JP2952505B2 - 抗ウイルス性薬剤 - Google Patents

抗ウイルス性薬剤

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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は抗ウイルス性薬剤に関する。この薬剤は、脂
肪酸ヌクレオシドおよびヌクレオシド同族体誘導体、お
よびヌクレオシドまたはヌクレオシド同族体のヒドロキ
シル基よりもむしろアミノ基に脂肪酸基を有する対応す
る化合物である。
生体内および試験管内の両方で抗ウイルス作用を示す
多数の化合物、とりわけグリコシドまたはグリコシド同
族体構造を有する種々のプリンおよびピリミジン誘導体
が知られている。
例をあげれば下記のとおりである。
天然ヌクレオシドの同族体である、これら全ての化合
物は、使用に際して制限された作用範囲を有し、試験管
内においてさえも制限された範囲のウイルスにのみ作用
する。これらの作用形態は主として一つまたは他の段階
におけるウイルス自己複製(replication)および集合
(assembly)の妨害であり、この作用をここでは自己複
製妨害と云う。
これら薬剤は、ウイルスが細胞外に存在するときはウ
イルスを不活性化せず、かつ活性ウイルスの細胞から細
胞への伝搬にほとんど、または全く作用しない。
これに対して、特に内封されているウイルスを不活性
化し、伝搬を阻止することができる、異なる種類の薬剤
がある。これら薬剤は長鎖状不飽和脂肪酸、およびエス
テル、塩、アミドおよびグリセリドのような、これら酸
の誘導体を含む。これら薬剤の効能を、ここではウイル
ス不活性化と云う。しかしながら、これら薬剤もまた、
自己複製に限られた禁止効果を示すにすぎない。
すなわちウイルス不活性化の主要な要素は、単にウイ
ルスを保護している外包の烈しい破壊の結果であると考
えられる。
本発明は、主としてAZT、AHTおよびアシクロビイア誘
導体に関して、しかしddC、ddA、D4Tおよびガンシクロ
ビイア誘導体いついても述べられた多くの相異なる、し
かし重複し、かつ相互に関連する態様を有する。
最も広い意味において、本発明は、長鎖状でヌクレオ
シドおよびヌクレオシド同族体の不飽和脂肪酸エステル
またはアミド誘導体であり、脂肪酸アシル基が糖/糖同
族体のヒドロキシルまたはアミノ基、またはヌクレオシ
ドまたはヌクレオシド同族体のヘテロ環状基に直接結合
している新規な抗ウイルス性化合物を提供する。脂肪酸
はC:16以上であり、好ましくはポリ不飽和物であり、好
都合にはリノレイル、γ−リノレニルまたは天然産n−
9およびn−7系(C:16以上)またはn−6およびn−
3系(C:18以上)の他の不飽和長鎖状脂肪酸アシル基で
ある。
ヌクレオシド同族体の特定の例はAZTおよびAHT、およ
びACVである。
本発明はその態様において、更に下記を提供する。
(i)抗ウイルス剤が上記のような化合物の形状で用い
られるウイルス性感染の治療において、体内におよび脂
質障壁を越えて、特に消化管からリンパ系へ、または細
胞外液から細胞内へ、または脳血液障壁を越えて、また
は局所用製剤の経皮的伝搬を、または薬剤効果を低下さ
せるグルクロン化または他の代謝変異の阻止のための抗
ウイルス作用を促進する方法。
(ii)上記のような目的のための薬剤の製造方法。ここ
でこの薬剤は上記のような化合物単独で、または薬学的
に許容される希釈剤または担体を用いて製造される。
本発明の第2の態様においては、ペントースヌクレオ
シドの誘導体である化合物、またはペントースの代りに
脂環基を有し、この脂環基がペントースの5′の位置に
相当する位置にヒドロキシ置換炭素を有する同族体の誘
導体である化合物が提供される。
かかる誘導体はヌクレオシドの5′位置または場合に
よっては同族体の相当するヒドロキシ置換炭素の位置に
おいて、上記した脂肪酸およびとりわけリノール酸、γ
−リノレン酸、またはn−9およびn−7系(C:16以
上)、およびn−6およびn−3系(C:18以上)の他の
不飽和長鎖状脂肪酸によって形成されたエステルであ
る。
特にこの態様においては、本発明はAZTまたはAHT、ま
たはACV、またはddA、ddCまたはD4Tをかかる化合物の形
状において提供する。
本発明はその態様において更に下記を提供する。
(i)自己複製禁止活性の損失なしで、上記のような促
進または禁止によるウイルス感染を治療する方法。ここ
で抗ウイルス剤は5′のような化合物または対応するエ
ステル誘導体の形状で用いられる。
(ii)かかる目的のための薬剤の製造方法。ここでかか
る薬剤は化合物単独で、または薬学的に許容される希釈
剤または担体を用いて製造される。
本発明の第3の態様においては、AZTおよびAHT、また
はddA、ddCまたはD4Tが、ヘルペスまたは他のウイルス
感染に対して活性な、上記した脂肪酸および特にリノー
ル酸、γ−リノレン酸、またはn−6およびn−7系
(C:16以上)およびn−6およびn−3系(C:18以上)
の他の不飽和長鎖状脂肪酸のエステル誘導体の形で提供
される。
本発明はその態様において更に下記を提供する。
(i)ヘルペスウイルス感染、特に単純性ヘルペスおよ
び帯状ヘルペス疱疹または他の鋭敏性ウイルス感染の治
療方法。ここでは、ウイルス感染患者にAZTまたはAHTま
たはddA、ddCまたはD4T誘導体の有効量が投与される。
(ii)ヘルペスウイルス感染、特に単純性ヘルペスおよ
び帯状ヘルペス疱疹または他鋭敏性ウイルス感染の治療
のための薬剤の製造。
ここではAZTまたはAHTまたはddA、ddCまたはD4T誘導
体の単独が上記薬剤として、または薬学的に許容される
希釈剤または担体を用いて製造される。
本発明の第4の態様によれば、アシクロビイアまたは
ガンシクロビイアが上記したような脂肪酸、再びとりわ
けリノール酸、γ−リノレン酸、またはn−9およびn
−7系(C:16以上)およびn−6およびn−3系(C:18
以上)の他の不飽和長鎖状脂肪酸の抗ウイルス性エステ
ルまたはアミドの形状で提供される。
この態様に関して本発明は更に下記を提供する。
(i)ウイルス感染の治療方法。この方法によれば、ウ
イルス感染患者にアシクロビイアまたはガンアシクロビ
イア誘導体のような誘導体の有効量が投与される。
(ii)ウイルス感染の治療のための薬剤の製造。ここで
は、アシクロビイアまたはガンアシクロビイア誘導体の
ような誘導体が単独の薬剤として、または薬学的に許容
される希釈剤または担体を用いて製造される。
(iii)上記のような治療方法、または薬剤の製造。こ
こで感染が単純ヘルペスまたは帯状ヘルペスまたは他の
鋭敏性ウイルス感染である。
本発明の特異な態様は、また下記のように説明され
る。
(i)特定のヌクレオシド同族体抗ウイルス剤の特定の
誘導体、すなわちAZTおよびAHTの上記n−9系等の長鎖
状不飽和脂肪酸によるエステル。これらエステルは新規
化合物であると思われるが、しかし本発明は,AZTおよび
AHTが不活性である、帯状ヘルペスおよび単純性ヘルペ
スを含むヘルペスウイルスに対する、これら化合物の適
用をより詳細に述べる。従ってこの態様においては、本
発明は、これらエステルによるヘルペス感染の治療、ま
たはかかる治療のための薬剤の製造に関する。
(ii)特定の抗ウイルス性ヌクレオシド同族体の特定の
誘導体。すなわち、上述したn−9系等の長鎖状不飽和
脂肪酸によるアシクロビイアのエステルまたはアミドで
ある。
GLA−アシクロビイアエステルの式は、例えば下記の
とおりである。
ここでAZTまたはAHTのペントース環は、環の1′,4′
および5′−炭素原子に対する当量で表わしてある。
GLA−アシクロビイアアミドはプリン核のアミノ置換
基にγ−リノレオイル基を有し、ジ−GLA−アシクロビ
イアは両方のアミノ置換基にγ−リノレオイル基を有す
る。
これら化合物も新規化合物と信じられる。しかし本発
明はウイルス感染、特にヘルペスウイルス感染をこれら
化合物により治療すること、および上記エステルを含
む、治療のために使用する薬剤の製造にある。
議論 脂肪酸ヌクレオシド誘導体は母体ヌクレオシド化合物
とは著しく異なる物理化学的性質を有する。本発明のヌ
クレオシド誘導体はクロロホルムへの高い絶対溶解度を
有し、親油性であり、かつ大きなクロロホルム−水分配
係数を有する(本文中の第3表および第4表参照)。
脂肪酸ヌクレオシド誘導体は、新規な物理的および生
物学的性質の結果としての一つ以上の下記利点を有す
る。
1.抗ウイルス性および自己複製禁止活性の組合せ。
2.異なるウイルスに対する拡大された自己複製禁止活
性。
3.皮膚を通して、そして細胞中への高められた浸透性
(局所的処方)。
4.改善された薬理効果速度(とりわけ経口およびi.v.処
方)。
これら利点を下記により詳細に論ずる。
1.抗ウイルス性および自己複製禁止活性の組合せ。
ウイルスに対する二つの明確な作用形態を単一分子中
に組合せることができ、それが本発明の全ての化合物に
よって示されるとの観察は予期せざることであった。遊
離長鎖状不飽和脂肪酸が大抵の内封されたウイルスに対
して抗ウイルス性であるが、トリグリセリドは抗ウイル
ス性ではなく、従って明らかに或る種の化学結合がこの
タイプの活性を妨害し、たとえばトリグリセリド形態に
おけるLAは脂肪酸成分の抗ウイルス活性を保持できな
い。
GLAまたはLAのアシクロビイアエステル(AK5および
6)もまたこの活性に欠けるが、しかしAKs 1、2、
3、4、10、11、12および13は全て抗ウイルス性であ
る。
本発明の化合物の第2の予期せざる性質は、これら化
合物をウイルス自己複製について試験管内試験で試験す
ると母体ヌクレオシドの自己複製禁止活性を有すること
である。多くの誘導体が5′−ヒドロキシエステルであ
るので、このことは驚くことである。
AZTおよびACVについては、細胞内生物学的活性型は
5′−ヒドロキシ位置がトリホスホリル化されているこ
とが示されている。
AZTおよびACVは、ホスフェート基を欠いて試験をする
と、ウイルス性ポリメラーゼに対して不活性である。
5′−置換化合物の作用の形態に関して二つの説明が
可能である。最もありうることは、薬物の膜透過性を高
める目的に役立っている脂肪酸基が細胞質中に存在する
種々の酵素のいずれかによってヌクレオシドから急速に
解離することである。
脱アシル化された化合物は、次いで活性化合物を生成
するのに必要なホスホリル化のための基体となるのであ
る。
より少ない可能性は、脂肪酸基が何らかの方法で脂肪
酸−ヌクレオシドにおけるホスホリル化の代理をして、
開裂およびホスホリル化なしで活性な化合物を生ずるこ
とである。
抗ウイルス性スクリーニング作業の結果については後
述するが、最も顕著に明らかなことは“AK10"および“A
K11"(ジ置換ACV化合物)がウイルスの不活性化に、お
よび自己複製禁止に極めて効果的なことである。化合物
AK10の1mg/l溶液はウイルスの1 log(すなわち90%)を
不活性化し、1 log(90%)によってウイルス自己複製
を低下させる。
2.抗ウイルス活性の拡大 更に予期せざる観察は、たとえばGLA−AZTがヘルペス
ウイルスの自己複製を禁止する性質を得たことであり、
かかる性質はGLAまたはAZT個々については見出されない
(第5表参照)。このような抗ウイルス剤の活性がヘル
ペスウイルスを含むまでに拡大されることの正確な理由
は不明であるが、細胞膜透過性が高められたことに起因
すると思われる。
複合した同時併発的ウイルス感染がしばしば起こるの
で、これを単一の活性化合物によって治療することが臨
床上有利であると思われる。
3.皮膚透過性の増大 ヘルペスウイルス感染の局所的治療は、このウイルス
に対して開発された最初の処方である。しかしながら、
全てのこれらの処方は、二つの理由から現在に至るまで
価値が制限されていた。
第1に、抗ウイルス剤が親油性でないので、皮膚を容
易には透過せず、従ってウイルス自己複製の側において
治療に必要な濃度を常に達成できない。この理由から、
“増進剤”として知られた薬剤(たとえば、ジメチルス
ルホキシドおよびプロピレングリコール)が経皮吸収を
改善するために添加された。
しかしながら、多くの“増進剤”は、長期間使用する
と局所毒性および刺激をもたらす。従って、ウイルスの
自己複製禁止に関する全ての潜在能力を有する抗ウイル
ス剤の親油性誘導体が望まれている。
既知の局所治療によって得られた失望的結果の第2の
理由は、通常では病変が明らかになる以前に、前駆症段
階で、ウイルス自己複製が自然界の感染の過程で容易に
起こることである。
従って、ウイルス性ポリメラーゼにのみ作用するいず
れの薬剤も病変が更に進むことを止めることはできな
い。
しかしながら、無傷のウイルスの包膜構造を破壊しう
る抗ウイルス性々質を有する薬剤は、病変の進展を阻止
し、感染ウイルスが新しい部位に広がる機会を低減し、
そして恐らくはその後の感染をもたらすであろう潜在的
ウイルスのその後の負荷を低下させる優れた効果を有す
ることが期待される。
本発明の化合物、とりわけAKs10、11、12および13は
抗ウイルス性であり、かつ親油性であるので、角質層の
脂質マトリックスの透過性および細胞内への透過性が効
果的である。これら化合物は、水中への油エマルジョン
または油中への水エマルジョンの油層中に存在するであ
ろうし、これによって、これら化合物の製造と応用が単
純化される。
4.薬学的効果速度の改善 脂肪酸ヌクレオシドの代謝と薬学的効果速度は母体ヌ
クレオシドと比較して著しく変化する。このことが治療
上の効率をどのように高めるかのいくつかの例を下記に
示す。
a.薬剤の吸収 薬剤の脂質溶解性は吸収の基礎である。母体ヌクレオ
シドのような極性化合物(脂質よりも水により容易に溶
解する)にとって、非極性の脂質膜を拡散によって越え
ることは困難であり、従ってこの過程が律速となる。
脂質可溶性の薬剤は、胃腸管の障壁膜をより容易に通
過し、これら薬剤の生物学的有効性を増大する。
またこれら薬剤はリンパ系によって少なくとも一部分
は吸収される。
この後者のルートは、水溶性薬剤が門脈を経て吸収さ
れ、従って一般的循環に至る以前に肝臓を経由すること
に比較して肝臓を避けえる著しい利点を有する。
肝臓を経由する搬送中に出合う“第一搬送代謝”は不
活性代謝物を排出に導く薬剤変化の主要なルートであ
る。
飽和脂肪酸は膜を通しての薬剤の搬送を高めることが
できることが知られているが、これは長さが6〜12炭素
の短い鎖状分子にのみ有効であると信じられていた(た
とえば、“Durg Delivery and Targeting System"、90.
11〜89.12.1。Conference documentation IBC Technica
l Services Ltd.Professor Y.W. Chienの論説参照)。
このデータから、本発明の長鎖状不飽和脂肪酸は効果が
劣り、短鎖状物ほどには活性でないことが予測された。
b.血液脳障壁 多くのウイルス(HIVおよびいくつかのヘルペスウイ
ルスのような)は脳中に拡散し、脳炎や痴呆をもたらす
感染を起こす。治療上の臨界的要因は薬剤が血液脳障壁
を通過する能力である。親水性薬剤は血液脳障壁を容易
には通過せず、脳脊髄液中に低レベルでのみ検出される
ことが繰り返し観察された。
親油性薬剤は脳中の治療レベルにより容易に到達す
る。このことは、本発明の化合物をi.v.ルールで与えた
とき、時に顕著である。
c.代謝変化 ジドブジン(AZT)の15〜20%が尿中に未変化で排出
され、25%が肝のグルクロン化によって代謝されて3′
−アジド−2′−3′−ジデオキシ−5′−グルクロニ
ルサイミジン(不活性代謝物)を形成する。AK 1(GLA
−AZT)およびAK 2(LA−AZT)のような誘導体はこの
5′位置にエステル結合を有するので、同様な経路では
代謝されない。このことは、有効な血液濃度を高め、同
様な治療上の利益を達成するのにより少量の薬剤投与を
可能にする。
より高い生物学的入手性と低減された代謝との組合せ
によって、個人間の薬学的速度における変化が低下し、
より少量の投与と毒性副作用の発生率の低下がもたらさ
れる。
更に、抗ウイルス性薬剤ddCおよびddAのアミド誘導体
を製造しうる利点がある。これら両薬剤では、組み入れ
られたエステルおよびアミド結合が親油性を増大し、た
とえ脂肪酸の一つが酵素代謝によって除去されても、残
った分子はなお親油性であり、上述した利点を保持する
ことができる。
ddAのアミド誘導体については、この結合が、ヒト血
漿にさらされたわずかの間に起こるアデノシンデアミナ
ーゼによる脱アミノによるddAのddI(ジデオキシイノシ
ン)への変換を防止する更に特異な利点がある。もしも
脂肪酸−ddA誘導体がHIVに感染した細胞に入ることがで
きれば、その誘導体はddAに変換され、続いて活性なト
リホスフェート型に変換される。
これと対照的に、ddIは結局は更に酵素変換されてddA
トリホスフェート(細胞内の活性代謝物)が形成され
る。
更に、より十分に活性であるためには、全ての抗ウイ
ルス薬剤は細胞内および細胞外の区分の両方に存在しな
ければならない。細胞膜は脂質が豊富なので親水性化合
物よりも親油性化合物はより容易に細胞内に入ることが
できる。
従って、本発明において明記された薬剤は、これらの
母体化合物よりもより容易に効果的な細胞内濃度を達成
する。
効果的な脂肪酸および供給源 効果的な不飽和脂肪酸は天然産n−7、n−9、n−
6およびn−3系脂肪酸を含み、C:22までの構成員を下
記第1表に示す。
人体において、n−6およびn−3系は食餌必要物で
あり、従って、リノール酸(LA)およびα−リノレン酸
(ALA)は必須脂肪酸として要求される。n−7および
n−9系はパルミチン酸(16:0)およびステアリン酸
(18:0)から夫々、δ−9デサチュラーゼの作用および
他のデサチュラーゼの継続的作用によって内因的に入手
可能である。パルミチン酸およびステアリン酸は食餌源
または体内合成で得られる。
n−7、n−9等命名法における二重結合の位置は、
カルボキシル基ではない端部またはオメガ端部から数
え、(−CH=CH−CH2−)M、M=1〜6のような鎖中に
存在する不飽和の数と共に18:1、22:3等の用語で表わさ
れる。
たとえば下記のとおりである。
第2表 n−6系必須脂肪酸 18:2 δ−9,12(リノール酸) 18:3 δ−6,9,12(γ−リノレン酸) 20:3 δ−8,11,14(ジホモ−γ−リノレン酸) 20:4 δ−5,8,11,14(アラキドン酸) 22:4 δ−7,10,13,16(アドレン酸) 22:5 δ−4,6,10,13,16 n−3系必須脂肪酸 18:3 δ−9,12,15(α−リノレン酸) 18:4 δ−6,9,12,15 20:4 δ−8,11,14,17 20:5 δ−5,8,11,14,17 22:5 δ−7,10,13,16,19 22:6 δ−4,6,10,13,16,19 これら酸は相当するヘキサデカン酸、オクタデカン
酸、エイコサン酸、またはドコサン酸の誘導体として、
たとえばδ−9,12−オクタデカジエン酸またはδ−4,7,
10,13,16,19−ドコサヘキサエン酸のように組織的に命
名される。しかしながら18:2 n−6または22:6 n−6の
ような対応する数字表示も便利である。
イニシャル、たとえばアラキドン酸に対してAA、22:6
n−3(ドコサヘキサエン酸)に対してより組織的にDH
A、または20:5 n−3(エイコサペンタエン酸)に対し
てEPAもまた用いられる。しかし、n−3およびn−6
酸がたとえば22:5酸のように同一鎖長で同一不飽和度が
存在する場合には役に立たない。
n−6系には多少なりとも一般的に使用されている慣
用名称を示した。
n−3系では、18:3 n−3のみが通常使用されている
慣用名のα−リノレン酸を有している。初期においては
γ−リノレン酸よりも単にリノレン酸が文献上で用いら
れ、特により初期の文献ではα−酸が用いられた。
本発明に用いる脂肪酸は、それ自体知られている天然
供給源から導かれ、如何なる部分も化学合成によって導
かれたものではない。
たとえば、Oenothera binnisBorago officinalis
およびRibes科の仲間のような植物の種子から得られた
油は、しばしば18:3 n−6が豊富である。Spirulina s
ppのような藻およびMortierella sppおよびRhizopus
sppのような或る種のカビ類からの油もまた、18:3 n−
6を含有する。20:4 n−6酸は卵の黄身に、或る種の藻
およびカビの脂質中に、および魚油および他の海性油
に、特に暖流産海性油に見出されている。18:3 n−3油
は植物油中に広く分布しており、一方、18:4 n−3はRi
bes科の仲間の種子油中に見出されている。20:5 n−3
および22:6 n−3酸は、しばしば海産油中に豊富に存在
する。22:4 n−6および22:5 n−6の天然供給源には、
屠殺場から得られた副腎(22:5 n−6)および腎臓(2
2:4 n−6)が含まれる。
n−9脂肪酸のオレイン酸(18:1 n−9)は多くの種
類の植物油から、特にオリーブ油から得られ、パルミト
オレイン酸(16:1 n−7)もまた多くの植物油中に見出
すことができる。
投与量 いずれの投与量単位中に存在する活性物質の絶対量も
採用された投与割合いと方法に適切な量を越えるべきで
はないことが理解されるべきである。しかしながら、一
方において、望ましくは少ない投与数によって望ましい
投与割合いが達成されるような適切な量であるべきであ
る。更に投与割合いは望ましい正確な薬理学的作用に依
存する。
投与されるべき化合物の量は、分割投与において1日
当り1mg〜20g、好ましくは1日当り10mg〜4g、より好ま
しくは1日当り50mg〜1gであり、投与単位形状は、これ
ら投与量またはその約数によって決定されるのが便利で
ある。本発明の化合物は、経口、局所、経腸、非経口
(静脈内、脈管内、腹腔内、筋肉内または皮下)または
それ自体全て知られている、いずれかの他の適切なルー
トで、およびそれ自体知られている提供方法を用いて投
与される。
しかしながら既に本文中で論じたように、特定の投与
形態が有利である。すなわち化合物は、錠剤、たとえば
胃中での破壊を防止するための腸溶性被覆錠剤、硬質ま
たは軟質ゼラチンカプセル、シロップ、エマルジョン、
溶液、または経口または非経口投与に適切な他のいずれ
かの形態で投与される。或いは、軟膏、クリーム、シャ
ンプー、ローションのような局所投与に適切ないずれか
の形態、または肛門または膣適用のためのペッサリーま
たは他の調剤、または棒状で投与される。局所投与の場
合には、活性化合物の濃度が0.001から20重量%、好ま
しくは0.1〜10重量%、特に好ましくは1〜5重量%に
なるように製剤が製造される。かかる製剤は、せいぜい
上記した1日当りの投与量を与えるように望ましくは用
いられ、望ましくは、投与量範囲の下限、たとえば20mg
/日の投与量で用いられる。
合成 実施例1.GLA−3′−アジド−3′−デオキシサイミジ
ン、GLA−AZT(“AK1")、(方法A) 操作:AZT(IV 0.280g)1.05ミリモルを無水ピリジン3
mlに溶解し、この溶液にGLA−酸塩化物(III 0.340g)
1.15ミリモルを加えた。
この溶液を0℃で1時間攪拌し、次いで反応混合物が
蒸発し、乾固してシロップを与えるまで攪拌し、このシ
ロップをジクロロメタン(30ml)に溶解し、次いで飽和
重炭酸ナトリウム溶液(20ml)で洗浄した。オレンジ色
の層を分離し、真空で蒸発させた。粗オレンジ色シロッ
プを10gのシリカゲルカラムの上部に導入し、クロロホ
ルムで、次いでCHCl3:MeOHの20:1、20:1、10:1混合物で
溶出し、要求する生成物(V)を分離した。収率=391m
g、71%。他の脂肪酸との唯一の差は相当する酸塩化物
を用いることである。
実施例2.GLA−無水サイミジン、GLA−AHT(“AK3")、
(方法A) 操作:クロマトグラフィに10% MeOHを必要とした以
外は、GLA−AZTと同様に操作した。表題化合物VIIIの収
率70%。
GLA−AZTの場合のように、他の脂肪酸との唯一の差は
相当する酸塩化物を使用することである。
実施例3.GLA−AZT(“AK1")、(方法B) AZT(0.684g、2.58ミリモル、TLC−均質ゴム)の無水
ピリジン(10ml)溶液に攪拌下、GLA酸塩化物(1,200
g、4.00ミリモル)を加えた。反応混合物を乾燥窒素
下、室温で6時間の攪拌した。しかる後に、TLC(薄層
クロマトグラフィ)は出発原料の完全な消失を示し、ピ
リジンを減圧下に除去し、蒸発温度を45℃以下に保持し
た。得られた粗シロップをクロロホルム:ガソリン(ペ
トロール)(2:1、容積対容積)混合物に溶解し、クロ
ロホルム:ガソリン(2:1)で予め平衡状態にしたシリ
カゲル(30g)のカラムに導入した。クロロホルム:ペ
トロール(2:1)で溶出して希望しない高いRf(最高のR
fを与える)物質を除去した。AK−1をクロロホルム:
ペトロール(4:1)で溶出して無色シロップとして得
た。収率57%(0.777g、1.47ミリモル)。
実施例4.LA−AZT(“AK2") この製造のための操作は全く上記と同様である。
使用量は下記のとおりである。AZT 0.723g、2.70ミリ
モル。LA酸塩化物1.3g、4.36ミリモル。無水ピリジン10
ml。収率54%(0.770g、1.458ミリモル)。
実施例5.GLA−AHT(“AK3")(方法B) 無水サイミジン(0.520g、2.319ミリモル、乾燥白色
粉末として)を無水ピリジン(10ml)に乾燥窒素雰囲気
下で溶解し、この溶液に攪拌下、室温でGLA酸塩化物
(0.900g、3.02ミリモル)を加えた。攪拌を終夜続行し
た後に、TLCは出発原料の完全な消失を示した。
ピリジンを真空中(45℃以下)で蒸発し、残留シロッ
プをクロロホルムに溶解し、次いでシリカゲル(30g)
のカラムに適用した。クロロホルム:ペトロール(4:
1、容積:容積)で溶出し、次いでクロロホルムで、更
にクロロホルム:エタノール(50:1)で溶出して目的と
する誘導体AK−3を無色のTLC−均質ゴムとして得た。
収率51%(0.573g、1.18ミリモル)。
実施例6.LA−AHT(“AK4") この製造のための操作は上記と全く同様である。
使用量は下記のとおり。AHT 0.643g、2.86ミリモル。
LA酸塩化物 1.20g、4.00ミリモル。無水ピリジン10m
l。収率55%(0.765g、1.573ミリモル)。
実施例7.ジ−GLA−ACV、(“AK10")(方法A) アシクロビイア(0.85g)をピリジン(30ml)中に攪
拌下に懸濁し、γ−リノレニルクロライド(2.5g)を徐
々にピリジン中に加えた。アシクロビイアは、それ自体
ピリジンに不溶であるが、徐々にγ−リノレニルエステ
ルの形成について溶解する。この溶液を終夜攪拌し、次
いで飽和重炭酸ナトリウム溶液中にそそいだ。この重炭
酸ナトリウム溶液を150mlのクロロホルムで2回抽出し
た。クロロホルム留分を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、
次いで真空下、蒸発乾固した。得られたゴム状物をヘキ
サンでシリカゲルカラム(200メッシュ)に適用し、ヘ
キサン/クロロホルムでクロロホルム比率を増大させな
がらクロマトグラフィ処理した。蒸発後にジ−γ−リノ
レニル−アシクロビイアを得た。
他の脂肪酸との唯一の差は、相当する酸塩化物、たと
えばEPA、LAまたはAAの塩化物を使用することである。
実施例8.o−GLA−ACV、(“AK5") アシクロビイア(ACV、0.5g、2.22ミリモル、乾燥白
色粉末として使用)を無水ピリジン(10ml)に懸濁し、
この混合物に攪拌、乾燥窒素雰囲気下でGLA酸塩化物
(0.788g、2.664ミリモル)を加えた。反応混合物を室
温下に終夜攪拌し、しかる後にTLCは目的生成物への変
換を示した。ピリジンを真空下に除去し、得られたシロ
ップをクロロホルムに溶解した。この溶液をクロロホル
ム:エタノール(30:1、容積:容積)で予め平衡状態に
したシリカゲル(30g)のカラムに導入した。クロロホ
ルム、次いでクロロホルム:エタノール(30:1)、(2
0:1)、最後に(15:1)で溶出して目的物AK−5をTLC均
質半固体として得た。収率48%(0.517g、1.065ミリモ
ル)。
実施例9.o−LA−ACV、(“AK6") この製造のための操作は上記と全く同様である。使用
量は下記のとおりである。ACV 0.5g、2.22ミリモル。LA
酸塩化物0.77g、2.58ミリモル。無水ピリジン10ml。収
率45%(0.487g、1.0ミリモル)。
実施例10.ジ−GLA−ACV、(“AK10")(方法B) アシクロビイア(ACV、0.5g、2.22ミリモル、乾燥白
色粉末として使用した)を無水ピリジン(10ml)中に懸
濁した。この混合物を攪拌しながら乾燥窒素雰囲気でGL
A酸塩化物(1.6g、5.37ミリモル)および4−ジメチル
アミノピリジン(0.061g、0.5ミリモル)を加えた。反
応混合物を終夜、室温下で攪拌したところ、TLCは目的
物質への変換を示した。ピリジンを真空下に除去し、残
留シロップをクロロホルムに溶解した。
この溶液を、予めクロロホルムで平衡状態にしたシリ
カゲル(30g)のカラムに導入した。クロロホルム:ペ
トロール(3:1、容積:容積)で、次いでクロロホルム
で溶出して目的生成物のAK−10をTLC均質シロップとし
て得た。収率58%(0.962g、1.20ミリモル)。
実施例11.ジ−LA−ACV、(“AK11") この製造操作は上記と全く同様である。使用量は下記
のとおりである。ACV 0.5g、2.22ミリモル。LA酸塩化物
1.5g、5.1ミリモル。無水ピリジン10ml。収率60%(1.0
01g、1.332ミリモル)。
実施例12.n−GLA−ACV、(“AK12") AK−10の試料(0.520g、0.698ミリモル)を無水メタ
ノール(10ml)および無水ジオキサン(2ml)中に溶解
した(ジオキサンは原料物質の溶解を助ける)。この溶
液を0℃に冷却し、NaOH溶液(オルドリッチから、30重
量%)0.25mlを加えた。0℃で15分間攪拌したところ、
TLCは出願物質の完全な消失と僅かに低いRf生成物の形
成を示した。Dowexイオン交換樹脂(20ml、H+型)を加
え、室温で更に10分間攪拌を続けた。Dowex樹脂を濾別
し、メタノール洗浄し、濾液と洗浄液を合併し真空中で
蒸発して粗生成物を薄黄色ゴム状として得た。このゴム
を最小量のクロロホルムに溶解してシリカゲル(5g)の
カラムにかけた。クロロホルム、次いでクロロホルム:
メタノール(20:1)で溶出して白色固体として目的生成
物を得た。収率63%(0.214g、0.441ミリモル)。
実施例13.n−LA−ACV、(“AK13") この製造のための操作は上記と全く同様である。使用
量は以下のとおり。AK−11 0.786g、1.100ミリモルおよ
びNaOMe溶液0.30ml。クロマトグラフィ後のAK−13の収
率は61%(0.326g、0.67ミリモル)であった。
実施例14.GLA−D4T、(“AK14") ジデオキシ−ジデヒドロサイミジン(0.420g、1.910
ミリモル)の無水ピリジン(8ml)溶液を0℃に冷却
し、この溶液にGLA酸塩化物(1.138g、3.818ミリモル)
を加えた。この溶液を終夜、乾燥窒素雰囲気下で攪拌し
たところ、TLCは原料物質の完全な消失を示した。ピリ
ジンを真空で除去し、残留シロップをクロロホルム:ペ
トロール(2:1)に溶解した。次いでこの溶液を予めク
ロロホルム:ペトロール(2:1)で平衡状態にしたシリ
カゲル(20g)のカラムに導入した。クロロホルム:ペ
トロール(2:1)、(3:1)次いで最後にクロロホルムで
溶出して目的生成物をTLC均質シロップとして得た。収
率59%(0.542g、1.13ミリモル)。
実施例15.LA−D4T、(“AK15") この製造のための操作は上記と全く同様である。使用
量は下記のとおりである。D4T 0.380g、1.727ミリモル
およびリノレオイル塩化物(1.033g、3.45ミリモル)お
よび無水ピリジン(10ml)。クロマトグラフィ後の収率
は53%(0.442g、0.92ミリモル)であった。
異なる出発原料からの同様な方法による下記の製造例
を略記形式で示す。これら例では、GLAの誘導体のよう
なn−6系誘導体以外はLA誘導体として示した。
またn−9、n−7およびn−3系誘導体は全て、実
施例1〜15のように、明白に示したLAおよびGLAの代り
に目的とする酸の酸塩化物を用いて製造した。
実施例16.o−LA−ddC、“NL1" この合成操作はddCを使用する以外はAK2のそれに相当
する。リノレオイル酸塩化物と5′−ヒドロキシ基との
以後の反応を制限するために塩基のアミノの位置に通常
の保護基を初めに導入した。エステル結合の形成の後
に、保護基を除去して表題化合物(“o"は脂肪酸アシル
基の5′−ヒドロキシ基の酸素原子への付加を示す)を
得た。
実施例17.n−LA−ddC、“NL2" この製造操作は再びAK2のそれに相当する。しかしな
がらアミノ保護基は使用しなかった。ピリミジン環のア
ミノ位置はヒドロキシ位置よりもより活性なので最初に
形成されるアシル化合物はn−LA−ddC(アミド結合、
“n"は窒素原子への脂肪酸アシル基の付加、すなわちヘ
テロ環アミノ基の窒素原子への付加を示す)。
実施例18.ジ−LA−ddC、“NL3" この製造操作は上記のとおりであるが、完全に置換を
行なった。二つの活性位置(ヒドロキシルおよびアミ
ン)がリノレオイル酸塩化物と反応した。
実施例19.o−LA−ddA、“NL4" この製造のための操作は、基体塩基としてddAを用い
た以外はNL1のそれと同様である。
実施例20.n−LA−ddA、“NL5" この製造操作は基体塩基としてddAを用いた以外はNL2
のそれと同様である。
実施例21.ジ−LA−ddA、“NL6" この製造操作は基体塩基としてddAを用いた以外はNL3
のそれと同様である。
実施例22.n−LA−DHPG、“NL7" この物質の製造操作はアシクロビイアの代りにガンシ
クロビイアを用いた以外はAK13のそれと同様である。
初めの反応条件によってエステルおよびアミド結合の
両方がNL8製造特におけるように形成される。しかしな
がらエステル結合はアルカリ条件下の加水分解によっ
て、その後除去される。
実施例23.トリ−LA−DHPG、“NL8" (二つのエステル結合と一つのアミド結合)。
この物質の製造はAK11の製造に相当する。
実施例24.o−ジ−LA−DHPG、“NL9" この物質の製造はAK6の製造に相当する。
製剤の実施例。
以下の製剤実施例は本発明の治療的応用を説明するた
めであるが、製剤の形態自体に関する限りは以下に述べ
るように慣用的なものである。
a.懸濁状シロップ 活性成分 0.25g ソルビトール溶液 1.5g グリセロール 0.005g 分散性セルロース 0.005g 安息香酸ナトリウム 0.010ml 水 5l ソルビトールおよびグリセロールを水の一部分と混合
する。安息香酸ナトリウムを水に溶解し、上記の大容積
部に加える。次いでセルロースおよび活性成分を加え分
散させた。容量を調整する。
b.坐薬 mg/坐薬 活性成分 250 硬質脂肪、BP[Witepsol H15(商標名)、Dynamit Nobel社] 1770 2020 Witepsol H15の1/5を45℃で溶融し、活性成分を攪拌
しながら、この溶融基質に加えた。残りのWitepsol H15
を加え、攪拌して均一に混合させた。得られた懸濁物の
全てを250μmのステンレス鋼スクリーンを通し、38℃
〜40℃に冷却してプラスチックの型に充填した。
坐薬による投与は、グルクロン化や活性薬剤の損失を
もたらす他の過程が主として起こる門脈を経由して肝臓
に至る経路なしで血液流中に到達することができる。
c.ペッサリー mg/ペッサリー 活性成分 250 無水デキストロース 380 ジャガイモ澱粉 363 ステアリン酸マグネシウム 1000 上記成分を直接混合し、得られた混合物を直接圧縮し
てペッサリーを製造した。
d)、e)およびj)の配合のようなペッサリーは局
所製剤の例であり、本発明の誘導体の脂肪相溶性特性に
よって与えられる有利な経皮吸収性を示す。
d.クリーム 重量(g) 活性成分 5.0 グリセロール 2.0 セトステアリルアルコール 6.8 ナトリウムラウリルサルフェート 0.8 白色軟質パラフィン 12.5 液体パラフィン 5.0 クロロクレゾール 0.1 純水 100.00 活性化合物を純水とグリセロールの混合物に溶解し、
70℃に加熱した。残る成分を共に70℃に加熱した。二つ
の部分を合体し、乳化させた。混合物を冷却し、濾過し
て容器に入れた。
e.軟膏 重量(g) 活性成分 12 白色軟膏パラフィン 88 100 白色軟膏パラフィンを60℃で溶融した。活性成分を加
え分散させ、冷却し、折りたためる金属管中に充填し
た。
f.注射薬 重量 活性成分 250mg イントラリピド(intralipid) (Kabi−Vitrium) 10ml この組成物は、たとえば静脈内注射に有用である。
g.錠 剤 mg/錠剤 活性成分 100 ラクトース 235 澱 粉 50 ポリビニルピロリドン 50 ステアリン酸マグネシウム 5 500 活性化合物をラクトースおよび澱粉と混合し、ポリピ
ニルピロリドンの溶液で湿式粒状化した。乾燥し、ふる
いにかけた後に、粒状物をステアリン酸マグネシウムと
混練し、圧縮した。この配合物g)、h)およびi)
は、本発明の誘導体の脂質相溶性が、既に述べた肝臓へ
の直接通過を回避する利点を有する、リンパ液中への直
接一部分の取り込みをもたらす配合の例である。
h.カプセル(I) mg/カプセル 活性化合物 200 ラクトース 189 ナトリウム澱粉グリコレート 8 ポリビニルピロリドン 6 ステアリン酸マグネシウム 400 活性化合物をラクトースおよびナトリウム澱粉グリコ
レートと混合し、ポリビニルピロリドンの溶液で湿式粒
状化した。乾燥、フルイを通した後に粒状物をステアリ
ン酸マグネシウムとブレンドし、硬質ゼラチンカプセル
中に充填した。
i.カプセル(II) mg/カプセル 活性成分 100 落花生油 500ml 活性成分を落花生油に溶解し、軟質または硬質ゼラチ
ンカプセル中に充填した。
落花生油組成物は、たとえば眼ヘルペス感染に対して
有用である。
j.局所用製剤(液体) 活性成分 0.5% プロピレングリコール 50.0% エタノール 49.5% この配合物を用いる特定例は下記のとおりである。
例(1) 300mgのGLA−AZTを含有する錠剤。
単純ヘルペスまたはHIVおよび関連するレトロウイル
ス性感染に対して1〜2錠を4〜6時間毎に摂取する。
例(2) 例(1)の錠剤をEPAまたはAZTのアラキドン
酸誘導体を用いて製造した。
例(3) GLA−AZTを150mg含有する硬質ゼラチンカプ
セル。
単純ヘルペスまたはレトロウイルス性感染に対して4
〜6時間毎に1〜2カプセルを摂取する。
例(4) 150mg/5mlのGLA−AZTを含有する経口投与用
シロップ。
単純ヘルペスまたはレトロウイルス性感染に対して4
〜6時間毎に5mlを摂取する。
例(5) 3mlにGLA−AZT 200mgを含有する、経口投与
用溶液または筋肉内または静脈内注射液。
単純ヘルペスまたはレトロウイルス性感染に対して4
〜6時間毎に摂取。静脈内注射は血液脳障壁を越えて脳
組織中に治療濃度を達成するのに好ましいルートであ
る。
例(6) 2重量%のGLA−AZTを含む、単純ヘルペスに
対する局所投与用軟膏またはクリーム。
ヘルペス性病変になやむ患者に病変部位に1日当り1
〜5mg/cm2の割合いで1週間の間、適用する。3日後に
病変部大きさの顕著な縮少が見られた。
例(7)〜(18) GLA−AHT、またはLA−AHTまたはLA
−AZTのいずれかを夫々、上記の量および配合で個々に
用いた。
更に製造実施例14〜21のddC、ddAおよびD4T誘導体、
すなわちAK14および15およびNL1〜6の同一配合および
用途にもとづく相当する製造方法を選択した。
例(19) GLA−AZTの80mgを含有する硬質ゼラチンカプ
セル。
ヘルペス性帯状疱疹に対して4〜6時間毎に1または
2カプセルを摂取する。
例(20) ジ−GLA−アシクロビイアまたはo−GLA−ア
シクロビイア(製造実施例7および8)の300mgを含む
錠剤。
ウイルス性感染に対して4〜6時間毎に1または2錠
を摂取する。製造実施例11のn−GLA−アシクロビイア
を代りに用いることができる。
例(21) アシクロビイアの相当するLA、EPAまたはア
ラキドン酸誘導体を用いて例(20)の錠剤を製造した。
例(22) o−GLA−アシクロビイアまたは他の誘導体
の150mgを含む硬質ゼラチンカプセル。ウイルス感染に
対して4〜6時間毎に1または2錠を摂取する。
例(23) o−GLA−アシクロビイアまたは他の誘導体
の150mg/5mlを含む経口投与用シロップ。ウイルス感染
に対して4〜6時間毎に5mlを摂取する。
例(24) ウイルス感染に対する局所投与用軟膏または
クリームで、o−GLA−アシクロビイアまたは他の誘導
体の2重量%を含む。
例(25)〜(29) DHPG(ガンシクロビイア)誘導体を
例(22)〜(24)に示したように夫々用いた。
上記配合物(20)〜(29)が用いられたウイルス感染
症の中で、単純性ヘルペスおよび帯状疱疹ヘルペスに対
して用いた。
物理的性質 新規化合物の物理的性質のいくつかを下記のように測
定した。
すでに論じたように、ACVそれ自体に比較して脂肪酸
−ACV化合物の極めて高められた、AZT/AHTによって示さ
れた数値に匹敵するクロロホルム溶解度は、薬剤の薬学
的効果速度にとって重要である。
親油性化合物は細胞膜を通過し、細胞質内で作用す
る。通常、水溶性化合物は細胞膜を容易には通過せず、
高い細胞内濃度を達成するには特別の膜透過機構を必要
とする。更に脂肪酸ヌクレオシド同族体誘導体それ自体
の油状性質は、製造、配合および抗ウイルス性配合物の
応用(特に局所的)を助ける。
効能試験 A.ウイルス自己複製の禁止、方法 1.ETC培地(Eagleの鉱質必須培地+10%トリプトースホ
スフェート肉汁+10%新生子牛血清)を含むペトリ皿に
幼ハムスターの腎臓細胞の一層を用意した。
2.培養の後に培地をそそぎ出し、ペトリ皿に付着した細
胞層を残した。ウイルス、特にたとえばタイプI(HSV
I)の単純ヘルペスウイルスをETC培地に含む溶液を次い
で更に添加し、1時間、継続的に揺り動かしながら培養
し、ウイルスを一層の細胞に付着させた。次いで、ウイ
ルス含有培地をそそぎ出して吸着されなかったウイルス
を除去し、新しい殺菌培地で2回洗浄した。次いで新し
い培地を各ペトリ皿に加えた。
3.更に24時間培養して、細胞に吸着されたウイルスを細
胞内で繁殖させた後に、培養物を処理して得られたウイ
ルスの量を測定した。最初にペトリ皿を−70℃で冷凍
し、解凍して細胞の一層を破砕し、細胞を破壊した。
次いで培地および破砕した細胞をビジョー(bijou)
瓶に移し、超音波処理によって細胞を完全に分解し、細
胞が含む全てのウイルス粒子を放出させた。超音波処理
した培地を次いで新しい殺菌したETC培地で希釈して当
初のペトリ皿流体の濃度を10-2、10-4、10-6および10-8
とした。
4.希釈液中のウイルス粒子数(斑点形成単位)を測定し
た。BHK細胞の標準数(通常8×106)を希釈溶液の2ml
に加え、ゆるやかに振とうしながら注意深く1時間培養
した。
次いで細胞懸濁液に、Eagleの鉱質必須培地8ml+2%
の新生子牛血清+カルボキシメチルセルロースを加え
た。
この培地はゲル化性を有していてウイルスが培地中に
分散することを防止し、細胞の単一層に不連続な斑点の
形成を助長する。各希釈液からの培地を次いでペトリ皿
に分配し、2〜3日培養した。
5.形成された斑点数を次いで数えた。斑点形成単位(pf
us)の数として表わされた活性ウイルスの量は以下のと
おりである。培地をそそぎ出し、細胞単一層を10%ホル
モル塩水を用いて固定し、希釈カルボール・フクシンで
染色した。各ペトリ皿の斑点を数えた。希釈度にもとづ
き、初めの溶液中の斑点形成・ウイルス粒子の数を計算
した。
B.ウイルスの不活性化、方法 1.2×105pfu/mlを含むウイルス溶液をホスフェート塩水
緩衝液(Dulbecco′sA)で調製した。
2.試験すべき化合物をDulbecco培地Aの適切な希釈範囲
で用意した。
3.ウイルス溶液と薬剤(化合物)溶液の等容積を混合し
た。また、薬剤を含まないコントロール溶液を用いた。
4.ウイルスと薬剤を適切な時間、この例では30分間、培
養した。
5.溶液中の活性ウイルス粒子数をA項の4および5のよ
うにして測定した。
C.結果、AZTおよびAHT AZT単独では単純ヘルペスウイルスの自己複製または
不活性化に関して効果がないことが知られている。たと
えばE.de Klerk et al.Biochemical Pharmacology.29.1
849(1980)参照。同様なことがAHTについても云える。
しかしながら本発明者らは、上述のようにして製造し
たアルコール形状のGLA、LA、GLA−AZTおよびGLA−AHT
および相当するLA化合物の単純ヘルペス、1型、Troisb
el菌株に対する効果を検討した。
最初の試験は、GLA−AZTまたはGLAアルコールがウイ
ルス自己複製を禁止するか否かの試験であり、上述した
方法を用いて行なった。GLAアルコールは全く効果のな
いことが見出された。
GLA−AZTの効能を下記第5表に示す。この表におい
て、数字は細胞+自己複製過程(3)の末期における培
地に存在するウイルス粒子の濃度pfu/mlである。
この数字は、AZT単独またはGLAアルコール単独の場合
と全く対照的にGLA−AZTの化合物はウイルス自己複製を
効果的に禁止できることを証明している。
この新規化合物は、その構成成分のいずれもが有して
いない性質、すなわちヘルペスウイルス自己複製を禁止
できることを明らかにした。同様な結果がAHTまたはLA
化合物を試験した場合にも得られた。
第2の研究はGLA−AZTおよびGLAアルコールがヘルペ
スウイルスを不活性化するか否かの試験である。結果を
下記第6表に示す。この表において、数字は薬剤の溶液
と共にウイルスを30分培養した後に存在するウイルス粒
子の濃度である。
第6表の数字はGLAアルコールおよびGLA−AZT共に単
純ヘルペスウイルスを不活性化することができるが、GL
A−AZTはより活性であることを証明している。同様にLA
はGLAおよびLA−AZTに匹敵する1〜3μg/mlの濃度で活
性であり、AHT誘導体に相当する結果を有する。
他の抗ウイルス性脂肪酸も誘導体として用いたときに
同様の活性を保持することが期待される。
要約すれば、AZTおよびAHT単独では単純ヘルペスウイ
ルスの不活性化または自己複製に効果がなく、GLA単独
およびLAのような他の酸はヘルペスウイルスの不活性化
にいくらか効果があるがウイルス自己複製の禁止は完全
に不可能である。
これに対して、AZT−GLAおよびAZT−LAおよび相当す
るAHT誘導体のような化合物はヘルペスウイルスの不活
性および自己複製の禁止の両方が可能である。後者の効
果は、特に、二つの薬剤の既知の別々の効能からは予測
できなかったことである。
D.結果、ACVおよび一般的材料 上述した方法を用いて、ACVおよびその誘導体に関し
て、およびAZTおよびAHTに関して下記の第7表にまとめ
た結果を得た。
抗HIV活性測定 HIVウイルスに関する結果をPauwels et alの方法〔Jo
urnal of Virological Methods.20.309−321(1988)〕
によって以下に示すように得た。
方法 MT−4細胞(2.5×104/well)をHIV(100CCID)で感
染させ、試験化合物(ウイルス感染後に直ちに添加)の
種々の濃度下の存在で培養した。CO2培養器で37℃で5
日間の培養後に、生存能力のある細胞数をMTT(テトラ
ゾュウム)法で測定した。化合物の抗ウイルス活性およ
び細胞毒性をED50(有効投与量50%)およびCD50(細胞
毒性50%)で夫々表わした。SI(選択指数)はCD50/ED
50である。
結果 下記第8表およびで第9表に、HTLV−IIIBおよびLAV
−2RODウイルスに関する結果を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C07D 473/18 C07D 473/18 C07H 19/073 C07H 19/073 (72)発明者 ジョン・チャールス・マーシャル・スチ ュワート 英国、イングランド、サリー ジー・ユ ー1 1ビー・エイ、ギルドホード、ウ ッドブリッジ・メドウズ、エフアモル・ ハウス内(番地なし) (72)発明者 マイケル・デイビッド・ウインザー 英国、イングランド、サリー ジー・ユ ー1 1ビー・エイ、ギルドホード、ウ ッドブリッジ・メドウズ、エフアモル・ ハウス内(番地なし) (56)参考文献 特開 昭51−26883(JP,A) 特開 昭51−32573(JP,A) 特公 昭46−37827(JP,B1) 欧州公開130126(EP,A1) Journal of Medici nal Chemistry,19 (5),1976,p654〜662 Journal of Medici nal Chemistry,19 (5),1976,p663〜667 Journal of Medici nal Chemistry,19 (5),1976,p667〜674 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A61K 31/52 A61K 31/505 A61K 31/70 C07D 405/04 C07D 473/18 C07H 19/073 WPIL(DERWENT)

Claims (18)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】n−6およびn−3系(C:18以上)の脂肪
    酸の不飽和長鎖状脂肪族アシル基が糖/糖同族体または
    ヌクレオシドまたはヌクレオシド同族体のヘテロ環部分
    のヒドロキシまたはアミノ基に直接的に結合している抗
    ウイルス性薬剤。
  2. 【請求項2】脂肪族アシルAZTまたはAHTエステルである
    請求項1記載の薬剤。
  3. 【請求項3】脂肪族アシルアシクロビイアエステル、ア
    ミドまたはエステル/アミドである請求項1記載の薬
    剤。
  4. 【請求項4】脂肪族アシルddC、ddA、D4Tおよびガンシ
    クロビイア誘導体である請求項1記載の薬剤。
  5. 【請求項5】前記請求項1,2または3による化合物が薬
    剤単独として、または薬学的に許容される希釈材または
    担体を用いて製造される、増強または禁止作用を有す
    る、ウイルス性感染の治療に用いるための薬剤の製造方
    法。
  6. 【請求項6】前記請求項4による化合物が薬剤単独とし
    て、または薬学的に許容される希釈剤または担体を用い
    て製造される、増強または禁止作用を有する、ウイルス
    性感染の治療に用いる薬剤の製造方法。
  7. 【請求項7】誘導体がヌクレオシドの5′位置または場
    合によっては同族体のヒドロキシ置換炭素の、請求項1
    に示した脂肪酸で形成されるエステルである、ペント−
    スヌクレオシド誘導体、またはペントースの位置に脂環
    基を有し、該脂環基がペントースの5′位置に相当する
    位置にヒドロキシ置換炭素を有する該誘導体の同族体。
  8. 【請求項8】請求項7による脂肪族アシルAZTまたはAHT
    エステル。
  9. 【請求項9】請求項7による脂肪族アシルアシロビイア
    エステル、アミドまたはエステル/アミド。
  10. 【請求項10】請求項7による脂肪族アシルddC、ddA、
    D4Tおよびガンシクロビイア誘導体。
  11. 【請求項11】請求項7,8または9による化合物が薬剤
    単独として、または薬学的に許容される希釈剤または担
    体を用いて製造される、自己複製禁止活性の損失なし
    で、増強または禁止作用を有する、ウイルス性感染の治
    療に用いる薬剤の製造方法。
  12. 【請求項12】請求項10による化合物が該薬剤単独とし
    て、または薬学的に許容される希釈剤または担体を用い
    て製造される、自己複製禁止活性の損失なしで、増強ま
    たは禁止作用を有する、ウイルス性感染の治療に用いる
    薬剤の製造方法。
  13. 【請求項13】請求項1に示したような脂肪酸によって
    形成されたエステル誘導体の形状であるヘルペスまたは
    他のウイルス性感染に対して活性なAZTおよびAHT、また
    はddC、ddAまたはD4T。
  14. 【請求項14】請求項13に示したようなAZTまたはAHT、
    またはddC、ddAまたD4T誘導体が薬剤単独として、また
    は薬学的に許容される希釈剤または担体を用いて製造さ
    れるヘルペスウイルス感染、特に単独ヘルペスおよびヘ
    ルペス帯状疱疹または他の鋭敏ウイルス感染の治療のた
    めの薬剤の製造方法。
  15. 【請求項15】請求項1に示したような脂肪酸の抗ウイ
    ルス性エステルまたはアミド誘導体の形状であるアシク
    ロビイアまたはガンシクロビイア。
  16. 【請求項16】請求項15に示したようなアシクロビイア
    またはガンシクロビイア誘導体が薬剤単体としてまたは
    薬学的に許容される希釈剤または担体と共に製造される
    ウイルス感染の治療のための薬剤の製造。
  17. 【請求項17】前記n−6系の脂肪酸が、リノール酸、
    γ−リノレン酸、ジホモ−γ−リノレン酸、アラキドン
    酸、アドレン酸、又は22:5 n−6である請求項1記載の
    薬剤。
  18. 【請求項18】前記項n−3系の脂肪酸がα−リノレン
    酸、18:4n−3、20:4n−3、20:5n−3、22:5n−3、又
    は22:6n−3である請求項1記載の薬剤。
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