JP2955299B2 - 超伝導体及びマイクロ波又はミリ波装置 - Google Patents

超伝導体及びマイクロ波又はミリ波装置

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、タリウムを主成分とする超伝導体及びこれ
を用いた装置に関する。
〔従来の技術及び発明が解決しようとする課題〕
高温超伝導における最近の科学的変化は、超伝導転移
温度(TC)が著しく高い数多くの新規な金属酸化物化合
物、特に銅酸化物化合物の発見から生じた。最初に発見
された化合物は、ほとんどの場合、銅と結合したバリウ
ム及びイットリウム等のアルカリ土類金属と希土類金属
との組み合わせを主成分とするものであった。より最近
では、組成物が種々の化学量論量でタリウム、カルシウ
ム、バリウム、銅及び酸素を有する、タリウムを主成分
とする超伝導体が製造された。タリウムCa−Ba−Cu−O
付着層は処理温度で液体である組成とすることができる
ので、タリウム材料は処理することが困難であった。タ
リウム酸化物は処理温度の約500℃で比較的高い蒸気圧
を有するため、結晶構造が適切な化学量論量を確実に有
するように処理するのが増々困難となった。ほとんどの
場合、密封したAu又はPtアンプルを用いて、高温処理中
にフィルム上にTlの制御された超過圧力及び酸素を発生
されることにより、Tlの揮発を制御している。
超伝導フィルムには非常に重要な面がある。しかしな
がら、有用であるためには、フィルムは、十分に均一で
なければならず、装置の電流条件を満足することがで
き、好ましくは液体窒素の温度よりもかなり高い超伝導
転移温度を有し、銅よりもはるかに低いRF表面抵抗を有
し且つ再現性よく製造できなければならない。
サンディア ナショナル ラボラトリーズ(Sundia N
ational Laboratories)のギンレー(Ginley)等は、21
22タリウム化合物(Tl2、Ca、Ba2、Cu2、O8)の超伝導
薄膜の製造について報告を行った。又、同じ研究所のジ
ム クワタ(Jim Kwak)は、イットリア安定化ジルコニ
ア上に設けた多結晶タリウムを主成分とするフィルムに
ついての報告を行った。上記のフィルムは、基板上に個
々の金属を順次電子ビーム蒸着後、密封白金るつぼ中で
後蒸着反応工程を行うことにより、イットリア安定化ジ
ルコニア上に形成されていた。得られたフィルムは、無
配向であり、転移温度は97Kであった。アイビーエム社
(IBM)は、無線周波数(rf)ダイオードスパッタリン
グによる2223及び2122化合物の配向薄膜の製造について
の報告を行った。
一方、タリウム化合物に関して、多数の論文が発表さ
れている。これらの論文の代表的なものとしては下記の
ものが挙げられる:シェング(Sheng)及びハーマン(H
ermann)、ネーチャー(Nature)、第332巻、55〜58(1
988);シェング(Sheng)及びハーマン(Hermann)、
ネーチャー(Nature)、第332巻、138〜139(1988);
ギンレー(Ginley)等、フィズィカC、第152巻、217〜
222(1988);スーパーコンダクター ウイーク(Super
conductor Week)、第2巻、第18号、1988年5月9日発
行では、サンディア(Sandia)が、77゜Kでの臨界電流
密度が110,000A/cm2に達し、TCが97Kである無配向多結
晶性TL薄膜を製造したことを報告している。高磁場(6
テスラ)の存在下で観察された臨界電流密度は、4Kで1
x 106A/cm2であった。
ベンカテサン(Venkatesan)等、アプル フィズレタ
ー(Appl.Phys.Latt.)、第52巻、1193〜1195(1988)
及びウー(Wu)等、プロシーディングズ オブ エスピ
ーアイイー シンポジウム オン ハイ TCスーパーコ
ンダクターズ(Proceedings of SPIE symposium on Hig
h TC Superconuductors)、カリホルニア州のニューポ
ートビーチ、1988年3月では、高TC超伝導薄膜の製造に
パルスレーザ蒸着を用いることが報告されている。上記
したベンカテサン(Venkatesan)等及びウー(Wu)等で
は、650℃で蒸着後に450℃でアニールすることにより超
伝導を示すYBaCuOフィルムを得たとしている。ウイタナ
ッチ(Witanachchi)等〔刊行物であるアルプ フィズ
レター(Appl.Phys.Lett.)〕は、高TC超伝導YBaCuO
薄膜のレーザアブレーション中に直流バイアスプラズマ
を加えることにより、400℃の低い基板温度で、そのま
まで超伝導フィルムが得られるとの報告をしている。
〔課題を解決するための手段及び作用〕
液相から結晶基板上に成長させるプロセスを用いるこ
とにより、タリウムを主成分とする超伝導フィルムが基
板上で提供される。又、基板上に超伝導性物質の結晶性
層を生成し、ある場合にはエピタキシャル成長を行うた
めの種々の手法及び条件が提供される。生成物は、表面
インピーダンスから分かるように優れた超伝導特性を有
するとともに、マイクロ波及びミリ波の用途に用いられ
る電子装置の部品として独特な用途がある。
本発明により、薄膜状のタリウムを主成分とする超伝
導組成物の製造方法、得られる組成物及び装置に関す
る。組成物は、種々の基板、特に結晶性基板上に、平均
組成TlaCan-1、Ba2CunO2n+4をフィルムの形態で包含し
ている。これらのフィルムを製造するのに用いられる方
法は、化学付着法及び物理付着法の両方であり、好まし
いものとしては、ゾル−ゲル法及びレーザアブレーショ
ン法が挙げられる。超伝導体層塗工基板は、多種多用の
電子装置、特にマイクロ波及びミリ波用途における部品
として使用される。
提供されるフィルムは、2021、2122、2223を含めた化
学量論量又は用いることのできる他の化学量論量を有す
る主にタリウム−(カルシウム)−バリウム−銅酸化物
である。これらのフィルムは、実質的に均一な結晶化度
を有するように配向させたフィルムである。又、これら
のフィルムは、単結晶から構成されていても、又は結晶
粒界で結合している複数の結晶から構成されていてもよ
い。これらのフィルムが、高度に配向していて、c軸が
基板表面に垂直であることは、Χ線解析又は電子ビーム
チャネリング法によって確認できる。必要に応じて、相
又は関連相の2つの混合物をフィルム内に生成すること
ができるが、ほとんどの場合、単相フィルムが得られ
る。用途によっては、多結晶性フィルムも製造できる。
フィルムの厚さは制御できる。即ち、フィルムは、個
々の用途に応じて、1層で超伝導を得るのに必要面の全
てを含んでいる場合には1層の厚さ(一般的は約30〜50
Å)でよく、又は、2μm以上の厚いものであってもよ
い。フィルムの厚さは、用いられる操作で大きく限定さ
れるのではなく、主に実用的な観点から決まる。
多くの用途の場合、1μmの何分の1かの厚さ、一般
的に約0.1〜1μmの範囲で用いられる。今までの超伝
導転移温度は実質的に約150K未満であったのに対して、
このフィルムの超伝導転移温度は、少なくとも75K、よ
り一般的には90K、好ましくは少なくとも約100K、より
好ましくは約115K、特に好ましくは少なくとも約122Kで
ある。TCが少なくとも110Kである2122組成フィルム及び
TCが少なくとも122Kである2223組成フィルムを得ること
ができる。場合によっては、一つのパラメータを別のパ
ラメータのために譲歩することはあるが、超伝導転移温
度はできるだけ高くなければならない。ほとんどの場
合、フィルムは、約60〜100Kの温度で使用される。
フィルムの臨界電流密度は、通常、77Kで少なくとも1
03A/cm2であり、より一般的には約106A/cm2である。マ
イクロ波及びミリ波の用途の場合、表面抵抗又はインピ
ーダンスは、一般的に、10GHz及び50Kを超える温度、好
ましくは約75Kを超える温度で、約10-3Ω未満、より一
般的には約10-4Ω未満である。
フィルムは、実質的に異物を含んでおらず、超伝導結
晶と関係のない物質の含有量は、約10重量%未満、好ま
しくは約5重量%である。ほとんどの場合、フィルムの
最小寸法は少なくとも約0.5cmであり、a、b面におけ
る最小寸法は3cm又は5cm以上もある。
これらのフィルムは、格子欠陥密度が低く、高品質で
あることが分かる。「格子欠陥密度が低い」とは、真性
超伝導物理的輸送特性を示し且つ必要とする装置特性要
件を十分に達成するのに十分な程度に低い欠陥密度を意
味する。更に、表面形を平滑にするだけでなく、厚みを
均一にすることができる。Nb3Sn超伝導体の表面形態及
び電磁特性への影響については、ホルシス(Forsyt
h)、サイエンス(Science)、第242巻、391〜399(198
8)を参照できる。
更に、超伝導体の結晶格子と基板の結晶格子との差が
10%を超えない場合には、フィルムを基板上にエピタキ
シャル成長してもよい。即ち、結晶のa軸に沿って、a
軸間の格子パラメータの差〔(a基板−a超伝導体)/a
基板〕は、最大約10%まであってもよく、この場合に
は、エピタキシャル成長が可能である。エピタキシーが
望ましいが、高度に配向したc軸垂直フィルムを得る必
要はない。しかしながら、目的とするフィルムの場合、
高度に配向することの他に、基板を適当に選択すること
によって、エピタキシーも達成することができる。
軸上の公称配向度から数度の固定ずれを有するMgOの
{100}表面上にエピタキシャルTl 2223及び2122フィル
ムを設けるのが有益である。Tl 2223フィルムの場合、
〈001〉軸(格子パラメータ、c=36.26Å)は、MgO基
板の〈001〉軸と一致するか、又はエピタキシーにおい
て系統的な角度のずれがあるとともに格子の不一致が大
きい。〈001〉軸の相関関係の他に、エピタキシャルTl
フィルムでは、<100>軸及び<010>軸がMgO基板の類
似軸と平行であるか又は体系的にずれがある。
塗工基板の用途、エピタキシーを所望かどうか、個々
の処理条件等に応じて、単結晶、多結晶及び非晶質基板
を含む種々の基板を用いることができる。基板として用
いることのできるものとしては、酸化マグネシウム、イ
ットリア安定化ジルコニア、サファイア、アルミナ、シ
リコン、アルミン酸ランタン、チタン酸ストロンチウ
ム、ヒ化ガリウム、ガリウム酸ランタン及びフッ化カシ
ウムが挙げられる。
又、固定基板上にタリウムを主成分とする超伝導体を
製造するには種々の手法が用いられる。他の超伝導体金
属酸化物組成物の場合に今まで用いられてきた手法とし
ては、レーザーアブレーション、サーマルエバポレーシ
ョン、液相エピタキシー、電子ビーム、マグネトロンス
パッタリング及び化学蒸着等が挙げられる。目的とする
エピタキシャル層を製造するための方法の代表例として
は、ゾル−ゲル被膜及びレーザアブレーション付着被膜
の液相熱処理が挙げられる。
液相フィルム生成では、付着フィルムを加熱して基板
上に液相被膜を形成することにより、金属酸化物を基板
上に液体から結晶化させて超伝導層を形成する。Tl酸化
物自体又は溶媒としての酸化カルシウムと組み合わせ、
他の酸化物を高温でTl酸化物含有液体に溶解させて液体
組成物を生成後、適切な化学量論量で結晶化することが
できる。冷却、溶媒の蒸発又は化学沈澱を行うと、金属
酸化物が結晶化して結晶性超伝導体層が生成する。基板
によっては、この層はエピタキシャル層であっもよい。
対イオン及び条件により所望の酸化物が生じる場合に
は、最初から酸化物を使用する必要はなく、液相におけ
る金属源として役立つ金属化合物を用いることができ
る。このプロセスは、下記の構成要素に分けることがで
き:(1)金属の被覆;(2)結晶化中の環境;及び
(3)温度、圧力、時間等のサーマルプロセス条件;
(4)の種々の事柄。
エピタキシャル成長の場合、一定の結果を得るために
は、基板を予備処理する必要がある。液相エピタキシャ
ル操作には、高度に研磨された表面を有する基板を用い
る。この表面は、機械的又は化学的、好ましくは両方の
手段で研磨される。単結晶基板を用いると、エピタキシ
ャルフィルム構造が得られる。例えば、酸化マグネシウ
ム〈100〉を、熱濃縮リン酸を用いて、例えば、85%リ
ン酸を用いて約80℃で10分間研磨するか、又は表面を平
らに且つ所望の配向となるまで磨いた後50℃の濃リン酸
に1〜3分間浸漬することにより研磨することができ
る。得られる化学研磨した結晶表面は非常に清浄で且つ
実質的に欠陥のない表面である。表面を研磨する具体的
方法は、本発明においては重要ではない。酸化マグネシ
ウムの代表例としては、(100)面表面を用いるのが好
ましい。
基板の被覆は種々の方法で行うことができる。一手法
としては、熱分解により被膜として所望の酸化物を生成
することができる化学前駆体を用いることが挙げられ
る。別の手法として、超伝導体の製造に適当な化学量論
量を有する金属酸化物を用いることが挙げられる。更
に、気相蒸着を包含する他の手法を用いてもよい。考慮
すべき最初の手法では、酸化物を生成するために有機金
属前駆体を用いる。
ゾル組成物は、適当な化学量論量を有する金属石鹸を
用いて調製することができる。石鹸は、炭素数が少なく
とも約6個、好ましくは少なくとも約8個、一般的に16
個以上、より一般的に12個以上のカルボン酸塩である。
2−エチル−ヘキサノエートが好ましく用いられるが、
ネオデカノエート又は他の分岐鎖、特にα分岐鎖脂肪酸
化物も用いることができる。金属石鹸は、従来の方法を
用いて製造することができる。これらの石鹸は、適当な
媒体、特に、クロロホルム、トルエン、キシレン、ベン
ゼン、メチレンジクロリド等の沸点が約40℃〜100℃の
炭化水素又はハロ炭化水素に分散し、混合物を数時間攪
拌、例えば、振盪して均一にする。増粘剤、例えば、多
糖類又は超高分子量ポリマー等の補助剤を添加してもよ
い。その後、得られる溶液及び/又は分散液を基板に塗
布する。
塗布は、粘稠なゾルを塗布すべき表面に置き、その表
面を遠心分離により短時間回転して、フィルムを実質的
に均一に分布させる。又、塗布すべきでない部分を保護
して、基板を分散液に浸漬するか又は分散液で噴霧して
もよい。基板上にフィルムが実質的に均一に塗布される
いずれの手法を用いてもよい。
次に、塗工基板を、一般的に約150℃〜500℃の範囲、
好ましくは約150℃〜300℃の範囲の高温で短時間熱分解
する。100℃の低温でTlの揮発が生じる結果、プロセス
タイミングを短く且つTl超過圧力及び酸化雰囲気を用い
て、相生成を制御し且つTl損失及びフィルム中の望まし
くない第二相の生成を抑制する。熱分解時間及び温度
は、脂肪酸が確実に分解して金属酸化物の薄膜が残存す
るように選択する必要がある。熱分解は、酸素の、好ま
しくは空気の存在下で生じさせる。この操作は、必要な
だけ何回も繰り返して、金属酸化物フィルムの厚さを増
加させる。
順次行われる各熱分解は、最初の熱分解よりも低い温
度で行うことができる。この場合、最初の熱分解を温度
範囲の上限部分、即ち、250〜450℃で行い、その後の熱
分解を約200〜250℃の範囲の温度で行う。通常、少なく
とも約60%の揮発性有機物質を除去し、加熱時間を延長
することにより、一定重量となる。300℃を超える温度
で熱分解を行う場合には、タリウムの揮発をできるだけ
少なく押えように注意しなければならない。
フィルムの付着及び熱分解操作は、少なくとも1回、
より一般的には2回行われ、5回以上行うことができ、
通常の回数は約4回以下である。
各の層の厚さは、下記の多数のパラメータによって異
なる:ゾルの粘度、回転時間、回転数、基板を回転する
温度等。浸漬、噴霧、ブレードを用いた塗布等の他の手
法を用いて被膜を生成する場合には、異なるパラメータ
が関与する場合がある。
基板表面を所望の程度に塗布した後、基板は、加熱中
に酸素源の存在下で化学量論量を維持するのに適当なモ
ル比を有するペレットが入って入る密閉した不活性容器
中に導入することができる。ペレットのモル比は、フィ
ルム内において望まれる相により決まる。加熱後のフィ
ルム組成は、ソース物質の形状及び温度並びに得られる
Ti超過圧力の影響を受ける。
制御タリウム超過圧力の維持は、種々の方法で行うこ
とができる。最も簡単な法は、酸化物混合物を含有して
いる層に酸化タリウムを塗布し、酸化タリウムオーバー
コートを蒸発させてタリウム超過圧力を提供することで
ある。十分なタリウムを超伝導体層に確実に組み入れる
ためには、超伝導体層の熱処理のハウジングは比較的小
さいのが好ましく、この場合、蒸気が占有するのは比較
的小さい容積である。「比較的小さい」とは、基板の大
きさの約0.001〜10倍の容積を意味する。更に、超伝導
体層の表面と比較して、タリウム源の表面は比較的大き
くなければならず、少なくとも約1.5倍、好ましくは約
2倍、場合によっては5倍以上である。更に、酸化タリ
ウムは、酸化カルシウム及び酸化銅と組み合わせるのが
好ましく、この場合、結晶成長にソースが存在するかど
うかによって、又は適切な相となった後にタリウム超伝
導体材料を安定化するために、組成を変化させてもよ
い。
気相では、加熱中に、空気、純酸素又は他の酸化性酸
素源、例えば、過酸化水素又はオゾンを用いるのがよ
い。ペレットの組成は、製造したい個々のタリウム超伝
導体によって異なる。例えば、2223組成の場合、ペレッ
トのTl:Ca:Ba:Cuモル比は1:3:1:3:である。不活性管
は、好ましくは不動態化貴金属、最も好ましくは金又は
めっきした石英である。この管は、反応中の圧力に耐え
るために外部から補強してもよい。
処理温度は、少なくとも約600℃、より一般的には約6
30℃で且つ約950℃以下、しばしば約800〜900℃であ
る。温度は、適当な方法(熱電対が都合よい)で監視で
きる。通常、処理温度には迅速に達し、一般的には5分
以内、好ましくは3分以内、より一般的には約0.5〜3
分で達する。もっと加熱速度を小さくして(20℃/
分)、粒子サイズがもっと小さい超伝導フィルムを連続
的に生じさせてもよい。管は、上記した範囲の温度で、
一般的に、残留炭素化合物を確実に完全に熱分解し且つ
原子が適当な格子構造をとるのに十分な時間加熱でき
る。一般的に、高温での加熱時間は、少なくとも約0.5
分で且つ約60分以下であり、より一般的には、約0.5〜2
5分、好ましくは約0.5〜10分である。この時間の終わり
に、管を加熱源から取り出して冷却できる。通常、急冷
には何の努力を必要とせず、温度を急激に減少させるよ
うにしなくても、管を室温環境におけばよい。目的とす
るフィルムを製造するための第二の好ましい方法は、レ
ーザーアブレーションを用いるものである。レーザーア
ブレーションは、上記したサーマルプロセスの準備にお
いて室温で基板の塗布を行うのに用いるか、又は超伝導
相を高温で一工程で付着及び生成するのに用いることが
できる。
本発明によれば、レーザーアブレーションは適当なタ
ーゲットを準備して行う。ほとんどの場合、装置は従来
のものであり、上記したウー(Wu)等に記載されてい
る。ターゲットは、金属又は金属酸化物の適当な組成物
を、制御された速度で回転できる支持体の表面に配置す
ることにより準備する。支持体上に配置したターゲット
を、石英窓を有する真空チャンバーに入れ、適当なエネ
ルギー及び波長を有するレーザービームをターゲットに
当てて、ターゲット表面に対して垂直な融徐蒸気のプル
ームを生じさせる。基板をプルームの方向に対して垂直
に配置してプルーム中の原子を受け取るようにする。こ
のことにより、原子が基板方面に結合する。目的とする
付着物が非晶質であるか又は結晶質であるかによって、
基板を、室温又は高温に維持する。
レーザーアブレーションターゲットは、上記したゾル
−ゲルコーティングと同様の方法で作製することができ
る。このようにして、種々のカルボン酸塩の均一なフィ
ルムを製造し、上記したようにして熱分解して所望の酸
化物混合物を生成することができる。熱分解は、酸素の
存在下で行い、適当な酸化状態における所望の金属酸化
物を確実に生成することができる。又、ターゲットは、
圧縮且つ焼結した粉末又は熱間圧縮した粉末から作製す
ることもできる。
ターゲット上でのレーザーエネルギー密度は、一般的
に約1〜3J/cm2である。ターゲット上のフィルムは、基
板上の意図する組成物と同じ金属モル比を有する。ター
ゲットは、通常、表面積が約0.5〜10平方インチであ
り、厚さが約0.001〜0.25インチである。
レーザーを集束して、ターゲットの種々の部分を処理
することができる。このレーザーは、最小約2゜〜最大
90゜の広範囲の角度にわたって表面に当てることができ
る。一般的な衝突角度は約25゜である。レーザーが当た
る面積は、一般的に、少なくとも約2mm2で且つ約50mm2
以下である。一般的な面積は、約15mm2である。幅に対
する長さの比は、衝突角度によって異なり、一般的に少
なくとも2:1で且つ約20:1以下であり、より一般的には
約10:1である。パルス当たり約2J/cm2の範囲のエネルギ
ーを用いることにより、各パルスで、基板上に、一般的
に約3Åの厚さを有する一つの単分子層を付着させるこ
とができる。1秒当たりのパルス数を制御(一般的に約
0.5〜50の範囲)することにより、基板上に約0.1μm/分
で増加させることができる。
ターゲットは、通常、基板に比較的近接しており、通
常約2cm以上で且つ約10cm以下、好ましくは約6cm以下で
ある。チャンバーを、約500mTorr、好ましくは約2〜20
mTorr、より好ましくは約100〜200mTorrになるまで排気
する。酸素、空気、過酸化水素、オゾン、亜酸化窒素等
の窒素酸化物が存在してもよく、無機酸素源はレーザー
ビーム又は別個のエネルギー源で活性化されることがで
きる。例えば、活性化された酸化ガス源、例えば、電場
を通すか又はレーザーにより活性化した酸素を、基板上
の層の方向に注いでもよい。
結晶性超伝導フィルムを成長させる方法、基板は、一
般的に、約450〜750℃の温度、好ましくは約500〜650℃
の温度に維持する。上記温度に維持することにより、原
子が適切な結晶構造を形成するが、フィルムと基板の間
の相互拡散を最小に抑え且つ気化によるタリウムの損失
を最小に抑えるために、温度はできるだけ低く保つ必要
がある。基板に使用する温度が低いほど、付着速度は遅
くなければならない。又、融徐プルームにプラズマを付
与することにより、プルームにおける原子及び分子のエ
ネルギーを増加することができる。このようにエネルギ
ーを追加することにより、低温で適切な結晶構造を形成
する原子の性能が増加し且つフィルムの成長速度が増加
する。
ある場合において、タリウムが高蒸気圧のために損失
することがあるとき、ターゲット中のタリウムの量を増
加することが好ましい。又、タリウム損失は、装置中の
酸化ポテンシャンルをより高く維持することにより最少
限に抑えることができる。
金属又は金属酸化物の一種又はそれらの組み合わせを
順次融徐することが望ましい。この場合、異なる組成の
層が順次付着し、結晶の異なる原子層が生成する。
上記した高温基板の付着の他に、熱処理の前に、室温
の基板上にレーザーアブレーションを用いて付着させて
もよい。室温の基板でレーザーアブレーションで形成し
たフィルムは、密度が大きく、均一で純度が高いが、結
晶質ではない。これらの非晶質フィルムを加熱すると、
液体となった後、化学処理に関して上記した方法で固体
結晶性相となる。液相生成の動力学は、上記2種類のフ
ィルムでは若干異なる。このことは、化学的に製造した
フィルムは非常に多孔性である傾向があり且つ熱処理前
に小量の残量炭素を含有していることによる。
上記プロセスは、異なる組成の層を用いて更に変更し
てもよい。特に重要なものとしては、酸化タリウム、好
ましくは酸化タリウムと酸化カルシウムの組み合わせか
らなる第一層と、少なくとも酸化銅及び酸化バリウム、
好ましくは酸化タリウム及び酸化カルシウムも包含する
第二層との組み合わせが挙げられる。これらの層は、上
記したように、基板上に異種の組成の層を別個に設ける
ことができる種々のプロセスを用いて得ることができ
る。例えば、ゾル−ゲル法の場合、まず、全ての金属の
カルボン酸塩の層を塗布する前に熱分解しても又はしな
くてもよい、カルボン酸タリウムとカルボン酸カルシウ
ムの層を設けることができる。
基板の塗工に関する別法としては、物理的傾斜法を用
いることが挙げられる。傾斜できるボートを用いて、液
体組成物を基板から離しておけるようにすることによ
り、種々の酸化物の液体を調製することができる。液体
を生成次第、ボートを傾斜すると、ボートの他の部分に
配置されている基板が液体により塗布される。この際、
基板は、ボートの底に対して角度を有し、ボートの壁の
近くが高部端となるように配置するのが望ましい。塗布
を行う条件としては、迅速に約500〜880℃の範囲の温度
に上昇させることが挙げられ、この時点で、酸化物は液
体状態にある。次に、ボートを傾斜し、約0.5〜10℃/
分の範囲の比較的遅い速度で冷却を開始し、温度が約49
0〜860℃の範囲のときには、少なくとも約10℃、好まし
くは約50℃以下にまで降下させる。この時点で、傾斜し
ていたボートを最初の位置に戻すと、基板はもはや液状
ではなく、基板を少なくとも10℃/分、好ましくは少な
くとも20℃/分で急速に室温まで冷却する。熱処理中に
おける、ソースと超伝導体フィルムとの間の配置は、種
々の形態でよい。しかしながら、ソースは、超伝導体フ
ィルムに接触させてはならない。配置は、ソースが超伝
導体フィルムと対向するようなものとする。例えば、ソ
ースで塗布した基板は、スペーサ(一般的に、厚さが5
μm以上のもの)を用いて、超伝導体フィルムで被覆し
た基板から離して、ソースとフィルムを対向の関係とし
てもよい。
別の配置として、容器中に入れた基板上に超伝導フィ
ルムを有する場合が挙げられ、この場合、ソースを超伝
導体フィルムから移動させて、超伝導体フィルムとは異
なる温度に維持する。従って、ソース温度を変えること
により、異なるタリウム超過圧力が得られ、超伝導体フ
ィルム表面で適切なTl化学量論量が確実に得られる。
これらの超伝導フィルムの製造及び超伝導材料のポス
トアニーリングには、種々の方法を用いることができ
る。超伝導物質の生成(沈着)の前に、フィルムにおけ
る液体の蒸発及び沸騰を防止する加熱及び加圧の工程を
設けることにより、Tlソース物質が凝縮することによ
り、超伝導層が沈澱して、比伝導酸化物組成物の生成を
出来るだけ抑制又は防止することができる。
このための一プロトコールとしては、約3atmの圧力と
するとともに、温度を急激に(約50℃/秒の昇温速度)
上昇させて、15〜20秒で室温から850℃に到達させ、超
伝導フィルムをこの温度で維持する。この時点で、加熱
の最初から約100秒が経過しており、その後、超伝導体
を約5〜10秒間冷却して約550℃の温度とし、この温度
で更に100秒間維持した後、室温まで冷却する。この間
に、ソース物質に関して異なる加熱プロフィールが用い
られ、ソースは超伝導体フィルムと一緒にほぼ同じ速度
で加熱されるが、超伝導体フィルムよりも約5〜25秒間
長く高温で保たれ、その結果、超過圧力が比較的一定に
維持されるとともに、超伝導体フィルムは最初の冷却を
受け、その後、ソース温度を約100℃だけ降下し且つ超
伝導体層のアニーリングの間この温度で維持する。次
に、超伝導体層とともにこの温度を室温まで降下させ
る。圧力プロフィールに関しては、アーリング温度に到
達後圧力を1atmに低下するまでは、高圧を維持する。
ソースと超伝導層の両方を同じ温度に維持する場合に
は、異なったプロトコールにより、約40〜70℃/分で80
0℃に加熱する。この際、酸素圧力を3atmに維持しなが
ら、約15〜40秒、これらの約20〜30秒で上記温度に到達
させる。この温度で更に60秒間維持後、約5〜20℃/秒
で室温まで温度を降下させる。圧力プロフィールは、約
60秒間高圧を維持後、約10〜20秒で1atmまで降下させる
点で異なる。液体組成を調整することにより、1atmで成
長を行うことができる。
熱アニールに関するパラメータは、超伝導フィルムの
製造の場合とは異なる。アニールの場合、超伝導フィル
ムを、約500〜750℃の範囲の温度に、一般的に約10〜30
秒で急熱する。その後、タリウムソースの存在下で、酸
素雰囲気中において約5〜60分間、好ましくは約15〜45
分間上記温度の±15%で維持する。ソース温度は、超伝
導フィルムよも少なくとも約50℃、好ましくは約100〜1
50度高い。ソースは、超伝導フィルムと同様に加熱さ
れ、ソースの最終温度は、フィルムの温度の到達ととも
に、又はフィル向温度に到達直後に達する。ソース温度
を、アニールの間実質的に一定に維持後、超伝導フィル
ムとほぼ同じ温度に冷却して、ほぼ同じ速度で室温まで
冷却する。この際、ソースの冷却は、超伝導フィルムを
冷却する少し前、通常約0.5〜5分前に開始する。アニ
ールの間、通常約1.5〜約2.5atm、好ましくは最大約2at
mの高圧力を使用する。
赤外線加熱を用いることにより局部効果を得ることが
できる。例えば、プレ超伝導体又は前駆体フィルムを有
する基板を、フィルム上にあって基板よりも容積が小さ
い赤外線透明窓を有するエンクロージャに入れる。赤外
線加熱を用いることにより、小容積で蒸発が生じ、圧力
が急激に上昇する。更に、このアセンブリーを、赤外線
透明窓を有する圧力容器に入れ、アセンブリー全体を加
圧することもできる。このようにして、超伝導フィルム
を生成するガス環境を、酸化タリウム蒸気で急速に飽和
する。このプロセスは、大気圧又は過圧下で行うことが
できる。
基板を大きなサーマルマスベース(thermal mass bas
e)上に配置し、赤外線加熱を用いることにより、基板
が前駆体又は中間液体組成物よりも熱伝導性が大きいの
で、基板前駆体フィルムの界面で熱流束が生じる。従っ
て、フィルム及び基板において温度勾配があるので、前
駆体フィルムの温度が基板よりも高い。次に、温度の低
い基板が、超伝導体フィルムの生成の核形成部位を提供
する。
本発明の理解を更に深めるために、図面を参照して説
明する。第1図及び第2図は、超伝導フィルム製造用の
管状装置及び配置を異なった図で示したものである。金
を密封した容器10には、タリウムペレットソース12及び
14が入っている。基板16により、ペレット12を超伝導体
層前駆体20から分離する。ワイヤ馬テイ形スペーサ22に
より、ペレットソース14が超伝導層20に接触しないよう
になっている。管10をシールする前に、種々の成分を組
み合わせて上記したようなアセンブリーを作製してハウ
ジング10に入れる。このハウジングをシールして炉に入
れ、所望の温度まで急激に加熱して、その温度で維持す
る。しかしながら、このプロセスの形態を用いて高品質
のフィルムを製造するのに、パウチをシールする必要は
ない。通常、小量の空気又は酸素が密封ハウジング10に
残存する。加熱すると、ペレットソースが部分的に蒸発
し、ハウジング10において酸化タリウムの超過圧力を維
持して、酸化タリウムが超伝導体前駆体層から著しく蒸
発するのを防止する。超伝導体層が生成するのに十分な
時間の後、炉の電源を切って冷却し、炉のチャンバーを
室温にする。
第3図は、別の実施態様を示したものである。この場
合、赤外線加熱を用いて所望の温度とするベース30の上
には、導管34を有するカバー32及びチャンバー40を排気
又は加圧するためのバルブ36が取り付けられている。カ
バー32には、赤外線透明の天井42が付いており、赤外線
チャンバー40に入るようになっている。チャンバー全体
を照射できる赤外線源44が設けられている。又、所定の
場所に配置されているときには輻射線が超伝導体フィル
ム前駆体50を加熱する防止する役割を果たす、取り外し
可能なマスク46が設けられている。超伝導体フィルム前
駆体50を、ベース30の上に置いてある基板52の上に塗布
する。酸化タリウムリング54を、チャンバー内の支持体
56の上に取りつけ、ここでマスクが所定の位置にあると
きにタリウムリングに赤外線を照射する。
超伝導体フィルムを製造する際、超伝導体前駆動体フ
ィルム50を塗布した基板52をベース30上に置き、ベース
にカバー32を取りつける。次に、チャンバーを酸素で満
たし、マスクを所定の位置に配置して赤外線ランプ44で
の照射を開始する。酸化タリウムの分圧が十分になった
ら、マスクを除去し、前駆体フィルム50を高温に加熱し
て、超伝導体フィルムを生成させる。十分加熱した後、
ランプ44の電源を切り、チャンバー40を室温に冷却し、
排気し、カバーを取り外して超伝導体フィルムを分離す
る。
第4図は、別の実施態様を示したものである。この実
施態様では、一種以上の基板を超伝導体フィルム前駆体
で塗布する。この場合、所望の厚さの層が得られるま
で、繰り返し基板の塗布を行ってもよい。圧力ゲージ64
及びバルブ66を備えた導管62を有するハウジング60を設
ける。ハウジング60のベースには2つのヒータ70及び72
が付いており、それぞれ容器74及び76に熱を提供する。
容器74の一端には、オリフィス82を介してハウジング60
の外に伸びているロッド80が付いている。シール84によ
り、空気がハウジング60に入ったり又は蒸気が損失する
のを防止している。基板86は、マウント90により所定の
角度で容器74内に位置させる。ロッド80により、容器74
は、位置Aから移動させることができる。超伝導体フィ
ルムの液体前駆体の表面は、ハウジング60のベース78に
対して実質的に平行である。この位置で、基板86を超伝
導体前駆体液体に浸漬する。温度尾を低下又は溶媒の一
部分を蒸発させることにより、基板上での超伝導フィル
ムの結晶化が誘発される。ロッド80を上げるか又は装置
全体を傾斜させることにより、点線Bで示した位置92に
液体を移動させることができる。その結果、基板86と超
伝導体フィルムは、もはや超伝導体前駆体液体94で塗布
されない。容器76には、ハウジング60において酸化タリ
ウムの超過圧力を提供する役割を果たすことのできる酸
化タリウム液体96が入っている。酸化タリウム液体96
は、酸化タリウム単独からなるとともに、ハウジング60
内の超過圧力を制御するのに用いることができるので、
酸化タリウム液体96の温度は、超伝導体前駆体液体より
は低い温度で維持してもよい。
目的とする装置部品は、種々の装置に用いることでき
る。例えば、超伝導性層はマイクロ波表面インピーダン
スが小さいので、非常に多数のマイクロ波及びミリ波の
用途に用いられる。基板及びフィルムを包含する目的と
する要素は、適当な基板を選択することにより、無線周
波数キャビティー及び共振器、マイクロ波シールディン
グ、アンテナ並びに同軸、マイクロストリップ、同平面
導波管、同平面ストリップライン、インバーテッド又は
サスペンデッドマイクロストリップ等の異種の構造を用
いた伝送線路に用いられる。これらの装置は、信号通信
又は遅延、フィルター、共振器及びオシレータ、回路イ
ンターコネクション、パワーバインダー及びアンテナフ
ィードに用いられる。超伝導共振器要素を備えた狭帯域
マイクロ波フィルターの場合、下記の仕様が可能であ
る。
伝送媒体:マイクロストリップ結合線路 (共振器要素:5〜15) 帯域幅:中心周波数(f0)で0.1〜10% 寸法: 超伝導体厚さ(t)=1μm 相対誘電率(ε)=9.65(MgO) 損失正接=0.0002(MgO) 基板高さ(h)=25ミル(64×10-3cm) 間隔(s)=10〜150ミル(25×10-3〜380×10-3c
m) 線幅(w)=1〜40ミル(2.5×10-3×100×10-3c
m) 長さ(l)、f0での0.25管内波長、 l=114ミル(10GHZ) パッケージ寸法: Χ=1インチ(2.5cm) Y=1インチ(2.5cm) Z=0.25インチ(0.64cm) フィルターを、遮蔽ケースに包装し、77゜Kに冷却
し、SMA同軸コネクターを用いて他のハードウエア部品
に接続する。
超伝導共振器要素を備えた代表的な狭帯域マイクロ波
フィルターを第5図に示す。このフィルターは、信号を
マイクロ波フィルター102に供給するアンテナ100を包含
している。マイクロ波フィルター102からの信号は、信
号106と結合したミクサ10に供給する。掃引局部オシレ
ータ110も、信号をミクサ104に供給し、その結果、信号
114と結合した分散性遅延線路112に出力が供給される。
超伝導共振器要素116が、整列した形態で示されてお
り、「w」が線幅であり、「s」は間隔であり、「l」
は長さである。狭帯域マイクロ波フィルターが低損失で
あるので、マイクロ波受信器は比較的高い信号対ノイズ
比を示すことができる。分散性遅延線路を用いて、あた
かも短パルス(距離分解能がより高い)であるかのよう
に、長パルス(より高いエネルギー)を処理する。この
ことについては、アールエイチ ディッケ(R.H.Dick
e)により1953年1月6日発行の米国特許第2,624,867号
において最初に説明された。
遅延線路は、デジタル瞬時周波数測定(DIFM)部品の
一体部分である。遅延線路は、下記の仕様をとることが
できる。
寸法: 超伝導体厚さ(t)=0.015μm〜2μm ε=9.65(MgO) 損失正接=0.0002(MgO) 基板高さ(h)=25ミル(64×10-3cm) 線幅(w)=0.04〜40ミル(0.1×10-3×100×10-3
cm) 全長(l)=20mm パッケージ寸法: Χ=1インチ(2.5cm) Y=1インチ(2.5cm) Z=0.25インチ(0.64cm) 遅延線路を、DIFM内の遅延線路を相互接続しているSM
A同軸コネクタを用いて、77Kの冷フィンガに熱結合した
遮蔽ケースに包装することができる。
デジタル瞬時周波数測定の略図を第6図に示す。アン
テナ120は、信号をダイオード122に供給する。このダイ
オード122は信号をパワースプリッタ124に供給する。パ
ワースプリッタ124は、超伝導体フィルムを包含する遅
延線路134を包含している線路130及び132を介して位相
検出器126に直接出力する。線路130及び132の出力を、
位相検出器126に供給後、信号136及び140をビデオ142に
出力する。
〔実施例〕
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明はこ
れらのものに限定されるものではない。
Tl、Ca、Ba及びCu金属のカルボン酸塩化合物の各々
を、確立された方法により製造した。得られた金属石鹸
化合物のクロロホルム溶液を蒸発させて、体積を減少さ
せ、原子吸光により金属含量を分析した。次に、これら
の前駆体溶液を使用して、前駆体ゾルを製造した。即
ち、2−エチルヘキサン酸銅5g、2−エチルヘキサン酸
バリウム3.29g、2−エチルヘキサンカルシウム3.14g及
びクロロホルム5mlに溶解した2−エチルヘキサン酸タ
リウム8.462gを混合して調製した。この前駆体の化学量
論はTl2Ca2Ba2Cu3であった。この溶液を、数時間振盪し
て混合した。得られた前駆体溶液を、単結晶イットリア
安定化ジルコニア(〈100〉配向)基板上に、4000rpmで
30秒間回転塗布後、400℃で5分間分解した。この回転
/熱分解操作を250℃でさらに二回繰り返した。粉砕し
てせれぞれの酸化物を混合後、カーバープレスで一軸的
に圧縮して、Tl:Ca:Ba:Cuのモル比が1:3:1:3である酸化
物ペレットを製造した。ペレットと塗工基板を、直径1/
4インチ(0.64cm)の金管に入れて空気中に置いた後密
封した。密封した金管をワイヤを用いて熱電対に取りつ
け、予備加熱した管炉に挿入した。物質を2分で885℃
の温度とし、この温度で10分間保った。次に、資料を炉
から取り出し、室温に冷却した。フィルム処理操作全体
が完了するのに約15分要した。
熱分解フィルムを光学顕微鏡写真で調べたところ、フ
ィルム全体に、多数のプレート上及び針状(端部がプレ
ート)構造の存在が明らかとなった。エネルギー分散性
Χ線解析により、両方の構造が2223組成を有することが
分かった。フィルムの走査型電子顕微鏡により、超伝導
2223号物のモルホロジーを示した。又、顕微鏡写真で
は、プレート状構造にじかに隣接する領域に球状Ca/Tl
酸化物不着想が存在することが明らかとなった。プレー
トの組成を、SEM−EDX(走査型電子顕微鏡エネルギー分
散Χ線分光分析法)で分析したところ、12原子%のBa、
12原子%のTl、12原子%のCa、20原子%のCuからなるこ
とが分かった。組成分析の結果が、面積対面積で一致し
且つ物質が2223金属化学量論を有することと一致する。
2223フィルムが高度に配向していることが、Χ線回折ス
キャンにおける〈001〉反射が著しく増加することから
明らかとなった。又、6゜でのピークが小さく、フィル
ムにおける2122層の量が非常に小さいことが分かった。
物質が2μmの厚さの密度の高いフィルムから構成され
ているという仮定の上で、温度依存性磁化率の速度をフ
ィルムについて行った。計算により、物質の60%が超伝
導となったことが分かった。
ソース物質の組成がTl:Ca:Ba:Cuの原子比が2:2:2:3で
あることを除いて上記の操作を繰り返し、2122組成を製
造した。反応温度をわずかに変えて860℃とした。基板
としては、上記した方法〔サンワル(Sanwal)及びスタ
リア(Sutaria)、ジェイ マテ サイ(J.Mater.Sc
i.)、第11巻、2271〜2282(1976)〕により化学研磨し
て実質的に欠陥のない(〈100〉)表面とした酸化マグ
ネシウム基板単結晶を用いた。熱分解フィルムの光学顕
微鏡写真から、フィルム全体の多数のプレート状構造が
存在することが明らかとなった。SEM−EDXにより、これ
らの構造が2122物質に相当する化学組成を明することが
判明した。又、フィルムのSEMにより、超伝導2122化合
物が、悪らかにプレート状モルホロジーを有することが
分かった。更に、〈001〉反射が大きく増加し、フィル
ムが高度にc軸配向していることが判明した。又、単結
晶基板の電子チャネリングパターンをフィルムの種々の
領域のものと比較したところ、フィルムがエピタキシャ
ルであることが判明した。フィルムのモルホロジーか
ら、処理中に中間液相が存在することが強く示唆され
た。フィルム表面(液相エピタキシャル成長法により得
られる薄膜表面に似ている)をEDXで分析して、2122化
合物が正確なカチオン化学量論量を有することが分かっ
た。
フィルム内の多くの代表的な老域から電子ビームチャ
ネリングパターンが得られた。フィルムの電子チャネリ
ングパターンから、2122フィルム内のa、b面の配向が
フィルム全体にわたって基板の多くの領域のパターンと
一致することが明らかとなった。いくつかの領域で、フ
ィルムのチャネリングパターンが、基板とは配向が不一
致(一定量だけ)であった。このことは、約9%の格子
不一致により、フィルム/基板界面で歪み又はディスロ
ケーションが発生したことを示しているものと思われ
る。表面との格子の一致は、酸化マグネシウム基板に近
接した層だけでなく、基板表面から何ミクロンも離れた
プレートの上部でも維持されていた。
PVDによりタリウムを主成分とする超伝導フィルム
(例えば、2223組成を有するもの)を付着するには、基
板を専用に設計した真空超伝導に入れ、ターゲットから
約6cm離れて面する位置に配置する。真空チャンバーを1
x 10-6トルの圧力に排気後、酸素を入れて5 x 10-3
ルに戻すとととに、基板を室温と400℃の間の温度に加
熱する。次に、ターゲット上でのレーザーエネルギー密
度を1.5〜2.0ジュール/cm2として、レーザーアブレーシ
ョンにより、物質をターゲットから基板に蒸気輸送す
る。レーザーを5Hzで5〜10分間パルス化して、厚さ0.5
〜1.0μmのフィルタを付着させる。アブレーションの
後、フィルムを室温に冷却し、基板を真空チャンバーか
ら取り外す。このように付着させたフィルムは連続して
おり、基板全体にわたって平滑である。フィルム表面上
のある位置には、固体粒子又は小さな溶解小球の形態で
ターゲットから輸送されたと思われる粒子がある。エネ
ルギー分散性Χ線(EDX)分光分析法により測定する
と、400℃以下の基板温度では、フィルム組成は、ター
ゲット組成と同じであることが判明する。即ち、ターゲ
ット2223組成を有している場合、フィルムはそれと同じ
組成を有している。基板温度が600℃であるとき、タリ
ウムが蒸発により損失するので、フィルムの最大含量
は、基板の最大含量よりも小さい。この損失は、ターゲ
ットのタリウム含量を増加することにより補うことがで
きる。
フィルムは、付着させたままではでは超伝導性ではな
く、タリウム蒸気源をの入った金パウチ内で750〜850℃
でアニールすると超伝導性となる。
更に、種々の金属を用いて多数の超伝導体フィルムの
製造を行った。基板としては、多結晶形態の酸化マグネ
シウム、ジルコニア及びアルミナだけでなく単結晶サフ
ァイアが挙げられる。Tl、Ca、Ba及びCuの2−エチルヘ
キサン酸塩のクロロホルム溶液を基板に塗布後、得られ
るフィルムを250℃で熱分解いてフィルムを製造する。
このプロセスを最高10回以上繰り返して所望の厚さとし
た後に高温処理する。基板の塗布を3回繰り返した後の
フィルム厚さは5μmである。
まず清浄基板を上記したように3回塗布して化学付着
フィルムを製造する。予備熱分解したフィルムは、XRD
及びTEMにより非晶質であることが分かる。このフィル
ムは、金属イオンの均質混合物であり、高温熱分解前の
Tl、Ca化学量論量は、高温超伝導体(HTSC)物質を製造
する上で特に重要でないことが判明した。しかしなが
ら、過剰のBa及びCuを添加すると、高温熱分解の間に、
バリウムキュプラートの大きな六方晶が生じる。
下記の操作により高温熱分解処理を行う。最初に非晶
質化学付着させたフィルムを、2つのソースペレットの
間に配置する。ソース物質は、一般的に、直径1/2イン
チ(1.27cm)のTl−Ca−Ba−Cu酸化物の一軸圧縮粉であ
る。ソース物質の化学量論量は、処理中に生成する層を
決定するのに重要な役割を果たす。使用するソース組成
物でもっとも普通のものは、Tl−Ca−Ba−Cu比が1313及
び2223のものである。スペーサを、ペレットとそれらの
間に挿入したフィルムの間に配置する。セラミック又は
スペーサを用いることにより、フィルム表面がペレット
の表面に触れるのが防止される。フィルムとソース物質
との接触を防止するのは、大きな領域(>1cm2)にわた
って形態学的に均一なフィルムを得るのに重要である。
フィルムかソース物質と接触すると、焼成した最終フィ
ルムの均一性及び一体性が損なわれることがある。
ソース/フィルム構造体を、予め条件を整えた金管に
挿入する。次に、金管を空気、窒素又は酸素でパージ
し、ふたをする(気密シールをする必要はない)。その
後、600〜910℃の最終温度に加熱する。この際、用いる
加熱速度が重要である。加熱速度が遅くて10〜30℃/分
の範囲であると、通常、厚さ2〜10μmの多結晶無配向
フィルムが生成する。一方、加熱速度がもっと早いと、
配向フィルムが生成する。配向フィルムを生成するのに
使用する典型的な加熱速度は、50〜500℃である。金の
パウチを予備加熱した管炉に直接入れ、パウチに直接挿
入した熱分解電対を用いてその温度を監視することによ
り、加熱速度をもっと高めることができる。化学付着し
たフィルムを急熱して得られるフィルムの配向は、基板
表面に垂直な物質のc軸である。このような物質の場
合、0.3゜のシャープなロッキングカーブが得られた。
基板に平行なc軸を有する物質の核形成を示すある確証
が得られたが、この物質は、いずれのフィルムでも占め
る容積割合が小さい。単結晶MgO基板では、エピタキシ
ーが示された。
フィルムの配向度は、本質的に相生成プロセスに関連
している。高温処理中に得られる中間液相は、モルホロ
ジー、相密度及び純度、結晶配向並びにフィルムの密度
を制御する上で重要な役割を果たす。検討したところ、
得られる中間液相は低温(約600℃)では主にTl及びCa
の酸化物からなることが分かった。急熱試料の場合、65
0℃の低温で、2層物質の大きな結晶粒子が観察され
た。このことは、これらの比較的低い温度で液相生成が
実際に生じていることを示している。熱分解化学前駆体
のDSC実験により、これらの知見が裏付けられる。加熱
速度が遅いと(即ち、10℃/分)、フィルムにおいて比
較的少量の液相(単位容積当たり)及びフィルム内に多
数の核形成部位が生じる。これらのことが合わさって、
結晶配向が非常に低い微細な結晶粒子物質(<5μm)
が生成する。核形成の方向性はランダムであり、付着層
全体に発生し、超伝導物質のランダムに相互接続した小
さな板状構造が生じる。フィルムが5μm粒子物質のか
なり多孔質な網状構造を有していることは別として、基
板へのフィルムの付着量は良好で均一である。単結晶Mg
O上に設けた多結晶フィルムの表面抵抗を測定したとこ
ろ、この物質は、損失がかなり低く、50K及び10GHzで、
極低温銅よりも表面インピーダンスが約2倍以上大きい
ことが分かった。
一方、加熱速度が大きいと(>50℃/分)、著しく異
なるフィルムモルホロジーが生じる。前駆体フィルムの
急熱中に、大きな容積において液相が生成する。最初は
主にTl及びCaの酸化物からなるこの液体は、バリウム及
び銅と接触して急速にそれらを溶解して、2122又は2223
化合物を直接沈澱する。この液相は非常に流動性があっ
て、加熱工程の初期に生成する。この中間液相を介した
物質輸送は極めて迅速である。従って、最初に多孔質で
5μm(低初期密度)の厚さのフィルムは厚み方向に収
縮して、処理中に1μmよりも少し大きい厚さとなる。
液体から生じる層は、液体と平衡である超過圧力によっ
て異なる。2223相を含有する(又はアニール処理中に22
23相を生成する)ソース物質を用いると、一般的に、22
23層を含有するフィルムが生じる。局部タリウム超過圧
力は、液体から生成する層を決定する上で重要である。
超過圧力が低すぎると、超伝導物質は得られない。結晶
配向度は、フィルム処理条件を適切に選択することによ
り容易に制御できる。加熱速度を20〜50℃/分(最終形
態は、多結晶及び配向/エピタキシャルフィルム成長)
とすると、ある範囲のモルホロジー、密度及び厚さを有
する部分配向フィルムが得あれる。抵抗率測定(107Kで
R=0)及びAC感受性の両方により、2層フィルムの場
合に、シャープな超伝導転移が得られた。単結晶Mg上に
本方法により生成した配向2122フィルムは、従来報告さ
れたいずれのHTCフィルム又はバルク材料よりも、77Kで
の表面抵抗が低いことは明白である。この物質は配向し
ており、基板とはエピタキシャルな関係にあると思われ
る。同じ処理パラメータを用いて作製したフィルムは、
非常にシャープなΧ線ロッキングカーブ〔一般的に、半
値全幅(FWHM)が0.7゜未満〕を示すことが判明した。
0.3゜の低い値も得られた。この値は、いずれの物質か
ら得られたHTSC薄膜に関して報告されているロッキング
カーブの中でも最も優れたものに匹敵する。更に、この
プロセスを最適化することにより、更なる改善が可能で
ある。
Tlオーバーコートを有するフィルムの急速サーマルア
ニールに関して、下記の実験を行った。2−エチルヘキ
サン酸タリウムを、Ca、Ba及びCuの酸化物を含有する予
め固定したフィルム上に回転塗布した。上記第一フィル
ムは、Tlが試料から完全に蒸発するのを防止するのに十
分なTl超過圧力過で、通常の化学量論フィルム(2223)
を焼成することにより製造した。合計3つのTlオーバー
コートを追加後、密閉金パウチ内において、酸素雰囲気
中860℃で焼成した。ソースペレットをパウチに入れてT
l超過圧力を制御した。処理後のフィルムは、多量の3
層超伝導物質を含有していた。
次の実験において、適当な金属カチオンの2223混合物
を硝酸に溶解し、この溶液を単結晶MgO基板上で蒸発さ
せた。この物質をボックス炉において、80℃で乾燥し、
金パウチ中で、通常の操作を用いて焼成した。熱処理し
た硝酸塩前駆体から2122化合物が生成した。フィルムの
多数の部分のモルホロジー及び組成は(SEM−EDX)、2
122物質の存在と完全に一致した。前駆体フィルムを付
着するのに使用することができる他の溶液又はコロイド
状分散液としては、これらの金属イオンの炭酸塩、クエ
ン酸塩、水酸化物、フッ化物、塩化物及び酢酸塩が挙げ
られる。Tl、Ca、Ba又はCu塩は、同一の対イオン(即
ち、全てが塩化物)を共有してもよいし、又は異種のア
ニオンの種々の錯体混合物からなっていてもよい。前駆
体は、相生成及び対イオンの除去を完全に行うのに適当
な条件下(即ち、ハロゲン化物の除去には、含水雰囲
気、有機物の場合には酸素雰囲気下で加熱する必要があ
る)で焼成される。
検討の結果、フィルムのモルホロジー及び性質の設計
に使用する中間液相が、技術的に重要な種々の物質と非
常に反応性があることが分かった。フィルム内に成形し
た部分融解物を直接に物理的接触すると、超伝導物質が
崩壊する場合がある。基板がサファイア又は多結晶アミ
ナ等の場合には時にこの傾向がある。Al含有基板状に設
けたフィルムを処理した後、フィルム生にバリウム−ア
ルミネート結晶の存在が観察されることがあった。又、
熱処理の初期に生成し、その後物質を崩壊すための処理
中に液体と接触して溶解した、2122又は2223化合物の単
結晶板の腐食が明らかに認められた。
下記の手法を用いることにより、基板からの妨害のな
い状態で、サファイア基板上に超伝導Tlフィルムが生成
される。まず、中間の加熱速度(約50℃/分)を用いて
フィルムを焼成する。この加熱速度では、処理中のいず
れの時間であっても、存在する液晶の量を効果的に生成
する役割を果たす。第二に、物質が高温状態にある時間
を減少させることにより、基板の反応を制限する。これ
らの手法の両方とも、研究室において、サファイア基板
上での2122又は2223相と基板との好ましくない反応をう
まく抑制できることが明らかになった。
温度の低下又は高温での時間の短縮以外に、基板反応
を減少させる別の方法として、トラブルを起こしやすい
基板材料の上にバリヤー層を設けることが挙げられる。
例えば、サファイア、シリコン及びヒ化ガリウム基板の
場合には、緩衝層としてMgO及びイットリア安定化ジル
コニアを用いことができる。ジルコニア(イットリア安
定化)及び酸化マグネシウムは、意図する通常の処理条
件下で、上記物質と相の適合性を示した。
下記の実験操作を用いて、多数の超伝導体フィルムの
製造を行った。
公表されている標準の合成法により、2−エチルヘキ
サン酸の金属塩を製造した。2−エチルヘキサン酸銅、
2−エチルヘキサン酸バリウム、2−エチルヘキサン酸
カルシウム及び2−エチルヘキサン酸タリウムから調製
した溶液を、適当な基板上に回転塗布してフィルム自体
を生成した。フィルムの厚さは、溶液粘度、回転速度、
回転時間及び塗布の回数を制御することにより調整し
た。一般的には、基板を3000rpmで30秒間回転した。各
前駆体の塗布の後、フィルムを250℃で6分間焼成して
2−エチルヘキサン酸塩を熱分解する。これを3回繰り
返して、前駆体物質の厚さを十分なものとする。
熱分解したフィルムを、公知の化学量論(例えば、Tl
/1:Ca/3:Ba/1:Cu/3)を有する酸化物ペレットが入って
いて且つ圧縮シールした金パウチに入れた。空気及び酸
素雰囲気の両方により、超伝導相がうまく生成した。装
入した金カプセルを、水平管炉において、750℃〜920℃
の範囲の温度で30秒〜5分間加熱した。この場合、全て
の試料について、粉末Χ線回折及びエネルギー分散性Χ
線解析により、超伝導相が確認された。
以下、一般的な実験操作の概要を説明する。
最小容積のクロロホルム中で、2−エチルヘキサン酸
銅5g、、2−エチルヘキサン酸バリウム3.29g、2−エ
チルヘキサンカルシウム3.14g及び2−エチルヘキサン
酸タリウム8.462gを、数時間振盪して混合した。この前
駆体溶液を、1 x 1cmの単結晶イットリア安定化ジルコ
ニア(>100<配向)基板上に、3000rpmで30秒間回転塗
布した後、リンドベルグ(Lindberg)ボックス炉中で25
0℃で6分間熱分解した。この回転塗布/熱分解操作
を、250℃で更に2回繰り返した。塗工基板及びTl:Ca:B
a:Cuのモル比が1:3:1:3である酸化物ペレットを、空気
雰囲気下で金パウチに入れた。フィルムを2つのペレッ
トの間に挟み、熱電対ワイヤから作製したスペーサを物
いて、フィルム表面がペレット自体から離れた状態とな
るようにした。このパッケージ全体を、リングベルグ1
インチ(2.5cm)管炉で加熱して、10分間で25℃から855
℃の温度とし、この温度で4分間維持した。炉を開いて
室温まで冷却した(所要時間5分)。
レーザーアブレーションの利点としては、真空蒸着に
固有の清浄性があること;フィルム成長速度の正確で且
つ繰り返し制御することが可能であること;ターゲット
組成によりフィルムの化学量論量を制御できること;酸
素種の選択及び/又はプラズマ活性化により酸素活性が
制御できること;並びに高温で基板上に成長できるので
エピタキシャル成長が促進されることが挙げられる。
〔発明の効果〕
結晶性基板上に設けたタリウムを主成分とする超伝導
性層を包含する本発明の物品は、従来製造された物質と
比較して非常に改善されている。又、本発明の物品は、
液体窒素又はそれ以上の温度で超伝導性を有し、高度に
配向しており、多くの場合結晶性基板上にエピタキシャ
ル成長でき、又、上記したように、多数の非常に望まし
い物理的且つ電気的性質を有している。
更に、本発明によれば、超伝導体組成物を製造するた
めの新規な方法が提供される。本発明の製造方法では、
高度に配向したエピタキシャルフィルムが生成するよう
に、成長を綿密に制御できる。更に、均質性及び均一性
に優れたゾル−ゲルフィルムが得られるように、厚さを
制御できる。又、温度条件を制御することにより、結晶
成長速度が制御され、実質的に均質となる。
ゾル−ゲル法の利点としては、大きな領域を均一に塗
布できること;室温で成分を原子的規模で混合できるこ
と;混合金属酸化物を低温で合成できること;粉末、バ
ルク、フィルム又は繊維とするのに容易であること;並
びに高い化学純度で得ることができることが挙げられ
る。
レーザーアブレーションシステムには、安全であるこ
と;システムを室温で開放できること;現場で超伝導Tl
フィルムを製造するのに適していること;アブレーショ
ン及び凝縮帯域を使い捨てシールドにより囲むことがで
きるので、ストレイタリウムを付着でき、成長速度及び
厚さを慎重に制御でき及びエピタキシャル成長が促進さ
れることが挙げられる。
本発明により、超伝導性を有する種々の厚さのフィル
ムを製造する多数のプロトコールが提供される。本発明
の方法は、簡便であり、種々の基板の被覆ができ、種々
の物理的特性の超伝導性フィルムを生成できる。
本明細書において言及した全ての刊行物及び特許の開
示内容は、本発明に利用できる。
上記において、本発明を、図面及び理解を深めるため
に実施例によりある程度詳細に説明したが、特許請求の
範囲の精神及びその範囲から逸脱することなく、ある程
度の変更及び修正が可能であることは、当業者にとって
は容易に理解できることであろう。
【図面の簡単な説明】
第1図は超伝導体フィルム製造用の密封容器アセンブリ
ーの略側面図であり、第2図は第1図の線2−2につい
ての断面図であり、第3図は超伝導体フィルムを製造す
るために赤外線加熱を利用したり装置を用いた別の実施
態様を示したものであり、第4図は基板を超伝導体フィ
ルムで塗布するために傾斜容器を用いた別の実施態様の
略図であり、第5図は狭帯マイクロ波フィルターの概略
図であり、第6図はディジタル瞬時周波数測定装置の概
略図である。 10……容器、 12,14……タリウムペレットソース、 20……超伝導体前駆体、 22……スペーサ、 30,78……ベース、 32……カバー、 34……導管、 40……チャンバー、 42……赤外線透明天井、 44……赤外線ランプ、 46……マスク、 50……超伝導体フィルム前駆体、 52,86……基板、 56……支持体、 60……ハウジング、 70,72……ヒータ、 80……ロッド、 84……シール、 94……超伝導体前駆体液体、 96……酸化タリウム液体。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01L 39/02 ZAA H01L 39/02 ZAA H01P 3/08 ZAA H01P 3/08 ZAA 11/00 ZAA 11/00 ZAAF (72)発明者 ティモシー ダブリュー.ジェイムズ アメリカ合衆国,カリフォルニア 93110,サンタ バーバラ,カール ラ イナ 4727 (72)発明者 マクドナルド ロビンソン アメリカ合衆国,カリフォルニア 93110,サンタ バーバラ,フットヒル ロード 4053‐ディ- (72)発明者 ロバート ビー.ハモンド アメリカ合衆国,カリフォルニア 93109,サンタ バーバラ,メサ レイ ン 309 (56)参考文献 特開 平1−268865(JP,A) 特開 平2−44024(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C01G 15/00 C30B 29/22

Claims (17)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】結晶基板上に、タリウム、任意成分として
    のカルシウム、バリウム及び銅の酸化物からなる配向エ
    ピタキシャル成長超伝導層を有する超伝導体であって、
    前記超伝導層は厚さが少なくとも30Åであり、c軸が結
    晶基板に垂直に配向し、かつ前記超伝導層のa軸および
    b軸が基板に対して一対の関係にあるように基板に対し
    てエピタキシャル成長された超伝導体。
  2. 【請求項2】前記超伝導層が、2122組成を有する、請求
    項1に記載の超伝導体。
  3. 【請求項3】前記超伝導層が、2223組成を有する、請求
    項1に記載の超伝導体。
  4. 【請求項4】前記基板が、酸化マグネシウムまたはイッ
    トリア安定化ジルコニアである、請求項1に記載の超伝
    導体。
  5. 【請求項5】前記超伝導層の、厚さが2μm以下であ
    る、請求項1に記載の超伝導体。
  6. 【請求項6】前記結晶基板は、単結晶からなる、請求項
    1に記載の超伝導体。
  7. 【請求項7】前記結晶基板は、アルミン酸ランタンまた
    はサファイアである、請求項1に記載の超伝導体。
  8. 【請求項8】前記超伝導層は、この層のa軸およびb軸
    の方向において、最小の寸法が少なくとも3cmである、
    請求項1に記載の超伝導体。
  9. 【請求項9】前記超伝導層は、この層のa軸およびb軸
    の方向において、最小の寸法が少なくとも5cmである、
    請求項8に記載の超伝導体。
  10. 【請求項10】表面抵抗が、約77Kにおいて、10GHzで10
    -3オーム以下である、請求項1に記載の超伝導体。
  11. 【請求項11】表面抵抗が、約77Kにおいて、10GHzで10
    -4オーム以下である、請求項10に記載の超伝導体。
  12. 【請求項12】前記エピタキシャル成長層は、この層の
    aおよびbの方向における最小の寸法が、少なくとも0.
    5cmである請求項1に記載の超伝導体。
  13. 【請求項13】酸化マグネシウム上に、タリウム、バリ
    ウム、カルシウムおよび銅の酸化物の超伝導エピキシャ
    ル層を有する超伝導体であって、前記層が、基板にエピ
    タキシャル成長しており、かつ前記層のa軸及びb軸が
    基板に対して一定の関係にあることを特徴とする超伝導
    体。
  14. 【請求項14】前記超伝導層が、2122組成を有する、請
    求項13に記載の超伝導体。
  15. 【請求項15】前記超伝導層の厚さが約1μm未満であ
    る、請求項1,13および14のいずれかに記載の超伝導体を
    有するマイクロ波またはミリ波の装置。
  16. 【請求項16】前記装置が共振器を含む、請求項15に記
    載のマイクロ波またはミリ波の装置。
  17. 【請求項17】前記装置が、遅延線を含む、請求項15に
    記載のマイクロ波またはミリ波の装置。
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