JP2951282B2 - ねじ駆動式直線作動機の手動操作アダプタ - Google Patents

ねじ駆動式直線作動機の手動操作アダプタ

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JP2951282B2
JP2951282B2 JP2056197A JP2056197A JP2951282B2 JP 2951282 B2 JP2951282 B2 JP 2951282B2 JP 2056197 A JP2056197 A JP 2056197A JP 2056197 A JP2056197 A JP 2056197A JP 2951282 B2 JP2951282 B2 JP 2951282B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ねじ駆動式の直線
作動機の伸縮部材を手動で伸縮操作するための手動操作
アダプタに関する。
【0002】
【従来の技術】従来のねじ駆動式直線作動機は、図6に
示すように本体ケースA1に基端側が固定されている外
筒A2内に内筒A3が伸縮自在に配置されており、外筒
A2の中心部には、本体ケースA1に軸受A4で回転自
在に支持されているねじ軸A5が配置されている。
【0003】前記ねじ軸A5の外筒A2内に入り込んで
いる部分には、その外周にねじが形成されていて、前記
ねじの部分が内筒A3の基端側に固定されているナット
A6と螺合されている。
【0004】一方、本体ケースA1内に侵入しているね
じ軸A5の基端には、過負荷トルクが加わった際に滑り
を生じる滑りクラッチを備えた従動ギヤA7が取り付け
られている。
【0005】前記従動ギヤA7は、ブレーキモータA8
の軸A9に取り付けられているている駆動ピニオンA1
0と中継ギヤA11を介して連結されていて、軸A9の
回転が減速されてねじ軸A5へ伝達されるようになって
いる。
【0006】また、軸A9には手動操作軸A12の一方
の端部が同軸に連結され、その他方の端部は本体ケース
A1の外部へ突出しており、その突出部分は通常はカバ
ーA13で覆われている。
【0007】前記カバーA13は、本体ケースA1内の
潤滑油の外部への漏出を防ぐためと、直線作動機の動作
時に本体ケースA1から外部へ突出して回転する手動操
作軸の端部に指等が触れないように安全を確保する面か
ら必要不可欠なものである。
【0008】前記構造の直線作動機は、ブレーキモータ
A8に通電されると軸A9がブレーキから開放されて回
転を始め、駆動ピニオンA10、中継ギヤA11、及
び、従動ギヤA7を介して、ねじ軸A5が回転駆動され
る。
【0009】一方、内筒A3の先端は、図示していない
機械装置の揺動レバー等の被駆動部材と先端金具A14
を介して連結されていて、ねじ軸A5回りの回転が拘束
されているため、ねじ軸A5が回転するとこれに螺合し
ているナットA6がねじ軸A5の軸線に沿って移動す
る。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】前述したような、従来
のねじ駆動式直線作動機においては、停電によってブレ
ーキモータA8への通電が途絶えたり、ブレーキモータ
A8自体の回路故障等によって使用中に動作が停止した
場合、機械装置の被駆動部材を所定位置へ移動させるた
めには、手動操作軸A12を手動で回転させて、内筒A
3を動かすことになる。
【0011】ところが、手動操作軸A12を回転させる
ためには、先ず、ブレーキモータA8のブレーキ開放用
ナットA15を回転させて、軸A9の回転を拘束してい
るブレーキを開放し、次に、カバーA13を外して手動
操作軸A12の端部を露出させ、手動操作ハンドルをこ
こに装着しなければならず、作業に手間と時間がかかる
とともに、被駆動部材側から負荷がかけられている状態
でブレーキを開放すると、ねじ軸A5が回転する危険が
あった。
【0012】また、手動操作軸A12は、本体ケースA
1の外筒A2とは反対側から操作する構造であるため、
直線作動機を設置する際に手動操作軸A12へ手動操作
ハンドルを装着して回転させるための作業スペースを、
本体ケースA1側の周囲に確保する必要があった。
【0013】さらに、クリーンルーム等の中で用いられ
る直線作動機では、周囲の環境を潤滑油や、運転中に発
生する摩耗金属粉等で汚すことがないように、図7に示
すように、密閉構造の本体ケースB1が外筒B2の外側
を包囲し、本体ケースB1内にブレーキモータB3がギ
ヤ伝動機構B4とともに内蔵されている構造のものがあ
る。
【0014】このような直線作動機では、停電やブレー
キモータB3の回路故障が生じた場合、外部から手動で
ねじ軸B5を回転することができず、機械装置の被駆動
部材B6に連結されている内筒B7を移動するために
は、本体ケースB1のブレーキモータB3等を覆ってい
る部分を取り外す必要があり、作業が困難であるばかり
か本体ケースB1を分解することによって、周囲の環境
を汚染する恐れもあった。
【0015】そこで、本発明は、前述したような従来技
術の問題を解決し、ねじ駆動式の直線作動機に取り付け
ることによって、停電や回路故障等によって運転途中で
停止した直線作動機を容易に伸縮操作できる手動操作ア
ダプタを提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】前記目的のため、本発明
のねじ駆動式直線作動機の手動操作アダプタは、互いに
螺合しているねじ軸とナットの何れか一方の部材をモー
タで回転させて他方の部材を直線運動させ、前記他方の
部材と一体に連結されている伸縮部材を伸縮させるよう
にしたねじ式の直線作動機の前記伸縮部材先端と、前記
直線作動機によって駆動される機械装置の被駆動部材と
の間に組み込んで用いられるものであり、内部にギヤ収
容空間が形成されているアダプタ本体と、前記ギヤ収容
空間内で回転自在に支持されているウォームホイール
と、前記ウォームホイールと一体に設けられて前記アダ
プタ本体外部へ一部が露出し、直線作動機の伸縮部材先
端に対して前記ウォームホイールの回転軸線回りの回転
が拘束され且つ前記直線作動機のねじ軸と前記ウォーム
ホイールとが同心になるように連結される駆動側連結部
と、前記アダプタ本体に回転自在に支持され、少なくと
も一方の端部に前記アダプタ本体外部に露出した回転操
作部を有するウォーム軸と、前記ウォーム軸に設けら
れ、前記ウォームホイールと噛み合うウォームと、前記
ウォームホイールの回転軸線方向に対して前記駆動側連
結部が露出している側の反対側で前記アダプタ本体と一
体に設けられて前記被駆動部材に対して前記ウォームホ
イールの回転軸線回りの回転が拘束された状態で連結さ
れる被駆動側連結部とを備えている。
【0017】
【作用】本発明の手動操作アダプタを用いる場合は、先
ず、直線作動機の伸縮部材先端を被駆動部材から外し、
代わりにアダプタ本体から露出している駆動側連結部に
連結する。
【0018】一方、伸縮部材先端から外された被駆動部
材には、代わりにアダプタ本体に一体に設けられている
被駆動側連結部を連結する。こうして、手動操作アダプ
タを介して直線作動機の伸縮部材先端と機械装置側の被
駆動部材とが連結され、直線作動機のモータを回転駆動
すると、前記直線作動機に内蔵されているねじ軸とナッ
トとの相対的な回転によって伸縮部材が変位し、前記変
位は手動操作アダプタを介して機械装置の被駆動部材に
伝達される。
【0019】この際、ねじ軸またはナットの何れか一方
と一体に連結されている伸縮部材には、ねじ軸まわりの
トルクを生じる。前記トルクは駆動側連結部と一体とな
ったウォームホイールに伝達されるが、前記ウォームホ
イールはウォームとの噛み合いによってセルフロックさ
れているため、アダプタ本体に対して回転できず、ま
た、前記アダプタ本体もこれと一体に設けられている被
駆動側連結部が機械装置側の被駆動部材とウォームホイ
ールの回転軸線回りの相対回転を拘束された状態で連結
されているため、伸縮部材のねじ軸回りの連れ回りは阻
止され、直線作動機は支障なく動作して被駆動部材を動
かすことができる。
【0020】手動操作アダプタが取り付けられた後、停
電やモータの故障等によって、直線作動機が使用途中で
停止してしまい、被駆動部材を所定の位置へ移動できな
くなった場合には、アダプタ本体から露出している回転
操作部を手動で回転操作する。そうすると、ウォーム軸
が回転して前記ウォーム軸に設けられているウォームが
ウォームホイールを回転させる。
【0021】一方、アダプタ本体は被駆動部材によって
ウォームホイールの回転軸線回りの回転が拘束されてい
るため、ウォームホイールの回転は駆動側連結部を介し
て直線作動機の伸縮部材へ伝達される。
【0022】こうして、伸縮部材が回転されると、これ
と一体に動くように連結されている直線作動機のねじ軸
またはナットの何れか一方の部材が回転するが、モータ
側に連結されている他方の部材は停止したままであるた
め、前記一方の部材はねじ軸の軸線方向へその回転によ
って伸縮部材を伴って変位し、伸縮部材先端に連結され
ている機械装置の被駆動部材を目的の位置まで移動させ
ることができる。
【0023】なお、伸縮部材と一体に動くように連結さ
れているねじ軸またはナットの何れか一方の部材が回転
しても、他方の部材とモータとの間には、一般に高減速
比のギヤ伝動機構が介装されていたり、モータの停止時
にその回転を拘束するブレーキが設けられているため、
ねじ軸とナットとが連れ回りを起こすことはない。
【0024】
【実施例】以下、図面に基づいて本発明の一実施例を説
明する。図1は、本発明の手動操作アダプタ1を取り付
けたねじ駆動式の直線作動機2を示すものである。前記
直線作動機2は、クリーンルーム内で使用されるもので
あり、完全に密閉されている本体ケース3から外筒4の
先端側が一部突出し、前記外筒4内に伸縮部材としての
内筒5がスライド自在に嵌挿されている。
【0025】直線作動機2は、本体ケース3の後端部に
取付金具6が設けられていて、クリーンルーム内に固定
されている支持金具7に対してアンカーピン8で揺動可
能に連結され、また、内筒5の先端側は、手動操作アダ
プタ1を介して、図示していない機械装置のレバー状の
被駆動部材Lに連結ピン9で揺動可能に連結されてい
る。
【0026】図示していないが、直線作動機2の本体ケ
ース3の内部には、前述した図7に示す直線作動機と同
様なブレーキモータやギヤ伝動機構が収容され、また、
外筒4の中心部にはねじ軸が回転自在に配置されてい
る。
【0027】前記ねじ軸は、内筒5の基端側に固定され
ているナットと螺合してその一部が内筒5の内部に侵入
しており、ねじ軸先端は、内筒の内壁面にスライド自在
に案内される軸受によって回転自在に支持されている。
【0028】そして、本体ケース3内のブレーキモータ
が駆動されると、ギヤ伝動機構を介してねじ軸が回転
し、前記ねじ軸と螺合しているナットがねじ軸に沿って
直線移動することによって、外筒4に対して内筒5が伸
縮移動し、手動操作アダプタ1を介して、被駆動部材L
が駆動されるように構成されている。
【0029】この際、ナットが固定されている内筒5の
ねじ軸まわりの回転は、手動操作アダプタ1を介して、
内筒5と連結されている被駆動部材Lによって阻止され
ており、ねじ軸の回転時に内筒5に連れ回りを生じるこ
とはない。
【0030】次に、図2は手動操作アダプタ1の内部構
造を示す縦断面図であって、同図に示すように、手動操
作アダプタ1は、内部にギヤ収容空間10が形成された
アダプタ本体11を有している。
【0031】前記ギヤ収容空間10内には、ウォームホ
イール12が組み込まれていて、前記ウォームホイール
12の一方の側面に突出している突軸部13がギヤ収容
空間10内に形成されている軸受面14に回転自在に支
持されている。
【0032】また、前記ウォームホイール12の他方の
側面には、円筒状の駆動側連結部15が一体且つ同心状
に設けられていてギヤ収容空間10に連通する開口部1
1Aからアダプタ本体11の外部へ突出している。
【0033】前記開口部11Aは、前記軸受面14と同
心状の円形に形成され、ここから手動操作アダプタ1の
組立時にギヤ収容空間10内にウォームホイール12を
組み込める大きさの直径を有している。
【0034】前記開口部11Aの内周面には雌ねじ11
Bが形成されており、ここに、駆動側連結部15の外周
面に適合する内径を有する抜止めねじリング16をその
外周面に形成されている雄ねじ16Aを螺合させること
によって固定している。
【0035】前記抜止めねじリング16は、その内周面
が駆動側連結部15を回転自在に支持する軸受面として
の役割を有しているとともに、ウォームホイール12と
対向する内側の端面によって、ウォームホイール12の
軸方向移動を阻止している。
【0036】なお、図示していないが、前記抜止めねじ
リング16の外側の端面にはカギスパナを係合させる溝
が放射状に複数カ所形成されていて、アダプタ本体11
に対して着脱できるようになっている。
【0037】また、アダプタ本体11側の図示していな
い位置には、ウォームホイール12がギヤ収容空間10
内で円滑且つガタツキなく回転できるように、雌ねじ1
1Bとの最適な螺合位置に調整した抜止めねじリング1
6を、回転しないように拘束する止ねじが設けられてい
る。
【0038】前記駆動側連結部15には、アダプタ本体
11の開口部11Aから外部へ突出している端面に開放
されている先端金具連結凹部15Aが形成されている。
前記先端金具連結凹部15Aには、直線作動機2の内筒
5の先端に設けられている先端金具5Aが差し込まれ、
駆動側連結部15の直径方向両側に形成されている一対
の連結ピン孔15Bと先端金具5Aを横断して形成され
ている連結ピン孔5Bとに亘って貫通されている連結ピ
ン17によって、先端金具5Aと駆動側連結部材15と
は、相対的な内筒5の中心軸線方向の変位と前記軸線回
りの回転変位とが拘束された状態で連結されている。
【0039】なお、前記連結ピン17の両端部には、そ
れぞれ直径方向に抜止めピン孔17Aが貫通して形成さ
れており、これらの抜止めピン孔17Aには、抜け止め
ピン18が差し込まれて連結ピン17の抜けが防止され
ている。
【0040】一方、ギヤ収容空間10内には、ウォーム
ホイール12と噛み合うウォーム19が組み込まれてい
る。前記ウォーム19は、図3に示すように、アダプタ
本体11の左右両側面へ突出しているウォーム軸20の
中央に一体に設けられている。
【0041】ギヤ収容空間10のウォーム19が配置さ
れている部分は、ウォーム19の外径よりやや大きい円
筒状の内周面を有する空間になっており、その左右両側
がアダプタ本体11の両側面に開放され、前記両側面の
何れの側からもアダプタ本体11内部にウォーム19を
組み込むことができるようになっている。
【0042】また、ウォーム19の両側には、前記円筒
状内周面に適合した外径を有する軸受カラー21が一対
配置されていて、それぞれの中心孔21Aにウォーム軸
20が回転自在に支持されている。
【0043】また、アダプタ本体11の両側面から突出
しているウォーム軸20の両端部分にはそれぞれ6角柱
状の回転操作部22が固定されている。回転操作部22
とウォーム軸20とは、これらを直径方向に貫通する固
定ピン23によって一体に固定されている。
【0044】前記一対の回転操作部22によって、アダ
プタ本体11に対するウォーム軸20の軸方向移動が阻
止されており、また、前記一対の軸受カラー21の外部
への抜出しが防止されている。
【0045】前記回転操作部22には、図4に示すよう
なボックススパナ状の手動操作ハンドル24を装着して
手動で回転させることができる。なお、回転操作部22
は、ボルト頭部やナットと同様な6角柱形状に形成され
ているため、通常のスパナやボックススパナを用いて操
作することも可能である。
【0046】一方、図2に示すようにアダプタ本体11
の開口部11Aが形成されている面の反対側には、被駆
動側連結部25が一体に設けられている。前記被駆動側
連結部25は連結ピン孔26を有していて、図1に示す
ように連結ピン9によって、機械装置の被駆動部材Lに
連結されるように構成されている。
【0047】なお、連結ピン孔26は連結ピン孔5Bと
同一径に形成されていて、被駆動部材Lが先端金具5A
に直接連結ピン9で連結されている既設の直線作動機2
へ手動操作アダプタ1の組み込みが可能となっている。
【0048】すなわち、既設の直線作動機2へ手動操作
アダプタ1を組み込む場合には、連結ピン9を抜いて被
駆動部材Lと直線作動機2の先端金具5Aとを分離した
後、先端金具5Aへ手動操作アダプタ1の駆動側連結部
15を、連結ピン9と同径の別に用意した連結ピン17
で連結し、さらに手動操作アダプタ1の被駆動側連結部
25と被駆動部材Lとを連結ピン9で連結する。
【0049】こうして、図1に示すように手動操作アダ
プタ1が組み込まれた直線作動機2は、本体ケース3内
部のブレーキモータを駆動すると、内筒5が伸縮し、手
動操作アダプタ1を介して被駆動部材Lが動かされる。
【0050】この際、直線作動機2内部のねじ軸に螺合
しているナットには、ねじ軸の回転によってねじ軸の軸
線まわりのトルクを生じ、前記トルクは駆動側連結部1
5と一体となったウォームホイール12に伝達される。
【0051】しかし、前記ウォームホイール12は、ウ
ォーム19との噛み合いによってセルフロックされてい
るため、ウォームホイール12はアダプタ本体11に対
して回転できず、また、アダプタ本体11もこれと一体
に設けられている被駆動側連結部25が、ウォームホイ
ール12の回転軸線回りの相対回転を拘束された状態で
被駆動部材Lと連結されているため、ナットのねじ軸の
軸線回りの回転は阻止され、直線作動機2は支障なく動
作する。
【0052】ここで、停電やモータの故障等によって、
直線作動機2が使用中に停止したときに、被駆動部材L
を所定の位置へ移動させる必要がある場合には、図4に
示すように、手動操作アダプタ1の回転操作部22に手
動操作ハンドル24を装着して回転させる。
【0053】そうすると、ウォームホイール12がアダ
プタ本体11に対して回転するが、アダプタ本体11は
被駆動部材Lによってウォームホイール12の回転軸線
回りの回転が拘束されているため、ウォームホイール1
2の回転は駆動側連結部15を介して直線作動機1の先
端金具5Aへ伝達される。
【0054】その結果、直線作動機2の停止した状態の
ねじ軸に螺合しているナットが、内筒5を伴ってねじ軸
に沿って移動し、先端金具5Aに連結されている機械装
置の被駆動部材Lを目的の位置まで移動させることがで
きる。
【0055】次に、図5は本発明の手動操作アダプタの
別の実施例を示すものであって、この実施例における手
動操作アダプタ31は、直線作動機の一種である押し上
げタイプのジャッキ32の伸縮部材としてのねじ軸33
の上端と、昇降を行う重量物Wとの間に組み込まれてい
る。
【0056】前記ジャッキ32のジャッキ本体34は、
ねじ軸33と螺合して定位置で回転自在に支持されてい
るナット35と、前記ナット35と一体でジャッキ本体
34内部に配置されている図示していないウォームホイ
ールと、前記ウォームホイールと噛み合うように入力軸
36にジャッキ本体内で固定されている図示していない
ウォームとを備えている。
【0057】なお、ジャッキ32が設置されている床面
Gは、ねじ軸33の下方部分が掘り下げられていて、ね
じ軸33の下端が床面Gの下方まで下降できるようにな
っている。
【0058】この実施例の手動操作アダプタ31は、駆
動側連結部37と被駆動側連結部38の形状を除き、前
述した実施例の手動操作アダプタ1と同一の構造を有し
ている。
【0059】本実施例では、駆動側連結部37はねじ軸
33の上端が嵌入して連結ピン39で固定される構造に
なっており、また、被駆動側連結部38は、昇降させる
重量物Wの下面へボルト40で連結される受座38Aを
有している。
【0060】前述した構成において、ジャッキ32を通
常に使用する場合には、入力軸36をモータ等の回転駆
動源に連結して回転すると、前記ウォームとウォームホ
イールとを介してナット35が回転する。
【0061】すると、前記ナット35に螺合しているね
じ軸33上端は手動操作アダプタ31の駆動側連結部3
8に回転しないように連結され、且つ、被駆動部材に相
当する重量物Wに被駆動側連結部38の受座38Aが固
定されているため、ねじ軸33の回転は拘束されて上下
方向へ変位し、重量物Wが昇降駆動される。
【0062】ここで、停電や回転駆動源に故障が生じて
入力軸36の回転が途中で止まった場合には、手動操作
アダプタ31の回転操作部41を図示していない手動操
作ハンドル等で回転すると、回転が止まっているナット
35に対してねじ軸33が回転し、重量物Wを所望のレ
ベルまで移動させることができる。
【0063】なお、ねじ軸33が回転すると回転抵抗に
よってナット35に同方向に回転する向きのトルクが働
くが、ウォームホイールに噛み合っているウォームのセ
ルフロック作用によって、ナットが回転することはな
い。
【0064】前述したそれぞれの実施例においては、本
発明の手動操作アダプタが基本的に手動でねじ駆動式の
直線作動機を操作するものであるため、回転操作部を専
用の手動操作ハンドルや、スパナ等の工具で回転させる
ものについて説明しているが、回転操作部を電動式の回
転工具で回転させることによって、直線作動機を高速度
で動かすようにしてもよい。
【0065】また、それぞれの実施例では、操作性を向
上させるために、回転操作部はアダプタ本体の両側に一
対設けて、何れの側からでも手動操作を可能としている
が、片側にのみ設けてもよい。さらに、回転操作部自体
をハンドルやレバーで構成して、手動操作を工具類を用
いずに行えるようにしてもよい。
【0066】また、本発明の手動操作アダプタはウォー
ムとウォームホイール間のセルフロック作用によって、
ウォームホイール側からは回転できない構造になってい
るが、通常の使用時にアダプタ本体に対してウォームホ
イールをより確実に固定しておくために、固定手段を別
途設けてもよい。
【0067】前記固定手段としては、例えば図2に示す
抜止めねじリング16を利用して構成することができ
る。抜止めねじリング16を利用する場合には、抜止め
ねじリング16を連結ピン17が装着された状態で外部
からカギスパナ等で回転可能な形状とし、ウォームホイ
ール12を固定する場合には、抜止めねじリング16を
ウォームホイール12側へねじ込んでウォームホイール
12を抜止めねじリング16とギヤ空間10の壁面との
間に挟み込んで摩擦固定する構造とすればよい。また、
前記固定手段としては、アダプタ本体外部から直接ウォ
ームホイールを締付け固定可能な固定ボルト等を用いて
構成してもよい。
【0068】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明のねじ駆
動式直線作動機の手動操作アダプタによれば、直線作動
機が停電やモータの故障によって使用中に停止した場
合、手動で直線作動機を操作するために手動操作ハンド
ルを差し込む操作孔のカバーを外したり、ブレーキを開
放する作業が不要となり、直線作動機に連結されている
機械装置の被駆動部材を負荷がかけられている状態のま
ま目的の位置まで安全に動かすことができる。
【0069】また、直線作動機の伸縮部材先端と機械装
置の被駆動部材との間に組み込んで用いる構造であるた
め、直線作動機の本体側周囲に手動操作を行うための作
業スペースが不要であり、また、直線作動機の本体が防
塵カバーで密閉されて手動ハンドルを差し込む操作孔を
設けることができない構造のクリーンルーム等で用いる
直線作動機の手動操作を可能とすることができる。
【0070】また、回転操作部の回転をウォームとウォ
ームホイールを介して駆動側連結部へ伝達することによ
って、駆動側連結部をアダプタ本体と一体に設けられた
被駆動側連結部に対して回転させる構造であるため、回
転操作部を小さなトルクで回転できるとともに、ウォー
ムホイール側では大きな負荷トルクに耐えることができ
る。
【0071】しかも、回転操作部は直線作動機の伸縮部
材の長手方向に対して側方に向いているため、ハンドル
やレバーを用いて手動操作する場合の作業スペースを容
易に確保することができる。
【0072】また、ねじ式直線作動機の伸縮部材先端と
被駆動部材との間に組み込む構造となっているため、既
設の直線作動機に後から組み込むことが容易であり、設
備コストを安くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の手動操作アダプタの一実施例を示す
図である。
【図2】 本発明の手動操作アダプタの内部構造を示す
縦断面図である。
【図3】 図2のA−A線位置における矢印方向に見た
断面図である。
【図4】 本発明の手動操作アダプタに手動操作ハンド
ルを装着した状態を示す概略図である。
【図5】 本発明の手動操作アダプタの別の実施例を示
す図である。
【図6】 従来のねじ駆動式直線作動機の一例を示す縦
断面図である。
【図7】 従来のねじ駆動式直線作動機の別の例を示す
縦断面図である。
【符号の説明】
1,31 手動操作アダプタ 2
直線作動機 3 本体ケース 4
外筒 5 内筒(伸縮部材) 5A
先端金具 5B,15B,26 連結ピン孔 6
取付金具 7 支持金具 8
アンカーピン 9,17,39 連結ピン 10
ギヤ収容空間 11 アダプタ本体 11A
開口部 12 ウォームホイール 13
突軸部 14 軸受面 15,37
駆動側連結部 15A 先端金具連結凹部 15B,26
連結ピン孔 16 抜止めねじリング 17A
抜止めピン孔 18 抜止めピン 19
ウォーム 20 ウォーム軸 21
軸受カラー 22 回転操作部 23
固定ピン 24 手動操作ハンドル 25,38
被駆動側連結部 32 ジャッキ(直線作動機) 33
ねじ軸(伸縮部材) 34 ジャッキ本体 35
ナット 36 駆動軸 40
ボルト
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F16H 1/16,25/20 G05G 7/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部にギヤ収容空間が形成されているア
    ダプタ本体と、 前記ギヤ収容空間内で回転自在に支持されているウォー
    ムホイールと、 前記ウォームホイールと一体に設けられて前記アダプタ
    本体外部へ一部が露出し、直線作動機の伸縮部材先端に
    対して前記ウォームホイールの回転軸線回りの回転が拘
    束され且つ前記直線作動機のねじ軸と前記ウォームホイ
    ールとが同心になるように連結される駆動側連結部と、 前記アダプタ本体に回転自在に支持され、少なくとも一
    方の端部に前記アダプタ本体外部に露出した回転操作部
    を有するウォーム軸と、 前記ウォーム軸に設けられ、前記ウォームホイールと噛
    み合うウォームと、 前記ウォームホイールの回転軸線方向に対して前記駆動
    側連結部が露出している側の反対側で前記アダプタ本体
    と一体に設けられて前記被駆動部材に対して前記ウォー
    ムホイールの回転軸線回りの回転が拘束された状態で連
    結される被駆動側連結部とを備えていることを特徴とす
    るねじ駆動式直線作動機の手動操作アダプタ。
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