JP2951212B2 - 内面凹み模様付き金属管、その製造方法及びその製造用のマンドレル - Google Patents

内面凹み模様付き金属管、その製造方法及びその製造用のマンドレル

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JP2951212B2 JP19473094A JP19473094A JP2951212B2 JP 2951212 B2 JP2951212 B2 JP 2951212B2 JP 19473094 A JP19473094 A JP 19473094A JP 19473094 A JP19473094 A JP 19473094A JP 2951212 B2 JP2951212 B2 JP 2951212B2
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親定 本田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プラスチックのペレッ
ト、チップ、グラニュール、あるいは、フレークなどの
粒状物を輸送する空気輸送管等に使用する金属管の内面
に凹み模様を施した内面凹み模様付き金属管およびその
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】空気輸送等で輸送されるペレット、チッ
プ、グラニュール、あるいは、フレークなどのプラスチ
ックの粒状物は、空送中に管内壁に擦り付けられ薄い皮
膜となって成長するが、管内壁に適切な凹凸があると、
これらの成長を抑え、また早期によく剥離させる作用が
あり、従来一般に細かい刻み目模様を付けたものが用い
られている。
【0003】しかし、内面に刻み目模様を刻設した金属
管は、刻み目の間隙が狭小であるために輸送物質が付着
し入り込み、刻み目に入り込んだ輸送物質は取りにくい
ので、輸送物質を変更する場合にその清掃除去に時間が
かかる。また、多種小ロット生産の場合に、生産性が著
しく悪い難点があった。これに対し、模様が凹んでいる
凹み模様には輸送物質が付着して入り込むことはなく、
従って、輸送物質を変更する場合にその清掃除去作業に
時間がかかることもないので、凹み模様は輸送管の内面
の表面形状として好都合であるが、内面凹み模様付き金
属管の製造は困難で、少なくとも鋼管内面に凹み模様が
施されたものはなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の問題点
を解消し、金属管内面の清掃が容易で、長尺の金属管又
は内径の細い金属管の内面全面に凹み模様を有する内面
凹み模様付き金属管を提供すること、および、内面凹み
模様付き金属管の製造方法を提供すること、さらに、そ
の製造方法に使用するコールドピルガーミルのマンドレ
ルを提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明の手段は、請求項1の発明では、コールドピル
ガーミルによる縮径、薄肉加工により金属管の内面全域
に形成された凹み模様を有することを特徴とする内面凹
み模様付き金属管である。
【0006】請求項2の発明では、コールドピルガーミ
ルのマンドレルの縮径作用部の最終段の領域全周に浮き
模様を付したマンドレルを使用して、コールドピルガー
ミルによって金属管を縮径、薄肉加工すると同時に金属
管の内面に凹み模様を付けることを特徴とする内面凹み
模様付き金属管の製造方法である。
【0007】請求項3の発明では、コールドピルガーミ
ルのマンドレルの縮径作用部の最終段の領域全周に浮き
模様を付したことを特徴とする内面凹み模様付き金属管
製造用のマンドレル。
【0008】
【作用】コールドピルガーミルは、図1に示すように、
断面が半円形で、かつ、連続して縮小する縮径カリバー
からなる縮径部2と、縮径部2に連続しかつ断面が変化
しない仕上がり寸法カリバーからなるサイジング部3を
外周に有し、ロールダイスシャフト4に取り付けたピニ
オンギア22と固定のラックギア21とにより前後進と
転動を行う上下2個のロールダイス1と、断面が先端に
向かって細くなっているマンドレル5とにより、素材管
9を冷間で圧伸して縮径管部10を経て成品11を得る
ためのものである。素材管9と成品管11の断面積は平
均的に約3分の1倍程度になり、長さは約3倍になる。
【0009】圧伸はロールダイス1を1回往復させて素
材管9を圧伸すると、次に素材管9をマンドレル5と共
に約60゜回転させ、同時に素材管9を少し送って、次
の圧伸を行い、これを繰り返す。
【0010】上記の圧伸において、先ず素材管9を上下
のロールダイス1の縮径部2と、マンドレル5の縮径作
用部6の間で圧伸されて細径薄肉化が行われる。ロール
ダイス1のサイジング部3では、成品管11の外径が決
定される。ロールダイス1の縮径部2とサイジング部3
の境界点12に相当するマンドレル5の縮径作用部最終
点13で成品管11の最終サイズが決定され、縮径作用
部最終点13より後端側の細径部7は加工に寄与しない
無効部分である。
【0011】ここで、8はマンドレル5の肉厚減少圧伸
部である縮径作用部の最終段の領域で、縮径作用部最終
段領域8の幅は縮径作用部最終点13から大径側に、1
回圧伸での送り長さと伸び長さの合計に相当する伸び量
14の分である。このマンドレル5の縮径作用部最終領
域8で圧伸された素材管9の部分は、肉厚が最終的に決
定され、これ以上の薄肉化は行われず、外径のみロール
ダイス1のサイジング部3で僅かに縮径され、外径・内
径が決定される。そこで、この縮径作用部最終段領域8
の部分に浮き模様の型を形成しておくと、これが成品管
11の内面に転写され、凹み模様を形成する。もしこの
時、マンドレル5と素材管9がくっついたままだと、即
ち、型合わせ状態のままだと、次の材料送りで折角でき
た模様が削られてしまうが、幸いコールドピルガー圧伸
では、図5の(b)に示すよう、多くの素材管9はロー
ルダイス1が離れると、圧伸時に少しひしゃげた管はス
プリングバック量以内の凹凸ならば縮径作用部最終段領
域8の部分に形成されている模様が転写できる。従っ
て、マンドレル5の縮径作用部最終段領域8に高さの高
い浮き模様を付けたい場合は、この部分のテーパーを大
きめにするのが良い。
【0012】マンドレル5に形成する模様の形状として
は、円形、長円形等の滑らかな膨らみが、規則的にある
いはランダムに並んだ浮き模様が良いが、これは製造す
る管の大きさ、空送されるプラスチック粒状物の種類、
形状によって、適切な形状のものを選択できる。
【0013】マンドレルの浮き模様の付け方としては、
大きい模様の場合は機械的切削や研削やドリリング等
が、又細かい模様の場合はローレット掛けや、更にはエ
ッチングも有用な手段として用いられる。付ける場所
は、前記したとおり、ロールダイス1のカリバー形状と
の関係で決まるマンドレル5の縮径作用部最終段領域8
の部分である。しかし、模様を付ける範囲を小径側に少
し広げておくと、実操業上多少の寸ぽてきずれに対応で
きるので便利である。
【0014】
【実施例】コールドピルガーミルにより素材管である金
属母管を縮径及び薄肉加工して成品管である長尺の細径
管を製造した。使用した金属母管はSUS304ステン
レス鋼製で、その寸法は外径45mm、内径37mm、肉厚
4mmである。これを外径25.4mm、内径21.4mm、
肉厚2mmに圧伸した。減面比は3.5であった。送りは
6mmとした。従って、成品部分での伸びは6mm×3.5
=21mm、1サイクルの成品管の進行長さは21mm+6
mm=27mmとなる。
【0015】マンドレル加工部の実施例:図1に本発明
のコールドピルガーマンドレル5を示す。この実施例に
おけるコールドピルガーマンドレル5の寸法を示すと、
全長は750mm、縮径作用部6の長さは290mm、縮径
作用部6の最大径部は35mm、縮径作用部最終段領域8
の最小径部の直径は21.4mm、長さは21mmである。
浮き模様を形成した部分の長さは、縮径作用部最終段領
域8の長さの21mmに縮径作用部最終点13から更に後
方の10mmまでの部分を加えた31mmである。
【0016】マンドレル5の縮径作用部最終段領域8に
形成した浮き模様の表面形状を模式的に図2に示す。本
実施例では、(c)に見られるように、高さ16は0.
3mm、(b)に見られるように、幅17は3mmの楕円状
の膨らみ15がマンドレル5の円周上に4個、即ち
(c)に見られるように、中心角18が40゜にわたる
長径の楕円状の膨らみ15が50゜隔てて4個配置さ
れ、更に(b)に見られるように、中心部の位置で15
mm隔てた隣に同様の4個の楕円状の膨らみ15が45゜
回転してマンドレル5の円周上に設けられて2条の楕円
状の膨らみ15の模様が形成されている。
【0017】図3に浮き模様形成部のマンドレル5の縦
断面を示す。楕円状の膨らみ15の模様は、空気輸送管
で輸送される輸送材料の性状に合わせて適宜その大きさ
や円周状の個数を選定する。これらの楕円状の膨らみ1
5の模様の形成は切削により形成した。
【0018】上記の素材管9である金属母管を上記の楕
円状の膨らみ15の模様を形成したマンドレル5を使用
してコールドピルガー圧延を行い、細径化と薄肉加工と
同時に金属内面に凹み模様19を加工して、図4に示す
内面凹み模様19付き成品管11である金属管を製造し
た。
【0019】この場合のコールドピルガーの圧延条件
は、送り量を6.0mm、回転数100rpm とした。得ら
れた内面凹み模様付き成品管11は、外径25.4mm、
厚さ2.0mm、長さ15000mmであった。図5の
(a)に示すように、圧伸時は素材管9はロールダイス
1の矢印方向の加圧力20により少しひしゃげるが、図
5の(b)示すように、送り時にスプリングバックして
円形にもどり、成品管11はマンドレル5から離れる。
従って、形成された館内面の凹み模様は潰されることな
く送られる。
【0020】上記の図2に示すマンドレルを使用して形
成した内面凹み模様付き金属管の内面凹み模様19の内
面表面形状を図4に示す。
【0021】本実施例で、金属管の内面に極めて均一に
凹み模様が形成されたので、本発明による細径の内面凹
み模様付き金属管を使用した空気輸送管は、空気輸送時
に管内壁にプラスチックの粒状物が摩擦により付着する
ことは全くなく、従って、帯状の剥離物が生じることも
なく、輸送管の閉塞もなかった。
【0022】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明の内面凹み
模様付き金属管は、空気輸送等で輸送されるペレット、
チップ、グラニュール、あるいは、フレークなどのプラ
スチックの粒状物が、空送中に管内壁に擦り付けられ薄
い皮膜となって成長することなく、従って、帯状の剥離
物が生じることもなく、輸送管の閉塞もなく、また、管
内の清掃も容易である。本発明におけるマンドレルを使
用するとき、コールドピルガーミルによる本発明の製造
方法において、従来困難であった細径でかつ長尺の内面
凹み模様利付き金属管が容易に製造できる。従って、本
発明の内面凹み模様付き金属管は長尺細径のものまで長
さと径が多岐にわたっているので、空気輸送管として幅
広い用途に適応できる。さらに、本発明の方法はコール
ドピルガーミルによる金属管の縮径と薄肉化圧延加工と
同時に金属管内面に凹み模様を形成するので、専用の装
置を必要とすることなく、コールドピルガーマンドレル
の表面の一部を加工するのみで容易に実施でき、内面凹
み模様付き金属管が低コストで得られるなどの優れた効
果を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】ロールダイス、マンドレルおよび金属管の圧延
時の関係を模式的に示す図である。
【図2】コールドピルガーマンドレルの表面形状および
楕円状の膨らみの寸法を模式的に示す図である。
【図3】マンドレルの楕円状の膨らみの拡大断面図を示
す図である。
【図4】内面凹み模様を形成した金属管を示す図であ
る。
【図5】圧延時の金属管の変形およびスプリングバック
を示す図である。
【符号の説明】
1 ロールダイス 2 縮径部 3 サイジング部 4 ロールダイスシャフト 5 マンドレル 6 縮径作用部 7 細径部 8 縮径作用部最終段領域 9 素材管 10 縮径管部 11 成品管 12 境界点 13 縮径作用部最終点 14 伸び量 15 楕円状の膨らみ 16 高さ 17 幅 18 中心角 19 凹み模様 20 加圧力 21 固定のラックギア 22 ピニオンギア 23 クランクシャフトコンロッド 24 メタル

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コールドピルガーミルによる縮径、薄肉
    加工により金属管の内面全域に形成された凹み模様を有
    することを特徴とする内面凹み模様付き金属管。
  2. 【請求項2】 継目無し金属管の冷間圧延を行うコール
    ドピルガーミルにおいて、マンドレルの縮径作用部の最
    終段領域全周に浮き模様を付したマンドレルを用いて金
    属管を冷間圧延すること特徴とする請求項1記載の内面
    凹み模様付き金属管の製造方法。
  3. 【請求項3】 コールドピルガーミルのマンドレルの縮
    径作用部の最終段領域全周に浮き模様を付したことを特
    徴とする内面凹み模様付き金属管製造用のマンドレル。
JP19473094A 1994-07-27 1994-07-27 内面凹み模様付き金属管、その製造方法及びその製造用のマンドレル Expired - Lifetime JP2951212B2 (ja)

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