤 |
-
1991
- 1991-11-07 JP JP31999591A patent/JP3036932B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05125220A (ja) | 1993-05-21 |
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