JP2949350B2 - 半球状曲面を有する繊維強化樹脂成形体とその製造方法 - Google Patents

半球状曲面を有する繊維強化樹脂成形体とその製造方法

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JP2949350B2 JP1191386A JP19138689A JP2949350B2 JP 2949350 B2 JP2949350 B2 JP 2949350B2 JP 1191386 A JP1191386 A JP 1191386A JP 19138689 A JP19138689 A JP 19138689A JP 2949350 B2 JP2949350 B2 JP 2949350B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の技術分野〕 本発明は強化用繊維として長繊維が使用された半球状
曲面を有する繊維強化樹脂成形体とその製造方法に関す
る。
〔従来技術〕
従来、ヘルメット等のような三次曲面からなる繊維強
化樹脂成形体を成形する場合、その強化用繊維として短
繊維(チョップド・ファイバー)が使用されていた。長
繊維の方が短繊維よりも力学的に強力利用率が高いにも
かかわらず、このように短繊維が使用されている理由
は、長繊維の場合はシート状の織物にして三次曲面に沿
わせようとすると皺を発生し、その曲面になじませるこ
とが難しいためである。そして、長繊維のシート状織物
では、上記皺によって成形体の外観を悪化するばかりで
なく、繊維に対する樹脂の含浸を不均一にして強度のバ
ラツキを発生するなどの欠点があったからである。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明の目的は、強化用繊維として力学的に有利な長
繊維を使用しながら半球状の三次曲面によくなじみ、皺
などを発生することがないようにする半球状曲面を有す
る繊維強化樹脂成形体の製造方法を提供することにあ
る。
本発明の他の目的は、成形体の外観を良好にすると共
に、繊維に対する樹脂の含浸を良好にして強度のバラツ
キを発生しないようにすることを可能にする半球状曲面
を有する繊維強化樹脂成形体を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
上記第1の目的を達成する本発明の繊維強化樹脂成形
体の製造方法は、成形型の半球状の成形面に多数本のピ
ンを該成形面の半径方向に向けて植立し、樹脂を含浸し
た強化用長繊維を前記ピン間を縫うように導き、前記成
形面の端部のピンに絡ませて折り返すように該成形面に
沿って往復トラバースして複数層に積層し、かつ層間で
前記強化用長繊維の方向を互いに交差させて樹脂と一体
化した繊維成形体を成形し、前記樹脂が少なくとも半硬
化となった状態で前記繊維成形体を脱型し、前記ピンの
離脱により該繊維成形体に多数の貫通孔を形成すること
を特徴とするものである。
また、上記他の目的を達成する本発明の繊維強化樹脂
成形体は、強化用長繊維を樹脂と共に一体成形された半
球状曲面を有する繊維成形体であって、前記強化用長繊
維を往復トラバースにより前記半球状曲面に沿って複数
層に積層し、かつ層間で前記強化用長繊維の方向を互い
に交差させると共に、前記繊維成形体の強化用長繊維に
取り囲まれた位置に多数の貫通孔を点在させたことを特
徴とするものである。
本発明において、樹脂強化に使用される長繊維として
は、従来から公知の無機繊維,有機繊維のいずれもが使
用可能である。この長繊維には、好ましくは炭素繊維,
ガラス繊維,アラミド繊維などの高強度,高弾性率の繊
維が使用されるが、このほか特別に強度や弾性率をアッ
プさせたポリアミド繊維,ポリエステル繊維,ポリ塩化
ビニル繊維,ポリエチレン繊維なども使用可能である。
本発明に使用される樹脂としては、熱硬化性樹脂が好
ましいが、熱可塑性樹脂も使用可能である。その熱硬化
性樹脂としては、エポキシ、不飽和ポリエステル,ビニ
ルエステル,ポリイミド,フェノールなどの樹脂を挙げ
ることができる。また、熱可塑性樹脂としては、ポリア
ミド,ポリエステル,ポリエチレン,ポリプロピレン,
ポリアセタール,ポリカーボネートなどの樹脂を挙げる
ことができる。
第1図は、本発明の繊維強化樹脂成形体の製造方法に
おける成形工程を示すもので、ヘルメット用補強材を成
形する工程を示している。1は成形型で、その表面に略
球状の三次曲面からなる成形面1aを有している。この成
形面1aの全面には多数のピン2が略等間隔に分布するよ
うに植込まれている。
一方、3は炭素繊維,ガラス繊維などの強化用長繊維
Yが巻き取られた糸巻ボビン、4はエポキシ樹脂などの
熱硬化性樹脂が溶剤で溶解された樹脂液を貯留した樹脂
液槽である。5はトラバースガイドで、成形型1の成形
面1aに沿って、その半径方向を任意の角度で往復トラバ
ースするようになっている。このトラバースガイド5は
自動的に駆動されるほか、手動で動かすようにしてもよ
い。
このような装置によって、強化用長繊維Yから繊維成
形体Sを成形するときは、糸巻ボビン3から強化用長繊
維Yを解除し、それを樹脂液槽4の中に浸漬ローラ6を
介して浸漬して樹脂液を含浸させる。この樹脂液を含浸
した強化用長繊維Yを、トラバースガイド5によって成
形型1の成形面1aに沿わせ、多数本のピン2の間を縫う
ように導きながら積層させていく。このような積層操作
において、強化用長繊維Yは、隣接するピン2間を通る
とき、その繊維側面をピン2によってずり落ちないよう
係止され、かつ成形面1aの周端では端部のピン2に絡ま
せて折り返すようにする。これを繰り返すことによって
成形面1aの全面は強化用長繊維Yによって覆われ、三次
曲面の繊維成形体Sを形成する。この往復トラバースに
よれば、強化用長繊維Yに適度な張力を与えながら皺を
発生させることなく繊維成形体Sを形成することがで
き、しかも往復トラバース機構は簡単な装置で構成する
ことができる。
このような繊維成形体Sの形成は、強化用長繊維Yを
複数層にわたって積層させることが望ましく、かつこれ
ら層間において強化用長繊維Yの方向を互いに交差さ
せ、強化方向が等方性になるようにすることが望まし
い。すなわち、2層であれば強化用長繊維Yの交差角度
を90゜に、3層であれば60゜に、4層であれば45゜に、
5層であれば36゜にするように等配することが望まし
い。
このようにして強化用長繊維Yの積層を終了したら、
樹脂が半硬化(Bステージ化)したところで、繊維成形
体Sを成形型1から脱型する。このときの樹脂の硬化
は、樹脂が常温硬化型であれば常温で一定時間放置する
だけでもよいが、加熱するようにすれば半硬化までの時
間を短縮することができる。
第2図,第3図は、成形型1から脱型後の繊維形成体
Sを示している。脱型された繊維形成体Sは、その面内
にピン2が抜けて出来た多数の貫通孔12を有している。
また、成形型1に線状の繊維を巻き付けて成形したもの
であるから、繊維成形体Sは成形面1aに沿った滑らかな
三次曲面を有し、皺は全く発生していない。この繊維成
形体Sは強化用長繊維Yが層間で交差するように配置さ
れているので、任意の方向の荷重に対して大きな強度を
得ることができる。しかも、貫通孔12は繊維成形体Sの
強化用長繊維Yに取り囲まれた位置に配置されているの
で、ピン2を離脱する際に応力が集中しても欠陥などを
生じることはなく、貫通孔廻りの強度を十分に確保する
ことができる。
このようにして成形された皺のない繊維成形体Sは、
繊維強化樹脂用の補強材となり、後述するように金型に
挿入して樹脂と共に本成形すれれば外観の良好な三次曲
面を有する繊維強化樹脂にすることができる。
また、別の使用方法として、上記繊維成形体Sのまま
樹脂を硬化させて繊維強化樹脂にすることもできる。こ
の場合は多数の貫通孔を開口したまま成形体になるの
で、通気性を必要とする用途に好適である。また、その
表面を半透湿性布帛(空気だけを通し、水を通さない性
質を有する布帛)で覆うことにより、水を通さずに良好
な通気性を有する成形体にすることができる。
上記繊維成形体Sを補強材として使用して、金型によ
り樹脂と共に加熱成形すると、繊維成形体Sは、第2,3
図に想像線(鎖線)で示すように樹脂Rの中に埋設され
た状態となり、かつその樹脂Rが繊維成形体Sに含浸さ
れ、加熱硬化されて一体化する。このように樹脂Rが繊
維成形体Sに含浸するとき、面内に多数開口した貫通孔
12にも浸入するため、この貫通孔12を介することによっ
て繊維成形体Sとの結合を一層強化し、強度のバラツキ
をなくすようにする。
繊維成形体Sを使用してヘルメットに成形する場合、
第4図のヘルメット30のように、繊維成形体Sを上部だ
けに使用し、他の部分を樹脂Rだけの成形部分とした
り、従来と同じ短繊維で強化したものにしてもよく、こ
れに対し、第5図のヘルメット30のように、繊維成形体
Sを全体に使用するようにしてもよい。いずれの場合に
も、上記繊維成形体Sは三次曲面に皺のないように良好
に対応し、ヘルメットの外観の悪化や強度のバラツキを
生ずることはない。
また、繊維成形体Sは、短繊維で強化されたものに比
べて力学的に強化効率が高いので、同じ強度を出す場合
には少ない繊維量ですみ、ヘルメット(繊維強化樹脂成
形体)全体を軽量化することができる。
本発明は上述したヘルメットの成形に限らず、他の繊
維強化樹脂にも好ましく適用することができる。例え
ば、自動二輪車のカウリング、ヨット,ボートなどの船
体、自動車の車体などに使用することができる。
〔発明の効果〕
上述したように本発明の製造方法は、成形型の半球状
の成形面に多数本のピンを該成形面の半径方向に向けて
植立し、樹脂を含浸した強化用長繊維を前記ピン間を縫
うように導き、前記成形面の端部のピンに絡ませて折り
返すように該成形面に沿って往復トラバースして複数層
に積層し、かつ層間で前記強化用長繊維の方向を互いに
交差させて樹脂と一体化した繊維成形体を成形し、前記
樹脂が少なくとも半硬化となった状態で前記繊維成形体
を脱型し、前記ピンの離脱により該繊維成形体に多数の
貫通孔を形成するので、強化用繊維として力学的に有利
な長繊維を使用しながら、その強化用長繊維を往復トラ
バースより半球状曲面によくなじませ、皺などを発生す
ることがない繊維強化樹脂成形体を得ることができる。
また、上記製造方法により得られる繊維強化樹脂成形
体は、強化用長繊維を樹脂と共に一体成形された半球状
曲面を有する繊維成形体であって、前記強化用長繊維を
往復トラバースにより前記半球状曲面に沿って複数層に
積層し、かつ層間で前記強化用長繊維の方向を互いに交
差させると共に、前記繊維成形体の強化用長繊維に取り
囲まれた位置に多数の貫通孔を点在させたものであるの
で、これを補強材とした繊維強化樹脂成形体の外観を良
好にするばかりでなく、繊維に対する樹脂の含浸を良好
にし、強度のバラツキなどを発生することがない。この
繊維成形体は強化用長繊維が層間で交差するように配置
されているため任意の方向の荷重に対して大きな強度を
得ることができ、しかも貫通孔が強化用長繊維に取り囲
まれているため貫通孔廻りの強度も優れている。
従って、本発明の成形体は通気性と強度を必要とする
ヘルメット等に最適であると共に、更に樹脂を積層して
使用する場合には貫通孔に樹脂が侵入することで強固な
結合構造を形成することが可能である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の繊維強化樹脂成形体の製造方法におけ
る予備成形工程を示す概略図、第2図は同予備成形工程
で得られた繊維成形体の平面図、第3図は第2図のIII
−III矢視断面図である。第4図および第5図はそれぞ
れ同様の繊維成形体を使用して成形したヘルメットの縦
断面図である。 1……成形型、1a……成形面、2……ピン、3……糸巻
ボビン、4……樹脂液槽、5……トラバースガイド、S
……繊維成形体、R……樹脂。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−195826(JP,A) 特開 昭64−63132(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B29C 70/10

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】成形型の半球状の成形面に多数本のピンを
    該成形面の半径方向に向けて植立し、樹脂を含浸した強
    化用長繊維を前記ピン間を縫うように導き、前記成形面
    の端部のピンに絡ませて折り返すように該成形面に沿っ
    て往復トラバースして複数層に積層し、かつ層間で前記
    強化用長繊維の方向を互いに交差させて樹脂と一体化し
    た繊維成形体を成形し、前記樹脂が少なくとも半硬化と
    なった状態で前記繊維成形体を脱型し、前記ピンの離脱
    により該繊維成形体に多数の貫通孔を形成することを特
    徴とする半球状曲面を有する繊維強化樹脂成形体の製造
    方法。
  2. 【請求項2】強化用長繊維を樹脂と共に一体成形された
    半球状曲面を有する繊維成形体であって、前記強化用長
    繊維を往復トラバースにより前記半球状曲面に沿って複
    数層に積層し、かつ層間で前記強化用長繊維の方向を互
    いに交差させると共に、前記繊維成形体の強化用長繊維
    に取り囲まれた位置に多数の貫通孔を点在させた半球状
    曲面を有する繊維強化樹脂成形体。
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