JP2950329B1 - 食物成分分析装置 - Google Patents

食物成分分析装置

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Abstract

【要約】 【課題】 分析対象の米の温度による影響を高精度に補
正し、その米に含まれる成分量を正確に算出する。 【解決手段】 分光分析部5では波長の相違する赤外単
色光を順次米粒に照射し、吸光度算出部11はその透過
光から各波長に対する吸光度を算出する。更に吸光度差
算出部12は隣接波長の吸光度の差を求める。温度補正
部13は、メモリ15から読み出した温度係数を含む換
算式に温度センサ8で計測された米粒の温度と上記吸光
度差とを代入し、基準温度における吸光度差を算出す
る。そして定量演算部14は、検量線メモリ16から読
み出した係数を含む計算式に温度補正された吸光度差を
代入して成分量を算出する。温度変化とそれに起因する
隣接波長の吸光度差の変動とはほぼ線形の関係になるた
め、上記温度補正は高精度で行える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、赤外分光測定を利
用して食物に含まれる各種成分を分析する食物成分分析
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】玄米や精米済みの米粒に含まれる水分、
蛋白質、アミロース等の成分量を測定するために、従来
より赤外分光測定を利用した成分分析装置が用いられて
いる。
【0003】この種の成分分析装置の動作の概要は次の
通りである。干渉フィルタや回折格子でもって特定波長
を有する単色光のみを取り出した近赤外光を試料である
米粒に照射し、その透過光や反射光を光検出器で検出し
て吸光度を算出する。そして、干渉フィルタを順次交換
し又は回折格子を所定角度ずつ回転させて分光測定を行
い、複数の波長に対する吸光度をそれぞれ算出する。そ
れらの吸光度と米の成分量との関係は統計的な関係式で
もって表すことができるから、予め多種類の米を分析し
た結果に基づいて上記関係式を求めて検量線を作成して
おく。未知の米の分析時には、その検量線を用いて、分
光測定によって取得した複数の波長に対する吸光度から
各種成分量を推定的に求める。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような分析では、
分析対象である米の温度が相違すると吸収スペクトルが
変化して定量誤差の原因となる。そこで、成分量を推定
するための上記関係式に温度の影響を補正する項を盛り
込むことによって、温度に起因する定量誤差を軽減する
ようにしていた。このことを簡単な例を挙げて説明す
る。
【0005】それぞれ選択波長の相違する10個の干渉
フィルタを用いて分光測定したi(i=1〜10)番目
の吸光度をXiとしたとき、求めたい成分量Yが吸光度
Xiの線形結合で表せるとすると、その関係式は以下の
ようになる。 Y=α1・X1+α2・X2+…+α10・X10 …(1) 係数α1〜α10は、多種類の米の分析結果に対し重回帰
分析やPLSなどの周知の多変量解析手法を用いて算出
する。
【0006】分析対象の米の温度Tの影響を補正するた
めには、上記(1)式に温度補正項を追加して次の(2)式と
する。 Y=α1・X1+α2・X2+…+α10・X10+α11・T …(2) 係数α11も上記係数α1〜α10と同様に求めることがで
きる。この(2)式を用いれば、米の温度Tの相違に起因
する成分量Yの誤差が軽減される。
【0007】しかしながら、各吸光度Xiは温度変動に
対して線形に変化しているわけではないため、或る1個
の係数α11を含む温度補正項でもって精度の高い補正を
行うことはむずかしく、条件によってはかなりの定量誤
差が生じるものであった。このため、正確な定量分析を
行うには、例えば、装置をできる限り温度が一定の場所
に設置して周囲環境温度の変動を軽減し、且つ、分析対
象の米も温度調整された貯蔵庫に保管し、該貯蔵庫から
出してすぐに分析するといった配慮を要していた。
【0008】本発明はこのような問題を解決するために
成されたものであり、その目的とするところは、米など
の分析対象の食物の温度の影響を高精度に補正し、成分
量を正確に取得することができる食物成分分析装置を提
供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に成された本発明は、分光測定により複数の波長におけ
る食物の吸光度をそれぞれ取得し、該吸光度を基に該食
物に含まれる成分を分析する食物成分分析装置におい
て、 a)分光測定の際に、食物自体又はその近傍の温度を測定
する温度測定手段と、 b)所定波長間の吸光度の差をそれぞれ算出する吸光度差
算出手段と、 c)予め求めた、温度変化とそれに起因する所定波長間の
吸光度差の変動との関係を表す換算式に基づいて、前記
温度測定手段により測定された温度と前記吸光度差算出
手段により算出された複数の吸光度差とから基準温度に
おける各吸光度差を算出する温度補正手段と、 d)該温度補正手段により算出された、基準温度における
複数の吸光度差から成分量を推定する定量手段と、を備
えることを特徴としている。
【0010】ここで、吸光度差算出手段は、複数の波長
のうちの各隣接波長間の吸光度の差をそれぞれ求めるも
のとすることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】この発明における温度補正の基本
原理は次の通りである。いま、それぞれ選択波長の相違
するn個の干渉フィルタを用いて分光測定したi(i=
1〜n)番目の吸光度をXiとすると、隣接波長の吸光
度差ΔXiは、 ΔXi=Xi+1 − Xi …(3) で表せる。基準温度をT0とし、そのときの隣接波長の
吸光度差をΔXi(T0)としたとき、ΔXi(T0)と温度T
の環境下で測定した隣接波長の吸光度差ΔXiとの関係
は、次の式で表せることを本願発明者らは見い出した。 ΔXi(T0)=ΔXi − ki・(T0−T) …(4) すなわち、(4)式は、温度差T0−Tとその温度差に起因
する吸光度差の差分とが線形の関係になることを意味し
ている。線形な関係であるが故に、温度係数kiを正確
に求めることが容易である。更に本願発明者らは、(4)
式中の温度係数kiが米の種類等に依存するものではな
く、各装置に固有の値であることを実験の結果、見い出
した。従って、予め各装置毎に求めた温度係数kiを含
む(4)式を用いれば、それぞれ異なる温度で測定された
吸光度差を基準温度における吸光度差に換算することが
できる。このように基準温度の条件下に統一された吸光
度差に基づいて成分量を計算することにより、温度の影
響は除去される。
【0012】本発明に係る食物成分分析装置の一実施形
態である米の成分分析装置では、上記温度補正の原理の
下、具体的に図3のフローチャートに示した手順で上記
温度補正手段及び定量手段における計算式が決定され
る。
【0013】まず、各装置毎に上記(4)式中の温度係数
kiを決定する(ステップS1)。そのためには、或る
1種類の米に対し温度を変化させつつ分光測定を行い、
温度変動に対する隣接波長の吸光度差の変動を調べる。
勿論、複数種類の米を用いてもよいが、上述のように温
度係数kiは米の種類には殆ど依存しないので、複数種
類の米に対して得られる温度係数kiはほぼ同一になる
筈である。
【0014】次いで、各成分毎に成分量計算式を決定す
る(ステップS2)。そのために、成分量が既知である
多種類(ここではp種類とする)の米が測定に必要な量
だけ用意される。精度の高い成分量計算式を得るために
はできる限り多くの種類の米を測定することが好まし
い。このようなp種類の米のうち、1番目の米に対して
上記n個の干渉フィルタを用いて分光測定した結果より
吸光度差ΔX1i(i=1〜n−1)を算出する(ステッ
プS2A)。そして、その分光測定と同時に計測した米
の温度T1と合わせてn個のデータから成るベクトルS
1、 S1=(ΔX11,ΔX12,…,ΔX1(n-1),T1) を得る(ステップS2B)。更に、用意された全ての米
に対して同様の分光測定を繰り返し実行し、ベクトルS
2,S3,…Spを算出する(ステップS2C)。例え
ば、2番目の米に対応するベクトルS2は、その分光測
定時に計測した米の温度がT2であったとすると、 S2=(ΔX21,ΔX22,…,ΔX2(n-1),T2) となる。
【0015】そして、各ベクトル中の吸光度差と温度と
を上記(4)式に代入して、基準温度T0における吸光度差
を要素とするベクトルS1(T0),S2(T0),…Sp(T0)
を算出する(ステップS2D)。例えば、S1(T0)は、 S1(T0)=(ΔX11(T0),ΔX12(T0),…,ΔX1(n-
1)(T0)) となる。すなわち、これにより温度の依存性が除去さ
れ、全ての吸光度差は基準温度T0における値に統一さ
れる。
【0016】米に含まれる或る成分の量Yは、次の(5)
式で示すようにΔXi(T0)の線形結合で表されるものと
する。 Y=Σai・ΔXi(T0)+b …(5) (Σ:i=1からn−1までの総和) 上記S1(T0),S2(T0),…の全てが(5)式で表される
ものとし、周知の重回帰分析やPLSなどの多変量解析
手法によって係数ai、bを算出する(ステップS2
E)。ここで、S1(T0),S2(T0),…は(4)式により
既に温度補正がなされているので、温度依存性のないa
iとbとが算出される。このようにして算出された係数
ai及びbを含む(5)式が成分量計算式となる。係数ai
及びbは成分の種類毎に相違するから、各成分について
係数を算出して成分量計算式を求めておく。なお、係数
aiとbは装置間差は殆どないので、各装置毎に算出す
る必要はなく、例えば、予め定められた標準的装置を用
いて上記測定を行うことにより得られた係数aiとb
は、そのまま他の同一構成の装置に流用することができ
る。
【0017】この成分分析装置では、温度補正手段は上
記温度係数kiを含む(4)式を、定量手段は係数ai、b
を含む(5)式を、それぞれ計算のために有している。未
知の米の成分量算出の手順を図4のフローチャートに沿
って述べる。
【0018】まず、分析対象の米に対し上記n個の干渉
フィルタを用いて分光測定を実行する(ステップS1
1)。また、温度測定手段は分光測定と同時にその米の
温度Tmを測定する(ステップS12)。吸光度差算出
手段は、分光測定の結果得られる吸光度より吸光度差Δ
Xmi(i=1〜n−1)を算出する(ステップS1
3)。これにより、吸光度差ΔXmiと温度Tmとを合わ
せてn個のデータから成るベクトルSm、 Sm=(ΔXm1,ΔXm2,…,ΔXm(n-1),Tm) が得られる。温度補正手段は、このベクトルSm中の各
吸光度差ΔXmiと温度Tmとを上記(4)式に適用し、基準
温度T0における吸光度差ΔXmi(T0)を要素とするベク
トルSm(T0)を計算する(ステップS14)。すなわ
ち、Sm(T0)は、 Sm(T0)=(ΔXm1(T0),ΔXm2(T0),…,ΔXm(n-
1)(T0)) となり、これにより温度の依存性が除去される。定量手
段は、このようして得られた値を上記(5)式に代入し、
その米の成分量Yを算出する(ステップS15)。
【0019】
【発明の効果】本発明に係る食物成分分析装置では、線
形の関係となる所定波長間の吸光度差の温度依存性を利
用して分光測定時の試料や周囲温度の影響を除去してい
るので、従来のように温度変化に対して非線形である吸
光度でもって温度補正を行うものに比べて、温度補正を
より精度よく行うことができる。その結果、温度の相違
や変動に起因する成分量の誤差を大きく減少させること
ができる。
【0020】
【実施例】以下、本発明に係る食物成分分析装置の一実
施例である米の成分分析装置について、図面を参照して
具体的に説明する。図1は本実施例による米の成分分析
装置の要部の構成図、図2は分光分析部の光路構成図で
ある。
【0021】この米の成分分析装置は、米投入口2と分
析済みの米の収納容器3とその両者を連通する透明なセ
ル4とを備える米送給部1と、セル4内に収納されてい
る米に赤外単色光を照射して透過光を検出する分光分析
部5と、分光分析部5からの電気信号を受け取って蓄積
し、その信号に対し所定の演算を実行して各種成分の量
を算出する演算処理部6と、算出された結果を表示する
表示部7と、セル4内の米粒の温度を計測する温度セン
サ8などを含んで構成される。
【0022】演算処理部6は、マイクロコンピュータや
必要に応じて専用のデジタルシグナルプロセッサ(DS
P)を中心に構成されており、図1に示すように、機能
的には吸光度算出部11、吸光度差算出部12、吸光度
差温度補正部13、定量演算部14、補正データメモリ
15、検量線メモリ16等を含んで構成されている。
【0023】米投入口2に投入された生米は、分光測定
が終了するまでセル4内に留まり、分光測定が終了する
と下方の収納容器3内に落下されるようになっている。
【0024】図2に示すように、分光分析部5では、ハ
ロゲンランプ等の赤外光源20から発した近赤外光が非
球面レンズ21でコリメートされ、更に光束制限部材2
2で光束の大きさが制限された後に干渉フィルタ24に
照射される。フィルタ円盤23には、それぞれ選択波長
の相違する複数の干渉フィルタ24が同心円上に配列さ
れており、この円盤が回転することにより上記光路中に
各干渉フィルタ24が順次挿入されるようになってい
る。
【0025】この干渉フィルタ24により或る特定の波
長を有する単色光のみが取り出され、2枚の散乱板2
5、26を介してセル4に照射される。散乱板25、2
6は単色光の進行方向を多方向に散乱させることによっ
て、セル4内に不均一に充填される米粒9に多方向から
光が当たるようにするものである。セル4内の米粒9を
透過した透過光や米粒9の表面で反射した反射光が入り
混じってセル4内を通過し、窓板27を透過して光検出
器28に到達する。光がセル4内を通過する際に、特定
の波長を有する光が特に強く吸収される。従って、セル
4内に米粒9がない状態での受光強度を予め測定してお
き、セル4内に米粒9が充填されたときの受光強度との
差を調べることにより、米粒9による吸光度を得ること
ができる。
【0026】演算処理部6の補正データメモリ15に
は、上記(4)式に含まれる温度係数kiの値が格納されて
いる。上述のように、この値は各装置に固有の値であっ
て米の種類等には依存しないので、当該装置の工場出荷
前に上記方法により予め測定及び計算して格納してお
く。この値は後で書き換える必要はないので、1回のみ
書込みが可能なメモリを利用すればよい。
【0027】また、検量線メモリ16には、上記(5)式
に含まれる係数ai、bの値が格納されている。これは
上述のように予め多くの種類の米の測定結果から統計
(多変量)解析の手法を用いて決定された値であって、
装置による差は殆どなく、主として使用する米の種類に
依存する。従って、より信頼性の高い係数を求めるに
は、市場に流通しているできる限り多くの種類の米の測
定結果を用いることが好ましい。そのため、例えば新品
種の米が市場に出回ったような場合にはその米の測定結
果を加えて係数を修正することが望ましいので、検量線
メモリ16は後から書き換えが可能になっていることが
好ましい。通常は、共通の標準的装置を用いて多種類の
米を測定した結果から算出された係数が工場出荷前に各
装置の検量線メモリ16に格納され、その後、米の新品
種の登場により係数を修正する必要が生じた場合には、
既に客先に納入されている各装置の検量線メモリ16内
のデータの書換えを各顧客やサービスセンター等で行う
ようにする。
【0028】この米の成分分析装置において未知の米の
成分量を測定する際の具体的な動作は次の通りである。
ここでは、干渉フィルタが10個(つまり波長測定点が
10点)であるものとする。使用者は分析対象の米を米
投入口2に投入し、図示しない操作部にて測定開始ボタ
ンを操作する。すると、投入された米粒9はセル4内に
充填され、上述のように1番目の干渉フィルタを通過し
た単色光がその米粒9に照射される。セル4内を通過し
た光が光検出器28で検出され、その検出信号が吸光度
算出部11に入力されて蓄積されると、フィルタ円盤2
3が回転駆動されて、1番目の干渉フィルタと選択波長
が隣接する2番目の干渉フィルタが光路中に挿入され
る。このように順次異なる波長を有する単色光がセル4
内の米粒9に照射され、その度に光検出器28から検出
信号が吸光度算出部11に取り込まれる。また、適宜の
時点でセル4内の米粒9の温度Trが温度センサ8によ
り計測され、その温度情報は吸光度差温度補正部13に
入力され一時的に記憶される。
【0029】吸光度算出部11では、全ての干渉フィル
タ24に対する各波長毎に吸光度X1〜X10が算出され
る。吸光度差算出部12では、上記(3)式に基づき隣接
波長の吸光度差ΔX1〜ΔX9が計算される。次いで吸光
度差温度補正部13では、補正データメモリ15から読
み出された温度係数k1〜k9が上記(4)式に代入され、
更にΔX1〜ΔX9とTr、T0とが代入されて、基準温度
T0における吸光度差ΔX1(T0)〜ΔX9(T0)が計算さ
れる。その後、定量演算部14では、検量線メモリ16
から読み出された、或る成分に対する係数a1〜a9、b
が上記(5)式に代入され、更にΔX1(T0)〜ΔX9(T0)
が代入されて、その成分量Yが計算される。そして算出
された成分量Yの値が表示部7に表示される。他の成分
に対する定量計算は、検量線メモリ16から読み出され
たその成分に対する係数a’1〜a’9、b’が代入され
た上記(5)式に基づいて行われる。
【0030】このようにして、本実施例の米の成分分析
装置では、投入する米の温度を特に管理する必要もな
く、温度に起因する定量誤差の少ない値を得ることがで
きる。
【0031】なお、実際には、上記(5)式により成分量
を計算する際にも若干の装置間誤差が生じることが多
い。そこで、係数bを各装置毎に調整することによりそ
の装置間誤差を軽減するようにしてもよい。
【0032】また上記説明では、成分量Yが単にΔXi
(T0)の線形結合で表されるものとして(4)式を導出して
いたが、更に次の(6)式に示すように温度Tの項を追加
してもよい。 Y=Σai・ΔXi(T0)+an・T+b …(6) (Σ:i=1からn−1までの総和) この計算式を用いて多変量解析の手法によりai(i=1
〜n)とbとを決定すれば、上記(4)式のみでは補正し
きれなかった温度による定量誤差を一層減少させること
ができる。
【0033】また、成分量Yの計算式を線形結合で表さ
れるものとせず、例えばニューラルネットワーク等の非
線形関数を導入するようにしてもよい。このような場合
でも、上記(4)式を用いた温度補正の効果は充分に発揮
できる。
【0034】なお、上記実施例は一例であって、本発明
の趣旨の範囲で適宜変更や修正を行えることは明らかで
ある。例えば、米の分光測定を測定するための構成は特
に限定されず、干渉フィルタで特定波長の単色光を取り
出す代わりに回折格子等、他の波長分散素子を用いても
よい。
【0035】また、本発明に係る食物成分分析装置は、
米以外、例えばトウモロコシ、麦等の穀物全般や肉類な
ど、他の食物の成分分析にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例による米の成分分析装置の
要部の構成図。
【図2】 分光分析部の光路構成図。
【図3】 温度補正及び成分量定量のための計算式の決
定手順を示すフローチャート。
【図4】 未知の米の成分量算出の手順を示すフローチ
ャート。
【符号の説明】
1…米送給部 5…分光分析部 6…演算処理部 7…表示部 8…温度センサ 11…吸光度算出部 12…吸光度差算出部 13…吸光度差温度補正部 14…定量演算部 15…補正データメモリ 16…検量線メモリ

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分光測定により複数の波長における食物
    の吸光度をそれぞれ取得し、該吸光度を基に該食物に含
    まれる成分を分析する食物成分分析装置において、 a)分光測定の際に、食物自体又はその近傍の温度を測定
    する温度測定手段と、 b)所定波長間の吸光度の差をそれぞれ算出する吸光度差
    算出手段と、 c)予め求めた、温度変化とそれに起因する所定波長間の
    吸光度差の変動との関係を表す換算式に基づいて、前記
    温度測定手段により測定された温度と前記吸光度差算出
    手段により算出された複数の吸光度差とから基準温度に
    おける各吸光度差を算出する温度補正手段と、 d)該温度補正手段により算出された、基準温度における
    複数の吸光度差から成分量を推定する定量手段と、 を備えることを特徴とする食物成分分析装置。
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