JP2950847B2 - 自動二輪車 - Google Patents

自動二輪車

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JP2950847B2
JP2950847B2 JP1101684A JP10168489A JP2950847B2 JP 2950847 B2 JP2950847 B2 JP 2950847B2 JP 1101684 A JP1101684 A JP 1101684A JP 10168489 A JP10168489 A JP 10168489A JP 2950847 B2 JP2950847 B2 JP 2950847B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、車体前後方向に長いタンデムシートを備え
る自動二輪車に関する。
(従来の技術) 例えば、第3図に示すスクータ型自動二輪車101は車
体前後方向に長いタンデムシート116を車体後部に有す
るが、該タンデムシート116の下方にはヘルメット130等
を収納すべきボックス124が設けられる。尚、第4図は
第3図のIV−IV線断面図である。
斯かる自動二輪車101にあっては、タンデムシート116
が車体前後方向に長い関係上、該タンデムシート116全
体の撓み変形を規制する必要があり、このためにタンデ
ムシート116は第3図に示すようにその前端部、中間部
及び後端部がそれぞれ支持されていた。即ち、図示のよ
うにシートレールフレーム109,109の前後方向3点にお
いて支柱114、140,140、115によってタンデムシート116
はその前端部、中間部、後端部がそれぞれ支持されてお
り、これはその前端部に設けられたヒンジ118を中心に
開閉が可能である。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、タンデムシート116を上述のようにそ
の中間部においても支持する場合には、第4図に示すよ
うに該タンデムシート116の中間部を支持する前記支柱1
40,140によってボックス124の幅寸法が縮小してその容
量が小さくなるとともに、部品点数が増えるという問題
がある。これに対して、ボックス124の容量を十分確保
するには、タンデムシート116の寸法、延いては車体幅
寸法を拡大しなければならない。
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、その目的
とする処は、タンデムシートの大きな撓み変形、シート
幅寸法の拡大、部品点数の増加を招くことなく、タンデ
ムシート下方に十分な容量の収納空間を確保することが
できる自動二輪車を提供することにある。
(課題を解決するための手段) 上記目的を達成するため、本発明は、車体前後方向に
長いタンデムシートの下方に上面が開口するヘルメット
収納ボックスを配設し、前記タンデムシートをその前端
部のヒンジと後端部の荷重受けボスを介して車体側に支
持させ、該タンデムシートを前記ヒンジを中心として回
動可能としてこれによって前記ヘルメット収納ボックス
の上面開口部を開閉自在に覆って成る自動二輪車におい
て、前記タンデムシートの樹脂製ボトムプレートの車幅
方向中央部に、上方に突出して前記ヒンジから前記荷重
受けボスにかけて車体前後方向に直線状に長く連続して
延びるチャンネル状の凸部を一体に折曲形成し、前記ボ
トムプレートの凸部の上面側に、該ボトムプレートとは
別体であって前記凸部を取り囲んでこれを被うようにチ
ャンネル状に成形され且つ前記ヒンジと一体に構成され
て該ヒンジから前記凸部に沿って前記荷重受けボスまで
延びる金属製補強部材をリベットにて取着したことを特
徴とする。
(作用) 本発明によれば、ボトムプレートの凸部と補強部材に
よって車体前後方向に長いタンデムシートの剛性が高め
られるため、該タンデムシートをその前端部と後端部の
みで支持してもこれの撓み変形が抑えられ、従って、該
タンデムシートの中間部を支持する支柱が不要となり、
シート幅寸法を拡大することなく該シート下方に十分な
容量の収納空間を確保することができるとともに、部品
点数の削減、コストダウン等を図ることができる。この
場合、ボトムプレートの凸部の内側空間を収納空間とし
て利用することができるとともに、この凸部の内側空間
にリベットが収納されるために該リベットのヘルメット
への接触が防がれる。
又、補強部材がヒンジと一体に構成され、しかも、こ
の補強部材はヒンジから荷重受けボスまで延びるため、
樹脂製ボトムプレートに局部的に応力が集中することが
なく、該ボトムプレートの耐久性が高められる。
更に、ボトムプレートの凸部は車幅方向中央部に形成
されるため、タンデムシートは乗員の臀部に合わせたク
ッション性を確保することができ、乗員の乗心地性が阻
害されることがない。
(実施例) 以下に本発明の一実施例を添付図面に基づいて説明す
る。
第1図は本発明に係る自動二輪車の側面図、第2図は
第1図のII−II線断面図である。
第1図に示す自動二輪車1はスクータ型の自動二輪車
であって、その車体前部に位置するヘッドパイプ2には
操向軸3が回動自在に挿通している。そして、この操向
軸3の上端にはハンドル4が、下端にはフロントフォー
ク5がそれぞれ取り付けられており、フロントフォーク
5の下端部には前輪6が回転自在に軸承されている。
尚、車体前部はフロントカバー7にて被われている。
又、前記ヘッドパイプ2からはメインフレーム8が後
下方へ延出しており、該メインフレーム8の後端部から
は左右2本のシートレールフレーム9,9が車体後方に沿
って延びている。そして、シートレールフレーム9に
は、駆動源たるユニットスイング式エンジン10がその中
間部、後端部をそれぞれリンク11、リヤクッション12を
介して支持されており、該ユニットスイング式エンジン
10の後端部から車幅方向に延出する不図示の後車軸には
後輪13が回転自在に軸承されている。尚、上記ユニット
スイング式エンジン10のシリンダは略水平に設置されて
いる。
ところで、前記シートレールフレーム9,9には門形に
一体成形された支柱14,15が立設されており、これら支
柱14,15によって車体前後方向に長いタンデムシート16
がその前端部、後端部をそれぞれ支持されている。そし
て、支柱14の上端部にはタンデムシート16の前端部がヒ
ンジ18を介して支持されている。
又、タンデムシート16の後端部は、該タンデムシート
16のボトムプレート19後部の左右に下方に向かって突出
する荷重受けボス19a,19aがクッション材20,20を介して
前記支柱15に支持されている。尚、タンデムシート16は
第1図に鎖線にて示すようにヒンジ18の軸18aを中心に
して回動可能である。
而して、本実施例においては、タンデムシート16のボ
トムプレート19は樹脂にて一体成形され、その断面形状
は上方に向かって凸状を成しており、その車幅方向中央
部には、前記ヒンジ18から荷重受けボス19a,19bにかけ
て車体前後方向に直線状に長く連続したチャンネル状の
凸部19bが一体に折曲形成されている。そして、このボ
トムプレート19の凸部19bの上面には、該ボトムプレー
ト19とは別体であって、ボトムプレート19の前記凸部19
bを取り囲んでこれを被うようにチャンネル状に成形さ
れ且つ前記ヒンジ18と一体に構成された該ヒンジ18から
凸部19bに沿って荷重受けボス19a,19aまで延びるチャン
ネル状の金属製補強部材21がリベット22…にて取着され
ている。
一方、自動二輪車1の車体後部はサイドカバー23によ
って被われるが、該サイドカバー23とタンデムシート16
にて囲まれる空間には、上記が開口する樹脂製のヘルメ
ット収納ボックス24が設けられており、同空間の該ヘル
メット収納ボックス24の後方には燃料タンク25が設置さ
れている。
ところで、上記ヘルメット収納ボックス24内には図示
のようにヘルメット30が収容されるが、このヘルメット
30の出し入れは第1図に鎖線にて示すようにタンデムシ
ート16を開いた状態で行なわれる。
以上において、本実施例では車体前後方向に長いタン
デムシート16の前端部と後端部のみを支柱14,15によっ
て支持し、従来のようにタンデムシート16の中間部を支
柱によって支持していない。
然るに、タンデムシート16のボトムプレート19の車幅
方向中央部には車体前後方向に長い連続したチャンネル
状の凸部19bが一体成形され、しかも、この凸部19bには
同じく車体前後方向に長い連続した金属製のチャンネル
状補強部材21が取着されているため、該ボトムプレート
19自体の剛性、延いてはタンデムシート16全体の剛性が
極めて高く保たれ、本実施例にようにタンデムシート16
の中央部の支持を省いてその前端部と後端部のみを支持
するようにしても、該タンデムシート16の撓み変形が一
定以下に抑えられる。この結果、タンデムシート16の中
間部を支持する支柱が不要となり、タンデムシート16の
幅を拡大することなく該シート16の下方に設けられるヘ
ルメット収納ボックス24の容量を大きく取ることが可能
となるとともに、部品点数の削減、コストダウン等を図
ることができる。
そして、ボトムプレート19の凸部19bの内側空間を収
納空間として利用することができるとともに、この凸部
19bの内側空間にリベット22…が収納されるために該リ
ベット22…のヘルメット30への接触が防がれる。
又、補強部材21がヒンジ18と一体に構成され、しか
も、この補強部材21はヒンジ18から荷重受けボス19a,19
aまで延びるため、樹脂製ボトムプレート19に局部的に
応力が集中することがなく、該ボトムプレート19の耐久
性が高められる。
更に、ボトムプレート19の凸部19bは車幅方向中央部
に形成されるため、タンデムシート16は乗員の臀部に合
わせたクッション性を確保することができ、乗員の乗心
地性が阻害されることがない。
(発明の効果) 以上の説明で明らかなように、本発明によれば、ボト
ムプレートの凸部と補強部材によって車体前後方向に長
いタンデムシートの剛性が高められるため、該タンデム
シートをその前端部と後端部のみで支持してもこれの撓
み変形が抑えられ、従って、該タンデムシートの中間部
を支持する支柱が不要となり、シート幅寸法を拡大する
ことなく該シート下方に十分な容量の収納空間を確保す
ることができるとともに、部品点数の削減、コストダウ
ン等を図ることができる。この場合、ボトムプレートの
凸部の内側空間を収納空間として利用することができる
とともに、この凸部の内側空間にリベットが収納される
ために該リベットのヘルメットへの接触が防がれる。
又、補強部材がヒンジと一体に構成され、しかも、こ
の補強部材はヒンジから荷重受けボスまで延びるため、
樹脂製ボトムプレートに局部的に応力が集中することが
なく、該ボトムプレートの耐久性が高められる。
更に、ボトムプレートの凸部は車幅方向中央部に形成
されるため、タンデムシートは乗員の臀部に合わせたク
ッション性を確保することができ、乗員の乗心地性が阻
害されることがない。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る自動二輪車の側面図、第2図は第
1図のII−II線断面図、第3図は従来例に係る自動二輪
車の側面図、第4図は第3図のIV−IV線断面図である。 1……自動二輪車、16……タンデムシート、18……ヒン
ジ、19……ボトムプレート、19a……荷重受けボス、19b
……凸部、21……補強部材、22……リベット、24……ヘ
ルメット収納ボックス。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車体前後方向に長いタンデムシートの下方
    に上面が開口するヘルメット収納ボックスを配設し、前
    記タンデムシートをその前端部のヒンジと後端部の荷重
    受けボスを介して車体側に支持させ、該タンデムシート
    を前記ヒンジを中心として回動可能としてこれによって
    前記ヘルメット収納ボックスの上面開口部を開閉自在に
    覆って成る自動二輪車において、 前記タンデムシートの樹脂製ボトムプレートの車幅方向
    中央部に、上方に突出して前記ヒンジから前記荷重受け
    ボスにかけて車体前後方向に直線状に長く連続して延び
    るチャンネル状の凸部を一体に折曲形成し、前記ボトム
    プレートの凸部の上面側に、該ボトムプレートとは別体
    であって前記凸部を取り囲んでこれを被うようにチャン
    ネル状に成形され且つ前記ヒンジと一体に構成されて該
    ヒンジから前記凸部に沿って前記荷重受けボスまで延び
    る金属製補強部材をリベットにて取着したことを特徴と
    する自動二輪車。
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