JP2867268B2 - 周波数濾波用酸化物超伝導体、その製造方法、及びそれを用いた装置 - Google Patents

周波数濾波用酸化物超伝導体、その製造方法、及びそれを用いた装置

Info

Publication number
JP2867268B2
JP2867268B2 JP1146682A JP14668289A JP2867268B2 JP 2867268 B2 JP2867268 B2 JP 2867268B2 JP 1146682 A JP1146682 A JP 1146682A JP 14668289 A JP14668289 A JP 14668289A JP 2867268 B2 JP2867268 B2 JP 2867268B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
frequency
oxide superconductor
signal
filtering
winding
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP1146682A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0312311A (ja
Inventor
英州 菅原
信 手嶋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TOOKIN KK
Original Assignee
TOOKIN KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TOOKIN KK filed Critical TOOKIN KK
Priority to JP1146682A priority Critical patent/JP2867268B2/ja
Publication of JPH0312311A publication Critical patent/JPH0312311A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2867268B2 publication Critical patent/JP2867268B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E40/00Technologies for an efficient electrical power generation, transmission or distribution
    • Y02E40/60Superconducting electric elements or equipment; Power systems integrating superconducting elements or equipment

Landscapes

  • Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)
  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
  • Shielding Devices Or Components To Electric Or Magnetic Fields (AREA)
  • Superconductors And Manufacturing Methods Therefor (AREA)
  • Aerials With Secondary Devices (AREA)
  • Oxygen, Ozone, And Oxides In General (AREA)
  • Superconductor Devices And Manufacturing Methods Thereof (AREA)
  • Filters And Equalizers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、交流及び電磁波等の特定の周波数を遮断す
る周波数濾波用酸化物超伝導材料,その製造方法及びそ
れを用いた濾波装置に関する。
[従来の技術] 従来、一本の導体中を流れる多種類の周波数を持つ信
号から特定の周波数帯域の信号のみを通過させて、取出
すには、使用する特定周波数帯域のフィルター回路を準
備していた。
また、外部から加えられた多種類の周波数を分波する
方法として、ノイズフィルターがあり、フェライト及び
金属磁性体等からなるフェライトコア、または、ダスト
コア周波数域に合わせて厚み、形状を調整し、導線を巻
き、使用するその周波数信号を遮断していた。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、フィルター回路を適用する方法は、適
用する周波数帯域が狭く、Hz〜kHz〜MHz〜GHzと広い帯
域をカバーするためには、多数のノイズフィルター回路
使用しなければならず、大型化するなどの欠点を有し
た。
また、フェライト及び金属磁性体を使用する方法は、
使用する材料が強磁性体であるため、適用する周波数帯
域が限られ、ある帯域以下の周波数はすべてのカットさ
れるという問題を含んでいた。
その為、Hz〜kHz〜MHz〜GHzと広い帯域に渡って、必
要な周波数を持つ信号は通過させ、不必要な周波数を持
つ信号は通さないという周波数の選択は原理的に不可能
であり、その汎用性は十分ではなかった。
さらに、常用周波数(50〜60Hz)の電流の混ざった高
周波領域の電流及び別回路への取り出しは、これまで無
かったものである。
このように、周波数濾波または分波ができなかった理
由は、周波数を濾波する材料がなかったことと、ノイズ
フィルターでは完全とは言えず、完全を期すためには、
回路構成上,整流回路を用いなければならず、半導体等
電子部品を多量に使用するのでコスト上昇を招くこと等
が上げられる。
次に、酸化物超伝導体は、組成及び構造によっては、
マイスナー効果の周波数依存性がなく周波数濾波に使用
できない場合がある。
その為、超伝導電流に多種類の周波数が混在して流れ
ている場合、それらを濾波することは、殆ど不可能であ
った。
さらに、超伝導状態を壊す為には、温度を上げる等を行
って、系全体を変化させる必要があった。
磁気シールドの分野では、超伝導を用いたシールドケ
ースが提案されているが、それらは、無磁波及び電場の
ない空間を確保することである。
それゆえ、ある周波数帯域のみの電場をシールドし、
他の周波数を持つ信号を通過させるという周波数の濾波
は、これまで行われていない。
そこで、本発明の主な技術課題は、酸化物超伝導体の
クーパーペアのコヒーレント長:ζが短いという利点及
びc軸配向率の臨界電流密度への影響,及びマイスナー
効果による反磁性発現に際し、周波数により磁束密度の
侵入の深さが変化し、超伝導性が影響されることに着目
し、特定帯域の周波数を通過させる周波数濾波用酸化物
超伝導体及びその製造方法を提供することにある。
さらに詳しくは、本発明の第1の技術的課題は、超伝
導体のc軸配向の比率を調節することにより、マイスナ
ー効果の周波数の依存性が変り、種々の周波数をもつ信
号から特定の周波数帯域の信号を通過させるというこれ
までの技術ではできなかったことを実現するための酸化
物超伝導体を提供することにある。
本発明の第2の技術的課題は、超伝導体のc軸配向の
比率を調節することにより、マイスナー効果の周波数の
依存性が変り、種々の周波数をもつ信号から特定の周波
数帯域の信号を通過させるというこれまでの技術ではで
きなかったことを実現するための酸化物超伝導体の焼結
体を提供することにある。
本発明の第3の技術的課題は、超伝導体のc軸配向の
比率を調節することにより、マイスナー効果の周波数の
依存性が変り、種々の周波数をもつ信号から特定の周波
数帯域の信号を通過させるというこれまでの技術ではで
きなかったことを実現するための酸化物超伝導体の焼結
体の製造方法を提供することにある。
本発明の第4の技術的課題は、超伝導体のc軸配向の
比率を調節することにより、マイスナー効果の周波数の
依存性が変り、種々の周波数のをもつ信号から特定の周
波数帯域の信号を通過させるというこれまでの技術では
できなかったことを実現するための酸化物超伝導線材を
提供することにある。
本発明の第5の技術的課題は、超伝導体のc軸配向の
比率を調節することにより、マイスナー効果の周波数の
依存性が変り、周波数の分波するというこれまでの技術
ではできなかったことを実現するための酸化物超伝導線
材の製造方法を提供することにある。
本発明の第6の技術的課題は、超伝導体のc軸配向の
比率を調節することにより、マイスナー効果の周波数の
依存性が変り、種々の周波数のをもつ信号から特定の周
波数帯域の信号を通過させるというこれまでの技術では
できなかったことを実現するための酸化物超伝導体複合
線材を提供することにある。
本発明の第7の技術的課題は、超伝導体のc軸配向の
比率を調節することにより、マイスナー効果の周波数の
依存性が変り、種々の周波数のをもつ信号から特定の周
波数帯域の信号を通過させるというこれまでの技術では
できなかったことを実現するための酸化物超伝導体複合
線材の製造方法を提供することにある。
本発明の第8の技術的課題は、酸化物超伝導体を用い
た交流信号の濾波装置を提供することにある。
本発明の第9の技術的課題は、種々の周波数をもつ交
流信号から特定の周波数帯域の交流信号を通過させる濾
波装置を提供することにある。
本発明の第10の技術課題は、種々の周波数を持つ交流
信号から夫々互いに異なる周波数帯域の交流信号を夫々
通過させる分波装置を提供することにある。
本発明の第11の技術的課題は、酸化物超伝導体からな
るコア材を持つ濾波用トランス装置を提供することにあ
る。
本発明の第12の技術的課題は、酸化物超伝導体からな
るコア材を持ち、特定周波数の交流信号の記憶を行う記
憶素子を提供することにある。
本発明の第13の技術的課題は酸化物超伝導体からなる
コア材を複数持ち、特定周波数の交流信号の記憶を行う
記憶装置を提供することにある。
本発明の第14の技術的課題は、酸化物超伝導体からな
り、異なる周波数を有する電磁波を照射を受けた際、そ
の電磁波のうちの特定周波数の電磁波を透過させ、他の
周波数の電磁波を吸収する電磁波吸収装置を提供するこ
とにある。
[課題を解決するための手段] 本発明によれば、焼結体又は線材からなる酸化物超伝
導体において、前記超伝導体内の結晶粒子のc軸配向の
比率が所定値に調整されており、前記超伝導体に供給さ
れた種々の周波数を持つ信号のうち、前記所定値に応じ
た特定の周波数帯域の信号のみを通過させることを特徴
とする周波数濾波用酸化物超伝導体が得られる。
また、本発明によれば、酸化物超伝導体の焼結体の製
造方法において、焼結途中で室温において、焼結体に10
0kg/cm2〜20ton/cm2の圧力でプレス加工を加えて、前記
焼結体内の結晶粒子のc軸配向の比率を所定の値に調整
することを特徴とする周波数濾波用酸化物超伝導体の焼
結体の製造方法が得られる。
また、本発明によれば、酸化物超伝導体の線材の製造
方法において、最終焼結過程の途中で、室温において最
終減面率を10〜95%として線引きすることにより、結晶
粒子の当該線材に垂直方向のc軸配向の比率を所定値に
調整することを特徴とする周波数濾波用酸化物超伝導体
の線材の製造方法が得られる。
また、本発明によれば、酸化物超伝導体と銅、金、
銀、アルミニウムの一種よりなる金属材料とをクラッド
した超伝導体複合線材において、前記金属材料からなる
細長い芯材と、前記芯材を覆う前記酸化物超伝導体から
なる皮材と、前記皮材を覆うAgシース材と、前記Agシー
ス材を覆う絶縁材とを有し、前記酸化物超伝導体は当該
線材の長さ方向に垂直な方向のc軸配向の比率が所定値
であることを特徴とする超伝導体複合線材が得られる。
また、本発明によれば、酸化物超伝導体と銅、金、
銀、アルミニウムの一種よりなる金属材料とをクラッド
した超伝導体複合線材の製造方法において、前記金属材
料からなる細長い芯材を前記酸化物超伝導体からなる皮
材で覆い、前記皮材をAgシース材で覆い、最終焼結過程
の途中で室温において最終減面率を10〜50%の範囲内で
線引きすることによりc軸配向率を所定値に調節するこ
とを特徴とする酸化物超伝導体複合線材の製造方法が得
られる。
また、本発明によれば、前記周波数濾波用酸化物超伝
導体を有することを特徴とする濾波装置が得られる。
また、本発明によれば、前記濾波装置において、種々
の周波数を有する第1の交流信号を透過する超伝導体か
らなる第1の濾波部と、前記周波数濾波用酸化物超伝導
体からなる第2の濾波部、及び前記第1の濾波部と同材
料からなる第3の濾波部とを接合し、前記第1の濾波部
に前記第1の交流信号を通じ、前記第2の濾波部に前記
第1の交流信号のうちの特定の周波数帯域を有する第2
の交流信号を出力するとともに、前記第3の濾波部から
前記第1の交流信号を出力することを特徴とする濾波装
置が得られる。
また、本発明によれば、前記周波数濾波用酸化物超伝
導体を用いたことを特徴とする分波装置が得られる。
また、本発明によれば、前記分波装置において、種々
の周波数を有する交流信号を透過する超伝導体からなる
導波部に、前記周波数濾波用酸化物超伝導体からなる分
波部を複数並列に突き合わせて接合されてなり、前記複
数の分波部は、夫々異なるc軸配向の比率を有し、前記
導波部に前記交流信号を通じたときに、前記分波部から
前記交流信号のうち前記c軸配向の比率に対応した特定
の周波数帯域の信号のみを夫々通過させることを特徴と
する分波装置が得られる。
また、本発明によれば、前記周波数濾波用酸化物超伝
導体を用いたことを特徴とする濾波用トランス装置が得
られる。
また、本発明によれば、前記濾波用トランス装置にお
いて、前記周波数濾波用酸化物超伝導体からなるコア材
に、第1のコア巻線及び第2のコア巻線を配置し、前記
第1のコア巻線に種々の周波数を有する第1のトランス
交流信号を入力し、前記第2のコア巻線から前記第1の
交流信号のうち特定の周波数を有する第2の交流信号を
出力することを特徴とする濾波用トランス装置が得られ
る。
また、本発明によれば、前記周波数濾波用酸化物超伝
導体を用いたことを特徴とする記憶素子が得られる。
また、本発明によれば、前記記憶素子において、前記
周波数濾波用酸化物超伝導体からなるコア材に、記憶巻
線、読み出し巻線、消去巻線を施し、前記記憶巻線に所
定の周波数を有する記憶信号を入力して記憶させ、前記
読み出し巻線から前記所定の周波数と等しい読み出し信
号を出力すると共に、前記記憶巻線に前記所定の周波数
と異なる周波数を有する消去信号を入力して前記コア材
の前記記憶信号によって生じたマイスナー効果を破壊
し、前記記憶信号の周波数の記憶を消去することを特徴
とする記憶素子が得られる。
また、本発明によれば、前記周波数濾波用酸化物超伝
導体を用いたことを特徴とする記憶装置が得られる。
また、本発明によれば、前記記憶装置において、前記
周波数濾波用酸化物超伝導体からなるコア材に、記憶巻
線、読み出し巻線、消去巻線を施し、前記記憶巻線に所
定の周波数を有する記憶信号を入力して記憶させ、前記
読み出し巻線から前記所定の周波数と等しい読み出し信
号を出力すると共に、前記記憶巻線に前記所定の周波数
と異なる周波数を有する消去信号を入力して前記コア材
の前記記憶信号によって生じたマイスナー効果を破壊
し、前記記憶信号の周波数の記憶を消去する記憶素子を
複数具備し、各素子に記憶巻線、読み出し巻線、消去巻
線を夫々直列に接続してなることを特徴とする記憶装置
が得られる。
また、本発明によれば、前記周波数濾波用酸化物超伝
導体からなり、種々の周波数を有する電磁波信号の照射
を受けた際、その電磁波のうちの特定周波数帯域の電磁
波のみを透過させ、他の周波数の電磁波を吸収すること
を特徴とする電磁波吸収装置が得られる。
即ち、本発明は、酸化物超伝導体の本質的な物質であ
るマイスナー効果と、高周波領域での磁性体または反磁
性体の磁場侵入の深さを用いてそれらを組合わせ、周波
数が異なることによりマイスナー効果が変化する超伝導
物性と、周波数の特徴を利用した周波数分波用酸化物超
伝導体及びその製造方法に関するものである。
一般に、酸化物超伝導体の磁場、及び超伝導電流に関
する特徴は、 (1)クーパーペアのコヒーレント長の短さに起因した
結晶粒界での超伝導性の弱結合. (2)酸化物超伝導体の結晶構造に起因した異方性によ
り、a,b軸と、c軸方向では、超伝導電流の大きさに違
いがある。
(3)HC1が低いことによる磁束の侵入がある。
周波数濾波用酸化物超伝導体は、このような結晶のC
軸配向性、及び結晶粒径などを作製方法により変えて結
晶粒界での超伝導体の弱い結合をコントロールし、臨界
電流密度,及びその磁場依存性マイスナー効果の周波数
依存性などの変動する特徴を引き出している。
以上の特徴を踏まえて酸化物超伝導体を高周波磁心材
料としてみた結果、その損失はμが負の小さな値と、電
気抵抗が0の為、低損失の磁心材料と考えられる。その
ため、軟磁性材料に変るものとして、酸化物超伝導体を
利用した反磁性材料が考えられている。
本発明は、このような反磁性材料の特徴を使って各種
応用に供するように、酸化物超伝導体とその作製方法に
至ったものである。
次に、磁性体の交流損失について説明する。
KHz〜MHz帯での高周波磁心材料の損失は、ヒステリシ
ス損失、渦電流損失、残留損失の損失角を の合計として与えられる。
h1,e1,c1は夫々の損失係数 L,V,i,fは夫々インダクタンス,コア体積,電流,及び
周波数である。
ここで、 tanδh=4ηHm/3πμ(近似式) tanδe=πd2μf/cρ(近似式) tanδr(又はtanδf)=(生成不明、主に寸法共
鳴、磁壁共鳴、強磁性共鳴などが挙げられる。) η:レイリー定数、Hm:磁場、μ:透磁率、c:定数、
ρ:抵抗である。
酸化物超伝導体を高周波磁心材料と考えたとすると、
上記エネルギー損失は、次のようになる。
tanδhはμが負の値を示し、且つ、大きくないので
δhは−90゜に近くなる。
tanδeはρが0になるので、限りなく90゜に近ず
く。tanδr(又はtanδf)は磁壁共鳴,強磁性共鳴が
ないが、寸法共鳴は存在しており有限の値を示すと考え
られる。
この結果、酸化物超伝導体はtanδのδ角が0゜に近
くなり、低損失の磁心材料と言える。
次に、強磁性体の軟磁性材料の場合は、周波数fが高
くなると表面効果が効いてきて、内部の磁束変化が行わ
れなくなる。つまり、周波数fが非常に大きくなると、
渦電流によって生ずる磁界が外部から与える磁界と同程
度になってくる。
そうなると、表面の部分は全く渦電流の影響を受けな
いで物質特有の透磁率で与えられる。
磁束変化を行うが、表面から内側に入るに従って、一
般に指数関数的に磁束変化が減衰する。
その結果、磁化される磁束密度が少なくなって、見か
け上のMsが低下し、透磁率が低下してくる。
この透磁率の低下は、スピネル型フェライトの場合
は、スヌークの限界線として、 μ×f=一定、の経験式がある。
これらの限界線は、六方晶フェライト又は集合組織を
有するアモルファス薄板では、より高周波域へシフトし
ている。しかし、スピンの回転に伴う磁気共鳴がある限
り、スヌークの限界線は存在しており、強磁性体では、
避けては通れない限界値となっている。
以上のような強磁性軟磁性材料に代わるものとして、
酸化物超伝導体を使用した、反磁性材料が考えられてい
る。
本発明は、この様な反磁性軟磁性材料の特徴を使って
各種応用に供することを目的としている。
即ち、フェライト、パーマロイ、及び金属アモルファ
スなどの反磁性軟磁性材料は高飽和磁化量、高透磁率で
あり、さらに周波数特性は、数MHzの領域まで高透磁率
を保持している。
それ故、これら強磁性体は、非常に安定な磁心材料に
なりえても、周波数の変動によるMs,及び透磁率の変化
は少なく周波数の異なる電流を分流することは、これま
でに考えられなかった。
本発明では、酸化物超伝導体の本発明的な性質である
(1)短いコヒーレント長、(2)結晶粒界での超伝導
性の弱結合、(3)小さいロンドン侵入長等の特徴を使
い、結晶のc軸配向性、例えば、焼結体ならばプレスの
際のプレス圧を変えることにより、コントロールがで
き、また線材なら線引きなどによりコントロールがで
き、さらに、薄膜の場合は、温度コントロールにより配
向率を変えることが可能である、及び結晶粒径など作製
方法により変えて結晶粒界での超伝導体の弱結合をコン
トロールし、臨界電流密度、及びその磁場依存性、マイ
スナー効果の周波数依存性など変動する特徴を応用する
ことを提案するものである。
[実施例] 本発明の実施例について、図面を参照して説明する。
実施例1. 酸化物超伝導体の周波数特性ついて説明する。
第1図及び第2図は代表的な酸化物超伝導体のマイス
ナー曲線である。マイスナー曲線の測定方法は、相互イ
ンダクタンス測定コイルつまり、相互誘導コイルボビン
に1次コイル(励起コイル)及び2次コイル(ピックア
ップ)コイルを夫々2層に巻き、ロックインアンプでも
って2次コイル側のインダクタンス:Lの温度による電圧
変化を記録したものである。
ここで、第1図はBiPbSrCaCuO体のc軸配向率が15%,
22%,30%における120kHz、印加電圧=225mVでのマイス
ナー曲線であり、第2図は第1図と同じBiPbSrCaCuO体
の80kHz、印加電圧=255mVでのマイスナー曲線である。
比較の為に、Y1Ba2Cu3Oxの周波数におけるマイスナー曲
線を夫々併せて示した。
これらの図において、YBaCuO体は、Tc90゜Kであり、T
c付近までほぼ一定の電圧が発生しており、120Hz,及び8
0kHzでもその傾向は、変わらない。
しかしながら、BiPbSrCaCuO体は120Hz、印加電圧=25
5mVでは60゜K付近で発生電圧の大幅な変化があり、超伝
導体が崩れているが、120Hz,印加電圧=255mVではc軸
配向率が30%の場合は、YBaCuOと同じ程度の電圧を発生
している。
この様に、BiPbSrCaCuO系の超伝導体は、YBaCuO体に
比較して、70〜90゜Kの温度範囲で同一の印加電圧=255
mVにおいて、周波数が変化することにより、その発生電
圧が変化する。このような、発生電圧の周波数依存性
は、センサー、トランス、濾波器及び周波数分波器とし
て適用が可能である。
実施例2. 本発明の実施例に係る酸化物超伝導体の焼結体の製造
方法について説明する。
第3図はBiPbSrCaCuO体の焼結による製造工程を示す
図である。この図で示すように、 まず、Bi2O3、PbO、SrCO3、CaCO3、CuO等の粉末原料
を秤量し、乳鉢、及び他の方法で微細に粉砕し、800℃
×16hr大気雰囲気中で仮焼し、所望する形状のプレス体
にプレス成形し、このプレス体をO2:Ar=1:13の雰囲気
中で、841℃×100hrの第1の焼結を行う。室温まで徐冷
したのち、焼結体の状態又は焼結体を粉砕した粉末を、
成形し、プレス加圧を加える。その際、プレス圧力を適
当に変化させ、サンプルを作る。プレスの済んだプレス
体を再度O2:Ar=1:13の雰囲気中で、841℃×100hrの第
2の焼結を加える。
第2の焼結後の冷却では、焼結温度より50℃低下した
時にO2/Arの混合ガスを純酸素に切り替える。
作製されたサンプルは、Tc(臨界温度),マイスナー
効果の磁場依存性,周波数依存性の測定、さらにX線回
折による高温相、低温相の比率,(001)面のピーク強
度の高さが測定された。
製造した超伝導体焼結体の組成比は、一例として、原
子比で、Bi0.96Pb0.24Sr1Ca1−Cu1.6Oba1であり、Tc1
06゜Kを示す代表的な組成であった。
第4図(a)及び(b)は、上記組成比Bi0.96Pb0.24
Sr1Ca1Cu1.6Oba1体の841℃×240hrで焼結した試料の粒
子構造を示す顕微鏡写真である。
第4図(a)は酸化物特有の微細な結晶の集合体から
なっている様子(×10000)を示しており、第4図
(b)は第4図(a)の拡大図(×30000)であり、2
つの結晶が異なる方向に成長して融着している様子がわ
かる。
第4図(b)の薄片は単結晶片であり、a,b軸方向に
成長しており、a,b軸及びc軸方向への異方性が非常に
大きいことを示している。
本発明は、この様な結晶片の成長方向の結晶配列の調
節、つまり小さな単結晶片のc軸方向を任意に(例え
ば、機械的磁気的に)揃えてやることにより、マイスナ
ー効果の周波数依存性を変えることで酸化物超伝導体の
高周波応用への道を開いたものである。
つまり、一般に酸化物超伝導体の焼結組織は、多孔性
であり、結晶粒間には、空間が見られる。
この為、超伝導特性は、臨界温度:Tcが電気抵抗の温
度変化及びマイスナー効果の測定から、単結晶と比較し
てその値に大きな変化は無いが、臨界電流密度:Jcは結
晶粒界におけるc軸方向の不揃いにより単結晶に比較し
て103分の1以下と非常に小さいことが知られている。
本発明では、この様な結晶粒界の不揃いに起因して、
マイスナー効果に周波数依存性があることを見出し、そ
れを用いて周波数の濾波を行うことを目的としており、
酸化物超伝導体を用いた周波数濾波装置はいままでに無
かったものである。
第5図はBiPbSrCaCuO系焼結体のc軸配向率37.7%の
X線回折結果を示した。
この図において、○が高温相、×が低温相、○と×が
2つあるピークは、両相の共通ピークである。このピー
クの比率から、c軸配向率が求められる。
次に、第6図は、超伝導特性であるマイスナー曲線を
示す図で、Bi0.7Pb0.5SrCa−Cu1.8Oの焼結途中プレス
無し(c軸配向率10%)と焼結途中プレス有り(c軸配
向率37.7%)とのマイスナー効果を示す発生電圧と温度
との関係を示している。
この図において、焼結途中プレス無しに比較して、焼
結途中プレス(3.8ton/cm2)を加えることで、超伝導開
始温度は108゜Kと同じであるがマイスナー曲線がより高
温側へシフトすることが観察され、c軸配向率が焼結途
中プレスに非常に影響されることがわかる。
次に、第7図は、BiPbSrCaCuO系焼結体についてc軸
配向率の比率と焼結途中プレス圧力の関係を示す図であ
る。
この図において、焼結体のサンプルは10mmφの形状で
あり、プレスは一体型金型及び三分割金型を用いてい
る。プレス圧力の上昇によりc軸配向率が向上している
様子がわかる。
焼結途中プレス無しの場合は、c軸配向率は10%程度
であった。
実施例3. 本発明の実施例に係る酸化物超伝導体の薄膜の製造方
法について説明する。
第8図は、主にrfスパッタリングを用いた薄膜の作製
方法を示す図である。
薄膜のc軸配向率は、チャンバー内の基板の温度を50
0〜800℃の間で変化させることで、変えることができ
る。ターゲットは、第8図に示したBiPbSrCaCuO系の円
盤(Bi0.7Pb0.5SrCaCu2.5Oxで、160mmφ)を使用した。
もちろんSb等を添加しても、同様の効果がある。
堆積膜厚は、0.1〜10μmの間で変化させたが、焼結
体ターゲットの作製に際し、HIP処理を施してあるの
で、ターゲット自体が非常に均質化、緻密化しており、
rfスパッタリングに際し、アルゴンガス(以下Arガスと
よぶ),酸素ガス(以下Oガスとよぶ)の衝撃に対して
は、ほぼ金属ターゲットと同様のターゲットの減り方を
示した。プレススパッタリングは、Ar,O混合ガス中で気
体の温度が700℃に上昇するまでおこない、プラズマ及
び堆積系の温度が安定するまで、約30min続ける。
その後に、成膜時には、基板の温度を500〜800℃の間
で1〜100℃/minの速度で周期的に変化させて0.1〜10μ
mの厚みに堆積させて、c軸配向の比率をコントロール
する。
スパッタリングの終了とともにチェンバー内に酸素を
充満させ、400℃まで冷却(徐冷)する。
この酸素中冷却は、Tcを高く保持するためには必要な
方法である。得られた膜の評価としては超伝導特性(Tc
体,ac帯磁率)の測定、構造解析、組織観察を行った。
実際の応用に際しては、c軸配向の比率を確認後マス
キングして、パターン印刷し、必要な形状に加工する。
ストリップラインの作製の際は、予めパターンを作製し
て、数種類のc軸配向の膜を基板の温度をかえながら、
連続的に成膜する必要がある。
第9図はBiPbSrCaCuO薄膜(1μm厚)の基板温度と
c軸配向率との関係を示す図である。この図において、
基体の温度が上昇するにつれ、c軸配向率が上昇するよ
うに変化する傾向にある。成膜に際しては、基板とし
て、SrTiO3または、MgO等を用い、基板上にTiを10Å程
堆積させ、その後BiPbSrCaCuOターゲットからスパッタ
リングで成膜する。
その際、基板温度を500〜800℃の間で連続的に周期的
に変化させる。
c軸配向率が100%の薄膜が必要な場合は、温度一定
とするが、90%程度の配向率が必要の時は、800℃付近
で20℃程度の範囲で、10℃/minの速度で、周期的に変化
させる。
c軸配向率の低い膜(80%)が必要な場合は、800℃
から700℃程度まで、50℃/minの速度で周期的、連続的
に変化させる。
さらに、これらの薄膜より低いc軸配向率を得るため
には基板の温度を低くすると第9図のように、c軸配向
の比率は低下するが、それに伴って超伝導転移温度の低
下してしまう。そこで、超伝導転移温度より高温に保っ
たままで、c軸配向率の比率を変える為には、基板の周
期的な温度変化が必要であることが判明した。
実施例4. 本発明の実施例に係る酸化物超伝導線材の製造方法に
ついて説明する。
第10図は本発明の実施例に係る酸化物超伝導線材の製
造工程を示す図である。
この図に示すように、主に線引きを用い、焼結途中で
再度c軸配向率のコントロールの為、線引きを加える必
要がある。
c軸配向率は最終減面率を10〜95%の間で変えること
により、単結晶のフレーク回転比率をコントロールする
ことが可能である。
まず、シース材と、酸化物超伝導体のクラッド加工の
為Bi2O3、PbO、SrCO3、CaCO3、CuOよりなる酸化物超伝
導体の棒(10mmφ×50mmL)を作製する。この棒は、焼
結途中において棒の形状、及び緻密性を上げるためにプ
レス加工を施し再成形している。
線引するAgシースの棒は、10mmφ×50mmLの焼結体を5
mm肉厚のAgシースの一端封じの円筒(10mmφ×600mmL)
に10本挿入し、真空引きの後、酸素ガス封入して溶接す
る。
寸法が、10mmφ×600mmLの棒を冷間線引き加工する。
線引きの減面率は、1パスで同じ程度とし、8mmφの
外形まで加工する。その後連続炉にて、845℃×10hrで
第1の焼結を加える。
第1の焼結後再度線引加工するが、その際最終減面率
を10〜95%の間で加工し線材の長さ方向に対し垂直な方
向に、c軸配向の比率をコントロールする。
つまり第1の焼結で核成長した単結晶は、ab軸方向に
成長し、フレークとなるがその成長方向は、バラバラで
ある。これらの、単結晶の集合体を線引き加工すること
で、線引き方向に単結晶フレーク及び破壊された単結晶
が回転しa,b軸方向、つまり単結晶フレークの長手方向
が線引き方向に揃い、減面率によって、c軸配向の比率
がコントロールされる。
次に、第2の焼結を行うことで、結晶成長し緻密化す
る。その後、適当な形状に切断し、Tc,ac帯磁率、また
線材を半割りにしてマイクロX線回折により構造解析及
び組織観察を行った。
その結果、第1図及び第2図で示すものと同様な結果が
得られることが判明した。
実施例5 本発明の実施例に係る酸化物超伝導体複合線材の製造
方法について説明する。
第11図は本発明の実施例に係る酸化物超伝導体複合線
材の製造工程を示す図である。
この図のように、主に線引きを用い、焼結途中で再度
c軸配向率のコントロールの為、線引きを加える必要が
ある。
c軸配向率は最終減面率を10〜95%の間で変えること
により、単結晶のフレーク回転比率をコントロールする
ことが可能である。
まず、芯材、シース材と、酸化物超伝導体のクラッド
加工の為Bi2O3、PbO、SrCO3、CaCO3、CuOよりなる酸化
物超伝導体の円筒(5mmφ×10mmφ×50mmL)を作製す
る。
この円筒は、焼結途中において円筒の形状、及び緻密
性を上げるためにプレス加工を施し再成形している。
線引するAgシースの棒は、5mmφ×10mmφ×50mmLの酸
化物超伝導体の焼結体を5mm×500mmL肉厚の銅,銀,ア
ルミニウムの棒に通した後、5mm肉厚のAgシースの一端
封じの円筒(10mmφ×600mmL)に10本挿入し真空引きの
後、酸素ガス封入して溶接する。
寸法が、10mmφ×600mmLの棒を冷間線引き加工する。
線引きの減面率は、1パスで5%程度とし、8mmφの
外形まで加工する。その後連続炉にて、845℃×10hrの
第1の焼結を加える。
第1の焼結後、再度線引加工するが、その際最終減面
率を10〜95%の間で加工し線材の長さ方向に対し垂直な
方向に、c軸配向の比率をコントロールする。
つまり第1の焼結で核成長した単結晶は、a,b軸に方
向に成長しフレークとなるがその成長方向は、バラバラ
である。これらの、単結晶の集合体を線引き加工するこ
とで、線引き方向に単結晶フレーク及び破壊された単結
晶が回転しa,b軸方向、つまり単結晶フレークの長手方
向が線引き方向に揃い、減面率によって、c軸配向の比
率がコントロールされる。
次に、第2の焼結を行うことで、結晶成長し緻密化す
る。その後、適当な形状に切断し、Tc,ac帯磁率、また
線材を半割りにしてマイクロX線回折により構造解折及
び組織観察を行う。
以上のように製造した酸化物超伝導体複合線材を、X
線回折により、c軸配向率をもとめた。
c軸配向率は、CuKα線を用いて高温相及び低温相の
比率をもとめ、各相のピーク高さ比を測定して、高温相
の比率をc軸配向率とした。
第12図はBiPbSrCaCuO帯のAgシース複合線材の焼結途
中での減面率をc軸配向率との関係を示す図である。
この図において、最終線径は、1.0〜5.0mmφとまちま
ちであるが、焼結途中減面率を10〜95%の間で変えてや
ることにより、c軸配向率が30〜99%の間で変えて線引
きすることにより、c軸配向率が、30〜99%の間で変化
する。そして、c軸配向の比率は減面率が上昇するにつ
れ向上している。
第13図は、77゜Kで使用する酸化物超伝導体(BiPbSrC
aCuO)を用いてクラッドした周波数濾波用酸化物超伝導
体複合線材の模式図である。
この図において、芯材(Cu,Ag,及びAlなど)71に酸化
物超伝導体72,更にAgシース材73が被り、絶縁材74で保
護されている。この芯材(Cu,Ag,及びAlなど)71に常用
周波数50Hzまたは60Hzの電流を流し、その中にノイズ又
は一定電流として120kHz〜10MHzの電流を投入すると、
第1図または第2図の結果にもあるように、50Hzの周波
数は酸化物超伝導体のマイスナー効果を破壊するため酸
化物中には、多くは侵入しない。
それに対して、120kHz〜10MHzの周波数では、電流の
値及びc軸配向率によっても違うが、超伝導性を破壊し
ない為に、周波数濾波酸化物超伝導体の中を流れる。こ
の結果、本酸化物超伝導体複合線材を用いて商用周波数
と高周波との分波が可能である。
本発明では、以上のように、酸化物超伝導体の焼結
体、薄膜、線材及び複合線材において、焼結体ではプレ
ス圧力、薄膜では基板温度を周期的に変化させること、
線材及び複合線材では焼結途中の減面率を変えてやるこ
と等により、c軸配向率が変化することが分かった。
次に、本発明の実施例に係る酸化物超伝導体の適用例
について説明する。
以下の実施例においては、特記しない限り、実施例1
〜5の各超伝導材料の使用が可能である。
実施例6. 第14図は本発明の実施例に係る濾波装置を模式的に示
す図である。
この図において、濾波装置10は、77゜Kで作動する酸
化物超伝導体を有し、一端11から120Hz及び120kHzを持
つ信号:finを流すと、高周波帯域が遮断され、他端12か
ら、通過する低周波側の120Hzの信号:foutを取り出すこ
とができる。この遮断周波数帯域は、電流の値、及びc
軸配向率によっても異なるが、超伝導体は、一方の周波
数を極力小さくするフィルターとして働く。
実施例7. 第15図は2枝濾波装置を模式的に示す図である。
この図において、濾波装置20は、酸化物超伝導体(YB
aCuO)からなる第1及び第2の濾波部21,22と、酸化物
超伝導体(BiPb−SrCaCuO)からなる第3の濾波部23を
接合させることにより、分岐されて形成されている。
この濾波装置の第1の濾波部に2種類の周波数を有す
る交流信号、例えば、120Hz,120kHzの交流電流を流すと
一方の分岐、即ち、第3の濾波部23から、120KHz一種類
のみの周波数を持つ交流信号を、また、他方の分岐、即
ち第3の濾波部22からは、2種類の周波数を持つ交流信
号の低周波側が遮断され、高周波数帯域のみの交流信号
が通過するので、周波数の濾波が可能である。
もちろん、c軸配向率の異なった酸化物超伝導体を接
合させることで、2つのフィルターができる。
実施例8. 次に、BiPbSrCaCuO体は、c軸配向率を調整すること
で、マイスナー効果の周波数依存性を変えることが可能
である。
第16図は77゜Kで動作する分波装置の例であり、YBaCu
O体からなる導波部31と、c軸配向率を調整された分波
部32,33,・・とが、直交し、更に、分波部32,33・・は
夫々並列に接合されている。
この導波部31に120Hz〜80kHzの帯域の周波数の信号を
流すとこの導波部31に接合されている分波部32,33・・
に夫々のc軸配向率に対応した周波数帯域を分波するこ
とが可能である。これらの分岐部31は、BiPbSr−CaCuO
体よりなり、この超伝導体のc軸配向率が第1表に示す
ように、30〜95%に変化して形成されており、このc軸
配向率に対応して、これらの材料に流れる周波数帯域の
信号を分波することが可能である。
尚、第1表において、c軸配向率が大きくなるにつれ
て、分波可能周波数帯域が次第に低周波側に幅広くなっ
ていくことが分かる。
以上のように、酸化物超伝導体の各種帯域の周波数か
らなる信号を入力して、c軸配向率を変化させることに
より、周波数依存性の異なった酸化物超電導体を通し
て、異なった周波数帯域の信号を取り出すことのできる
周波数分波装置を提供することが可能である。
実施例9. 本発明の実施例に係る酸化物超伝導体を用いた周波数
分波用トランス装置について説明する。
第17図は周波数濾波用トランス装置の模式図である。
この図において、トランス装置40の構成は、c軸配向の
異なる周波数濾波用酸化物超伝導体で、c軸配向率の異
なる超電導体のコア41,41′を作製し、両側にコア巻線4
2,43をして、入力側及び出力側とする。入力側より、50
Hz〜80kHzの周波数帯域のトランス交流信号を流し超伝
導体を磁化させ反磁性を発現させる。
周波数濾波用酸化物超伝導体のマイスナー効果の発現
には、周波数依存性があるので、これを利用して入力側
に50Hz〜120kHzの周波数のトランス交流信号を入力した
場合、出力側には、10kHz〜120kHzの周波数をもつトラ
ンス交流信号を選択的に取出すことが可能になり、周波
数濾波用トランス40が形成される。
尚、コア材としては、同一の酸化物超伝導体材料を一
体としたもの、分割し組み合わせたものも可能である。
実施例10. 第18図は周波数濾波用酸化物超伝導体を用いた記憶素
子の原理を示す模式図である。
この図において、記憶素子50は、周波数分波用酸化物
超伝導体のコア材51に、記録巻線52、読出巻線53、消去
巻線54を夫々取り付け、記録巻線に120kHz又はより高い
周波数の波長の記憶信号fmを入力し、コア材51を磁化さ
せ、反磁性によるマイスナー効果を発現させる。
その後、読み出し巻線53を用いて、記録された周波数
の読み出し信号frで読み出す。
消去する場合は、120Hzの様な記憶信号fmより低周波
の消去信号fcを流して、マイスナー効果を壊してしま
う。
このような、比較的高い周波数を持つ信号により、マ
イスナー効果を発現させ、その後、再び読み出しコイル
53を用いて記録された周波数の信号を読み出す。
再び、消去するときには、120Hzのような比較的低周
波数の信号を流してマイスナー効果を壊してしまう。
この様な、周波数によりマイスナー効果をコントロー
ルすることは、周波数濾波用酸化物超伝導体を用いて初
めて可能となる。
実施例11. 第19図は周波数濾波用酸化物超伝導体を用いた記憶装
置の例を示す図である。
この図において、記憶装置は、実施例10の記憶素子50
と同様な記憶素子として、c軸配向率の異なる周波数濾
波用酸化物超伝導体61,62・・に記録巻線67、図示しな
い読み出し巻線、図示しない消去巻線を取り付けて構成
し、第19図に示すように記録巻線67で、各記憶素子を磁
化する。各素子のc軸配向率が異なるので、記憶する周
波数帯域が各素子により違い、1ラインで数種類の素子
を選択的に励起させ、反磁性によるマイスナー効果を発
現させることができる。この各素子は通常は、常に磁化
されており、マイスナー効果が働いている。全メモリー
を消去するには、120Hz以下の電流を流すと全部の素子
のマイスナー効果が破壊される。一方、50kHz程度の十
分大きな電流を流すとc軸配向率が10,20,40の3個の素
子でマイスナーが破壊される。従って、読み出し巻線を
用いて、記録された周波数を読み出すことができる。こ
の時、周波数がコードになる。
以上のことから、メモリー素子として利用できる。
この様に、異なる周波数信号を用いて記憶素子を磁化
することは、強磁性体では難しく、周波数濾波用酸化物
超伝導体を用いて初めて可能となる。
実施例12. 第20図は周波数濾波用酸化物超伝導体70を用いた電波
吸収体の説明図である。
この図において、120Hz〜120GHzの電磁波71を周波数
濾波用酸化物超伝導体にあてると、マイスナー効果の周
波数依存性の為に矢印72で示される低周波領域120Hz〜1
20kHzの電磁波が通過し、120kHz以上の周波数が、マイ
スナー効果により吸収される。
この様に、高周波領域の電磁波の濾波に際して、周波
数濾波用酸化物超伝導体、特に、焼結体及び薄膜は、電
波吸収体又は電波シールド材料として、有効で、その形
状は、電磁波の強さ、及び周波数に応じて設定すること
ができる。
[発明の効果] 以上説明したように、本発明によれば、酸化物超伝導
体のクーパーペアのコヒーレント長:ζが短いという利
点及びc軸配向率の臨界電流密度への影響,及びマイス
ナー効果による反磁性発現に際し、周波数により磁束密
度の侵入の深さが変化し、超伝導体が影響され、広帯域
の周波数を分波する周波数分波用酸化物超伝導体及びそ
の製造方法を提供することができる。
本発明によれば、酸化物超電導体はその組成及びc軸
配向率の相違により、マイスナー効果の周波数依存性が
異なる。また、同一のc軸配向率では、低周波領域の方
が高周波領域の電流よりも、マイスナー効果の悪化する
割合が大きい。
従って、周波数濾波装置及び周波数分波装置が作製可
能となる。これは、今までの超伝導体では、周波数の変
化によるマイスナー効果の変動は大きくないので、この
ような、周波数濾波という応用には、結びつけられなか
った。
即ち、本発明の酸化物超伝導体によれば、超伝導体の
c軸配向の比率を任意に変えることにより、マイスナー
効果の周波数の依存性が変り、種々の周波数をもつ信号
から特定の周波数帯域の信号を通過させるというこれま
での技術ではできなかったことを実現することができ
る。
本発明の酸化物超伝導体の焼結体によれば、超伝導体
のc軸配向の比率を調節することにより、マイスナー効
果の周波数の依存性が変り、種々の周波数をもつ信号か
ら特定の周波数帯域の信号を通過させるというこれまで
の技術ではできなかったことを実現することができる。
本発明の酸化物超伝導体の焼結体の製造方法によれ
ば、超伝導体のc軸配向の比率を調節することにより、
マイスナー効果の周波数の依存性が変り、種々の周波数
をもつ信号から特定の周波数帯域の信号を通過させると
いうこれまでの技術ではできなかったことを実現するこ
とができる。
本発明の酸化物超伝導線材によれば、超伝導体のc軸
配向の比率を調節することにより、マイスナー効果の周
波数の依存性が変り、種々の周波数をもつ信号から特定
の周波数帯域の信号を通過させるというこれまでの技術
ではできなかったことを実現することができる。
本発明の酸化物超伝導線材の製造方法によれば、超伝
導体のc軸配向の比率を任意に変えることにより、マイ
スナー効果の周波数の依存性が変り、周波数の分波をす
るというこれまでの技術ではできなかったことを実現す
ることができる。
本発明の酸化物超伝導体複合線材によれば、超伝導体
のc軸配向の比率を任意に変えることにより、マイスナ
ー効果の周波数の依存性が変り、種々の周波数をもつ信
号から特定の周波数帯域の信号を通過させるというこれ
までの技術ではできなかったことを実現することができ
る。
本発明の酸化物超伝導体複合線材の製造方法によれ
ば、超伝導体のc軸配向の比率を任意に変えることによ
り、マイスナー効果の周波数の依存性が変り、種々の周
波数をもつ信号から特定の周波数帯域の信号を通過させ
るというこれまでの技術ではできなかったことを実現す
ることができる。
本発明によれば、酸化物超伝導体を用いた交流信号の
濾波装置を提供することができる。
本発明によれば、種々の周波数をもつ交流信号から特
定の周波数帯域の交流信号を取り出す濾波装置を提供す
ることができる。
本発明によれば、種々の周波数を持つ交流信号から夫
々互いに異なる周波数帯域の交流信号を夫々取り出す分
波装置を提供することができる。
本発明によれば、酸化物超伝導体からなるコア材を持
つ濾波用トランス装置を提供することができる。
本発明によれば、酸化物超伝導体からなるコア材を持
ち、特定周波数帯域の交流信号の記憶を行う記憶装置を
提供することができる。
本発明によれば、酸化物超伝導体からなる記憶素子を
複数持ち、特定周波数帯域の交流信号の記憶を行う記憶
装置を提供することができる。
本発明によれば、酸化物超伝導体からなり、異なる周
波数を有する電磁波を入力し、前記電磁波のうちの特定
周波数の電磁波を出力する電磁波吸収装置を提供するこ
とができる。
本発明によれば、周波数濾波用の酸化物超伝導体を用
いることにより、装置、電気回路の小型化、高周波電流
及び電波の応用分野の拡大などの高周波電流、電波の選
択的使用が可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図は酸化物超電導体の120,OSCレベル=225mVにおけ
る各種のc軸配向率でのマイスナー曲線を示す図、第2
図は酸化物超電導体の80kHz,OSCレベル=225mVにおける
各種のc軸配向率でのマイスナー曲線を示す図、第3図
は本発明の実施例に係る酸化物超伝導体の焼結体の製造
工程を概略的に示す図、第4図(a)及び(b)は第1
図の酸化物超伝導体の焼結体の粒子構造を示す顕微鏡写
真、第5図は、BiPbSrCaCuO系(c軸配向率:37.7%)の
CuKα線によるX線回折結果を示す図で、○は高温相、
×は低温相を夫々示し、第6図はBiPb−SrCaCuO系のマ
イスナー曲線を示す図、第7図はBiPbSrCaCuO系の焼結
体の焼結途中プレス圧力とc軸配向率との関係を示す
図、第8図は本発明の実施例に係る酸化物超伝導薄膜の
製造工程を概略的に示す図、第9図はBiPbSrCaCuO系の
1μm薄膜の基板加熱温度とc軸配向率との関係を示す
図、第10図は本発明の実施例に係る酸化物超伝導線材の
製造工程を概略的に示す図、第11図は本発明の実施例に
係る酸化物超伝導体複合線材の製造工程を概略的に示す
図、第12図はAgシースBiPbSrCa−CuO線材の焼結途中減
面率とc軸配向率との関係を示す図、第13図は酸化物超
伝導体と、銅、銀、及びアルミニウム等の芯材と銀シー
スからなる周波数濾波用酸化物超伝導体複合線材を模式
的に示す図、第14図は本発明に実施例に係る酸化物超伝
導体を用いた濾波装置を示す図、第15図は本発明の実施
例に係る酸化物超伝導体を用いた2枝周波数濾波装置を
示す図、第16図は本発明の実施例に係る酸化物超伝導体
を用いた周波数分波装置を示す図、第17図は本発明の実
施例に係る酸化物超伝導体を用いた周波数濾波用トラン
ス装置を示す図、第18図は本発明の実施例に係る酸化物
超伝導体を用いた記憶素子を示す図、 第19図は本発明の実施例に係る酸化物超伝導体を用いた
記憶装置を示す図、第20図は本発明の実施例に係る酸化
物超伝導体を用いた電波吸収体の説明図である。 図中、10は濾波装置、11は導入端部、12は出力端部、20
は周波数濾波装置、21は第1の濾波部、22は第2の濾波
部、23は第3の濾波部、30は周波数分波装置、31は導波
部、32,33・・は分波部、40は周波数濾波用トランス装
置、41,41′はコア材、42,43はコア巻線、50は記憶装
置、51はコア材、52は記憶巻線、53は読み出し巻線、54
は消去巻線、61,62・・は記憶素子、67は記憶巻線、68
はコンピュータ、70は電磁波吸収体である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H03H 7/01 ZAA H03H 7/01 ZAAZ 7/46 ZAA 7/46 ZAAA H05K 9/00 ZAA H05K 9/00 ZAAW (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C01G 1/00 - 57/00 H01L 39/00 - 39/24 H01B 12/00 - 13/00 H01Q 17/00 H03H 7/00 - 7/46

Claims (16)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】焼結体又は線材からなる酸化物超伝導体に
    おいて、前記超伝導体内の結晶粒子のc軸配向の比率が
    所定値に調整されており、前記超伝導体に供給された種
    々の周波数を持つ信号のうち、前記所定値に応じた特定
    の周波数帯域の信号のみを通過させることを特徴とする
    周波数濾波用酸化物超伝導体。
  2. 【請求項2】酸化物超伝導体の焼結体の製造方法におい
    て、焼結途中で室温において、焼結体に100kg/cm2〜20t
    on/cm2の圧力でプレス加工を加えて、前記焼結体内の結
    晶粒子のc軸配向の比率を所定の値に調整することを特
    徴とする周波数濾波用酸化物超伝導体の焼結体の製造方
    法。
  3. 【請求項3】酸化物超伝導体の線材の製造方法におい
    て、最終焼結過程の途中で、室温において最終減面率を
    10〜95%として線引きすることにより、結晶粒子の当該
    線材に垂直方向のc軸配向の比率を所定値に調整するこ
    とを特徴とする周波数濾波用酸化物超伝導体の線材の製
    造方法。
  4. 【請求項4】酸化物超伝導体と銅、金、銀、アルミニウ
    ムの一種よりなる金属材料とをクラッドした超伝導体複
    合線材において、前記金属材料からなる細長い芯材と、
    前記芯材を覆う前記酸化物超伝導体からなる皮材と、前
    記皮材を覆うAgシース材と、前記Agシース材を覆う絶縁
    材とを有し、前記酸化物超伝導体は当該線材の長さ方向
    に垂直な方向のc軸配向の比率が所定値であることを特
    徴とする超伝導体複合線材。
  5. 【請求項5】酸化物超伝導体と銅、金、銀、アルミニウ
    ムの一種よりなる金属材料とをクラッドした超伝導体複
    合線材の製造方法において、前記金属材料からなる細長
    い芯材を前記酸化物超伝導体からなる皮材で覆い、前記
    皮材をAgシース材で覆い、最終焼結過程の途中で室温に
    おいて最終減面率を10〜50%の範囲内で線引きすること
    によりc軸配向率を所定値に調節することを特徴とする
    酸化物超伝導体複合線材の製造方法。
  6. 【請求項6】請求項1記載の周波数濾波用酸化物超伝導
    体を有することを特徴とする濾波装置。
  7. 【請求項7】請求項6記載の濾波装置において、種々の
    周波数を有する第1の交流信号を透過する超伝導体から
    なる第1の濾波部と、前記周波数濾波用酸化物超伝導体
    からなる第2の濾波部、及び前記第1の濾波部と同材料
    からなる第3の濾波部とを接合し、前記第1の濾波部に
    前記第1の交流信号を通じ、前記第2の濾波部に前記第
    1の交流信号のうちの特定の周波数帯域を有する第2の
    交流信号を出力するとともに、前記第3の濾波部から前
    記第1の交流信号を出力することを特徴とする濾波装
    置。
  8. 【請求項8】請求項1記載の周波数濾波用酸化物超伝導
    体を用いたことを特徴とする分波装置。
  9. 【請求項9】請求項8記載の分波装置において、種々の
    周波数を有する交流信号を透過する超伝導体からなる導
    波部に、前記周波数濾波用酸化物超伝導体からなる分波
    部を複数並列に突き合わせて接合されてなり、前記複数
    の分波部は、夫々異なるc軸配向の比率を有し、前記導
    波部に前記交流信号を通じたときに、前記分波部から前
    記交流信号のうち前記c軸配向の比率に対応した特定の
    周波数帯域の信号のみを夫々通過させることを特徴とす
    る分波装置。
  10. 【請求項10】請求項1記載の周波数濾波用酸化物超伝
    導体を用いたことを特徴とする濾波用トランス装置。
  11. 【請求項11】請求項10記載の濾波用トランス装置にお
    いて、前記周波数濾波用酸化物超伝導体からなるコア材
    に、第1のコア巻線及び第2のコア巻線を配置し、前記
    第1のコア巻線に種々の周波数を有する第1のトランス
    交流信号を入力し、前記第2のコア巻線から前記第1の
    交流信号のうち特定の周波数を有する第2の交流信号を
    出力することを特徴とする濾波用トランス装置。
  12. 【請求項12】請求項1記載の周波数濾波用酸化物超伝
    導体を用いたことを特徴とする記憶素子。
  13. 【請求項13】請求項12記載の記憶素子において、前記
    周波数濾波用酸化物超伝導体からなるコア材に、記憶巻
    線、読み出し巻線、消去巻線を施し、前記記憶巻線に所
    定の周波数を有する記憶信号を入力して記憶させ、前記
    読み出し巻線から前記所定の周波数と等しい読み出し信
    号を出力すると共に、前記記憶巻線に前記所定の周波数
    と異なる周波数を有する消去信号を入力して前記コア材
    の前記記憶信号によって生じたマイスナー効果を破壊
    し、前記記憶信号の周波数の記憶を消去することを特徴
    とする記憶素子。
  14. 【請求項14】請求項1記載の周波数濾波用酸化物超伝
    導体を用いたことを特徴とする記憶装置。
  15. 【請求項15】請求項14記載の記憶装置において、前記
    周波数濾波用酸化物超伝導体からなるコア材に、記憶巻
    線、読み出し巻線、消去巻線を施し、前記記憶巻線に所
    定の周波数を有する記憶信号を入力して記憶させ、前記
    読み出し巻線から前記所定の周波数と等しい読み出し信
    号を出力すると共に、前記記憶巻線に前記所定の周波数
    と異なる周波数を有する消去信号を入力して前記コア材
    の前記記憶信号によって生じたマイスナー効果を破壊
    し、前記記憶信号の周波数の記憶を消去する記憶素子を
    複数具備し、各素子に記憶巻線、読み出し巻線、消去巻
    線を夫々直列に接続してなることを特徴とする記憶装
    置。
  16. 【請求項16】請求項1記載の周波数濾波用酸化物超伝
    導体からなり、種々の周波数を有する電磁波信号の照射
    を受けた際、その電磁波のうちの特定周波数帯域の電磁
    波のみを透過させ、他の周波数の電磁波を吸収すること
    を特徴とする電磁波吸収装置。
JP1146682A 1989-06-12 1989-06-12 周波数濾波用酸化物超伝導体、その製造方法、及びそれを用いた装置 Expired - Fee Related JP2867268B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1146682A JP2867268B2 (ja) 1989-06-12 1989-06-12 周波数濾波用酸化物超伝導体、その製造方法、及びそれを用いた装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1146682A JP2867268B2 (ja) 1989-06-12 1989-06-12 周波数濾波用酸化物超伝導体、その製造方法、及びそれを用いた装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0312311A JPH0312311A (ja) 1991-01-21
JP2867268B2 true JP2867268B2 (ja) 1999-03-08

Family

ID=15413205

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1146682A Expired - Fee Related JP2867268B2 (ja) 1989-06-12 1989-06-12 周波数濾波用酸化物超伝導体、その製造方法、及びそれを用いた装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2867268B2 (ja)

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0357507B1 (en) * 1988-08-31 1996-03-06 Superconductor Technologies Inc. Superconducting article containing thallium

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0312311A (ja) 1991-01-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Verma et al. Effect of zinc concentration on the structural, electrical and magnetic properties of mixed Mn–Zn and Ni–Zn ferrites synthesized by the citrate precursor technique
Chandel et al. A review on structural, electrical and magnetic properties of Y-type hexaferrites synthesized by different techniques for antenna applications and microwave absorbing characteristic materials
Arya et al. Effect of In and Mn co-doping on structural, magnetic and dielectric properties of BiFeO3 nanoparticles
Pereira et al. Magnetic and dielectric properties of the M-type barium strontium hexaferrite (Ba x Sr 1− x Fe 12 O 19) in the RF and microwave (MW) frequency range
Ding et al. High-coercivity ferrite magnets prepared by mechanical alloying
Praveena et al. Structural and magnetic properties of Mn-Zn ferrites synthesized by microwave-hydrothermal process
Thakur et al. Magnetic behaviour of Ni0. 4Zn0. 6Co0. 1Fe1. 9O4 spinel nano-ferrite
Sankaranarayanan et al. An investigation of particle size effects in ultrafine barium ferrite
Keluskar et al. High permeability of low loss Mn–Zn ferrite obtained by sintering nanoparticle Mn–Zn ferrite
Leung et al. Stability enhancement of yttrium substituted nickel zinc ferrite/PZT magnetoelectric gyrators under high power conditions
Hossen et al. Structural and dynamic electromagnetic properties of Ni0. 27Cu0. 10Zn0. 63AlxFe2− xO4
Batoo Microstructural and Mössbauer properties of low temperature synthesized Ni-Cd-Al ferrite nanoparticles
Ali et al. Effect of sintering temperature on structural and magnetic properties of Ni0. 6Zn0. 4Fe2O4 ferrite: synthesized from nanocrystalline powders
Sardar et al. Enhancement of coercivity, permeability, and dielectric properties of Co0. 2Zn0. 3Ni0. 5EuxFe2–xO4 ferrites for memory and high frequency devices
Sorescu et al. Structural and magnetic properties of NiZn and Zn ferrite thin films obtained by laser ablation deposition
Babu et al. Structural, Magnetic, and Dielectric Properties of Ni 0.5 Zn 0.5 Al x Fe 2− x O 4 Nanoferrites
JP2867268B2 (ja) 周波数濾波用酸化物超伝導体、その製造方法、及びそれを用いた装置
Li et al. Size effect on the static and dynamic magnetic properties of W-type barium ferrite composites: from microparticles to nanoparticles
Thakur et al. Structural, Magnetic, and Electrical Properties of (1-x) Na 0.5 Bi 0.5 TiO 3–(x) NiFe 2 O 4 (x= 0.1, 0.3, 0.5, 0.7, and 0.9) Multiferroic Particulate Composite
Hossain et al. Structural and electro-magnetic properties of low temperature co-fired BaSrTiO 3 and NiCuZn ferrite composites for EMI filter applications
Herrera et al. Microstructure dependence of the magnetic properties of sintered Ni–Zn ferrites by solid-state reaction doped with V 2 O 3
JPH07135106A (ja) 磁 心
Kumar et al. Mössbauer and magnetic studies of multiferroic Mg0. 95Mn0. 05Fe2− 2xTi2xO4 system
Rani et al. Structural, dielectric, and magnetic properties of Dy-substituted BiFeO3 multiferroic ceramics
Yue et al. Low-temperature sintered hexaferrites for high-frequency multilayer chip inductors

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees