JP2950538B1 - 簡易cadシステム及び記録媒体 - Google Patents

簡易cadシステム及び記録媒体

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JP2950538B1
JP2950538B1 JP10173133A JP17313398A JP2950538B1 JP 2950538 B1 JP2950538 B1 JP 2950538B1 JP 10173133 A JP10173133 A JP 10173133A JP 17313398 A JP17313398 A JP 17313398A JP 2950538 B1 JP2950538 B1 JP 2950538B1
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Abstract

【要約】 【課題】 平面詳細や立面詳細を描画することなく、ダ
イレクトに透視図を描くことを可能となす簡易CADシ
ステムを提供すること。 【解決手段】 建築物描画上の最下点である基点Oと、
その基点Oを端点として左右斜め上方向へ伸びる直線を
決めるための基線[G.L]となす2つの角度θ1とθ2
と、建築物の各部寸法L5,L6,L7,L8を指定し、
作図に必要な残りの未知数は計算で求めることで、透視
図A,O,E,F,H,I,G,Dを得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建築物の外観パー
ス等の透視図を描くことを可能とする簡易CADシステ
ム及び記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、表現技法の一つとしての透視
図をコンピュータを使用して描く場合には、2次元CA
Dを用い、まったく手描きと同じようにして透視図法を
駆使して描いている。また近年は、3次元表現を自動的
に行える3D−CADも開発されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、3D−CAD
は高価なものが多く、しかも、基本入力データとして
は、平面詳細や立面詳細の入力が必要となっており、初
心者の利用を妨げている。本発明は、上記問題点に鑑
み、平面詳細や立面詳細を描画することなく、ダイレク
トに透視図を描くことを可能となす簡易CADシステム
を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の簡易CADシス
テムは、対象物透視図の最下点となる基点を入力する基
点入力手段と、前記対象物透視図の2つの下線それぞれ
の基線とのなす2つの傾斜角度を入力する傾斜角度入力
手段と、該2つの傾斜角度に対応する2つの補助角度を
求めて、該2つの補助角度から2消点を設定する消点設
定手段と、前記対象物の各部寸法を入力する寸法入力手
段と、前記基点を端点として鉛直上方に延びる直線上に
前記寸法入力手段によって入力した前記各部寸法に対応
する位置に測点を設定する測点設定手段と、前記消点及
び各測点から前記対象物透視図を作図する作図手段と、
を備えるものである。また、前記寸法入力手段は、前記
対象物である建築物の間口幅、奥行き幅、軒高及び屋根
を入力するものであることで、建築物の外観を表示す
ることができ、建築物のコーディネイトを支援すること
ができる。さらに、本発明は、コンピュータを上記簡易
CADシステムとして機能させるためのプログラムを記
録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0005】
【発明の実施の形態】以下添付図面を参照しながら本発
明の好適な実施の形態について詳細に説明する。まず、
本実施の形態の描画法を構成する基本の1つである二消
点透視図法(足線法)を図1を用いて説明する。図1
(a) は斜視図、図1(b) は上側の基本平面図を使って下
側に透視図を描く方法を示している。この描画法は、基
本平面図を作成して二消点を決定して作図する方法であ
る。透視図を描く画面[P.P](Picture Plane)に対
して所定の角度(この例では、30度と60度の組合
せ)で配置された建築物の基本平面図A,B,C,Dを元
にして、基線[G.L](Ground Line:画面[P.P]
と基面[G.P](Ground Plane)との交線)、水平線
[H.L](Horizontal Line:視点を含み基面[G.
P]と平行な平面と画面[P.P]との交線)、立点
[S.P](Standing Point)を指定することで二消点
[V.P1],[V.P2](Vanishing Point)が決定さ
れ、更に建築物の高さ(最前の立線の長さ)を指定する
ことで、二消点透視図が基本平面図と1対1の対応で作
成される。すなわち、立点[S.P]から画面[P.P]
に対して上記角度30度と60度をなす直線を引き、そ
れぞれの画面[P.P]との交点から垂線を降ろし、水
平線[H.L]との交点をそれぞれ消点[V.P1],
[V.P2]とする。また、立点[S.P]と4点A,B,
C,Dとを結ぶ直線と画面[P.P]との交点をそれぞれ
A',B',C',D'(図1の例の場合A'はAに等しい)と
する。つぎに、Aから降ろした垂線と基線[G.L]と
の交点をa、aと消点[V.P2]とを結ぶ直線と、B'
から降ろした垂線との交点をb、aと消点[V.P1]と
を結ぶ直線と、D'から降ろした垂線との交点をd、b
と消点[V.P1]とを結ぶ直線と、dと消点[V.P2
とを結ぶ直線との交点をcとする。さらに、点aから上
に建築物の高さ(基本平面図と同じ縮尺寸法)の点を
e、eと消点[V.P2]とを結ぶ直線と、B'から降ろ
した垂線との交点をf、eと消点[V.P1]とを結ぶ直
線と、D'から降ろした垂線との交点をh、fと消点
[V.P1]とを結ぶ直線と、hと消点[V.P2]とを結
ぶ直線との交点をgとする。これにより、建築物の透視
図a,b,c,d,e,f,g,hが得られる。
【0006】つぎに、本実施の形態の描画法を構成する
基本の他の1つである二消点透視図法(介線法)を図2
を用いて説明する。この描画法は基本平面図を作成せず
に、任意に二消点を決めて作図するものである。 (1) 水平線[H.L]を決める。 (2) 基線[G.L]を決める。 (3) 基線[G.L]上に基点Oを決める。 (4) 二消点[V.P1],[V.P2]を水平線[H.L]上
に任意に決める。 (5) 基点Oと二消点[V.P1],[V.P2]を結ぶ直線
を引く。 (6) 基点Oと二消点[V.P1],[V.P2]を結ぶ2つ
の線分上に、水平線[H.L]に平行となる2定点M,
Nを任意に決定する。 (7) 2定点M,Nに垂線を立てる。 (8) 線分MNを直径とする半円を描く。 (9) 線分MNを直径とする半円上の、基点Oに立てた垂
線が2分割する半円弧の長い側の方の円弧上に、定点P
を任意に決定する。 (10)定点M,Nを中心として半径MP,NPの円を描き、
定点M,Nに立てた垂線と交わる交点M'とN'を求め
る。この交点M'とN'と基点Oを結ぶ線分をそれぞれ介
線Iと介線IIとする。二消点透視図法(介線法)は、こ
れらの介線Iと介線IIを元に透視図を描くものである
(後に更に詳述する)。
【0007】本実施の形態では、二消点透視図法につい
て、先に述べた足線法(基本平面図を作成して二消点を
決定して作図する方法)と、介線法(基本平面図を作成
せずに、任意に二消点を決めて作図する方法)の2つの
作図法を折衷することで、入力された限定的データよ
り、自動的に透視図を作成するものである。すなわち、
建築物描画上の最下点(基点O)と、その基点Oを端点
として左右斜め上方向へ伸びる2つの線分の長さ(間口
と奥行きの実寸に該当する)と、それらの方向を決める
基線[G.L]とのなす角度θ12と、同じく該基点O
を端点として垂直上方へ伸びる線分の長さ、すなわち建
築物の軒高の実寸と、その他必要各部の実寸だけを指定
し、作図に必要な残りの未知数は計算で求めることで、
作図するものである。以下に、図3を用いて、本実施の
形態を説明する。
【0008】・縮尺は例えば1/50とする。 ・基線[G.L]と水平線[H.L]との間隔は、建物を
見る視点の高さであり、例えば1.5mとする。 ・作図の下基準線となるスキャンラインである基線
[G.L]と、その基線[G.L]上に建物作図の最下点
となる基点Oを決めて表示する。←これは作業者の入力
操作によって行う。ここに基線[G.L]が決められた
ことで、水平線[H.L]は自動的にその位置が決ま
る。 ・基点Oより下方向へ延長する線上の所定距離L1の位
置を立点[S.P]とする。 ・水平線[H.L]と所定距離L2を取る平行線位置を
画面[P.P]とする。 ・これまでの作図条件下において、仮想基本平面図(図
中、破線で示す長方形のこと)の下2つの突き合わされ
る各線分が画面[P.P]となす角度{α12}と、対
応透視図における対応線分が基線[G.L]となす2つ
の角度{θ12}との対応テーブルを予め作成してお
き、作業者によって入力された{θ12}に対応する
{α12}を決定する。←{θ12}の入力は、作業
者の操作によって行う。 ・立点[S.P]を端点とする傾きα1の直線と、画面
[P.P]との交点を求め、さらに、この交点から水平
線[H.L]に降ろした垂線の足を消点[V.P1]とし
て求める。 ・同様にして水平線[H.L]上に消点[V.P2]を求
める。
【0009】さて、残りは、間口と奥行き寸法の決定で
ある。ここで、足線法によれば、必ず基本平面図が必要
となって、作図できない。そこで介線法の適用を考え
る。すなわち、介線法では、二消点を任意に決める必要
があったが、これまでの手順によって、作業者の入力デ
ータだけで二消点が自動的に決定されるに至っている。
したがって、以後は図4に示すように、介線法を実行し
ていけば良い。すなわち、 ・基点Oと二消点[V.P1],[V.P2]を結ぶ2つの
線分上に、水平線[H.L]に平行となる2定点M,Nを
決定する。このときの基点Oからの距離を所定のL3と
する。 ・線分MNを直径とする半円上の、基点Oに立てた垂線
が2分割する半円弧の長い側の方の円弧上に、定点Pを
決定する。この場合、定点Pの位置は、入力されたθ1,
θ2の大きさによって、左右どちらの側の円弧上に設定
すべきかが決まるので、MP又はNPの距離を所定距離
L4として与えることで自動的にその座標が決まること
になる。
【0010】・定点M,Nを中心とする半径MP,NPの
円が、定点M,Nに立てた垂線と交わる交点M'とN'を
求める。この交点M'とN'と基点Oを結ぶ線分が介線I
と介線IIである。 ・基点Oに立てた垂線(測線と呼ぶ)上に、基点Oを端
点とする間口幅実寸の縮尺寸法L5、奥行き幅実寸の縮
尺寸法L6、建物各部の高さ実寸の縮尺寸法LHを取
る。←これは作業者の入力操作に基づいて行う。この場
合、作図に必要なすべての寸法は、測線上に測点され
る。そこで、測点L5と消点[V.P2]とを結んで介線
IIとの交点Bを求め、さらに測点L6と消点[V.P1
とを結んで介線Iとの交点Cを求める。続いて、交点B
から垂線を降ろして線分ON(長い方)との交点をDと
すれば間口の幅ODが決まり、また、交点Cから垂線を
降ろして線分OM(短い方)との交点をEとすれば奥行
きの幅OEが決まる。
【0011】また、建物各部の高さについても、同様に
測線上に測点される。そこで、基点Oを端点として垂線
を立て、測線上に軒高L7を測点してAとする。このA
と消点[V.P1]とを結んだ線分と前記Eに立てた垂線
との交点をF、また、Aと消点[V.P2]とを結んだ線
分と前記Dに立てた垂線との交点をGとする。さらに、
測線上に屋根高L8を測点し、消点[V.P1]とを結ん
だ線分と、線分EOの二等分点に立てた垂線との交点H
を求め、また、Hと消点[V.P2]とを結んだ線分とG
を端点としてAHに平行な直線との交点をIとする。
【0012】このように上記各手順(座標計算)を順次
実行することによって、建築物AOEFHIGD(二消
点透視図)が自動的に作図される。この建築物の作図に
おいて、操作者が入力したデータは、基点O、角度θ1,
θ2、建物各部寸法L5,L6,L7,L8に該当する建物
各部の実寸のみである。
【0013】図5は、本実施の形態の基本構成を示す図
である。画像処理コンピュータ1の座標計算セット2
は、2つの角度{α12}と2つの入力予定角度
{θ12}との対応テーブルである視線方向対応角度
テーブル3を参照して座標を計算して、結果をCADセ
ット4に供給する。画像処理コンピュータ1には、透視
図を表示する表示装置5、データを入力するキーボード
6及びマウス7を接続する。
【0014】図6は、本実施の形態の動作を説明するフ
ロー図である。まず、システム電源がオンか否かを判断
し(ステップS1)、NOであればシステム電源がON
するまで待機し、YESであれば、CADセット4を起
動し(ステップS2)、定数値を読み込む(ステップS
3)。このとき、建物の各部の寸法を実寸値で入力でき
るように縮尺比も設定する。つぎに、基点Oの入力があ
るか否かを判断し(ステップS4)、NOであれば入力
があるまで待機し、YESであれば、基点Oを表示装置
5に画面表示する(ステップS5)。そして、θ12,
LHの入力があるか否かを判断し(ステップS6)、N
Oであれば入力があるまで待機し、YESであれば、二
消点透視図作成のための座標計算をする(ステップS
7:図7で詳述する)。そして、その作成図を画面表示
し(ステップS8)、CADセット4の他指定入力を待
って(ステップS9)、入力があるか否かを判断し(ス
テップS10)、NOで入力がなければ入力があるまで
待機し、YESであれば、その入力の対応処理をする
(ステップS11)。その後、CADセット4を終了す
るか否かを判断し(ステップS12)、NOであれば終
了を待機し、YESであれば、システムオフして(ステ
ップS13)、フローを終了する。
【0015】図7は、上述の二消点透視図作成のための
座標計算(ステップS7)のフロー図である。まず、立
点[S.P],水平線[H.L],画面[P.P]を決定し
(ステップS21)、視線方向対応角度テーブル3を参
照することで入力されたθ12からα12を決定し
(ステップS22)、二消点[V.P1],[V.P2]を
決定し(ステップS23)、2定点M,Nを決定し(ス
テップS24)、定点Pを決定し(ステップS25)、
Pが半円弧の長い方の円弧上にあるか否かを判断し(ス
テップS26)、NOであればステップS25に戻って
再度Pを決定し、YESであればステップS27に進
み、交点M'とN'を決定し、定点B,C,D,Eを決定し
(ステップS28)、定点A,F,G,H,Iを決定し
(ステップS29)、A,O,E,F,H,I,G,Dの座標
値をCADセットに与えて(ステップS30)、元のフ
ローに戻ってステップS8に進む。なお、本発明は上記
実施の形態に限定されるものではない。
【0016】上記描画法は一例であり、請求項1に記載
の範囲でどのように描画しても良い。建物各部寸法は縮
尺値を入力するものでも良い。コンピュータを上記簡易
CADシステムとして機能させるためのプログラムを記
録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であっても
良い。
【0017】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、 (1) 基本的には2D−CADの利用形態をとっている。
そこに、若干の数値計算機能を付加するという極めて簡
単な構成としたので、使い勝手の良い安価なCADシス
テムが提供できる。 (2) 平面詳細や立面詳細を描画する必要がないため、作
業性は大幅に向上する。 (3) 描画対象物の各部寸法と、作業者がイメージし易い
透視図における最下点とその両側の2つの傾斜角度を入
力するだけで、自動的に所望の透視図が作成できるた
め、基本平面図からでき上がりの透視図を想像する場合
に比べ、作業者にとっては、はるかに透視図の上りをイ
メージし易く、特に初心者向け用CADソフトとして利
用価値が高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】二消点透視図法(足線法)を説明する図。
【図2】二消点透視図法(介線法)を説明する図。
【図3】本発明の実施の形態により二消点を求める方法
を説明する図。
【図4】本発明の実施の形態により二消点を使用して透
視図を作成する方法を説明する図。
【図5】本発明の実施の形態の基本構成を示す図。
【図6】本発明の実施の形態による制御動作を示すフロ
ー図。
【図7】図6の二消点透視図作成のための座標計算のフ
ロー図。
【符号の説明】
5 表示装置 6 キーボード 7 マウス G.L 基線 G.P 基面 H.L 水平線 O 基点 P.P 画面 S.P 立点 V.P1、V.P2 消点

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対象物透視図の最下点となる基点を入力
    する基点入力手段と、 前記対象物透視図の2つの下線それぞれの基線とのなす
    2つの傾斜角度を入力する傾斜角度入力手段と、該2つの傾斜角度に対応する2つの補助角度を求めて、
    該2つの補助角度から2消点を設定する消点設定手段
    と、 前記対象物の各部寸法を入力する寸法入力手段と、前記基点を端点として鉛直上方に延びる直線上に前記寸
    法入力手段によって入力した前記各部寸法に対応する位
    置に測点を設定する測点設定手段と、 前記消点及び各測点 から前記対象物透視図を作図する作
    図手段と、を備える簡易CADシステム。
  2. 【請求項2】 前記寸法入力手段は、前記対象物である
    建築物の間口幅、奥行き幅、軒高及び屋根高を入力する
    ものであることを特徴とする請求項1記載の簡易CAD
    システム。
  3. 【請求項3】 コンピュータを請求項1又は2記載の簡
    易CADシステムとして機能させるためのプログラムを
    記録したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な
    記録媒体。
JP10173133A 1998-06-19 1998-06-19 簡易cadシステム及び記録媒体 Expired - Lifetime JP2950538B1 (ja)

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