JP2953328B2 - 金属クラッド板の深絞り成形法 - Google Patents

金属クラッド板の深絞り成形法

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JP2953328B2 JP6302993A JP30299394A JP2953328B2 JP 2953328 B2 JP2953328 B2 JP 2953328B2 JP 6302993 A JP6302993 A JP 6302993A JP 30299394 A JP30299394 A JP 30299394A JP 2953328 B2 JP2953328 B2 JP 2953328B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、成形品胴部の周囲に
発生しがちな横シワを安定して抑制することができる異
種金属クラッド板の深絞り成形方法に関するものであ
る。
【従来技術とその課題】
【0002】爆着や圧延により異種金属同士を接合して
両者の特性を兼備させたクラッド板は以前から種々の工
業用途に使用されており、単一金属材では得られない特
性に基づく性能を発揮してきた。しかも、最近では鍋等
の高級ハウスウエア用素材等への用途も開かれ、電磁調
理が可能な上に熱伝導性,保温性,耐食性等に優れた軽
量器物の実現が可能であることもあって、家庭用調理器
物としてもその用途は拡大の一途をたどっている。
【0003】ただ、板状素材から鍋等の如き容器を製造
する場合には深絞り成形が欠かせない工程となっている
が、クラッド板を深絞り成形しようとすると次のような
問題があった。
【0004】即ち、これまで需要の多かった軟鋼とステ
ンレス鋼を組み合わせたクラッド板等の場合は、クラッ
ド接合後に熱処理を施して両層を同程度に軟化すること
が可能なため単一板での成形(ステンレス鋼又は軟鋼単
独材の成形)の場合と同様にプレス成形性は良好で、深
絞り成形に関して格別の問題は生じなかった。これに対
して、最近になって著しく需要が伸びてきた「アルミニ
ウム/ステンレス鋼」等の組み合わせに成るクラッド板
では、軟化熱処理温度が両材で大きく異なるのでクラッ
ド接合後の軟化熱処理は事実上不可能であり、そのため
このような組み合わせのクラッド板の成形性は単一板で
成形した場合に比べ著しく劣る結果となって、深絞り成
形を施すと成形品胴部の周囲に凹凸状の横シワが発生す
ることがしばしば問題となった。
【0005】このようなことから、本発明が目的とする
のは、異種金属層を組み合わせたクラッド板、取り分け
“アルミニウムとステンレス鋼との組み合わせ”等のよ
うなクラッド接合後の軟化熱処理が不可能でかつ各層の
変形抵抗に顕著な差があるクラッド板を素材とした場合
であっても、前記“横シワ”を発生することなく安定し
た成形を実施できる深絞り成形法を提供することであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記目的
を達成すべく数多くの実験を繰り返しながら鋭意研究を
重ねた結果、次のような知見を得ることができた。即
ち、素材(ブランク)が単一板の場合、一般的な深絞り
成形ではポンチとダイス間のクリアランスを小さくする
と“しごき加工”が強くなってプレス性が劣化し、その
ため割れが生じるので、クリアランスは約30〜50%
程度(絞り比:約 2.0)とするのが普通であるが、前述
したクラッド板に対してこのような深絞り成形を行う
と、成形品胴部における横シワの発生が極めて著しく、
その後の研磨によってもこの横シワの除去は不可能であ
る。なお、この横シワの発生機構は必ずしも明らかでな
い。
【0007】ところが、本発明者等の検討により、「前
記横シワの発生には“ダイス肩のア−ル(R)”と“ポ
ンチとダイス間のクリアランス”との兼ね合いが大きく
影響しており、ダイス肩のア−ルのコントロ−ルとクリ
アランスの調整を適正に行うことで横シワを防止でき
る」との新規事実が明らかとなった。即ち、ダイス肩の
ア−ルが小さい場合には、クリアランスを小さくするに
つれて横シワは軽減され、特にマイナスクリアランスに
した場合には横シワの発生が皆無となることを知見した
のである。
【0008】しかし、この場合でもクリアランスを単純
に小さくするとプレス性(成形性)が劣化して割れを生
じやすくなる。しかるに、このプレス性にもダイス肩の
ア−ルが影響しており、ダイス肩のア−ルとクリアラン
スの両者の調整は成形性の改善にも大きく寄与し、両者
の調整によって成形性の改善と横シワの抑制が同時に達
成できることも分かった。
【0009】本発明は、上記知見事項等を基に完成され
たものであり、「異種金属を組み合わせたクラッド板の
深絞り成形に当り、 ダイス肩のア−ルを材料板全厚の4
倍以上とし、 ポンチとダイス間のクリアランスを材料板
全厚の−10%〜+5%に設定して深絞りを行うことによ
って、 成形品胴部の周囲における凹凸状横シワの発生を
極力抑えながら円滑な深絞り成形を実施し得るようにし
た点」に大きな特徴を有している。
【0010】ここで、深絞り素材たる前記「異種金属層
を組み合わせたクラッド板」の種類については格別に制
限されるものではなく、異種金属を爆着や圧延等により
接合したクラッド板の何れを素材としても相応の効果が
得られるが、クラッド板を構成する異種金属層の軟化熱
処理温度が各々大きく異なっていてクラッド接合後の軟
化熱処理が不可能で、かつ変形抵抗に差のある材料に対
して著しい有為性が発揮されることは言うまでもない。
【0011】
【作用】上述のように、本発明は、金属クラッド板の深
絞り成形の際、ダイス肩のア−ル(R)の適度なコント
ロ−ルでフランジ部からダイスへの材料流入を容易にし
てプレス割れを防止すると共に、ダイス肩のア−ルでの
“曲げ", "曲げ戻し”による板厚減少を少なくし、更に
ダイスとポンチ間のクリアランスを調整してしごき加工
をしながら横シワを防止するようにしたものであるが、
フランジ部からダイス部への材料流入を左右するダイス
肩のア−ルを4t以上(但しtは材料板の全厚)とした
理由は、ダイス肩のア−ルが4tより小さいとダイスへ
の材料流入の抵抗が大きくなり、かつダイス肩で曲げ,
曲げ戻しされることによる板厚減少も大きくなるために
割れが発生しやすくなるためである。なお、ダイス肩の
ア−ルの上限は特に限定しないが、器物の製品形状とい
う観点からすれば上限は10t〜15t程度に制約されると
も言える。
【0012】ただ、前述の如く、ダイス肩のア−ルが4
t以上7t未満の場合にはポンチとダイス間のクリアラ
ンスを材料板全厚(t)の−10%〜+5%としなければ
ならない。このように、ポンチとダイス間のクリアラン
スを材料板全厚(t)の−10%〜+5%とする理由は、
該クリアランスが材料板全厚の−10%よりも小さければ
しごき加工が強くなり過ぎて割れが発生しやすくなり、
また前記クリアランスが材料板全厚の5%よりも大きく
なるとしごき加工が軽減されて横シワの発生を抑えるこ
とができなくなるためである。
【0013】続いて、本発明を実施例により更に具体的
に説明する。
【実施例】〔実施例1〕 圧延接合によって製造された“Al/SUS430J1
L”なる組み合わせの二層クラッド板(2.0mm厚) 板を準
備し、“ダイス肩のア−ル”及び“ポンチとダイス間の
クリアランス”を種々に変化させた深絞り成形試験に供
して深絞り性の評価を行った。これらの結果を図1及び
図2に示す。
【0014】まず、図1は、深絞り成形における“ダイ
ス肩のア−ル(R)”の影響を“限界絞り比(L.D.R)"
で評価した結果を示しているが、ダイス肩のア−ルが
7.5mm(3.75 t )ではクリアランスが−10%と狭い場合
に割れが発生し、器物の一般的な絞り比である約1.8 〜
2.0 を確保できないことが分かる。一方、ダイス肩のア
−ルが大きくなると限界絞り比は向上し、クリアランス
が−10%と狭い場合でも十分な絞り比を確保できること
が明らかである。
【0015】これに対して、図2は、深絞り成形におけ
る“ダイス肩のア−ル(R)”及び“ポンチとダイス間
のクリアランス”と“絞り成形で生じた横シワの凹凸高
さ”との関係を整理して示している。この図2からは、
ダイス肩のア−ルが10mm以下と小さい場合には、前記ク
リアランスが5%よりも広くなると横シワの凹凸高さが
器物に要求されている許容範囲(15μm以下)を超えて
しまい、逆に前記クリアランスが−10%よりも狭くなる
と割れが発生して成形できなくなることが分かる。
【0016】即ち、上記図1及び図2に示される結果よ
り、ダイス肩のア−ルを4t以上にすると共にポンチと
ダイス間のクリアランスを−10%〜+5%の範囲に調整
することによって、プレス割れが発生せず、横シワの発
生もない深絞り成形が可能になることを確認できる。
【0017】〔実施例2〕 圧延接合によって製造された“Al/SUS430J1
L”なる組み合わせの二層クラッド板(2.0mm厚) 板を準
備し、“ダイス肩のア−ル”及び“ポンチとダイス間の
クリアランス”を種々に変化させた実機プレスによる深
絞り成形試験を行った。そして、この際の横シワ発生状
況並びにプレス割れ発生の有無について調査した。これ
らの結果を表1に示す。
【0018】
【表1】
【0019】上記表1に示される結果からも、クラッド
材の深絞り成形に際し、ダイス肩のア−ルを4t以上と
しかつポンチとダイス間のクリアランスを−10%〜+5
%の範囲に調整した場合に初めて、横シワが抑制され、
しかも割れを発生することなく深絞り成形できることが
分かる。
【0020】
【発明の効果】以上に説明した如く、この発明によれ
ば、アルミニウムとステンレス鋼の組み合わせ等のよう
に“接合後の軟化熱処理が不可能なために通常の深絞り
成形法では横シワの問題を生じるクラッド板”であって
もトラブルなく良好な製品を深絞り成形することが可能
となり、今日強く求められているクラッド材のプレス成
形技術改善に大きく寄与し得るなど、産業上有用な効果
がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】二層クラッド板の深絞り成形における“ダイス
肩のア−ル(R)”と“限界絞り比(L.D.R )”との関
係を示すグラフである。
【図2】二層クラッド板を深絞り成形した時の“ポンチ
とダイス間のクリアランス”と“成形により発生する横
シワ高さ”との関係を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鶴田 忠 大阪府大阪市中央区北浜4丁目5番33号 住友金属工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−176617(JP,A) 特開 昭54−65666(JP,A) 特開 昭53−144454(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B21D 22/20 B21D 24/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 異種金属を組み合わせたクラッド板の深
    絞り成形に当り、ダイス肩のア−ルを材料板全厚の4倍
    以上とし、ポンチとダイス間のクリアランスを材料板全
    厚の−10%〜+5%に設定して深絞りを行うことを特徴
    とする、金属クラッド板の深絞り成形方法。
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