JP2952060B2 - プラズマ爆破法 - Google Patents

プラズマ爆破法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は岩石のような物質を破砕
するプラズマ爆破法に関し、さらに詳しく言えば硬い岩
石の採掘用プラズマ爆破法に関する。
【0002】
【従来の技術】硬い岩石を採掘する伝統的方法は下記の
手順で行なうバッチ方法である。即ち岩石にドリルで穴
をあけ、穴のなかに爆薬が入れられ、採掘作業者は退避
し、次いで爆薬が爆発させられ、ある量の岩石が固まっ
た岩塊から分離させられ、爆発によって発生するガスは
そこで採掘作業員が帰って来ることができるまえに外に
換気させられる。
【0003】長年にわたって硬い岩石の採掘の効率を改
善するため数多くの試みがなされた。例えば岩石の表面
を連続して加工すること、岩石を小さな固まりに削るこ
となどである。一般に連続する機械的岩石採掘機械は軟
らかい、より容易に加工できる岩石のタイプのみに適し
ている。
【0004】硬い岩石を片状に破壊する電気的方法は幾
人かの研究者によって試みられた。1つのそのような技
術は、スフェドベルグ(svedberg)によって1
905年に既に試験された電気水力学的破砕法である。
彼は、‘マイニング・エンジニヤリング’1984年9
月号頁1305〜1309に掲載の‘電気的及び超音波
エネルギ使用の新規な細砕法’という題の論文におい
て、ビー・エチ・パレクその他によって報告されたよう
に液体内のコンデンサ放電によって、コロイド状の金属
懸濁物を作った。電気水力学的効果とその岩石を片状に
破砕することでのその潜在的適用はエチ・ケー・カッタ
によって広範囲に研究され、米国鉱山局によって196
9年公刊された(‘電気水力学的効果:岩石破砕におけ
る潜在的適用’と題した研究報告7317を見よ)。電
気水力学的効果についての追加の刊行物は‘エンジニヤ
リング及びマイニング・ジャーナル’の1961年第6
2巻(2)、頁134〜140に見られ、ここで電気水
力学的クラッシャが記載されており、‘エンジニヤリン
グ及びマイニング・ジャーナル’の1970年2月号の
頁88〜89に上記の米国鉱山局発行物の要約が与えら
れている。
【0005】いくつかの特許がまたこの分野で出てお
り、それらの特許は衝撃波を発生させるのに水中での電
気放電の重要性を認めている。例えば、ディー・エス・
ローリに与えられた1964年11月24日の米国特許
第3,158,207はこの原因によって作動するスパ
ーク放電ドリルを開示する。エル・アール・パドベルグ
・ジュニヤに1968年1月23日の米国特許第3,3
64,704号はこの現象の優れた全体的再吟味を与え
る。また、エヌ・ディ・スミス・ジュニヤに与えられた
1970年3月17日の米国特許第3,500,492
と、エル・アール・パドベルグ・ジュニヤに与えられた
1971年6月8日の米国特許第3,583,766
号、及びオヘヤに与えられた1972年7月25日の米
国特許第3,679,007号は、水のような流体のな
かに浸漬された2個の電極のあいだに放電が起こり、よ
って高温高圧のプラズマを電極のあいだに発生するドリ
ル穴を開示している。プラズマの膨張は強い圧力また衝
撃波を生み出し、これがドリルで穴をあける効果を大き
くする。電気水力学的破砕の主だった欠点は、圧力の脈
動が拡がりまたエネルギの大きな割合が水のなかで分散
することである(上記のパレク及びその他の人の論文を
みよ)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】さて本発明出願者は驚
くべきことであるが、爆破されるべき物質の閉じ込めた
領域内にある電解液に浸漬した同軸の電極の2本の極の
間隙を横切って少なくとも3×10億ワット、好適な場
合には4×10億ワットを超えるピーク値のパワーが得
られるまで、1×100万分の1秒当たりに少なくとも
100×100万ワット、好適な場合200×100万
ワットを超える割合で電気エネルギを放出することによ
って、我々は電解液の絶縁破壊を起こすことができ、そ
の結果としてそのような閉じ込めた領域内にプラズマを
形成し、そのプラズマの形成は大きい爆発力のある爆薬
のようにそのような物質を爆破するに充分な圧力を作り
出すことを発見した。
【0007】電解液は水または絶縁破壊に適した溶液で
あることができる。好適な電解液は硫酸銅の溶液であ
る。
【0008】電解液は爆破のまえに閉じ込められた領域
から流出しないように充分の粘性を与えるためベントナ
イトまたはゼラチンのようなゲル化剤とまた結合させら
れることができる。
【0009】
【実施例】本発明を実施例によって、添附図面を参照し
て開示する。図1を参照して、本発明によるプラズマ爆
破法は従来のドリル穴あけによって岩石表面に穴10を
あけることを要求する。粘性のある電解液12、例えば
硫酸銅電解液の少量が穴のなかに射出され、また同軸の
爆破電極14が穴のなかに挿入される。電気エネルギ、
代表的には300から1000キロ・ジュールの電気エ
ネルギが穴のなかに閉じ込められている電解液約20〜
25グラムのなかに放出される。穴の代表的寸法は直径
約50mm、深さ約500mmである。これらの寸法は
爆破電極の大きさとエネルギ入力の量によって変る。穴
の直径は、爆破電極がぴったりと穴に嵌まり、またエネ
ルギ入力がより大きければ穴はより深くあるべきであ
る。穴にぴったり嵌まる爆破電極は2つの目的に奉仕す
る、即ち(1)それは電極にエネルギを運ぶ、(2)そ
れは穴をふさぐことにより、爆風に対して要求される閉
じ込めを与える。電気エネルギを速やかに放出すること
は所望の高いピーク圧力を展開するために重要である。
代表的なエネルギ放出の割合は、図2に示すように少な
くとも3×10億ワット、好適な場合4×10億ワット
以上のピーク値のパワーが得られるまで、1×100万
分の1秒当たり少なくとも100×100万ワットで好
適な場合200×100万ワットを超える。発生するピ
ーク値の圧力は1×10億パスカル、即ち10,000
気圧を超え、これは大きい爆発力のある爆薬のように硬
い岩石を爆発するのに充分であることが分っている。本
発明出願者は、もしエネルギ放出の割合が、例えば第2
図で点線で示されるように100万分の1秒当たり10
0×100万ワットより低いならば、またはピーク値の
パワーが実質的に3×10億ワットより低いならば、放
出されるエネルギの量(曲線の下の面積)は本質的には
同じであるが、岩石を適当に爆破するには不充分な圧力
が作られる。
【0010】爆破に要求される電気エネルギは、都合よ
く適当な直流パワー供給装置18によって充電されてい
るコンデンサ・バンク16のなかに貯えられる。大電流
スイッチ20、例えば米国特許第4,897,577号
に記載されているスイッチが、爆破のときに爆破電極に
代表的場合として500キロ・アンペヤを流すのに使用
される。スイッチは、ファイバ光学ケーブルまたは空気
動力チューブを通って遠隔引き金24によって起動させ
られる引き金装置22によって作動されて作業者に対し
ては完全な電気的孤立を与える。コンデンサ・バンク
は、パワー損失を小さくし強い衝撃波ができるようエネ
ルギを岩石のなかに速やかに放出することを(上記の開
示した割合で)確実にするため、最小のインダクタンス
と抵抗となるよう設計されている同軸パワー・ケーブル
26を含む電気回路を通って爆破電極に連結されてい
る。
【0011】爆破のまえに、電極は接地電位に維持され
るが、スイッチが入ると、同軸電極の中心リード線の電
圧はコンデンサ・バンクの高い電圧まで上げられる。そ
こで穴のなかの電解液は絶縁破壊を受け極めて高い温度
と圧力のプラズマを作る。このようにして、多量のエネ
ルギが非常に短い時間でコンデンサ・バンクから電極の
周りの閉じ込めた領域のなかの小さい量の電解液のなか
に移行し、それによって電解液の全体の決った量を瞬間
的にプラズマに変え、プラズマはそこでこのエネルギを
圧力波によって放出し、その結果としてダイナマイトま
た他の爆薬によって得られる爆破に似た爆発を作らねば
ならない。プラズマ電極には爆発の電極への破壊的効果
を減衰させるためにはね返る機構が設けられる。
【0012】図3は連続採砿及びトンネル掘削機械30
の図である。この機械30の後方にはコンデンサ・バン
クと機械の前方に位置する1個または数個のブーム34
のうえに取り付けた爆破電極を爆発させるための関連す
る機器32が取り付けられている。ドリル穴をあけ爆破
するヘッド36がブーム34の一端に設けられる。砿床
面から爆破された岩石は機械の前方で機械の後方に向か
って延びるコンベヤ38のうえに集められ、コンベヤ3
8は従来の輸送機器に岩石を載せる。
【0013】本発明は好適な実施例について開示されて
いるが、本発明はそのような実施例に限定されないこと
及び他の代りの実施例がまた以下の特許請求の範囲内で
頭のなかで組みたてられることを理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるプラズマ爆破法用として電気エネ
ルギの貯蔵と放出に要求される機器の略図、
【図2】岩石を破壊するに要求されるエネルギの割合と
ピーク値のパワーを図示するグラフ、及び
【図3】プラズマ爆破用の連続採砿とトンネル掘削機械
の図である。
【符号の説明】
10 穴 12 粘性のある電解液 14 同軸爆破電極 16 コンデンサ・バンク 18 電力供給源 20 スイッチ装置 22 引き金装置 30 トンネル掘削機械 32 コンデンサ・バンク 34 ブーム 36 ドリル穴あけ及び爆破ヘッド 38 コンベヤ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) E21C 37/18 F42D 1/00 - 7/00

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1×100万分の1秒当たりに少なくと
    も100×100万ワットの割合で、少なくとも3×1
    0億ワットのピーク値のパワーが爆破すべき物質の閉じ
    込めた領域内の電解液のなかに浸漬された同軸の電極ア
    センブリの2つの極の間隙を横切って得られるまで、電
    気エネルギを電解液の絶縁破壊を起こすよう放出し、そ
    の結果として前記閉じ込めた領域内にプラズマを形成
    し、このプラズマ形成が大きい爆発力のある弾薬のよう
    に前記物質を爆破するに充分な圧力を作ることを含むこ
    とを特徴とするプラズマ爆破方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の方法において、エネル
    ギを放出する割合は1×100万分の1秒当たりに20
    0×100万ワットを超えることを特徴とするプラズマ
    爆破方法。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の方法において、ピーク
    値のパワーは4×10億ワットを超えることを特徴とす
    るプラズマ爆破法。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の方法において、電解液
    は硫酸銅溶液であることを特徴とするプラズマ爆破方
    法。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の方法において、電解液
    はその粘性を増加させるためゲル化剤と結合されること
    を特徴とするプラズマ爆破方法。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の方法において、ゲル化
    剤はベントナイトであることを特徴とするプラズマ爆破
    方法。
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