JP2951041B2 - 記録装置および記録方法 - Google Patents

記録装置および記録方法

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JP2951041B2 JP13511091A JP13511091A JP2951041B2 JP 2951041 B2 JP2951041 B2 JP 2951041B2 JP 13511091 A JP13511091 A JP 13511091A JP 13511091 A JP13511091 A JP 13511091A JP 2951041 B2 JP2951041 B2 JP 2951041B2
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  • Dot-Matrix Printers And Others (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はワードプロセッサ,複写
機,ファクシミリ等における情報出力装置として、ま
た、接続されることによってそのホスト装置からの情報
を出力するためのプリンタとして用いられる記録装置お
よびその記録方法に関し、詳しくはいわゆるシリアルタ
イプの記録ヘッドを用いた記録装置およびその記録方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】記録装置において、記録紙等の被記録媒
体に記録される文字,画像等は、個々に濃度データが付
与された画素の集合によって形成されるディジタル画像
であるのが一般的である。そして、各画素は、記録ヘッ
ドによって被記録媒体上に形成されるドットにより構成
される。このドットを形成する記録ヘッドの方式として
は、熱転写方式やインクジェット方式等が広く知られて
おり、中でも、インクジェット方式は、比較的高精細,
高速な記録を可能とするなどの数々の利点を有し、近年
広く用いられてつつある。
【0003】以上のように記録装置において、記録画像
等の階調を表現する場合、この階調データに応じて画素
毎に濃度データが付与され、各画素においてその濃度デ
ータに応じたドット構成が定められる。このドット構成
には大別すると2つあり、1つは濃度データに応じた数
のドットを重ねる構成であり、2つには濃度データに応
じた数のドットを所定パターンで展開するものである。
【0004】前者のドット構成はインクジェット方式の
記録装置で比較的よく用いられている。このドット構成
を実現する記録方法の1つとして、1つのインク吐出口
から吐出される複数のインク滴を被記録媒体上に実質的
同一個所に着弾させて1つのドットを形成し、これによ
り、着弾させるインク滴の数を変えることによってその
画素の濃度を表現するいわゆるマルチドロップレット方
式が知られている。
【0005】このようなマルチドロップレット方式は、
インクジェット記録方式が個々のインク滴の大きさを大
幅に変調することが比較的困難であるため、有効な方式
であり、特に熱エネルギーを利用して、インクに気泡を
発生させこの気泡の生成に伴なってインクを吐出する方
式のインクジェット記録方式において有効である。ま
た、この熱エネルギーを利用した方式は高密度でかつ高
階調の画像が得られる方法として有効である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来のマルチドロップレット方式では1つの画素が1つの
吐出口から吐出される複数のインク滴によって形成され
るため、吐出されるインク滴の量が吐出口毎にばらつき
があったり、吐出不良あるいは不吐出の吐出口があった
りすると本来均一であるべき画像の濃度にムラを生じた
り、スジが生じるという問題があった。
【0007】この問題は、後者のドット構成、すなわち
所定パターンで展開されたドットにより画素を構成する
場合にも、その程度の差はあれ同様に妥当するものであ
る。
【0008】これらの問題を避けるため、従来の記録ヘ
ッドは、吐出インク滴量の吐出口間でのばらつきを極力
おさえるべく、その製造が非常に精密に行われなければ
ならず、その結果、記録ヘッドのコストが上昇したり、
製造歩留りが悪くなる等の弊害をもたらすことがあっ
た。
【0009】また、記録濃度における濃度ムラをソフト
ウエア的に解消する方法として、誤差拡散法などの画像
処理を用い吐出口間の吐出インク滴量のばらつきを打ち
消すようにインク滴の打ち込み数を変化させる方法が知
られている。しかし、このような画像処理回路を組み込
むと、そのシステムのコストを引き上げることが多い。
また、このような画像処理法を用いたとしても、例えば
吐出インク滴量の吐出口間ばらつきが経時的に変化した
場合などには、打ち込みインク滴の数を再調整する必要
があるなど、使い勝手やメンテナンス性が低下するとい
う問題は解消できない。
【0010】本発明は上述の問題点を解決するためにな
されたものであり、その目的とするところは、1つの画
素を、複数の記録素子によってそれぞれ形成されるドッ
トにより構成し、これにより、記録特性の記録素子間で
のばらつきを低減し、スジ,ムラのでにくい記録装置お
よび記録方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】そのために本発明では、
複数の記録素子を所定の配置で具えた記録ヘッドを用
い、前記複数の記録素子によって被記録媒体にドットを
形成するための、当該被記録媒体と前記記録ヘッドとの
第1の相対移動と、該第1の相対移動の方向とは異なる
方向の当該被記録媒体と前記記録ヘッドとの第2の相対
移動とを交互に行い、前記ドットによって構成される画
素の集合により記録を行う記録方法であって、複数回の
前記第1の相対移動のそれぞれによって、それぞれ前記
所定の配置において隣接しない異なる記録素子によって
形成される複数のドットにより前記画素を構成し、当該
複数のドットが当該画素において異なる位置に形成され
ることを特徴とする。
【0012】また、複数の記録素子を所定の配置で具え
た記録ヘッドを用い、前記複数の記録素子によって被記
録媒体にドットを形成するための、当該被記録媒体と前
記記録ヘッドとの第1の相対移動と、該第1の相対移動
の方向とは異なる方向の当該被記録媒体と前記記録ヘッ
ドとの第2の相対移動とを交互に行い、前記ドットによ
って構成される画素の集合により記録を行うための記録
装置において、複数回の前記第1の相対移動のそれぞれ
によって、それぞれ前記所定の配置において隣接しない
異なる記録素子によって形成される複数のドットにより
前記画素を構成し、当該複数のドットは当該画素におい
て異なる位置に形成するよう、前記第1および第2の相
対移動を制御するための制御手段を具えたことを特徴と
する。
【0013】
【作用】以上の構成によれば、各画素を構成する複数の
ドットは、第2の相対移動と交互に行われる第1の相対
移動の複数回のそれぞれにより、それぞれ記録ヘッドの
所定配置において隣接しない異なる記録素子によって形
成され、また当該画素においてそれぞれ異なる位置に形
成されるので、画素に対して全体的にドットを配置でき
るとともに、記録ヘッド製造時において、記録特性が近
似しない異なる記録素子によって上記複数のドットを形
成できる
【0014】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細
に説明する。
【0015】図1は、本発明の一実施例に関するインク
ジェット記録装置の主要部を示す概略斜視図である。図
1において、記録ヘッド1には79.4μmの間隔で記
録紙2の搬送方向(以下、副走査方向ともいう)に配列
する例えば32個の吐出口が設けられ、各吐出口に対応
してこれに連通するインク路には吐出のために利用され
る熱エネルギーを発生するためのヒータを備える。ヒー
タは駆動データに応じて印加される電気パルスに応じて
熱を発生し、これにより、インク中に膜沸騰を生じ、こ
の膜沸騰による気泡の生成にともなって上記吐出口から
インク滴が吐出される。なお、本例では、ヒータの駆動
周波数、すなわち吐出周波数は2kHzである。
【0016】キャリッジ4は記録ヘッド1を搭載し、そ
の一部において摺動可能に係合する2本のガイド軸5
A,5Bに案内されながら移動する。なお、このキャリ
ッジ4の移動は、例えば、キャリッジ4の一部にプーリ
によって張設されたベルトが取付けられ、このベルトが
プーリを介したモータの回転によって移動することによ
り行われるが、その図示は省略する。インクチューブ6
は記録ヘッド1に接続し、これによりインクタンク(不
図示)から記録ヘッド1にインクを供給することができ
る。フレキシブルケーブル7は記録ヘッド1に接続し、
これにより、その一部に設けられるヘッド駆動回路(ヘ
ッドドライバ)へホスト装置あるいは本装置制御部から
の記録データに基づいた駆動信号や制御信号を送信する
ことができる。インク供給チューブ6およびフレキシブ
ルケーブル7は、ともにキャリッジ4の移動に追随でき
るように可撓性の部材によって構成されている。
【0017】プラテンローラ3は、その長手方向がガイ
ド軸5A,5Bと平行に延在し、不図示の紙送りモータ
によって回転し被記録媒体としての記録紙2を搬送する
とともに、記録紙2における記録面を規制する。以上の
構成において、記録ヘッド1は、キャリッジ4の移動に
ともない、記録紙2の記録面、すなわち上記吐出口に対
向する部分にインクを吐出して記録を行う。
【0018】図2は図1に示したインクジェット記録装
置の制御構成を示すブロック図である。
【0019】メインコントローラ100はCPU等から
なり、ホストコンピュータ200から送られてくる画像
データを、それぞれ階調データが付与された画素データ
に変換し、これをフレームメモリ100Mに格納する。
また、メインコントローラ100はフレームメモリ10
0Mに格納された画素毎の階調データを所定のタイミン
グでドライバコントローラ110へ供給する。ドライバ
コントローラ110は、この供給される階調データを、
例えば図15において後述されるように、吐出口番号
(記録ヘッド1の吐出口配列において何番目の吐出口か
を表わすもの)とスキャン番号(何回目の主走査かを表
わすもの)に対応させた駆動データ(記録ヘッド1にお
けるヒータのオン/オフを示すデータ)に変換し、これ
を駆動データRAM110Mに格納する。ドライバコン
トローラ110は、メインコントローラ100からの制
御信号に応じ、駆動データRAM110Mに格納される
駆動データを、吐出口番号およびスキャン番号を参照し
て読出し、これをヘッドドライバ110Dに供給すると
ともにその駆動のタイミングを制御する。
【0020】以上の構成において、メインコントローラ
100は、記録ヘッド1によるインク吐出,キャリッジ
送りモータ104の回転および紙送りモータ102の回
転をそれぞれドライバコントローラ110,モータドラ
イバ104Dおよびモータドライバ102Dを介して制
御する。これにより、記録紙2上に画像データに応じた
文字,画像等が記録されて行く。
【0021】なお、上述の構成では、ドライバコントロ
ーラ110が階調データを駆動データに変換するものと
したが、これをメインコントローラ100が行ってもよ
い。この場合、駆動データをフレームメモリ100Mに
格納することができ、これによりRAM110Mを省く
ことができる。
【0022】以上説明したインクジェット記録装置にお
いて行われる本発明にかかるいくつかの実施例を以下に
説明する。
【0023】(実施例1)本実施例の原理を以下に説明
する。
【0024】本実施例は、記録ヘッドの吐出口の数をN
(Nは2以上の整数)、被記録媒体における副走査方向
(搬送方向)の画素ピッチをp(μm)、吐出口ピッチ
をq(μm)、各走査毎の記録ヘッドと被記録媒体との
副走査方向における相対移動量、すなわち本例の場合、
記録紙の紙送り量をs(μm)、1画素1スキャン当た
りの最大インク滴の数、すなわち、1スキャンで1画素
に対して1つの吐出口から吐出される最大インク滴数を
K(Kは1以上の整数)、1画素当たりに打ち込むべき
最大インク滴の数、すなわち最大階調−1をm(mは2
以上の整数)とするとき、
【0025】
【数1】 {(N−1)q+p}/s≧2 (1)
【0026】
【数2】 NKp/s≧m (2)
【0027】
【数3】 s/q,/sがともに非整数 (3)
【0028】上述の式(1)で示される条件は、記録画
像を構成する全ての画素が、記録ヘッドの複数回(2回
以上)のスキャンによる異なった吐出口からのインク吐
出によって形成されるドットにより構成されるための条
件を示している。すなわち、移動量sで移動する記録ヘ
ッドの吐出口列が、吐出口配列の長さ(N−1)qに画
素幅pを加えた分の長さを移動する回数は{(N−1)
q+p}/sであるから、これが複数(2以上)であれ
ば、各画素において複数回のスキャンが重複し、これに
より、異なる吐出口からの吐出によって形成されるドッ
トにより各画素を構成できる。
【0029】式(2)で示される条件は、1画素に打ち
込むことのできるインク滴の数が、装置において設定さ
れる最大階調の値から1を減じた値mと等しいかそれよ
り大きいための条件を示す。この条件は以下のようにし
て得ることができる。すなわち、記録ヘッドがsだけ移
動したとき、この移動量sの幅で重複してスキャンされ
る画素の個数はs/pであり、従ってこの幅内の画素に
打ち込むべき最大ドット数の総数は(s/p)・mとな
る。一方、上記sの幅の重複したスキャンにおいては記
録ヘッドに配列するN個の吐出口それぞれが吐出し得る
から、この幅内の画素に打ち込み得るインク滴の総数は
NKとなる。従って各画素において最大階調−1を得る
ことができるための条件は、(s/p)・m≦NKとな
る。
【0030】式(3)で示される条件は、画素におい
て、吐出されるインク滴が記録紙上の同一個所に打ち込
まれない場合があるための条件、すなわち、ドットがず
れて形成される画素が存在するための条件を示してい
る。
【0031】ここで、s=p、q=bpとすれば、上
記式(1)〜(3)は以下のように表わすことができ
る。
【0032】
【数4】 {(N−1)b+1}/a≧2 (1)′
【0033】
【数5】 NK/a≧m (2)′
【0034】
【数6】 a/b,b/aがともに非整数 (3)′ このとき、[{(N−1)b+1}/a]=h([]は
商{(N−1)b+1}/aの整数部分を表わすものと
する)とすると、1画素を形成するために重複して行わ
れるスキャンの回数はhまたはh+1で表わされる
({N−1)b+1}/aが割り切れる場合には1画素
を形成するスキャン数はhのみとなる)。従って本実施
例の構成を取れば、1つの画素はhまたはh+1回のス
キャン(以下、主走査ともいう)によって、異なるhま
たはh+1個の吐出口からの吐出によって記録されるこ
とになる。
【0035】この結果、例えば吐出されるインク滴量の
吐出口間ばらつきが標準偏差σで正規分布しているとし
た場合、1画素を異なるhまたはh+1個の吐出口で形
成するとき、打ち込まれる画素当たりのインク量の画素
間ばらつきは
【0036】
【外1】
【0037】に減少する。画素間のインク量ばらつきは
画素濃度のばらつきとなって認識されるが、画像が鮮明
に見えるためには画素濃度ばらつきがゼロである必要は
無く、ある程度小さければ良いので、本実施例によれば
従来例に比べムラの少ない鮮明な画像が得られることに
なる。
【0038】hの値としては、画素間ばらつきを低減さ
せるためにできるだけ大きい方が望ましく、本発明者等
の検討によると、h=2でも従来の記録方法に比べ十分
鮮明な画像が得られるが、h=3以上にした場合に極め
て鮮明な画像が得られることが分かっている。
【0039】また、本実施例の構成では、1画素に打ち
込むことのできる最大インク滴数は、(h+1)Kまた
はhKとなるが、上述したようにm+1階調の記録を行
うために1画素当たりに打ち込むべきインク滴数は0〜
mである。従って本実施例において、式(2)よりNK
p/s>m、すなわちhK>mが成り立つ場合には、1
画素当たり打ち込むべきインク滴数より多くのインク滴
数を打ち込むことができるので、不吐出等、吐出不良の
吐出口があってもこれを他の吐出口によって補償して記
録を行うことも可能となり、その結果スジが生じる等の
画像の劣化を防止できる。
【0040】さらに、本発明者等の検討によれば、1画
素内に複数のドットを形成する際に、ドットを相互にず
らして重ねれば高い画像濃度が得られることが分かって
いる。このため本実施例では、相対移動量s,吐出口ピ
ッチqがともに互いの非整数倍になるようにすることに
より簡単な構成で複数ドットをずらすことができる。
【0041】以下、上述した装置を用いた上述の記録方
法による記録を、画素ピッチ63.5μmで3階調の記
録を行う場合を例にとり説明する。すなわち1画素当た
りに打ち込むインク滴数を0〜2の範囲で変化させて記
録を行う。
【0042】図3および図4はそれぞれ本実施例の記録
方法を説明するための概念図および模式図であり、図3
は記録ヘッド1が各スキャン毎に紙送り量sだけ移動し
て記録を行う様子を示しており、図4はこのスキャン毎
の移動(移動量s)と吐出口ピッチqとを画素幅pに対
して適切に定めることによって各画素内のドットをずら
して形成する様子を模式的に示すものである。なお、図
4では副走査方向の1ラインのみが示されるが、他のラ
インも同様であることは勿論である。図3において記録
ヘッド1は模式的に表わされ、説明の都合上4個の吐出
口が図の上下方向に等間隔(q)で配列しているものと
する。また、便宜上図において吐出口配列の上から下へ
向って吐出口の番号をNo.1,2,3,4とする。さ
らに、1スキャンで1つの画素に打ち込まれるインク滴
の数を1(K=1)として説明する。
【0043】記録紙に記録を行う際には、まずNo.2
〜4の吐出口のみを用いキャリッジを移動させつつ(第
1スキャン)記録を行う。この結果、記録紙の上方から
No.1〜3の画素が0または1のインク滴で記録され
ることになる。ここで、画素の境界に形成されるドット
はその下の画素に含まれるものとする(以下の説明にお
いても同様)。次に記録紙を1.5画素分(a=1.
5)上方へ送り(図中では便宜上ヘッドが下方へ相対的
に移動したことになっている)、No.1〜4の吐出口
を用いて第2スキャンによる記録を行う。この結果、第
1および第2スキャンによって、No.1,2の画素は
1画素当たり0〜2個のインク滴数で記録され、No.
3,4,5の画素は0〜1個のインク滴で記録されるこ
とになる。次に、記録紙を再び1.5画素分上方へ送り
No.1〜4の吐出口を用いて第3スキャンによる記録
を行う。このような記録を順次繰り返すことにより、図
4から明らかなように、各画素は最大2〜3個のドット
が形成され得ることが解る。このため、最大3ドットを
形成可能な画素では記録データによって1ドットを省く
ようにすれば、各画素でm=2とすることができ、3階
調の画像を得ることができる。
【0044】このようにして得られた画像は、1つの画
素が複数の吐出口から吐出するインク滴で形成されるた
め、各吐出口のインク滴量のばらつきが平均化され、ス
ジやムラの目立たない画像が得られることになる。ま
た、1画素内に2つ以上のインク滴を打ち込む際に、各
インク滴の着弾位置をずらしているため各画素が十分に
ドットで被われ、高い画像濃度を得ることができる。
【0045】以上の記録方法を用いて種々の画像を記録
したところ、従来の1画素を同一吐出口から吐出する複
数インク滴で記録したものに比べ、スジ,ムラがなく極
めて高鮮明な画像が得られた。
【0046】また、本実施例では1画素当たりのドット
数は最大2であるのに対して、0〜3のインク滴で記録
されうる画素(例えば図4において画素No.4,5な
ど)が存在し、このような画素においては1個の吐出口
は不要である。具体的には、図4を詳細に検討すると分
かるように、No.2またはNo.3の吐出口はどちら
か一方は吐出不良であっても良い。この結果、例えば吐
出不良の吐出口があることが記録装置の製造時にわかっ
ていれば、その情報を記録装置のメモリ(ROMまたは
RAM)に書き込んでおき、制御部を介して吐出に使う
吐出口を選択することもできる。また、記録装置を製造
した後、例えば装置の使用中にある吐出口に不吐出等の
吐出不良が生じた場合には、サービスマンまたはユーザ
ーがその情報を記録装置のRAMに書き込んで他の吐出
口により補償することもできる。
【0047】(実施例1の変形例1)図5は第1実施例
の一変形例にかかるインクジェット記録装置の概略斜視
図である。
【0048】記録ヘッド1は5個の吐出口を密度16吐
出口/mmで図中の横方向に配列しており、キャリッジ
4に搭載されて、これが摺動可能に係合するレールに沿
って移動することができる。記録紙2はドラム3に巻き
付けられており、ドラム3は不図示のモータによって回
転する。この構成によれば主走査はドラムの回転によっ
て行われることになる。この装置を用いて16画素/m
mの密度で4階調の記録を行う例について以下に説明す
る。
【0049】図6は本変形例にかかる記録方法を説明す
るための模式図である。
【0050】まず、記録ヘッドを図5の再右端に位置さ
せ、吐出口No.4,5の2吐出口のみを用い、ドラム
を1回転させて記録を行う。次に、ヘッドを左方に5/
3画素分(a=5/3)移動させ吐出口No.3〜5の
3吐出口を用い、ドラムを1回転させて記録を行う。こ
のように各スキャン毎に記録ヘッドを左方に5/3画素
分移動させ次にドラムを1回転させて記録を行うことを
順次繰り返し全面の記録を行う。この結果、例えばN
o.1の画素は吐出口No.1,3,4の3個で形成さ
れることになり、0〜3のインク滴数で4階調の記録を
行うことができる。
【0051】以上の記録方法を用いて種々の画像を記録
したところ、スジ,ムラがなく極めて高鮮明な画像が得
られた。
【0052】(実施例1の変形例2)実施例1と同一の
装置および記録ヘッド、すなわち吐出口数4,吐出口ピ
ッチq=79.4μmの記録ヘッドを用い、実施例1と
は異なる記録方法を用いて画素ピッチp=79.4μm
で5階調の記録を行う場合を以下に説明する。
【0053】図7は本変形例にかかる記録方法を説明す
るための模式図である。
【0054】記録紙に記録を行う際、まずNo.2〜4
の3個の吐出口を用いてキャリッジを移動させつつ記録
を行う。この時、画像濃度に応じて1画素当たり0また
は1または2のインク滴を吐出して記録を行う。すなわ
ち、本例の場合、1回のスキャンで1画素に対して最大
2個のインク滴を打ち込むことができる(K=2)。次
に記録紙を7/4画素分(a=7/4)上方へ送りN
o.1〜4の吐出口を用いて記録を行う。次に記録紙を
再び7/4画素分上方へ送りNo.1〜4の吐出口を用
いて記録を行う。このような記録を順次繰り返し、各画
素を0〜4滴のインク滴によって記録し、5階調の画像
を得る。この際、図から分かるように、例えば画素N
o.3または4では0〜6個のインク滴を打ち込むこと
が可能である。このような画素ではいずれかのインク滴
は不要であり、記録データによりインク滴数が0〜4に
なるように吐出を制御する。また、本例によれば、N
o.1とNo.4の吐出口のいずれかが不吐出であって
も5階調の画像が得られることが解る。
【0055】なお、本実施例では1スキャン毎,1画素
当たりに打ち込むインク滴数を最大2としたが、これを
3以上とすることもでき、これによりさらに階調数の高
い画像が得られる。
【0056】(実施例1の変形例3)吐出口数67,吐
出口ピッチq=70.6μmの記録ヘッドを用い、紙送
り量sを1063.6μmとする他は、実施例1と同一
の装置を用いて、画素ピッチp=63.5μmで5階調
の記録を行った。本例による記録方法の概念図を図8に
示す。
【0057】この記録方法を用いて種々の画像を記録し
たところ、同様にスジ・ムラがなく極めて高鮮明な画像
が得られた。
【0058】(実施例2)上記実施例1およびその変形
例では、1画素当たりに記録すべきドット数がmである
のに対して、形成可能なドット数はhKであり、hK≧
mであった。しかしながら、吐出不良の吐出口の補償等
を考慮しなくてもよければ過不足無くドットを形成する
のがより効率的である。従って、そのための条件は上記
(2)′式においてNK/a=mであれば良い。
【0059】また、紙送りが行われた場合に、例えばそ
の紙送りの前に記録された画像の下端と、その紙送り後
に記録される画像の上端とが一致しなければならないと
ころ、紙送り誤差等の位置ずれによって不一致を生じる
ことがある。このような場合、(Nq+p)/sを非整
数とすることにより、各画素内のドットパターンを不均
一なものとすれば、この誤差等の影響を少なくすること
ができる。
【0060】以下、図1および図2に示される装置を用
いて画素ピッチp=63.5μmで4階調の記録を行う
場合を例にとり本発明の実施例2を説明する。すなわち
1画素当たりのインク滴数を0〜3の範囲で変化させて
記録を行う。
【0061】図9および図10は本実施例の記録方法を
説明するための概念図および模式図である。記録ヘッド
1は6個の吐出口を図の上下方向に配列している。ま
た、吐出口番号を図の上から下へ向かって1,2,…,
6とする。
【0062】記録紙に記録を行う際には、まず第1スキ
ャンでは、No.4,5の2個の吐出口のみを用いてキ
ャリッジを移動させつつ記録を行う。この結果、画素N
o.1,2に最大1個のインク滴が打ち込まれることに
なる。次に第2スキャンでは、記録紙を2画素分(a=
2)上方へ送り(図中では便宜上記録ヘッドが下方へ相
対的に移動したことになっている)No.4〜6の吐出
口を用いて記録を行う。この結果、画素No.1には最
大2個のインク滴が打ち込まれ、No.2〜4の画素に
は最大1個のインク滴が打ち込まれることになる。次
に、第3スキャンでは、記録紙を2画素分上方へ送った
後、No.2〜6の吐出口を用いて記録を行う。この結
果、画素No.1には最大3個のインク滴が、No.
2,3の画素には最大2個のインク滴が、No.4〜6
の画素には最大1個のインク滴が打ち込まれることにな
る。さらに、記録紙を2画素分上方へ送った後、第4ス
キャンでNo.1〜6の吐出口を用いて記録を行い、そ
の後のスキャンでは、記録紙を2画素分上方へ送る毎に
No.1〜6の吐出口を用いて記録を行うことを順次繰
り返す。この結果、各画素では、それぞれに形成され得
るドットの数の最大値が3となり、4階調の画像が得ら
れる。この最大値は全ての画素において等しくなり、こ
のため打ち込み可能なインク滴は過不足なくドット形成
に用いられる。
【0063】(実施例2の変形例1)図11は本例の記
録方法を説明するための模式図である。また、本例は図
5に示した装置と同様の装置に適用される。
【0064】まず記録ヘッドを図5の最右端に位置させ
た後、第1スキャンでは、吐出口No.4,5の2個の
吐出口のみを用い、ドラムを1回転させて記録を行う。
この時、画像濃度に応じて1画素当たり0または1また
は2のインク滴を吐出して記録を行う(K=2)。次
に、記録ヘッドを左方に2.5画素分(a=2.5)移
動させた後、第2スキャンでは、吐出口No.1〜5の
5個の吐出口を用い、ドラムを1回転させた後、最大2
個のインク滴を吐出して記録を行う。このように記録ヘ
ッドを左方に2.5画素移動させ次にドラムを1回転さ
せて記録を行うことを順次繰り返し全面の記録を行っ
た。この結果、例えば1番目の画素は吐出口No.1,
4の2つの吐出口から吐出する最大4個のインク滴で記
録されることになり、5階調の記録を行うことができ
る。
【0065】(実施例2の変形例2)図12は、実施例
2で説明した記録方法を、吐出口数89,吐出口ピッチ
706μmの記録ヘッドに用いた場合の記録動作を示す
概念図である。本例では、紙送り量が1412.9μm
とする他は、実施例2と同じ装置を用いて、画素ピッチ
63.5μm,5階調の記録を行った。
【0066】本例の装置を用いて種々の画像を記録した
ところ、スジ・ムラがなく極めて高鮮明な画像が得られ
た。
【0067】(実施例3)上記実施例1,2では、画素
ピッチp,吐出口ピッチqおよび相対移動量sを適切に
設定することにより、各画素のドットが複数回の走査で
それぞれ異なる吐出口からのインク滴により形成され、
しかもこれらドットが画素内でずれて形成される条件に
ついて説明した。
【0068】本実施例3は、上記条件に加え、画素内に
形成されるドットの数と、このドットのパターンとが一
意に対応し、しかも各ドットは重なることがなく、かつ
このパターン内においてドットが均一に配置される条件
に関するものである。このような条件に基づいて記録方
法を適用することにより、記録画像の濃度や品位を画素
レベルで制御することがより容易になる。
【0069】以下、本例の条件について説明する。
【0070】記録紙上に形成されるドットの副走査方向
の座標をxとしたとき、第i番目の吐出口から第jスキ
ャン時に吐出されたインク滴により形成されるドットの
座標xijは、原点を適当に選べば、
【0071】
【数7】 xij=qi+sj=(bi+aj)p (4) と表わすことができる。
【0072】ここで、1画素内に形成される複数のドッ
トパターンが均一であることの条件を考慮すると、a,
bが有理数となる。従ってb=β/α,a=η/ξ(α
とβ,ηとξは互いに素な自然数)と表わすことがで
き、上記式(4)は、
【0073】
【数8】
【0074】と表わすことができる。ここでαとξの最
大公約数をg、また、βとηの最大公約数をfとおくと
式(5)は
【0075】
【数9】
【0076】となる。ここで、α′=α/g,ξ′=ξ
/g,β′=β/f,η′=η/fである。
【0077】ここで、αとβは互いに素であることによ
り、α′とβ′も互いに素となり、ξとηが互いに素で
あることにより、ξ′とη′も互いに素となる。また、
α′とξ′も互いに素、β′とη′も互いに素となる。
以上から、β′ξ′とα′η′も互いに素となる。故に
自然数iとjに応じてβ′ξ′i+α′η′jは所定数
以上のすべての整数値をとり得る。従って、この所定数
をとるときのxijの値を画像における最端ドットの座標
と定めることができる。
【0078】ところで、(6)式からxij/pの整数部
の値はその座標のドットが何番目の画素に属するかを示
すものであることが理解できる。この整数部の値をNと
したとき、Np以上(N+1)p未満の範囲を満たすx
ijは、この幅pの間に平均gα′ξ′/f個存在する。
すなわち、N番目の画素にgα′ξ′/f個のドットが
形成される。ここで仮にf≠1とすると、fとgα′=
αは互いに素、とξ′も互いに素なので、gα′ξ′
/fは整数ではない。この結果、例えば区間Np以上
(N+1)p未満を満たすxijの数と区間(N+1)p
以上(N+2)p未満を満たすxijの数が異なることに
なる。例えば、q=(4/5)p,s=(8/5)pの
とき、(4)式より
【0079】
【数10】
【0080】(7)式のiとjに自然数を代入していく
と、xij/pは4M以上4M+1未満の範囲で、0,
0.8;4.0,4.8等のように2個異なる値をとる
が、それ以外では1.6;2.4;3.2;5.6等の
ように1個の異なる値しかとらない。このように、f≠
1である場合は、画素によって形成され得るドットの数
の最大値が異なってしまう。一方、f=1の場合は、当
該区間に打ち込み可能なドット数は常に一定値となる。
従って各画素に形成され得るドット数を等しくするには
f=1でなければならない。このf=1という条件か
ら、βとηは互いに素(条件1)であるとの結論を導く
ことができる。
【0081】このとき、1画素はそれぞれ異なる吐出口
から吐出される最大gα′ξ′個のインク滴から構成さ
れることになる。
【0082】さて、f=1であるから式(6)を書き換
えると、
【0083】
【数11】
【0084】となる。
【0085】ところで、2つのドットが同じ座標となる
場合を考える。このとき、
【0086】
【数12】
【0087】
【数13】 βξ′(i+Δi)+α′η(j−Δj)=βξ′i+α′ηj 故に
【0088】
【数14】 βξ′Δi=α′ηΔj (10) ここで、βξ′とα′ηは互いに素なので、式(10)
を満たす(Δi,Δj)のうち正の最小解は、
【0089】
【数15】
【0090】となる。すなわち、このとき、xijは、i
よりα′η番だけ後の吐出口からjよりβξ′回前のス
キャン時に吐出されたインク滴によって形成されるドッ
トの位置と等しくなる。従って、スキャンの繰り返しに
よって同一点にドットが形成されないようにするには、
α′η番だけ後の吐出口が存在しなければよいから、吐
出口の数Nが、N≦α′ηを満たせば、同じ座標のドッ
トが存在しないことになる。
【0091】一方、N>1であることが、記録ヘッドが
複数の吐出口を具える条件となる。以上の2条件から以
下の式が成り立つ。
【0092】
【数16】 N=α′η>1(条件2) (12) また、βξ′回のスキャンによって、どの画素も、最大
gα′ξ′個の異なる吐出口からのインク滴によるドッ
トを構成できる。従ってそのための条件は、
【0093】
【数17】 gα′ξ′>1(条件3),βξ′>1(条件4) (13) と表わすことができる。
【0094】以上の条件1〜4が同時に満たされること
が、本実施例の条件となる。
【0095】以上の条件1〜4を満たすようにα,β,
ξ,ηを定めた場合、xij=(βξ′i+α′ηj)p
/gα′ξ′は、xijで示される位置のドットが属する
画素と副走査方向において隣接する画素との間を、
【0096】
【数18】 mod(βξ′i+α′ηj,gα′ξ′) :gα′ξ′−mod(βξ′i+α′ηj,gα′ξ′) (14) の比に内分する点の位置を示す。ここで、mod(β
ξ′i+α′ηj,gα′ξ′)は(βξ′i+α′η
j)をgα′ξ′で除したときの余りを示す。今、当該
画素の画像レベルをkとするとき、すなわち、当該画素
が異なるk個の吐出口から吐出されるインク滴によって
構成されるとき、i,jは選択方法は
【0097】
【外2】
【0098】通りある。本実施例では、この中からk組
のi,jを選択する方法として、予めk個の自然数の要
素からなる所定の集合Mk (k=1,2,…,gα′
ξ′−1)を定めておき、mod(βξ′i+α′η
j,gα′ξ′)∈Mk となるようなi,jの組を選択
する。ここでMkは{0,1,…,gα′ξ′−1}か
らk個とり出した部分集合である。上述のようにMk
予め定め、それに従い(i,j)を選択すれば、等しい
画像レベルのとき、すなわち1画素に打ち込むインク滴
数が等しいときは、いつも当該画素内におけるドットの
配置パターンは同じものとすることができる。
【0099】以上説明した実施例3の具体的な記録方法
について以下に説明する。
【0100】本実施例では、図1に示したのと同様なイ
ンクジェット記録装置を用いて記録を行う。ただし、記
録ヘッド1が具える吐出口の数を9個とし、吐出口ピッ
チq=84.67μm,画素ピッチp=63.5μmと
する。従って、q=4/3p、すなわちb=4/3とな
る。本例では、4階調の記録を行うものとして説明す
る。すなわち1画素当たりのドット数(以下、画像レベ
ルと記す)を0〜3の範囲で変化させて記録を行う。
【0101】図13(A)および(B)は本実施例の記
録方法を説明するための概念図およびその記録結果を示
す模式図である。
【0102】まず、第1スキャンにおいてはNo.7の
吐出口が画素U00の最上点I00を通るようにスキャンを
行う。吐出口ピッチq=(4/3)pであるのでNo.
8の吐出口はI01とI02の間、すなわち画素U01を通
り、No.9の吐出口はI02とI03の間すなわち画素U
02を通ることになる。No.1〜6の吐出口は記録紙2
の画素上の点を通らないので本スキャンにおいては未使
用である。
【0103】次に、第2スキャンでは記録紙2を、3画
素分s=3p、すなわちa=3だけ上方に送り、すなわ
ち記録紙2から見れば記録ヘッド1を3画素分下方へ送
った後記録を行う。従って、No.5の吐出口はI00
01を1:2に内分する点(画素U00内)、No.6吐
出口はI01とI11を2:1に内分する点(画素U
01内)、No.7吐出口はI03上(画素U03内)、N
o.8吐出口は画素U04内、No.9吐出口は画素U05
内をそれぞれ通る。このスキャンではNo.1〜4の吐
出口は未使用である。
【0104】さらに記録ヘッド1を相対的に下方へ3画
素分移動した後、第3スキャンを行う。このように1回
のスキャン毎に3画素分ずつ記録ヘッド1を相対的に移
動させてスキャンを行う。このような記録動作を繰り返
していくと、各画素に対して、最大4回の重複した走査
が行われるが、そのうち各画素上を吐出口が通過するの
は3回である。
【0105】例えば画素U00には第1,2,3スキャン
時に吐出口が通過する。画素U01には第1,2,4スキ
ャン時に吐出口が通過し、第3スキャン時には記録ヘッ
ドは通過するが吐出口は通過しない。同時に、画素U02
には第1,3,4スキャン時に通過し、第2スキャン時
には通過しない。また、各画素を3回通過する吐出口の
位置は、各画素においてIijを通る場合とIijとIij+1
とを1:2に内分する場合と、IijとIij+1を2:1に
内分する場合が各1回ずつとなる。
【0106】以上のことをまとめると図14のようにな
る。このように、各画素を構成する3個のドットは、そ
れぞれを形成するスキャンの回数と吐出口の番号が一意
に定まっている。従って、画素毎の濃度データは、スキ
ャン回数と吐出口番号に対応させた駆動データに変換さ
れ、図2に示した駆動データRAM110Mに予め格納
しておく。このRAMの内容を図15に示す。
【0107】図15に示すように、駆動データはスキャ
ン番号と吐出口番号に応じた位置に格納される。例え
ば、第3スキャンのNo.4の吐出口の駆動データは、
14番目の画素の2番目のドットにかかるものであり、
“1”または“0”(吐出か非吐出)のデータが格納さ
れている。
【0108】このような、各画素におけるその濃度(画
像レベル)に応じた駆動データの設定は、以下のように
行われる。
【0109】図14において、画素の1/3,2/3
は、それぞれ次の画素との間を1:2,2:1に内分す
る点である。画素U01には、第1スキャンでNo.8の
吐出口が、第2スキャンではNo.6の吐出口が、第4
スキャンではNo.1の吐出口がそれぞれ対応する。従
って、このような3回のスキャン時すべてでこの画素通
過に合わせてインクの滴の吐出を行えば、画像レベル3
の記録が行える。同様に上記3回のスキャンのうち任意
の2回でインク滴吐出を行えば、画像レベル2の記録
が、上記3回のスキャンのうち任意の1回でインク滴吐
出を行えば、画像レベル1の記録が行える。
【0110】しかしながら、例えば画像レベル1のと
き、画素領域Uijの中でのドットの打たれる位置が、ど
の画素においても同一である方が画像ムラを低減し画像
を均一なものにするためには好ましい。例えばU00,U
01,U02,…の画像レベルが全て1とする場合におい
て、U00では第1スキャンのNo.7,U01では第4ス
キャンのNo.1,U02では第3スキャンのNo.4,
…を用いて吐出を行うと(これを方法Aとする)、常に
各画素中の上端にドットが形成され均一の画像が得られ
る。これに対して、画像レベル1の記録を行うのに例え
ば第1スキャンでU00,U01,U02の画素にドットを形
成してしまうと、各画素で画像レベルは1になるが、画
素U00では上端の点I00、画素U01ではI01とI02とを
1:2に内分する点、画素U02ではI02とI03を2:1
に内分する点(画素中でU03寄り)にドットが形成され
ることになる。このような記録を行うと、各画素におい
て同じ画像レベルであっても、ドット間隔にムラが生じ
均一の画像が得られないことがある。
【0111】なお、画像レベル1の均一画像を形成する
には、上述したように画素の上端でなくても、他の位置
を選択することもできることは勿論である。例えば、常
に次の画素との間を1:2に内分する点を選択すべく、
画素U00では第2スキャンのNo.5,画素U01では第
1スキャンのNo.8,画素U02では第4スキャンのN
o.2,点によって形成されるドットの位置であっても
良い(これを方法Bとする)。
【0112】なお、本実施例では、吐出口ピッチq=
(4/3)p(b=4/3),相対移動量(紙送り量)
s=3p(a=3)であり、α=3,β=4,ξ=1,
η=3,g=1、従ってα′=3,ξ′=1である。こ
のとき、βとηは互いに素となており、α′η=αη/
g=1(≧2)でこれが使用する吐出口数Nと一致して
いる。また、gα′ξ′=αξ=3,βξ′=βξ=4
も成り立っている。また、上述の方法Aの場合、mod
(βξ′i+α′ηj,gα′ξ′)の値はmod(4
i+3j,3)=mod(4×7+3×1,3)=mo
d(4×1+3×4)=mod(4×4+3×3,3)
=……=1となる。
【0113】すなわち、予め、M1 ={1}とし、mo
d(βξ′i+α′ηj,gα′ξ′)∈M1 となる
(i,j)を設定する。方法Bについても同様である。
【0114】なお、本実施例では、q,sとpとの関係
は厳密に成立する必要はなく、誤差は許容されるもので
あって、その程度は被記録媒体における画像端において
pの数分の1程度の着弾誤差を生じる程度である。
【0115】(実施例3の変形例1)図16は実施例3
の一変形例にかかる概念図である。
【0116】本例では、画素ピッチp=(25.4/3
00)mm,吐出口ピッチq=(5/3)p=(25.
8/180)mm,相対移動量s=(199/15)p
である。画素U0,0 は記録紙上の一番左上の画素を示し
ている(図中斜線部分)。また、吐出口数は199個で
ある。
【0117】まず第1スキャン時は、No.1吐出口を
仮想画素V0,317 (U0,0 より317画素分上方)の上
隅に対応させて記録を行う。次に、第2スキャン時は記
録ヘッド1をs=199p/15だけ副走査方向に相対
移動して記録を行う。各画素に対して、最大25回の重
複するスキャンを行ううち、15回、吐出口が通過す
る。すなわち0〜15の16値の階調記録を行うことが
できる。
【0118】この様子を示したのが図17である。同図
において、横軸はスキャン番号、たて軸は画素列を示
す。ここで、例えば画素U0,0 には、第7スキャン時の
No.144吐出口,第8スキャン時のNo.136,
第9スキャン時のNo.128,…,第21スキャン時
のNo.32で吐出されるインク滴により最大15個の
ドットを形成することができる。
【0119】前述のように、画像レベル値が1以上14
以下の場合、どのスキャン時に吐出を行うかは任意に選
択可能であるが、本例では、被記録媒体の種類に応じ
て、最適の濃度が得られるように、そのスキャン番号お
よび吐出口番号の選択を行う。この選択は、前述したよ
うに図2に示す駆動データRAMへのデータ設定により
行うことができる。
【0120】例えば、U0,0 の画像レベル値が5の場合
を考える。すなわち、当該画素に5つのドットが打ち込
まれる場合において、インク滲み率が比較的小さい紙を
用いる場合、5つのドットを画素内になるべく均等に分
散させた方が、高濃度を得やすい。このため、スキャン
9のNo.128,スキャン12のNo.104,スキ
ャン15のNo.80,スキャン18のNo.56,ス
キャン21のNo.32によりドットを形成する。一
方、広がり率が十分大きい紙を用いる場合はドットの占
有率をなるべく小さくおさえる方が過大な濃度になるの
を防ぐことができる。このため、スキャン17のNo.
64,スキャン18のNo.56,スキャン19のN
o.48,スキャン20のNo.40,スキャン21の
No.32によりドットを形成する。
【0121】以上説明したように、本例によれば、(2
5,4/180)mmという吐出口ピッチの記録ヘッド
を用い、(25.4/300)mm間隔の画素で16値
の記録が行え、かつ、被記録媒体の種類によって濃度の
補正が行えるという特徴がある。
【0122】(実施例3の変形例2)図18,19およ
び20は実施例3の一変形例にかかる図である。
【0123】本例では、画素ピッチp=(25.4/4
00)mm,吐出口ピッチq=(3/2)p=(25.
4/200)mm,相対移動量s=(7/4)p,吐出
口数n=7,1画素当たりの最大ドット数は4である。
【0124】まず、第1スキャンにおいては、No.6
吐出口がU0,0の上端を通る。図から明らかなように、
画素U0,0 は、第1スキャンのNo.6,第2スキャン
のNo.5,第3スキャンのNo.4,第4スキャンの
No.3からの吐出によって形成される4ドットから、
画像レベルに応じたドットが選択されて形成される。同
様に、画素U0,1 は、第5スキャンのNo.2,第6ス
キャンのNo.1,第1スキャンのNo.7,第2スキ
ャンのNo.6からの吐出により形成されるドットから
選択される。同様に、U0,2 は第3スキャンのNo.
5,第4スキャンのNo.4,第5スキャンのNo.
3,第6スキャンのNo.2からの吐出によって形成さ
れるドットから選択される。
【0125】図中、たて長の長方形に囲まれた斜線で示
されるPSはその吐出口における駆動パルスを示す。τ
は本例記録ヘッドの最大駆動間隔(駆動周期)であっ
て、400μsecである。
【0126】No.i吐出口から第jスキャン時にイン
ク滴を吐出する場合、駆動タイミングを次のように定め
た。すなわち、各画素においてドットが形成される位置
に応じて、その位置が mod(6i+7j,4)=3のときは駆動周期開始
時、 mod(6i+7j,4)=0のときは駆動周期開始後
100μs、 mod(6i+7j,4)=1のときは駆動周期開始後
200μs、 mod(6i+7j,4)=2のときは駆動周期開始後
300μs。
【0127】さらに、ドットの位置は画素における画像
レベルに応じて、以下のように定めた。
【0128】画像レベル1:mod(6i+7j,4)
=3となるようなi,jの値、 画像レベル2:mod(6i+7j,4)∈{1,3}
となるようなi,jの値、 画像レベル3:mod(6i+7j,4)∈{0,1,
3}となるようなi,jの値。
【0129】以上のように吐出タイミングと吐出口を選
択すると、各画像レベルにおいて、画素内のドットの相
対位置は図19にのようになる。
【0130】このように、本実施例の場合、画像レベル
それぞれにおいてドット面積の占有率が、できるだけ高
くなるようにドット配置が定められる。これは滲み率の
低い被記録媒体を用いる場合に、十分に画像濃度を得る
のに特に有効である。一方、画像レベルが低いときに、
より低い濃度を実現するためには、上記i,jの選択方
法を次のように変更すれば良い。
【0131】画像レベル2のときmod(6i+7i,
4)={0,3}となるような(i,j)とする。この
ように変更することにより、レベルが2の時のドットの
配置は図20のようになりドットの面積占有率は下がり
低濃度を実現しやすくできる。
【0132】いずれにしろ、被記録媒体の種類,画像処
理に応じて階調表現を変更することが可能である。
【0133】(実施例3の変形例3)図21は実施例3
の一変形例にかかる概念図である。
【0134】本例では吐出口ピッチと画素ピッチは等し
くp=q=63.5μm、相対移動量はs=(13/
4)pである。従って、α=β=1,ξ=4,η=1
3,g=1,α′=1,ξ′=4となる。また、吐出口
数N=α′η=13となる。
【0135】本例では、まず、No.10吐出口が第1
画素U00の上端を通るようにスキャンする。次にs=
(13/4)pだけ副走査方向に紙送りをして次のスキ
ャンを行う。このように記録動作を続けていくと、1画
素内に、最大4つのドットを形成でき、5値の階調記録
が行える。
【0136】なお、以上述べた実施例3およびその変形
例においては、同一画素内では、同一吐出口からは1つ
のドットしか形成されないものとしたが、当然のことな
がら同一吐出口により複数のドットを形成することもで
きる。
【0137】例えば変形例3において、同一吐出口から
同一画素に2つまでのインク滴を打ち込めるとすると、
図22のように0ドット/1画素〜8ドット/1画素の
9階調の記録が行える。もちろんこの場合記録ヘッドの
最高駆動周波数は変形例3の場合の2倍にしなければな
らない。
【0138】以上の実施例1〜3およびそれらの変形例
においては、1つの画素を複数回のスキャンでしかも異
なる吐出口からのインク滴により形成される複数のドッ
トにより構成し、しかもこれらドットがその画素内にお
いて相互にずれた位置に形成されることについて説明し
てきた。
【0139】さらに、以下では、上記発明の別の側面あ
るいは別の形態を、実施例4および5として説明する。
【0140】(実施例4)本例では、図1および2に示
したのと同様のインクジェット記録装置を用いる。ただ
し、吐出口の数を513個とする。
【0141】上記装置を用いてA4記録紙に5階調の記
録を行う場合について説明する。すなわち、1画素当り
のインク滴数を0〜4の範囲で変化させて記録を行う。
【0142】図23は本実施例の記録方法を説明するた
めの概念図である。また、本例による画素形成を図24
に示す。
【0143】記録ヘッド1は513個の吐出口を配設す
る。記録紙に記録を行う際には、まず第1スキャンでN
o.385〜513の吐出口のみを用いてキャリッジを
移動させつつ記録を行う。この結果、記録紙における第
1〜129番目の画素に0または1のインク滴でドット
が記録されることになる。
【0144】次に記録紙を(128+1/4)吐出口ピ
ッチ(=画素ピッチ)分上方へ送り(図中では便宜上記
録ヘッドが下方へ移動したことになっている。)、第2
スキャンでNo.257〜513の吐出口を用いて記録
を行う。この結果No.257〜374の吐出口により
形成されるドットは、前回のスキャンでNo.385〜
513の吐出口で記録した第1〜128番目の各画素の
ドットに対してずらし量1/4吐出口ピッチ分(以下、
1/4のみ記す)下方に記録され、No.385〜51
3の吐出口によるドットは、第129番目の画素のドッ
トに対してずらし量1/4下方の位置から新たに第13
0〜257番目の画素のドットが記録されることにな
る。従って第1〜129番目の各画素は、0〜2のイン
ク滴数で記録されることになり、130〜257番目の
各画素は0〜1のインク滴で記録されることになる。次
に記録紙を再び(128+1/4)吐出口ピッチ分上方
へ送り、第3スキャンを行い、No.129〜513吐
出口を用いて記録を行う。このような記録を順次繰り返
すと第4スキャンの記録が終了した時点で第1〜129
番目の画素は各スキャン毎のドットが1/4画素ずつ下
方にずれた状態で0〜4個記録されたことになり、5階
調の画像が得られる。5回目以降のスキャンについても
同様に記録を繰り返すと30回目の記録が終了した時点
でA4記録紙全面にわたり5階調の画像が形成される。
【0145】なお、画像最下端部では、記録ヘッド1走
査毎に使用している吐出口を下方から順次128個ずつ
記録を停止していき画像端を形成する。
【0146】このようにして得られた画像の副走査方向
の各画素に注目してみると、図24に示されるように、
1画素は副走査方向にずらし量分、つまり1/4画素ピ
ッチ下方へずれた最大4滴のインク滴で形成されるた
め、隣り合う画素間においてインクが着弾されない部分
にもインクを着弾させることが可能である。これにより
画像上の特に、高濃度部の濃度が十分に得られる。しか
も各画素のドットはすでに述べたように、ずらし量分下
方へずれた位置へ着弾したインク滴で形成されるため、
副走査方向へ連続したインク滴で構成されることとな
る。
【0147】また、ずらし量1/4吐出口ピッチは1ス
キャンに対してのものであるから5スキャン目の記録時
点で吐出口が1吐出口ピッチ分下方へ移動する。つま
り、4スキャンに1個使用しない吐出口が発生すること
になる。本例では5スキャン目の記録時点でNo.51
3の吐出口が不要となり、以降4スキャン毎に順次、N
o.507の吐出口までの7個を不使用吐出口としてい
くこととなる。従って、例えば、No.513の吐出口
は第1〜4スキャンのみに用いられるものであるから、
これらのスキャンでNo.513に対応する駆動データ
が“0”であれば、No.513吐出口が、不吐出など
の吐出不良であってもその後の記録には差し支えない。
【0148】このような記録方法を行うことによって、
使用しない吐出口が生じることができ、例えば製造時に
不吐出などの吐出不良となった吐出口がある記録ヘッド
を使用することも可能となる。
【0149】また、その不使用となる吐出口に吐出不良
があっても、この吐出口を用いる最初の数スキャンにお
いて他の吐出口により形成されるドットによって、その
吐出不良が濃度にもたらす影響を低減することができ
る。
【0150】(実施例4の変形例1)本例では図5に示
したインクジェット記録装置を用いる。本例の記録ヘッ
ド1は、512個の吐出口を密度16吐出口/mmで配
列する。この装置を用いて4階調の記録を行う場合を例
にとり説明する。すなわち1画素当りにインク滴数を0
〜3の範囲で変化させて記録を行う。
【0151】図25は本実施例の記録方法を説明するた
めの概念図であり、図26に画素形成を示す。まず、記
録ヘッド1を図5の最左端に位置させ、第1スキャンに
おいてNo.341〜510の170個の吐出口のみを
用い、ドラムを1回転させて記録を行う。この結果、記
録紙の左端から第1〜170番目の画素に駆動データ
“0”または“1”に応じてドットが形成される。次
に、図5において記録ヘッド1を右方へ移動するのであ
るが、記録ヘッドの送り量Sは、使用全吐出口数512
個、最大インク滴数(m=3)、ずらし量を1/3吐出
口ピッチ(1/3画素ピッチ)とするとき、S=(17
0±1/3)吐出口ピッチとすることができる。本実施
例においては、ずらし量が負となった場合、つまり送り
量を(170−1/3)吐出口ピッチとした場合の記録
を行った。ここで、総スキャン回数は吐出口配列長さ3
2mm(512吐出口)、最大インク滴数(m=3)お
よび送り量より22回となる。
【0152】上記送り量Sで記録ヘッドを右方へ移動さ
せた後、第2スキャンでNo.171〜510の吐出口
を用いてドラムを再び1回転させて次の記録を行う。こ
の結果No.170〜340の吐出口によるドットは、
前回No.341〜510の吐出口で記録した第1〜1
70番目の画素に対してずらし量1/3画素分左方の位
置に形成され、No.341〜510の吐出口は第17
0番目の画素に対して2/3画素分右方の位置をおいて
新たに第171〜340番目の画素に0〜1個のドット
を形成する。従って第1〜170番目の各画素は0〜2
個のドットが形成される。次に記録ヘッドを再び(17
0−1/3)吐出口ピッチ分右方へ移動させた後、第3
スキャンでNo.1〜510の吐出口を用いてドラムを
1回転させて記録を行う。
【0153】このような記録を順次繰り返すと3回目の
スキャンが終了した時点で第1〜170番目の画素は、
各スキャン毎に形成されたドットが1/3画素分ずつ左
方にずれた状態で0〜3個のドットが形成されることに
なり4階調の画像が得られる。第4スキャンの時点にお
いては、記録ヘッド移動毎に(170−1/3)吐出口
ピッチずつ左方へ移動しているため、吐出口が1吐出口
ピッチ分左方へずれることにより、No.1の吐出口は
使用しない吐出口となり、これに代わってNo.511
の吐出口が使われることになる。同様に第7スキャン時
点においても吐出口が1吐出口ピッチ分左方へずれるこ
とにより、No.2の吐出口が使用しない吐出口とな
り、No.512の吐出口が使われることとなる。さら
に第10スキャン時点ではNo.3のノズルが使用しな
い吐出口となり、使用吐出口の数はNo.4〜512の
509個となる。これを順次繰り返すと22回目の記録
が終了し、A4記録紙全面にわたり4階調の画像が形成
される。この時点において使用していない吐出口はN
o.1〜7の吐出口となり、7個の吐出口が使用されて
いないこととなる。このうち、No.1の吐出口は第1
スキャンから不使用であるため、この吐出口に吐出不良
があっても差し支えない。
【0154】なお、画像最右端部を記録する20回目以
降においては使用している吐出口のうち、最右端である
No.512のノズルからヘッド移動毎に順次166
個、次に170個、残り170個ずつ吐出を止めていき
画像端を形成する。
【0155】このようにして得られた画像の記録ヘッド
移動方向の各画素に注目してみると、1画素はヘッド移
動方向にずらし量1/3画素ピッチ分ずれた最大3個の
ドットで形成されるため、不使用吐出口を作り出すこと
ができ、従来、不良とされていた吐出不良の吐出口を有
する記録ヘッドを、吐出口を代替することにより使用す
ることが可能となる。
【0156】(実施例4の変形例2)上記変形例1と同
じ装置を用いた他の変形例について説明する。すなわ
ち、この装置を用いて5階調の記録を行う場合について
説明する。
【0157】図27は本例の記録方法を説明するための
概念図であり、図28にドット形成を示す。
【0158】まず、記録ヘッドを図5の最左端に位置さ
せた後、第1スキャンを行い、No.385〜512の
128個の吐出口のみを用いドラムを1回転させて記録
を行う。この結果、記録紙の左端から第1〜128番目
の画素に“0”または“1”の駆動データに対応してド
ットが形成される。次に、{128−(2+1/4)}
吐出口ピッチ分の送り量で記録ヘッドを右方へ移動させ
た後、第2スキャンでNo.259〜512の吐出口を
用いてドラムを再び1回転させて記録を行う。この結
果、ずらし量として−(2+1/4)吐出ピッチル分左
方へずらすため、No.259〜387の吐出口で前回
No.385〜512の吐出口で、形成した第1〜12
8番目の画素に対してずらし量2+1/4のうち1/4
画素分左方の位置にドットが形成され、No.387〜
512の吐出口は、第128番目の画素に対して3/4
画素分右方の位置から新たに第129〜254番目の画
素に0〜1個のドットが形成される。したがって、第1
〜128番目の各画素は0〜2個のドットが形成される
ことになる。次に、再び{128−(2+1/4)}吐
出口ピッチ分記録ヘッドを右方へ移動させ、第3スキャ
ンを行い、No.133〜512の吐出口を用いてドラ
ムを1回転させて記録を行う。このような記録を順次繰
り返すと第4スキャンの記録が終了した時点で画像上に
おける第1〜128番目の画素には各スキャン毎に吐出
されたドットが1/4画素分左方にずれた状態で0〜4
個のドットが形成され5階調の画像が得られる。ここで
も1スキャンから第4スキャン時点までのずらし量は、
6+3/4画素分左方にずれた状態となっている。そし
て、第5スキャンの記録時点においては、第1スキャン
の各ドットに対してのずれが9画素分左方へずれた状態
となり、画像上においてはみかけ上ずらし量がない状態
となる。また、この時点で使用しない吐出口が生じ、N
o.1〜9までの吐出口がこれにあたる。この後もさら
に記録を続けていくと9回目,13回目…の各スキャン
時点で上述した5回目のスキャン時と同様な状態とな
り、9回目においてはNo.10〜18吐出口、13回
目においてはNo.19〜27吐出口のように使用しな
い吐出口が4スキャン毎に9吐出口ずつ増えていく。こ
れを順次繰り返すと44回目の記録が終了した時点でA
4記録紙全面にわたり5階調の画像が形成される。この
時点において不使用となった吐出口はNo.1〜96ま
での吐出口となり96個が使われていない状態となる。
なお、画像最右端部を記録する41回目以降においては
使用している吐出口のうち最右端であるNo.512の
吐出口から1スキャン毎に順次38個、次に128個、
128個、128個ずつ記録を止めていき画像端を形成
する。
【0159】本記録方法は使用しない吐出口を形成する
ことにより、例えばNo.1〜6の吐出口が不良吐出口
である記録ヘッドを使用して記録を行っても、No.1
〜6の吐出口をずらし量によって他の吐出口で代替可能
であり、従来は不良とされていた記録ヘッドを良品とし
て使用することができる。
【0160】(実施例5)図29、図30及び図31は
本発明の実施例5を説明するための図である。本例にお
いては、説明の簡略化のため、1画素の濃度を4つの異
なる吐出口から吐出されるインク滴によって形成される
ドットにより表現する。すなわち5値の画像形成につい
て説明する。また、本実施例に用いられる装置は図1お
よび2に示した装置と同一のものである。
【0161】図29は128個の吐出口を有する記録ヘ
ッド1を示し、128個の吐出口は各32個の吐出口の
ブロック11,12,13および14に分割される。図
30は図29で示した各ブロックの駆動パルスのタイミ
ングを表したタイミングチャ−トである。また、図31
は本例において被記録媒体上の画素内における各吐出口
からのインク滴がどのような位置に着弾しドットを形成
するかを示す図である。
【0162】図30のaは吐出口ブロック14の駆動波
形を表したもので、同時にbは吐出口ブロック13、c
は吐出口ブロック12、dは吐出口ブロック11のそれ
ぞれ駆動波形を表したものである。図30における一つ
の駆動パルスは各画素に対応し、その幅は、tである。
また、各ブロック間の駆動パルスの時間差はt/4に設
定してある。さらに、同図において記録ヘッドの駆動は
パルスの正の部分で行われ、そのパルス幅は使用される
記録ヘッドによって異なる設定が行われるものである。
【0163】図31において301は、ブロック14内
の吐出口からのインク滴の被記録媒体上の着弾位置を表
したもので、302はブロック13内の吐出口からの、
303はブロック12内の吐出口からの、304はブロ
ック11内の吐出口からの、それぞれインク滴の被記録
媒体上の着弾位置を表したものである。また、305は
1つの画素を表すものであり、306は全てのインク滴
が着弾した時の形成されるドットの集合を表している。
【0164】上記構成において記録ヘッド1が主走査を
行いながら、スキャン毎に所定量の紙送りを行い、各画
素を異なる複数の吐出口からのドットにより形成する場
合について、例えばNo.100,68,36,4の吐
出口によって所定画素305にドットが形成される場合
を説明する。
【0165】まず、第1スキャンによりNo.100の
吐出口からのドットにより画素の一部を形成する。N
o.100の吐出口はブロック14に属しており、駆動
波形aの駆動パルスによって吐出を行う。この場合、画
素305内の着弾位置301にインク滴は着弾する。以
下同様に順次、No.68の吐出口はブロック13に属
するから駆動波形bによって吐出を行う。この場合駆動
パルスbが駆動パルスaよりt/4づれているため、画
素305内の位置301からずれた着弾位置302にイ
ンク滴は着弾する。No.36の吐出口はブロック12
に属しているから駆動パルスcによって吐出を行う。こ
の場合も同様に駆動パルスcが駆動パルスbよりt/4
づれているため画素305内の着弾位置303にインク
滴は着弾する。そして最後にNo.4の吐出口はブロッ
ク11に属し、駆動パルスdによって吐出を行う。この
場合駆動パルスdが駆動パルスcよりt/4づれている
ため、画素305内の着弾位置304にインク滴は着弾
する。以上のようにして1画素を構成する全てのインク
滴がスキャン毎に順次着弾しドットの集合306を形成
する。このドットの集合306は画素305内のほぼ全
域を被いつくしている。
【0166】なお、本実施例では図30に示すごとく駆
動パルスを設定したが各ブロックの駆動パルスが1画素
内において別々の位置に設定されていれば良いことは言
うまでもない。また、本実施例においてはブロックを便
宜上4つに分割して説明したが、1画素を構成する各吐
出口の駆動が各々t/4ずつずれてさえいれば良く分割
は4つでなくてもよい。また、以上のようにヘッドを分
割して駆動すると、ヘッド駆動電源の負荷低減にもメリ
ットがある。
【0167】(実施例5の変形例1)図32及び図33
は本実施例の一変形例にかかる図であり、図32は記録
ヘッドによるスキャン(主走査)と、記録紙などの被記
録媒体の各走査ごとの送りを表した図である。図33
は、各吐出口からのインク滴の被記録媒体上での着弾位
置を表したものである。本例においても上記実施例5と
同様の画像形成方法であるとする。
【0168】図32において、401は各スキャン毎に
行われる紙送りのある1回を表しておりその送り量はA
−3×αである。402は紙送り401の次の紙送りを
表し送り量はA+αである。403は紙送り402の次
の紙送りを表し送り量はA+αである。404は紙送り
403の次の紙送りを表し送り量はA+αである。ま
た、405は、またその次の紙送りを表しおり送り量は
A−3×αである。以下同様に紙送りが行われ、その量
は図32のように4回のうち3回はA+αであり、残り
の1回はA−3×αである。なお、αの値は3×αが画
素の幅より小さなものになるように定める。
【0169】図33において501は、紙送り401と
紙送り402との間で行われる走査でのNo.100の
吐出口によるインク滴の着弾位置を表したものであり、
同様に502は紙送り402と紙送り403との間でN
o.68の吐出口によるインク滴の着弾位置を表したも
のであり、503は紙送り403と紙送り404との間
で行われる走査でのNo.36の吐出口によるインク滴
の着弾位置を表したものであり、504は紙送り404
と紙送り405との間で行われる走査でのNo.4の吐
出口によるインク滴の着弾位置を表したものである。ま
た、505は1つの画素を表すものであり、506は全
てのインク滴が着弾した時に形成されるインク滴の集合
を表している。
【0170】上記構成におい、上記実施例と同様、1画
素に注目し、本例による画像形成について説明する。
【0171】図32において紙送り401の後、スキャ
ンを行い、このスキャンでNo.100の吐出口は画素
505に対して吐出を行いそのインク滴は着弾位置50
1に着弾する。そしてスキャンが終了した後紙送り40
2が実施される。次に、スキャンが実施され、No.6
8の吐出口は画素505に対して吐出を行いそのインク
滴は着弾位置502に着弾する。これは紙送り402の
量がA+αであるためNo.100の吐出口によるイン
ク滴の着弾位置501との間で着弾位置がαずれる。つ
づいて次の紙送り403を経てスキャンによりNo.3
6のの吐出口によるインク滴は着弾位置502からα離
れた着弾位置503に着弾する。同様に次の紙送り40
4のスキャンを行いNo.4の吐出口によるインク滴は
着弾位置503からα離れた着弾位置504に着弾す
る。
【0172】以上のようにして形成した画像の一例を図
34に模式的に示す。同図に示す例を吐出口16で紙送
り量A=16/4=4吐出口ピッチ分の例を示す。
【0173】ところで、本来の1回の紙送り量はAであ
り、通常1画素を形成するには4×Aの紙送りを行うと
ころ、ずれを形成するため上記のように紙送りをした場
合には全体の紙送り量が多くなってしまう。この結果、
形成される画像にすじがはいってしまうことがある。そ
こで、ここでは4回に1回の割合で紙送り量をA−3×
αとし1画素形成後には正規の送り量4×Aとなるよう
にしている。すなわち、各々の吐出口からのインク滴の
着弾位置は4回に1回の割合で画素において同じ位置に
着弾する。
【0174】以上のようにして1画素を構成する全ての
インク滴が順次着弾しドットの集合506を形成する。
このインク滴の集合506は画素505内のほぼ全域を
被いつくしている。以上説明したようにように1画素を
形成する4つの全ての吐出口が吐出し4つのインク滴に
よって最高濃度を得る場合、図33に示すごとく画素5
05に着弾したインク滴の集合506は画素505の全
てを覆いつくし被記録材上の地はもはや露出していな
い。すなわち、本実施例のように紙送り量を4回の紙送
りうち3回を通常の紙送り量Aよりαだけ多めに設定
し、残りの1回は3×αだけ少なくするように設定する
ことにより、各々のインク滴が画素内の違った位置に着
弾することで、目的の最高濃度を必要な階調数を得るべ
き吐出体積で得ることが可能となる。
【0175】本例では4回の紙送りのうち3回をαだけ
多く紙送りを設定し、残りの1回を3×αだけ少なくす
るように設定したが、4回の紙送りのうち3回をαだけ
少なく紙送りを設定し残りの1回を3×αだけ多くする
ように設定しても効果は全く同じであることは言うまで
もない。また、4回の紙送り全て、即ち画像を形成する
全ての紙送りをA−4×n×α−αと設定して(nはゼ
ロまたは正の整数)4回の紙送りにつき1個または複数
個の吐出口を使用不可とするようにして各画素を構成す
る吐出口が順次変わって行くようにしても同じ効果が得
られる。
【0176】(実施例5の変形例2)図35は本発明の
実施例5の一変形例を示す図である。
【0177】本例は実施例5によるインク滴の着弾位置
を主走査方向に1画素内でずらすものと、実施例5の変
形例1によるインク滴の着弾位置を紙送り方向に1画素
内でずらすものとを組み合わせしたものである。インク
滴着弾位置制御は実施例5とその変形例1に示した両方
を併用したものである。
【0178】これら図において、同一番号は同一吐出口
によって吐出されたインク滴による着弾位置を表してお
り、601はNo.100吐出口によって吐出されたイ
ンク滴の着弾位置を表す点であり、602はNo.68
吐出口によって、603はNo.36吐出口によって、
604はNo.4吐出口によって、それぞれ吐出された
インク滴の着弾位置を表す点である。また、同図
(a),(b),(c),(d)は各々紙送り方向32
画素毎の着弾位置を代表的に表したものであり、605
はそれぞれの1つの画素を表している。
【0179】同図(a)において着弾位置が図に示すよ
うになるのは実施例5およびその変形例1から容易に説
明が可能である。すなわち、記録ヘッドをブロックに分
割し吐出口配列方向に分割駆動することにより同図画素
横方向にインク滴の着弾位置を画素内でずらしかつ、紙
送りを4回のうち3回をA+αで送り残りの1回をA−
3αで送ることにより同図画素縦方向にインク滴の着弾
位置を画素内でずらす。また、同図において(a)以外
不規則に着弾位置が構成されているのは、ドットが形成
される位置と紙送りとの順番が、(a)〜(d)で示さ
れる画素毎に異なるためであり、(b)では最後のイン
ク滴によるドットが形成される1つ前の紙送りが、A−
3×αであったためであり、(c)では、2つ目のイン
ク滴によるドット形成後と3つ目のインク滴によるドッ
ト形成前での紙送りがA−3×αであったためであり、
(d)においては初めインク滴によるドット形成後と2
つ目のインク滴によるドット形成前での紙送りがA−3
×αであったためである。
【0180】ところで、同図(b),(c),(d)で
は画素の全ての部分がカバ−されていないように見受け
られるが、画像は画素の集まりで表現されるものであり
同図(b),(c),(d)各々ではその画素の周辺を
考慮してみると同図(a)と同様のドットの配置をして
おり、全ての画素がカバ−されていることがわかる。
【0181】以上説明したように、本例では、滲み率が
非常に小さい被記録媒体の場合や、記録ヘッド走査方向
の画素数が非常に多く、1走査前に着弾したドロプレッ
トの定着がそうとう進んでいる場合など特に有効であ
る。
【0182】以上実施例5およびその変形例では1つの
画素を4つのドットで形成するいわゆる5値の画像につ
いて説明したがドットの数には、全く無関係であること
は言うまでもなく、特にドットの数が多くなった場合全
てのドットが異なった位置に着弾するように構成しなく
てもよい。例えば、4つのドットのうち3つを異なる位
置に着弾するように構成し残りの1つを他の3つ位置と
同じ位置に着弾するように構成しても構わなし、また、
2つを同一着弾位置にして他の2つを前記2つの着弾位
置と別の位置に着弾するようにしても構わない。この場
合上記画素形成方法で目的の最高濃度が得られなければ
ならないことは言うまでもない。なお、本実施例5およ
びその変形例において、全て画素のサイズ(ピッチ)と
吐出口のピッチとが等しい場合について説明したが、本
例は画素サイズ=ノズルピッチに限定されるものではな
い。
【0183】なお、以上の実施例1〜5およびこれらの
変形例においては、インクジェット方式の記録装置およ
びここで用いられる記録素子として吐出口等について説
明したが、熱転写方式など、他の方式の記録装置および
その記録素子について本発明を適用できることは勿論で
ある。
【0184】(その他)なお、本発明は、特にインクジ
ェット記録方式の中でも、インク吐出を行わせるために
利用されるエネルギとして熱エネルギを発生する手段
(例えば電気熱変換体やレーザ光等)を備え、前記熱エ
ネルギによりインクの状態変化を生起させる方式の記録
ヘッド、記録装置において優れた効果をもたらすもので
ある。かかる方式によれば記録の高密度化,高精細化が
達成できるからである。
【0185】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書,同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド型,
コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特
に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保有
されているシートや液路に対応して配置されている電気
熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急
速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を印加
することによって、電気熱変換体に熱エネルギを発生せ
しめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結
果的にこの駆動信号に一対一に対応して液体(インク)
中に気泡を形成できるので有効である。この気泡の成
長,収縮の過程により吐出用開口(吐出口)を介して液
体(インク)を吐出させて、少なくとも1つの滴を形成
する。この駆動信号をパルス形状とすると、即時適切に
気泡の成長収縮が行われるので、特に応答性に優れた液
体(インク)の吐出が達成でき、より好ましい。このパ
ルス形状の駆動信号としては、米国特許第446335
9号明細書,同第4345262号明細書に記載されて
いるようなものが適している。なお、上記熱作用面の温
度上昇率に関する発明の米国特許第4313124号明
細書に記載されている条件を採用すると、さらに優れた
記録を行うことができる。
【0186】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口,液路,電気熱変換体
の組合せ構成(直線状液流路または直角液流路)の他に
熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示す
る米国特許第4558333号明細書,米国特許第44
59600号明細書を用いた構成も本発明に含まれるも
のである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通
するスリットを吐出開口部として備えた吐出部を有する
構成を開示する特開昭59−123670号公報や熱エ
ネルギの圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応させて設
けた構成を開示する特開昭59−138461号公報に
基いた構成としても本発明の効果は有効である。すなわ
ち、記録ヘッドの形態がどのようなものであっても、本
発明によれば記録を確実に効率よく行うことができるよ
うになるからである。
【0187】加えて、上例のようなシリアルタイプのも
のでも、装置本体に固定された記録ヘッド、あるいは装
置本体に装着されることで装置本体との電気的な接続や
装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチ
ップタイプの記録ヘッド、あるいは記録ヘッド自体に一
体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの
記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効である。
【0188】また、本発明の記録装置の構成として、記
録ヘッドの吐出回復手段、予備的な補助手段等を付加す
ることは本発明の効果を一層安定できるので、好ましい
ものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに
対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加圧或
は吸引手段、記録に必要なインク液滴を吐出するための
熱エネルギを発生する電気熱変換体或はこれとは別の加
熱素子或はこれらの組み合わせを用いて予備加熱を行う
予備加熱手段、記録とは別の吐出を行なう予備吐出手段
を挙げることができる。
【0189】また、搭載される記録ヘッドの種類ないし
個数についても、例えば単色のインクに対応して1個の
みが設けられたものの他、記録色や濃度を異にする複数
のインクに対応して複数個数設けられるものであっても
よい。すなわち、例えば記録装置の記録モードとしては
黒色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘ
ッドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによるか
いずれでもよいが、異なる色の複色カラー、または混色
によるフルカラーの各記録モードの少なくとも一つを備
えた装置にも本発明は極めて有効である。
【0190】また、吐出口列については1列のみなら
ず、複数列の構成(例えば、1列に20個の吐出口を備
え、これを4列並べた構成)とすることも可能である。
【0191】さらに加えて、以上説明した本発明実施例
においては、インクを液体として説明しているが、室温
やそれ以下で固化するインクであっても、室温で軟化も
しくは液化するものであれば、記録実行時に液体化して
使用することができるので、本発明において使用するこ
とができる。あるいはインクジェット方式では、ある場
合にはインク自体を30℃以上70℃以下の範囲内に保
温されるように温度調整を行ってインクの粘性を安定吐
出範囲にあるように温度制御する。この場合には30℃
以上70℃以下で液状をなすインクを用いることができ
る。加えて、インクの固体状態から液体状態への状態変
化のエネルギとして使用せしめることで熱エネルギによ
るインク自体の昇温を積極的に防止するため、またはイ
ンクの蒸発を防止するため、加熱によって初めて液化す
るインクを用いてもよい。いずれにしても熱エネルギの
記録信号に応じた付与によってインクが液化し、液状イ
ンクが吐出されるものや、記録媒体に到達する時点では
すでに固化し始めるもの等のような、熱エネルギの付与
によって初めて液化する性質のインクを使用する場合も
本発明は適用可能である。このような場合のインクは、
特開昭54−56847号公報あるいは特開昭60−7
1260号公報に記載されるような、多孔質シート凹部
または貫通孔に液状物又は固体状物として保持された状
態で記録に使用されてもよい。本発明においては、上述
した各インクに対して最も有効には、上述した膜沸騰を
起こさせる方式を実行することである。
【0192】さらに加えて、本発明に係わるインクジェ
ット記録装置の形態としては、コンピュータ等の情報処
理機器の画像出力端末として用いられるものの他、リー
ダ等と組合せた複写装置、さらには送受信機能を有する
ファクシミリ装置の形態を採るもの等であってもよい。
【0193】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、各画素を構成する複数のドットは、第2の相
対移動と交互に行われる第1の相対移動の複数回のそれ
ぞれにより、それぞれ記録ヘッドの所定配置において隣
接しない異なる記録素子によって形成され、また当該画
素においてそれぞれ異なる位置に形成されるので、画素
に対して全体的にドットを配置できるとともに、記録ヘ
ッド製造時において、記録特性が近似しない異なる記録
素子によって上記複数のドットを形成できる
【0194】この結果、複数の記録素子間の記録特性の
ばらつきが、各画素のドット形成において平均化される
とともに十分な濃度を得ることができ、これにより、ム
ラ,スジ等の影響が低減された画像品位の高い記録を行
うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例にかかるインクジェット記録
装置の要部を示す概略斜視図である。
【図2】本発明の一実施例にかかるインクジェット記録
装置の制御構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施例1にかかる記録動作を説明する
ための概念図である。
【図4】上記実施例によるドット形成を示す模式図であ
る。
【図5】本発明の他の実施例にかかるインクジェット記
録装置の要部を示す概略斜視図である。
【図6】上記実施例1の変形例によるドット形成を示す
模式図である。
【図7】上記実施例1の他の変形例によるドット形成を
示す模式図である。
【図8】上記実施例の他の変形例にかかる記録動作を説
明するための概念図である。
【図9】本発明の実施例2にかかる記録動作を説明する
ための概念図である。
【図10】上記実施例2によるドット形成を示す模式図
である。
【図11】上記実施例2の変形例によるドット形成を示
す模式図である。
【図12】上記実施例2の他の変形例にかかる記録動作
を説明するための概念図である。
【図13】(A)および(B)は本発明の実施例3にか
かるドット形成を示す概念図である。
【図14】上記実施例3による画素とスキャン回数およ
び吐出口番号との関係を示す図である。
【図15】上記実施例3による駆動データRAMの内容
を示す概念図である。
【図16】上記実施例3の変形例によるドット形成を説
明するための模式図である。
【図17】上記変形例による画素とスキャン回数および
吐出口番号との関係を示す図である。
【図18】上記実施例3の他の変形例にかかる記録動作
を説明するための概念図である。
【図19】上記変形例によるドット形成を示す模式図で
ある。
【図20】上記変形例によるドット形成の他の例を示す
模式図である。
【図21】上記実施例3のさらに他の変形例にかかる記
録動作を説明するための概念図である。
【図22】上記実施例3のさらに他の変形例によるドッ
ト形成を示す模式図である。
【図23】本発明の実施例4にかかる記録動作を説明す
るための概念図である。
【図24】上記実施例4によるドット形成を示す模式図
である。
【図25】上記実施例4の変形例にかかる記録動作を説
明するための概念図である。
【図26】上記変形例によるドット形成を示す模式図で
ある。
【図27】上記実施例4の他の変形例にかかる記録動作
を説明するための概念図である。
【図28】上記変形例によるドット形成を示す模式図で
ある。
【図29】本発明の実施例5にかかる記録ヘッドを示す
模式図である。
【図30】上記実施例5にかかる記録ヘッド駆動パルス
のタイミングチャートである。
【図31】上記実施例5によるドット形成を示す模式図
である。
【図32】上記実施例5の変形例にかかる紙送りを説明
するための概念図である。
【図33】上記変形例によるドット形成を示す模式図で
ある。
【図34】上記変形例によるドット形成を紙送りとの関
係で示す模式図である。
【図35】(a)〜(d)のそれぞれは、上記実施例5
のさらに他の変形例によるドット形成を示す模式図であ
る。
【符号の説明】
1 記録ヘッド 2 記録紙 3 プラテンローラ 4 キャリッジ 5A,5B ガイド軸 6 インク供給チューブ 7 フレキシブルケーブル 100 メインコントローラ 100M フレームメモリ 102 紙送りモータ 102D モータドライバ 104 キャリッジモータ 104D モータドライバ 110 ドライバコントローラ 110D ヘッドドライバ 110M 駆動データRAM
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木村 辰夫 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 高木 真二 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 足羽 純 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−254051(JP,A) 特開 昭61−24370(JP,A) 特開 平2−208069(JP,A) 特開 昭63−254063(JP,A) 特開 昭57−156264(JP,A) 特開 昭62−231771(JP,A) 特開 昭61−247161(JP,A) 特開 昭61−112474(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B41J 2/51 B41J 2/205

Claims (23)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の記録素子を所定の配置で具えた記
    録ヘッドを用い、前記複数の記録素子によって被記録媒
    体にドットを形成するための、当該被記録媒体と前記記
    録ヘッドとの第1の相対移動と、該第1の相対移動の方
    向とは異なる方向の当該被記録媒体と前記記録ヘッドと
    の第2の相対移動とを交互に行い、前記ドットによって
    構成される画素の集合により記録を行う記録方法であっ
    て、 複数回の前記第1の相対移動のそれぞれによって、それ
    ぞれ前記所定の配置において隣接しない異なる記録素子
    によって形成される複数のドットにより前記画素を構成
    し、当該複数のドットが当該画素において異なる位置に
    形成されることを特徴とする記録方法。
  2. 【請求項2】 前記複数のドットは、前記第1の相対移
    動の方向において異なる位置に形成されることを特徴と
    する請求項1に記載の記録方法。
  3. 【請求項3】 前記複数のドットは、前記第2の相対移
    動の方向において異なる位置に形成されることを特徴と
    する請求項1に記載の記録方法。
  4. 【請求項4】 前記複数のドットは、前記第1および第
    2の相対移動の方向において異なる位置に形成されるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の記録方法。
  5. 【請求項5】 前記画素の前記第2の相対移動の方向に
    おける幅をp,前記第2の相対移動の一回の移動量を
    s,前記複数の記録素子の前記第2の相対移動の方向に
    おけるピッチをq,前記複数の記録素子の数をN、前記
    複数の記録素子の各々が前記画素に形成可能なドットの
    最大の数をK,前記画素に形成すべきドットの数の最大
    の数をmとし、s=ap,q=bpと表わすとき、 {(N−1)b+1}/a≧2、NK/a≧m、a/
    b,b/aがともに非整数である各条件が成り立つこと
    を特徴とする請求項1,3,4のいずれかに記載の記録
    方法。
  6. 【請求項6】 前記画素の前記第2の相対移動の方向に
    おける幅をp,前記第2の相対移動の一回の移動量を
    s,前記複数の記録素子の前記第2の相対移動の方向に
    おけるピッチをq,前記複数の記録素子の数をN、前記
    複数の記録素子の各々が前記画素に形成可能なドットの
    最大の数をK,前記画素に形成すべきドットの数の最大
    の数をmとし、s=ap,q=bpと表わすとき、 {(N−1)b+1}/a≧2、NK/a=m、a/
    b,b/aがともに非整数、Nb/aは非整数、 である各条件が成り立つことを特徴とする請求項1,
    3,4のいずれかに記載の記録方法。
  7. 【請求項7】 前記画素の前記第2の相対移動の方向に
    おける幅をp,前記第2の相対移動の一回の移動量を
    s,前記複数の記録素子の前記第2の相対移動の方向に
    おけるピッチをq,前記複数の記録素子の数をNとし、
    s=ap,q=bpと表わすとき、 a,bは、それぞれ互いに素な自然数の組αとβ,ηと
    ξによってa=η/ξ,b=β/αと表わされ、 αとξの最大公約数をgとし、α′=α/g,ξ′=ξ
    /gとするとき、 βとηは互いに素、N=α′η>1,gα′ξ′>1,
    βξ′>1 である各条件が成り立つことを特徴とする請求項1,
    3,4のいずれかに記載の記録方法。
  8. 【請求項8】 所定回の前記第2の相対移動によって、
    前記ドットの形成に関して、画素に対する前記複数の記
    録素子各々の相対位置をそれぞれ1画素ピッチ分以上
    らすことにより前記ドットの形成に関与しない記録素子
    を形成することを特徴とする請求項3または4に記載の
    記録方法。
  9. 【請求項9】 前記第2の相対移動の移動量を、可変と
    することを特徴とする請求項1に記載の記録方法。
  10. 【請求項10】 前記記録ヘッドは、前記記録素子とし
    て、インク吐出口および該インク吐出口からインクを吐
    出するための熱エネルギーを発生する熱エネルギー発生
    手段を有し、前記熱エネルギーによって気泡を生成さ
    せ、該気泡の生成に伴なって前記インク吐出口からイン
    クを吐出し、当該吐出されたインクによって前記ドット
    を形成することを特徴とする請求項1ないし9のいずれ
    かに記載の記録方法。
  11. 【請求項11】 複数の記録素子を所定の配置で具えた
    記録ヘッドを用い、前記複数の記録素子によって被記録
    媒体にドットを形成するための、当該被記録媒体と前記
    記録ヘッドとの第1の相対移動と、該第1の相対移動の
    方向とは異なる方向の当該被記録媒体と前記記録ヘッド
    との第2の相対移動とを交互に行い、前記ドットによっ
    て構成される画素の集合により記録を行うための記録装
    置において、 複数回の前記第1の相対移動のそれぞれによって、それ
    ぞれ前記所定の配置において隣接しない異なる記録素子
    によって形成される複数のドットにより前記画素を構成
    し、当該複数のドットは当該画素において異なる位置に
    形成するよう、前記第1および第2の相対移動を制御す
    るための制御手段を具えたことを特徴とする記録装置。
  12. 【請求項12】 前記画素の前記第2の相対移動の方向
    における幅をp,前記第2の相対移動の一回の移動量を
    s,前記複数の記録素子の前記第2の相対移動の方向に
    おけるピッチをq,前記複数の記録素子の数をN、前記
    複数の記録素子の各々が前記画素に形成可能なドットの
    最大の数をK,前記画素に形成すべきドットの数の最大
    の数をmとし、s=ap,q=bpと表わすとき、 {(N−1)b+1}/a≧2、NK/a≧m、a/
    b,,b/aがともに非整数である各条件が成り立つこ
    とを特徴とする請求項11に記載の記録装置。
  13. 【請求項13】 前記画素の前記第2の相対移動の方向
    における幅をp,前記第2の相対移動の一回の移動量を
    s,前記複数の記録素子の前記第2の相対移動の方向に
    おけるピッチをq,前記複数の記録素子の数をN、前記
    複数の記録素子の各々が前記画素に形成可能なドットの
    最大の数をK,前記画素に形成すべきドットの数の最大
    の数をmとし、s=ap,q=bpと表わすとき、 {(N−1)b+1}/a≧2、NK/a=m、a/
    b,b/aがともに非整数、Nb/aは非整数、 である各条件が成り立つことを特徴とする請求項11に
    記載の記録装置。
  14. 【請求項14】 前記画素の前記第2の相対移動の方向
    における幅をp,前記第2の相対移動の一回の移動量を
    s,前記複数の記録素子の前記第2の相対移動の方向に
    おけるピッチをq,前記複数の記録素子の数をNとし、
    s=ap,q=bpと表わすとき、 a,bは、それぞれ互いに素な自然数の組αとβ,ηと
    ξによってa=η/ξ,b=β/αと表わされ、 αとξの最大公約数をgとし、α′=α/g,ξ′=ξ
    /gとするとき、 βとηは互いに素、N=α′η>1,gα′ξ′>1,
    βξ′>1 である各条件が成り立つことを特徴とする請求項11に
    記載の記録装置。
  15. 【請求項15】 前記記録ヘッドは、前記記録素子とし
    て、インク吐出口および該インク吐出口からインクを吐
    出するための熱エネルギーを発生する熱エネルギー発生
    手段を有し、前記熱エネルギーによって気泡を生成さ
    せ、該気泡の生成に伴なって前記インク吐出口からイン
    クを吐出し、当該吐出されたインクによって前記ドット
    を形成することを特徴とする請求項11ないし14のい
    ずれかに記載の記録装置。
  16. 【請求項16】 複数の記録素子を所定の配置で具えた
    記録ヘッドを用い、前記複数の記録素子によって被記録
    媒体にドットを形成するための、当該被記録媒体と前記
    記録ヘッドとの相対移動を行い、前記ドットによって構
    成される画素の集合により記録を行う記録方法であっ
    て、 複数回の前記相対移動のそれぞれによって、それぞれ
    記所定の配置において隣接しない異なる記録素子によっ
    て形成される複数のドットにより前記画素を構成し、当
    該複数のドットが当該画素において異なる位置に形成さ
    れることを特徴とする記録方法。
  17. 【請求項17】 複数のインク吐出口を具えた記録ヘッ
    ドを用い、前記複数のインク吐出口から吐出されるイン
    クによって被記録媒体にドットを形成するための当該被
    記録媒体と前記記録ヘッドとの第1の相対移動と、該第
    1の相対移動の方向とは異なる方向の当該被記録媒体と
    前記記録ヘッドとの第2の相対移動とを交互に行い、前
    記ドットによって構成される画素の集合により記録を行
    う記録方法であって、 前記画素の前記第2の相対移動の方向における幅をp,
    前記第2の相対移動の一回の移動量をs,前記複数のイ
    ンク吐出口の前記第2の相対移動の方向におけるピッチ
    をq,前記複数のインク吐出口の数をN、前記複数のイ
    ンク吐出口の各々が前記画素に形成可能なドットの最大
    の数をK,前記画素に形成すべきドットの数の最大の数
    をmとし、s=ap,q=bpと表わすとき、 {(N−1)b+1}/a≧2、NK/a≧m、a/
    b,b/aがともに非整数である各条件が成り立つこと
    を特徴とするインクジェット記録方法。
  18. 【請求項18】 複数のインク吐出口を具えた記録ヘッ
    ドを用い、前記複数のインク吐出口から吐出されるイン
    クによって被記録媒体にドットを形成するための当該被
    記録媒体と前記記録ヘッドとの第1の相対移動と、該第
    1の相対移動の方向とは異なる方向の当該被記録媒体と
    前記記録ヘッドとの第2の相対移動とを交互に行い、前
    記ドットによって構成される画素の集合により記録を行
    う記録方法であって、 前記画素の前記第2の相対移動の方向における幅をp,
    前記第2の相対移動の一回の移動量をs,前記複数のイ
    ンク吐出口の前記第2の相対移動の方向におけるピッチ
    をq,前記複数のインク吐出口の数をN、前記複数のイ
    ンク吐出口の各々が前記画素に形成可能なドットの最大
    の数をK,前記画素に形成すべきドットの数の最大の数
    をmとし、s=ap,q=bpと表わすとき、 {(N−1)b+1}/a≧2、NK/a=m、a/
    b,b/aがともに非整数、Nb/aは非整数、 である各条件が成り立つことを特徴とするインクジェッ
    ト記録方法。
  19. 【請求項19】 複数のインク吐出口を具えた記録ヘッ
    ドを用い、前記複数のインク吐出口から吐出されるイン
    クによって被記録媒体にドットを形成するための当該被
    記録媒体と前記記録ヘッドとの第1の相対移動と、該第
    1の相対移動の方向とは異なる方向の当該被記録媒体と
    前記記録ヘッドとの第2の相対移動とを交互に行い、前
    記ドットによって構成される画素の集合により記録を行
    う記録方法であって、 前記画素の前記第2の相対移動の方向における幅をp,
    前記第2の相対移動の一回の移動量をs,前記複数のイ
    ンク吐出口の前記第2の相対移動の方向におけるピッチ
    をq,前記複数のインク吐出口の数をNとし、s=a
    p,q=bpと表わすとき、 a,bは、それぞれ互いに素な自然数の組αとβ,ηと
    ξによってa=η/ξ,b=β/αと表わされ、 αとξの最大公約数をgとし、α′=α/g,ξ′=ξ
    /gとするとき、 βとηは互いに素、N=α′η>1,gα′ξ′>1,
    βξ′>1 である各条件が成り立つことを特徴とするインクジェッ
    ト記録方法。
  20. 【請求項20】 複数のインク吐出口を所定の配置で
    えた記録ヘッドを用い、前記複数のインク吐出口から吐
    出されるインクによって被記録媒体にドットを形成する
    ための当該被記録媒体と前記記録ヘッドとの第1の相対
    移動と、該第1の相対移動の方向とは異なる方向の当該
    被記録媒体と前記記録ヘッドとの第2の相対移動とを交
    互に行い、前記所定の配置において隣接しない異なるイ
    ンク吐出口によって形成される複数のドットによって構
    成される画素の集合により記録を行う記録方法であっ
    て、所定 回の前記第2の相対移動によって、前記ドットの形
    成に関して、画素に対する前記複数のインク吐出口各々
    の相対位置をそれぞれ1画素ピッチ分以上ずらすことに
    より前記ドットの形成に関与しないインク吐出口を形成
    することを特徴とするインクジェット記録方法。
  21. 【請求項21】 複数のインク吐出口を所定の配置で
    えた記録ヘッドを用い、前記複数のインク吐出口から吐
    出されるインクによって被記録媒体にドットを形成する
    ための、当該被記録媒体と前記記録ヘッドとの第1の相
    対移動と、該第1の相対移動の方向とは異なる方向の
    該被記録媒体と前記記録ヘッドとの第2の相対移動とを
    交互に行い、前記所定の配置において隣接しない異なる
    インク吐出口によって形成される複数のドットによって
    構成される画素の集合により記録を行う記録方法であっ
    て、 前記第2の相対移動の移動量を、可変とすることを特徴
    とするインクジェット記録方法。
  22. 【請求項22】 前記記録ヘッドは、当該記録素子とし
    てインクを吐出するインク吐出口を有し、前記複数の記
    録素子は同一色のインクを吐出することを特徴とする請
    求項1ないし10または16のいずれかに記載の記録方
    法。
  23. 【請求項23】 前記記録ヘッドは、当該記録素子とし
    てインクを吐出するインク吐出口を有し、前記複数の記
    録素子は同一色のインクを吐出することを特 徴とする請
    求項11ないし15のいずれかに記載の記録装置。
JP13511091A 1991-06-05 1991-06-06 記録装置および記録方法 Expired - Lifetime JP2951041B2 (ja)

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EP19920305134 EP0517521B1 (en) 1991-06-05 1992-06-04 Tone recording method using ink jet recording head
DE69228896T DE69228896T2 (de) 1991-06-06 1992-06-04 Aufzeichnungsverfahren und -vorrichtung
EP92305132A EP0517519B1 (en) 1991-06-06 1992-06-04 Recording apparatus and recording method
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