JP2949517B2

JP2949517B2 - 油及び燃料を回収するための装置

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Publication number: JP2949517B2
Application number: JP2196434A
Authority: JP
Inventors: イグナシオマルティネスオルテガドン
Original assignee: Individual
Current assignee: Individual
Priority date: 1989-07-26
Filing date: 1990-07-26
Publication date: 1999-09-13
Anticipated expiration: 2014-09-13
Also published as: FR2650315A1; IT9083431A1; JPH0359212A; IT1242369B; ES2016710A6; GB2234192A; IT9083431A0; US5030342A; GB2234192B; FR2650315B1; GB9016454D0

Description

【発明の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕本発明は、海面に流出した油及び燃料を回収するため
の装置に関する。

〔従来の技術〕

海面に流出した流動性エネルギー源を回収するのに現
在実施されている方法には、様ざまなものがある。

その一つとして、特殊なボートを使い、前進しなが
ら、ゲートを介して、流出物の表層部を集めていく方法
がある。また、その際に、吸引ホースを使って、流出物
を回収するという、非常に複雑な技術を駆使することも
ある。

これらはいずれも、莫大な費用を要するばかりでな
く、作業性、回収率及び利益性が悪く、また生態環境の
破壊を防止する上では不十分である。

〔発明が解決しようとする課題〕

本発明の目的は、上で述べた問題点を解消し、かつ製
造費が安く、流出物の回収率が高く、保守が簡単で、し
かも流出物の中心部へ簡単に移動させることができる新
規な装置を提供することである。

〔課題を解決するための手段〕

本発明によれば、上で述べた目的を達成するため、海
面に流出した油及び燃料を回収するための装置であっ
て、中央部に、海面における油と水の混合物を滝状に流入
させることができるじょうごを備える一つもしくはそれ
以上の浮揚台と、パイプの端部が固着され、かつ前記各浮揚台の周辺部
に等間隔に配置されている支持部と、前記パイプの中を通り、かつ、油の滝状流入を可能に
するじょうごを備える浮揚台の浮遊高さを決めている浮
子に、端部が固着されている牽引ケーブルとを有し、全部の前記浮子に対するパイプの端部は、結合部に集
結され、かつ１本にまとめられたケーブルは、じょうご
の底端から伸び第１の回収タンクへ達している可撓性パ
イプに沿って案内され、更に前記タンクの底部へ導か
れ、そこでタンクの底部に固着されているプーリーを巻
回してから上昇し、端部を、タンク内部の浮子の底部に
固着することにより、浮揚台の浮遊高さを決めることが
できるようになっており、また、タンク内の空気が、回
収物流入のバルブ作用をするようになっていることを特
徴とする装置が提供される。

回収物を取り入れる第１のタンクと、その下方にある
第２のタンクとの間には、可撓性のパイプがかけ渡さ
れ、第１のタンクに集めたものを第２のタンクへ移すこ
とができる。次に、第２のタンクの内容物を、ポンプに
より、可撓性のパイプを介して海面上のタンクへ送給す
る。そこで、油が回収され、水は海へ戻される。

本発明による装置により、海に流出した油及び燃料、
例えば原油などのようなものを、好ましい状態で、しか
も高い回収率で回収することができる。

本発明の装置によれば、大型タンカーの事故や沈没に
より引き起こされる生態環境の破壊をくい止めることが
でき、かつ流出した燃料を、少ない経費で回収できるた
め、再び資源としての有効な利用がはかれる。

この装置は、浮揚台に取り付けられたじょうごの中
へ、回収物が滝状に入っていくようになっている。じょ
うごは、浮子によって作動し、燃料が海面に浮いている
という便利さを生かし、油・水混合物は、約2cmの層厚
をなして、じょうごの表面を流れていく。

流体がじょうごの中へ滝状に入っていく際の流量は計
算され、かつ最初に水が連続的に流入して、水の層がで
きるが、油は流入しないように行なわれる。

油・水混合物の流入は、回収タンクが一杯になるに伴
って、流体の流入が少なくなり、それによってうまく機
能しうるよう、自動的に行なわれる。

装置の最後の部分は、タンクに集められた油・水混合
物を汲み上げて、いくつかのタンクへ送給する揚水ポン
プを備えている。この最終タンクにおいて、前工程で混
じり合っていた油を水と分離させる。

上に述べた特徴を、添付の図面に基いて説明するが、
これは、あくまでも限定的なものではなく、できるだけ
広い意味をもって解釈されるべきものである。

〔実施例〕

以下、添付の図面を参照して、本発明の好適実施例を
詳細に説明する。なお、各図面における符号は、以下の
特徴と動作の説明のため、その部分を特定しうるように
付されている。

図に示すように、浮揚台（１）は、中央部にじょうご
（２）の開口部を有し、その開口部には、装置を損傷さ
せる恐れのある不純物や異物が取り込まれのを防止する
ため、フィルター（３）が取り付けられている。

浮揚台（１）の周辺部には、等間隔に数箇所、支持ス
トリップ（４）が配置されている。支持ストリップ
（４）の端部には、パイプ（５）が固着されている。こ
のパイプ（５）は、一端が高さ調節用の浮子（７）に固
着されているケーブル（６）を案内している。

浮子（７）のケーブル（６）はすべて、結合部（８）
でまとめられている。すべてのケーブル（６）は、じょ
うご（２）の側部と、捕集された回収物用注入パイプ
（11）とに、それぞれ設けられたフランジ（10）によっ
て案内されている下行ケーブル（９）に接続される。

流出物は、それが浮いている海面と同じ高さのところ
で、じょうご（２）の中へ滝状に入っていく。

可撓性のパイプ（11）は、タンク（12）の頂部中央へ
導かれている。タンク（12）は、水中に沈められ、かつ
浮子（14）を有するハウジング、即ち構築体（13）に固
定されている。捕集された流体がタンク内に流入する
と、下行ケーブル（９）の端部が固着されている内部浮
子（15）の分をプラスした水面の高さは、上昇してい
く。

下行ケーブル（９）は、タンク（12）の底部に固着さ
れているプーリー（16）に巻回されている。それによ
り、タンク（12）が一杯になると、浮子（７）の下方の
ケーブル（９）に牽引力が働き、浮揚台（１）は持ち上
げられ、回収物の流入が阻止される。

タンク（12）の水面が下がると、再び、浮揚台（１）
は沈められて、海面の流出物の回収が開始される。この
動作は、完全に自動的に行なわれる。

チューブ（17）の一端は、タンク（12）の内部にあ
り、かつ油を吸引しうるように、水面上一定の高さにな
っており、その他端は、タンク（18）のカバー即ち頂部
の中央に導かれている。

そのため、第１のタンク（12）に回収された流出物
を、第２のタンク（18）へ集めることができる。第２の
タンク（18）は、第１のタンク（12）よりも深部にあ
り、かつハウジング（13）に固定されているので、流体
の注入が可能である。

パイプ（19）の一端は、タンク（18）の内部にあり、
かつできるだけ多くの油を回収するのに都合のよい高さ
となっており、その他端は、吸引ポンプ（20）へ達して
いる。

前記パイプ（19）の他端は、タンク（18）の内部の浮
子（21）に固着されている。そのため、ポンプ（20）
は、タンクに流体が入っている際には作動するが、空の
状態では作動しない。

ポンプからは、上行パイプ（22）が伸びており、それ
により、水・油混合物は、浮子（24）に固定され、かつ
海面上に位置しているタンク（23）へ送給される。この
タンク（23）の内部には、可撓性パイプ（26）が取り付
けられた浮子（25）が入っている。

パイプ（26）は、油の上層部分に位置し、かつ出口
（27）側には、バルブ（28）が取り付けられており、油
を、使用に供するべく、ドラムあるいはタンクに回収し
て貯蔵できるようになっている。

一方、タンク（23）の底部には、別の出口用パイプ
（29）が設けられており、それにより、油の混じってい
ない海水を、海へ戻すことができる。

勿論、この装置には、能率をよくするため、水・油用
のじょうごを有するとともに、タンク（12）及び（18）
への送給パイプを備える複数の浮揚台（１）を設けて、
タンク（23）に回収するようにすることができる。

構築体（13）に固着されたタンク（18）には、外部ハ
ンドル（32）から伸びる作動バー（31）を備えるタップ
（30）が取り付けられている。従って、構築体（13）
を、タンク（12）（18）および吸引ポンプ（20）と共に
海中へ沈めることができる。

タップ（30）を介して、海水がタンク（12）（18）の
中へ入るため、空気チャンバが沈みにくいという問題は
解消される。

構築体（13）が、完全に定位置に落着いたら、タップ
（30）を閉めて、流出物の回収作業を開始する。

回収された流体の量により空気量が変化するタンク
（12）（18）の内部同士は、パイプ（33）によって互い
に連通し、かつ外界と連通しているため、チャンバの空
気が、回収された流出物の高さにより加圧されることは
ない。

以上、海面に流出した油及び燃料を回収するための本
発明の装置について説明してきたが、その各部の材料、
寸法及び形状に関しては、種々変えて実施することがで
きる。つまり、本発明の概念から逸脱することなく、種
々の変形を加えて本発明を実施することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明による装置の使用状態における中央縦
断面図である。第２図は、支持部に取り付けられたいくつかの浮子によ
って浮いている浮揚台に設けられているじょうごの側面
図である。この状態において、じょうごは水面下に沈め
られており、海面上の回収物は、第１のタンクへ流入す
る。第３図は、第２図と同様のじょうごの側面図である。た
だし、第１のタンクが一杯になっている場合であり、従
って、浮揚台は、海面よりも高くなっている。第４図は、本発明によるじょうごを備える浮揚台の平面
図である。浮揚台は、周囲に複数の調節可能な浮子を備
え、かつ中央部にはフィルターを備えている。第５図は、燃料用パイプ及び水用パイプを備えた最終段
階におけるタンクの断面図である。（１）浮揚台、（２）じょうご（３）フィルター、（４）支持ストリップ（５）パイプ、（６）ケーブル（７）浮子、（８）結合部（９）下行ケーブル、（10）フランジ（11）注入パイプ、（12）タンク（13）ハウジング（構築体）（14）浮子、（15）内部浮子（16）プーリー、（17）チューブ（18）タンク、（19）パイプ（20）吸引ポンプ、（21）浮子（22）上行パイプ、（23）タンク（24）浮子、（25）浮子（26）パイプ、（27）出口（28）バルブ、（29）出口用パイプ（30）タップ、（31）バー（32）ハンドル、（33）パイプ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) E02B 15/10 C02F 1/40

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】海面に流出した油及び燃料を回収するため
の装置であって、中央部に、海面における油と水の混合物を滝状に流入さ
せることができるじょうごを備える一つもしくはそれ以
上の浮揚台と、パイプの端部が固着され、かつ前記浮揚台の周辺部に等
間隔に配置されている支持部と、前記パイプの中を通り、かつ、油の滝状流入を可能にす
るじょうごを備える浮揚台の浮遊高さを決めている浮子
に、端部が固着されている牽引ケーブルとを有し、全部の前記浮子に対するパイプの端部は、結合部に集結
され、かつ一本にまとめられたケーブルは、じょうごの
底端から伸び第１の回収タンクへ達している可撓性パイ
プに沿って案内され、さらに前記タンクの底部へ導か
れ、そこでタンクの底部に固着されているプーリーを巻
回してから上昇し、端部を、タンク内部の浮子の底部に
固着することにより、浮揚台の浮遊高さを決めることが
できるようになっており、またタンク内の空気が、回収
物流入のバルブ作用をするようになっていることを特徴
とする油及び燃料を回収するための装置。
【請求項２】水・油混合物を回収するための第１タンク
が、可撓性の内部パイプを有し、その端部は、回収物を
取り入れて、前記第１タンクより若干下方に位置する第
２のタンクへ注入させるべく、第１タンク内部の浮子に
固着されており、前記第２タンクには、外側吸引ポンプ
にも接続されている別のパイプに連結されている浮子が
入っており、海中に沈められている前記第１及び第２の
タンク並びに吸引ポンプは、海面上の浮子を備えている
ハウジング即ち構築体に固定されており、かつ吸引ポン
プにより、上行パイプを介して、海面上に浮いているタ
ンクへ混合物を送給しうるようになっていることを特徴
とする請求項（１）記載の装置。
【請求項３】吸引ポンプからのパイプの端部は、海面上
に位置するタンクのカバーに連結され、かつ前記タンク
から油を抜きとるための可撓性パイプの一端は、前記タ
ンク内部の浮子に連結され、タンク外側の他端には、油
を取り出すためのバルブが取り付けられ、後の使用に供
するべく、樽やタンクに貯蔵できるようになっており、
更に前記タンクの底部近くには、燃料を含まない水を海
へ戻すための流出口が設けられていることを特徴とする
請求項（１）または（２）記載の装置。