JP2953328B2 - 金属クラッド板の深絞り成形法 - Google Patents
金属クラッド板の深絞り成形法Info
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Description
発生しがちな横シワを安定して抑制することができる異
種金属クラッド板の深絞り成形方法に関するものであ
る。
両者の特性を兼備させたクラッド板は以前から種々の工
業用途に使用されており、単一金属材では得られない特
性に基づく性能を発揮してきた。しかも、最近では鍋等
の高級ハウスウエア用素材等への用途も開かれ、電磁調
理が可能な上に熱伝導性,保温性,耐食性等に優れた軽
量器物の実現が可能であることもあって、家庭用調理器
物としてもその用途は拡大の一途をたどっている。
する場合には深絞り成形が欠かせない工程となっている
が、クラッド板を深絞り成形しようとすると次のような
問題があった。
ンレス鋼を組み合わせたクラッド板等の場合は、クラッ
ド接合後に熱処理を施して両層を同程度に軟化すること
が可能なため単一板での成形(ステンレス鋼又は軟鋼単
独材の成形)の場合と同様にプレス成形性は良好で、深
絞り成形に関して格別の問題は生じなかった。これに対
して、最近になって著しく需要が伸びてきた「アルミニ
ウム/ステンレス鋼」等の組み合わせに成るクラッド板
では、軟化熱処理温度が両材で大きく異なるのでクラッ
ド接合後の軟化熱処理は事実上不可能であり、そのため
このような組み合わせのクラッド板の成形性は単一板で
成形した場合に比べ著しく劣る結果となって、深絞り成
形を施すと成形品胴部の周囲に凹凸状の横シワが発生す
ることがしばしば問題となった。
のは、異種金属層を組み合わせたクラッド板、取り分け
“アルミニウムとステンレス鋼との組み合わせ”等のよ
うなクラッド接合後の軟化熱処理が不可能でかつ各層の
変形抵抗に顕著な差があるクラッド板を素材とした場合
であっても、前記“横シワ”を発生することなく安定し
た成形を実施できる深絞り成形法を提供することであ
る。
を達成すべく数多くの実験を繰り返しながら鋭意研究を
重ねた結果、次のような知見を得ることができた。即
ち、素材(ブランク)が単一板の場合、一般的な深絞り
成形ではポンチとダイス間のクリアランスを小さくする
と“しごき加工”が強くなってプレス性が劣化し、その
ため割れが生じるので、クリアランスは約30〜50%
程度(絞り比:約 2.0)とするのが普通であるが、前述
したクラッド板に対してこのような深絞り成形を行う
と、成形品胴部における横シワの発生が極めて著しく、
その後の研磨によってもこの横シワの除去は不可能であ
る。なお、この横シワの発生機構は必ずしも明らかでな
い。
記横シワの発生には“ダイス肩のア−ル(R)”と“ポ
ンチとダイス間のクリアランス”との兼ね合いが大きく
影響しており、ダイス肩のア−ルのコントロ−ルとクリ
アランスの調整を適正に行うことで横シワを防止でき
る」との新規事実が明らかとなった。即ち、ダイス肩の
ア−ルが小さい場合には、クリアランスを小さくするに
つれて横シワは軽減され、特にマイナスクリアランスに
した場合には横シワの発生が皆無となることを知見した
のである。
に小さくするとプレス性(成形性)が劣化して割れを生
じやすくなる。しかるに、このプレス性にもダイス肩の
ア−ルが影響しており、ダイス肩のア−ルとクリアラン
スの両者の調整は成形性の改善にも大きく寄与し、両者
の調整によって成形性の改善と横シワの抑制が同時に達
成できることも分かった。
たものであり、「異種金属を組み合わせたクラッド板の
深絞り成形に当り、 ダイス肩のア−ルを材料板全厚の4
倍以上とし、 ポンチとダイス間のクリアランスを材料板
全厚の−10%〜+5%に設定して深絞りを行うことによ
って、 成形品胴部の周囲における凹凸状横シワの発生を
極力抑えながら円滑な深絞り成形を実施し得るようにし
た点」に大きな特徴を有している。
を組み合わせたクラッド板」の種類については格別に制
限されるものではなく、異種金属を爆着や圧延等により
接合したクラッド板の何れを素材としても相応の効果が
得られるが、クラッド板を構成する異種金属層の軟化熱
処理温度が各々大きく異なっていてクラッド接合後の軟
化熱処理が不可能で、かつ変形抵抗に差のある材料に対
して著しい有為性が発揮されることは言うまでもない。
絞り成形の際、ダイス肩のア−ル(R)の適度なコント
ロ−ルでフランジ部からダイスへの材料流入を容易にし
てプレス割れを防止すると共に、ダイス肩のア−ルでの
“曲げ", "曲げ戻し”による板厚減少を少なくし、更に
ダイスとポンチ間のクリアランスを調整してしごき加工
をしながら横シワを防止するようにしたものであるが、
フランジ部からダイス部への材料流入を左右するダイス
肩のア−ルを4t以上(但しtは材料板の全厚)とした
理由は、ダイス肩のア−ルが4tより小さいとダイスへ
の材料流入の抵抗が大きくなり、かつダイス肩で曲げ,
曲げ戻しされることによる板厚減少も大きくなるために
割れが発生しやすくなるためである。なお、ダイス肩の
ア−ルの上限は特に限定しないが、器物の製品形状とい
う観点からすれば上限は10t〜15t程度に制約されると
も言える。
t以上7t未満の場合にはポンチとダイス間のクリアラ
ンスを材料板全厚(t)の−10%〜+5%としなければ
ならない。このように、ポンチとダイス間のクリアラン
スを材料板全厚(t)の−10%〜+5%とする理由は、
該クリアランスが材料板全厚の−10%よりも小さければ
しごき加工が強くなり過ぎて割れが発生しやすくなり、
また前記クリアランスが材料板全厚の5%よりも大きく
なるとしごき加工が軽減されて横シワの発生を抑えるこ
とができなくなるためである。
に説明する。
L”なる組み合わせの二層クラッド板(2.0mm厚) 板を準
備し、“ダイス肩のア−ル”及び“ポンチとダイス間の
クリアランス”を種々に変化させた深絞り成形試験に供
して深絞り性の評価を行った。これらの結果を図1及び
図2に示す。
ス肩のア−ル(R)”の影響を“限界絞り比(L.D.R)"
で評価した結果を示しているが、ダイス肩のア−ルが
7.5mm(3.75 t )ではクリアランスが−10%と狭い場合
に割れが発生し、器物の一般的な絞り比である約1.8 〜
2.0 を確保できないことが分かる。一方、ダイス肩のア
−ルが大きくなると限界絞り比は向上し、クリアランス
が−10%と狭い場合でも十分な絞り比を確保できること
が明らかである。
る“ダイス肩のア−ル(R)”及び“ポンチとダイス間
のクリアランス”と“絞り成形で生じた横シワの凹凸高
さ”との関係を整理して示している。この図2からは、
ダイス肩のア−ルが10mm以下と小さい場合には、前記ク
リアランスが5%よりも広くなると横シワの凹凸高さが
器物に要求されている許容範囲(15μm以下)を超えて
しまい、逆に前記クリアランスが−10%よりも狭くなる
と割れが発生して成形できなくなることが分かる。
り、ダイス肩のア−ルを4t以上にすると共にポンチと
ダイス間のクリアランスを−10%〜+5%の範囲に調整
することによって、プレス割れが発生せず、横シワの発
生もない深絞り成形が可能になることを確認できる。
L”なる組み合わせの二層クラッド板(2.0mm厚) 板を準
備し、“ダイス肩のア−ル”及び“ポンチとダイス間の
クリアランス”を種々に変化させた実機プレスによる深
絞り成形試験を行った。そして、この際の横シワ発生状
況並びにプレス割れ発生の有無について調査した。これ
らの結果を表1に示す。
材の深絞り成形に際し、ダイス肩のア−ルを4t以上と
しかつポンチとダイス間のクリアランスを−10%〜+5
%の範囲に調整した場合に初めて、横シワが抑制され、
しかも割れを発生することなく深絞り成形できることが
分かる。
ば、アルミニウムとステンレス鋼の組み合わせ等のよう
に“接合後の軟化熱処理が不可能なために通常の深絞り
成形法では横シワの問題を生じるクラッド板”であって
もトラブルなく良好な製品を深絞り成形することが可能
となり、今日強く求められているクラッド材のプレス成
形技術改善に大きく寄与し得るなど、産業上有用な効果
がもたらされる。
肩のア−ル(R)”と“限界絞り比(L.D.R )”との関
係を示すグラフである。
とダイス間のクリアランス”と“成形により発生する横
シワ高さ”との関係を示すグラフである。
Claims (1)
- 【請求項1】 異種金属を組み合わせたクラッド板の深
絞り成形に当り、ダイス肩のア−ルを材料板全厚の4倍
以上とし、ポンチとダイス間のクリアランスを材料板全
厚の−10%〜+5%に設定して深絞りを行うことを特徴
とする、金属クラッド板の深絞り成形方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6302993A JP2953328B2 (ja) | 1994-03-30 | 1994-11-11 | 金属クラッド板の深絞り成形法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8383194 | 1994-03-30 | ||
JP6-83831 | 1994-03-30 | ||
JP6302993A JP2953328B2 (ja) | 1994-03-30 | 1994-11-11 | 金属クラッド板の深絞り成形法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07314055A JPH07314055A (ja) | 1995-12-05 |
JP2953328B2 true JP2953328B2 (ja) | 1999-09-27 |
Family
ID=26424882
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6302993A Expired - Fee Related JP2953328B2 (ja) | 1994-03-30 | 1994-11-11 | 金属クラッド板の深絞り成形法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2953328B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5797066B2 (ja) * | 2011-08-31 | 2015-10-21 | プレス工業株式会社 | プレス金型 |
DE102018108240A1 (de) * | 2018-04-06 | 2019-10-10 | Alinox Ag | Verfahren zum Herstellen einer Metallplatte mit eingebettetem Temperatursensor, sowie danach hergestellte Metallplatte |
-
1994
- 1994-11-11 JP JP6302993A patent/JP2953328B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07314055A (ja) | 1995-12-05 |
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