JP2951411B2 - 材質均一性に優れた高加工性熱延高張力鋼板の製造方法 - Google Patents

材質均一性に優れた高加工性熱延高張力鋼板の製造方法

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JP2951411B2 JP2414101A JP41410190A JP2951411B2 JP 2951411 B2 JP2951411 B2 JP 2951411B2 JP 2414101 A JP2414101 A JP 2414101A JP 41410190 A JP41410190 A JP 41410190A JP 2951411 B2 JP2951411 B2 JP 2951411B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、コイル長手方向にお
ける材質が均一な成形加工性に優れた熱延高張力鋼板の
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に熱延鋼板は、降伏点および引張り
強さ等の強度が上昇するに従って全伸び、曲げ等の延性
が低下し、高張力鋼になるほど冷間加工の用途には不向
きとなるが、近年各種の分野において、高張力鋼板が使
用されるようになり、冷間加工性に優れた熱延高張力鋼
板の開発が強く要求されている。フェライト・マルテン
サイト複合組織型熱延高張力鋼板は、このような背景か
ら開発された高張力鋼板で、低降伏比でかつ強度−延性
バランスが優れるという材質特性を有し、自動車用のホ
イール用材料などに現在55〜70kgf/mm2 級のものが使用
されている。
【0003】ところでホイールディスクは複雑な形状の
部品であり、その製造過程において材料には種々の様式
の冷間加工、すなわち曲げ加工、張出し加工、深絞り加
工、曲げもどし加工および伸びフランジ加工等の厳しい
加工が加えられるため、これらに使用される材料につい
ては上記した各種の加工性に耐え得る総合的な加工性が
要求される。また、加工後の製品については特に疲労強
度に優れることも必要とされる。
【0004】しかしながら、従来のフェライト・マルテ
ンサイト複合組織型熱延高張力鋼板には、 (1) 組織の異方性に基づく機械的性質の異方性によっ
て、成型後の製品寸法精度が材料の圧延方法と直角方向
とでは異なる、 (2) 同じく機械的性質の異方性により、圧延直角方向の
伸びフランジ性およびバーリング加工性が劣る、 (3) 曲げ−曲げもどし加工性が他の高張力鋼板よりも劣
る、 (4) 耐疲労特性が他の高張力鋼板よりも劣る、等の材料
特性上の難点があった。また熱延ままでフェライト・マ
ルテンサイト複合組織を得るためには、その成分中、S
i, Mn, Cr, Pなどの含有率を高くする必要があり、製
造コストの点での不利もあった。
【0005】上記の問題の解決策として、特開昭57−14
5965号公報および特開昭58−2485号公報に、C−Si−Mn
鋼に冷却制御と巻取り温度制御を施すことによって鋼組
織をフェライト・ベイナイト複合組織とした熱延高張力
鋼板が提案されている。しかしながらかようなフェライ
ト・ベイナイト複合組織型熱延高張力鋼板は、上記した
フェライト・マルテンサイト複合組織型熱延高張力鋼板
の難点のみの改善を図ったものであって、低降伏比特性
や伸び特性、張出し加工性、深絞り成形性等に関しては
逆にフェライト・マルテンサイト複合組織鋼よりも劣っ
ており、総合的な複合成形性の観点からみると、必ずし
もすべてが良好な高張力鋼板とは言えなかった。
【0006】この点、出願人会社は先に、特開昭2−17
5817号公報において、上記の問題を解決するものとし
て、一般用C−Si−Mn系と類似の成分鋼を用いて、フェ
ライト・マルテンサイト複合組織型熱延高張力鋼板およ
びフェライト・ベイナイト複合組織型熱延高張力鋼板の
もつ材質特性上のそれぞれの利点は残しつつ、しかも、
欠点は有利に解消して、総合的な複合成形性に優れた新
たな複合組織型熱延高張力鋼板を提案した。
【0007】ところで、上記したような複合組織型熱延
高張力鋼板についてはいずれも、その製造時に厳密な温
度管理を必要とするところ、通常の熱間圧延では仕上げ
圧延の際、シートバーの先後端部では局部的な温度降下
を余儀なくされ、またシートバーの後端にいくほどホッ
トランテーブル上での待機時間が長いことから、シート
バーの中央部と後端部とでは相当の温度差を生じ、それ
故熱延板全長にわたって均質な材質とすることは難しか
った。
【0008】この点、特公昭52-45304号公報において、
粗圧延後の条材を一旦コイルに巻取り、ついで巻き戻し
ながら仕上げ圧延に供する間に、後続の条材を順次コイ
ルに巻取り、同様に処理することにより、コイルを連続
して圧延する方法が提案された。この圧延方法によれ
ば、ホットランテーブルの長さを短縮できるだけでな
く、ホットランテーブル上での待機中におけるシートバ
ー先端部の温度降下を効果的に抑制できるので、少なく
ともシートバー先端部すなわちコイルの巻き戻し尾端の
材質改善については有効と考えられる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記の圧
延方法を用いてもなお、前掲特開昭2−175817号公報に
開示したフェライト・ベイナイト複合組織型熱延高張力
鋼板の製造に際しては、コイルの先後端における材質の
劣化が免れ得なかった。というのは上記の圧延方法は、
所詮はコイル毎に処理する方法であるので、シートバー
の先端から後端にかけて不可避に生じる温度勾配の解消
についてはともかく、少なくともシートバーの巻き戻し
先端部における温度降下については、依然として避け得
なかったからである。またとくに上記の熱延高張力鋼板
の製造に際しては、仕上げ圧延後、所定の低温度域まで
急冷する必要があるところ、先端部は仕上げ圧延機を通
過してコイラーに巻き付くまでの間、一方後端部は仕上
げ圧延機を通過後コイラーに巻き取られるまでの間いず
れも、鋼板が拘束されていないため、急冷した場合に
は、形状の乱れのみならず、冷却の不均一を招いていた
からでもある。このため従来は、先後端部については急
冷処理を施さず、その結果目標材質とできなかった部分
については、その切捨てを余儀なくされていた。従って
生産性は著しく阻害され、コスト高を招いていた。
【0010】この発明は、上記の問題を有利に解決する
もので、仕上げ圧延後、厳密な温度管理を必要とするよ
うな鋼材についても、コイル全長にわたって所定の熱処
理を適切に施すことができ、ひいてはコイル全長にわた
り均一な材質とすることができる高加工性熱延高張力鋼
板の製造方法を提案することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】すなわちこの発明は、 C:0.05〜0.30wt%(以下単に%で示す)、 Si:1.0 %以下、 Mn:1.0〜2.5 %および Al:0.005〜0.10% を含有する鋼スラブを、粗圧延後、仕上げ圧延温度 : 8
00〜1000℃の条件で熱間圧延するに際し、粗圧延を経た
シートバーを一旦コイルに巻取り、その後巻き終わり端
から仕上げ圧延を開始し、その後端に、後続するシート
バーの巻き終わり端を順次に接続して、仕上げ圧延を連
続的に行い、この仕上げ圧延に引き続き、40℃/s以上の
冷却速度で 300℃以下まで冷却したのち、 725〜840 ℃
の温度範囲に再加熱して5〜200 秒間保持し、しかるの
ち3〜50℃/sの冷却速度で 300℃以下まで冷却すること
からなる材質均一性に優れた高加工性熱延高張力鋼板の
製造方法である。
【0012】この発明における最大の特徴は、粗圧延後
の熱間仕上げ圧延工程である。以下、図面に従いこの熱
間仕上げ圧延工程を具体的に説明する。図1に、この発
明の実施に用いて好適な熱間仕上げ圧延ラインを模式で
示し、また図2には、実際の巻取り、巻き戻しおよび接
合要領を図解する。なお図示したところにおいて、番号
1は粗圧延機、2はシートバーコイラー、3はアンコイ
ラー、4は接合装置、5は仕上げ圧延機であり、またC
1 で最先のコイル、C2 で2番目のコイル、C3 で3番
目のコイルを示す。
【0013】さてこの発明ではまず、粗圧延後の最先の
シートバーをコイルC1 として巻取る。ついでコイルC
1 を巻き戻し、巻き戻し端を仕上げ圧延機5に供給する
一方で、2本目のシートバーをコイルC2 として巻取
る。次に、コイルC1 の仕上げ圧延終了前に、コイルC
1 の尾端とコイルC2 の巻き戻し先端とを接合して、仕
上げ圧延の連続化を図ると共に、一方で3本目のシート
バーをコイルC3 2として巻取る。以後、上記の工程を
繰り返すことにより、連続して仕上げ圧延を行うのであ
る。
【0014】粗圧延を終えたシートバーをコイルに巻取
り、その後巻き戻しながら仕上げ圧延を行うことによ
り、粗圧延における被圧延材の先後端が、仕上げ圧延で
は逆転されて圧延されることになる。このため、粗圧延
先行端側から後尾端側にかけて不可避に生じる温度勾配
の下で、被圧延材が仕上げ圧延では温度の低い粗圧延で
の後尾端側から圧延されることになり、仕上げ圧延では
被圧延材全長にわたって温度が均一化される。また粗圧
延後コイルに巻取ることによる、温度の均一化効果があ
り、とくに粗圧延での圧延先端の局部的温度低下部分
は、粗圧延後コイル内に巻き込まれることによって復熱
し、均一化された温度となり、仕上げ圧延されることに
なる。さらに、粗圧延後のシートバーをコイルに巻取る
ことにより、先行するシートバーとの接続を容易にし、
この接続により最初の圧延材の先端部および最終の圧延
材の後端部を除いて、仕上げ圧延では圧延端のない圧延
を実施でき、それ故仕上げ圧延での圧延端の局部的温度
低下がなくなる。
【0015】従って後述するように、仕上げ圧延終了
後、所定の低温度域まで急冷したとしても、形状の乱れ
や冷却の不均一が生じることはなく、製品コイル全長に
わたり均一な材質が得られるのである。ここに仕上げ圧
延前に接続した部分は巻取り時に切断し、別コイラーで
巻取ることにより連続圧延−冷却を実現する。
【0016】なおシートバーの溶接方法はとくに限定す
るものではないが、、アップセット溶接や高周波加熱溶
接などがとりわけ有利に適合する。また上記の例では、
接合装置をシートバーの走行と同期させて移動させる間
に接合処理を行う場合について示したが、その他、接合
装置を停止した状態で接合処理を行う場合には、この接
合装置と仕上げ圧延機との間にルーパを配置すれば良
い。
【0017】
【作用】この発明は優れた複合成形性を確保するため
に、従来とは異なる新しいタイプの複合組織を形成させ
ることをねらいとして開発されたものである。すなわち
従来鋼ではポリゴナルフェライト相の素地中に塊状のマ
ルテンサイト相が分散している組織となっているのに対
し、この発明鋼の場合、素地は焼戻しマルテンサイト相
であって、焼戻しマルテンサイト相のラスに相当する部
分に新しく形成された微細マルテンサイト相があり、こ
れが均一に分散した複合組織を呈している。このような
複合組織鋼板は、熱延、冷却後に一旦マルテンサイト相
を主体とする組織とした後、2相域での再加熱、冷却処
理を施した場合にのみ得られるものであって、焼戻しマ
ルテンサイトの部分は旧組織のマルテンサイトが焼戻さ
れてフェライトとなった部分に相当し、微細マルテンサ
イトの部分は旧組織のマルテンサイトのラス部分が2相
域再加熱時にオーステナイト化した後、冷却時点で再び
マルテンサイトになったものである。そしてこのような
複合組織が形成された場合に、従来の複合組織鋼とは異
なる性質が発現するである。
【0018】また、従来の複合組織鋼での硬質相は高炭
素マルテンサイトであるが、この高炭素マルテンサイト
相は強度が高いからほとんど変形能がないので、加工変
形は素地軟質相であるフェライト相が受け持ち、フェラ
イトは著しく加工硬化する。そしてフェライト相の加工
硬化が高炭素マルテンサイトの強度と同じ水準に達した
とき、硬質相はボイド核として作用するのでたちまちボ
イドの増殖を起し破断する。これに対し、この発明鋼で
は低炭素マルテンサイトを硬質相、焼戻しマルテンサイ
トを軟質相とし、加工の初期段階では軟質相が変形を受
け持つが、硬質相の低炭素マルテンサイトは高炭素マル
テンサイトよりもはるかに変形能が大きいので、軟質相
の加工硬化が低炭素マルテンサイトの強度と同じ段階に
なったとき、硬質相も変形を受けもつようになる。した
がって、それ以降の段階では軟質相と硬質相が一体とな
って変形が進み、しかも硬質相がボイド核として作用す
ることもないから、破断変形時期が遅滞するので高加工
性が得られるのである。
【0019】以上のとおりであるから、この発明鋼の組
織とした場合に、低降伏比特性、高伸び特性、良張出し
加工性、良曲げ加工性、良伸びフランジ性、良深絞り加
工性および良繰り返し曲げ加工性などの総合的複合成形
加工性に優れた材質特性が得られるのである。なお、こ
のような複合組織は、この発明に従う製造工程を経た場
合にのみ得られるものであって、従来の熱延ままでの製
造工程はいうまでもなく、熱延後再加熱する製造工程で
あっても、熱延後の組織がフェライト・パーライト組織
やベーナイト組織である場合には得られない。
【0020】この発明は、このような複合組織を得るた
めの条件として、化学成分をはじめとして、熱延条件、
熱延−冷却終了時点での中間組織およびこれに引き続く
再加熱−冷却処理条件などに関して適正範囲を設けたも
のである。以下にその限定理由について述べる。
【0021】 (1) 化学成分範囲の限定理由 C:0.05〜0.30%Cは、必要な強度を得るため、また最
終組織を焼戻しマルテンサイトと微細マルテンサイトと
の複合組織とするために必須の元素であり、少くとも0.
05%を必要とするが、0.30%を超えると溶接性が悪化す
るので、0.05〜0.30%の範囲に限定した。
【0022】Si:1.0 %以下Siは、固溶強化と良好な複
合組織化を助長して強度−伸びバランスの改善に有効に
寄与するが、含有量が 1.0%を超えると赤スケールが発
生して曲げ加工性の劣化を招くので、 1.0%以下の範囲
で含有させるものとした。
【0023】Mn : 1.0〜2.5 %Mnは、Cと同じく必要な
強度と所望の複合組織を得るために有用な元素であり、
少なくとも 1.0%の含有を必要とするが、 2.5%を超え
ると溶接性が劣化するので、含有量は 1.0〜2.5 %の範
囲に限定した。
【0024】Al : 0.005〜0.10%Alは、脱酸作用によっ
て鋼の清浄度を高める有用元素であるが、 0.005%に満
たないとその添加効果に乏しく、一方0.10%を超えて添
加してもその効果は飽和に達し、かえって伸び特性の劣
化を招くので、 0.005〜0.10%の範囲で含有させるもの
とした。
【0025】この発明鋼は、基本的には上記範囲のC,
Si, MnおよびAl量に調整することによって製造すること
ができるけれども、次に述べる元素についてもその含有
量を適正に調整すれば、材質の一層の向上が望み得る。
その作用と適正量を以下に述べる。
【0026】Nb,Ti:これらはいずれも、析出強化元素
であり、適量で使用すれば溶接性を劣化させることなく
強度を上昇させることができる。ここに適量とは、Nbの
場合は0.005 〜0.10%、Tiの場合は0.01〜0.20%の範囲
である。いずれの元素においても適量範囲の下限は、下
限未満の量では添加した効果が得られないためであり、
また上限はこれを超えて添加しても効果が飽和するため
である。
【0027】Cr, Ni, Mo:これらの元素はいずれも、焼
入れ性を向上させる元素であり、適量で使用すれば熱
延、冷却まま時点でのマルテンサイト比率の増大,およ
びマルテンサイトのラス構造を微細化する作用を通じ
て、次工程における2相域再加熱−冷却処理後の最終的
な複合組織を良好なものとし、各種の成形加工性を向上
させる。かかる効果を得るためにはいずれも0.10%以上
の添加が必要であるが、いずれも高価な元素であるから
製造コストの観点からこれらの上限をCr+Ni+Mo≦0.50
%にするのが望ましい。
【0028】Ca:CaS としてS系介在物を微細球状化す
る形態制御の効果があり、機械的性質とくに伸びフラン
ジ性、バーリング加工性および圧延異方性等の改善に有
効に寄与する。かかる効果を得るためには0.0005%以上
の添加が望ましいが、0.030 %を超えて添加してもその
効果は飽和に達するばかりでなく、逆に清浄度を悪化さ
せるので、添加する場合には0.0005〜0.030 %の範囲と
するのが好ましい。
【0029】P,S:これらの元素はいずれも、偏析の
助長、非金属介在物の増加等を生じ、各種加工性に対し
て悪影響を及ぼすので、極力低域することが望ましい。
しかしながらPの場合は0.015 %以下、またSの場合は
0.010 %以下程度の範囲で許容できる。
【0030】 (2) 熱延条件の限定理由 この発明鋼の製造に当っては、通常の方法で溶製された
鋳片を直接圧延するか、もしくは一旦冷却後加熱炉で再
加熱してから熱間圧延を行うが、この熱間圧延に際し、
仕上げ圧延温度と、圧延後の冷却条件を以下のように限
定することが肝要である。
【0031】i) 仕上げ圧延温度 : 800〜1000℃。これ
は最終組織として、異方性が無く、均一・微細マルテン
サイトを有する複合組織を得る上で必要な要件である。
すなわちこの発明に従い、良好な複合組織を得るために
は、熱延、冷却後の時点での組織をできるだけ均一微細
なマルテンサイト単相組織に近付けることが重要である
が、仕上げ圧延温度が 800℃未満では、低温圧延によっ
てオーステナイト粒の微細化およびオーステナイト粒内
への圧延歪の導入が起り、この部分から初析フェライト
が発生し易くなり、目的とする組織が得られない。一
方、仕上げ圧延温度が1000℃を超えると、オーステナイ
ト粒が粗大となり過ぎ、マルテンサイト相の粗大化を招
く。
【0032】ii) 熱延後冷却条件:40℃/s以上の冷却速
度で 300℃以下まで冷却この発明における熱延後の冷却
条件の限定は、仕上げ圧延温度の場合と同じく、熱延、
冷却後の時点での組織を均一微細なマルテンサイト単相
組織を得るために必要な要件として定めたものである。
ここで冷却速度を40℃/s以上および急冷後の温度を300
℃以下とした理由は、冷却後のマルテンサイト比率を50
%以上とするためであって、40℃/s未満の冷却速度ない
し急冷後の温度を300 ℃超えとした場合には、冷却後の
組織中の初析フェライト、パーライト、ベイトナイト等
の合計比率が50%以上となって、異方性および均一性が
悪化するからである。なお、冷却速度の上限はとくに規
定しないけれども、 200℃/sを超える速度で冷却しても
効果は飽和に達するので、 200℃/s以下程度の冷却速度
とするのが好ましい。ここに熱延冷却後の鋼組織におい
て50%以上のマルテンサイトを必要とする理由は、50%
未満のマルテンサイト比率となった場合には、次工程で
行う2相域再加熱処理後の新マルテンサイトの分布状態
が悪くなり、この発明で目的とする材質特性が得難いか
らである。
【0033】 (3) 2相域再加熱条件および冷却処理条件の限定理由 良好な加工性を得るために、この発明で目標とする組織
は、焼戻しマルテンサイトと微細マルテンサイトの微細
組織であり、このため2相域へ再加熱したのち冷却す
る。ここに焼戻しマルテンサイトは、熱延後のマルテン
サイトが焼戻されてフェライトとなった部分に相当し、
一方微細マルテンサイトは2相域加熱後にオーステナイ
ト化した部分が冷却した時点で再びマルテンサイト化し
た部分である。従って、一部オーステナイト化するため
には、 725℃以上の温度域に少なくとも5秒保持する必
要があり、その後再びマルテンサイト化するためには、
3〜50℃/sの冷却速度で 300℃以下まで冷却することが
必要である。再加熱温度が 840℃を超えるとオーステナ
イト化が進行しすぎてかえって目標とする組織が得られ
ず、また保持時間が 200秒を超えると生産性の低下を招
くので、再加熱条件は 725〜840 ℃、5〜200 秒間に限
定した。さらに冷却制御温度領域の上限を300 ℃とする
理由は、この温度以上で冷却制御を終えると、新マルテ
ンサイトの形成が不十分となり、目的とする材質を得る
ことができなくなるからである。
【0034】
【実施例】C:0.15%, Si:0.05%, Mn:1.51%および
Al:0.020 %を含み、残部は実質的にFeの組成になる鋼
スラブを、粗圧延後、表1に示す種々の条件で熱間圧延
し2.6 mm圧の熱延板とした。なお熱延後の鋼組織は同表
に示したとおりである。ついで各熱延板を、酸洗後、連
続焼鈍炉で同じく表1に示す条件で再加熱処理した。か
くして得られた熱延鋼板の引っ張り特性について調べた
結果を、表2に併記する。また図3には、コイル No.
4、No.18 およびNo.19 についてコイルの長手方向にわ
たる引っ張り特性の変化状況について調べた結果を示
す。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】表2より明らかなように、この発明に従い
製造した鋼板は、長手方向における材質差が極めて少な
い。なお、No.12, No.16は、材質差は小さいけれども、
目的とする強度または延性が得られていない。
【0038】
【発明の効果】かくしてこの発明に従い、実質的に均一
な加工温度で、しかも連続的にシートバーを仕上げ圧延
し、さらに的確な温度管理の下で冷却および再加熱処理
を行うことにより、材質均一性に優れた高加工性熱延高
張力鋼板を高生産性の下で得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施に用いて好適な熱間仕上げ圧延
ラインの模式図である。
【図2】この発明に従う、巻取り、巻き戻しおよび接合
要領の説明図である。
【図3】コイル長手方向にわたる引っ張り特性の変化状
況を示したグラフである。
【符号の説明】
1 粗圧延機 2 シートバーコイラー 3 アンコイラー 4 接合装置 5 仕上げ圧延機
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−224622(JP,A) 特開 平4−221025(JP,A) 特開 平4−210418(JP,A) 特開 平4−168217(JP,A) 特開 平1−258802(JP,A) 特開 平2−303604(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C21D 8/02,9/46 C22C 38/00 - 38/06 B21B 3/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 C:0.05〜0.30wt%、 Si:1.0 wt%以下、 Mn:1.0 〜2.5 wt%および Al:0.005 〜0.10wt% を含有する鋼スラブを、粗圧延後、仕上げ圧延温度 : 8
    00〜1000℃の条件で熱間圧延するに際し、粗圧延を経た
    シートバーを一旦コイルに巻取り、その後巻き終わり端
    から仕上げ圧延を開始し、その後端に、後続するシート
    バーの巻き終わり端を順次に接続して、仕上げ圧延を連
    続的に行い、この仕上げ圧延に引き続き、40℃/s以上の
    冷却速度で 300℃以下まで冷却したのち、 725〜840 ℃
    の温度範囲に再加熱して5〜200 秒間保持し、しかるの
    ち3〜50℃/sの冷却速度で 300℃以下まで冷却すること
    を特徴とする材質均一性に優れた高加工性熱延高張力鋼
    板の製造方法。
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