JP3554161B2 - インクジェット記録装置およびインクジェット記録方法 - Google Patents

インクジェット記録装置およびインクジェット記録方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被記録材へインクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置およびインクジェット記録方法に関し、詳しくは、記録走査領域の境界におけるいわゆるつなぎ筋等の濃度むらの低減に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
プリンター、複写機、ファクシミリ等において画像等のプリント出力手段として用いられる記録装置、あるいはコンピューターやワードプロセッサ等を含む複合型電子機器やワークステーションなどのプリント出力機器として用いられる記録装置は、画像情報(文字情報等全ての出力すべき情報を含む)に基づいて用紙やプラスチック薄板等の被記録材(以下、記録媒体ともいう)に画像等を記録するように構成されている。このような記録装置は、その記録方式により、インクジェット方式、ワイヤドット式、サーマル式、レーザービーム方式等に分けることができる。このうち、インクジェット方式の記録装置(以下、インクジェット記録装置という)は、記録ヘッドを含む記録手段から被記録材にインクを吐出して記録を行うものであり、他の記録方式に比べて高精細化が容易でしかも高速で静粛性に優れ、かつ安価であるという、種々の利点を有している。一方、近年では、カラー画像等のカラー出力のニーズも高まりつつあり、カラーインクジェット記録装置も数多く開発されている。
【0003】
このようなインクジェット記録装置においては、記録速度の向上のため、複数の記録素子を集積配列してなる記録ヘッド(以下、マルチヘッドともいう)として、インク吐出口及び液路を複数集積したものを用い、さらにカラー対応として、複数個の上記マルチヘッドを備えたものが一般的である。
【0004】
図1は上記マルチヘッドを用いて紙面上に記録(以下、単に印字ともいう)を行うための装置主要部の構成を示したものである。同図において、101はインクジェットカートリッジである。これらは、4色のカラーインク、すなわち、ブラック、シアン、マゼンタおよびイエローのインクがそれぞれ貯留されたインクタンクとそれぞれのインクに対応したマルチヘッド102より構成されている。図2はこのマルチヘッド102に配設される吐出口(以下、ノズルともいう)を図1中z方向から視た模式図である。同図において、201はそれぞれマルチヘッド102上に配列する吐出口である。
【0005】
再び図1を参照すると、103は紙送りローラであり、補助ローラ104とともに印字紙Pを挾持しながら図の矢印の方向に回転し、印字紙Pをy方向に随時搬送する。また、105は一対の給紙ローラであり、印字紙の給紙を行う。一対のローラ105は、ローラ103および104と同様、印字紙Pを挾持して回転するが、紙送りローラ103よりもその回転速度を小さくすることによって印字紙に張力を作用させることができる。106は4つのインクジェットカートリッジ101を支持し、印字とともにこれらの走査を行わせるためのキャリッジである。キャリッジ106は印字を行っていないとき、あるいはマルチヘッド102の吐出回復処理などを行うときに図の破線で示した位置のホームポジションhに待機する。
【0006】
印字開始前にホームポジションhにあるキャリッジ106は、印字開始命令があると、x方向に移動しながら、マルチヘッド102のn個のノズル201により、紙面上に幅Lだけの印字を行う。紙面端部までデータの印字が終了するとキャリッジは元のホームポジションに戻り、再びx方向への印字を行う。この最初の印字が終了してから2回目の印字が始まる前に、紙送りローラ103が矢印方向へ回転することにより幅Lだけのy方向への紙送りを行う。この様にしてキャリッジ106の1スキャンごとにマルチヘッド幅Lだけの印字と紙送りを繰り返し行うことにより、例えば一頁分の印字が完成する。
【0007】
この様なインクジェット方式の記録装置においては、モノクロプリンタとして例えば文字のみを印字するものと異なり、イメージ画像を印字するにあたっては、発色性、階調性、濃度の一様性等の様々な記録特性が求められる。特に濃度一様性に関して、マルチヘッド製造工程で生じるわずかなノズル毎のばらつきが、実際に印字したときに、各ノズルのインクの吐出量や吐出方向のばらつきとなって現われ、最終的には印字画像の濃度ムラとして画像品位を劣化させることが原因となることが知られている。
【0008】
その具体例を図3および図4を用いて説明する。図3(a)において、31はマルチヘッドであり、8個のノズル32が配されている。33はノズル32からそれぞれ吐出されたインクドロップレットを示す。理想的にはこの図に示すようにほぼ等しい吐出量で、同一の方向にインクが吐出されるのが望しく、この様な吐出が行われれば、図3(b)に示すように紙面上に均一な大きさのドットが形成され、全体的にも濃度ムラの無い一様な画像が得られる(図3(c))。
【0009】
しかし、実際には先にも述べたようにノズルにはそれぞれバラツキがあり、そのまま図3に示す場合と同じように印字を行うと、図4(a)に示すようにそれぞれのノズルより吐出されるインクドロップの大きさ及び向きのバラツキによって、紙面上に於いては図4(b)に示すようなドットが形成される。この図の例によれば、ヘッド主走査方向に対し、周期的にエリアファクター100%を満たせない白紙の部分が存在したり、また、必要以上にドットが重なって黒筋となったり、あるいは逆にこの図中央に見られる様な白筋が発生する。この様な状態で形成されたドットからなる画像はノズルの配列方向に対し、図4(c)に示すような濃度分布を有することになり、結果的には、濃度ムラとして認識されることになる。
【0010】
また、図4に示す例とは異なり、紙送り量のバラツキに起因する、いわゆるつなぎスジも従来より知られている。
【0011】
このような濃度ムラやつなぎスジ対策として、例えば特開昭60−107975号公報には、モノクロのインクジェット記録装置において次のような方法が開示されている。図5及び図6を参照してその方法を簡単に説明する。この方法によるとこれら図に示す印字領域を完成させるのにマルチヘッド31による3回の走査を行うが(図3(a))、この印字領域の半分の各4ノズルに対応する領域は2回の走査(以下、パスともいう)で完成している。すなわち、この場合、マルチヘッド31の8ノズルは、上4ノズルと、下4ノズルの2グループに分けられ、1ノズルが1回のスキャンで印字するドットは、規定の画像データを、所定のパターンで約半分に間引いたものである。そして、2回の走査で、それぞれのパターンに従い印字を行うことにより、それぞれの4ノズルに対応する領域の印字を完成させる。以上の様な記録法を、以下、分割記録法と称す。
【0012】
この様な記録法を用いると、図4で示したマルチヘッドと同じものを使用しても、各ノズル固有の印字画像への影響が各領域について半減するので、印字された画像は図5(b)の様になり、図4(b)に示すような黒筋や白筋がそれ程目立たなくなる。従って、濃度ムラも図5(c)に示す様に図4の場合と比較してかなり緩和される。
【0013】
以上の様な記録を行う際、1走査目と2走査目では、画像データをある決まった配列に従い互いに補完するような形態で分割するが、通常、この画像データ配列(間引きパターン)は図6に示すように、縦横1画素毎に、丁度千鳥格子になるようなものを用いるのが最も一般的である。従って、単位印字領域(ここでは4ノズルに対応する領域)に於いては千鳥格子を印字する1走査目と、逆千鳥格子を印字する2走査目によって印字が完成する。
【0014】
図6(a),(b)および(c)はそれぞれこの千鳥、逆千鳥パターンを用いたときに一定の領域の記録がどのようになされて行くかを、説明したものである。
【0015】
図6において、まず1走査目では、下4ノズルを用いて千鳥パターンの記録を行う(図6(a))。次に、2走査目では、紙送りを4画素分(ヘッド長の1/2)だけ行なった後、全てのノズルについて逆千鳥パターンの記録を行う(図6(b))。更に、3走査目では、再び4画素分(ヘッド長の1/2)の紙送りを行なった後、再び千鳥パターンの記録を行う(図6(c))。この様にして順次4画素単位の紙送りと、千鳥、逆千鳥パターンの記録を交互に行うことにより、4画素単位の記録領域を1走査毎に完成させていく。
【0016】
以上説明したように、同じ領域内に異なる2種類のノズルにより印字が完成されていくことにより、濃度ムラの無い高画質な画像を得ることが可能である。
【0017】
一方、インクジェット記録装置における別の技術課題として、記録紙上でのインクの吸収特性及び蒸発特性に関連して、着弾したインクによって形成されるドットの形状不良及び不如意なドットの連結の問題、さらには異なる複数色のインクを重複・隣接させて順次着弾させるカラーインクジェット記録装置では、不如意なインクのにじみや混色などによる画像品位の劣化の問題が知られている。これに対し、上述した従来の分割記録法は、1回の走査当りの吐出インク量が少なくなることから、上記問題の改善効果もある。また、上記分割記録方法のように、特別な紙送り制御を行わず、単純に一つの画像領域を複数回の記録走査に分割し、各走査で間引きパターンに従った印字や色順次の印字を行ういわゆるマルチパス記録法も、上記問題の対策として提案されている。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した分割記録法やマルチパス記録法では、各走査領域の境界部を除く画像領域の印字を完成させるのに要する時間は、画像を完成させるのに必要な走査回数分であるのに対し、境界に接する領域(以下、境界部ともいう)においては、隣接する走査領域の1回目の走査による印字の影響を受けるため、境界部の画像の濃度等が最終的に定まるのに1回分の走査に要する時間だけ多くかかる。すなわち、通常、各画素を形成するドットは、その画素のサイズを越えた大きさで形成され、隣接する画素のドットと互いに一部重複する。従って、境界部の各画素では、隣接する走査領域の印字が行われて始めて、それら画素の濃度等が定まることになる。
【0019】
しかしながら、上述の場合、隣接する走査領域それぞれの境界部におけるドットは互いに記録紙上において少なくとも1走査分の時間差を有して形成されることとなり、この時間差に起因した記録媒体上での各ドットを形成するインクの浸透,定着状態の差異による濃度ムラとしてのつなぎ筋が発生することがある。
【0020】
図7は記録紙上でのインクの着弾・定着の様子を模式的に示す図であり、先に着弾しているインクの定着度合いによって、次に着弾するインクの定着が影響を受けることを示している。
【0021】
すなわち、先に着弾しているインクが十分に定着している場合は、常に、図中黒塗りで示すインク部の状態となるが、先に着弾したインクが十分に定着していない場合は、同図の斜線部のように後から着弾したインクが先に着弾したインクのやや下側に潜り込むことにより定着状態が異なる場合がある。このような時間差を有して形成されるドットの重複部分が境界部で発生し、これにより、他の領域と異なる領域を呈するつなぎ筋となる。特に、印字デューティーが高いベタ領域においては、このような隣接ドットの重複が多く起こるために一層著しい濃度ムラによるつなぎ筋を発生させるという問題点がある。
【0022】
本発明は上述の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、分割記録法等の様に同一の領域に対し複数回の走査で記録を行う記録方法において、各走査領域の境界における濃度ムラによるつなぎ筋の発生を防止して、良好な画像記録を行うことが可能なインクジェット記録装置およびインクジェット記録方法を提供することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】
そのために本発明では、インクを吐出するための複数のインク吐出口を有した記録ヘッドを用い、該記録ヘッドを記録媒体の同一の走査領域に対し複数回走査させるとともに、記録媒体を記録ヘッドの走査方向とは異なる方向に相対的に搬送して順次各走査領域の記録を行うインクジェット記録装置であって、走査領域それぞれに他の走査領域に隣接する境界部であって二以上のインク吐出口分の幅を持った境界部を設定し、該境界部における画像を完成させるのに要する走査回数を当該走査領域における境界部以外の領域の画像を完成させるのに要する走査回数より少なくし、かつ当該境界部における走査は隣接する他の走査領域における走査と同時に行われることを特徴とする。
【0024】
また、記録走査に伴って複数のインク吐出口からインクを吐出する記録ヘッドの記録領域に対して、N分割(Nは2以上の整数)された各走査領域への画像形成を、相互補完の関係にあるN種類の間引きパターンを用いて前記記録ヘッドを当該画像形成の完成に要する走査としてN回走査させつつ、前記走査と異なる方向に順次相対的な紙送りを行うことにより完成させる画像形成手段を備えたインクジェット記録装置であって、他の走査領域に隣接する境界部であって二以上のインク吐出口分の幅を持った境界部の画像形成を完成するのに要する走査の回数をN回より少なくし、かつ前記隣接する走査領域の走査と同時に行うことを特徴とする。
【0025】
さらに、インクを吐出するための複数のインク吐出口を有した記録ヘッドを用い、該記録ヘッドを記録媒体の同一の走査領域に対し複数回走査させるとともに、記録媒体を記録ヘッドの走査方向とは異なる方向に相対的に搬送して順次各走査領域の記録を行うインクジェット記録方法であって、走査領域それぞれに他の走査領域に隣接する境界部であって二以上のインク吐出口分の幅を持った境界部を設定し、該境界部における画像を完成させるのに要する走査回数を当該走査領域における境界部以外の領域の画像を完成させるのに要する走査回数より少なくし、かつ当該境界部における走査は隣接する他の走査領域における走査と同時に行われることを特徴とする。
【0026】
以上の構成によれば、各走査領域に設定される境界部では、この境界部の画像を完成するのに要する走査の回数を他領域のそれよりも少なくすることにより、この境界部に対して行われる各走査を隣接する領域の走査と同時に行うようにすることができるので、隣接する走査領域の境界で、時間差を有してインクドットが形成されることが生じないようにすることができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0028】
図8は、本発明の一実施形態に係るインクジェット記録装置の制御構成を示すブロック図である。なお、本実施形態のインクジェット記録装置の機械的構成は図1に示したものと同様とする。
【0029】
図8において、CPU800はメインバスライン805を介して装置各部の制御およびデータ処理を実行する。すなわち、CPU800は、ROM801に格納されるプログラムに従い、図9以降で説明されるデータ処理、ヘッド駆動およびキャリッジ駆動を以下の各部を介して制御する。RAM802はこのCPU800によるデータ処理等のワークエリアとして用いられ、また、これらメモリにはその他にハードディスク等がある。画像入力部803は、ホスト装置とのインターフェースを有し、ホスト装置から入力した画像を一時的に保持する。画像信号処理部804は、色変換処理、二値化処理等の外、図7以降で示すデータ処理を実行する。操作部806はキー等を備え、これによりオペレータによる制御入力等を可能にする。回復系制御回路807ではRAM802に格納される回復処理プログラムに従って予備吐出等の回復動作を制御する。すなわち、回復系モータ808は、記録ヘッド813とこれに対向離間するクリーニングブレード809やキャップ810、吸引ポンプ811を駆動する。また、ヘッド駆動制御回路815は、記録ヘッド813のインク吐出用電気熱変換体の駆動を制御し、通常、予備吐出や記録のためのインク吐出を記録ヘッド813に行わせる。記録ヘッド813のインク吐出用の電気熱変換体が設けられている基板には、保温ヒータが設けられており、記録ヘッド内のインク温度を所望設定温度に加熱調整することができる。又、サーミスタ812は、同様に上記基板に設けられているもので、実質的な記録ヘッド内部のインク温度を測定するためのものである。サーミスタ812も同様に、基板にではなく外部に設けられていても良く記録ヘッドの周囲近傍にあっても良い。さらに、キャリッジ駆動制御回路816および紙送り制御回路817も同様に、プログラムに従い、それぞれキャリッジの移動および紙送りを制御する。
【0030】
以上の装置構成に基づく、本発明のいくつかの実施形態について以下に説明する。
【0031】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態では、説明の簡略化のため単色(モノクロ)記録を行う場合を例にとりその記録方法を図9を参照して説明する。
【0032】
記録ヘッドは、1/600インチ間隔(600DPI)で248個の吐出口(248ノズル)を有しており、1走査あたりの記録幅は約10.13mmである。この1走査あたりの記録幅を4分割した248/4=62ノズル幅(62×ノズルピッチをいう。以下、同様)を紙送り量として紙送り方向に紙送りを行いながら記録ヘッドのヘッド走査方向における記録走査を行うことにより画像を完成させていく。
【0033】
なお、以下の説明では走査領域の「境界部」としては、各走査領域の境界に接し他の領域のドットが重なって形成される可能性のある1画素分が走査方向に連なる領域だけでなく、これに連続する数画素分の領域も境界部として定義し説明を行う。記録媒体とインクとの滲み等を考慮しドットが重なる可能性がある領域を広くとるためである。以下の第1実施形態では4ノズルで印字される領域を境界部としている。
【0034】
まず、図9に示す1走査目(以下、1スキャン目という)では、248ノズルの内の187番目(n187)から248番目(n248)の62ノズルを用いて印字を行う。この時走査領域の境界部に対応するノズルn187からn190までの4ノズル分のデータは、図10に示すように、間引き率が2/3である間引きパターンIを用い、また、上記境界部を除く領域に対応するノズルn191からn244までの54ノズル分のデータは図10に示す間引き率が3/4の間引きパターン▲1▼を用い、および他方の境界部に対応するノズルn245からn248の4ノズル分のデータは図10に示す間引き率が100%の間引きパターン(無し)を用いて生成し印字を行う。
【0035】
その後、62ノズル幅の紙送りを行なった後の2スキャン目では、一方の境界部のノズルに相当するノズルn125からn128の4ノズル分のデータは図10に示す間引き率が2/3で上述のパターンと補完関係にある間引きパターンIIを用い、ノズルn129からn182までの54ノズル分のデータは図10に示す間引き率が3/4でパターン▲1▼と補完関係にある間引きパターン▲2▼を用い、さらに、他方の境界部のノズルに相当するn183からn186の4ノズル分のデータは図10に示す間引き率が2/3の間引きパターンIを用いて生成し印字を行う。また、ノズルn187からn248の62ノズル分のデータは各ノズルについて上記1スキャン目で用いたそれぞれの間引きパターンを同様のパターンを用いて生成し印字を行う。
【0036】
さらに、62ノズル幅の紙送りを行なった後の3スキャン目では、一方の境界部に対応するノズルn63からn67の4ノズル分のデータは図10に示す間引き率が2/3でパターンIおよびIIと補完関係にある間引きパターンIII を用い、また、ノズルn68からn120までの54ノズル分のデータは図10に示す間引き率が3/4でパターン▲1▼および▲2▼と補完関係にある間引きパターン▲3▼を用い、さらに、他方の境界部に対応するノズルn121からn124の4ノズル分のデータは図10に示す間引き率が2/3でパターンIと補完関係にある間引きパターンIIを用いて生成し印字を行う。また、ノズルn125からn248の124ノズル分のデータは上記2スキャン目で用いた間引きパターンを用いて生成し印字を行う。
【0037】
最後に、62ノズル幅の紙送りを行なった後の4スキャン目では、一方の境界部に対応するノズルn1からn4の4ノズル分のデータはすでに画像が完成しているため図10に示す間引き率が100%の間引きパターン(無し)を用い、ノズルn5からn58までの54ノズル分のデータは図10に示す間引き率が3/4でパターン▲1▼,▲2▼および▲3▼と補完関係にある間引きパターン▲4▼を用い、他方の境界部に対応するノズルn59からn62の4ノズル分は図10に示す間引き率が2/3でパターンIおよびIIの補完関係にある間引きパターンIII を用いてそれぞれ生成し印字を行う。また、ノズルn63からn248の186ノズル分のデータは上記3スキャン目で用いた間引きパターンを用いて生成し印字を行う。
【0038】
その後の印字は、62ノズル幅の紙送りとノズルn1からn248までの248ノズルを用いた4スキャン目と同じ間引きパターンによるデータによって画像を完成させていく。
【0039】
以上のように記録ヘッドのノズル列を4分割した62ノズル幅の走査領域内、境界部に当たる前方4ノズル分の領域は、1スキャン目から3スキャン目までの3回の記録走査で画像を完成させ、境界部に当たる後方の4ノズルの領域分は、2スキャン目から4スキャン目までの3回の記録走査で画像を完成させ、一方、境界部を除く54ノズル分の画像領域は、1から4スキャン目までの4回の記録走査で画像を完成させる。すなわち、図9における2つの走査領域の境界部が隣接する領域Aからも明らかなように、境界部での走査回数を他の領域より少なくして、かつ同じ走査とすることによって完成した画像においてその領域Aの3回の走査それぞれは同時に行われることになり、時間差を有してドットが形成されることがなくその重複部分による濃度ムラによるつなぎ筋の発生を防止できる。なお、境界部においては間引き率が他の領域より小さいため、1回の走査当りのデューティーは他の領域は高くなるが、インク滲みのない範囲でその走査回数、従って、間引き率を定めるようにすることが望しい。
【0040】
また、本実施形態では、境界部の走査回数を3回としたが、走査回数はこれに限らないことは勿論であり、上述したインク滲みを生じない範囲で2回以下とすることができる。この場合においても隣接する各境界部の走査は、各走査同時に行われる必要がある。
【0041】
なお、本実施形態では、間引きパターンを固定的なパターンとしたが、画像データとの同調性を防止するためにランダムな間引きパターンを用いても良い。さらに、境界部のサイズを各走査領域の前方、後方ともに4ノズル分としたが、インク組成や記録媒体のインク吸収特性に応じて前後同じ幅でもまた異ならせた幅に変えることができ、また、そのサイズ自体を変えることができるのは勿論である。さらに、4回の走査回数で画像を完成させるのに、記録ヘッドの吐出口数を252個と増し、紙送り量を63ノズル幅として吐出口数を変えても良い。更に、記録ヘッドの吐出口数が240個で紙送り量が30ノズル幅として、画像を完成させるための走査回数を8回とし、境界部は7スキャンで画像を完成させる様にすることもできる。
【0042】
本実施形態において、以上のような制御を行うことにより、境界部での濃度ムラによるつなぎ筋の発生を防止して、濃度ムラの無い一様で良好な画像記録を得ることが可能なインクジェット記録装置を提供できる。
【0043】
(第2の実施形態)
上述の第1の実施形態では、記録ヘッドが1走査する記録幅である248ノズル幅を4分割した62ノズル幅の内、境界部の画像領域を前方4ノズル分と後方4ノズル分の様に一走査領域の前後に境界部を設定したが、本実施形態ではこの境界部を一方のみに設定する場合について説明する。
【0044】
図11は、本実施形態の記録方法に関し、境界部を走査領域の後方にのみ8ノズル分だけ設定した場合を示す図である。
【0045】
記録ヘッドは、1/600インチ間隔で248個の吐出口(248ノズル)を持っており、この1走査あたりの記録幅を4分割した248/4=62ノズル幅を紙送り量として、記録ヘッドがヘッド走査方向に走査を行い、この走査の間に紙送り方向に上記量の紙送りを順次行い、画像を完成させる。
【0046】
まず、1スキャン目では、248ノズルの内の187番目(n187)から248番目(n248)の62ノズルを用いて印字を行う。この時境界部はノズルn241からn248までの8ノズル分に対応して走査領域の一方のみに設定され、この領域は図10に示す間引き率が100%の間引きパターン(無し)を用いてデータが生成される。また、ノズルn187からn248までの54ノズル分のデータは図10に示す間引き率が3/4の間引きパターン▲1▼を用いて印字を行う。
【0047】
次に、62ノズル幅の紙送りを行なった後、2スキャン目では、境界部に対応するノズルn179からn186の8ノズル分のデータは図10に示す間引き率が2/3の間引きパターンIを用い、ノズルn125からn178までの54ノズル分のデータは図10に示す間引き率が3/4でパターン▲1▼と補完関係にある間引きパターン▲2▼を用いて生成し印字を行う。また、ノズルn187からn248に対応する62ノズル分のデータは上記1スキャン目と同じ間引きパターンを用いて生成し印字を行う。
【0048】
次に、62ノズル幅の紙送りを行なった後の3スキャン目では、境界部に対応するノズルn117からn124の8ノズル分は図10に示す間引き率が2/3でパターンIと補完関係にある間引きパターンIIを用い、ノズルn63からn116までの54ノズル分のデータは図10に示す間引き率が3/4でパターン▲1▼および▲2▼と補完関係にある間引きパターン▲3▼を用いて生成し印字を行う。また、ノズルn125からn248の124ノズル分のデータは上記2スキャン目で用いた間引きパターンを用いて生成し印字を行う。
【0049】
さらに、62ノズル幅の紙送りを行なった後の4スキャン目では、境界部に対応するノズルn52からn62の8ノズル分のデータは図10に示す間引き率が2/3でパターンIおよびIIと補完関係にある間引きパターンIII を用い、また、ノズルn1からn54までの54ノズル分のデータは図10に示す間引き率が3/4でパターン▲1▼,▲2▼および▲3▼と補完関係にある間引きパターン▲4▼を用いて生成し印字を行う。また、ノズルn63からn248の186ノズル分のデータは上記3スキャン目で用いた間引きパターンを用いて生成し印字を行う。
【0050】
その後の印字は、62ノズル幅の紙送りと、ノズルn1からn248までの248ノズルを用いた4スキャン目と同じ間引きパターンを用いた印字によって画像を完成させていく。
【0051】
図12は、図11に示す例とは逆に走査領域の前方8ノズル分を境界部に設定した例を示す図である。この例の境界部は、図10に示すパターンI,IIおよびIII の3種類の間引きパターンを用いて3スキャン目までに画像を完成させ、4スキャン目では、図10に示す間引き率100%の間引きパターン(無し)を用いる。また、境界部を除いた画像領域は、図10に示すパターン▲1▼から▲4▼までの4種類の間引きパターンを用いて4スキャンで画像を完成させる。
【0052】
以上のように、本実施形態では記録ヘッドを4分割した62ノズル幅の走査領域の内、境界部を前方または後方のいずれか一方のみとして、3スキャンで画像を完成させることにより、境界部を除く画像領域を、4スキャンで画像を完成させる場合でも、時間差の異なるドットの重複部分が生じることがなく、これにより濃度ムラによるつなぎ筋の発生を防止できる。なお、図12に示す例では、厳密には各走査領域相互の境界において一走査分の時間差を有してドットが形成される部分を生じている。例えば、2スキャン目のノズルn125〜n186に対応する走査領域とノズルn187〜n248に対応する走査領域の境界では、パターンIは2スキャン目で記録されるのに対しパターン▲1▼は1スキャン目で記録され一走査分の時間差を有していることになる。しかし、パターンIと同時にパターン▲2▼がパターン▲1▼を補完するように記録されるので、濃度むらが生じてもそれ程目立たないものとなる。
【0053】
なお、本実施形態では、間引きパターンを固定的なパターンとしたが、画像データとの同調性を防止するためにランダムな間引きパターンを用いても良い。また、境界部のサイズを8ノズル分の幅としたが、インク組成や記録媒体に応じて幅を変えることもできる。
【0054】
(第3の実施形態)
本発明の第3実施形態では、記録ヘッドの1走査の記録幅LをN分割したL/N幅よりも大きい紙送り量によって記録速度を向上させる場合について説明する。
【0055】
すなわち、境界部を除く画像領域を完成させるのに必要な走査回数をNとするとき、境界部の画像領域Tを完成させるのに必要な走査回数を(N−1)とし、この場合に境界部の画像領域TをNで割ったT/Nの幅分紙送り量を大きくすることができるものである。具体的には本実施形態における記録ヘッドは、1/600インチ間隔で248個の吐出口(248ノズル)を有しているものとし、この1走査あたりの記録幅L(=248ノズル幅)をN(=4)分割したL/N=248/4=62ノズル幅に対して、記録走査境界部の画像領域Tを8ノズル幅とするとき、T/N=8/4=2ノズル幅分大きい64ノズル幅を紙送り量として、画像を完成させる。
【0056】
本実施形態について、境界部の画像領域を前方の8ノズル幅のみとした場合、後方の8ノズル幅のみとした場合、および前後4ノズル幅づつに分けた場合の三例について説明する。
【0057】
図13は、境界部を前方の8ノズル幅のみとした場合の記録方法を示す図である。
【0058】
まず、1スキャン目では、248ノズルの内の185番目(n185)から248番目(n248)の64ノズルを用いて印字を行う。この時、境界部に対応するノズルn185からn192までの8ノズル分のデータは図10に示す間引き率が2/3の間引きパターンIを用い、境界部を除く領域に対応するノズルn193からn248までの56ノズル分のデータは図10に示す間引き率が3/4の間引きパターン▲1▼を用いて生成し、印字を行う。
【0059】
次に、64ノズル幅の紙送りを行なった後、2スキャン目では、境界部に対応するノズルn121からn128の8ノズル分のデータは図10に示す間引き率が2/3でパターンIと補完関係にある間引きパターンIIを用い、また、ノズルn129からn184までの56ノズル分は図10に示す間引き率が3/4でパターン▲1▼と補完関係にある間引きパターン▲2▼を用いて生成し印字を行う。また、ノズルn185からn248に対応する64ノズル分のデータは上記1スキャン目で用いた間引きパターンと同じものを用いて印字を行う。
【0060】
さらに、64ノズル幅の紙送りを行なった後、3スキャン目では、境界部に対応するノズルn57からn64の8ノズル分のデータは図10に示す間引き率が2/3でパターンIおよびIIと補完関係にある間引きパターンIII を用い、ノズルn65からn120までの56ノズル分のデータは図10に示す間引き率が3/4でパターン▲1▼および▲2▼と補完関係にある間引きパターン▲3▼を用いて生成し印字を行う。また、ノズルn121からn248の128ノズル分のデータは上記2スキャン目で用いた間引きパターンと同じパターンを用いて印字を行う。
【0061】
さらに、64ノズル幅の紙送りを行なった後の4スキャン目では、境界部を除く領域のノズルn1からn56までの56ノズル分のデータは図10に示す間引き率が3/4でパターン▲1▼,▲2▼および▲3▼と補完関係にある間引きパターン▲4▼を用いて生成し印字を行う。また、ノズルn57からn248の192ノズル分のデータは上記3スキャン目で用いた間引きパターンと同じものを用いて印字を行う。
【0062】
その後の印字は、64ノズル幅の紙送りと、ノズルn1からn248までの248ノズルを用いた4スキャン目と同じ間引きパターンを用いた印字を繰り返し画像を完成させていく。
【0063】
図14は、本実施形態において境界部を走査領域後方の8ノズル幅とした場合について記録方法を示す図である。
【0064】
まず、64ノズル幅の紙送り後、1スキャン目では、境界部を除いた画像領域にあたる56ノズル幅分だけをノズルn193からn248を使用し、間引き率が3/4の図10に示す間引きパターン▲1▼を用いて印字を行う。また、2スキャン目から4スキャン目までは、64ノズル幅の紙送りを順次行いながら、境界部を除いた画像領域は、図10に示すパターン▲1▼と相互補完にある図10に示すパターン▲2▼から▲4▼の間引きパターンを用いて4スキャンで画像を完成させ、一方、境界部の画像領域は、図10に示すパターンI,IIおよびIII の3種類の間引きパターンを用いて3スキャンで画像を完成させる。
【0065】
さらに、図15は、境界部を走査領域の前後4ノズル幅づつに分けた場合の記録方法の例を示す図である。
【0066】
まず、64ノズル幅の紙送りの後1スキャン目では、境界部の4ノズル幅分をノズルn189からn192までの4ノズルを使用して間引き率が2/3の図10に示す間引きパターンIを用いて印字を行い、境界部を除いた画像領域の56ノズル幅分をノズルn193からn248を使用し間引き率が3/4の図10に示す間引きパターン▲1▼を用いて印字を行う。以降、2スキャン目、3スキャン目と64ノズル幅の紙送りを順次行いながら、境界部の4ノズル幅は、パターンIと相互補完にある図10に示すパターンII,III の間引きパターンを用いて3スキャン目までの3スキャンで画像を完成させる。一方、2スキャン目から4スキャン目まで64ノズル幅の紙送りを順次行いながら、境界部を除いた画像領域は、パターン▲1▼と相互補完にあるパターン▲2▼から▲4▼の間引きパターンを用いて4スキャンで画像を完成させ、後方の境界部の4ノズル幅分は、図10に示すパターンI,IIおよびIII の3種類の間引きパターンを用いて3スキャンで画像を完成させる。また、4スキャン目は、ノズルn1からn56までの56ノズルを使用して境界部を除いた画像領域を、また、ノズルn57からn60までの4ノズルを使用して後方の境界部の4ノズル幅を完成させる。
【0067】
このように、境界部の走査回数を少なくして画像を完成させるという本発明を利用して、記録ヘッドのノズル列を均等にN分割した幅の紙送り量よりも大きくすることができ、記録速度を向上することができる。また、これとともに、本実施形態においても走査領域の境界でドットの重複する部分が時間差を有して形成されないため記録領域境界での濃度ムラによるつなぎ筋の発生を防止できる。なお、図13に示す例は、図12に示す例に関して上述したのと同様に厳密には各走査領域で一走査分の時間差を有してドットが形成されるが、図12について上述したのと同様、その濃度ムラはそれ程目立たないものとなる。
【0068】
なお、本実施形態では、間引きパターンを固定的なパターンとしたが、画像データとの同調性を防止するためにランダムな間引きパターンを用いても良い。また本実施形態では、境界部のサイズを8ノズル幅としたが、インク組成や記録媒体に応じて幅を変えてもよいことは勿論である。
【0069】
本実施形態において、以上のような制御を行うことにより、走査領域境界での濃度ムラによるつなぎ筋の発生を防止し、記録速度を向上させた濃度ムラの無い一様で良好な画像記録を得ることが可能なインクジェット記録装置を提供できる。
【0070】
(第4の実施形態)
本発明の第4実施形態は、記録ヘッドのノズル配列の解像度より高い解像度でドットを形成する場合に本発明を適用したものである。
【0071】
本実施形態における記録ヘッドは、1/600インチ間隔で128個の吐出口(128ノズル)を有しているものとし、この1走査あたりの記録幅L(=128ノズル幅)を均等にN(=8)分割したL/N=128/8=16ノズル幅に対して、16.5ノズル幅と15.5ノズル幅の2種類の量で紙送りを繰り返すことで、1/1200インチ間隔(1200dpi)でドットを形成し画像を完成させるものである。また、本実施形態の境界部は、走査領域前方の8ノズル幅に設定する。
【0072】
図16は、本実施形態を用いる間引きパターンを示す図である。パターン(A)から(H)の8種類の間引きパターンは相互補完の関係にあり、同様にパターン(a)から(f)の6種類の間引きパターンも相互補完の関係にあり、紙送り方向には1200dpiの解像度を有したものである。間引きパターン(A),(C),(E),(G)の4種類は、紙送り方向において奇数番目の画素位置の領域で各々相互補完の関係にあり、間引きパターン(B),(D),(F),(H)の4種類は、紙送り方向において偶数番目の画素位置の領域で各々相互補完の関係にある。同様に、間引きパターン(a),(c),(e)の3種類は、紙送り方向において奇数番目画素の領域で各々相互補完の関係にあり、間引きパターン(b),(d),(f)の3種類は、紙送り方向において偶数番目の画素位置の領域で各々相互補完の関係にある。
【0073】
図17は、本実施形態における記録方法を説明する図である。まず、1スキャン目では、16.5ノズル幅の紙送り後に128ノズルの内のノズルn113からn128の16ノズルを用いて、紙送り方向における奇数番目画素の印字を行う。この時、境界部はノズルn113からn120までの8ノズルを使用し、図16に示す間引き率が5/6の間引きパターン(a)を用い、また、境界部を除く画像領域は、ノズルn121からn128までの8ノズルを使用し、図16に示す間引き率が7/8の間引きパターン(A)を用いて印字する。
【0074】
次に、15.5ノズル幅の紙送りを行なった後、2スキャン目では、紙送り方向における偶数番目画素の印字を行う。ここで境界部は、ノズルn95からn104までの8ノズルとn113からn120までの8ノズルを使用し、図16に示す間引き率が5/6の間引きパターン(b)を用い、これら境界部を除く領域は、ノズルn105からn112までの8ノズルとノズルn121からn128までの8ノズルを使用し、図16に示す間引き率が7/8の間引きパターン(B)を用いて印字を行う。
【0075】
さらに、16.5ノズル幅の紙送りを行なった後の3スキャン目では、紙送り方向における奇数番目画素に印字を行う。ここで、境界部は、ノズルn81からn88までの8ノズルで、図16に示す間引きパターン(c)を用い、また、ノズルn95からn104までの8ノズルとノズルn113からn120までの8ノズルで、図16に示す間引きパターン(a)を用いて印字する。一方、これらの境界部を除く画像領域は、ノズルn89からn96までの8ノズルで、図16に示す間引きパターン(C)を用い、また、ノズルn105からn112までの8ノズルとノズルn121からn128までの8ノズルで、図16に示す間引きパターン(A)を用いて印字を行う。
【0076】
さらに、15.5ノズル幅の紙送りを行なった後の4スキャン目では、紙送り方向における偶数番目の画素に印字を行う。ここで、境界部の画像領域は、ノズルn65からn72までの8ノズルとノズルn81からn88までの8ノズルで、図16に示す間引きパターン(d)を用い、また、ノズルn95からn104までの8ノズルとノズルn113からn120までの8ノズルで、図16に示す間引きパターン(b)を用いて印字する。また、これらの境界部を除く画像領域は、ノズルn73からn80までの8ノズルとノズルn89からn96までの8ノズルで、図16に示す間引きパターン(D)を用い、ノズルn105からn112までの8ノズルとノズルn121からn128までの8ノズルで、図16に示す間引きパターン(B)を用いて印字を行う。
【0077】
さらに、16.5ノズル幅の紙送りを行なった後の5スキャン目では、紙送り方向における奇数番目の画素に印字を行う。ここで、境界部は、ノズルn49からn56までの8ノズルで、図16に示す間引きパターン(e)を用い、ノズルn65からn72までの8ノズルとノズルn81からn88までの8ノズルで、図16に示す間引きパターン(c)を用い、ノズルn95からn104までの8ノズルとノズルn113からn120までの8ノズルで、図16に示す間引きパターン(a)を用いて印字を行う。また、これら境界部を除く画像領域は、ノズルn57からn64までの8ノズルで、図16に示す間引きパターン(E)を用い、ノズルn73からn80までの8ノズルとノズルn89からn96までの8ノズルで、図16に示す間引きパターン(C)を用い、ノズルn105からn112までの8ノズルとノズルn121からn128までの8ノズルで、図16に示す間引きパターン(A)を用いて印字を行う。
【0078】
さらに、15.5ノズル幅の紙送りを行なった後の6スキャン目では、紙送り方向における偶数番目の画素に印字を行う。ここで、境界部は、ノズルn33からn40までの8ノズルとノズルn49とn56までの8ノズルで、図16に示す間引きパターン(f)を用い、ノズルn65からn72までの8ノズルとノズルn81からn88までの8ノズルで、図16に示す間引きパターン(d)を用い、ノズルn95からn104までの8ノズルとノズルn113からn120までの8ノズルで、図16に示す間引きパターン(b)を用いて印字する。一方、これらの境界を除く画像領域は、ノズルn41からn48までの8ノズルとノズルn57からn64までの8ノズルで、図16に示す間引きパターン(F)を用い、ノズルn73からn80までの8ノズルとノズルn89からn96までの8ノズルで、図16に示す間引きパターン(D)を用い、ノズルn105からn112までの8ノズルとノズルn121からn128までの8ノズルで、図16に示す間引きパターン(B)を用いて印字を行う。
【0079】
さらに、16.5ノズル幅の紙送りを行なった後の7スキャン目では、紙送り方向における奇数番目の画素に印字を行う。ここでは境界部は、ノズルn17からn24までの8ノズルで、図16に示す間引き率が100%の間引きパターン(無し)を用い、ノズルn33からn40までの8ノズルとノズルn49からn56までの8ノズルで、図16に示す間引きパターン(e)を用いて、ノズルn65からn72までの8ノズルとノズルn81からn88までの8ノズルで、図16に示す間引きパターン(c)を用い、ノズルn95からn104までの8ノズルとノズルn113からn120までの8ノズルで、図16に示す間引きパターン(a)を用いて印字する。一方、これら境界部を除く画像領域は、ノズルn25からn32までの8ノズルで、図16に示す間引きパターン(G)を用い、ノズルn41からn48までの8ノズルとノズルn57からn64までの8ノズルで、図16に示す間引きパターン(E)を用い、ノズルn73からn80までの8ノズルとノズルn89からn96までの8ノズルで、図16に示す間引きパターン(C)を用い、ノズルn105からn112までの8ノズルとノズルn121からn128までの8ノズルで、図16に示す間引きパターン(A)を用いて印字する。
【0080】
さらに、15.5ノズル幅の紙送りを行なった後の8スキャン目では、紙送り方向における偶数番目の画素に記録ヘッドの全ノズルを使用して印字を行う。ノズルn33からn128の96ノズルは、上記6スキャン目で用いた間引きパターンを用いて印字する。また、ノズルn1からn32ノズルに対応する走査領域の内、境界部は既に画像が完成されており、ノズルn1からn8までの8ノズルとノズルn17からn24までの8ノズルで、図16に示す間引き率が100%の間引きパターン(無し)を用いて印字する。一方、これら境界部を除く画像領域は、ノズルn9からn16までの8ノズルとノズルn25からn32までの8ノズルで、図16に示す間引きパターン(H)を用いて印字を行う。
【0081】
さらに、16.5ノズル幅の紙送りを行なった後、9スキャン目では、紙送り方向における奇数番目の画素に記録ヘッドの全ノズルを使用して印字を行う。すなわち、ノズルn17からn128の112ノズルは、上記7スキャン目で用いた間引きパターンを用いて印字を行う。また、ノズルn1からn16ノズルに対応する走査領域の内、境界部は既に画像が完成されており、このため、ノズルn1からn8までの8ノズルで、図16に示す間引き率が100%の間引きパターン(無し)を用いて印字する。一方、これら境界部を除く画像領域は、ノズルn9からn16までの8ノズルで、図16に示す間引きパターン(G)を用いて印字を行う。
【0082】
以上のように、奇数番目のスキャンで紙送り方向における奇数番目画素の印字を行ない、また、偶数番目のスキャンで紙送り方向における偶数番目画素の印字を行ない、これとともに0.5ノズル幅ずらした紙送りを行うことにより紙送り方向について1200dpiの印字を行うことができ、この場合において、各々境界部は3スキャンで、境界部を除く画像領域は4スキャンで完成させることができ、走査領域の境界での濃度ムラによるつなぎ筋の発生を防止できる。
【0083】
なお、本実施形態では間引きパターンを固定的なパターンとしたが、画像データとの同調性を防止するために、紙送り方向における奇数番目の画素と偶数番目の画素に対して各々ランダムな間引きパターンを用いても良い。また、境界部のサイズを8ノズル幅としたが、インク組成や記録媒体に応じて幅を変えてもよいことは勿論である。
【0084】
本実施形態において、以上のような制御を行うことにより、記録ヘッドのノズルピッチの解像度より高い解像度で記録することができ、この場合においても、走査領域の境界で濃度ムラによるつなぎ筋の発生を防止し、濃度ムラの無い一様で良好な画像記録を得ることが可能なインクジェット記録装置を提供できる。
【0085】
なお、上記各実施形態では、いわゆる分割記録方法に本発明を適用する場合について説明したが、本発明の適用はこれに限られず、同一走査領域に対し同一のノズルと対応付けて複数回の走査によりその領域の印字を完成するような記録方法にも本発明を適用できることは以上の説明からも明らかである。
【0086】
(その他)
なお、本発明は、特にインクジェット記録方式の中でも、インク吐出を行わせるために利用されるエネルギとして熱エネルギを発生する手段(例えば電気熱変換体やレーザ光等)を備え、前記熱エネルギによりインクの状態変化を生起させる方式の記録ヘッド、記録装置において優れた効果をもたらすものである。かかる方式によれば記録の高密度化,高精細化が達成できるからである。
【0087】
その代表的な構成や原理については、例えば、米国特許第4723129号明細書,同第4740796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて行うものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド型,コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持されているシートや液路に対応して配置されている電気熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を印加することによって、電気熱変換体に熱エネルギを発生せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体(インク)内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成長,収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐出させて、少なくとも1つの滴を形成する。この駆動信号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐出が達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信号としては、米国特許第4463359号明細書,同第4345262号明細書に記載されているようなものが適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の米国特許第4313124号明細書に記載されている条件を採用すると、さらに優れた記録を行うことができる。
【0088】
記録ヘッドの構成としては、上述の各明細書に開示されているような吐出口,液路,電気熱変換体の組合せ構成(直線状液流路または直角液流路)の他に熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示する米国特許第4558333号明細書,米国特許第4459600号明細書を用いた構成も本発明に含まれるものである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示する特開昭59−123670号公報や熱エネルギの圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開示する特開昭59−138461号公報に基いた構成としても本発明の効果は有効である。すなわち、記録ヘッドの形態がどのようなものであっても、本発明によれば記録を確実に効率よく行うことができるようになるからである。
【0089】
加えて、上例のようなシリアルタイプのものでも、装置本体に固定された記録ヘッド、あるいは装置本体に装着されることで装置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッド、あるいは記録ヘッド自体に一体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効である。
【0090】
また、本発明の記録装置の構成として、記録ヘッドの吐出回復手段、予備的な補助手段等を付加することは本発明の効果を一層安定できるので、好ましいものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加圧或は吸引手段、電気熱変換体或はこれとは別の加熱素子或はこれらの組み合わせを用いて加熱を行う予備加熱手段、記録とは別の吐出を行なう予備吐出手段を挙げることができる。
【0091】
また、搭載される記録ヘッドの種類ないし個数についても、例えば単色のインクに対応して1個のみが設けられたものの他、記録色や濃度を異にする複数のインクに対応して複数個数設けられるものであってもよい。すなわち、例えば記録装置の記録モードとしては黒色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘッドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによるかいずれでもよいが、異なる色の複色カラー、または混色によるフルカラーの各記録モードの少なくとも一つを備えた装置にも本発明は極めて有効である。
【0092】
さらに加えて、以上説明した本発明実施例においては、インクを液体として説明しているが、室温やそれ以下で固化するインクであって、室温で軟化もしくは液化するものを用いてもよく、あるいはインクジェット方式ではインク自体を30℃以上70℃以下の範囲内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあるように温度制御するものが一般的であるから、使用記録信号付与時にインクが液状をなすものを用いてもよい。加えて、熱エネルギによる昇温を、インクの固形状態から液体状態への状態変化のエネルギとして使用せしめることで積極的に防止するため、またはインクの蒸発を防止するため、放置状態で固化し加熱によって液化するインクを用いてもよい。いずれにしても熱エネルギの記録信号に応じた付与によってインクが液化し、液状インクが吐出されるものや、記録媒体に到達する時点ではすでに固化し始めるもの等のような、熱エネルギの付与によって初めて液化する性質のインクを使用する場合も本発明は適用可能である。このような場合のインクは、特開昭54−56847号公報あるいは特開昭60−71260号公報に記載されるような、多孔質シート凹部または貫通孔に液状又は固形物として保持された状態で、電気熱変換体に対して対向するような形態としてもよい。本発明においては、上述した各インクに対して最も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行するものである。
【0093】
さらに加えて、本発明インクジェット記録装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の画像出力端末として用いられるものの他、リーダ等と組合せた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシミリ装置の形態を採るもの等であってもよい。
【0094】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、各走査領域に設定される境界部では、この境界部の画像を完成するのに要する走査の回数を他領域のそれよりも少なくすることにより、この境界部に対して行われる各走査を隣接する領域の走査と同時に行うようにすることができるので、隣接する走査領域の境界で、時間差を有してインクドットが形成されることが生じないようにすることができる。
【0095】
この結果、走査領域境界での濃度ムラによるつなぎ筋の発生を防止して、良好な画像記録を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用可能なインクジェット記録装置の概略斜視図である。
【図2】本発明に適用可能な記録ヘッドにおけるノズル配列を模式的に示す図である。
【図3】(a),(b)および(c)は、インクジェット記録装置における理想的な印字状態を説明する図である。
【図4】(a),(b)および(c)は、インクジェット記録装置において濃度ムラを生じる印字状態を説明する図である。
【図5】(a),(b)および(c)は、本発明の実施形態で用いる分割記録方法による濃度ムラ軽減を説明する図である。
【図6】(a),(b)および(c)は、分割記録方法による濃度ムラ軽減の他の例を説明する図である。
【図7】隣接する走査領域相互におけるドットの重なり方を説明するための説明図である。
【図8】本発明を適用可能なインクジェット記録装置の制御構成を示すブロック図である。
【図9】本発明の第1の実施形態による記録方法の説明図である。
【図10】本発明の第1,第2および第3の実施形態における、間引きパターンを模式的に示す図である。
【図11】本発明の第2の実施形態による記録方法の説明図である。
【図12】本発明の第2の実施形態による他の記録方法の説明図である。
【図13】本発明の第3の実施形態による記録方法の説明図である。
【図14】本発明の第3の実施形態による他の記録方法の説明図である。
【図15】本発明の第3の実施形態によるさらに他の記録方法の説明図である。
【図16】本発明の第4の実施形態で用いる間引きパターンを模式的に示す図である。
【図17】本発明の第4の実施形態による記録方法の説明図である。
【符号の説明】
31,102,813 マルチヘッド
101 インクジェットカートリッジ
103 紙送りローラ
104 補助ローラ
105 給紙ローラ
106 キャリッジ
201,32 ノズル
33 インクドロップレット
800 中央制御部(CPU)
801 ROM
802 RAM
803 画像入力部
804 画像信号処理部
805 バスライン
806 操作部
807 回復系制御部
808 回復系モータ
809 ブレード
810 キャップ
811 ポンプ
812 サーミスタ
814 ヘッド温度制御回路
815 ヘッド駆動制御回路

Claims (18)

  1. インクを吐出するための複数のインク吐出口を有した記録ヘッドを用い、該記録ヘッドを記録媒体の同一の走査領域に対し複数回走査させるとともに、記録媒体を記録ヘッドの走査方向とは異なる方向に相対的に搬送して順次各走査領域の記録を行うインクジェット記録装置であって、
    走査領域それぞれに他の走査領域に隣接する境界部であって二以上のインク吐出口分の幅を持った境界部を設定し、該境界部における画像を完成させるのに要する走査回数を当該走査領域における境界部以外の領域の画像を完成させるのに要する走査回数より少なくし、かつ当該境界部における走査は隣接する他の走査領域における走査と同時に行われることを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 記録ヘッドへ供給する記録データの生成を制御することによって、走査領域それぞれに他の走査領域に隣接する境界部を設定し、該境界部における画像を完成させるのに要する走査回数を当該走査領域における境界部以外の領域の画像を完成させるのに要する走査回数より少なくし、かつ当該境界部における走査は隣接する他の走査領域における走査と同時に行わせるデータ生成手段を具えたことを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 記録ヘッドは複数のインク吐出口を有し、記録ヘッドの前記相対的な搬送を制御することにより、前記同一の走査領域に対する複数回の走査それぞれで用いるインク吐出口を異ならせることを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット記録装置。
  4. 前記同一の走査領域に対する複数回の走査では同一のインク吐出口を用いることを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット記録装置。
  5. 前記境界部および前記境界部以外の領域では、それぞれ所定の間引き率の複数回の走査により補完的な記録が行われるものであり、前記境界部の間引き率は前記境界部以外の間引き率より小であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  6. 記録走査に伴って複数のインク吐出口からインクを吐出する記録ヘッドの記録領域に対して、N分割(Nは2以上の整数)された各走査領域への画像形成を、相互補完の関係にあるN種類の間引きパターンを用いて前記記録ヘッドを当該画像形成の完成に要する走査としてN回走査させつつ、前記走査と異なる方向に順次相対的な紙送りを行うことにより完成させる画像形成手段を備えたインクジェット記録装置であって、
    他の走査領域に隣接する境界部であって二以上のインク吐出口分の幅を持った境界部の画像形成を完成するのに要する走査の回数をN回より少なくし、かつ前記隣接する走査領域の走査と同時に行うことを特徴とするインクジェット記録装置。
  7. 前記境界部の画像形成を完成させるのに要する走査の回数をN回より少なくさせる手段を有し、該手段は、相互補完の関係にある間引きパターンを、N種類より少ない種類の間引きパターンとすることを特徴とする請求項6に記載のインクジェット記録装置。
  8. 前記境界部の画像形成を完成させるのに要する走査の回数をN回より少なくさせる手段を有し、該手段は、相互補完の関係にある間引きパターンの少なくとも1種類を100%間引きパターンとすることを特徴とする請求項6または7に記載のインクジェット記録装置。
  9. 前記N分割された各走査領域が(L/N)+Kの幅(Kは0以上)を有し、前記紙送りの幅が(L/N)+K(ここで、Lは記録ヘッドの記録に用いられる総てのインク吐出口分の幅)であることを特徴とする請求項6ないし8のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  10. 前記Kの幅が、前記境界部の幅TをNで割ったT/Nの幅であることを特徴とする請求項9に記載のインクジェット記録装置。
  11. 前記境界部は、前記N分割された各走査領域の紙送り方向における前方および後方の2つの領域、または、前方のみの領域、または後方のみの領域に設定されることを特徴とする請求項6ないし10のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  12. 前記記録領域が、前記記録ヘッドの紙送り方向に配列されたインク吐出口の解像度よりM倍(Mは1以上の整数)の解像度の記録領域では、前記境界部の画像形成を完成させる相互補完の関係にある間引きパターンが、(N−M)種類の間引きパターンであることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  13. 前記間引きパターンが、紙送り方向にM画素毎の位置にある領域において、相互補完の関係にあるランダムな間引きパターンであることを特徴とする請求項12に記載のインクジェット記録装置。
  14. 前記M=2倍の解像度の記録領域では、該記録領域の幅をLとするとき、紙送りを(L/N)+Pの幅と(L/N)−Pの幅(ここで、Pは1インク吐出口幅分をMで割った値)を順次繰り返し行うことにより画像を完成させることを特徴とする請求項7に記載のインクジェット記録装置。
  15. インクを吐出するための複数のインク吐出口を有した記録ヘッドを用い、該記録ヘッドを記録媒体の同一の走査領域に対し複数回走査させるとともに、記録媒体を記録ヘッドの走査方向とは異なる方向に相対的に搬送して順次各走査領域の記録を行うインクジェット記録方法であって、
    走査領域それぞれに他の走査領域に隣接する境界部であって二以上のインク吐出口分の幅を持った境界部を設定し、該境界部における画像を完成させるのに要する走査回数を当該走査領域における境界部以外の領域の画像を完成させるのに要する走査回数より少なくし、かつ当該境界部における走査は隣接する他の走査領域における走査と同時に行われることを特徴とするインクジェット記録方法。
  16. 記録ヘッドは複数のインク吐出口を有し、記録ヘッドの前記相対的な搬送を制御することにより、前記同一の走査領域に対する複数回の走査それぞれで用いるインク吐出口を異ならせることを特徴とする請求項15に記載のインクジェット記録方法。
  17. 前記同一の走査領域に対する複数回の走査では同一のインク吐出口を用いることを特徴とする請求項16に記載のインクジェット記録方法。
  18. 前記境界部および前記境界部以外の領域では、それぞれ所定の間引き率の複数回の走査により補完的な記録が行われるものであり、前記境界部の間引き率は前記境界部以外の間引き率より小であることを特徴とする請求項15ないし17のいずれかに記載のインクジェット記録方法。
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